JP2019041737A - 画像処理装置、観察装置、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞の状態の判定精度を向上する。【解決手段】画像処理装置は、複数の細胞の集合状態に基づいて、複数の細胞が撮像された細胞画像を複数の分割画像に分割する画像分割部と、画像分割部が分割した分割画像毎に、分割画像の階調の調整を実行する画素値演算部と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、画像処理装置、観察装置、及びプログラムに関するものである。
細胞が撮像された画像を用い、細胞を評価する技術が知られている(特許文献1参照)。細胞を評価する技術は、例えば、再生医療などの先端医療分野や医薬品のスクリーニングを含む幅広い分野で用いられている。細胞が撮像された画像を用いた細胞の評価において、評価不良を抑制することが望まれている。
本発明の一態様は、複数の細胞の集合状態に基づいて、当該複数の細胞が撮像された細胞画像を複数の分割画像に分割する画像分割部と、画像分割部が分割した分割画像毎に、分割画像の階調の調整を実行する画素値演算部と、を備える画像処理装置である。
本発明の一態様は、培養中の複数の細胞を撮像して細胞画像を生成する撮像部と、上述の画像処理装置とを備える観察装置である。
本発明の一態様は、コンピュータに、複数の細胞の集合状態に基づいて、複数の細胞が撮像された細胞画像を複数の分割画像に分割する画像分割ステップと、画像分割ステップにおいて分割された分割画像毎に、分割画像の階調の調整を実行する画素値演算ステップと、を実行させるためのプログラムである。
[実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。初めに、図1を参照して、本発明の実施形態による観察装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態の観察装置1の構成の概要を示す模式図である。観察装置1は、画像処理装置10と、表示部20と、位相差顕微鏡装置30とを備える。なお、観察装置1は、観察対象である被検体Sを拡大する装置でなくても構わない。また、観察装置1は位相差顕微鏡に限られず、例えば、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、倒立顕微鏡、正立顕微鏡、微分干渉顕微鏡(Differential Interference Contrast microscope;DIC)、蛍光顕微鏡、共焦点顕微鏡、超解像顕微鏡、二光子励起蛍光顕微鏡、ライトシート顕微鏡、ライトフィールド顕微鏡でも構わない。また、顕微鏡として、複数の機能を有していても構わない。例えば、蛍光観察と共焦点観察とが可能な機能を有していても構わない。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。初めに、図1を参照して、本発明の実施形態による観察装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態の観察装置1の構成の概要を示す模式図である。観察装置1は、画像処理装置10と、表示部20と、位相差顕微鏡装置30とを備える。なお、観察装置1は、観察対象である被検体Sを拡大する装置でなくても構わない。また、観察装置1は位相差顕微鏡に限られず、例えば、明視野顕微鏡、暗視野顕微鏡、倒立顕微鏡、正立顕微鏡、微分干渉顕微鏡(Differential Interference Contrast microscope;DIC)、蛍光顕微鏡、共焦点顕微鏡、超解像顕微鏡、二光子励起蛍光顕微鏡、ライトシート顕微鏡、ライトフィールド顕微鏡でも構わない。また、顕微鏡として、複数の機能を有していても構わない。例えば、蛍光観察と共焦点観察とが可能な機能を有していても構わない。
[位相差顕微鏡装置の構成]
位相差顕微鏡装置30は、観察対象である被検体Sに照明光Lを照射し、この被検体Sからの透過光Lpの位相差を明暗差に変換することによって得られた被検体Sの拡大像を得る。この位相差顕微鏡装置30の具体的な構成について説明する。
位相差顕微鏡装置30は、観察対象である被検体Sに照明光Lを照射し、この被検体Sからの透過光Lpの位相差を明暗差に変換することによって得られた被検体Sの拡大像を得る。この位相差顕微鏡装置30の具体的な構成について説明する。
位相差顕微鏡装置30は、照明光Lを出射する光源31と、光源31からの照明光Lを被検体Sに照射する照明光学系32と、被検体Sからの透過光Lpを結像する結像光学系33と、結像光学系33により結像された透過光Lpを受光し電気信号に変換して被検体Sの画像を生成する固体撮像素子34とを備えている。
照明光学系32と結像光学系33との間には、ステージ36が配置されている。
ステージ36は、被検体Sが載置される載置面36aを有している。また、ステージ36は、その面内において互いに直交する2つの方向(図1中に示すX軸方向及びY軸方向)に移動操作される。これにより、被検体Sの観察位置を任意に変更することが可能となっている。さらに、ステージ36は、高さ方向(図1中に示すZ軸方向)に移動操作される構成であってもよい。
ステージ36は、被検体Sが載置される載置面36aを有している。また、ステージ36は、その面内において互いに直交する2つの方向(図1中に示すX軸方向及びY軸方向)に移動操作される。これにより、被検体Sの観察位置を任意に変更することが可能となっている。さらに、ステージ36は、高さ方向(図1中に示すZ軸方向)に移動操作される構成であってもよい。
なお、以下において、光源31から出射された照明光Lの光軸(光束の中心軸)をZ軸方向とし、このZ軸と直交する面内において互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向として説明する。なお、光源31から出射された照明光Lを、図1の破線によって模式的に示す。
光源31は、例えば白色光などの可視光又はその近傍の波長域の光を照明光Lとして照射する。光源31には、反射鏡等を利用して自然光や白色蛍光灯、白色電球などの外部光源からの光を照明光Lとして用いることができる。また、光源31には、ハロゲンランプやタングステンランプなどの内部光源からの光を照明光Lとして用いることができる。
