JP2019043835A - 3dカバーガラスの製造方法 - Google Patents

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【課題】化学強化処理によるガラスの反りをガラスの品質を損なうことなく修正できる33Dカバーガラスの製造方法の提供。【解決手段】平板状のガラス材料を転移温度Tg[℃]以上に加熱して、凸型および凹型からなる一対の金型を用いて前記ガラス材料の周辺部の少なくとも一部に厚さ方向の曲げを与える加熱工程、および前記加熱工程後に前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]より低い温度に冷却する冷却工程を含む、ガラス成形工程と、前記ガラス成形工程後に、前記ガラス材料に化学強化処理を施す化学強化処理工程と、を有し、前記冷却工程は、前記曲げによって形成される凸面側に相当する前記ガラス材料の第1主面、に対向する前記凹型の制御温度を制御温度T1[℃]とし、前記曲げによって形成される凹面側に相当する前記ガラス材料の第2主面、に対向する前記凸型の制御温度を制御温度T2[℃]とするとき、前記制御温度T2[℃]および前記制御温度T1[℃]の少なくとも一方を前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]以下とし、前記制御温度T2と前記制御温度T1[℃]との温度差(T2−T1)[℃]を10℃以上に保持する手順を含む3Dカバーガラスの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末といったモバイル機器やCID(Center Information Display)、クラスターといった車載ディスプレイに使用される画像表示装置のための三次元形状をしたカバーガラス(3Dカバーガラス)の製造方法に関する。
携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末といったモバイル機器の意匠性を向上させるため、モバイル機器に使用される画像表示装置に、図1に示すような3Dカバーガラスの適用が検討されている。図1は3Dカバーガラス100の一構成例を示した図であり、中心部110が平面で周辺部120が三次元曲面になっている。
画像表示装置のカバーガラスは薄型化に加え一定の強度が要求されるため化学強化処理が施されるが、周辺部に三次元曲面を有する3Dカバーガラスは化学強化処理による反りの発生が問題となる。図2(a),(b)は、3Dカバーガラスの化学強化処理による反りの発生を示した断面模式図であり、図2(a)は化学強化処理前、図2(b)は化学強化処理後における3Dカバーガラスの化学強化処理による反りの発生状態を示した断面模式図である。この場合、図2(a)に示すように、例えば、化学強化処理前は中心部が平坦であるのに対し、図2(b)に示すように、化学強化処理後は該中心部に凸状に反りが発生する。
特許文献1は、このように発生する化学強化処理による3Dカバーガラスの反りを補正する方法を提案している。
特表2016−524582号公報
特許文献1では、化学強化処理によって生じる反りを、コンピュータを用いてシミュレーションし、その結果を反転させた金型を用いることを提案している。しかし、この場合、同形状の複数の金型を作製すると、どうしても型毎の形状にバラつきが生じてしまうので、型毎に成形された3Dカバーガラスの形状にもバラつきが生じるおそれがあった。
また、化学強化の反りを金型の形状に反映させた場合、3Dカバーガラスの平坦部に対応する部位を三次元曲面に加工する必要が生じるため、型加工が困難となり、特にバックラッシュと呼ばれる段差が発生し加工精度が劣るおそれがある。そして、この段差が3Dカバーガラスの表面へ転写して外観欠点となり、3Dカバーガラスの品質を損なうおそれがあった。
本願発明は、上記の問題点を解決するため、化学強化処理によるガラスの反りを、ガラスの品質を損なうことなく修正できる3Dカバーガラスの製造方法の提供を目的とする。
上記した目的を達成するため、平板状のガラス材料を転移温度Tg[℃]以上に加熱して、凸型および凹型からなる一対の金型を用いて前記ガラス材料の周辺部の少なくとも一部に厚さ方向の曲げを与える加熱工程、および前記加熱工程後に前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]より低い温度に冷却する冷却工程を含む、ガラス成形工程と、
前記ガラス成形工程後に、前記ガラス材料に化学強化処理を施す化学強化処理工程と、を有し、
