JP2019043994A - ポリウレタン系硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化性組成物からの溶出が抑制されると共に、優れた耐熱接着性、貯蔵安定性および低温硬化性が得られるポリウレタン系硬化性組成物を提供すること。【解決手段】イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、炭素原子数が8〜14であるカルボン酸とを含むポリウレタン系硬化性組成物であって、前記ポリウレタン系硬化性組成物中のカルボン酸の含有量は以下の式を満たす、ポリウレタン系硬化性組成物。y≦0.009×10n−8〔式中、yはポリウレタン系硬化性組成物中のカルボン酸の含有量[質量%]、およびnはカルボン酸の炭素原子数を表し、yは0.0001以上3以下である〕【選択図】なし

Description

本発明は、ポリウレタン系硬化性組成物に関する。
自動車用窓ガラスの接着には、例えばポリオールと過剰のポリイソシアネート化合物の反応生成物である、分子末端にイソシアネート基を含有するウレタンプレポリマーを含むポリウレタン系硬化性組成物が使用されている(特許文献1及び2)。
特開2001−192635号公報 国際公開第2014/196303号パンフレット
しかしながら、特許文献1及び2において提案されているポリウレタン系硬化性組成物は、耐熱接着性、貯蔵安定性および低温硬化性の全てを同時に満足するものではなく、硬化性組成物から溶出したカルボン酸が周辺部品や塗装などへ悪影響を及ぼす可能性があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含む硬化性組成物において特定のカルボン酸を特定の式に従う量で用いることにより、硬化性組成物からの溶出が抑制されると共に、優れた耐熱接着性、貯蔵安定性および低温硬化性が得られるポリウレタン系硬化性組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
[1]イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、炭素原子数が8〜14であるカルボン酸とを含むポリウレタン系硬化性組成物であって、前記ポリウレタン系硬化性組成物中のカルボン酸の含有量は以下の式を満たす、ポリウレタン系硬化性組成物。
y≦0.009×10n−8
〔式中、yはポリウレタン系硬化性組成物中のカルボン酸の含有量[質量%]、およびnはカルボン酸の炭素原子数を表し、yは0.0001以上3以下である〕
[2]炭素原子数が8〜14であるカルボン酸は、溶解性パラメーター(SP値)が9.7[cal/cc/25℃]以下である、[1]に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
[3]カルボン酸は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸およびこれらの異性体からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
[4]カルボン酸は、2−エチルヘキサン酸および/またはネオデカン酸である、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリウレタン系硬化性組成物。
[5]硬化触媒を更に含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載のポリウレタン系硬化性組成物。
[6]硬化触媒は、カルボン酸ビスマスおよび/またはモルホリン化合物である、[5]に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
[7]カルボン酸ビスマスは、2−エチルヘキサン酸ビスマスおよび/またはネオデカン酸ビスマスである、[6]に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
[8]モルホリン化合物は、モルホリン、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテルおよび4−[1−(ジメチルアミノ)エチル]モルホリンからなる群から選択される少なくとも1種である、[6]に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
[9]2,2’−ジモルホリノジエチルエーテルまたはジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテルを0.01〜0.03質量%含有する、[8]に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
本発明の硬化性組成物は、耐熱接着性、貯蔵安定性および低温硬化性に優れ、かつ硬化性組成物中の成分が溶出し難い為、自動車部品、特に自動車の窓用の接着剤としてガラスなど(アクリルやポリカーボネートなどの透明樹脂を含む)の被着体への接着に好適に用いることができ、適用部位周辺に配備されるアクリル系自動車部品等への悪影響がない。
本発明のポリウレタン系硬化性組成物は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー、および炭素原子数が8〜14であるカルボン酸を含む。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとしては、ポリオールとポリイソシアネートとの反応生成物を用いることができる。
ポリオールとしては、例えばポリオキシアルキレンポリオール、ポリエーテルポリオール変性体、ソルビトール系ポリオール等のポリエーテルポリオール;縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等のポリエステルポリオール;アクリルポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体等の主鎖がC−C結合よりなるポリオール;その他難燃化用ポリオール、含リンポリオール、含ハロゲンポリオール等が挙げられる。これらは単独で使用してよく、または2種以上を併用してもよい。中でもポリエーテルポリオールが好ましく、ポリオキシアルキレンポリオールがより好ましい。ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリエチレンジオール、ポリエチレン/プロピレン共重合のジオールやトリオール等が挙げられる。
