JP2019042406A - 被検体固定装置、及び、寝台装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アタッチメント部材を用いた固定ベルトによる被検体の固定と、固定ベルトのみによる被検体の固定との双方を可能にする被検体固定装置を提供する。【解決手段】被検体が載る寝台装置の天板やマットとアタッチメント部材との間に帯状部材を配置し、固定ベルトとアタッチメント部材とが連結された状態で、固定ベルトと帯状部材とを連結する手段(面ファスナ)を設ける。この連結手段によって固定ベルトと帯状部材とが連結されている状態では、固定ベルトに係る負荷はアタッチメント部材にかかることはない。帯状部材は、アタッチメント部材と一体的に設けてもよいし、寝台側に設けてもよいし、寝台が帯状部材に相当する部材を備える場合には、それを利用することも可能である。【選択図】図2
Description
この発明は、医用画像診断装置において、被検体を乗せる寝台装置に係り、特に寝台の天板の上に被検体を固定するための装置に関する。
X線CT装置やMRI装置などの医用画像診断装置では、被検体をその長手方向(体軸方向)に沿って移動させて撮像空間に搬入するための寝台装置が備えられている。撮像時に被検体が動かないように固定するために、寝台装置には、被検体を寝台装置に固定する固定ベルトなどの固定具が備えられている。
固定ベルトは、多様な体型の被検体に対応するため、通常、寝台の両側に一端が固定された一対の固定ベルトからなり、固定ベルトの他端に面ファスナが固着され、面ファスナによる締結位置を被検体に合わせて調整できるようになっている。また寝台装置の固定ベルト固定部分に固定ベルトを摺動可能に支持するアタッチメント部材を取り付け、固定ベルトの寝台長手方向の固定位置を変更できるようにしている(例えば、特許文献1)。
医用画像寝台装置は、被検体の意識がある場合だけでなく、意識がない場合にも利用される。被検体の意識がある場合には、アタッチメント部材と固定ベルトに大きな負荷はかからないが、被検体の意識がない場合は想定以上の大きな負荷がかかる場合がある。アタッチメント部材によって固定ベルトを固定したタイプの寝台装置では、大きな負荷で固定ベルトが引っ張られた場合、アタッチメント部材が変形したり破損したりするおそれがある。そのため、被検体に意識がないなど固定具に大きな負荷がかかることが予想される場合には、アタッチメント部材とそれに嵌合する固定ベルトを寝台装置から取り外し、別途、面ファスナを取り付けた固定ベルトで固定する必要がある。このような作業は、作業性が悪く、手間と時間を要する。
そこで本発明は、アタッチメント部材とそれに嵌合する固定ベルトとの取り外し作業を不要とし、アタッチメント部材を用いた固定ベルトによる被検体の固定と、固定ベルトのみによる被検体の固定との双方を可能にする被検体固定装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の被検体固定装置は、被検体が載る寝台装置の天板やマットとアタッチメント部材との間に帯状部材を配置し、固定ベルトとアタッチメント部材とが連結された状態で、固定ベルトと帯状部材とを連結する手段(面ファスナ)を設ける。この連結手段によって固定ベルトと帯状部材とが連結されている状態では、固定ベルトに係る負荷はアタッチメント部材にかかることはない。帯状部材は、アタッチメント部材と一体的に設けてもよいし、寝台側に設けてもよいし、寝台が帯状部材に相当する部材を備える場合には、それを利用することも可能である。
すなわち、本発明の一つの態様は、医用撮像装置の寝台に設けられる被検体固定装置であり、前記寝台の長手方向に沿って前記寝台の短手方向の両側に固定されたアタッチメント部材と、長手方向の一端に、前記アタッチメント部材の端部に設けられた受け部にスライド可能に嵌合するコマ部を有し、長手方向の他端に、互いに連結する連結部を有する一対の固定ベルトと、前記アタッチメント部材より内側に、前記寝台の長手方向に沿って設けられた帯状部材と、を備える。この被検体固定装置は、前記一対の固定ベルトを連結したときに内側となる前記固定ベルトの面と、前記帯状部材の外側となる面とに、互いを着脱可能にする面ファスナが固定され、固定ベルト側の面ファスナは、前記固定ベルトが前記アタッチメント部材に係合し且つ前記帯状部材と平行となる位置では、帯状部材側の面ファスナとは対面しない位置に固定されている。
