JP2019044154A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェットグリップ性能および低燃費性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上のシリカ、および、5〜50質量部の溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂を含んでなるゴム組成物により構成されたトレッドを備えた空気入りタイヤであって、前記ゴム成分が、40〜100質量%のスチレンブタジエンゴムおよび0〜60質量%のブタジエンゴムを含んでなるものであり、前記樹脂が、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂およびアルキルフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも一つである、空気入りタイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明は、所定のゴム組成物からなるトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤの転がり抵抗を低減し、発熱を抑えることによる車の低燃費化が行われている。車の低燃費化への要求は強くなってきており、特に、タイヤ部材のなかでもタイヤにおける占有比率の高いトレッドに対して、優れた低発熱性(低燃費性)が要求されている。また、車の走行における安全性の面から、トレッドに対しては、ウェットグリップ性能も要求されている。
一般的に、低燃費性を向上させるためにはゴム組成物のヒステリシスロス(tanδ)を低下させることが有効である。また、ウェットグリップ性能を向上させるためには、ヒステリシスロス摩擦、粘着摩擦、掘り起こし摩擦などの摩擦力を大きくする方法などが考えられている。
しかし、ヒステリシスロスを低下させて低燃費性を向上させると、ヒステリシスロス摩擦が小さくなり、ウェットグリップ性能が悪化してしまうという問題がある。つまり、粘弾性特性(tanδ)だけでは低燃費性とウェットグリップとを両立させることは困難である。
特許文献1には、所定のエラストマーに粘着付与樹脂を組合せることでグリップ性能の向上を図る方法が記載されている。しかし、ウェットグリップ性能および低燃費性をバランス良く改善することについては開示がない。
特開2016−210937号公報
本発明は、ウェットグリップ性能および低燃費性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供しようとするものである。
鋭意検討の結果、トレッド用ゴム組成物に所定の樹脂を配合することで、上記課題を解決できることが見出され、さらに検討が重ねられ、本発明が完成した。
すなわち、本発明の一の態様は、
[1]ゴム成分100質量部に対し、
0.5質量部以上のシリカ、および、
5〜50質量部の溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂
を含んでなるゴム組成物により構成されたトレッドを備えた空気入りタイヤであって、
前記ゴム成分が、40〜100質量%のスチレンブタジエンゴムおよび0〜60質量%のブタジエンゴムを含んでなるものであり、
前記樹脂が、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂およびアルキルフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも一つである、空気入りタイヤ、
[2]前記樹脂が、フェノールと、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンとを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で重合させることにより得られるテルペンフェノール樹脂である、上記[1]記載の空気入りタイヤ、
[3]前記樹脂が、フェノール−三フッ化ホウ素錯体混合物に、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で添加することにより得られるテルペンフェノール樹脂であって、三フッ化ホウ素錯体が三フッ化ホウ素のエーテル錯体および三フッ化ホウ素の有機酸錯体から選択される、上記[1]記載の空気入りタイヤ、
[4]前記樹脂が、110〜135℃の範囲の軟化点をもつテルペンフェノール樹脂である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[5]ゴム組成物が、1〜150質量部のカーボンブラックをさらに含んでなるものである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[6]ゴム組成物が、硫黄系カップリング剤、有機過酸化物系カップリング剤、無機カップリング剤、ポリアミンカップリング剤、樹脂カップリング剤、硫黄化合物系カップリング剤、オキシム−ニトロソアミン系カップリング剤および硫黄からなる群から選択される少なくとも一つのカップリング剤をさらに含んでなるものである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[7]ゴム組成物が、シリカ100質量部に対して1〜20質量部のシランカップリング剤をさらに含んでなるものである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[8]ゴムが、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、ニトリル水素化ブタジエンゴム(NHBR)、水素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンンプロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレン−(芳香族ビニルまたはジエンモノマー)共重合体、臭素化NR、塩素化NR、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンホモポリマーゴム、エピクロロヒドリン−(エチレンオキサイドまたはアリルグリシジルエーテル)共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム、ポリスルフィドゴム、フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、フッ化シリコーンゴム、フッ化ホスファゲンゴム、スチレンエラストマー、熱可塑性オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群から選択される少なくとも一つである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の空気入りタイヤ、