また、光源31には、発光ダイオード(LED)等を用いてもよい。この場合、光源31は、例えば赤、青、緑の各波長の光を発するLEDの組み合わせにより構成することができる。また、これら波長の異なるLEDの点灯及び消灯を制御することによって、光源31が発する照明光の波長を可変に制御できるため、このようなLEDを光源31に用いた場合は、波長フィルタなどの波長変換部材を省略することが可能である。
照明光学系32には、光源31側から順に、第1のコンデンサレンズ37と、第1の空間光変調素子38と、第2のコンデンサレンズ39とが配置されている。これらのうち、第1のコンデンサレンズ37、及び第2のコンデンサレンズ39は、光源31から出射された照明光Lをステージ36上の被検体Sに集光させる。
第1の空間光変調素子38は、結像光学系33の瞳位置に対して共役となる位置に配置されている。第1の空間光変調素子38は、被検体Sに照射される照明光Lの光強度分布を可変に調整するもの(絞り)であり、この絞りの開口(照明光Lを通過させる領域)38aの形状や大きさ等を自由に変化させることが可能である。
結像光学系33は、上記ステージ36側から順に、対物レンズ40と、第2の空間光変調素子41とが配置されている。
対物レンズ40は、被検体Sからの透過光Lpを固体撮像素子34の受光面上に結像させる。
第2の空間光変調素子41は、結像光学系33の瞳位置又はその近傍に配置されている。また、第1の空間光変調素子38と第2の空間光変調素子41とは、互いに共役な位置に配置されている。
第2の空間光変調素子41は、被検体Sからの透過光Lpに付加する位相の空間分布を可変に調整するものであり、透過光Lpに付加する位相を0°又は±90°に調整する。
具体的に、この第2の空間光変調素子41は、被検体Sからの透過光Lpのうち、被検体Sを通過した直接光(0次光)を4分の1波長(±90°)だけ位相がずれた状態で透過させる位相変調領域41aと、この位相変調領域41aの周囲に被検体Sで回折した回折光をそのままの位相(0°)で透過させる回折光透過領域41bとを有している。
具体的に、この第2の空間光変調素子41は、被検体Sからの透過光Lpのうち、被検体Sを通過した直接光(0次光)を4分の1波長(±90°)だけ位相がずれた状態で透過させる位相変調領域41aと、この位相変調領域41aの周囲に被検体Sで回折した回折光をそのままの位相(0°)で透過させる回折光透過領域41bとを有している。
第2の空間光変調素子41は、この回折光透過領域41bに対して位相変調領域41aの形状や大きさ等を自由に変化させることが可能である。また、このような第2の空間光変調素子41としては、例えば液晶パネル(液晶素子)などを用いることができる。
さらに、第2の空間光変調素子41は、上述した位相の空間分布と共に、被検体Sからの透過光Lpを透過させる透過率の空間分布を可変に調整する機能を有することが好ましい。一般に、第2の空間光変調素子41を通過する透過光Lpのうち、位相変調領域41aを透過する直接光は、回折光透過領域41bを透過する回折光に比べて光強度が強いため、NDフィルタ等を用いて光強度を弱める調整を行う。
なお、このようなNDフィルタについては、例えば特表2010−507119号公報に開示されているような透過率の空間分布を可変に調整できる光学素子などを用いることができる。また、上記第2の空間光変調素子41には、このような光学素子等を付加したものを用いることができる。
固体撮像素子34は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどの受光波長の異なる受光素子を複数有するものからなり、上述した結像光学系33により結像された透過光Lpを受光し電気信号(画像信号)に変換して、細胞画像PCLとして画像処理装置10に出力する。ここで、細胞画像PCLとは、複数の細胞が撮像された画像である。
以上のような構造を有する位相差顕微鏡装置30では、光源31から出射された照明光Lが第1のコンデンサレンズ37を通過することによって、平行な照明光Lに変換された後、この平行な照明光Lが第1の空間光変調素子38に入射することになる。そして、この第1の空間光変調素子38の開口38aを通過した照明光Lが第2のコンデンサレンズ39を通過することによって、平行な照明光Lに変換された後、この平行な照明光Lがステージ36の載置面36a上に載置された被検体Sに照射される。
そして、被検体Sからの透過光Lpが対物レンズ40を通過した後、第2の空間光変調素子41に入射する。このとき、被検体Sからの透過光Lpのうち、位相変調領域41aを透過した直接光が、4分の1波長だけ位相がずれた状態で、NDフィルタで減光された後、固体撮像素子34の受光面上に結像される。一方、回折光透過領域41bを透過した回折光がそのままの位相(0°)で、固体撮像素子34の受光面上に結像される。位相差顕微鏡では、これら直進光と回折光との干渉によって、位相の変化を光の明暗として観察することが可能である。
[判定対象の細胞について]
ここで、位相差顕微鏡装置30の被検体S、すなわち観察装置1の判定対象の細胞の具体例について説明する。
細胞の状態を評価する技術は、医療分野や医薬品のスクリーニングを含む幅広い分野で用いられている。細胞の状態としては、細胞の培養状態が含まれている。例えば、再生医療分野では、in vitroで細胞を増殖、分化させるプロセスが存在する。そして、そのプロセスでは、細胞の分化の成否、細胞の癌化や感染の有無を管理するために、細胞の培養状態を的確に評価することが求められている。その細胞の培養状態を評価する一例として、細胞が撮像された画像を画像処理することによって、細胞の培養状態を判定することが可能である。細胞の培養状態を判定することは、例えば、米国公開公報2010/0208052号に開示されている。