また本発明の別の態様は、基台と、前記基台の上に移動可能に固定された天板と、前記天板の上に配置されるマットと、前記天板の長手方向に沿って前記天板の短手方向の両側に固定されたアタッチメント部材と、長手方向の一端に、前記アタッチメント部材の端部に設けられた受け部にスライド可能に嵌合するコマ部を有し、長手方向の他端に、互いに連結する連結部を有する一対の固定ベルトと、前記アタッチメント部材より内側に、前記天板の長手方向に沿って設けられた帯状部材と、を備える寝台装置である。この寝台装置は、前記一対の固定ベルトを連結したときに内側となる前記固定ベルトの面と、前記帯状部材の外側となる面とに、互いを着脱可能にする面ファスナが固定され、固定ベルト側の面ファスナは、前記固定ベルトが前記アタッチメント部材に係合し且つ前記帯状部材と平行となる位置では、帯状部材側の面ファスナとは対面しない位置に固定されている。
本発明の被検体固定装置によれば、アタッチメント部材を用いた固定ベルトによる被検体の固定と、固定ベルトのみによる被検体の固定との双方が可能であり、且つ固定ベルトによる固定時にアタッチメント部材とそれに嵌合する固定ベルトとの取り外し作業が不要となる。
以下、本発明の被検体固定装置の実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明の被検体固定装置は、X線CT装置、MRI装置、PET装置など、ガントリで囲まれる撮像空間を持ち、当該撮像空間に被検体を搬入できる構造の寝台装置であれば、モダリティの種類に関わらず適用可能である。
本発明の被検体固定装置は、X線CT装置、MRI装置、PET装置など、ガントリで囲まれる撮像空間を持ち、当該撮像空間に被検体を搬入できる構造の寝台装置であれば、モダリティの種類に関わらず適用可能である。
<第一実施形態>
一例として、X線CT装置用の寝台装置に適用した実施形態を説明する。図1に示すように、この寝台装置100は、被検体(不図示)が載る天板11と、天板11を支持する基台10と、天板11の上に配置されるマット12とを備える。基台10には、例えば天板11を垂直方向に昇降する機構や、長手方向に沿って水平移動する機構や、必要に応じて天板11の短手方向に沿って移動する機構などが備えられている。なお以下の説明において、天板11の短手方向を左右方向ともいう。
一例として、X線CT装置用の寝台装置に適用した実施形態を説明する。図1に示すように、この寝台装置100は、被検体(不図示)が載る天板11と、天板11を支持する基台10と、天板11の上に配置されるマット12とを備える。基台10には、例えば天板11を垂直方向に昇降する機構や、長手方向に沿って水平移動する機構や、必要に応じて天板11の短手方向に沿って移動する機構などが備えられている。なお以下の説明において、天板11の短手方向を左右方向ともいう。
基台10の天板11を受ける部分13は、左右方向の幅が天板11の左右方向の幅よりも広く、上面に凹みが形成されており、その凹みに天板11の下部が収納されている。寝台装置100を医用画像診断装置に接続した状態で、天板11を凹みに沿って移動させることで、天板11とその上に載せられた被検体を医用画像診断装置の撮像空間に搬入することができる。
寝台装置100には、さらに、天板11上に被検体を固定するための被検体固定装置(以下、単に固定装置ともいう)が備えられている。固定装置は、天板11の左右方向の両側に、その長手方向に沿って固定されるアタッチメント部材(図1では不図示)と、アタッチメント部材の任意の位置に固定される複数対の固定ベルト20とを備える。図1では、3対の固定ベルト20を示すが、固定ベルト20の数は3対に限定されない。また図1では、固定ベルト20は、天板11より外側に展開している状態を示しているが、使用状態では、天板11に載せられた被検体の上で左右一対の固定ベルトを締結し、被検体を固定する。