[9]ゴム成分100質量部に対し、
0.5質量部以上のシリカ、および、
5〜50質量部の樹脂であって、該樹脂はフェノール−三フッ化ホウ素錯体混合物に、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で添加することにより得られるものであり、該三フッ化ホウ素錯体は三フッ化ホウ素のエーテル錯体および三フッ化ホウ素の有機酸錯体から選択されるもの
を含んでなるゴム組成物により構成されたトレッドを備えた空気入りタイヤであって、
該樹脂が80〜140℃の間の軟化点をもつものである、空気入りタイヤ、
[10]ウェットグリップ性能および低燃費性が改善された空気入りタイヤの製造方法であって、
溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂を選択する工程であって、該樹脂はテルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂およびアルキルフェノール樹脂から選択される少なくとも一つである工程、
ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上のシリカ、および、5〜50質量部の溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂を含んでなるゴム組成物を調製する工程;および
該ゴム組成物から空気入りタイヤを成形する工程
を含んでなる、製造方法、
[11]前記樹脂が、フェノールと、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンとを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で重合させることにより得られるテルペンフェノール樹脂である、上記[10]記載の製造方法、
[12]前記樹脂が、フェノール−三フッ化ホウ素錯体混合物に、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で添加することにより得られるテルペンフェノール樹脂であって、三フッ化ホウ素錯体が三フッ化ホウ素のエーテル錯体および三フッ化ホウ素の有機酸錯体から選択される、上記[10]記載の製造方法、
[13]前記樹脂が、110〜135℃の範囲の軟化点をもつテルペンフェノール樹脂である、上記[10]〜[12]のいずれかに記載の製造方法、
に関する。
本発明によれば、ウェットグリップ性能および低燃費性がバランス良く改善された空気入りタイヤを提供することができる。
理論に拘束されることは意図しないが、所定の溶融粘度を有する樹脂を配合することで、ゴム組成物に該樹脂を含む粘着層を発生させ、これにより、ゴム組成物の粘着力が高められ、凝着摩擦が向上し、ウェットグリップ性能の向上に繋がっていると考えられる。このようなメカニズムによるウェットグリップ性能の向上は、ヒステリシスロスとは独立のものであるため、結果として、ウェットグリップ性能および低燃費性がバランス良く改善されるものと考えられる。
一の実施形態では、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上のシリカ、および、5〜50質量部の溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂を含んでなるゴム組成物により構成されたトレッドを備えた空気入りタイヤが提供される。一の実施形態の該ゴム成分は、40〜100質量%のスチレンブタジエンゴムおよび0〜60質量%のブタジエンゴムを含むものである。
<ゴム成分>
一の実施形態において、前記ゴム成分は、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブタジエン共重合体、イソプレン共重合体およびこれらエラストマーの混合物、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよびEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム)などの非ジエン系ゴム、およびこれらの混合物から選択される不飽和ジエンエラストマーのいずれかを含む。ゴム成分は、カップリング剤および/または星状分岐化剤または官能化剤を用いて、カップリング化、星状分岐化、分岐化および/または官能化してもよい。分岐化ゴムは、分岐化(星状分岐化)ブチルゴム、星状分岐化ハロゲン化ブチルゴム、ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、星状分岐化ポリイソブチレンゴム、およびこれらの混合物のいずれでもよい。
カップリングおよび/または星状分岐化または官能化の例としては、C−Sn結合を含む官能基またはアミノ化された官能基などを有するカーボンブラックとのカップリング;シラノール末端を有するシラノール官能基またはポリシロキサン官能基などを有するシリカなどの補強用無機充填剤とのカップリング;アルコキシシラン基、ポリエーテル基が含まれる。一の実施態様において、ゴム成分は、高度に不飽和化された、鎖の末端がシラノール基で官能化されたゴムである。他の実施形態において、ゴム成分は、少なくとも一つのSiOR官能基(但し、Rは水素原子または炭化水素基である)を有する官能化ジエン系ゴムである。さらに別の実施形態において、ゴム成分は、改善されたウェットグリップ性能の観点から、SBR、または、SBRとBRとからなる。さらに別の実施形態において、ゴムは、エポキシド官能基を有する、エポキシドで官能化されたものである。エポキシ化エラストマーは、エポキシ化ジエン系エラストマー、エポキシ化オレフィン系エラストマーおよびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