例えば、細胞を培養すると、細胞の密度が増すことにより、細胞同士が重層化することがある。また、色素細胞の場合には、個々の細胞において細胞由来の色素が発現することがある。本実施形態の一例において、被検体Sとは、色素細胞である。この一例の場合、色素細胞は、メラニンなどの色素によって黒色化する。また、この色素細胞は、培養状態によっては重層化する場合がある。ここで、細胞同士の重層化の有無や、細胞由来の色素の発現の有無を判定することにより、細胞の培養状態を判定することができる場合がある。しかしながら、色素細胞を撮像した画像の階調値を用い、色素細胞を評価する場合に、色素細胞の状態が黒色化した色素細胞と重層化した色素細胞とで異なるものの、黒色化した色素細胞と重層化した色素細胞とを区別することが困難な場合であった。例えば、細胞同士が重層化した場合と、細胞由来の色素が発現した場合とで、これらの細胞を撮像した画像の明るさが、いずれも低下してしまうことがある。そのため、色素細胞が、黒色化した状態又は重層化した状態かを判定不良を抑制することが望ましい。また、色素細胞が、黒色化した状態または重層化した状態かの判定精度を向上することができることが望ましい。色素細胞が、黒色化した状態又は重層化した状態かを判定することにより、色素細胞を評価することが可能となる。培養した色素細胞である場合には、色素細胞の評価から、培養状態を判定することが可能となる。色素細胞が、黒色化した状態又は重層化した状態のいずれの状態であるかの判定精度を向上させることにより、色素細胞の培養状態判定精度を向上させることができる。以下、色素細胞が、黒色化又は重層化のいずれの状態であるかの判定精度を向上させるための、画像処理装置10の構成について図2を参照して説明する。
ここで、位相差顕微鏡装置30の被検体S、すなわち観察装置1の判定対象の細胞の具体例について説明する。
細胞の状態を評価する技術は、医療分野や医薬品のスクリーニングを含む幅広い分野で用いられている。細胞の状態としては、細胞の培養状態が含まれている。例えば、再生医療分野では、in vitroで細胞を増殖、分化させるプロセスが存在する。そして、そのプロセスでは、細胞の分化の成否、細胞の癌化や感染の有無を管理するために、細胞の培養状態を的確に評価することが求められている。その細胞の培養状態を評価する一例として、細胞が撮像された画像を画像処理することによって、細胞の培養状態を判定することが可能である。細胞の培養状態を判定することは、例えば、米国公開公報2010/0208052号に開示されている。
例えば、細胞を培養すると、細胞の密度が増すことにより、細胞同士が重層化することがある。また、色素細胞の場合には、個々の細胞において細胞由来の色素が発現することがある。本実施形態の一例において、被検体Sとは、色素細胞である。この一例の場合、色素細胞は、メラニンなどの色素によって黒色化する。また、この色素細胞は、培養状態によっては重層化する場合がある。ここで、細胞同士の重層化の有無や、細胞由来の色素の発現の有無を判定することにより、細胞の培養状態を判定することができる場合がある。しかしながら、色素細胞を撮像した画像の階調値を用い、色素細胞を評価する場合に、色素細胞の状態が黒色化した色素細胞と重層化した色素細胞とで異なるものの、黒色化した色素細胞と重層化した色素細胞とを区別することが困難な場合であった。例えば、細胞同士が重層化した場合と、細胞由来の色素が発現した場合とで、これらの細胞を撮像した画像の明るさが、いずれも低下してしまうことがある。そのため、色素細胞が、黒色化した状態又は重層化した状態かを判定不良を抑制することが望ましい。また、色素細胞が、黒色化した状態または重層化した状態かの判定精度を向上することができることが望ましい。色素細胞が、黒色化した状態又は重層化した状態かを判定することにより、色素細胞を評価することが可能となる。培養した色素細胞である場合には、色素細胞の評価から、培養状態を判定することが可能となる。色素細胞が、黒色化した状態又は重層化した状態のいずれの状態であるかの判定精度を向上させることにより、色素細胞の培養状態判定精度を向上させることができる。以下、色素細胞が、黒色化又は重層化のいずれの状態であるかの判定精度を向上させるための、画像処理装置10の構成について図2を参照して説明する。
なお、被検体Sとして、色素細胞を挙げたがこれに限られない。例えば、神経細胞、血液細胞、心筋細胞がある。
なお、色素細胞の状態として、黒色化した色素細胞と、重層化した色素細胞とを評価したが、評価する色素細胞の状態はこれに限られない。例えば、重層化した色素細胞の重層の程度を評価しても構わない。勿論、評価する色素細胞の状態の種類は2種類よりも多くても構わない。
なお、細胞の状態の評価として、色素細胞を例にし、色素細胞の色情報の変化と、色素細胞の構造的な変化として重層化を評価することとしたが、細胞の状態の評価としてはこれに限られない。例えば、組織内の癌細胞の浸潤度合などの細胞の疾患状態の評価として構わない。
なお、本実施形態では色素細胞の黒色化した色素細胞と、重層化した色素細胞とを評価することで、培養された色素細胞の培養状態もしくは成熟状態を判断したが、これに限られない。組織内の色素細胞が、黒色化した色素細胞か、重層化した色素細胞かを評価することで、例えば組織の良否状態を判断しても構わない。
なお、色素細胞の状態として、黒色化した色素細胞と、重層化した色素細胞とを評価したが、評価する色素細胞の状態はこれに限られない。例えば、重層化した色素細胞の重層の程度を評価しても構わない。勿論、評価する色素細胞の状態の種類は2種類よりも多くても構わない。
なお、細胞の状態の評価として、色素細胞を例にし、色素細胞の色情報の変化と、色素細胞の構造的な変化として重層化を評価することとしたが、細胞の状態の評価としてはこれに限られない。例えば、組織内の癌細胞の浸潤度合などの細胞の疾患状態の評価として構わない。
なお、本実施形態では色素細胞の黒色化した色素細胞と、重層化した色素細胞とを評価することで、培養された色素細胞の培養状態もしくは成熟状態を判断したが、これに限られない。組織内の色素細胞が、黒色化した色素細胞か、重層化した色素細胞かを評価することで、例えば組織の良否状態を判断しても構わない。
[判定装置の構成]
図2は、本実施形態の画像処理装置10の機能構成を示すブロック図である。画像処理装置10は、制御部11と、記憶部12とを備えている。