アタッチメント部材30は、図2及び図3に示すように、長手方向に沿った一端に固定ベルト20の端部が嵌合する受け部31が設けられた細長い部材で、受け部31が設けられた端部と反対側の端部が、寝台装置(天板11)に着脱自在に固定される。受け部31は、上部に細い開口を持ち、内部が空隙となった断面リング形状の細長い部分で構成される。
固定ベルト20の端部には、アタッチメント部材30の受け部31に嵌合するコマ21が固定されており、このコマ21を受け部31の端部から嵌め込むことにより、固定ベルト20を受け部31内部の空隙に沿って移動(摺動)させることができる。これにより天板11の長手方向の任意の位置に固定ベルト20を位置づけることができる。アタッチメント部材30の受け部31と固定ベルト20の端部に固定されたコマ21とを併せて、嵌合部25と言う。
また、本実施形態では、一対の固定ベルト20を連結する手段として、被検体を覆うように互いの端部を重ねたときに、その向かい合う面に、互いに対となる面ファスナ50の一方(50A)と他方(50B)とがそれぞれ縫製などにより固着されている。これにより、被検体を固定ベルト20で覆った状態で、面ファスナ50を閉じることで、被検体が不用意に動かないように固定することができる。固定ベルト20どうしを連結する手段は面ファスナ50に限定されるものではないが、体型の違いに対応しやすく且つ作業性がよいという点で面ファスナ50が好適である。
なお面ファスナは、よく知らせているように、一面に細かいパイプが形成されたシート(パイプシート)と一面に多数のフックが形成されたシート(フックシート)とを貼り合わせることで、フックがパイプに食い込み一体化し(接着し)、両シートを引き離す力を加えるとフックがパイプから外れる着脱自在な部材であり、本明細書では両者を区別しないときに一つの符号で示し、パイプシート及びフックシートの一方を示す場合に、同一の符号にAまたはBを付して示す。
被検体固定装置は、さらに、固定ベルト20を被検体(或いは天板)側に曲げた状態において、アタッチメント部材30よりも内側即ち被検体側となる位置に、帯状部材23を有している。図1に示すように、固定ベルト20を被検体と反対側に開いた状態では、帯状部材23は、アタッチメント部材30の上部に位置する。帯状部材23には、アタッチメント部材30とは別な位置で固定ベルト20を固定するための固定ベルト用連結手段が備えられ、固定ベルト20側にも帯状部材23側の連結手段と連結する手段が備えられている。具体的には、帯状部材23の外側となる面(アタッチメント部材30に対向する面)に面ファスナ51Aが固着され、固定ベルトの内側となる面(被検体に対向する面)に帯状部材23側の面ファスナ51Aと対になる面ファスナ51Bが固着されている。固定ベルト20側の面ファスナ51Bは、固定ベルト20がアタッチメント部材30に係合し且つ帯状部材30と平行となる位置では、帯状部材30側の面ファスナ51Aとは対面しない位置に固定されている。
このような構成において、本実施形態の被検体固定装置は、通常の使用形態では、アタッチメント部材30と固定ベルト20とを嵌合部25により連結した状態で、固定ベルト20(図2:20L、20R)同士を連結して被検体を固定するが、大きな負荷がかかることが予想される場合等には、嵌合部25による連結状態はそのままで、アタッチメント部材30の内側にある帯状部材23と固定ベルト20とを面ファスナ51により連結する。これにより、状況に応じて、アタッチメント部材30等の取り外しなどの作業をすることなく、作業性良く被検体固定作業を行うことができる。
上述したように帯状部材23は、アタッチメント部材30とは別に固定ベルト20を固定する手段として機能するものであるが、帯状部材23は、固定ベルト20を固定する機能に加えて、それ以外の機能を有してもよく、また本来別の機能を有する部材に固定ベルト20との連結機能を追加し、帯状部材23としてもよい。