一の実施形態において、ゴム成分は、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)合成ポリイソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、ニトリル水素化ブタジエンゴム(NHBR)、水素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンンプロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレン−(芳香族ビニルまたはジエンモノマー)共重合体、臭素化NR、塩素化NR、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンホモポリマーゴム、エピクロロヒドリン−(エチレンオキサイドまたはアリルグリシジルエーテル)共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム、ポリスルフィドゴム、フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、フッ化シリコーンゴム、フッ化ホスファゲンゴム、スチレンエラストマー、熱可塑性オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群から選択される少なくとも一つである。天然ゴムの例としては、パラゴムノキのタッピングにより集められたラテックスや、天然ゴムラテックスからタンパクを除くことにより得られる、いわゆる脱タンパク天然ゴムラテックスが含まれる。前記SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(未変性E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(未変性S−SBR)、これらのSBRの末端を変性した変性SBR(変性E−SBR、変性S−SBR)など、ゴム工業において一般的なものを使用できる。一の実施形態において、ゴム成分は、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ブチルゴム、アクリトニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)などのSBRおよびBR以外のゴム成分を含むものであり、必要に応じて、単独または組み合わせて使用される。
前記BRとしては、特に限定されず、シス含有量が90%以上、さらに好ましくは同95質量%以上のハイシスBR、末端および/または主鎖が変性された変性BR、スズ、ケイ素化合物などでカップリングされた変性BR(縮合物、分岐構造を有するものなど)などゴム工業において一般的なものを使用できる。なお、シス含量は、例えば、赤外吸収スペクトル分析により算出できる。
BRの具体例としては、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、ランクセス社製のCB24、宇部興産(株)製のBR150B等の高シス配合量のBR(ハイシスBR)、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等の1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)含有BR、希土類元素系触媒を用いて合成されたBR(希土類系BR)等である。
BRを含有する場合のゴム成分中のBRの含有量は、耐摩耗性の観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上がさらに好ましい。また、BRの含有量は、60質量%以下であり、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。BRの含有量が60質量%を超える場合は、グリップ性能が劣る傾向がある。
一の実施形態において、ゴム成分中のSBRの含有量は、40質量%以上であり、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上がさらに好ましい。SBRの含有量が40質量%未満の場合は、ウェットグリップ性能および耐摩耗性が得られない傾向がある。また、SBRの含有量は、100質量%とすることもできるが、低燃費性能の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下がさらに好ましい。
<充填剤>
充填剤としては、ゴム工業の分野で通常使用される充填剤を好適に使用することができ、そのような充填剤としては、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタンなどを挙げることができるが、充填剤は少なくともシリカを含むものである。また、シリカ以外の充填剤としては、カーボンブラックが好ましい。充填剤としては、シリカとカーボンブラックからなるものであることが好ましい。
(シリカ)
前記シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、耐久性や破断時伸びの観点から、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましく、150m2/g以上がさらに好ましい。また、シリカのN2SAは、低燃費性および加工性の観点から、250m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましく、200m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるシリカのN2SAとは、ASTM D3037−93に準じて測定された値である。
シリカの平均一次粒子径は、25nm以下であることが好ましく、22nm以下であることがより好ましく、17nm以下であることがさらに好ましい。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、3nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましく、7nm以上であることがさらに好ましい。シリカの平均一次粒子径がこのような範囲であることによって、シリカの分散性をより改善でき、補強性、破壊特性、耐摩耗性をさらに改善できる。なお、シリカの平均一次粒子径は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
シリカのゴム成分100質量部に対する含有量は、0.5質量部以上であり、30質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましく、60質量部以上がさらに好ましい。シリカの含有量が、0.5質量部未満の場合は、耐久性および破断時伸びが低下する傾向がある。また、シリカの含有量は、混練時の分散性および加工性の観点から、200質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましく、120質量部以下がさらに好ましく、100質量部以下がさらに好ましい。
