JP2019041204A - 基準画像データ生成方法、印刷物の検査方法、及び基準画像データ生成システム - Google Patents

基準画像データ生成方法、印刷物の検査方法、及び基準画像データ生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】多面印刷物をカメラで撮影することで得られる多面画像データとの比較基準となる基準画像データであって、多面画像データ中の画像の変形に対応した基準画像データを生成する、基準画像データ生成システムを提供する。【解決手段】単面画像が多面付けされた多面付印刷物を撮影することで得られる多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する基準画像データ生成方法において、前記多面付印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置にて、前記単面画像が印刷された基準印刷物を撮影して複数の単面画像データを取得する単面撮影工程と、前記単面撮影工程で得られた複数の前記単面画像データを合成して、前記基準画像データを生成する合成工程とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する基準画像データ生成方法、及び基準画像データ生成システム、並びにこの基準画像データ生成方法で生成された基準画像データを用いた印刷物の検査方法に関するものである。
カラー印刷物では、通常、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインキを用いて、このCMYKの4色の混色によって様々な色を表現する手法が用いられている。CMYKの4色を所定の割合で混色することで、各色の割合に応じた所望の色を表現することができる。各色の割合の調整方法は印刷方式によって様々であるが、例えば、オフセット印刷機では、各色に対応するインキキーの開度を調整して、インキの供給量を増減させることで行うことができる。印刷機で印刷した印刷物の絵柄と色見本の絵柄とを、目視で色調を比較(色評価)して、色調の相違が抑えられるように各色に対応する位置におけるインキキーの開度を調整することが従来行われていた。
従来の目視による色評価は官能評価であるため、比較を行う者の技量や経験等に依存し、個人差の影響を受けていた。そこで、印刷機で印刷した印刷物と色見本とについて、分光光度計を用いて色調を例えばL*a*b*値や、CMYK値等により数値化して、この数値化された色調を基にした色評価が行われている。この場合、印刷物と色見本とにそれぞれ、カラーチャートの一種であるコントロールストリップを印刷しておき、このコントロールストリップの色調を数値化することが行われている。
上述した分光光度計を用いた色評価は、限られた範囲の色調をスポット的に測色するに留まっており、印刷された絵柄面を評価するものではなかった。また、複数箇所の色調の評価を行おうとした場合にはチェックに時間を要していた。そこで、絵柄面の一定の範囲の色調を測定する面測色によって、印刷物と色見本との比較をすることができる測色システムの開発が進められている。
特許文献1では、カメラによって印刷物及び色見本を撮影することで、これらの画像を含む画像データ入力し、各画像データそれぞれの特定領域内を画素郡単位で測色して、一定範囲の平均的な色差を算出する面測色を行っている。特許文献1に記載の技術によれば、印刷物を撮影して得られる画像データと色見本を撮影して得られる画像データとの面測色によって、印刷物の色を面で比較することができる。
国際公開第2012/077729号
印刷物には、一枚の印刷用紙に単面絵柄を複数配置して印刷した、多面付け絵柄の印刷物(多面印刷物)が知られている。特許文献1に記載の技術は、単面絵柄の印刷物と単面絵柄の色見本との比較、又は多面絵柄の印刷物と多面絵柄の色見本との比較に用いることができる。しかしながら、特許文献1に記載技術は、多面絵柄の印刷物と単面絵柄の色見本との比較には対応していなかった。多面印刷物と単面絵柄の色見本とを面測色により比較する場合には、例えば、多面印刷物と単面絵柄の色見本とをそれぞれカメラによって撮影して、撮影により得られる各画像データの画像の比較を行うことが考えられる。ここで、印刷物の撮影により得られる画像データの画像には、カメラによる撮影を経ることで変形が生じることがある。特に、多面印刷物を撮影した場合には、外周部に含まれる各絵柄の変形が大きくなる傾向にある。このため、多面印刷物を撮影した場合に得られる画像データの画像と、単面絵柄の色見本を単品で撮影した場合に得られる画像データの画像とでは、絵柄の形状が異なってしまう。このように、多面印刷物をカメラによって撮影して面測色を行う場合において、多面印刷物の画像データと単面絵柄の色見本の画像データとの比較が困難となることが課題となっていた。
本件は、多面印刷物をカメラで撮影することで得られる多面画像データとの比較基準となる基準画像データであって、多面画像データ中の画像の変形に対応した基準画像データを生成する、基準画像データ生成システムを提供することを目的の一つとする。
すなわち、ここでは、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
[1]単面画像が多面付けされた多面付印刷物を撮影することで得られる多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する基準画像データ生成方法において、前記多面付印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置にて、前記単面画像が印刷された基準印刷物を撮影して複数の単面画像データを取得する単面撮影工程と、前記単面撮影工程で得られた複数の前記単面画像データを合成して、前記基準画像データを生成する合成工程とを有することを特徴とする、基準画像データ生成方法。
[2]前記単面画像が所望の位置に配置された見本印刷物を検査台に設置して、前記検査台に設置した前記見本印刷物を撮影する見本撮影工程と、前記検査台に配置された前記基準印刷物を撮影して、前記基準印刷物を撮影した画像と、前記見本撮影工程で撮影した前記見本印刷物の画像とを重畳表示する表示工程と、前記表示工程で表示される前記基準印刷物の前記単面画像と、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像との位置が一致するように、前記基準印刷物を配置する配置工程とをさらに備え、前記単面撮影工程において、前記配置工程で配置された前記基準印刷物を撮影し、前記合成工程において、前記単面撮影工程で撮影された前記基準印刷物の複数の前記単面画像を、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で含む画像についての前記基準画像データを生成する、[1]に記載の基準画像データ生成方法。
[3][1]又は[2]に記載の基準画像データ生成方法で生成された前記基準画像データの画像と、前記多面画像データの画像との色情報値を比較することを特徴とする、印刷物の検査方法。
[4]前記基準画像データの画像と前記多面画像データの画像とを、それぞれ複数の領域に分割する分割工程と、前記分割工程で分割された画像を、任意の色空間の色情報値に変換する変換工程と、前記基準画像データの画像と前記多面画像データの画像とについて、前記分割工程で分割された同じ領域の画像の色情報値を比較する比較工程とを有する、[3]に記載の印刷物の検査方法。
[5]単面画像が多面付けされた多面付印刷物を撮影することで得られる多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する基準画像データ生成システムにおいて、前記多面付印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置において、前記単面画像が印刷された基準印刷物を撮影して複数の単面画像データを取得する撮像装置と、前記撮像装置で得られた複数の前記単面画像データを合成して、前記基準画像データを生成する合成部とを有することを特徴とする、基準画像データ生成システム。
[6]前記撮像装置で撮影される対象物を設置する検査台と、前記撮像装置で撮影された画像を表示する表示装置とをさらに備え、前記撮像装置が、前記検査台に配置された前記基準印刷物と、前記検査台に設置された、前記単面画像が所望の位置に配置された見本印刷物とをそれぞれ撮影し、前記表示装置が、前記基準印刷物を撮影した画像と、前記見本印刷物を撮影した画像とを重畳表示し、前記撮像装置が、前記表示装置で表示される、前記基準印刷物の前記単面画像と、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像との位置が一致する配置関係で配置された前記基準印刷物を撮影し、前記合成部が、前記撮像装置で撮影された前記基準印刷物の複数の前記単面画像を、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で含む画像についての前記基準画像データを生成する、[5]に記載の基準画像データ生成システム。
本件によれば、単面絵柄の色見本から、多面画像データ中の画像の変形に対応した基準画像データを生成することができる。
実施形態に係る測色装置を模式的に示す斜視図である。 実施形態に係る測色装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。 実施形態に係る測色装置の機能構成の例を示すブロック図である。 実施形態に係る照明装置の配置を模式的に示す側面図である。 実施形態に係る測色装置を用いた校正処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る測色装置を用いた測色処理の手順を示すフローチャートである。 実施形態に係る生成システムの機能構成の例を示すブロック図である。 実施形態に係る生成システムを用いた生成処理の手順を示すフローチャートである。 生成処理で用いられる印刷物の例を示す図であり、(a)は基準印刷物を示し、(b)は多面付印刷物を示している。 生成処理で用いられる画像データの画像を模式的に示す図であり、(a)は左上の位置に配置された基準印刷物を撮影した画像と見本印刷物を撮影した画像とを示し、(b)は右上の位置に配置された基準印刷物を撮影した画像と見本印刷物を撮影した画像とを示し、(c)は左下の位置に配置された基準印刷物を撮影した画像と見本印刷物を撮影した画像とを示し、(d)は右上の位置に配置された基準印刷物部を撮影した画像と見本印刷物を撮影した画像とを示している。 生成処理で得られる基準画像データの画像の例を示す図である。 実施形態に係る生成システムを用いた検査処理の手順を示すフローチャートである。 参考例において色情報値を得た位置を模式的に示す平面図である。
本件を実施するための形態を説明する。下記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。この実施形態の各構成は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
まず、測定対象物を測色する測色装置、及びこの測色装置を用いた測色方法について説明する。次に、単面画像データから、多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する基準画像生成システム、及びこの基準画像生成システムを用いた基準画像データ生成方法についてについて説明する。
本実施形態では、検査台の平面に対して照明装置が設けられる方向を横方向とする。また、検査台の平面に対して上記の横方向と直交する方向を縦方向とする。また、重力の作用方向を下方とし、その反対方向を上方とする。本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の数値又は物性値を含むものとして用いることとする。例えば「1〜100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものであり、「1以上100以下」を表す。他の数値範囲の表記も同様である。