前記冷却工程は、前記曲げによって形成される凸面側に相当する前記ガラス材料の第1主面、に対向する前記凹型の制御温度を制御温度T1[℃]とし、前記曲げによって形成される凹面側に相当する前記ガラス材料の第2主面、に対向する前記凸型の制御温度を制御温度T2[℃]とするとき、前記制御温度T2[℃]および前記制御温度T1[℃]の少なくとも一方を前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]以下とし、前記温度T2[℃]が前記温度T1[℃]よりも大きく、前記制御温度T2[℃]と前記制御温度T1[℃]との温度差(T2−T1)[℃]を10[℃]以上に保持する手順を含む3Dカバーガラスの製造方法を提供する。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記ガラス成形工程は、前記一対の金型を用いてプレス成形する手順を含み、前記温度差(T2−T1)[℃]の制御により、前記ガラス材料の第1主面の温度をT3[℃]とし、前記ガラス材料の第2主面の温度T4[℃]とするとき、前記温度T3[℃]および前記温度T4[℃]が前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]から、前記ガラス材料の歪点Ts[℃]までの温度範囲において、前記温度T4[℃]が前記温度T3[℃]よりも大きく、前記温度T4[℃]と前記温度T3[℃]との温度差(T4−T3)[℃]を0.3[℃]以上に保持する手順を含むことが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記一対の金型は、熱伝導率が50[W/(m・K)]以上の材料からなることが好ましい。
本発明の3Dカバーガラスの製造方法において、前記冷却工程は、単位時間当たりの前記温度T3[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第1主面の冷却速度、および単位時間当たりの前記温度T4[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第2主面の冷却速度が0.1[℃/Sec]以上、10.0[℃/Sec]以下を満たすことが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記冷却工程は、前記温度T4[℃]が前記温度T3[℃]よりも高く、単位時間当たりの前記温度T3[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第1主面の冷却速度が、単位時間当たりの前記温度T4[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第1主面の冷却速度よりも速いことが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記ガラス材料は前記加熱工程での最低粘度が1011[Pa・s]以下であることが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記ガラス材料は前記加熱工程での最低粘度が107.5[Pa・s]以上であることが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記ガラス材料はアルミノシリケートガラスであることが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記ガラス材料はリチウムアルミノシリケートガラスであってもよい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記加熱工程は、前記ガラス材料の周辺部の全周にわたって厚さ方向の曲げを与えることが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記一対の金型は、リング型によって嵌め込まれている構造を持つことが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記冷却工程は、前記温度T3[℃]および前記温度T4[℃]のいずれもがガラス材料の歪点Ts[℃]以下の温度から、前記一対の金型の温度が同一になるまでの冷却時間が10[分]以内であることが好ましい。
また、3Dカバーガラスの製造方法において、前記ガラス成形工程は、プレス圧の最大値が0.05[MPa]以上であることが好ましい。
さらに、3Dカバーガラスの製造方法において、前記ガラス成形工程は、プレス圧の最大値が1.0[MPa]以下であることが好ましい。
本発明の3Dカバーガラスの製造方法では、化学強化処理によるガラスの反りを、品質を損なうことなく修正できる。
図1は、3Dカバーガラスの一構成例を示した図である。 図2(a),(b)は、3Dカバーガラスの化学強化処理による反りの発生状態を示した断面模式図であり、図2(a)は化学強化処理前、図2(b)は化学強化処理後を示している。 図3は、ガラス成形工程に用いる一対の金型の一構成例を示した図である。 図4(a)〜(d)は、本製造方法の加熱工程および冷却工程におけるガラス材料の状態を説明するための図である。 図5は、実施例における成形装置の概略図である。 図6(a)は実施例1における制御温度T1[℃],T2[℃]の変化、および温度差(T2−T1)[℃]の変化を示している。図6(b)は実施例1における温度T3[℃],T4[℃]の変化、および温度差(T4−T3)[℃]の変化を示している。図6(c)は実施例1における温度T3[℃]の冷却速度の変化、温度T4[℃]の冷却速度の変化、および温度T4[℃]の冷却速度と温度T3[℃]の冷却速度との差の変化を示している。 図7(a)は実施例2における制御温度T1[℃],T2[℃]の変化、および温度差(T2−T1[℃])の変化を示している。図7(b)は実施例2における温度T3[℃],T4[℃]の変化、および温度差(T4−T3)[℃]の変化を示している。図7(c)は実施例2における温度T3[℃]の冷却速度の変化、温度T4[℃]の冷却速度の変化、および温度T4[℃]の冷却速度と温度T3[℃]の冷却速度との差の変化を示している。 