ポリオールは、重量平均分子量(Mw)が好ましくは100〜20000、より好ましくは2000〜15000である。重量平均分子量(Mw)がこの範囲である場合、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの硬度、破断強度、破断伸び等の物性が良好となり、および適当な粘度が得られ易い傾向がある。
ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(HXDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂環式ポリイソシアネート、これらのカルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体、アダクト変性体、ビウレット変性体等が挙げられる。これらは単独で使用してよく、または2種以上を併用してもよい。中でも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーは、ポリオールとポリイソシアネートとを、通常、ポリイソシアネート過剰で、好ましくはポリオールのOH基とポリイソシアネートのイソシアネート基との当量比NCO/OHが1.5/1〜4.0/1で公知の方法を用いて反応させることにより得られる。
硬化性組成物は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを、硬化性組成物を基準に、好ましくは20〜60質量%、より好ましくは25〜50質量%、さらに好ましくは30〜40質量%含有する。
硬化性組成物は炭素原子数が8〜14であるカルボン酸を含有する。硬化性組成物中のカルボン酸の含有量は以下の式:
y=0.009×10n−8
〔式中、yは硬化性組成物中のカルボン酸の含有量[質量%]、およびnはカルボン酸の炭素原子数を表し、yは0.0001以上3以下である〕
を満たす。硬化性組成物が炭素原子数が8〜14であるカルボン酸を上記式に従う量で含有する場合、優れた耐熱接着性、貯蔵安定性および硬化性が得られ、かつ硬化性組成物中の成分が溶出し難い傾向がある。なお、硬化性組成物中のカルボン酸の含有量が下限値0.0001以下である場合、貯蔵安定性が発揮され難く、上限値3以上である場合、硬化物の諸物性への影響や硬化性を損なう傾向がある。
好ましい実施態様では、硬化性組成物中のカルボン酸の含有量は以下の式:
y=0.0085×10n−8
〔式中、yは硬化性組成物中のカルボン酸の含有量[質量%]、およびnはカルボン酸の炭素原子数を表し、yは0.0001以上3以下である〕
を満たす。
更なる好ましい実施態様では、硬化性組成物中のカルボン酸の含有量は以下の式:
y=0.008×10n−8
〔式中、yは硬化性組成物中のカルボン酸の含有量[質量%]、およびnはカルボン酸の炭素原子数を表し、yは0.0001以上3以下である〕
を満たす。
硬化性組成物中のカルボン酸の含有量yは、好ましくは0.0005質量%以上2質量%以下、より好ましくは0.001質量%以上1質量%以下である。
炭素原子数が8〜14であるカルボン酸としては、硬化性組成物との相溶性が良好であることから、後述する溶解性パラメーター(SP値)が9.7[cal/cc/25℃]以下のカルボン酸が好ましく、溶解性パラメーターが9.2〜9.7[cal/cc/25℃]であるカルボン酸がより好ましい。
溶解性パラメーターは、以下の式:
Figure 2019043994
〔式中、δは溶解性パラメーター[cal/cc/25℃]、Δeは各単位官能基当たりの凝集エネルギー[cal/mol]、Δνは分子容[cc/モル/25℃]を示す〕
に基づいて計算することができる(大藪則雄、「ポリウレタン樹脂原料の溶解性パラメーターの推算」、コーティング時報、第193号、1992年、第9−19頁、およびR.F.Fedors,Polymer Engineering and Science,14,(2),147(1974))。各単位官能基についての25℃における凝集エネルギー(Δe)および分子容(Δν)は当業者に既に知られている値である。例えば2−エチルヘキサン酸の場合、2個の−CH、4個の−CH−、1個の>CH−、1個の−COOHから構成され、−CHのΔeおよびΔνはそれぞれ1.125および33.5、−CH−のΔeおよびΔνはそれぞれ1.180および16.1、>CH−のΔeおよびΔνはそれぞれ820および−1.0、−COOHのΔeおよびΔνはそれぞれ6600および28.5であることから(上述の「ポリウレタン樹脂原料の溶解性パラメーターの推算」、第11頁参照)、2−エチルヘキサン酸の溶解性パラメーターは約9.52と算出される。
炭素原子数が8〜14であるカルボン酸の具体例としては、飽和脂肪酸、例えばオクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、およびこれらの異性体、例えば2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、イソノニル酸等、芳香族カルボン酸、例えばケイ皮酸、o−、m−およびp−トルイル酸等、不飽和脂肪酸、カルボン二酸および脂環式カルボン酸等が挙げられる。中でも液状であり、硬化性組成物との相溶性が良好であり、無色無臭であることから、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸がさらに好ましい。
炭素原子数が7以下であるカルボン酸、例えばヘプタン酸などを用いた場合、市場環境下の雨や洗車水により、接着剤中の成分が溶出し、隣接するアクリル系等の自動車部品へ悪影響を及ぼす可能性がある。すなわち、分子量が低くかつ極性の高いカルボン酸は、水に抽出される可能性があり、必要以上の添加を避けるべきである。一方、炭素原子数が15以上のカルボン酸は、分子量が高くかつ極性が低いため、接着剤中の成分との相溶性が悪く、接着性が悪くなる傾向がある。特に使用前に攪拌する2液材料では特にその傾向が強くなり易い。
硬化性組成物は、硬化触媒を含んでよい。硬化触媒としては、カルボン酸ビスマス、モルホリン化合物、DBU化合物、モノアミン、ジアミン、トリアミン、エーテルアミン、有機カルボン酸金属塩、イミダゾール化合物等が挙げられる。硬化触媒として、カルボン酸ビスマスおよびモルホリン化合物が好ましい。
カルボン酸ビスマスとしては、例えば2−エチルヘキサン酸ビスマス、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス等が挙げられる。カルボン酸ビスマスに由来する構造単位は、上述のカルボン酸に由来する構造単位と同一であることが好ましい。好ましいカルボン酸ビスマスは、2-エチルヘキサン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスおよびこれらの組合わせである。