本発明によれば、通常の使用においては、寝台の両側においてアタッチメント部材に連結された固定ベルトをそのまま用いて、固定ベルトどうしを連結して被検体を固定する。この際、固定ベルトの内側の面ファスナと帯状部材外側の面ファスナとは、固定ベルトの長手方向に沿って重ならない位置にあるので、両者の接触により作業性が阻害されることはない。一方、固定ベルトに大きな負担が予想される場合は、アタッチメント部材と固定ベルトとの連結はそのままの状態で、固定ベルトの内側の面ファスナと帯状部材外側の面ファスナとで固定ベルトを帯状部材に連結し、固定ベルトにて被検体を固定する。この状態では、アタッチメント部材と固定ベルトとの嵌合部は帯状部材と固定ベルトとの連結部より外側に位置し、固定ベルトにかかる負荷がこの嵌合部にかかることはない。これにより、いずれの作業時においても操作性がよく、且つアタッチメント部材やその嵌合部を変形したり破損したりすることを防止することができる。
以下、本実施形態を基本として、帯状部材23の構成や機能が異なる実施形態を説明する。以下の実施形態において、共通する部材の名称や符号は同一のものを使用し、重複する説明は省略する。
<第二実施形態>
本実施形態は、アタッチメント部材と帯状部材とを一体的に構成した実施形態であり、帯状部材は、アタッチメント部材と固定ベルトとが連結された部分(嵌合部)が直接被検体に接触しないように、嵌合部及び被検体を保護する保護部として機能するとともに、被検体の腕などに巻き込んで、その動きを止める働きをする。
本実施形態は、アタッチメント部材と帯状部材とを一体的に構成した実施形態であり、帯状部材は、アタッチメント部材と固定ベルトとが連結された部分(嵌合部)が直接被検体に接触しないように、嵌合部及び被検体を保護する保護部として機能するとともに、被検体の腕などに巻き込んで、その動きを止める働きをする。
寝台装置の構造は第一実施形態と同様であり、以下、再度図1〜図3を参照して、本実施形態の被検体固定装置を説明する。
本実施形態の被検体固定装置は、基本的に第一実施形態の被検体固定装置と同様の構造を有し、固定ベルト20とアタッチメント部材30とを備え、固定ベルト20の端部に固定されたコマ21を、アタッチメント部材30の端部に固定された受け部31に嵌合することにより両者が連結される。このような固定ベルト20とアタッチメント部材30とは、寝台装置100の両側に一対配置され、左右の固定ベルト20(20L、20R)は、互いに対向する面に、縫製、接着剤を用いた接着等によって面ファスナ50を固着し、この面ファスナ50を結合することにより締結され、被検体を固定する。なお左右の固定ベルト20L、20Rは、一部の構成を除いて左右対称であり、特に区別しないときは固定ベルト20として説明する。
アタッチメント部材30は、弾性のある概ね断面L字形状の細長い部材で、L字の屈曲部近傍(枝分かれ部)で枝分かれして、寝台装置の天板側(以下、内側といい、その反対側を外側という)に保護部35(帯状部材)を有し、外側に、受け部31を備えたアタッチメント部33を有している。枝分かれしていない部分の内側には、寝台装置100にアタッチメント部材30を固定するための面ファスナ52Aが固着されており、寝台装置側、例えば天板11の裏面には面ファスナ52Bが固着されている。面ファスナ52の結合によりアタッチメント部材30は、寝台装置に対し連結される。
アタッチメント部33の構造は、第一実施形態で説明したアタッチメント部材30の構造と同様であり、固定ベルト20の端部に固定されたコマ21を摺動自在に支持する受け部31が端部に固定されている。
保護部35は、枝分かれ部からの長さが、アタッチメント部33の枝分かれ部からの長さより長く、アタッチメント部33の受け部31に固定ベルト20を連結したときに、被検体から見て、その嵌合部25(受け部31とそれに連結されたコマ21)を覆うように構成されている。これにより、例えば被検体の体液や血液等が嵌合部に触れないように保護する。また保護部35は、固定ベルト20と同様に可撓性のある材料からなり、図4(a)に示すように、被検体40の腕41に巻きつけることで、腕41の動きを制限し固定することができる。