[I.測色装置、照明装置]
本実施形態に係る測色装置は、測定対象物を撮影して測色を行う。測定対象物としては、例えば、印刷物、及びこの印刷物の色見本が挙げられる。また、測定対象物としては、モノクロ、グレースケール、及びカラーいずれの印刷物及び印刷見本も用いることができる。印刷物及び印刷見本の材質は特に限定されず、例えば、紙、合成紙、樹脂フィルム、布、不織布や、これらにアルミ等の金属箔を蒸着又は貼り合せを行ったメタル紙及びメタルフィルム等を用いることができる。印刷物及び印刷見本の印刷方式も特に限定されず、例えば、有版方式、ドットインパクト方式、電子写真方式、インクジェット方式、静電写真方式、熱転写方式、感熱方式等を用いることができる。有版方式としては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等が挙げられる。また、測色装置は、白色補正をするための白色板の撮影も行う。
印刷物、色見本、及び白色板の寸法及び形状は特に限定されず、任意の寸法又は形状のものも用いることができるが、例えば、JIS P 0138に規定されるA列(A0〜A10)、B列(B0〜B10);B0ノビ(1118mm×1580mm);菊半サイズ(菊全判、菊半裁、菊4切、菊8切、菊16切);四六判(四六全判、四六半裁、四六4切、四六8切、四六16切);ISO 216に規定されるAシリーズ(A0〜A10)、Bシリーズ(B0〜B10);ISO269に規定されるCシリーズ(C0〜C10);ISO 217に規定されるRAシリーズ(RA〜RA4)、SRAシリーズ(SRA0〜SRA4);等に対応することができる。印刷物、色見本、及び白色板は、通常、上記寸法範囲内の物が用いられる。また、白色板としては、直径が数cm〜数十cm程度のサイズの円形や、1辺が数cm〜数十cm程度のサイズの四角形の形状を有する、市販の白色板を用いることができる。
[I−1.構成]
本実施形態に係る測定装置の構成について、図1〜4を参照して説明する。
[I−1−1.ハードウェア構成]
図1に示すように、測色装置100は、検査台30、照明装置40、及び撮像装置51を少なくとも備えている。測定対象物を検査台30に設置して、照明装置40によって検査台30に設置された白色板を照射した状態で、撮像装置51によって白色板を撮影することができる。その際に、測色装置100では、白色板を撮影して取得された画像データの画像に含まれる中央部の領域におけるL*a*b*表色系のL*値を、その白色板を用いて白色補正することで100とした場合に、画像データの画像に含まれる周辺部の領域におけるL*値が95以上である。
図2に示すように、測色装置100は、撮像装置51と接続される処理装置61、並びに、処理装置61と接続される表示装置52、及びキーボード、マウス等の入力装置(図示略)をさらに備えている。処理装置61は、例えば、撮像装置51で得られた画像データを処理するためのコンピュータによって構成されている。処理装置61は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)70、メモリ80、及び入出力インターフェース(図示略)を備え、これらがデータを転送するための経路であるバス(図示略)によって接続されている。処理装置61は、入出力インターフェースを介して、撮像装置51、表示装置52、及び入力装置と接続されている。
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーティングシステムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーティングシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを備えている。
以下、各部の構成を説明する。
<検査台>
図1に示すように、測色装置100は、底面板11と、底面板11の端部から垂直方向に延在して、底面板11の対向する横方向の二辺に設けられる一対の側面板12a,12bと、底面板11の端部から垂直方向に延在して、一対の側面板12a,12bの間に設けられる背面板13とを備えている。この底面板11の中央部が、測定対象物を設置する検査台30となる。測色装置100は、側面板12a,12b、及び背面板13の上部に、上面板14をさらに備えている。また、側面板12a,12bのそれぞれの端部の間であって、背面板13と対向する位置に、遮光カーテン(図示略)をさらに備えている。底面板11、側面板12a,12b、背面板13、上面板14、及び遮光カーテンは、検査台30の周囲を覆うことで、外部からの不要な光の入射を防いでいる。また、底面板11、側面板12a,12b、背面板13、上面板14、及び遮光カーテンは、検査台30が位置するそれぞれの内面部側が黒色をしており、光の反射を防いでいる。遮光カーテンは、開閉可能に設けられており、開いた状態で検査台30への測定対象物の設置を行い、閉じた状態で測定対象物の撮影を行うことができるようになっている。
検査台30は、測定対象物を設置する部位である。測定対象物としては、上述した寸法範囲内の印刷物及び色見本が用いられることから、通常、検査台30のサイズ及び形状は、測定対象物の寸法よりも大きく、対向する2組の辺を持つ矩形状に形成される。図1では、撮像装置51による撮影範囲となる検査部31を二点鎖線で囲うことで示している。この検査部31内に測定対象物が納まるように、検査台30は検査部31よりも大きい矩形状の形状を有している。なお、検査部31の大きさは、撮像装置51の取り付け高さ、及び撮像装置51の撮影倍率を調整することで、変更することができる。
検査部31の外周の3辺の位置にあわせて、底面板11上に位置あわせ板32a〜32cが設けられている。位置あわせ板32a〜32cは、それぞれその一辺が検査部31の外周の3辺と略一致するように設けられている。言い換えれば、位置あわせ板32a〜32cは、撮像装置51による撮影範囲の下側と左右それぞれとの限界の位置に設けられている。これにより、位置あわせ板32a〜32cの一つ又は二つに対して、測定対象物の1辺または2辺を接するようにして検査台30に設置することで、測定対象物を検査部31内に収める位置に設置することができる。
後述する照明装置40は、照射部43の長辺が検査部31の対向する2組の辺の一方の組の辺に沿うような位置関係で設けられている。そこで、検査部31の対向する2組の辺のうち、照明装置40に挟まれて照射部43の長辺と沿う、一方の組である縦方向の辺について、この長さをL22で表す。また、検査部31の他方の組である横方向の辺について、この長さをL21で表す。本実施形態では、検査台30及び検査部31の横方向の辺の長さL21よりも縦方向の辺の長さL22の方が短く、照明装置40が、検査部31の縦方向の短辺の組の両側に設けられている場合を例に挙げて説明する。なお、照明装置40は、検査部31の短辺と長辺いずれの組の辺に沿うように設けられていてもよい。測定対象物の取り扱い性及び撮影の作業性が向上する観点からは、照明装置40が検査部31の短辺の組の両側に設けられることが好ましい。または、照明装置40から検査台30に照射される光の均一をより高める観点からは、照明装置40を検査部31長辺の組の両側に設けられることが好ましい。
一方の側面板12aには、その左右端部の垂直方向に、支柱22a,22bが設けられている。支柱22a,22bには、取り付け板24aが、支柱22a,22bに対して上下方向に摺動可能、且つ任意の位置で固定可能に取り付けられている。そして、取り付け板24aには、固定板45aを介して、照明装置40aの筐体42aが固定されている。
同様に、他方の側面板12bには、支柱22c,22dが設けられるとともに、支柱22c,22dに取り付け板24bが取り付けられている。そして、取り付け板24bには、固定板45bを介して、照明装置40bの筐体42bが固定されている。
以降、照明装置40a,40b、及び筐体42a,42b、並びに固定板45a,45bの各部の構成について、特に区別しない場合には、照明装置40、筐体42、及び固定板45等のように符号を付して称する。
背面板13には、その中央部の垂直方向に支柱21が設けられている。支柱21には、取付板23が、支柱21に対して上下方向に摺動可能、且つ任意の位置で固定可能に取り付けられている。そして、取付板23には、表示装置52が固定されている。
上面板14には、撮像装置51が取り付けられている。撮像装置51は、検査台30及び検査部31との位置調整、並びにレンズの調整を行った後は、通常、上面板14に固定された状態で取り付けられる。撮像装置51は、上面部14の下側にレンズ及びレンズフードが位置して、レンズの鏡筒が上面部14を貫通するとともに、撮像素子を格納する本体が上面板14の上側に取り付けられている。
<照明装置>
照明装置40は、光源41から発せられる光を検査台30に照射する。照明装置40は、一面が開口した直方体形状の筐体42を有している。筐体42は、その内部に、光源41を有している。照明装置40は、筐体42の開口に、光源41から光が出射される照射部43を有している。照射部43は、対向する2組の辺を持つ略矩形状の形状を有している。照明装置40a,40bは、検査台30及び検査部31を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ設けられる。また、照明装置40は、照射部43の長辺が検査部31の対向する2組の辺の一方の組の辺に沿うように設けられている。本実施形態では、照明装置40は、照射部43の長辺が検査部31の縦方向の短辺の両側にそれぞれに沿うように設けられている。照射部43は、短辺の長さをL11で表し、長辺の長さをL12で表す。
照明装置40に用いられる光源41としては、例えば、蛍光灯、水銀灯、白熱電球、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等が挙げられる。これらの中でも、均一性が高く且つ大面積の配光を実現する観点から、蛍光灯が好ましい。中でも、光源41は、印刷物及び色見本の色を正しく評価するためには無彩色であることが好ましく、例えば印刷の色見台等に用いられる、高演色且つ色温度が約5000Kの昼白色蛍光灯が望ましい。光源41の演色性は、JIS Z 8726:1990に規定される平均演色評価数(Ra)で表すことができる。光源41のRaは、好ましくは90以上、より好ましくは95以上、さらに好ましくは99以上である。蛍光灯の径方向の配光の均一性を高める観点から、複数本の蛍光灯を平行配置して用いることが好ましい。本実施形態では、光源41として、5本の蛍光灯を平行配置して用いている。また、筐体42の内部には、照射部43から見て光源41の奥側に反射板(図示略)が設けられている。光源41から照射部43とは反対方向に出射された光は、反射板によって反射して、照射部43から出射される。
照明装置40は、照射部43に複数の板状部材(羽板)が平行に配置されたルーバー44を有している。ルーバー44によって、光源41から発せられた光が、複数の板状部材の間を通過して検査台30に照射される。ルーバー44としては、例えば、板状部材が平行に配置されたものや、平行に配置された板状部材を交差させるように組み合わせられることで格子状に配置されたものを用いることができる。照明装置40がルーバー44を有することで、照射部43から照射される光に直進性を持たせることができる。
照射部43の短辺の長さL11に対する長辺の長さL12の比は、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下であり、下限は特に限定されないが、通常1より大きい。照射部43の短辺の長さL11に対する長辺の長さL12の比が上記上限を上回ると、照射部43が細長い矩形状の形状を有することで、特性が線光源に近づくことになる。したがって、短辺方向に発せられる光量が不足して、照射部43から検査台30に向けた方向の光量の均一性が低下して、色ムラが発生しやすくなる傾向にある。一方、照射部43の短辺の長さL11に対する長辺の長さL12の比が上記範囲内にあると、長辺の長さL12に対して短辺の長さL11が比較的に長くなり、照射部43がより正方形に近い形状を有することで、特性が面光源に近づくことになる。したがって、短辺方向に発せられる光量が増加して、照射部43から検査台30に向けた方向の光量の均一性が向上して、色ムラが抑制される傾向にある。