図8(a)は比較例1における制御温度T1[℃],T2[℃]の変化、および温度差(T2−T1)[℃]の変化を示している。図8(b)は比較例1における温度T3[℃],T4[℃]の変化、および温度差(T4−T3)[℃]の変化を示している。図8(c)は比較例1における温度T3[℃]の冷却速度の変化、温度T4[℃]の冷却速度の変化、および温度T4[℃]の冷却速度と温度T3[℃]の冷却速度との差の変化を示している。 図9は実施例における冷却工程での温度差(T2−T1)[℃]と、反り量との関係を示したグラフである。 図10は、実施例1で得た3Dカバーガラスの化学強化処理の前後での断面形状を比較した図である。 図11は、比較例1で得た3Dカバーガラスの化学強化処理の前後での断面形状を比較した図である。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
本発明の一実施形態に係る3Dカバーガラスの製造方法(以下「本3Dカバーガラスの製造方法」または「本製造方法」という)は、平板状のガラス材料を転移温度Tg[℃]以上に加熱して、凸型および凹型からなる一対の金型を用いてガラス材料の周辺部の少なくとも一部に厚さ方向の曲げを与える加熱工程を含む。そして、加熱工程後にガラス材料の転移温度Tg[℃]より低い温度に冷却する冷却工程を含むガラス成形工程と、ガラス成形工程後に、ガラス材料に化学強化処理を施す化学強化処理工程と、を有する。
図3は、ガラス成形工程に用いる一対の金型の一構成例を示した図である。図3に示す金型20は凸型21および凹型22の一対の金型であり、凸型21および凹型22は、中心部211,221が平面で、周辺部212,222の少なくとも一部に三次元曲面を有する。なお、ガラス成形工程に用いる一対の金型の形状はこれに限定されず、製造する3Dカバーガラスの形状に応じて適宜選択できる。例えば、平面視で略長方形の外縁をなす3Dカバーガラスにおいて、該外縁の周辺部のうち、長辺部分のみが三次元曲面となった3Dカバーガラスを製造する場合、凸型および凹型の周辺部のうち、一部(長辺部分)のみが三次元曲面をなしてもよい。また、図1に示す3Dカバーガラス100のように、周辺部120が全周にわたって三次元曲面となった3Dカバーガラスを製造する場合、凸型および凹型は、図3において手前側および奥側の周辺部を含んで三次元曲面をなす。
また、ガラス成形工程に用いる金型は、さらに、リング型を有し、該リング型が凸型および凹型に嵌めこまれる構造を含んでもよい。この場合、例えば、凸型および凹型を嵌合した後、リング型を嵌めこむことにより、凸型および凹型の嵌合部を覆うことで、嵌合部からの異物の侵入を抑制できるため、製造される3Dカバーガラスの品質を向上できる。
図4(a)〜(d)は、本製造方法の加熱工程および冷却工程を説明する図である。
図4(a)は本製造方法の加熱工程を示しており、凸型21と凹型22との間隙に平板状のガラス材料10を配置し、転移温度Tg[℃]以上に加熱することにより、ガラス材料の周辺部に厚さ方向の曲げを与える。
本製造方法の加熱工程では、凸型21および凹型22からなる一対の金型20を用いて、ガラス材料10をプレス成形することが好ましい。ガラス材料をプレス成形する場合、ガラス材料を所望の形状に成形するためプレス圧の最大値は0.05[MPa]以上が好ましく、0.1[MPa]以上がより好ましい。また、ガラス材料の割れを発生させることなく成形するため、プレス圧の最大値は1.0[MPa]以下が好ましく、0.6[MPa]以下がより好ましい。
また、本製造方法の加熱工程は、凸型および凹型からなる一対の金型を用いて、ガラス材料の周辺部の少なくとも一部に厚さ方向の曲げを与えることができれば、プレス成形以外の成形方法を用いてもよく、例えば、バキューム成形やブロー成形を用いてもよい。
本製造方法の加熱工程および冷却工程では、ガラス材料10に対向する凸型21および凹型22の温度を制御する。
本製造方法において、曲げによって形成される凸面側に相当するガラス材料10の主面を第1主面10aとし、第1主面10aに対する裏面側、即ち、曲げによって形成される凹面に相当するガラス材料10の主面を第2主面10bとする。そして、ガラス材料10の第1主面10aに対向する側の凹型22の制御温度を制御温度T1[℃]とし、ガラス材料10の第2主面10bに対向する凸型21の制御温度T2[℃]とする。図4(a)に示す本製造方法の加熱工程では、凹型22の制御温度T1[℃]、および凸型21の制御温度T2[℃]が、ガラス材料10の転移温度Tg[℃]よりも高い温度であればよく、Tg+50[℃]以上が好ましく、Tg+65[℃]以上がより好ましい。これは、ガラス材料を精度良く成形するための条件である。また、凹型22の制御温度T1[℃]、および凸型21の制御温度T2[℃]は、それぞれTg+130[℃]以下が好ましく、Tg+100[℃]以下がより好ましい。これは、凸型21および凹型22からガラス材料10への異物やツールマークの転写を低減するための条件である。なお、図4に示すガラス材料10の転移温度Tg[℃]はガラスの粘性係数が1012[Pa・s]となる温度である。
図4(a)では、凹型22の制御温度T1[℃]および凸型21の制御温度T2[℃]が転移温度Tg[℃]よりも高いため、ガラス材料10の温度も転移温度Tg[℃]よりも高くなり、ガラス材料10の応力緩和時間が短く、ガラス材料10はほぼ粘性体であり応力フリーとみなせる。