シリカは、1種単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(カーボンブラック)
前記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、例えば、SAF、ISAF、HAF、FF、FEF、GPFグレードのもの等が挙げられる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は、補強性および耐摩耗性の観点から、80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましい。また、カーボンブラックのN2SAは、分散性および低燃費性の観点から、280m2/g以下が好ましく、250m2/g以下がより好ましく、200m2/g以下がさらに好ましく、150m2/g以下がさらに好ましい。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217のA法によって求められる。
カーボンブラックを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、補強性の観点から、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましい。また、カーボンブラックの含有量は、加工性、低燃費性および耐摩耗性の観点から、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、50質量部以下がさらに好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下がさらに好ましい。
カーボンブラックは、1種単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
<カップリング剤>
本明細書において、「カップリング」剤という用語は、相互作用していない二つの種、例えば充填剤とエラストマーの間で安定な化学的および/または物理的相互作用を促進するあらゆる剤を意味する。カップリング剤は、シリカと予め混合するかもしくは反応させてもよいし、または、ゴム/シリカの処理段階もしくは混練段階でゴム混合物に添加してもよい。ゴム/シリカの処理段階もしくは混練段階でカップリング剤とシリカを別々にコム混合物に添加する場合、カップリング剤は、シリカと本来の場所で結合する。カップリング剤は、硫黄系カップリング剤、有機過酸化物系カップリング剤、無機カップリング剤、ポリアミンカップリング剤、樹脂カップリング剤、硫黄化合物系カップリング剤、オキシム−ニトロソアミン系カップリング剤および硫黄であってもよい。一の実施形態において、ゴム組成物はシランカップリング剤を含む。シランカップリング剤としては、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。商品名としてはSi69、Si75、Si363、Si266(Degussa社製)やNXT、NXT−LV、NXTULV、NXT−Z(モメンティブ社製)などがある。
シランカップリング剤を含有する場合の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは5.0質量部以上、さらに好ましくは7.0質量部以上である。1.0質量部以上であることで、充填材と十分に反応せしめ、シランカップリング剤の優れた加工性向上効果が引き出せる傾向がある。該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。20質量部以下であることで、コスト/パフォーマンスの観点から有利になる傾向がある。
シランカップリング剤は、1種単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
<樹脂>
前記樹脂は、150℃における溶融粘度、すなわち溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂である。
(溶融粘度)
溶融粘度(150℃)は、ブルックフィールドのRTV粘度計(BROOKFIELD ENGINEERING LABS.INC.製)を用いて、回転数3rpmおよび温度150℃の条件の下、測定した粘度である。溶融粘度(150℃)が12000mPa・s未満の場合には、十分なウェットグリップ性能が得られない傾向がある。一方、溶融粘度(150℃)が15000mPa・s超の場合には、樹脂がゴム組成物中に十分に分散しにくい傾向がある。溶融粘度(150℃)は、12500mPa・s以上が好ましく、12700mPa・s以上がより好ましく、12800mPa・s以上がさらに好ましい。一方、溶融粘度(150℃)は、14500mPa・s以下が好ましく、14000mPa・s以下がより好ましく、13500mPa・s以下がさらに好ましく、13300mPa・s以下がさらに好ましく、13200mPa・s以下がさらに好ましい。溶融粘度(150℃)は、約13000mPa・sであることが最も好ましい。ここで、「約」とは、±100mPa・s程度の差異を許容する趣旨である。
(軟化点)
前記樹脂の軟化点は、ヒステリシスロス摩擦、操縦安定性、保存安定性(ブロッキング防止)の観点から、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましく、100℃以上がさらに好ましく、110℃以上がさらに好ましく、120℃以上がさらに好ましい。一方、樹脂の軟化点は、混練中の樹脂の分散性の観点から、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、140℃以下がさらに好ましく、130℃以下がさらに好ましい。樹脂の軟化点は、以下のようにして測定される。すなわち、フローテスター((株)島津製作所製のCFT−500Dなど)を用い、試料として1gの樹脂を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度である。
前記樹脂は、ゴム工業で慣用される樹脂の中でも、極性の高い樹脂であり、具体的には、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂などが挙げられる。これら樹脂においては、樹脂中にフェノール部が含まれているため、これにより、樹脂の極性が高く、路面との摩擦力が高くなると考えられる。