照射部43の短辺の長さL11に対する検査部31の対向する2組のうち照射部43の長辺と沿う一方の組の辺とは他方の組の辺の長さ、言い換えれば、検査部31の長辺の長さL21の比は、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下であり、下限は特に限定されないが、通常1より大きい。照射部43の長さL11に対する検査部31の長さL21の比が上記上限を上回ると、照射部43の検査部31に対する照射方向と同じ向きとなる、照射部43の長さL11に対して、検査部31の他方の長さL21が比較的に長くなる。したがって、照射部43から検査部31の照射方向に対して、照射部43からの照射光によって検査部31の全体をカバーすることが困難になり、照射部43から検査台30に向けた方向の光量の均一性が低下して、色ムラが発生しやすくなる傾向にある。一方、照射部43の長さL11に対する検査部31の長さL21の比が上記範囲内にあると、照射部43の長さL11に対して、検査部31の長さL21が比較的に短くなる。したがって、照射部43からの照射光によって検査部31の全体をカバーしやすくなり、照射部43から検査台30に向けた方向の光量の均一性が向上して、色ムラが抑制される傾向にある。
照明装置40の配置について説明する。図4に示すように、照明装置40は、その側面の中心位置46を中心にして、底面板11及び検査台30に対する照射角度αを変更できるよう回転可能、且つ任意の角度で固定可能に、固定板45に取り付けられている。照明装置40の検査台30に対する照射角度αとは、照明装置40から光の照射方向と、検査台30の平面とのなす角度をいう。照明装置40からの光の照射方向とは、照明装置40から出射される光の強さの分布を表す配向特性において、光が最も強くなる方向をいう。本実施形態のように、照射部43にルーバー44が設けられて直進性が高められた光が発せられる場合には、照射部43から垂直な方向が照明装置40の照射方向となる。
照明装置40は、検査台30に対する照射角度αが、通常5度より大きく、好ましくは10度以上、より好ましくは15度以上、さらに好ましくは20度以上であり、通常60度より小さく、好ましくは45度以下、より好ましくは40度以下、さらに好ましくは35以下、特に好ましくは30度以下、最も好ましくは28度以下である。照射角度αが、上記下限を上回ることで、測定対象物のわずかなたわみや凹凸といった表面の形状に起因して、照明装置40によって測定対象物上に明暗が生じたり、影が生じたりすることを防ぎやすい傾向にある。また、照明装置40の検査台30に対する照射角度αが、上記上限を下回ることで、照明装置40から照射された光の正反射成分が撮像装置51によって検出されることで生じる、照明の映り込みを防ぎやすい傾向にある。
照明装置40の配置は、照明装置40の検査台30からの高さL31によっても表すことができる。また、照明装置40の検査台30の中心位置33からの距離L41によって表すことができる。照明装置40の検査台30からの高さL31とは、照明装置40の中心位置46から検査台30までの鉛直方向の長さをいう。また、照明装置40の検査台30の中心位置33からの距離L41とは、照明装置40の中心位置46と検査台30の中心位置33との間の水平方向の長さをいう。
照明装置40の検査台30からの高さL31は、照明装置40の検査台30に対する照射角度α、及び検査部31の大きさに応じて、検査部31に均一に光が照射される位置に照明装置40が配置されるように適宜変更することができる。このため、照明装置40の検査台30からの高さL31は、特に限定されないが、例えば、照射角度αが約20度であって、検査部31の対向する一組の辺の長さL21が1075mm、もう一組の対向する辺の長さL22が900mmの場合には、通常250以上であり、通常750mm以下である。
また、照明装置40の検査台30の中心位置33からの距離L41は、照明装置40の検査台30に対する照射角度α、検査部31の大きさ、及び照明装置40の検査台30からの高さL31に応じて、検査部31に均一に光が照射される位置に照明装置40が配置されるように適宜変更することができる。このため、照明装置40の検査台30の中心位置33からの距離L41は、特に限定されないが、例えば、照射角度αが約20度であって、検査部31の対向する一組の辺の長さL21が1075mm、もう一組の対向する辺の長さL22が900mmの場合には、通常600mm以上であり、通常1600mm以下である。
<撮像装置>
撮像装置51は、検査台30の上方に設けられて、検査台30に設置された測定対象物を撮影して画像データを取得する。撮像装置51は、取得した画像データを処理装置61に出力する。撮像装置51は、例えば、撮像素子としてCCD(Charge-Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)を用いたイメージセンサを有するビデオカメラである。撮像装置51は、画像データの画像解析により測色を行うため、複数色の画像信号を含むカラー画像を撮像する。
<表示装置>
表示装置52としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Light-Emitting Diode Display)等のディスプレイが用いられる。
<CPU>
CPU70は、種々の制御や演算を行なう処理装置であり、メモリ80に格納された後述する本件のプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実現する。そして、CPU70が、これらのプログラムを実行することにより、図3で示すように、処理部170の各機能手段としてそれぞれ機能する。なお、処理部170における処理機能の実現手段はプログラムに限定されず、処理装置61に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。例えば、処理部170を、ROM,RAM,CPU等を内蔵したワンチップマイコンとして構成してもよいし、あるいは、デジタル回路やアナログ回路といった電子回路として形成してもよい。
<メモリ>
メモリ80は、種々のデータやプログラムを格納するデータ記憶装置である。メモリ80は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリや、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、またはHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Device)等によって実現される。
[I−1−2.機能構成]
図3に示すように、測色装置100を機能的に表すと、撮像部151、表示部152、及び処理装置61を備えて構成される。処理装置61は、処理部170、及び記憶部180を備える。
以下、各部の構成を説明する。
<撮像部>
撮像部151は、撮像装置51である。撮像部151は、イメージセンサから出力される各種の信号値を有する画像信号を含む画像データを生成することができる。撮像部151で生成された画像データは、処理装置61に出力される。
本実施形態では、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の画像信号を出力する場合を例に挙げて説明する。この場合、撮像装置51は、R、G、Bの各色成分に対応して配列される多数の受光素子を有する。また、撮像装置51は、R、G、Bの各色を通過又は反射することで分光する、カラーフィルタ、又はダイクロイックミラー等の分光要素を有する。そして、分光要素で分光した各色の光を、各色成分に対応した受光素子でそれぞれ検出することができる。これらの受光素子で受光した光は、その光量に応じた電気信号に変換され、R、G、Bの各色の信号値を有するアナログ画像信号として検出される。さらに、これらのアナログ画像信号は、R、G、Bの各色の信号値を有するデジタル画像データにA/D変換されて、処理装置61に出力される。
上記説明では、撮像部151(撮像装置51)が、R、G、Bの各色の信号値を有する画像信号を出力する場合を例に挙げて説明した。撮像部151が出力する画像信号はこれに限られず、所望の表色系で表される画像信号を出力するものであってよい。例えば、XYZ表色系のX、Y、Zの各信号値を有する画像信号を出力する撮像装置を用いることができる。具体的には、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ),S2(λ),S3(λ))を有する撮像装置を利用して、撮像装置により取得した三つの分光感度をCIE XYZ表色系における三刺激値X,Y,Zに変換して出力することができる。このような撮像装置としては、例えば、特開2014−187558号公報に記載されているものを用いることができる。
<表示部>
表示部152は、表示装置52である。表示部152は、処理装置61で信号処理された情報、及び記憶部180に格納される情報等を表示することができる。表示部152は、撮像部151から出力される画像データを受信して、この画像データの画像を表示することができる。また、表示部152は、変換部172から出力される色情報値データを受信して、色情報値を表示することができる。また、表示部152は、比較部174での比較処理の結果を受信して、色情報値が一致するかどうかの判定、又は色情報値の差若しくは比率を表示することができる。
<記憶部>
記憶部180は、メモリ80を用いてデータを格納している。本実施形態における記憶部180は、撮像部151から出力される画像データ、補正部171で補正を施された画像データ、変換部172での変換処理により得られた色情報値データ、比較部174での比較処理による比較結果、及び後述するホワイトバランスを調整するためのゲイン等を格納する。また、記憶部180は、CPU70に実行させることで、後述する補正部171、変換部172、分割部173、及び比較部174としてそれぞれ機能させるプログラムを予め保存する。これらのプログラムをあわせて、本件のプログラム(測色プログラム)と称する。
<処理部>
処理部170は、CPU70で演算処理される機能部位であり、各機能は個別のプログラムとして構成されている。処理部170は、図3で示すように、補正部171、変換部172、分割部173、及び比較部174としてそれぞれ機能する。
本件のプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD(CD−ROM,CD−R,CD−RW等)、DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW,HD DVD等)、ブルーレイディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、処理装置61はその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置(例えば、メモリ80)または外部記憶装置に転送し格納して用いる。または、本件のプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の図示しない記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介して処理装置61に提供するようにしてもよい。
<補正部>
補正部171は、画像データの画像を、白色補正するものである。言い換えれば、補正部171は、画像データのホワイトバランスを調整するものである。補正部171は、補正を施した画像データを、変換部172又は記憶部180に出力する。