図4(b)は本製造方法の冷却工程を示している。本製造方法の冷却工程では、凹型22の制御温度T1[℃]、および凸型21の制御温度T2[℃]のうち、少なくとも一方をガラス材料10のガラス転移温度Tg[℃]以下として、制御温度T2[℃]が制御温度T1[℃]よりも大きく、これらの温度差(T2−T1)[℃]を10[℃]以上に保持することが好ましい。図4(b)に示す本製造方法の冷却工程では、例えば、凸型21の制御温度T2[℃]をTg[℃]と同温度とし、凹型22の制御温度T1[℃]を転移温度Tg[℃]より低い温度としてもよく、この場合、T1は、Tg−10[℃]以下が好ましく、Tg−20[℃]以下がより好ましい。また、T1は、Tg−200[℃]以上が好ましく、Tg−100[℃]以上がより好ましい。
なお、図4(b)の冷却工程では、凸型21と凹型22の制御温度が転移温度Tg[℃]以上であった図4(a)の状態から、凸型21および凹型22の少なくとも一方の制御温度(T1[℃]および/またはT2[℃])が転移温度Tg[℃]を下回る状態へと推移するため、ある瞬間にはガラス材料10の少なくとも一部、即ち、後述する温度T4[℃]が転移温度Tg[℃]以上で、後述する温度T3が転移温度Tg[℃]以下となる。その瞬間では、図4(a)と同様に応力緩和時間は短く、ガラス材料10はほぼ応力フリーとみなせる。
また、温度差(T2−T1)[℃]は20[℃]以上がより好ましい。この場合、後述する温度差(T4−T3)[℃]の下限値を容易に満足できる。また、温度差(T2−T1)[℃]は200[℃]以下が好ましく、100[℃]以下がより好ましい。これは、プレス後にガラスを挟んで接触している凹型と凸型の温度を独自に制御するのに好ましいからである。
図4(c)はガラス材料を常温まで冷却した時点での状態を模式的に示している。ガラス材料10の温度が転移温度Tg[℃]以下では、凸型21の制御温度T2[℃]と凹型22の制御温度T1[℃]との温度差(T2−T1)[℃]を10[℃]以上に保持した状態でガラス材料10を転移温度Tg[℃]以下に冷却すると、図4(c)に示すように、板厚方向の収縮量差が生じ、矢印方向のモーメント力が発生する。実際には、金型20により拘束(固定)されているため、ガラス材料に応力が発生する。その結果、金型から取り出したガラス材料10はモーメント力により、図4(d)に模式的に示すような反り形状となり、図2(b)に示した化学強化処理による反りを補正できる。
本製造方法の冷却工程では、温度差(T2−T1)[℃]の制御により、ガラス材料10の第1主面10aの温度[℃]と、第2主面10bの温度[℃]との温度差[℃]が以下に述べる条件を満たすことが好ましい。
ここで、ガラス材料10の第1主面10aの温度をT3[℃]とし、ガラス材料10の第2主面10bの温度T4[℃]とするとき、温度T3[℃]および温度T4[℃]が、ガラス材料の転移温度Tg[℃]から、ガラス材料の歪点Ts(ガラスの粘性係数が1013.5[Pa・s]となる温度)[℃]までの温度範囲において、温度T4[℃]と温度T3[℃]との温度差(T4−T3)[℃]を0.3[℃]以上に保持することが、化学強化処理による変形を補正した形状とするうえで好ましい。
なお、温度T3[℃]よりも温度T4[℃]の方が通常は高い。そのため、上記温度範囲における温度差(T4−T3)[℃]を0.3[℃]以上に保持することにより好適なガラスの反りを発生できる。これは、板厚方向に温度差がついた状態で粘性領域から弾性領域に遷移させるためであって、そうすることで、それ以降の冷却でガラス板厚方向の温度差が解消される過程において熱収縮差によりガラスの反りをコントロールできる。また、温度差(T4−T3)[℃]は、上記温度範囲において、0.5[℃]以上に保持することがより好ましく、1.0[℃]以上に保持することがさらに好ましい。また、温度差(T4−T3)[℃]は、上記温度範囲において100[℃]以下に保持することが好ましく、50[℃]以下に保持することがより好ましい。これは、上記温度範囲において温度差(T4−T3)[℃]を100[℃]以下にすることによりガラスの割れが発生することを抑制できるからである。
本製造方法の冷却工程では、一対の金型20における温度差(T2−T1)[℃]により、ガラス材料10に板厚方向の温度差(T4−T3)[℃]を制御するため、一対の金型20は熱伝導率が高い材料からなることが好ましい。具体的に金型20は、熱伝導率が50[W/(m・K)]以上の材料からなることが好ましく、上記を満たす材料の具体例としては、カーボン、超硬合金、銅が挙げられる。
本製造方法の冷却工程において、温度T3[℃]および温度T4[℃]が、ガラス材料の転移温度Tg[℃]から、ガラス材料の歪点Ts[℃]までの温度範囲において、単位時間当たりの温度T3[℃]の変化で示されるガラス材料の第1主面の冷却速度、および単位時間当たりの温度T4[℃]の変化で示されるガラス材料の第2主面の冷却速度が0.1〜10.0[℃/Sec]を満たすと生産性向上のため好ましい。また、T4[℃]>T3[℃]の条件において、単位時間当たりの温度T3[℃]の変化で示されるガラス材料の第1主面の冷却速度が、単位時間当たりの温度T4[℃]の変化で示されるガラス材料の第2主面の冷却速度よりも速いとより好ましい。