さらに保護部35の外側には、図5に示すように、その長手方向に沿って、面ファスナ51Aが固着されている。一方、固定ベルト20の内側となる面には、面ファスナ51Bが固着されている。この面ファスナ51Bが固着される位置は、固定ベルト20をアタッチメント部33に連結した状態で、上方或いは被検体側に引き上げたとき、即ち固定ベルト20と帯状部材とが平行な状態で、面ファスナ51Bと面ファスナ51Aが接触することがない位置とする。また、図6に示すように、面ファスナ51Bと面ファスナ51Aを連結したときに、使用可能な固定ベルト20の長さを確保することができ且つ嵌合部25が寝台装置100からはみ出さない位置とする。なお、左右の固定ベルト20を連結するための面ファスナ50が、内側となる面に固定されている固定ベルト20(例えば図2の固定ベルト20L)については、図2に示すように、その面ファスナ50Bを延長して、延長部を面ファスナ51Bとしてもよい。
固定ベルト20及びアタッチメント部材30の材料は、特に限定されないが、X線CT装置用であれば、X線吸収係数の低いもの、MRI装置であれば非磁性体が用いられる。具体的には、嵌合部25を構成する受け部31やコマ21は、比較的剛性のある材料、具体的にはポリプロピレン等のプラスチックで構成することができる。それ以外の固定ベルト20及びアタッチメント部材30の部分は、塩化ビニル等や繊維強化プラスチックなどの可撓性のある材料を用いることができる。
本実施形態の被検体固定装置によれば、第一実施形態の被検体固定装置と同様に、固定ベルト20及びアタッチメント部33が連結された状態を保ったまま、通常の使用状態(図4(a))だけでなく、図4(b)に示すように、固定ベルト20と保護部35とを連結して、予期せぬ負荷に備えた被検体固定を行うことができる。これにより作業にかかる手間を大幅に低減できる。また保護部35によって嵌合部25が保護されているので、嵌合部25に汚れが付着するのを防止することができる。
<第三実施形態>
本実施形態は、天板にマットが設けられるとともに、マット固定用の固定バンドが設けられる寝台装置に本発明を適用した実施形態である。
本実施形態は、天板にマットが設けられるとともに、マット固定用の固定バンドが設けられる寝台装置に本発明を適用した実施形態である。
まず本実施形態の寝台装置110の構造について、図7(a)、(b)を参照して説明する。図7(a)は寝台装置110の一部を、その端面側から見た斜視図である。寝台装置110は、図1に示す寝台装置100と同様に、基台10と、天板11と、天板11の上に配置されるマット12とを備える。
マット12の長手方向に沿った両側には、ヒレ60の端部が縫製、接着等の手段で固定されている。ヒレ60は、第二実施形態の保護部35と同様に、マット12上に載せられた被検体の腕を抑えるために設けられる可撓性のある帯状の部材である。さらにマット12には、マット12の端部が天板11から持ち上がらないようにするために、マット固定バンド70が取り付けられる。マット固定バンド70は、図7(b)に詳細を示すように、シート状の部材73からなり、その一端に、マット側に固定される固定部71、他端に天板側に固定される第二固定部72を形成した構造を有する。マット12とマット固定バント70との固定及び天板11とマット固定バンド70との固定は、いずれも面ファスナで行うことができ、図示する実施形態では、第一及び第二固定部71、72に固定された面ファスナ53B、54Aと、ヒレ60の外側に固定された面ファスナ53A及び天板11の裏面に固定された面ファスナ54Bとをそれぞれ連結することで、マット固定バンド70が固定され、これによりマット12が天板11から離れないように固定される。