記憶部12には、細胞画像PCLの画像処理に用いられる画像処理プログラムと、位相差顕微鏡装置30の制御プログラムとが予め記憶されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を備えており、記憶部12に記憶されている制御プログラムに従って、位相差顕微鏡装置30の各部を駆動する。この制御部11による位相差顕微鏡装置30の制御の具体的な内容については、既知であるため、その説明を省略する。
図2は、本実施形態の画像処理装置10の機能構成を示すブロック図である。画像処理装置10は、制御部11と、記憶部12とを備えている。
記憶部12には、細胞画像PCLの画像処理に用いられる画像処理プログラムと、位相差顕微鏡装置30の制御プログラムとが予め記憶されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を備えており、記憶部12に記憶されている制御プログラムに従って、位相差顕微鏡装置30の各部を駆動する。この制御部11による位相差顕微鏡装置30の制御の具体的な内容については、既知であるため、その説明を省略する。
制御部11は、画像分割部111と、画素値演算部112と、分割サイズ算出部113とを、その機能部として備えている。
画像分割部111は、位相差顕微鏡装置30によって撮像された細胞画像PCLを取得する。この細胞画像PCLの一例について、図3を参照して説明する。
画像分割部111は、位相差顕微鏡装置30によって撮像された細胞画像PCLを取得する。この細胞画像PCLの一例について、図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態の細胞画像PCLの一例を示す図である。この細胞画像PCLには、領域AR1と、領域AR2とが含まれている。ここで、領域AR1とは、色素細胞が黒色化している領域である。また、領域AR2とは、色素細胞が重層化している領域である。なお、以下の説明において、各画像内の位置を示す場合には、軸Px及び軸Pyを用いた座標によって示す。
図2に戻り、画像分割部111は、取得した細胞画像PCLを、複数の分割画像PDに分割する。この分割画像PDの一例について、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態の分割画像PDの一例を示す図である。この一例において、画像分割部111は、細胞画像PCLを、軸Px方向に9分割し、軸Py方向に7分割する。具体的には、画像分割部111は、軸Py方向の1行目について、細胞画像PCLを、分割画像PD11〜分割画像PD19に分割する。また、画像分割部111は、軸Px方向の1列目について、細胞画像PCLを、分割画像PD11〜分割画像PD71に分割する。すなわち、この一例において、画像分割部111は、細胞画像PCLを正方格子状に分割する。なお、この分割画像PDの形状は一例であって、分割画像PDは、正方形でなくてもよく、更に、矩形でなくてもよい。
これら分割画像PDのうち、軸Px方向に8列目、軸Py方向に3行目の分割画像PD38について着目する。この分割画像PD38は、軸Px方向の幅XPD、軸Py方向の高さYPDの大きさを有する。なお、この一例においては、分割画像PD38以外の各分割画像PDについても、分割画像PD38と同一の大きさを有するとして説明するが、これに限られない。分割画像PDは、分割画像PD毎に、他の分割画像PDとは相違する大きさを有していてもよい。また、分割画像PDを、他の分割画像PDと相違させる場合には、細胞画像に基づいて大きさを変えても構わない。例えば、画像のうち細胞が撮像されている領域のみを分割することで、他の分割画像PDとの大きさを変えても構わない。
図5は、本実施形態の細胞画像PCLの一部を拡大した場合の一例を示す図である。この細胞画像PCLには、複数の細胞の画像が含まれている。具体的には、細胞画像PCLには、細胞CL11〜細胞CL13、細胞CL21〜細胞CL23、細胞CL31〜細胞CL33の各画像が含まれている。これら9個の細胞は、培養された結果、隣接する細胞どうしが接触するまで密集している。ここで、細胞CL11、細胞CL12、細胞CL21及び細胞CL22の4個の細胞に囲まれた領域GP1が生じる。また、細胞CL12、細胞CL13、細胞CL22及び細胞CL23の4個の細胞に囲まれた領域GP2が生じる。以下において、領域GP1及び領域GP2を区別しない場合には、領域GPと総称して説明する。
領域GPとは、細胞どうしの間隙を示す領域である。領域GP1は、細胞CL11、細胞CL12、細胞CL21及び細胞CL22の集合状態が密になるほど、その大きさ(例えば、面積)が小さくなる。また、領域GP1は、細胞CL11、細胞CL12、細胞CL21及び細胞CL22の集合状態が疎なるほど、その大きさが大きくなる。領域GP2についても、領域GP1と同様に、細胞の集合状態が変化すると、その大きさが変化する。つまり、細胞どうしの間隙の状態は、細胞の集合状態に依存している。
領域GPの大きさは、一例として、領域GPの外接枠の大きさや、領域GPの内接枠の大きさなどによって示すことができる。図5に示す一例において、領域GP1の大きさは、細胞画像PCL内の外接枠WD1によって示される。具体的には、領域GP1の大きさは、外接枠WD1の幅XWD1及び高さYWD1によって示される。また、領域GP2の大きさは、細胞画像PCL内の内接枠WD2によって示される。具体的には、領域GP2の大きさは、内接枠WD2の幅XWD2及び高さYWD2によって示される。
図2に戻り、分割サイズ算出部113は、細胞画像PCLに基づいて、分割画像PDの大きさを算出する。この分割サイズ算出部113による分割画像PDの大きさの算出について、図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態の分割画像PDの大きさの一例を示す図である。分割画像PDの大きさは、領域GPの大きさに基づいて定められる。この一例の場合、分割画像PDの大きさは、幅XPD、高さYPDである。ここで、分割画像PDの大きさは、領域GPの外接枠WD1及び内接枠WD2のいずれの大きさよりも大きい。具体的には、分割画像PDの幅XPDは、外接枠WD1の幅XWD1及び内接枠WD2の幅XWD2のいずれよりも大きい。また、分割画像PDの高さYPDは、外接枠WD1の高さYWD1及び内接枠WD2の高さYWD2のいずれよりも大きい。なお、分割画像PDの大きさは、内接枠WD2よりも大きければよい。例えば、分割画像PDの大きさは、内接枠WD2よりも大きければ、外接枠WD1よりも小さくてもよい。