本製造方法の冷却工程において、温度T3[℃]および温度T4[℃]のいずれもがガラス材料の歪点Ts[℃]以下の温度に達してから、一対の金型の温度が同一になるまでの冷却時間が10[分]以内であると生産性が向上するため好ましい。但し、上記の冷却時間が短すぎるとガラス材料に割れが生じるおそれがある。そのため、上記の冷却時間は30[秒]以上が好ましい。
本製造方法において、3Dカバーガラスに用いるガラス材料は、加熱工程での最低粘度が1011[Pa・s]以下であれば、成形性の観点から好ましい。加熱工程での最低粘度が1011[Pa・s]超だと、加熱工程でガラス材料に割れが発生するおそれがある。3Dカバーガラスに用いるガラス材料は、加熱工程での最低粘度が、1010.5[Pa・s]以下であればより好ましく、1010[Pa・s]以下がさらに好ましい。これは、周辺部の三次元曲面となる部位を金型に密着させて3Dカバーガラスの形状精度を改善しやすいからである。また、3Dカバーガラスに用いるガラス材料は、加熱工程での粘度が107.5[Pa・s]以上であると該3Dカバーガラスの外観品質の観点から好ましく、108.0[Pa・s]以上がより好ましく、108.5[Pa・s]以上がさらに好ましい。このような粘度を有するガラス材料は、加熱工程でガラス材料の表面に発生する外観欠点を抑制できる。
本製造方法では、ガラス成形工程後のガラス材料に対し、化学強化処理を施す。そのため、3Dカバーガラスの製造に用いるガラス材料は化学強化処理が可能な材料が求められる。化学強化処理では、転移温度Tg[℃]以下の温度でイオン交換によりガラスの表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きなアルカリイオン(典型的にはKイオン)に交換する。このようなイオン交換により、ガラスの表面に圧縮応力層が形成されて強度が向上する。
化学強化処理が可能なガラスとしては、無色透明の非晶質ガラスの他、結晶化ガラスや色ガラス等からなるガラス板が挙げられる。更に詳細には、ガラス材料として、例えば、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、ソーダライムシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、リチウムアルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラスを使用できる。厚さが薄くても強化処理によって大きな応力が入りやすく薄くても高強度なガラスが得られるアルミノシリケートガラスやリチウムアルミノシリケートガラスが好ましい。なお、化学強化処理は、溶融塩中にガラスを浸漬させる方法や、溶融塩をペースト状もしくは粉状にしてガラスに塗布する方法を使用できるが、通常、アルカリ金属を含む溶融塩中にガラスを浸漬させることにより行われる。
より具体的なガラスの組成は、モル%で表示した組成で、SiO2を50〜80%、Al23を0.1〜25%、Li2O+Na2O+K2Oを3〜30%、MgOを0〜25%、CaOを0〜25%およびZrO2を0〜5%含むガラスが挙げられるが、特に限定されない。より具体的には、以下のガラスの組成が挙げられる。なお、例えば、「MgOを0〜25%含む」とは、MgOは必須ではないが25%まで含んでもよい、の意である。(i)のガラスはソーダライムシリケートガラスに含まれ、(ii)および(iii)のガラスはアルミノシリケートガラスに含まれ、(v)のガラスはリチウムアルミノシリケートガラスに含まれる。
(i)モル%で表示した組成で、モル%で表示した組成で、SiO2を63〜73%、Al23を0.1〜5.2%、Na2Oを10〜16%、K2Oを0〜1.5%、Li2Oを0〜5.0%、MgOを5〜13%及びCaOを4〜10%を含むガラス。
(ii)モル%で表示した組成が、SiO2を50〜74%、Al23を1〜10%、Na2Oを6〜14%、K2Oを3〜11%、Li2Oを0〜5.0%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrO2を0〜5%含有し、SiO2およびAl23の含有量の合計が75%以下、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス。
(iii)モル%で表示した組成が、SiO2を68〜80%、Al23を4〜10%、Na2Oを5〜15%、K2Oを0〜1%、Li2Oを0〜5.0%、MgOを4〜15%およびZrO2を0〜1%含有するガラス。
(iv)モル%で表示した組成が、SiO2を67〜75%、Al23を0〜4%、Na2Oを7〜15%、K2Oを1〜9%、Li2Oを0〜5.0%、MgOを6〜14%およびZrO2を0〜1.5%含有し、SiO2およびAl23の含有量の合計が71〜75%、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス。
(v)モル%で表示した組成が、SiO2を56〜73%、Al23を10〜24%、B23を0〜6%、P25を0〜6%、Li2Oを2〜7%、Na2Oを3〜11%、K2Oを0〜5%、MgOを0〜8%、CaOを0〜2%、SrOを0〜5%、BaOを0〜5%、ZnOを0〜5%、TiO2を0〜2%、ZrO2を0〜4%含有するガラス。
本製造方法により製造される3Dカバーガラスは、さらに以下の条件を満たす対象に適用できる。