カルボン酸ビスマスは、単独でまたはカルボン酸ビスマスとカルボン酸との混合物として用いることができる。混合物中のカルボン酸は、上述のカルボン酸に関して例示した種類のカルボン酸を、硬化性組成物中の全カルボン酸の含有量が上述のカルボン酸について述べた含有量を超えない範囲の量で混合物中に含むことが好ましい。中でもカルボン酸ビスマスのカルボン酸に由来する構造単位を有するカルボン酸が好ましく、2-エチルヘキサン酸、ネオデカン酸がより好ましい。
モルホリン化合物としては、例えば2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル、ジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、4−[1−(ジメチルアミノ)エチル]モルホリン等が挙げられる。
DBU化合物としては、例えばDBU[1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7]、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBUギ酸塩等が挙げられる。
モノアミンとしては、例えばトリエチルアミン等が挙げられる。
ジアミンとしては、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
トリアミンとしては、例えばテトラメチルグアニジン等が挙げられる。
環状アミンとしては、例えばトリエチレンジアミン等が挙げられる。
アルコールアミンとしては、例えばジメチルアミノメタノール等が挙げられる。
エーテルアミンとしては、例えばビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
有機カルボン酸金属塩としては、例えばSn系(ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等)、Pb系(オクチル酸鉛等)、Zn系(オクチル酸亜鉛等)が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば2−メチルイミダゾールおよび1,2−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
硬化性組成物が硬化触媒としてモルホリン化合物を含む場合、硬化性組成物中のモルホリン化合物の含有量は好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下、より特に好ましくは0.05質量%以下である。また、硬化性組成物が硬化触媒としてモルホリン化合物を含む場合、硬化性組成物中のモルホリン化合物の含有量は好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上である。
硬化性組成物が硬化触媒としてカルボン酸ビスマスを含む場合、硬化性組成物中のカルボン酸ビスマスの含有量は好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下、より特に好ましくは0.05質量%以下である。また、硬化性組成物が硬化触媒としてカルボン酸ビスマスを含む場合、硬化性組成物中のカルボン酸ビスマスの含有量は好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上である。
硬化性組成物は、可塑剤、充填材、溶剤等を更に含有することができる。
可塑剤としては、例えばジイソノニルフタレート、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、トリオクチルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、エポキシステアリン酸アルキル、アルキルベンゼン、エポキシ化大豆油、ジイソノニルアジペート、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル等が挙げられる。これらは単独で使用してよく、または2種以上を併用してもよい。可塑剤は、硬化性組成物全体を基準に10〜100重量%の量で存在してよい。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、コロイダル炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;シリカ、例えばヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ等;カーボンブラック;クレー、例えばろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;タルク、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化マグネシウム、生石灰、ゼオライト、珪藻土;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。これらは単独で使用してよく、または2種以上を併用してもよい。充填剤は、硬化性組成物全体を基準に10〜200重量%の量で存在してよい。
溶剤としては、例えばキシレン、トルエンなどを挙げることができる。溶剤は、硬化性組成物全体を基準に0〜20重量%の量で存在してよい。
硬化性組成物は、必要に応じて、接着性付与剤(シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料等を適量範囲で含有することができる。
硬化性組成物の型は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含む一液湿気硬化型、主剤と硬化剤からなる2液型や、一液湿気硬化として機能を満たす主剤と必要時のみ主剤に2液として混合させて硬化促進するための硬化剤とを含む半2液型であってもよい。
硬化性組成物は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに、硬化触媒、可塑剤、充填剤、溶剤およびその他の添加剤を順次添加し、混合することによって製造することができる。
硬化性組成物を窓ガラスの周縁部に塗布し、これを車体フランジに装着し、押圧して窓ガラスを車体に接着取付けすることができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[しみ評価]
2mmφのビード状に塗布したポリウレタン系硬化性組成物の硬化物10gと蒸留水2gをポリエチレン製袋に入れ、3分間、水と硬化物が接触するように袋をもみ続ける。接触した水をアクリル樹脂製部品上に50μリットル滴下し、40度雰囲気下で1時間放置した。その後、部品を水洗浄し、部品の表面を目視観察した。