分割サイズ算出部113は、細胞画像PCLを取得し、取得した細胞画像PCLの中から、領域GPを抽出する。具体的には、分割サイズ算出部113は、細胞画像PCLに対して、2値化やフィルタリングなどの既知の画像処理を施すことにより、領域GPを抽出する。より具体的には、分割サイズ算出部113は、取得した細胞画像PCLのうち、細胞の画像と、細胞以外の画像(例えば、領域GP)とをそれぞれ抽出する。また、分割サイズ算出部113は、抽出した細胞の画像に囲まれる細胞以外の画像の大きさを算出する。この面積は、上述した領域GPの外接枠の大きさであってもよく、領域GPの内接枠の大きさであってもよい。分割サイズ算出部113は、算出した領域GPの大きさに基づいて、分割画像PDの大きさを算出する。換言すれば、分割画像PDの大きさは、細胞の集合状態に基づいて定められている。また、分割サイズ算出部113は、算出した領域GPの大きさよりも、分割画像PDの大きさを大きくして、分割画像PDの大きさを算出する。つまり、分割画像PDの大きさは、細胞どうしの間隙の大きさよりも大きくして定められている。
分割画像PDの大きさが、領域GPの大きさ、すなわち細胞どうしの間隙の大きさよりも大きいことは、分割画像PDには、いずれかの細胞の画像が含まれることを意味している。換言すれば、分割画像PDの大きさが、領域GPの大きさよりも大きいことは、分割画像PDには、いずれの細胞の画像も含まれずに細胞どうしの間隙のみが含まれる、ということが無いことを意味している。
すなわち、画像分割部111は、複数の細胞の集合状態に基づいて、当該複数の細胞が撮像された細胞画像PCLを複数の分割画像PDに分割する。具体的には、画像分割部111は、分割サイズ算出部113が算出した分割画像PDの大きさPSZに基づいて、細胞画像PCLを複数の分割画像PDに分割する。
なお、この一例では、分割サイズ算出部113が、分割画像PDの大きさを算出する場合について説明したがこれに限られない。分割画像PDの大きさは、細胞画像PCLに撮像されている細胞の種類などに応じて、予め定められていてもよい。また、分割画像PDの大きさを示す情報が、記憶部12に予め記憶されていてもよい。分割画像PDの大きさを示す情報が、予め定められている場合には、分割サイズ算出部113は、省略可能である。
図2に戻り、画像分割部111は、分割したそれぞれの分割画像PDを、画素値演算部112に出力する。
画素値演算部112は、画像分割部111が分割した分割画像PD毎に、分割画像PDの画素値を演算する。ここで、画素値を演算することには、画素値の階調の調整を実行することが含まれる。この分割画像PDの画素値とは、分割画像PDに含まれる各画素の画素値の代表値である。この代表値には、分割画像PDに含まれる各画素の画素値の平均値、最大値、最小値、最頻値などが含まれる。また、ここでいう画素値には、画素の輝度、画素の明るさ、明度、彩度、RGB値、コントラストなどが含まれる。
本実施形態では、画像を256の階調で表すことができる。階調とは画素の色もしくは明るさの変化の段階である。すなわち、本実施形態では、画素の色もしくは明るさを256段階で表現することができる。本実施形態では、撮像素子は光の三原色のRGBそれぞれを256段階で表現することができる。本実施形態では、RGBの三色をそれぞれ256段階で表現できるので、合計256×256×256色となり、約1678万色を表現することができる。なお、階調は256段階に限られず、16階調でも構わない。
画素値演算部112が行う、画素値の階調の調整には、例えば、階調を調整する対象画像の画素の輝度の変化を256段階で表現することが含まれる。この場合に、対象画像のうち、最も輝度値の大きい画素と、最も輝度値の小さい画素との間の輝度値を256段階で表現する。256段階で表現する場合には、最も輝度値の大きい値と、最も輝度の小さい値との間の輝度を256段階で分割し、輝度の変化を表現する。256段階で分割する場合には一定の輝度の変化毎に段階を変更する。もちろん、輝度の値に応じて変更する段階を調整しても構わない。例えば、輝度の値の範囲が所定範囲内である場合に、1段階で表現する輝度の値の範囲を変更しても構わない。
画素値演算部112は、画像分割部111が分割した分割画像PD毎に、分割画像PDの画素値を演算する。ここで、画素値を演算することには、画素値の階調の調整を実行することが含まれる。この分割画像PDの画素値とは、分割画像PDに含まれる各画素の画素値の代表値である。この代表値には、分割画像PDに含まれる各画素の画素値の平均値、最大値、最小値、最頻値などが含まれる。また、ここでいう画素値には、画素の輝度、画素の明るさ、明度、彩度、RGB値、コントラストなどが含まれる。
本実施形態では、画像を256の階調で表すことができる。階調とは画素の色もしくは明るさの変化の段階である。すなわち、本実施形態では、画素の色もしくは明るさを256段階で表現することができる。本実施形態では、撮像素子は光の三原色のRGBそれぞれを256段階で表現することができる。本実施形態では、RGBの三色をそれぞれ256段階で表現できるので、合計256×256×256色となり、約1678万色を表現することができる。なお、階調は256段階に限られず、16階調でも構わない。
画素値演算部112が行う、画素値の階調の調整には、例えば、階調を調整する対象画像の画素の輝度の変化を256段階で表現することが含まれる。この場合に、対象画像のうち、最も輝度値の大きい画素と、最も輝度値の小さい画素との間の輝度値を256段階で表現する。256段階で表現する場合には、最も輝度値の大きい値と、最も輝度の小さい値との間の輝度を256段階で分割し、輝度の変化を表現する。256段階で分割する場合には一定の輝度の変化毎に段階を変更する。もちろん、輝度の値に応じて変更する段階を調整しても構わない。例えば、輝度の値の範囲が所定範囲内である場合に、1段階で表現する輝度の値の範囲を変更しても構わない。