3Dカバーガラスの板厚は、0.3mm以上、2.0mm以下が好ましい。板厚が0.3mm未満だと、冷却工程でガラス材料の板厚方向に温度差がつきにくく、化学強化処理による変形を補正した形状が得られにくい。板厚が2.0mm超だと、化学強化処理による変形が小さいため、化学強化処理による変形を補正する必要性が高くない。
また、3Dカバーガラスは、平面視において、対角サイズが50mm以上、1000mm以下が好ましい。対角サイズが50mm未満だと、化学強化処理による変形が小さいため、化学強化処理による変形を用いて補正する手法としてその適性が十分ではない。また、対角サイズが1000mm超だと、面内を均一に冷やすのが困難であるとともに、化学強化処理による変形モードと、本製造方法による変形モードとが異なるおそれがあり制御が困難となる場合がある。また、3Dカバーガラスは、平面視において、角部に丸みを帯びているものも含む、略長方形のものが好ましく用いられ、この場合でも、対角サイズは、50mm以上、1000mm以下が好ましい。
さらに、3Dカバーガラスは、周辺部における三次元曲面の最小曲率半径Rが、0.1mm以上、20mm以下が好ましい。最小曲率半径Rが0.1mm未満にガラスを曲げる場合、その制御性が困難であり、最小曲率半径Rが20mm超の場合、化学強化処理による変形を用いて補正する手法としてその適性が十分ではないからである。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1,2、比較例1)
本実施例(1,2)では、加熱工程における凸型の制御温度T2[℃]と、凹型の制御温度T1[℃]を同じ温度で制御し、冷却工程における凸型の制御温度T2[℃]と、凹型の制御温度T1[℃]との温度差(T2−T1)[℃]を変えてガラス成形工程を実施した。その後、以下の手順で、金型から取り出した際の反り量を評価した。具体的には、図3に示すような、中心部211,221が平面で、周辺部212,222が全周にわたって三次元曲面形状である凸型21および凹型22を用いて、図1に示すように、中心部110が平面で周辺部120が三次元曲面をなす3Dカバーガラス100を製造し、評価した。なお、比較例として、冷却工程における温度差(T2−T1)[℃]を与えない条件(=0[℃])における反り量も併せて評価した。
まず、DTK社製の成形装置(型番:DTK−DGP−3D12S)を用いて、旭硝子株式会社製のガラス材料DT−STAR(板厚0.5[mm]、転移温度Tg=547[℃]、歪点Ts=501[℃])を成形した。成形装置の概略図を図5に示す。成形装置は予熱1〜4の4ゾーン、Press1〜3の3ゾーン、冷却1〜4の4ゾーンの合計11ゾーンに分かれており、各ゾーンに金型が搬送されて上下からヒータープレートを接触させてプレスすることで金型の温度とプレス圧とを制御しガラスを成形した。ここで、予熱1〜4とPress1の5ゾーンが加熱工程に相当し、Press2以降が冷却工程に相当する。具体的には、成形装置の図5のPress1ポジションにおいて制御温度T1[℃]と制御温度T2[℃]が、ガラスの粘性係数が109.5[Pa.s]となる温度で、プレス圧の最大値が0.55[MPa]となるように成形した。その後に、成形装置の図5のPress2ポジションとPress3ポジションにおいて、プレス圧の最大値が0.5[MPa]でガラス材料をプレスした状態で温度差(T2−T1)[℃]を与えて冷却した。ここで、1ゾーン当たりの滞在時間は90[秒]であった。
使用した金型の寸法は(縦)約180[mm]×(横)約120[mm]×(高さ)約30[mm]であり、凸型21と凹型22との体積を同一(体積比1:1)とし、下側の型として凹型22を、上側の型として凸型21を用いた。金型の材料は、熱伝導率が104.4[W/(m・K)]であるカーボンを用いた。なお、成形後の3Dカバーガラスの平面視におけるサイズは150[mm]×80[mm]程度で四隅が曲線状の略長方形であり、周辺部120における三次元曲面の最小曲率半径Rは5[mm]程度であった。
ここで各実施例および比較例の加熱工程(成形中)における、凸型および凹型の温度をいずれもガラスの粘性係数が109.5[Pa.s]となる温度(630[℃])に制御した。そして、各実施例の冷却工程における凹型22の制御温度T1[℃]と凸型21の制御温度T2[℃]を変えて、それぞれ以下の条件で3Dカバーガラスを成形した。なお、冷却時間は、制御温度T1[℃]と制御温度T2[℃]のいずれもが、Ts[℃]以下となる温度から凸型21の温度と凹型22の温度が同一となる100[℃]になるまでの時間を示した。なお、比較例は、冷却工程における温度差(T2−T1)[℃]を与えなかった。
また、ガラス材料の第1の主面の温度T3[℃]およびガラス材料の第2の主面の温度T4[℃]は、それぞれ、制御温度T1[℃]および制御温度T2[℃]に基づき、ダッソー・システムズ株式会社の汎用解析ソフトABAQUSの熱伝導解析により計算した。具体的には、実験的に凸型用/凹型用ヒータープレートと凸型/凹型との接触熱伝達係数を1000[W/(m2・K)]、凸型/凹型とガラスとの接触熱伝達係数を300[W/(m2・K)]と求め、それらをシミュレーションの熱境界条件として用いた。また、ガラスの熱物性は熱伝導率1.2[W/(m・K)]、比熱1340[J/(kg・K)]、密度2500[kg/m3]を用い、カーボン型の熱物性は熱伝導率104.4[W/(m・K)]、比熱710[J/(kg・K)]、密度1800[kg/m3]を用いた。なお、温度T3[℃]および温度T4[℃]の冷却速度は、いずれも、Tg(=547℃)からTs(=501℃)に冷却されるまでの時間で割った算出結果である。また、温度T4[℃]と温度T3[℃]との温度差(T4−T3)[℃]は、いずれも、Tg(=547℃)からTs(=501℃)に冷却されるまでの温度差の最小値である。