まず、補正部171は、検査台30の中央部に設置された白色板を撮影して取得された画像データを、撮像部151又は記憶部180から受信する。補正部171は、この白色板を撮影して取得された画像データの画像に含まれる中央部の領域が白色となるように、R、G、Bの各色の信号値の比率を調整することで白色補正を行う。この調整は、例えば、中央部の領域のR、G、Bの各色の信号値に対して、R、G、Bの各色の信号値のバランスが1:1:1となるように、各信号値を増幅又は減少させるゲインをかける補正を施すことで行われる。白色板の撮影によって各色のゲインを設定し、このゲインは記憶部180に記憶される。なお、ゲインの設定は、R、G、Bの各色の信号値のバランスが1:1:1になるとともに、白色板を撮影した際の中央部の領域のR、G、Bの各色の信号値をL*a*b*表色系に変換した場合に、L*値が100となるように設定することが好ましい。
測定対象物を撮影した場合には、補正部171は、測定対象物を撮影して取得された画像データを、撮像部151又は記憶部180から受信する。そして、補正部171は、記憶部180から予め設定されたゲインを読み出して、測定対象物を撮影して取得された画像データに含まれるR、G、Bの各色の信号値に対して、ゲインによる補正を施す。ゲインによる補正は、通常、画像データの画像に含まれる全ての領域の画素の信号値に対して行われる。
<変換部>
変換部172は、画像データの画像を、任意の色情報値に変換するものである。変換部172は、画像データを、撮像部151、補正部171、又は記憶部180から受信する。そして、変換部172は、画像データの画像のR、G、Bの各色の信号値を、任意の色情報値に変換する変換処理を行う。変換部172は、変換処理によって得られた色情報値データを、表示部152、比較部174、又は記憶部180に出力する。
変換処理は、画像の画素単位で任意の色情報値に変換してもよい。または、変換処理は、分割部173による分割結果に応じて、複数の領域に分割された画像のそれぞれを任意の色情報値に変換してもよい。この場合の変換処理は、分割された領域内に含まれる画素全体の色情報値の平均値を算出することで行うことができる。
色情報値としては、例えば、RGB表色系のR値、G値、B値;XYZ表色系のX値、Y値、Z値;xyY表色系のx値、y値、Y値;L*a*b*表色系のL*値、a*値、b*値;L*C*h表色系のL*値、C*値、h値;L*u*v*表色系のL*値、u*値、v*値;CMY系表色系のC値、M値、Y値;CMYK系表色系のC値、M値、Y値、K値;等を用いることができる。色情報値の変換は、各種公知の手法を用いて行うことができる。これらの中でも、L*a*b*表色系のL*値、a*値、b*値、又はCMYK系表色系のC値、M値、Y値、K値が好ましい。または、L*a*b*表色系のL*値を明度差の評価に用いてもよく、CMYK系表色系のC値、M値、Y値、K値を色度差の評価に用いてもよい。
<分割部>
分割部173は、画像データの画像を、複数の領域に分割するものである。分割部173は、画像データを、撮像部151、補正部171、又は記憶部180から受信する。そして、分割部173は、画像を複数の領域に分割する分割処理を行う。分割部173は、分割処理による分割結果を、変換部172に出力する。分割処理を行った場合、色情報値は、分割された領域ごとに表示することができる。
分割処理において画像を複数の領域に分割する際の分割方法は、特に限定されないが、通常、縦横がそれぞれ均等な幅で分割された升目状に分割される。このときの縦横の分割数はそれぞれ、例えば、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは20以上であり、好ましくは100以下、より好ましくは60以下、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは40以下である。ただし、縦横のいずれか1方の分割数は2以上である。1方の分割数が2以上の場合には、他方の分割数は1、すなわち分割を行わなくともよい。分割数及び幅は、測定対象物のサイズ及び絵柄に応じて適宜変更することができる。
縦(流れ方向)と横(幅方向)の分割数は、同じであってもよく、異なっていてもよい。幅方向の分割数は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上であり、好ましくは60以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは40以下である。一方、流れ方向の分割数は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上であり、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは15以下である。流れ方向と幅方向の分割数は、上記範囲に含まれる分割数を適宜組み合わせてよい。例えば、幅方向の分割数を5以上37以下、流れ方向の分割数を5以上20以下とすることができる。この場合、一例として、幅方向の分割数を37として、流れ方向の分割数を5〜15とすることで、画像185〜555マスに分割することができる。オフセット印刷機においてインキキーは印刷物の幅方向に設置されることから、後述するように、幅方向の分割数はインキキーの数に対応させることができる。上記例示した分割数は、インキキーの数が37個の場合に好適である。
分割処理は、画像中の領域において、任意の位置、形状、大きさの範囲を指定することで行うことができる。このとき、画像中の複数の範囲を指定してもよい。例えば、測定対象物に含まれる絵柄の大きさに合わせた範囲で分割を行ってもよい。この場合、分割された範囲内の絵柄の色情報値を比較することができる。
測定対象物がオフセット印刷機の印刷物である場合、幅方向の分割数をインキキーの数に対応させるとともに、分割の幅がインキキーの幅(ピッチ)となるように分割してもよい。これにより、インキキーに対応した幅を有する領域の色調を評価することができる。この場合、インキキーに対応した幅又は領域ごとに色情報値を表示すると共に、幅ごとにインキキーの番号を表示することが好ましい。これにより、分割された幅とインキキーとの対応関係が明確になり、色調整のアクションを容易に行うことができる。また、この場合、色情報値としては、CMYK表色系のCMYK値を表示することが好ましい。これにより、印刷物と色見本とのCMYK値との比較により、調整を要するインク色とインキキーとの対応関係が明確になる。
<比較部>
比較部174は、二以上の画像データの色情報値の比較を行うものである。比較部174は、色情報値データを、変換部172又は記憶部180から受信する。そして、比較部174は、色情報値データに含まれる色情報値を比較する比較処理を行う。比較部174は、比較処理の結果を、表示部152又は記憶部180に出力する。さらに、表示部152は、入力された比較処理の結果を表示する。
比較部174による比較処理は、二以上の画像データの色情報値が一致するか、相違するかを判定することで行うことができる。この場合、比較対象となる画像データの間で、色情報値が所定の閾値の範囲内にあれば一致して、所定の閾値の範囲外にあれば一致しないと判断することができる。また、色情報値が複数のパラメータを有する場合には、複数のパラメータのうち、一つのパラメータを用いて一致するか相違するかを判定してもよく、複数のパラメータを用いて一致するか相違するかを判定してもよい。また、複数のパラメータを用いて判定する場合には、パラメータごとに閾値を変えてもよい。
または、比較部174による比較処理は、二以上の画像データの色情報値がどの程度相違するかの差又は比率を算出することで行うことができる。この場合、例えば、色情報値がL*a*b*表色系のL*値、a*値、b*値の場合には、二つの画像データの間で、L*値、a*値、b*値それぞれの値の差である、ΔL*、Δa*、Δb*を算出することができる。さらに、二つの画像データの間で算出したΔL*、Δa*、Δb*から、色差ΔE*ab={(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)21/2を求めることができる。また、例えば、色情報値がCMYK系表色系のC値、M値、Y値、K値の場合には、二つの画像データの間で、一方の画像データのC値を100%としたときの、他方の画像データのC値の比率(%)を、C濃度差として算出することができる。このC濃度差は、一方の画像データのC濃度の値を、他方の画像データのC濃度の値に対する増減比率(%)で表すものである。例えば、C濃度差が「1%」のときは、一方の画像データのC値が、他方の画像データのC値に対して1%大きく101%であることを表す。また、C濃度差が「−1%」のときは、一方の画像データのC濃度の値が、他方の画像データのC濃度の値に対して1%小さく99%であることを表す。同様にして、M値、Y値、K値についても、二つの画像データの間で、M濃度差、Y濃度差、K濃度差を算出することができる。
比較部174による比較処理は、比較対象となる画像データの間で、画素単位の色情報値を比較することで行ってもよく、一定の範囲の色情報値を比較することで行ってもよい。一定の範囲の色情報値を比較する場合には、分割部173によって分割された領域の比較を行うことができる。このとき、通常、分割部173は二以上の画像データを同じ位置関係でそれぞれを複数の領域に分割する。そして、比較部174は、対応する領域の色情報値の相違を算出する。これにより、比較対象となる画像データの間で、面測色による色調の評価が可能である。
測定処理の測定対象物として印刷物と色見本とを用いた場合、比較部174は、印刷物と色見本との間で得られた色情報値の差又は比率を算出することができる。そして、色情報値の差又は比率を、表示部152が表示することができる。これにより、印刷物と色見本との色調の評価を容易に行うことができる。
比較部174は、比較対象となる画像データの間で色情報値の積算データが重なりあった割合を示す、色分布一致度(一致度)を算出してもよい。これにより、比較対象となる画像データの間で、絵柄のテクスチャ(質感)の違いを評価することができる。
[I−2.動作]
上述した測色装置100の動作について説明する。まず、図5のフローチャートを参照して、測色装置100を用いて白色板を撮影して白色補正することにより行う校正処理の動作(校正方法)について説明する。次に、図6のフローチャートを参照して、測色装置100を用いて測定対象物を測定することで行う、測色処理の動作(測色方法)について説明する。通常、校正処理を行った後に、測定対象物の測色処理が行われる。
<校正処理>
校正処理では、図5に示すように、まず検査台30に白色板を設置する(ステップ101)。ここでは、白色板を検査部31の中央部に配置する。白色補正に用いられる白色板は、特に限定されないが、例えば、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、アルミナ、又はフッ素系樹脂等からなる標準白色板が用いられる。
次に、照明装置40によってステップ101で設置した白色板を照射する(ステップS102)。そして、検査台30に設置された白色板を照射した状態で、撮像装置51によって白色板を撮影する(ステップS103)。これにより、中央部に白色板が配置された検査部31の画像データを取得する。
さらに、白色板を撮影することで得られた画像データの画像に対して、補正部171による白色補正を行う(ステップS104)。ここでは、画像に含まれる中央部の領域のR、G、Bの各色の信号値の比率が1:1:1になるとともに、中央部の領域のL*値が100となるようにゲインの設定を行う。このようにして、白色補正を行うことができる。ステップS101〜S104の白色補正は通常、1日に1回の頻度で行えばよい。
続いて、白色補正後に行う、周辺部の領域におけるL*値の取得について説明する。まず、検査台30に白色板を設置する(ステップ105)。ここでは、白色板を検査部31の周辺部に配置する。検査部31の周辺部とは、検査部31の内部の領域のうち、検査部31の外周端部付近の領域をいう。中でも白色板は、照明装置40が設けられる両側の一組の辺の領域の中央部に配置することが好ましい。また、白色板は、もう一組の辺の領域の中央部に配置してもよい。また、白色板は、検査部31の角の四箇所に配置してもよい。