評価基準:クラック発生もしくは顕著なしみが発生した場合を×、わずかにしみが観察できた場合を△、クラックおよびしみが発生しなかった場合を○とした。
[接着性]
ガラス板にプライマー(サンスター技研株式会社製#435−41)を塗布し、乾燥する。次いで、ポリウレタン系硬化性組成物を約9mmφ程度のビード状に塗布し、3mm厚に圧着した後、20℃および65%RHにて72時間放置する。接着性をJASOM338−89の剥離接着性試験に準じて評価した。
[硬化速度]
JIS K6850に従って評価を行った。まず、ガラス板にプライマー(サンスター技研株式会社製#435−41)を塗布し、PPGF(ポリプロピレン/ガラス繊維)シート上にプライマー(サンスター技研株式会社製#435−97B)を塗布し、それぞれ乾燥した。次いで、各プライマー上にポリウレタン系硬化性組成物を塗布し、接着剤ラップ代10mm、厚さ3mmに調整し、接着性試験片とした。その後、40℃および50%RHにて8分間加熱して、インストロン型の引張試験装置にて引張速度200mm/分により、引張せん断接着強さを測定した。
評価基準:0.3MPa以上を○、室温20℃および湿度65%にて72時間放置後硬化したものを△、室温20℃および湿度65%にて72時間放置後硬化しなかったものを×とした。
[イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの調製]
水酸基価25.0のポリオキシプロピレントリオール3000gに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)350gを加え、窒素雰囲気下に80℃で3時間反応させて、遊離NCO基含有量が1.90%であり、粘度が50000mPas(20℃)であるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを調製した。
[実施例1〜10及び比較例1〜6]
表1に示す質量部の各成分を減圧脱泡下に撹拌混合して、ポリウレタン系硬化性組成物を調製した。得られたポリウレタン系硬化性組成物について、しみ、硬化速度について評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019043994
[ウレタンプレポリマー1]
MDI系プレポリマー、ポリオキシプロピレングリコールとMDIとの反応生成物、NCO/OH当量比=2.05
[カルボン酸1]
2−エチルヘキサン酸(炭素原子数:8個、SP:9.52)
[カルボン酸2]
ネオデカン酸(炭素原子数:10個、SP:9.23)
[カルボン酸3]
フタル酸(炭素原子数:8個、SP:13.8)
[カルボン酸4]
ステアリン酸(炭素原子数:18個、SP:9.12)
[硬化触媒1]
2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル
[硬化触媒2]
ジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル
[硬化触媒3]
4−[1−(ジメチルアミノ)エチル]モルホリン
[硬化触媒4]
2−エチルヘキサン酸ビスマス
[硬化触媒5]
ネオデカン酸ビスマス
[可塑剤1]
DINP
[可塑剤2]
キシレン
[充填材1]
カーボンブラック(ニテロン ♯200、新日化カーボン社製)とカーボンブラック2(ニテロン ♯300、新日化カーボン社製)との混合物(質量比=75/25)
[充填材2]
CaCO(ビスコライトSV、白石工業社製)
Figure 2019043994

Claims (9)

  1. イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと、炭素原子数が8〜14であるカルボン酸とを含むポリウレタン系硬化性組成物であって、前記ポリウレタン系硬化性組成物中のカルボン酸の含有量は以下の式を満たす、ポリウレタン系硬化性組成物。
    y≦0.009×10n−8
    〔式中、yはポリウレタン系硬化性組成物中のカルボン酸の含有量[質量%]、およびnはカルボン酸の炭素原子数を表し、yは0.0001以上3以下である〕
  2. 炭素原子数が8〜14であるカルボン酸は、溶解性パラメーター(SP値)が9.7[cal/cc/25℃]以下である、請求項1に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
  3. カルボン酸は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸およびこれらの異性体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
  4. カルボン酸は、2−エチルヘキサン酸および/またはネオデカン酸である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン系硬化性組成物。
  5. 硬化触媒を更に含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタン系硬化性組成物。
  6. 硬化触媒は、カルボン酸ビスマスおよび/またはモルホリン化合物である、請求項5に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
  7. カルボン酸ビスマスは、2−エチルヘキサン酸ビスマスおよび/またはネオデカン酸ビスマスである、請求項6に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
  8. モルホリン化合物は、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテルおよび4−[1−(ジメチルアミノ)エチル]モルホリンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
  9. 2,2’−ジモルホリノジエチルエーテルまたはジ(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテルを0.01〜0.03質量%含有する、請求項8に記載のポリウレタン系硬化性組成物。
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JP2005139255A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Mitsui Kagaku Sanshi Kk 2液型ポリウレタン組成物

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