テルペンフェノール樹脂とは、テルペン化合物とフェノール系化合物とを含む原料モノマーを共重合して得られる樹脂、および、それらをさらに水素添加した樹脂である。ここでテルペン化合物とは、イソプレン(C58)の重合体であって、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物である。より具体的には、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、カンフェン、トリシクレン、サビネン、パラメンタジエン類、カレン類などが挙げられる。また、フェノール系化合物とは、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。
一の実施形態において、樹脂は、脱水フェノール溶液と三フッ化ホウ素錯体との混合物を約50℃〜約90℃に加熱する方法で製造されるテルペンフェノールレジンである。三フッ化ホウ素錯体は、三フッ化ホウ素のエーテル錯体および三フッ化ホウ素の有機酸錯体から選択される。次に、α−ピネンなどのテルペンが、0.5〜10時間かけて、フェノールに対するテルペンのモル比が約1:1〜約4:1の範囲で添加され、混合物の反応温度が約50℃〜約90℃に維持されて、テルペンフェノール樹脂が製造される。三フッ化ホウ素のテルペンおよびフェノールに対するモル比は約0.005:1〜約0.5:1の範囲である。一の実施形態において、テルペンのフェノールに対するモル比は、約2:1〜約3.5:1の範囲である。三フッ化ホウ素は、炭酸ナトリウム溶液の添加により除去することができる。樹脂を含む最上層は、溶媒とテルペンダイマーを取り除く蒸留によって単離することができる。得られたテルペンフェノールは、一の実施形態では約80℃以上の軟化点をもち、第二の実施形態では約110〜135℃の軟化点をもち、第三の実施形態では約120〜130℃の軟化点をもち、第四の実施形態では約115℃以上の軟化点をもつ。一の実施形態において、樹脂は、高い軟化点を抑え、約140℃未満の軟化点とするために、オイルまたは他の樹脂とブレンドされる。
アルキルフェノール樹脂とは、アルキルフェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸またはアルカリ触媒で反応させることにより得られるアルキルフェノールアルデヒド縮合樹脂;アルキルフェノールと、アセチレンなどのアルキンとを反応させて得られるアルキルフェノールアルキン縮合樹脂;これらの樹脂を、カシューナッツオイル、トールオイル、アマニ油、各種動植物油、不飽和脂肪酸、ロジン、アルキルベンゼン樹脂、アニリン、メラミンなどの化合物を用いて変性した変性アルキルフェノール樹脂等が挙げられる。中でも、アルキルフェノールアルキン縮合樹脂が好ましく、アルキルフェノールアセチレン縮合樹脂が特に好ましい。アルキルフェノール樹脂を構成するアルキルフェノールとしては、クレゾール、キシレノール、tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等が挙げられる。なかでも、tert−ブチルフェノール等の分枝状アルキル基を有するフェノールが好ましく、tert−ブチルフェノールが特に好ましい。
前記樹脂を構成するモノマーとしては、上述のもの以外にも、その他のモノマー成分を含めることができる。そのようなモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、および(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体や、スチレン、4−tert−ブチルスチレン、インデン、メチルインデン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニル誘導体、および通常のC9石油留分などが挙げられる。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の総称である。
前記樹脂のゴム成分100質量部に対する含有量は、5質量部以上である。樹脂の含有量が5質量部未満の場合は、粘着層に含まれる樹脂が少なくなり、ゴム組成物の粘着力が十分に得られない傾向がある。また、樹脂の含有量は、50質量部以下である。樹脂の含有量が50質量部超の場合は、ブルームが十分に抑制できなかったり、耐摩耗性に劣ったりする傾向がある。樹脂の含有量は、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。一方、樹脂の含有量は、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、25質量部以下がさらに好ましい。
樹脂は、1種単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
<オイル>
前記ゴム組成物は、オイルを含有するものであってもよい。オイルを配合することにより、加工性を改善するとともに、ゴムの強度を高めることができる。オイルとしては、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂などが挙げられる。
前記プロセスオイルとしては、パラフィン系、オレフィン系、アロマ系等のプロセスオイルが挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族化合物(polycyclic aromatic compound:PCA)の含量の低いプロセスオイルがあげられる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、芳香族系プロセスオイルを再抽出したTreated Distillate Aromatic Extract(TDAE)、アスファルトとナフテン油の混合油であるアロマ代替オイル、軽度抽出溶媒和物(mild extraction solvates:MES)、および重ナフテン系オイル等が挙げられる。オイルの市販品としては、例えば、(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260(アロマ系オイル)等が挙げられる。
前記植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油などが挙げられる。
前記動物油脂としては、オレイルアルコール、魚油、牛脂などが挙げられる。