次に、照明装置40によってステップ105で設置した白色板を照射する(ステップS106)。そして、検査台30に設置された白色板を照射した状態で、撮像装置51によって白色板を撮影する(ステップS107)。これにより、周辺部に白色板が配置された検査部31の画像データを取得する。さらに、補正部171によって、画像データに含まれるR、G、Bの各色の信号値に対して、ステップ104で設定されたゲインによる補正を施す(ステップS108)。
そして、変換部172によって、ゲインによる補正が施された画像データの画像を、L*a*b*表色系の色情報値に変換する(ステップS109)。これにより、白色板が配置された周辺部の領域におけるL*値が得られる。
上記説明では、中央部に配置した白色板によって白色補正を行い(ステップS101〜S104)、さらに周辺部に配置した白色板のL*値の取得(ステップS105〜S109)を行う場合を例に挙げて説明した。校正処理において、白色補正によるキャリブレーションを行うためには、少なくともステップS101〜S104の白色補正を行えばよく、ステップS105〜S109の周辺部に配置した白色板のL*値の取得は省略してもよい。但し、周辺部に配置した白色板のL*値の取得を行った場合には、測色装置100が所望の特性を有することを確認することができる。
上記説明では、白色板を検査部31の中央部と周辺部とに配置して、それぞれを撮影する場合を例に挙げて説明した(ステップS101〜S103、ステップS105〜S107)。白色板は、複数の白色板を予め中央部と周辺部とに配置してそれぞれを撮影してもよく、一つの白色板の配置位置を中央部と周辺部とに変えてそれぞれを撮影してもよい。または、白色板として検査部31と略同じサイズのものを使用して、この白色板を検査台30に配置してもよい(ステップS101)。そして、照明装置40によって検査台30に設置された白色板を照射した状態で、撮像装置51によって白色板を撮影して(ステップS102,S103)もよい。このときのステップS103で取得された画像データを基にして、中央部の領域からゲインの設定を行ってもよい(ステップS104)。さらに、ステップS103で取得された画像データに対して、ステップS104で設定されたゲインによる補正を施すことで、周辺部の領域におけるL*値を得てもよい(ステップS108,S109)。
<L*値>
上述した校正処理により、照明装置40によって検査台30に設置された白色板を照射した状態で撮像装置51によって白色板を撮影した際に、白色板を撮影して取得された画像データの画像に含まれる周辺部の領域におけるL*値が得られる。このL*値は、中央部の領域におけるL*a*b*表色系のL*値を、白色板を用いて白色補正することで100とした場合の値となっている。この周辺部の領域におけるL*値は、好ましくは95以上、より好ましくは97以上、さらに好ましくは98以上、特に好ましくは99以上であり、通常100以下である。周辺部の領域におけるL*値が上記範囲内にあることで、検査台30に設置された測定対象物を、照明装置40によって照射した状態で撮像装置51によって撮影した際に、測定対象物全体で明度及び色調の変化が抑えられて、色ムラを軽減しやすい傾向にある。なお、周辺部の領域において、複数個所のL*値を得た場合には、複数個所のL*値がいずれも上記範囲を満足することが好ましい。
<測色処理>
測色処理では、図6に示すように、まず検査台30に測定対象物を設置する(ステップ201:設置工程)。
次に、照明装置40によってステップ201で設置した測定対象物を照射する(ステップS202:照射工程)。
続いて、検査台30に設置された測定対象物を照射した状態で、撮像装置51によって測定対象物を撮影して画像データを得る(ステップS203:撮像工程)。
そして、測定対象物を撮影して取得された画像データを、任意の色空間の色情報値に変換する(ステップS204:変換工程)。
なお、測定処理の前に校正処理を行った場合には、ステップS203の後に、さらに、測定対象物を撮影して取得された画像データに含まれるR、G、Bの各色の信号値に対して、校正処理において設定されたゲインによる補正を施してもよい。そして、この補正後の画像データを、任意の色空間の色情報値に変換してもよい。
上記説明のステップS201〜S204の処理により、測定対象物の色情報値を得る測色処理を行うことができる。これにより、色情報値によって、測定対象物の色調を数値評価することができる。さらに、二以上の測定対象物の画像データから色情報値を得た上で、比較部174による比較処理を行うことで、比較対象となる画像データの間で、色調を数値評価することができる。
測定対象物として、例えば、印刷物と色見本とをそれぞれ測色処理を行うことで、各々の色情報値を得ることができる。そして、印刷物と色見本との各々の色情報値を比較することで、色見本に基づいた印刷物の数値評価を行うことができる。
上記説明では、ステップS201〜S204の処理による測色処理を行う場合を例に挙げて説明した。このうち、検査台30に測定対象物を設置する(ステップ201:設置工程)と、照明装置40によってステップ201で設置した測定対象物を照射する(ステップS202:照射工程)とを含む工程を、本実施形態に係る照射方法と位置づけることができる。
<CMYK値>
上述した測定処理において、測定対象物として基準サンプルと検査用サンプルとを用いることで、各々の中央部の領域における色情報値と周辺部の領域における色情報値とを得ることができる。ここで、測定対象物の中央部の領域と周辺部の領域とにおいて照明装置40からの光が均一に照射されていない状態では、測定対象物のそれぞれの位置で測定される色情報値に開きが生じることによって、色ムラとして表れることになる。また、検査用サンプルと基準サンプルとの間で色情報値に差がある場合には、光の不均一性に起因する色ムラの影響で、中央部よりも周辺部における色情報値の差が広がる傾向にある。すなわち、検査用サンプルと基準サンプルとの色情報値の差が、中央部と周辺部とにおいてどの程度開きがあるかを、色情報値の差の開き、及び色情報値の差の開きの平均値によって表すことができる。そして、色情報値の差の開き、及び色情報値の差の開きの平均値から、照明装置40によって検査台30に照射される光の均一性、及び色ムラの生じにくさを評価することができる。なお、検査用サンプルとしては、所望の印刷物を用いることができる。また、基準サンプルとしては、検査用サンプルとして用いられる印刷物の色見本を用いることができる。
例えば、照明装置40によって検査台30に設置された基準サンプルと検査用サンプルとをそれぞれ照射した状態で撮像装置51によって基準サンプルと検査用サンプルとをそれぞれ撮影した際に、(A)基準サンプルを撮影して取得された画像データの画像に含まれる中央部の領域におけるCMYK色空間のC値、M値、Y値、及びK値と、(B)検査用サンプルを撮影して取得された画像データの画像に含まれる中央部の領域におけるC値、M値、Y値、及びK値とのそれぞれの値の差と、(C)基準サンプルを撮影して取得された画像データの周辺部の領域におけるC値、M値、Y値、及びK値と、(D)検査用サンプルを撮影して取得された画像データの画像に含まれる周辺部の領域におけるC値、M値、Y値、及びK値とのそれぞれの値の差との開きの平均値が、1以下であることが好ましい。
すなわち、「(A)のC値と(B)のC値の差」と「(C)のC値と(D)のC値の差」との差から、C値についての中央部と周辺部との開きを算出することができる。同様に、M値、Y値、及びK値についても、中央部と周辺部との開きを算出することができる。さらに、C値、M値、Y値、及びK値それぞれについての中央部と周辺部との開きを平均することで、得られる平均値により、CMYK値全体としての中央部と周辺部との開きを評価することができる。このCMYK値の差の開きの平均値は、1以下であることが好ましい。また、この平均値は、より好ましくは0.9以下、さらに好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.7以下である。この平均値が上記範囲内にあることで、検査台30に設置された測定対象物を、照明装置40によって照射した状態で撮像装置51によって撮影した際に、測定対象物全体で色調の変化が抑えられて、色ムラを軽減しやすい傾向にある。
[I−3.作用及び効果]
特許文献1のように面測色を行うためにカメラによって印刷物を撮影する場合には、通常、検査台に印刷物を設置して、照明装置によって光を検査台に照射した状態で撮影が行われる。菊全判や、ロール紙の幅が44インチサイズの大判印刷物に対して測色を行う場合には、印刷物のサイズに合わせて検査台及び測色装置の大型化が必要となる。このとき、検査台が大きくなるにつれて検査台を照射するための照明装置の光量の増加が求められるが、印刷物及び測色装置の大型化に伴い、印刷物に色ムラが生じることが判明した。中でも、印刷物の周辺部付近に色ムラが生じやすい。色ムラの影響を受けると、印刷物の絵柄の本来の色調を評価することが困難となる。このように、印刷物及び測色装置の大型化に伴って生じる色ムラが課題となっていた。
本件は、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、光を照射した状態で印刷物を撮影する際に生じる色ムラを軽減する測色装置を提供することを目的の一つとする。
本実施形態で開示する測色装置100は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
(1)測色装置100は、照明装置40によって照射した状態で白色板を撮影して取得された画像データの画像に含まれる中央部の領域におけるL*値を白色補正することで100とした場合に、周辺部の領域におけるL*値が95以上である。これにより、検査台30に設置された測定対象物を、照明装置40によって照射した状態で撮像装置51によって撮影した際に、照明装置40から照射される光の反射や不均一性に起因する明度の変化が抑えられる。さらには、測定対象物の中央部の領域と周辺部の領域とで生じる色度の開きが少なくなることで、周辺部の領域で生じる色ムラを軽減することができる。したがって、照明装置40による影響を軽減して、印刷物と色見本との本来の色調を比較することができる。また、従来の測色装置よりも撮影範囲を広げることが可能となり、測定対象物の大型化に対応することができる。
また、照明装置40及び本実施形態の照射方法では、検査台30に設置された白色板を照射した状態で白色板を撮影して取得された画像データの画像に含まれる中央部の領域におけるL*値を白色補正することで100とした場合に、周辺部の領域におけるL*値が95以上である。これにより、測色装置100と同様に、明度の変化が抑えられるとともに、色ムラを軽減して、印刷物と色見本との本来の色調を比較することができる。
(2)測色装置100は、変換部172を備えることで、測定対象物を色情報値によって評価することができる。これにより測定対象物を数値評価による客観的な評価が可能になる。また、周辺部の明度の変化が抑えられるとともに、色情報値に表れる色度の数値変化も抑えられて、印刷物と色見本との比較を正確に行うことができる。
(3)照明装置40が、検査台30を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ設けられることで、検査台30に設置される測定対象物を両側から均等に照射することができる。
(4)照明装置40が、ルーバー44を有することで、照射部43から発せられる照射光に直進性を持たせて、検査台30の撮影領域内に向けて効率的に照射することができる。
[I−4.その他]
上記説明では、検査台30及び検査部31を挟んで互いに対向する位置に、2点の照明装置40a,40bがそれぞれ設けられる場合を例に挙げて説明した。照明装置40の配置はこれに限定されず、適宜変更してもよい。例えば、検査台30及び検査部31の三方に3点、又は四方に4点の照明装置40を設けてもよい。