つぎに、画素値演算部112による画素値の演算の一例を示す。画素値演算部112は、例えば、RGBもしくは明るさの階調を調整することができる。この一例では、画素値演算部112は、トーンカーブによる演算を行う。トーンカーブは、例えば、特開2014−204391号、特開2016−86270号、特開2016−233338号、特開2015−120092号に記載されている。具体的には、画素値演算部112は、分割画像PDに含まれる各画素の輝度値の平均値Yavgを算出する。
また、画素値演算部112は、算出した平均値Yavgを次の式(1)に代入することにより、式(1)に示す各パラメータを算出する。
また、画素値演算部112は、算出した平均値Yavgを次の式(1)に代入することにより、式(1)に示す各パラメータを算出する。
次に、画素値演算部112は、算出した各パラメータと、分割画像PDに含まれる画素毎のRGB値rxとを次の式(2)に代入することにより、演算後のRGB値Rxを算出する。
なお、画素値演算部112は、算出したRGB値Rxを更に補正してもよい。例えば、画素値演算部112が、分割画像PD毎にトーンカーブによる演算を行うと、隣接する分割画像PD間において、RGB値Rxに急激な変化が生じる場合がある。この場合、画素値演算部112は、隣接する分割画像PD間のRGB値Rxの変化に基づいて、RGB値Rxを補正する。このようにしてRGB値Rxの補正を行うことにより、画素値演算部112は、RGB値Rxに急激な変化が生じることを低減することができる。より具体的な一例について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、本実施形態の画素値演算部112による画素値の補正対象の分割画像PDの一例を示す図である。画素値演算部112は、隣接する分割画像PD間において、画素値の変化を低減させる画像処理を行う。具体的には、画素値演算部112は、分割画像PDAと分割画像PDBとの間において、RGB値Rxの補正を行う。この一例において、分割画像PDAは、領域A1、領域A2、領域A3及び領域A4の4つの補正対象領域に分割されている。
図8は、本実施形態の画素値の補正対象の分割画像PDの一部を拡大した場合の一例を示す図である。この一例において、分割画像PDAのうち領域A1は、軸Px方向に8分割され、軸Py方向に8分割されている。画素値演算部112は、式(3)に基づいて、補正後の輝度値の平均値Yavgを算出する。
なお、この一例の場合、式(3)において、補正対象領域とは、分割画像PDAのうち領域A1であり、参照する領域とは、分割画像PDBである。また、Px方向の領域の分割数及びPy方向の領域の分割数は、いずれも8である。このようにして画素値演算部112が画素値を補正することにより、隣接する分割画像PD間において、画素値に急激な変化が生じることを低減することができる。
本実施形態においては、分割画像PDの輝度値の平均値を用いていたが、これに限られない。分割画像PDの画素の輝度値の中央値でも構わない。また、画素値は輝度に限られず、RGB値でも構わない。勿論、画素値の複数の値を用いても構わない。
本実施形態においては、分割画像PDの輝度値の平均値を用いていたが、これに限られない。分割画像PDの画素の輝度値の中央値でも構わない。また、画素値は輝度に限られず、RGB値でも構わない。勿論、画素値の複数の値を用いても構わない。
図2に戻り、画素値演算部112は演算結果である結果画像PRを生成し、生成した結果画像PRを、表示部20に出力する。表示部20は、結果画像PRを表示する。この結果画像PRの一例について、図9を参照して説明する。
図9は、本実施形態の画素値演算部112が出力する結果画像PRの一例を示す図である。この結果画像PRには、図3に示す細胞画像PCLに含まれる領域AR1に対応する領域AR10と、図3に示す細胞画像PCLに含まれる領域AR2に対応する領域AR20とが含まれる。上述したように、画素値演算部112は、分割画像PDの画素値を演算して階調を調整することにより、結果画像PRを生成する。つまり、画素値演算部112は、領域AR1の各分割画像PDの画素値を、領域AR10の各分割画像PDの画素値に変換する。画素値演算部112は、領域AR2の各分割画像PDの画素値を、領域AR20の各分割画像PDの画素値に変換する。
ここで、結果画像PRは、画素値演算部112によってトーンカーブなどを用いたコントラスト強調処理が施されている。つまり、画素値演算部112は、細胞画像PCLにおいて淡い画像領域がより淡く、濃い画像領域がより濃くなるように演算して、結果画像PRを生成する。すなわち、画素値演算部112がトーンカーブなどを用いて、画素値を補正することにより、画像の階調の見え方が補正される。結果画像PRは、画素値演算部112により、画像の階調値を調整した画像である。したがって、調整前の画像の所定の画素の輝度の階調値と、調整後の画像の所定の画素の輝度の階調値とが異なる。もちろん、画素値演算部112はすべての画素の階調値を、調整前と調整後とで変えなくても構わない。調整対象の画像のうち、一部の画素のみが調整前と調整後とで画素の階調値が変わっても構わない。
細胞画像PCLにおいて、色素細胞が黒色化している領域は、重層化している領域に比べて、濃い画像領域である場合がある。この場合には、画素値演算部112によってコントラスト強調処理が施されることにより、色素細胞が黒色化している領域がより濃く、重層化している領域がより淡くなるようにして画素値が変換された結果画像PRが生成される。したがって、色素細胞の黒色化している領域を表す階調値が、細胞画像PCLと結果画像PRとで異なる。また、色素細胞の重層化している領域を表す階調値が、細胞画像PCLと結果画像PRとで異なる。この場合に、細胞画像PCLにおける黒色化している領域の階調値と重層化している領域の階調値の差と、結果画像PRにおける黒色化している領域の階調値と重層化している領域の階調値の差とが異なる。細胞画像PCLにおける黒色化している領域の階調値と重層化している領域の階調値との差は、結果画像PRにおける黒色化している領域の階調値と重層化している領域の階調値との差よりも小さい。したがって、画像を用い、色素細胞の黒色化している領域と色素細胞の重層化している領域との画像上で領域の判別をする場合に、結果画像PRを用いたほうが細胞画像PCLよりも容易に判別することができる。