図6は、いずれも実施例1における温度変化プロファイルを示した。具体的に、図6(a)は、制御温度T1[℃],制御温度T2[℃]の変化、および温度差(T2−T1)[℃]の変化を示し、図6(b)は、温度T3[℃],温度T4[℃]の変化、および温度差(T4−T3)[℃]の変化を示し、図6(c)は、温度T3[℃]の冷却速度の変化、温度T4[℃]の冷却速度の変化、および温度T4[℃]の冷却速度と温度T3[℃]の冷却速度との差の変化を示した。
図7は、いずれも実施例2における温度変化プロファイルを示した。具体的に、図7(a)は、制御温度T1[℃],制御温度T2[℃]の変化、および温度差(T2−T1)[℃]の変化を示し、図7(b)は、温度T3[℃],温度T4[℃]の変化、および温度差(T4−T3)[℃]の変化を示し、図7(c)は、温度T3[℃]の冷却速度の変化、温度T4[℃]の冷却速度の変化、および温度T4[℃]の冷却速度と温度T3[℃]の冷却速度との差の変化を示した。
図8は、いずれも比較例1における温度変化プロファイルを示した。具体的に、図8(a)は、制御温度T1[℃],制御温度T2[℃]の変化、および温度差(T2−T1)[℃]の変化を示し、図8(b)は、温度T3[℃],温度T4[℃]の変化、および温度差(T4−T3)[℃]の変化を示し、図8(c)は、温度T3[℃]の冷却速度の変化、温度T4[℃]の冷却速度の変化、および温度T4[℃]の冷却速度と温度T3[℃]の冷却速度との差の変化を示した。
成形した実施例1,2および比較例1の3Dカバーガラスに対して、GOM社製の3次元計測機ATOS(型番:ATOS Triple scan III)を用いて、3Dカバーガラス100の平坦部110の形状を測定した。そして、その計測結果と平面とをベストフィット処理したときの平面と、測定結果との偏差を計算し、その偏差の最大値と最小値との差を反り量へ変換した。その結果を図9に示す。
図9に示すように、温度差(T2−T1)[℃]が0[℃]の比較例1の場合、金型から取り出した際の反り量が0[μm]であったのに対し、温度差(T2−T1)[℃]が正である実施例1,2の場合、金型から取り出した際の反り量が(凸面に凸状部分を有する)正の値を示した。なお、金型から取り出した際にガラス材料の中心部が凸面から見て凹面の方向に反りを生じた場合、予想反り量が正の値とした。
(実施例3)
本実施例では、実施例1と比較例1で得た3Dカバーガラスに化学強化処理を施し、化学強化処理実施前後の形状変化を以下の手順で評価した。
まず、実施例1、および比較例1で得た3Dカバーガラスを450[℃]に加熱して溶融させた硝酸カリウム塩に2時間浸漬しイオン交換処理した。その後、3Dカバーガラスを溶融塩より引き上げ、1時間で室温まで徐冷することで化学強化処理を施した。さらに、この3Dカバーガラスをアルカリ溶液(商品名:サンウォッシュTL−75、ライオン社製)に4時間浸漬してアルカリ処理を施し、化学強化処理後の3Dカバーガラスを得た。
化学強化処理実施前後の形状変化に関しても、上述の3次元計測機を用いて計測した。
図10は実施例1で得た3Dカバーガラスの長軸方向から見たZ軸方向の形状変化を示した図である。図9では下向きに反りが生じた3Dカバーガラスの中心部を上向きに示しているが、図10に示すように、化学強化処理による変形が予め補正されていることが確認できた。このとき、3Dカバーガラスの中心部(134[mm]×64[mm])における、実施例1の化学強化処理前の表面形状は、PV値が0.464[mm]、平坦度が0.159[mm]であったのに対し、化学強化処理後の表面形状はPV値が0.267[mm]、平坦度が0.048[mm]であった。化学強化処理前後の変形量は全面で0.237[mm]、平坦な中心部で0.237[mm]であった。
図11は比較例1で得た3Dカバーガラスの長軸方向から見たZ軸方向の形状変化を示した図である。図9では下向きに反りが生じた3Dカバーガラスの中心部を上向きに示しており、図11に示すように、化学強化処理により変形が大きくなっていることが確認できた。このとき、3Dカバーガラスの中心部(134[mm]×64[mm])における、比較例1の化学強化処理前の表面形状は、PV値が0.150[mm]、平坦度が0.110[mm]であったのに対し、化学強化処理後の表面形状はPV値が0.313[mm]、平坦度が0.280[mm]であった。化学強化処理前後の変形量は全面で0.257[mm]、平坦な中心部で0.231[mm]であった。以上より、比較例1の化学強化後の平坦度0.280[mm]に対して、実施例1の化学強化後の平坦度は0.048[mm]となり、本発明によると平坦度の優れた3Dカバーガラスが得られた。
10:ガラス材料
10a:第1主面
10b:第2主面
20:金型
21:凸型
211:中心部
212:周辺部
22:凹型
221:中心部
222:周辺部
100:3Dカバーガラス
110:中心部
120:周辺部

Claims (14)