上記説明では、照明装置40について、筐体42が光源41を有する場合を例に挙げて説明した。照明装置40の構成はこれに限定されず、光源41を有さないものであってもよい。例えば、照明装置40は、外部に設けられた光源からの光を伝達する導光路を備え、この導光路を介して、光源から発せられる光を検査台30に照射するものであってもよい。このような導光路としては、例えば、プラスチック製又はガラス製の光ファイバーや、複数のミラーを用いた多間接マニピュレータが挙げられる。
上記説明では、検査台30及び検査部31の中央部の領域において白色補正を行う場合を例に挙げて説明した。校正処理では、白色補正に加えて、シェーディング補正を行ってもよい。なお、照明装置40及び測色装置100では、シェーディング補正を行わない場合であっても、白色板を撮影して取得された画像データの画像における中央部と周辺部の領域におけるL*値が、上述した所定の範囲となる。そして測色装置100によれば、シェーディング補正をさらに行うことで、色ムラをより軽減することができる。
シェーディング補正とは、撮像装置51による撮影によって得られた画像に生じる明るさのムラを、画像全体が平均的に一様な明るさとなるように補正する処理をいう。画像に生じる明るさのムラの原因としては、例えば、撮像装置51のレンズの特性、受光素子の感度のばらつき、照明装置により照射される光のばらつき等が挙げられる。シェーディング補正では、これらの原因により生じる画像の周辺領域の明るさの低下を補正する。
測色装置100は、撮像装置51によって白色板を撮影して、撮影によって取得された画像の明るさのムラを補正するためのシェーディング補正係数を取得し、このシェーディング補正係数を予め記憶部180に記憶する。そして、測定対象物を撮影した際に、記憶部180からシェーディング補正係数を読み出し、測定対象物を撮影して取得された画像に対して、読み出したシェーディング補正係数を用いてシェーディング補正を行うことができる。
[II.基準画像データ生成システム]
次に、本実施形態に係る基準画像生成システムについて説明する。基準画像生成システムは、一部の構成が上述の測色装置100と同様に構成されており、測色装置100と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。なお、基準画像生成システムを、単に「生成システム」と称する場合がある。
[II−1.構成]
本実施形態に係る生成システム(生成装置)の構成について、図7〜12を参照して説明する。本生成システムは、多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成するものである。本生成システムは、単面画像が印刷された基準印刷物を撮影して複数の単面画像データを取得して、この複数の単面画像データを合成することにより、基準画像データを生成する。本生成システムは、多面付印刷物の見本として、単面画像が印刷された基準印刷物が存在する場合において、基準印刷物から基準画像データを生成することで、この基準画像データの画像と多面付画像データの画像との比較を行うものである。
なお、本明細書において、多面付印刷物とは、単面画像が多面付けされて印刷された、多面付け絵柄の印刷物である。多面付印刷物は、本システムにおける被検査対象物である。
多面画像データとは、多面付印刷物を撮影することで得られる画像データである。
基準印刷物とは、多面付印刷物に含まれる単面絵柄の校正色見本である。すなわち、基準印刷物は、単面絵柄の印刷物であって、本システムにおける検査基準である。なお、基準印刷物は検査基準ではあるが、単面絵柄のため、そのまま基準印刷物を撮影してデータを得たとしても、多面画像データとの比較に供することはできない。そこで、本生成システムは、基準印刷物の単面画像を、多面付印刷物に含まれる単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で含む画像についての基準画像データを生成するものである。
見本印刷物は、基準画像データの作成の際に多面付け絵柄の見本となる印刷物であって、単面画像が所望の位置に配置されたものである。見本印刷物に含まれる単面印刷物は、多面付印刷物に含まれる単面印刷物と同様の配置にあればよい。一方、見本印刷物に含まれる単面印刷物は、必ずしも多面付けの色見本である必要はない。すなわち、見本印刷物に含まる単面絵柄は、基準印刷物のように厳密な色の再現性が要求されない。このような見本印刷物としては、例えば、多面付印刷物を用いることができる。または、別途、多面付印刷物が適切な位置に配置された見本の印刷物を用いてもよい。
[II−1−1.ハードウェア構成]
生成システム200は、図1,2を参照して説明した測色装置100と同様のハードウェア構成を備えている。
[II−1−2.機能構成]
図7に示すように、生成システム200を機能的に表すと、測色装置100と同様に、撮像部151、表示部152、及び処理装置61を備えて構成される。処理装置61は、処理部170、及び記憶部180を備える。
以下、各部の構成を説明する。
<撮像部>
本実施形態において、撮像部151の測定対象物としては、多面付印刷物、基準印刷物、及び見本印刷物が挙げられる。撮像部151は、検査台30の検査部31に配置された基準印刷物を撮影する。このとき、通常、基準印刷物は、検査台30及び検査部31の面積よりも小さいことから、撮像部151は、基準印刷物とともに、検査台30及び検査部31を撮影することになる。また、撮像部151は、検査部31に設置された、見本印刷物を撮影する。さらに、撮像部151は、基準印刷物の単面画像と見本印刷物に含まれる単面画像とが表示部152で表示されて、これらの位置が一致する配置関係にあるように基準印刷物が配置された状態で、基準印刷物を撮影することが好ましい。
<表示部>
表示部152は、処理装置61で信号処理された情報、及び記憶部180に格納される情報等を表示することができる。表示部152は、測色装置100において説明した表示内容に加えて、測定対象物を撮影した画像をリアルタイムで表示することができる。また、表示部152は、リアルタイムで撮影している測定対象物の画像と、予め撮影した測定対象物の画像とを重畳表示した画像を表示することができる。具体的には、表示部152は、重畳部175で得られた重畳画像データを受信して、基準印刷物を撮影した画像と、見本印刷物を撮影した画像とを重畳表示することができる。また、表示部152は、合成部177で得られた基準画像データを受信して、基準画像データの画像を表示することができる。
<記憶部>
記憶部180は、測色装置100において説明した格納内容に加えて、基準印刷物を撮影することで得られる単面画像データ、見本印刷物を撮影することで得られる見本画像データ、単面画像データを合成して得られる基準画像データ等を格納する。また、記憶部180は、CPU70に実行させることで、後述する補正部171、変換部172、分割部173、比較部174、重畳部175、指定領域設定部176、合成部177、及び検査領域設定部178としてそれぞれ機能させるプログラムを予め保存する。これらのプログラムをあわせて、本件のプログラム(生成プログラム)と称する。
<処理部>
処理部170は、図7で示すように、補正部171、変換部172、分割部173、比較部174、重畳部175、指定領域設定部176、合成部177、及び検査領域設定部178としてそれぞれ機能する。
補正部171は、補正処理を施した画像データを、さらに重畳部175及び合成部177に出力することができる。
本件の生成プログラムは、上述した測定プログラムと同様に、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、処理装置61はその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。または、本件のプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の図示しない記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介して処理装置61に提供するようにしてもよい。
<重畳部>
重畳部175は、撮像装置51で得られた複数の画像データの画像を重ね合わせるようにして合成するものである。重畳部175は、少なくとも2以上の画像データを、撮像部151、補正部171、又は記憶部180から受信する。そして、重畳部175は、一の画像データの画像に対して、他の画像データの画像を重畳して表示するように合成した重畳画像データを生成する重畳処理を行う。重畳部175は、重畳処理によって得られた重畳画像データを、表示部152に出力する。
重畳処理では、例えば、一の画像データの画像に対して、他の画像データの画像をオーバーレイ表示するように合成することができる。このとき、画像サイズ(画素の占める画素数)の大きい側の画像に対して、画像サイズの小さい側の画像をオーバーレイ表示するように合成することが好ましい。さらに、いずれか一方、または両方の画像を半透明表示にして、オーバーレイ表示するように合成してもよい。
具体的には、重畳処理では、基準印刷物を撮影することで得られる基準画像データの画像(以降、「基準印刷物を撮影した画像」という。)と、見本印刷物を撮影することで得られる見本画像データの画像(以降、「見本印刷物を撮影した画像」という。)とを重畳表示した重畳画像データを生成することができる。このとき、検査部31に配置された基準印刷物を撮影することで得られる画像から、バックグラウンドとなる検査部31が表示されている領域を透過表示して、基準印刷物の含まれる領域が表示されるように半透明表示にした画像を用いてもよい。この場合、見本印刷物を撮影した画像に対して、基準印刷物を撮影した画像を半透明表示したものをオーバーレイ表示した重畳画像データを生成することができる。また、見本印刷物を撮影した画像を半透明表示にして、基準印刷物を撮影した画像に対して、半透明表示した見本印刷物を撮影した画像をオーバーレイ表示した重畳画像データを生成してもよい。または、基準印刷物を撮影した画像から基準印刷物の表示される領域の画像を切り出して、見本印刷物を撮影した画像に対して、基準印刷物を撮影した画像から切り出した画像をオーバーレイ表示した重畳画像データを生成してもよい。
<指定領域設定部>
指定領域設定部176は、撮影により得られた単面画像データの画像において、指定領域を設定するものである。指定領域とは、単面画像データの画像のうち、多面付印刷物との比較に用いられる画像が含まれる領域である。指定領域の形状は限定されないが、例えば、矩形状、円形状、楕円形状、多角形状等が挙げられる。または、単面画像の外周を囲む輪郭によって規定される不定形状であってもよい。
単面画像データの画像には、基準印刷物の単面画像が含まれると共に、基準印刷物を撮影した際に、基準印刷物のバックグラウンドとして撮影される検査部31の画像も含まれている。また、この単面画像データの画像には、単面画像の周囲に、基準印刷物の余白部分が含まれている。すなわち、単面画像データの画像には、測定対象物となる多面付印刷物との比較には用いられない領域が含まれている。そこで、指定領域設定部176は、単面画像データの画像から、単面画像が含まれる領域を指定領域として設定する、指定領域の設定処理を行う。指定領域設定部176は、指定領域の設定処理によって得られた指定領域の情報を、記憶部180に出力する。指定領域は、検査部31内における画素を単位とする座標によって表すことができる。
指定領域の設定処理は、公知の手法を用いて行うことができる。例えば、指定領域設定部176が画像認識を利用して、単面画像データの画像に含まれる単面画像とそれ以外の領域を区別して、単面画像を検出することで、単面画像の含まれる領域を設定することができる。画像認識を利用する場合には、例えば、閾値処理や二値化等の色や明度に基づく単面画像の検出、またはエッジ検出等の形状に基づく単面画像の検出によって行うことができる。