[画像処理装置10の動作]
次に、画像処理装置10の動作の流れについて図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態の画像処理装置10の動作の一例を示す図である。画像分割部111は、位相差顕微鏡装置30から、細胞画像PCLを取得する(ステップS10)。次に、画像分割部111は、ステップS10において取得した細胞画像PCLのうち、細胞がパッキングされている領域を抽出する(ステップS20)。ここで、細胞がパッキングされている領域とは、細胞画像PCLのうち、複数の細胞が密集している領域である。つまり、細胞がパッキングされている領域とは、細胞画像PCLのうち、細胞の集合状態が密である領域である。
なお、本実施形態では、細胞画像PCLのうち、細胞の集合状態が密である領域を抽出しているが、手法はこれに限られない。例えば、細胞画像PCLのうち、細胞の集合状態が疎である領域を抽出し、それ以外の領域が細胞の集合状態が疎であると推定し、領域を指定しても構わない。
次に、画像処理装置10の動作の流れについて図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態の画像処理装置10の動作の一例を示す図である。画像分割部111は、位相差顕微鏡装置30から、細胞画像PCLを取得する(ステップS10)。次に、画像分割部111は、ステップS10において取得した細胞画像PCLのうち、細胞がパッキングされている領域を抽出する(ステップS20)。ここで、細胞がパッキングされている領域とは、細胞画像PCLのうち、複数の細胞が密集している領域である。つまり、細胞がパッキングされている領域とは、細胞画像PCLのうち、細胞の集合状態が密である領域である。
なお、本実施形態では、細胞画像PCLのうち、細胞の集合状態が密である領域を抽出しているが、手法はこれに限られない。例えば、細胞画像PCLのうち、細胞の集合状態が疎である領域を抽出し、それ以外の領域が細胞の集合状態が疎であると推定し、領域を指定しても構わない。
次に、分割サイズ算出部113は、細胞画像PCLを取得し、取得した細胞画像PCLに基づいて、分割画像PDの大きさを算出する(ステップS30)。この一例では、分割サイズ算出部113は、分割画像PDの大きさを、細胞どうしの間隙の大きさよりも大きくして算出する。
なお、分割サイズ算出部113は、細胞画像PCLのうち、ステップS20において抽出されたパッキングされている領域の画像に基づいて、分割画像PDの大きさを算出してもよい。このように構成することにより、分割サイズ算出部113は、分割画像PDの大きさを、細胞の密度が高い領域の画像に基づいて算出することができる。つまり、分割サイズ算出部113は、細胞の密度が低い領域の画像の影響を低減して、分割画像PDの大きさを算出することができる。一例として、分割サイズ算出部113は、細胞密度の高い領域と細胞密度の低い領域とを含む細胞画像PCLから、細胞密度の高い領域の分割画像を算出することができる。したがって、画像処理装置10によると、色素細胞の黒色化や重層化が、細胞の密度が高い領域において生じている場合には、色素細胞が黒色化又は重層化のいずれの状態であるかを精度よく判定することができる。
次に、画像分割部111は、ステップS30において算出された分割画像PDの大きさに基づいて、細胞画像PCLを分割画像PDに分割する(ステップS40)。
次に、画素値演算部112は、ステップS40において分割された分割画像PD毎に、分割画像PDの画素値を算出(ステップS50)することにより、結果画像PRを生成し、処理を終了する。
本実施形態においては、細胞密度の高い領域と細胞密度の低い領域とを含む細胞画像PCLから、分割画像を作成した。分割画像は、細胞の集合状態に基づいて分割されるので、細胞密度の高い領域の分割画像を作成することが可能である。分割画像において、細胞密度の高い領域の分割画像の階調値を調整する。この場合に、細胞密度の低い領域を含まないので、細胞密度の高い領域のみの画素の情報に基づいて、画像の階調値を調整することが可能である。したがって、細胞密度の高い領域に着目して、階調値の調整を実行することができたので、細胞密度の高い領域を示す画素値の階調を調整することができるので、細胞密度の高い領域に含まれる細胞の構造を明らかとすることができた。なお、細胞密度の低い領域の分割画像においても同様に、細胞密度の低い領域のみの画素の情報に基づいて、画像の階調値の調整を実行することができるので、細胞密度の低い領域に含まれる細胞の構造を明らかとすることができた。さらに、本実施形態においては、分割画像内で階調の調整を行い、隣接する分割画像PD間において、画素値の階調の変化を低減させる画像処理を行った。隣接する分割画像間で、画素値の階調の急激な変化が抑制された複数の分割画像から構成される画像を作成することができる。これにより、評価対象の画像に、異なる細胞密度領域がある場合でも、細胞の密度状態に応じた階調の調整を行い、その行った分割画像を統合するので、細胞の構造を明らかとすることが可能である。
次に、画素値演算部112は、ステップS40において分割された分割画像PD毎に、分割画像PDの画素値を算出(ステップS50)することにより、結果画像PRを生成し、処理を終了する。
