JP2019043408A - 車両の前照灯制御装置 - Google Patents

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寿幸 小川
Toshiyuki Ogawa
寿幸 小川
智之 角岡
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【課題】本発明は、ロービームからハイビームへ変更ができない状況における運転者の視覚の不安さを解消可能とした車両の前照灯制御装置を提供する。【解決手段】本発明は、点灯条件によりハイビームの照射とロービームの照射のいずれかが選択される前照灯3と、ハイビームが照射される領域に相当する車両前方の視界を撮像する撮像部35と、車両前方の視界を視認させる表示部13と、前照灯の照射をロービームに切換える切換手段19,27,33と、ロービームの切換時、撮像部がロービーム下で撮像した画像をハイビームに相当する輝度で表示部に表示する表示制御部33とを具備するものとした。【選択図】図5

Description

本発明は、ロービーム時における視覚不安の解消が図れる車両の前照灯制御装置に関する。
車両のヘッドライト(前照灯)からの照射は、上向き(水平方向)に配光するハイビームと下向きに配光するロービームとのいずれかを選択することによって行われる。
ハイビームとロービームとの選択は、車両周囲の条件により行われるが、ハイビームは遠方の視界が確保されるため、車両の走行中はなるべくハイビームを維持することが好ましい。このため、夜間走行時は、ハイビームの常時点灯が推奨される。
しかしながら、常時、ハイビームにすると、対向車の視界の妨げになるなど、ハイビームに維持し続けることが難しい場合があり、ロービームを選択せざるを得ない状況が出ている。
このような場合、フロントウインドを通して見える運転者の視界は、遠方が明瞭に見える状況から、車両の前方近くだけが明瞭に見える状況へと変わる。
車両の前方近くだけが明瞭に見える状況は、ロービームからハイビームへ変更ができる状況にならない限り続く。つまり、この間は、視覚的に不安な状況が続くので、運転者には負担となる。特に夜間走行の不得手な人は、かなりの負担となりやすい。
従来、ヘッドライドの点灯制御を見る限り、特許文献1,2のように自動でハイビームとロービームとに切換えられるようにした技術が見られるだけである。
特開2013−32121号公報 特開2013−56594号公報
ところが、引用文献1,2のようにハイビームとロービームとを切り換える技術でも、ロービームで走行しているときの運転者の視覚の不安さは拭い切れない。
そこで、本発明の目的は、ロービームからハイビームへ変更ができない状況における運転者の視覚の不安さを解消可能とした車両の前照灯制御装置を提供する。
本発明の態様は、点灯条件によりハイビームの照射とロービームの照射のいずれかが選択される前照灯と、ハイビームが照射される領域に相当する車両前方の視界を撮像する撮像部と、車両前方の視界を視認させる表示部と、前照灯の照射をロービームに切換える切換手段と、ロービームの切換時、撮像部がロービーム下で撮像した画像をハイビームに相当する輝度で表示部に表示する表示制御部とを具備するものとした。
本発明によれば、ロービーム走行中、ロービームからハイビームへ変更ができない状況のときは、撮像部により、ロービーム下における車両前方のハイビーム領域の視界画像が取得され、同画像がハイビームに相当する輝度で表示部に表示され続ける。つまり、表示部においてハイビーム状態が再現される。
それ故、運転者は、表示部に表示されたハイビーム相当の画像を目視しさえすれば、車両前方の遠方の視界が明瞭に視認できるので、ロービームにおける運転者の視覚不安の解消の手助けができ、車両の操縦安全性の向上が図れる。
本発明の一実施形態に係る態様となる、前照灯制御装置を搭載した車両の概略側面図。 同前照制御装置の構成を示すブロック図。 同前照灯制御装置がもたらす制御を示すフローチャート。 同制御のうちの擬似的ハイビームを得る制御を説明するフローチャート 表示部の表示面やフロントウインドの様子を説明する図1中の矢視Aから見た矢視図。
以下、本発明を図1から図5に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、パワーユニット(図示しない)の駆動力で走行が可能な車両を示し、図5は図1中の矢視Aから見た車両の一部を示している。