本実施形態の寝台装置110では、固定ベルト20を固定するためのアタッチメント部材30は、マット固定バンド70を介して、天板11の裏面に固定される。このためマット固定バンド70の第二固定部72は、面ファスナ54Aが固着された面と反対の面(外側)にアタッチメント部材30を固定するための面ファスナ52Aが固着される。一方、アタッチメント部材30は、保護部35を有していない以外は、第二実施形態のアタッチメント部材30と同様の構成を有し、一端には上述したマット固定バンド70の第二固定部72に面ファスナ52Aに固定される面ファスナ52Bが固定されており、他端には固定ベルト20のコマ21が嵌合する受け部31が設けられる。
本実施形態では、上述したヒレ60及びマット固定バンド70を、固定ベルト20を連結するための帯状部材(23)として利用する。固定ベルト20の構成は第一及び第二実施形態と同様であり、その端部にコマ21が固定されるとともに内側となる面に帯状部材23と連結するための面ファスナ51Bが固着されている。一方、ヒレ60の外側となる面には、面ファスナ51Aが固着されている。面ファスナ51Aは、マット固定バンド70の第一固定部71に取り付けられた面ファスナ53Aを兼ねることができる。即ち一枚の面ファスナの一部(下側)が第一固定部71として機能し、他の部分(上側)が固定ベルト20を固定するための手段として機能する。
本実施形態の寝台装置110においても、使用方法は第二実施形態と同様であり、固定ベルト20は、通常の使用形態では、嵌合部25によりアタッチメント部材30に連結し、左右の固定ベルト20を締結する。このとき図4(a)に示したようにヒレ60を被検体40の腕41に巻き込むように載せて腕を固定する。また固定ベルト20をアタッチメント部材30に連結した状態のまま内側の面ファスナ51Bをヒレ60の面ファスナ51Aと接着させることができ(図4(b))、嵌合部25にベルト締結時の負荷がかからない状態で固定ベルト20を締結できる。
<第四実施形態>
第三実施形態は、寝台装置のマットに設けられたヒレを、固定ベルトを固定するための帯状部材として利用する実施形態であったが、本実施形態はヒレのないマットを備えた寝台装置に適用される被検体固定装置の実施形態であり、第三実施形態のマット固定バンド70を帯状部材として利用する。
第三実施形態は、寝台装置のマットに設けられたヒレを、固定ベルトを固定するための帯状部材として利用する実施形態であったが、本実施形態はヒレのないマットを備えた寝台装置に適用される被検体固定装置の実施形態であり、第三実施形態のマット固定バンド70を帯状部材として利用する。
以下、第三実施形態と異なる点を中心に本実施形態の被検体固定装置の構造を説明する。図8に示すように、本実施形態の被検体固定装置は、固定ベルト20と、アタッチメント部材30と、マット固定バンド75とを備える。固定ベルト20及びアタッチメント部材30の構成は、第三実施形態と同じであり、重複する説明は省略する。
マット固定バンド75は、第三実施形態のマット固定バンド70と同様に、シート状の部材73の端部72に天板側に固定される固定部(第二固定部72に相当)を形成した構造(内側に面ファスナ54A、外側に面ファスナ52A)を有するが、反対側の端部71(第一固定部71に相当)は、外側となる面に固定バンド20に固定された面ファスナ51Bと対となる面ファスナ51Aが固着されている。また両端部間の長さは、第三実施形態のマット固定バンド70よりも長く、マット固定バンド75が、嵌合部25を保護する保護部(第二実施形態の保護部35)や被検体の腕を固定するヒレ(第三実施形態のヒレ60)と同様の機能を持つように構成されている。
寝台装置は、第三実施形態の寝台装置110と同様に、天板11の裏面にマット固定バンド75を固定するための面ファスナ54Bが固着されている。
本実施形態の被検体固定装置は、マット固定バンド75を面ファスナ54で、寝台装置に固定した後、アタッチメント部材30を、面ファスナ52を介してマット固定バンド75に固定する。また固定ベルト20は、コマ21をアタッチメント部材30の受け部31に嵌合させて、アタッチメント部材30に連結する。