または、指定領域の設定処理は、指定領域設定部176が、測色装置100を操作するオペレーターからの入力を受けて、単面画像の含まれる領域を設定することで行ってもよい。例えば、オペレーターは、表示部152に表示される単面画像データの画像を確認しながら、入力装置を利用して単面画像の含まれる領域をROI(Region of Interest:関心領域)として、縮小、拡大、変形、移動等の操作により入力することができる。
または、指定領域の設定処理は、指定領域設定部176による指定領域の設定と、オペレーターからの入力とを組み合わせてもよい。この場合、指定領域設定部176が指定領域を設定した後に、オペレーターからの入力により、指定領域を調整することが出来る。
<合成部>
合成部177は、撮像部151で得られた複数の単面画像データの画像を合成して、基準画像データを生成するものである。合成部177は、少なくとも2以上の単面画像の画像データを、記憶部180から読み出す。また、合成部177は、合成する単面画像データに対応する指定領域の情報を記憶部180から読み出す。そして、合成部177は、記憶部180から読み出した単面画像の画像データの画像を、所望の位置に配置した位置関係で合成した基準画像データを生成する合成処理を行う。このとき、基準画像データに含まれる画像のうち指定領域に含まれる画像が、多面付印刷物との比較基準となる。合成部177は、合成処理によって得られた、単面画像データ及び指定領域の情報を含む基準画像データを、表示部152又は記憶部180に出力する。
合成処理では、まず、合成部177は、単面画像データを記憶部180から読み出す。ここで、単面画像データとは、基準印刷物が検査台30の所望の位置に設置された状態で撮影することで得られたものである。より具体的には、単面画像データは、検査部31内において、基準印刷物の単面画像が見本印刷物に含まれるいずれか一つの単面画像との位置が一致する配置関係で配置された状態で、基準印刷物が撮影されたものである。単面画像データには、単面画像の画像データと、基準印刷物が撮影された際に単面画像が検査部31内のどの位置に配置されていたかの情報とが含まれている。
見本印刷物に含まれる全ての単面画像について、これらの単面画像の位置に対応する位置にそれぞれ基準印刷物が設置された状態で撮影することで、それぞれ得られた単面画像データを記憶部180に格納しておくことが好ましい。そして、合成部177は、これら全ての単面画像データを読み出す。さらに、合成部177は、記憶部180から読み出した単面画像データの単面画像を、基準印刷物が撮影された際に単面画像が検査部31内で配置されていた位置でそれぞれ合成する。このようにして、合成部177は、複数の単面画像を、見本印刷物に含まれる単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で含む画像についての基準画像データを生成することができる。また、基準画像データに含まれる指定領域は、見本印刷物に含まれる単面画像のそれぞれの位置に対応した位置関係で設定されたものとなっている。
<検査領域設定部>
検査領域設定部178は、多面画像データの画像において、検査領域を設定するものである。検査領域とは、多面画像データの画像のうち、基準画像データとの比較対象となる画像が含まれる領域である。検査領域設定部178は、基準画像データに含まれる指定領域の情報を読み込んで、この指定領域にあわせて多面画像データの画像に検査領域を設定する。
基準画像データの指定領域は検査部31に配置された基準印刷物及び各単面画像に基づいて設定される。このため、多面付印刷物を基準印刷物と検査部31の略同じ位置に配置して撮影することで、多面画像データに含まれる単面画像の位置は、基準画像データに含まれる単面画像の位置と略同じ位置となる。このように、多面画像データに含まれる単面画像の位置が、基準画像データに含まれる単面画像の位置と略同じ位置となる場合には、基準画像データの指定領域が、多面画像データに含まれる単面画像が含まれる領域と一致することになる。したがって、基準画像データの指定領域を、多面画像データの検査領域として設定することができる。
一方で、多面付印刷物の撮影位置が基準印刷物の位置と異なる場合には、基準画像データの検査領域が、多面付印刷物に含まれる単面画像が含まれる領域から位置がずれることになる。そこで、検査領域の設定処理は、基準画像データの指定領域と、多面画像データに含まれる単面画像が含まれる領域とが一致するかどうかを判定して行うことが望ましい。これらの領域が一致する場合には、検査領域設定部178は、指定領域を検査領域として設定することができる。これらの領域が一致しない場合には、検査領域設定部178は、多面付印刷物に含まれる単面画像が含まれる領域と一致するように、指定領域を縮小、拡大、変形、移動等させて検査領域を設定する。領域が一致するかどうかの判定は、例えば、画像認識を利用して行うことができる。画像認識を利用する場合には、例えば、特徴ベースマッチング、領域ベースマッチング等のマッチング処理を用いることができる。
または、検査領域の設定処理は、検査領域設定部178が、測色装置100を操作するオペレーターからの入力を受けることで行ってもよい。例えば、オペレーターは、表示部152に表示される基準画像データの指定領域と多面画像データに含まれる単面画像とを確認しながら、入力装置を利用して指定領域を縮小、拡大、変形、移動等させる操作により、検査領域を入力することができる。
または、検査領域の設定処理は、検査領域設定部178による検査領域の設定と、オペレーターからの入力とを組み合わせてもよい。この場合、検査領域設定部178が検査領域を設定した後に、オペレーターからの入力により、検査領域を調整することが出来る。
[II−2.動作]
上述した生成システム200の動作について説明する。まず、図8のフローチャート、及び図9〜11の印刷物及び画像データの画像を参照して、生成システム200を用いて行う基準画像データの生成処理の動作(生成処理)について説明する。次に、図12のフローチャートを参照して、生成システム200を用いて行う、多面付印刷物の検査の動作(検査処理)について説明する。ここでは、図9(a)に示す絵柄の基準印刷物を例に挙げて説明する。また、多面付印刷物として、単面画像が、左上、右上、左下、右下の4箇所に多面付けされた、図9(b)に示す絵柄の印刷物を例に挙げて説明する。
<生成処理>
生成処理では、図8に示すように、まず、見本印刷物を検査台30に設置して、検査台30に設置した見本印刷物を、撮像装置51によって撮影する(ステップS301:見本撮影工程)。本実施形態において、見本印刷物及び基準印刷物の撮影は、図6を参照して説明した測色装置100の測色処理の動作(ステップS201〜S203)において、測定対象物を見本印刷物又は基準印刷物とした以外は、同様に行うことができる。見本印刷物を撮影することで得られた見本画像データは、記憶部180に格納される。
次に、基準印刷物を検査台30に設置して、検査台30に設置した基準印刷物を撮影する。さらに、重畳部175が、ステップS301で取得した見本画像データを記憶部180から読み出すとともに、基準印刷物を撮影すること得られた単面画像データを撮像装置51から受信する。そして、図10(a)に示すように、重畳部175は、見本印刷物の画像311に対して、基準印刷物を撮影した画像321をオーバーレイ表示した重畳画像データを生成する。ここでは、基準印刷物を撮影した画像321に含まれる単面画像が、見本印刷物に含まれる4つの単面画像のうち左上の単面画像との位置と一致する配置関係で配置された状態で、基準印刷物を撮影した画像をオーバーレイ表示している。また、基準印刷物を撮影した画像は、検査部31が表示されている領域を透過表示している。なお、図10(a)〜図10(d)では、検査部31の範囲を二点鎖線で示している。このように、検査部31内で撮影された見本印刷物と基準印刷物とが、それぞれ検査部31内の撮影位置において重畳表示された重畳画像データが生成される。そして、重畳部175は、重畳画像データを表示部152に送信する。表示部152は、受信した重畳画像データの画像を表示することで、基準印刷物を撮影した画像と見本印刷物の画像とを重畳表示する(ステップS302:表示工程)。
ステップS302の表示は、リアルタイムで重畳画像データの生成と表示とが行われ、基準印刷物の検査台30での設置位置を変更すると、見本印刷物の画像に対して、基準印刷物を撮影した画像の位置が変化する。そこで、ステップ302の表示工程で表示される基準印刷物の単面画像と見本印刷物に含まれる単面画像との位置が一致するように、基準印刷物を配置する(ステップS303:配置工程)
ステップS303において基準印刷物の単面画像と見本印刷物に含まれる単面画像との位置が一致するように配置された基準印刷物を、撮像装置51によって撮影する(ステップS304:単面撮影工程)。これにより、見本印刷物に含まれる4つの単面画像のうち、左上の単面画像と一致する位置で基準印刷物を撮影した単面画像データが得られる。基準印刷物を撮影することで得られた単面画像データは、記憶部180に格納される。
基準印刷物を撮影することで得られた単面画像データは、撮像装置51から表示部152に送信される。表示部152は、単面画像データの画像を表示する。
指定領域設定部176は、撮影により得られた単面画像データの画像に、指定領域の設定処理を施す(ステップS035:指定領域の設定工程)。本実施形態では、オペレーターが指定領域を入力することで設定が行われる。指定領域の情報は、単面画像データと共に記憶部180に格納される。このとき、単面画像データの画像の視認性を良好にする観点から、見本印刷物の画像311のオーバーレイ表示を解除して、単面画像データの画像のみを表示するようにしてもよい。
ステップS306において、多面付印刷物に含まれる全ての単面画像に対応する位置での基準印刷物の撮影が完了していない場合には、ステップS301に戻り、見本印刷物に含まれる他の単面画像と一致する位置に配置した基準印刷物を撮影して、単面画像データを繰り返し取得する。ここでは、図10(b),図10(c),図10(d)に示すように、重畳部175は、見本印刷物に含まれる4つの単面画像のうち、右上、左下、右下の単面画像の位置に、基準印刷物を撮影した画像322,323,324をそれぞれオーバーレイ表示する重畳画像データを生成する。そして、基準印刷物の単面画像と見本印刷物に含まれる単面画像との位置が一致するように配置された基準印刷物を、撮像装置51によって撮影することで、それぞれ単面画像データが得られる。さらに、それぞれの単面画像データにおいて、指定領域の設定処理を施す。このようにして、多面付印刷物に含まれる4つの単面画像のそれぞれの位置にて、基準印刷物を撮影した4点の単面画像データが取得される。そして、これらの単面画像データは、指定領域の情報と共に記憶部180に格納される。
見本印刷物に含まれる全ての単面画像に対応する位置での基準印刷物の撮影が完了した場合には、合成部177は、ステップS301〜S304で取得された4点の単面画像データを記憶部180から読み出す。そして、合成部177は、これら4点の単面画像データを、それぞれの単面画像データが撮影された際の位置に配置して表示する。このようにして、合成部177は、単面画像データを合成して基準画像データを得る(ステップS307:合成工程)。これにより、ステップS304の単面撮影工程で撮影された複数の単面画像を、見本印刷物に含まれる単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で含む画像についての基準画像データを生成することができる。この基準画像データでは、見本印刷物及び多面付画像に含まれる単面画像が撮像装置51によって撮影された場合に受ける変形が、基準画像データに含まれる各単面画像に反映されて、同様に変形を受けたものとなっている。