車両の各部を説明すると、図1中の符号1は車体、3は車体前端部の左右両側に設けられた一対のヘッドライト(片側しか図示せず:本願の前照灯に相当)、5は車体1の車室内に設けられたフロントシート、7は同じくリヤシート、9は車両のフロントウインド11とフロントシート5の間に設けられたインストルメントパネルである。ちなみにヘッドライト3は、一点鎖線の如く上向き(水平方向)に照射光が照射されるハイビームaと、実線の如く下向きに照射光が照射されるロービームbとに選択可能である。
また図1中の符号13は、インストルメントパネル9の中央部に設けられた、ナビゲーション装置15のディスプレイ、17はステアリングホイール、19はステアリングホイール17を支持する支持部(図示しない)から外方へ突き出たライト操作レバー、21はフロントウインド11の上段に設けられたルームミラーである。ライト操作用レバー19は、手動で方向指示器の操作(レバーの前後回動)をしたり、手動でライティング操作をしたりするものである。手動のライティング操作については後述する。
ライト操作用レバー19には、オートライト操作と手動ライト操作とに切換えるオートライトスイッチ23が設けられている。オートライトスイッチ23は、オンすると、自動ライトオンや自動でハイビームとロービームの切換えを可能にする(オートライト機能)。ちなみに車体1の前部には、車外の明るさが所定値以上になると、自動ライトオンさせるための明るさ検出部25(例えば明るさセンサなど)が設けられる。また車体1の前端部には、自動でハイビーム、ロービームの切換えを行うための対向車検出部27(例えばレーダー装置など)が設けられる。
ちなみにオートライトスイッチ23は、オフすると、手動でライトオンおよびハイビームとロービームとの切換えを可能にする。このオートライトスイッチ23のオフのときは、例えばレバー端に設けたライトスイッチ(図示しない)の操作でライトオン、さらに手動でライト操作用レバー19を前後に回動すると、ハイ・ロービーム手動操作スイッチ29が働き、ハイビームとロービームとの切換えが行える。
この車両には、ロービームからハイビームへ変更ができない状況における運転者の視覚不安を解消する手助けをする前照灯制御装置31が搭載されている。
ここで、ロービームからハイビームへ変更ができない状況を説明するため、その一例となるオートライト機能について説明する。
オートライド機能は、例えば図2に示されるようにECU33(例えばマイクロコンピュータで構成)に、ヘッドライト3、オートライトスイッチ23、明るさ検出部25、対向車検出部27を接続し、ECU33に自動切換モードや手動切換モードを設定することにより構成される。これにより、オートライトスイッチ23をオンすると、予め設定された設定情報にしたがい、自動でライトオン、さらに自動でハイ・ロービーム切換えを行う自動切換モードに切換わる。オフすると、ライト操作用レバー19を用いた手動でライトオン、ハイ・ロービーム切換えが可能な手動切換モードに切換わる。つまり、切換手段30を構成している。
すなわち自動切換モードは、明るさ検出部25で検出される車外の明るさが所定以下の明るさ値になると、ライトオンを指示する。さらにヘッドライド3の照射は、常時はハイビームを選択し、対向車検出部27にて対向車が検出されると、ハイビームから、一時的にロービームへ切換える。
このとき、フロントウインド11を通して見える運転者の視界は、遠方が明瞭に見える状況(ハイビーム)から、車両の前方近くだけが明瞭に見える状況(ロービーム)に変わる。車両の前方近くだけが明瞭に見える状況は、ロービームからハイビームへ変更ができる状況にならない限り続くために(対向車が居なくなるまで)、この間、運転者は、視覚的に不安な状況が強いられる。
この運転者の視覚不安ができるだけ軽減されるよう、前照灯制御装置31は、上記ロービーム時、車載されている既存の表示装置、ここではナビゲーション装置15のディスプレイ13を用いて、同ディスプレイ13に、ハイビーム相当の視界を映し出すようにしている。このハイビーム相当の視界を映し出すモードを擬似的ハイビームモードという。
擬似的ハイビームモードは、擬似的ハイビームモードスイッチ34のオンオフ操作によって、求める場合だけ作動される。擬似的ハイビームモードスイッチ34は、車室内の一部機器である、例えばインストルメントパネル9に設けた計器パネル9a(図5に図示)の一部に設けられている。ちなみに、擬似的ハイビームモードスイッチ34は、その他、使い勝手の良い場所であれば、どこでも構わない。