本実施形態の被検体固定装置は、マット固定バンド75を面ファスナ54で、寝台装置に固定した後、アタッチメント部材30を、面ファスナ52を介してマット固定バンド75に固定する。また固定ベルト20は、コマ21をアタッチメント部材30の受け部31に嵌合させて、アタッチメント部材30に連結する。
使用形態は、上述した各実施形態と同様であるが、通常の使用状態では、マット固定バンド75を第三実施形態のヒレ60のように被検体の腕に巻きつけるようにして使用することができる。これにより被検体の捻転動作などがあってもマット12が天板11から外れるのが防止される。一方、アタッチメント部材30の受け部31を介さないで固定ベルト20を締結するときは、マット固定バンド75の端部の面ファスナ51Aを固定バンド20の内側の面ファスナ51Bと接合する。
本実施形態の被検体固定装置は、第二及び第三実施形態と同様の効果が得られ、且つ、被検体の血液等がマット固定バンド75に付着し汚損した場合には、アタッチメント部材30の交換の必要がなく、マット固定バンド75のみの交換で対応することができる。
<第三実施形態又は第四実施形態の変形例>
第四実施形態では、寝台装置にヒレがない場合に、マット固定バンドを改良して、固定ベルトを固定するための帯状部材として機能するとともに保護部或いはヒレとして機能する構成としたが、本実施形態は、ヒレと同等の機能を持つ部材、バンドを寝台装置に取り付け、第三実施形態と同様の機能を持たせるものである。
第四実施形態では、寝台装置にヒレがない場合に、マット固定バンドを改良して、固定ベルトを固定するための帯状部材として機能するとともに保護部或いはヒレとして機能する構成としたが、本実施形態は、ヒレと同等の機能を持つ部材、バンドを寝台装置に取り付け、第三実施形態と同様の機能を持たせるものである。
本実施形態の被検体固定装置は、基本的に第三実施形態と同様であり、図9に示すように、コマ21を備えた固定ベルト20と、コマ21の受け部31を備えたアタッチメント部材30と、マット固定バンド70とを備える。これらの構成は第三実施形態と同様である。さらに本実施形態では、寝台装置100の天板11とマット12との間に、長手方向に沿って、帯状部材であるバンド80が着脱可能に固定される。バンド80は、例えば、第三実施形態のヒレや固定ベルトと同様に可撓性のあるシート状の材料で構成することができる。バンド80の寝台装置への固定方法は、特に限定されないが、面ファスナでもよいし、機械的に嵌合する構造でもよい。例えば、天板側に設けた凸部とマット側に設けた凹部が係合するものとし、凸部が貫通する穴をバンド80に設けてもよい。
バンド80の外側となる面には、固定ベルト20に設けられた面ファスナ51Bと対になる面ファスナ51Aが固着されている。この面ファスナ51Aは、一部がマット固定バンド70の端部(第一固定部71)の面ファスナ53Bと接着する面ファスナ53Aとしても機能する(図7参照)。マット固定バンド70及びアタッチメント部材30の寝台装置への固定方法は第三実施形態と同様であり、面ファスナ52及び面ファスナ54により固定される。図9では互いに接合される関係にある面ファスナを両方向矢印で示している。
バンド80はマット固定バンド70と固定されることによって、マット12およびバンド80が天板11から剥がれるのを防止するとともに、被検体の腕を固定するヒレとしてまた嵌合部を保護する保護部として機能する。また本実施形態によれば、バンド80は寝台装置110から簡単に着脱可能であるので、第四実施形態と同様に、汚損時の交換が容易で且つバンドのみの交換で足りる。
以上、本発明をX線CT装置の寝台装置に適用した第一実施形態の被検体固定装置を中心に各実施形態を説明したが、図面に示した構造や形状は例示であって、本発明の要旨を変更しない限り、任意の変更が可能である。また一部の要素を省いたり、図示されていない要素を追加したりすることも本発明に包含される。
10・・・基台、11・・・天板、12・・・マット、20・・・固定ベルト、21・・・コマ(嵌合部)、23・・・帯状部材、30・・・アタッチメント部材、31・・・受け部(嵌合部)、33・・・アタッチメント部、35・・・保護部(帯状部材)、40・・・被検体、50〜53・・・面ファスナ(連結する手段)、60・・・ヒレ(帯状部材)、70・・・マット固定バンド(帯状部材)、80・・・バンド(帯状部材)、100(110)・・・寝台装置。