本実施形態においては、細胞密度の高い領域と細胞密度の低い領域とを含む細胞画像PCLから、分割画像を作成した。分割画像は、細胞の集合状態に基づいて分割されるので、細胞密度の高い領域の分割画像を作成することが可能である。分割画像において、細胞密度の高い領域の分割画像の階調値を調整する。この場合に、細胞密度の低い領域を含まないので、細胞密度の高い領域のみの画素の情報に基づいて、画像の階調値を調整することが可能である。したがって、細胞密度の高い領域に着目して、階調値の調整を実行することができたので、細胞密度の高い領域を示す画素値の階調を調整することができるので、細胞密度の高い領域に含まれる細胞の構造を明らかとすることができた。なお、細胞密度の低い領域の分割画像においても同様に、細胞密度の低い領域のみの画素の情報に基づいて、画像の階調値の調整を実行することができるので、細胞密度の低い領域に含まれる細胞の構造を明らかとすることができた。さらに、本実施形態においては、分割画像内で階調の調整を行い、隣接する分割画像PD間において、画素値の階調の変化を低減させる画像処理を行った。隣接する分割画像間で、画素値の階調の急激な変化が抑制された複数の分割画像から構成される画像を作成することができる。これにより、評価対象の画像に、異なる細胞密度領域がある場合でも、細胞の密度状態に応じた階調の調整を行い、その行った分割画像を統合するので、細胞の構造を明らかとすることが可能である。
以上説明したように、画像処理装置10は、画像分割部111と画素値演算部112とを備えている。この画像分割部111は、複数の細胞の集合状態に基づいて、細胞画像PCLを複数の分割画像PDに分割する。また、画素値演算部112は、画像分割部111が分割した分割画像PD毎に画素値を演算して、結果画像PRを生成する。したがって、画像処理装置10によれば、分割画像PDの画素値の演算を、複数の細胞の集合状態に基づいて行うことができるため、隣接する細胞の相対的な位置関係に応じて分割画像PDの画素値の演算を行うことができる。このように構成することにより、画像処理装置10は、細胞の培養状態の判定精度を向上可能な画像を提供することができる。すなわち、画像処理装置10によれば、細胞の状態の判定精度を向上することができる。例えば、観察対象の細胞が培養されている場合には、細胞の培養状態の判定精度を向上することができる。
また、画像処理装置10は、画像分割部111が、細胞どうしの間隙の状態に基づいて、細胞画像PCLを複数の分割画像PDに分割する。このように構成することにより、画像処理装置10は、細胞の内部の画像と、細胞の外部の画像とを区別して、画素値を演算することができる。したがって、画像処理装置10によれば、細胞画像PCLに撮像されている画像が、細胞の内部の画像であるか、細胞の外部の画像であるかの判定を容易にすることができる。
また、画像処理装置10において、分割画像PDの大きさが、細胞どうしの間隙の大きさよりも大きくして定められている。このように構成することにより、画像処理装置10は、細胞以外の画像のみが分割画像PDに含まれることを低減することができる。したがって、画像処理装置10によれば、分割画像PDには細胞の画像が含まれるため、細胞の画像の特徴をより多く捉えた結果画像PRを生成することができる。したがって、画像処理装置10は、細胞の培養状態の判定精度を向上可能な画像を提供することができる。すなわち、画像処理装置10によれば、細胞の培養状態の判定精度を向上することができる。
また、画像処理装置10は、分割サイズ算出部113を備えている。この分割サイズ算出部113は、細胞画像PCLに基づいて、分割画像PDの大きさを算出する。この分割サイズ算出部113を備えることにより、画像処理装置10は、細胞画像PCLに撮像されている細胞の種類が予め特定されていなくても、分割画像PDの大きさを細胞の集合状態に応じて定めることができる。
なお、本発明の実施形態における観察装置1又は画像処理装置10の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上述した種々の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
1…観察装置、10…画像処理装置、111…画像分割部、112…画素値演算部、113…分割サイズ算出部、20…表示部、30…位相差顕微鏡装置
Claims (10)
- 複数の細胞の集合状態に基づいて、当該複数の細胞が撮像された細胞画像を複数の分割画像に分割する画像分割部と、
前記画像分割部が分割した前記分割画像毎に、前記分割画像の階調の調整を実行する画素値演算部と、
を備える画像処理装置。 - 前記細胞の集合状態には、細胞どうしの間隙の状態が含まれ、
前記画像分割部は、
前記細胞どうしの間隙の状態に基づいて、前記細胞画像を複数の前記分割画像に分割する
請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記分割画像の大きさが前記細胞の集合状態に基づいて定められている
を備える請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。 - 前記細胞の集合状態には、細胞どうしの間隙の大きさが含まれ、
前記分割画像の大きさは、前記細胞どうしの間隙の大きさよりも大きくして定められている
請求項3に記載の画像処理装置。 - 前記細胞画像に基づいて、前記分割画像の大きさを算出する算出部
を備える請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記分割画像の階調の調整は、前記分割画像の色調を調整する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記分割画像の階調の調整は、前記分割画像のコントラストを調整する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記分割画像の階調の調整は、トーンカーブを用いて調整する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 培養中の複数の細胞を撮像して前記細胞画像を生成する撮像部と、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置と
を備える観察装置。 - コンピュータに、
複数の細胞の集合状態に基づいて、当該複数の細胞が撮像された細胞画像を複数の分割画像に分割する画像分割ステップと、
前記画像分割ステップにおいて分割された前記分割画像毎に、前記分割画像の階調の調整を実行する画素値演算ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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