擬似的ハイビームモード(ハイビーム相当の視界を映し出す機能)について説明すると、図1中の符号35は、車体に設けたカメラである。カメラ35は、人間が目視するときの明るさより、明るい像が得られるカメラ、例えばレンズF値1.0以下を使用したカメラで構成される。カメラ35は、例えばルームミラー21の背部に設けられる。このカメラ35により、図5中のフロントウインド11の下段のロービーム領域βを除く、中・上段から見えるハイビーム領域αの画像の取得をする。つまり、ハイビーム相当の輝度をもつハイビーム領域αの画像が取得される(擬似的ハイビーム画像)。カメラ35はECU33に接続される。ちなみに擬似的ハイビーム画像は、図1中の二点鎖線で囲まれるハイビーム領域αの画像に相当する。
ECU33は、本願の表示制御部を兼ねている。ECU33は、擬似的ハイビームモードスイッチ34のオン時、オートライト機能のロービームへの切換えと同期して、カメラ35で撮像した、ハイビームに相当する輝度を有する画像(ロービーム下)を、ナビゲーション装置15に割り込ませて、ディスプレイ13の表示面に表示、例えば全画面に画像表示させる機能を有している。この機能により、ロービームで照射時、さらに述べればオートライト機能がもたらすロービームからハイビームへ変更ができないといった場合、それを補うべく、運転者が視認するディスプレイ13にハイビームに相当する車両前方の画像、すなわち擬似的に作られたハイビームの画像が表示されるようにしている。つまり、前照灯制御装置31は、運転者の視覚的な不安が軽減される構成となる。
またECU33には、手動操作でロービームにしたときにおける運転者の視覚的な不安が軽減されるよう、擬似的ハイビームモードスイッチ34のオン時、手動操作でロービームに切換えたとき、カメラ35で撮像した、擬似的ハイビーム画像(ハイビーム相当の輝度をもつ画像)をディスプレイ13に表示させる機能が設定されている。
図3および図4のフローチャートは、こうしたハイビーム相当の画像を夜間走行中、ディスプレイ13に表示させる制御が示され、図5(図1中の矢視A)にはこのときの様子が示されている。
つぎに、図3〜図5を参照して、この前照灯制御装置31の作用を説明する。
例えば車両が夜間走行中、オートライトスイッチ23をオン、擬似的ハイビームモードスイッチ34をオンする。これにより、オートライト機能や擬似的ハイビームモードが作動可能となる。
すると、図3のフローチャートは、ステップS1から、ステップS3を経てステップS5へ進む。このとき、車外の明るさは所定値以下になっているので(夜間走行)、ECU33は、明るさ検出部25の検出を受けて、ライトオンを指示する。
ここで、オートライト機能は、常時、ハイビーム設定なので、ヘッドライト3は、ステップS5に示されるように当初からハイビームで照射される。
続くステップS7は、対向車検出部27により、自車両の前方に対向車が有るか否かを判定している。
ハイビーム状態で走行中の自車両前方に対向車が有る場合、自車両のハイビームが対向車の前方の視界を妨げる。
そのため、対向車が有ると判定された場合、ハイビームに維持し続けることが難しいので、オートライト機能により、ヘッドライト3の照射をロービームの照射に切換える。
ここで、フロントウインド11を通して見える運転者の視界は、ハイビームによる遠方が明瞭に見える状況から、ロービームによる車両の前方近くだけが明瞭に見える状況へと変わる。そのため、視界の変化から、運転者は不安になりやすい。車両前方近くだけが明瞭に見える状況は、ロービームからハイビームへ変更ができる状況にならない限り続くので、この間は不安な状況は続く。
こうした運転者の視覚的な不安要素を軽減するべく、対向車が有る場合、ステップS9へと進む。これにより、擬似的ハイビームモードは作動する。
擬似的ハイビームモードは、まず、図4に示されるフローチャートのステップS23のようにロービームの切換えに連動して、カメラ35をオンし、図1および図5に示されるようにロービーム下におけるハイビーム領域αの画像を取得する(ロービーム領域βは除く)。続く図4のフローチャートのステップS25のように、ECU35は、カメラ35で撮像した、ハイビームに相当する輝度をもつ画像を、図5に示されるようにナビゲーション装置15に割り込ませ、ディスプレイ13の表示面に表示、例えば全画面表示で表示させる。ちなみにナビゲーション装置15は、オン状態が前提である。