Claims (8)
- 医用撮像装置の寝台に設けられる被検体固定装置であって、
前記寝台の長手方向に沿って前記寝台の短手方向の両側に固定されたアタッチメント部材と、
長手方向の一端に、前記アタッチメント部材の端部に設けられた受け部にスライド可能に係合するコマ部を有し、長手方向の他端に、互いに連結する連結部を有する一対の固定ベルトと、
前記アタッチメント部材より被検体に近い位置に、前記寝台の長手方向に沿って設けられた帯状部材と、を備え、
前記一対の固定ベルトを連結したときに内側となる前記固定ベルトの面と、前記帯状部材の外側となる面とに、互いを着脱可能にする面ファスナが固定され、
固定ベルト側の面ファスナは、前記固定ベルトが前記アタッチメント部材に係合し且つ前記帯状部材と平行となる位置では、帯状部材側の面ファスナとは対面しない位置に固定されていることを特徴とする被検体固定装置。 - 請求項1に記載の被検体固定装置であって、
前記帯状部材と前記アタッチメント部材とは、前記寝台に固定される端部において連結されていることを特徴とする被検体固定装置。 - 請求項1に記載の被検体固定装置であって、
前記寝台は、天板と、前記天板の上面に固定されるマットと、を有し、
前記帯状部材は、前記マットの端部に固定されており、
前記マットに固定された前記帯状部材の端部を、前記天板の下面に対し固定する固定部材をさらに備えることを特徴とする被検体固定装置。 - 請求項1に記載の被検体固定装置であって、
前記寝台は、天板と、前記天板の上面に固定されるマットと、を有し、
前記帯状部材は、一端が前記天板と前記マットとの間に着脱可能に固定されており、
前記固定された前記帯状部材の端部を、前記天板の下面に対し固定する固定部材をさらに備えることを特徴とする被検体固定装置。 - 請求項3又は4に記載の被検体固定装置であって、
前記固定部材の、前記帯状部材の端部を固定する面に、前記帯状部材の面に固定された面ファスナに着脱可能な面ファスナが固定され、前記固定部材は面ファスナを介して前記帯状部材の端部に固定されることを特徴とする被検体固定装置。 - 請求項1に記載の被検体固定装置であって、
前記帯状部材は、一端が前記寝台に固定され、
前記アタッチメント部材は、前記帯状部材に対し着脱可能に固定されることを特徴とする被検体固定装置。 - 請求項6に記載の被検体固定装置であって、
前記帯状部材は、前記寝台の天板に対し、面ファスナにより着脱可能に固定されることを特徴とする被検体固定装置。 - 基台と、
前記基台の上に移動可能に固定された天板と、
前記天板の上に配置されるマットと、
前記天板の長手方向に沿って前記天板の短手方向の両側に固定されたアタッチメント部材と、
長手方向の一端に、前記アタッチメント部材の端部に設けられた受け部にスライド可能に係合するコマ部を有し、長手方向の他端に、互いに連結する連結部を有する一対の固定ベルトと、
前記アタッチメント部材より内側に、前記天板の長手方向に沿って設けられた帯状部材と、を備え、
前記一対の固定ベルトを連結したときに内側となる前記固定ベルトの面と、前記帯状部材の外側となる面とに、互いを着脱可能にする面ファスナが固定され、
固定ベルト側の面ファスナは、前記固定ベルトが前記アタッチメント部材に係合し且つ前記帯状部材と平行となる位置では、帯状部材側の面ファスナとは対面しない位置に固定されていることを特徴とする寝台装置。
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JP2017171553A Pending JP2019042406A (ja) | 2017-09-06 | 2017-09-06 | 被検体固定装置、及び、寝台装置 |
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