なかでも、加工性に有利であるという理由からプロセスオイルが好ましく、環境対策の面では、上記低PCA含量プロセスオイルを使用することが好ましい。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、オイルの含有量は、耐摩耗性および加工性の観点から、60質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましく、25質量部以下がさらに好ましい。
オイルは、1種単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ゴム組成物が、前記樹脂と前記オイルの双方を含むものである場合、これらの合計量は、6質量部〜100質量部であることが好ましい。該合計量は、10質量部以上であることがより好ましく、15質量部以上であることがさらに好ましく、20質量部以上であることがさらに好ましい。一方、該合計量は、75質量部以下であることが好ましく、65質量部以下であることがより好ましく、60質量部以下であることがさらに好ましく、55質量部以下であることがさらに好ましく、50質量部以下であることがさらに好ましい。
<その他の配合剤>
本開示に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム工業に一般的に使用されるその他の配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
<ゴム組成物>
本開示に係るゴム組成物は、一般的な方法で製造できる。例えば、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどの一般的なゴム工業で使用される公知の混練機で、前記各成分のうち、加硫剤および加硫促進剤以外の成分を混練りした後、これに、加硫剤および加硫促進剤を加えてさらに混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
<タイヤ>
本開示のタイヤは、本開示に係るゴム組成物を用いてトレッドを製造し、このトレッドを用いて通常の方法により製造される。すなわち、本開示に係るゴム組成物を未加硫の段階でタイヤのトレッドの形状に押出し加工し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを成形し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより製造することができる。こうして得たタイヤに空気を入れることで、空気入りタイヤとすることができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は、実施例にのみ限定されるものではない。
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
スチレンブタジエンゴム(SBR):日本ゼオン(株)製NS616(未変性S−SBR)
ブタジエンゴム(BR):ランクセス(株)製のCB24(Nd系触媒を用いて合成したハイシスBR、シス含量:96%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストN220(N2SA:114m2/g)
シリカ:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(平均一次粒子径:15nm、N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤(カップリング剤):エボニックデグサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−260(アロマオイル)
樹脂1:ヤスハラケミカル(株)製のテルペンフェノール樹脂(軟化点:80℃、150℃の溶融粘度:650mPa・s)
樹脂2:ヤスハラケミカル(株)製のテルペンフェノール樹脂(軟化点:145℃、150℃の溶融粘度:なし(目盛外で測定不能))
樹脂3:アリゾナケミカル社製のテルペンフェノール樹脂(軟化点:125℃、150℃の溶融粘度:13000mPa・s、ガラス転移温度:74℃)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸「椿」
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150℃で5分間混練りし、混練物を得た。得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、5分間、80℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ195/65R15、乗用車用タイヤ)を製造した。得られた試験用タイヤを用いて、以下の試験を行った。結果を表1に示す。
<ウェットグリップ性能試験>
アンチロックブレーキシステム(ABS)評価試験により得られた制動性能をもとにして、ウェットグリップ性能を評価した。すなわち、1800cc級のABSが装備された乗用車に前記試験用タイヤを装着して、アスファルト路面(ウェット路面状態、スキッドナンバー約50)を実車走行させ、時速100km/hの時点でブレーキをかけ、乗用車が停止するまでの距離を測定した。そして、下記計算式により、基準比較例のウェットグリップ性能指数を100とし、各配合のウェットグリップ性能を指数表示した。指数が大きいほど、制動性能が良好であり、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
<低燃費性試験>
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、基準比較例を100としたときの指数で表示した。指数が大きいほど低燃費性に優れていることを示し、90以上を性能目標値とする。
(低燃費指数) = (基準比較例の転がり抵抗)/(各配合の転がり抵抗) ×100
Figure 2019044154
表1の結果より、所定のゴム成分、シリカ、および所定の樹脂を所定量含有するゴム組成物からなるトレッドを備える本開示の空気入りタイヤは、ウェットグリップ性能および低燃費性がバランス良く優れることがわかる。

Claims (13)

  1. ゴム成分100質量部に対し、
    0.5質量部以上のシリカ、および、
    5〜50質量部の溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂
    を含んでなるゴム組成物により構成されたトレッドを備えた空気入りタイヤであって、
    前記ゴム成分が、40〜100質量%のスチレンブタジエンゴムおよび0〜60質量%のブタジエンゴムを含んでなるものであり、