すると、フロントウインド11からは、ロービームによって車両の前方近くの視界が明瞭に視認され、ディスプレイ13からは、擬似的ハイビームで得た、遠方が明瞭に見える視界が再現される。
このため運転者は、ロービームからハイビームへ変更ができない場合、ここでは対向車が通過するまでの間は、ディスプレイ13に表示されたハイビーム相当の画像を目視しさえすれば、車両前方の遠方の視界の視認ができる。
したがって、ハイビームに相当する輝度をもつ車両前方画像をディスプレイ13に表示させたので、運転者は、ロービーム走行中、ロービームからハイビームへ変更ができない状況のとき、表示された擬似的ハイビームの画像(ハイビーム相当の画像)を目視しさえすれば、車両前方の遠方の視界の視認ができ、ロービームにおける運転者の視覚不安の解消の手助けができる。それ故、車両の操縦安全性の向上が図れる。
特に、ロービームからハイビームへ変更ができない場合が起こりやすいオートライト機能には、有効である。
しかも、図3のフローチャートのステップS11〜S19のように擬似的ハイビームモードスイッチ34をオンしておけば、オートライトスイッチ23のオフのとき、手動操作、すなわちライト操作レバー端のライトスイッチ(図示しない)でライトオン、さらにライト操作用レバー19の回動操作(前後)でハイ・ロー切換えられるときでも問題はない(手動切換モード)。
すなわち、手動切換モード下で、ロービームからハイビームへの変更が難しく、ロービームが余儀なくされるような状況が生じた場合でも、上記と同様、ロービーム時には、ディスプレイ13に擬似的ハイビームの画像(ハイビーム相当の画像)が表示されるので、手動でハイ・ロービームを切換えるときでも、運転者の視覚の不安さは解消される。
なお、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、ハイビーム相当の画像は、明るいレンズF値をもつカメラを用いて得たが、これに限らず、例えば図1中のECU33に二点鎖線のように画像処理部37を設けて、通常のカメラ35で取得したハイビーム領域αの画像の輝度をハイビーム相当まで高める画像処理を行い、ディスプレイ13に表示させるようにしてもよく、ハイビーム相当の画像取得の手法には限定されるものではない。また一実施形態では、ナビベーション装置のディスプレイを用いた例を挙げたが、これに限らず、他の機器、例えばフロントウインドをディスプレイとしてウインド面に透過式でハイビーム相当の画像を表示させたり、ヘッドアップディスプレイ(HUD)に表示させたりなどしてもよく、要は既存の表示装置を用いてハイビーム相当の画像を表示させればよい。
3 ヘッドライト
13 ディスプレイ(表示部)
30 切換手段
33 ECU(表示制御部)
35 カメラ(撮像部)

Claims (3)

  1. 点灯条件によりハイビームの照射とロービームの照射のいずれかが選択される前照灯と、
    前記ハイビームが照射される領域に相当する車両前方の視界を撮像する撮像部と、
    車両前方の視界を視認させる表示部と、
    前記前照灯の照射を前記ロービームに切換える切換手段と、
    前記ロービームの切換時、前記撮像部がロービーム下で撮像した画像を前記ハイビームに相当する輝度で前記表示部に表示する表示制御部と
    を具備したことを特徴とする
    ことを特徴とする車両の前照灯制御装置。
  2. 更に、対向車を検出する対向車検出手段を備え、
    前記切換手段は、常時は前記前照灯の照射が前記ハイビームに選択され、前記対向車検出手段にて前記対向車が検出されると、前記ハイビームから前記ロービームへ切換えられる自動切換モードを有し、
    前記表示制御部は、前記対向車の検出時、前記撮像部で撮像した画像を前記ハイビームに相当する輝度で前記表示部に表示させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の前照灯制御装置。
  3. 前記切換手段は、前記ハイビームと前記ロービームとが手動操作で切換えられる手動切換モードを有し、
    前記表示制御部は、前記手動操作により前記ロービームに切換えられると、前記表示部に前記撮像部が撮像した画像を前記ハイビームに相当する輝度で表示させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両の前照灯制御装置。
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