  1. 平板状のガラス材料を転移温度Tg[℃]以上に加熱して、凸型および凹型からなる一対の金型を用いて前記ガラス材料の周辺部の少なくとも一部に厚さ方向の曲げを与える加熱工程、および前記加熱工程後に前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]より低い温度に冷却する冷却工程を含む、ガラス成形工程と、
    前記ガラス成形工程後に、前記ガラス材料に化学強化処理を施す化学強化処理工程と、を有し、
    前記冷却工程は、前記曲げによって形成される凸面側に相当する前記ガラス材料の第1主面、に対向する前記凹型の制御温度を制御温度T1[℃]とし、前記曲げによって形成される凹面側に相当する前記ガラス材料の第2主面、に対向する前記凸型の制御温度を制御温度T2[℃]とするとき、前記制御温度T2[℃]および前記制御温度T1[℃]の少なくとも一方を前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]以下とし、前記制御温度T2[℃]が前記制御温度T1[℃]よりも大きく、前記制御温度T2と前記制御温度T1[℃]との温度差(T2−T1)[℃]を10[℃]以上に保持する手順を含む3Dカバーガラスの製造方法。
  2. 前記ガラス成形工程は、前記一対の金型を用いてプレス成形する手順を含み、前記温度差(T2−T1)[℃]の制御により、前記ガラス材料の第1主面の温度をT3[℃]とし、前記ガラス材料の第2主面の温度T4[℃]とするとき、前記温度T3[℃]および前記温度T4[℃]が前記ガラス材料の転移温度Tg[℃]から、前記ガラス材料の歪点Ts[℃]までの温度範囲において、前記温度T4[℃]が前記温度T3よりも大きく、前記温度T4[℃]と前記温度T3[℃]との温度差(T4−T3)[℃]を0.3[℃]以上に保持する手順を含む、請求項1に記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  3. 前記一対の金型は、熱伝導率が50[W/(m・K)]以上の材料からなる、請求項1または2に記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  4. 前記冷却工程は、単位時間当たりの前記温度T3[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第1主面の冷却速度、および単位時間当たりの前記温度T4[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第2主面の冷却速度が0.1[℃/Sec]以上、10.0[℃/Sec]以下を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  5. 前記冷却工程は、前記温度T4が前記温度T3よりも高く、単位時間当たりの前記温度T3[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第1主面の冷却速度が、単位時間当たりの前記温度T4[℃]の変化で示される前記ガラス材料の第2主面の冷却速度よりも速い、請求項4に記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  6. 前記ガラス材料は前記加熱工程での最低粘度が1011[Pa・s]以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  7. 前記ガラス材料は前記加熱工程での最低粘度が107.5[Pa・s]以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  8. 前記ガラス材料はアルミノシリケートガラスである、請求項1〜7のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  9. 前記ガラス材料はリチウムアルミノシリケートガラスである、請求項1〜7のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  10. 前記加熱工程は、前記ガラス材料の周辺部の全周にわたって厚さ方向の曲げを与える、請求項1〜9のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  11. 前記一対の金型は、リング型によって嵌め込まれている構造を持つ、請求項1〜10のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  12. 前記冷却工程において、前記温度T3[℃]および前記温度T4[℃]のいずれもが、ガラス材料の歪点Ts[℃]以下の温度から前記一対の金型の温度が同一になるまでの冷却時間が10[分]以内である、請求項2〜11のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  13. 前記ガラス成形工程において、プレス圧の最大値が0.05[MPa]以上である、請求項2〜12のいずれかに記載の3Dカバーガラスの製造方法。
  14. 前記ガラス成形工程において、プレス圧の最大値が1.0[MPa]以下である、請求項13に記載の3Dカバーガラスの製造方法。
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