    前記樹脂が、テルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂およびアルキルフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも一つである、空気入りタイヤ。
  2. 前記樹脂が、フェノールと、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンとを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で重合させることにより得られるテルペンフェノール樹脂である、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記樹脂が、フェノール−三フッ化ホウ素錯体混合物に、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で添加することにより得られるテルペンフェノール樹脂であって、三フッ化ホウ素錯体が三フッ化ホウ素のエーテル錯体および三フッ化ホウ素の有機酸錯体から選択される、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記樹脂が、110〜135℃の範囲の軟化点をもつテルペンフェノール樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. ゴム組成物が、1〜150質量部のカーボンブラックをさらに含んでなるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. ゴム組成物が、硫黄系カップリング剤、有機過酸化物系カップリング剤、無機カップリング剤、ポリアミンカップリング剤、樹脂カップリング剤、硫黄化合物系カップリング剤、オキシム−ニトロソアミン系カップリング剤および硫黄からなる群から選択される少なくとも一つのカップリング剤をさらに含んでなるものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. ゴム組成物が、シリカ100質量部に対して1〜20質量部のシランカップリング剤をさらに含んでなるものである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. ゴムが、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、ニトリル水素化ブタジエンゴム(NHBR)、水素化スチレンブタジエンゴム(HSBR)、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム、エチレンプロピレンゴム、マレイン酸変性エチレンンプロピレンゴム、ブチルゴム、イソブチレン−(芳香族ビニルまたはジエンモノマー)共重合体、臭素化NR、塩素化NR、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体、クロロプレンゴム、エピクロロヒドリンホモポリマーゴム、エピクロロヒドリン−(エチレンオキサイドまたはアリルグリシジルエーテル)共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム、ポリスルフィドゴム、フッ化ビニリデンゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレンゴム、フッ化シリコーンゴム、フッ化ホスファゲンゴム、スチレンエラストマー、熱可塑性オレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ウレタンエラストマー、およびポリアミドエラストマーからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. ゴム成分100質量部に対し、
    0.5質量部以上のシリカ、および、
    5〜50質量部の樹脂であって、該樹脂はフェノール−三フッ化ホウ素錯体混合物に、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で添加することにより得られるものであり、該三フッ化ホウ素錯体は三フッ化ホウ素のエーテル錯体および三フッ化ホウ素の有機酸錯体から選択されるもの
    を含んでなるゴム組成物により構成されたトレッドを備えた空気入りタイヤであって、
    該樹脂が80〜140℃の間の軟化点をもつものである、空気入りタイヤ。
  10. ウェットグリップ性能および低燃費性が改善された空気入りタイヤの製造方法であって、
    溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂を選択する工程であって、該樹脂はテルペンフェノール樹脂、フェノール樹脂およびアルキルフェノール樹脂から選択される少なくとも一つである工程、
    ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上のシリカ、および、5〜50質量部の溶融粘度(150℃)が12000〜15000mPa・sの樹脂を含んでなるゴム組成物を調製する工程;および
    該ゴム組成物から空気入りタイヤを成形する工程
    を含んでなる、製造方法。
  11. 前記樹脂が、フェノールと、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンとを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で重合させることにより得られるテルペンフェノール樹脂である、請求項10記載の製造方法。
  12. 前記樹脂が、フェノール−三フッ化ホウ素錯体混合物に、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテンおよびリモネンからなる群から選択される少なくとも一つのテルペンを、フェノールに対するテルペンのモル比が1:1〜4:1の範囲で添加することにより得られるテルペンフェノール樹脂であって、三フッ化ホウ素錯体が三フッ化ホウ素のエーテル錯体および三フッ化ホウ素の有機酸錯体から選択される、請求項10記載の製造方法。
  13. 前記樹脂が、110〜135℃の範囲の軟化点をもつテルペンフェノール樹脂である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
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