さらに、合成部177は、ステップS305で設定された4点の単面画像データに対応する指定領域の情報を記憶部180から読み出す。合成部177は、基準画像データの画像において、それぞれの指定領域に含まれる領域の画像を表示する(ステップS308)。このときの基準画像データの画像は、図11に示すように、検査部31の範囲において、図10(a)〜図10(d)の符号321〜324を付して示したそれぞれの基準印刷物を撮影した画像に対応する、指定領域331〜334に含まれる単面画像が表示される。図11では、検査部31内の指定領域331〜334以外の領域に斜線を付して示している。基準画像データに含まれる画像のうち指定領域331〜334に含まれる画像が、多面付印刷物との比較基準となる。各々の単面画像データ及び指定領域の情報を含む基準画像データは、記憶部180に格納される。
上記説明では、ステップS301,S304において、ステップS201〜S203と同様に行うことで、見本印刷物及び基準印刷物を撮影して、見本画像データ及び単面画像データを得る場合を例に挙げて説明した。見本印刷物及び基準印刷物を撮影した後に、さらにステップS204の色情報値の変換を行ってもよい。この場合、見本画像データ及び単面画像データのデータサイズを縮小することができる。一方、撮影により得られる見本画像データ及び単面画像データの色情報を失わないようにする観点からは、色情報値の変換を行わないことが好ましい。
<検査処理>
検査処理は、基準画像データの画像と多面画像データの画像との色情報値を比較することで行われる。
検査処理では、図12に示すように、まず、多面付印刷物を検査台30に設置して、検査台30に設置した多面付印刷物を、撮像装置51によって撮影する(ステップS401:印刷物撮影工程)。本実施形態において、多面付印刷物の撮影は、図6を参照して説明した測色装置100の測色処理の動作(ステップS201〜S203)において、測定対象物を多面付印刷物とした以外は、同様に行うことができる。多面付印刷物を撮影することで得られた多面画像データは、記憶部180に格納される。
次に、分割部173は、基準画像データと多面画像データを記憶部180から読み出す。検査領域設定部178は、多面画像データの画像に、検査領域の設定処理を施す(ステップS402:検査領域の設定工程)。本実施形態では、基準画像データの指定領域を基にして、オペレーターが検査領域を入力することで設定が行われる。
そして、分割部173は、読み出された基準画像データの画像の指定領域と、多面画像データの画像に設定された検査領域とを、それぞれ複数の領域に分割する(ステップS403:分割工程)。
続いて、変換部172は、ステップS403で分割された画像を、それぞれ任意の色空間の色情報値に変換する(ステップS404:変換工程)。このとき変換部172は、基準画像データの画像と多面画像データの画像とを同じ表色系の色情報値に変換する。
さらに、比較部174は、基準画像データと多面画像データとについて、ステップS404で変換された色情報値の比較を行う(ステップS405:比較工程)。このとき、比較部174は、基準画像データの画像と多面画像データの画像とについて、ステップS403で分割された同じ領域の画像の色情報値を比較する。
上記説明では、ステップS403において基準画像データの画像と多面画像データの画像とを分割した後に、ステップS404において色情報値に変換する場合を例に挙げて説明した。検査処理の方法はこれに限られず、分割をする前に、変換部172によって基準画像データと多面画像データとのそれぞれの画像全体を色情報値に変換してもよい。続いて、分割部173によって基準画像データの画像と多面画像データの画像とをそれぞれ分割して、さらに比較部174によって、分割された同じ領域に対応する画像の色情報値の比較を行うようにしてもよい。
上記説明では、ステップS401〜S405により、一つの多面付印刷物に対して検査処理を一回行う場合を例に挙げて説明した。検査対象物として、他の多面付印刷物を撮影して(ステップS401)、同様に検査処理を行うことで、複数の多面印刷物を検査することができる。このとき、生成処理で生成した基準画像データを繰り返し用いることができる。
[II−3.作用及び効果]
本実施形態で開示する生成システム200は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
(1)測定対象物をカメラによって撮影した場合、撮影によって得られる画像には、樽型、糸巻き型、陣笠型等の歪みが発生する場合がある。この歪みが発生した場合、画像の中央部が膨らんだり、収縮したり、或いは周辺部が引き伸ばされたり、さらにはこれらの変形が組み合わさった変形が生じることがある。すなわち、検査台30及び検査部31内の位置に応じて、画像が様々な変形を受ける。このため、検査台30に設置した多面付印刷物を撮影した場合にも、多面付印刷物の画像に上述したような変形が生じることになる。ここで、多面付画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する場合には、一枚の色見本(基準印刷物)を検査台30に設置してこれを撮影し、撮影によって得られた画像を複製して、多面付印刷物に含まれる単面画像の位置関係と同様に配置することによって生成する方法が考えられる。このとき、多面付印刷物に含まれる単面画像の中には、基準印刷物が撮影の際に検査台30に配置された位置とは異なる位置で撮影される単面画像が多数存在する。したがって、複製された基準印刷物の画像は、多面印刷物に含まれる対応する位置にある単面印刷物の画像とは、変形の受け方が異なることになる。よって、上述した方法で作成した基準画像データと多面付画像データとを比較した場合、撮影に伴う変形の受け方の相違による形状の違いに起因して、両者の関係を適切に評価することは困難であった。
一方、生成システム200は、撮像装置51によって、多面付印刷物に含まれる単面画像のそれぞれの位置において基準印刷物を撮影して複数の単面画像データを取得する。さらに、合成部177によって、これら複数の単面画像データを合成して、基準画像データを生成する。このようにして、基準印刷物を、予め多面付印刷物に含まれる単面画像と同じ位置で撮影しておくことで、多面付印刷物を撮影した場合に多面付印刷物に含まれる単面画像が受ける変形と同様の変形を受けた単面画像データを得ることができる。そして、複数の単面画像データを合成することによって、撮影に伴う変形の影響が多面付印刷物に含まれ単面画像と同程度となっている基準画像データを生成することができる。このように、生成システム200によれば、単面絵柄の色見本から、多面画像データに含まれる単面画像に生じている撮影に伴う変形が反映された基準画像データを生成することができる。さらには、基準画像データに含まれる単面画像は、色見本を撮影したものであるため、色調の評価も行うことができる。よって、この基準画像データを用いて多面付印刷物についての多面画像データとの比較を行うことで、単面の基準印刷物を基にした多面付印刷物の適切な検査が可能となる。
(2)表示装置52が、基準印刷物を撮影した画像と見本印刷物を撮影した画像とを重畳表示することで、基準印刷物を撮影した画像と見本印刷物に含まれる単面画像との位置が一致する配置関係で配置された状態で、基準印刷物を撮影することができる。さらに、合成部177は、基準印刷物の複数の単面画像を、見本印刷物に含まれる単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で合成する。これにより、多面付印刷物に含まれる単面画像と同じ位置に、基準印刷物を撮影することで得られた画像が配置された基準画像データを生成することができる。
(3)生成システム200が変換部172を備えることで、基準画像データの画像と多面画像データの画像とを色情報値によって評価することができる。これにより、数値評価による客観的な評価が可能になる。
(4)生成システム200は、基準画像データの画像と多面画像データの画像とをそれぞれ複数の領域に分割して、分割された画像を任意の色空間の色情報値に変換するとともに、分割工程で分割された同じ領域の画像の色情報値を比較する。これにより、基準画像データの画像と多面画像データとの間で、面測色による色調の評価が可能である。この場合、例えば、多面付印刷物に含まれる単面画像の絵柄ごとに画像を分割して、基準画像データの画像と多面画像データの画像との間で色情報値により比較することで、絵柄ごとの刷り上り状態を評価することができる。また、多面付印刷物がオフセット印刷機の印刷物である場合、分割の幅方向の分割数をインキキーピッチに対応させて分割することで、インキキーに対応した幅を有する領域の色調を評価することができる。したがって、分割された特定の幅方向の領域において色調に調整が必要と認められた場合には、その領域に対応するインキキーの開度を調整することで、色調整のアクションを容易に且つ適切な位置関係で行うことができる。
[II−4.その他]
上記説明では、図9〜11を参照して、4点の単面画像がそれぞれ平行移動させた関係にあるように均等配置された場合を例に挙げて説明した。単面画像の数量や配置はこれに限定されず、任意に変更することができる。例えば、単面印刷物の絵柄がそれぞれ上下逆さや回転して配置されていてもよい。または、単面印刷物の絵柄が隣接する単面印刷物の絵柄と上下逆さに配置されると共に、単面印刷物の絵柄のうち突き出た箇所を、隣接する単面印刷物の空白箇所に詰めるようにした入れ子状に配置されていてもよい。このような入れ子状に配置するものとしては、例えばキャラメル箱のように展開時にフラップ部を有する箱体の絵柄を単面画像とする場合が挙げられる。
上記説明では、図10を参照して、検査部31の中心に見本印刷物の画像311が表示される位置で見本印刷物を撮影しており、検査部31と画像311との間が開いている場合を例に挙げて説明した。見本印刷物の撮影は、見本印刷物を位置合わせ板32a〜32cのいずれかと当接させた状態で行ってもよい。この場合、検査処理において多面付印刷物を検査台30に設置する場合に、見本印刷物と同様に位置合わせ板32a〜32cのいずれかと当接させた状態で配置することで、基準画像データの画像と多面画像データの画像との位置合わせを容易に行うことができる。
上記説明では、検査処理において、基準画像データの画像と多面画像データの画像とを分割して、分割された画像の色情報値を比較する場合を例に挙げて説明した。比較方法はこれに限定されず、基準画像データの画像と多面画像データの画像とを分割せずに、画素単位の色情報値を比較してもよい。
生成システム200は、オフライン検査で用いてもよく、インライン検査で用いてもよい。生成システム200をオフライン検査で用いる場合には、製造ラインの印刷機作業デスクで確認できる表示装置52を設けて、この表示装置52に測定結果及び比較結果を送信して表示させてもよい。これにより、印刷機側に測定結果及び比較結果をフィードバックして、印刷設定の調整に役立てることができる。または、製造ラインで確認できる印刷装置を設けて、この印刷装置に測定結果及び比較結果を送信して印刷させてもよい。
以下、参考例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、以下の参考例に示す寸法、配置関係、及び処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明は以下の参考例に限定されるものではない。
<参考例1>
本参考例で用いられる測色装置100は、検査部31が、縦方向の辺の長さL22が895mm、横方向の辺の長さL21が1075mmの矩形状を有している。
照明装置40は、照射部43が、長辺の長さL12が660mm、短辺の長さL11が425mmであり、筐体42の奥行きが120mmである。照明装置40は、照射角度αを変更できるよう回転可能に取り付けられている。本参考例では、検査台30に対する照射角度αが21.1度に固定されている。照明装置40は、照明装置40の検査台30からの高さL31が490mm、照明装置40の検査台30の中心位置33からの距離L41が1100mmである。
照明装置40は、光源41として直径35mmの蛍光灯(型式:FL20S・N−EDL、パナソニック社製)を5本有する。蛍光灯は、35mmの間隔を開けて、筐体42内に平行に配置されている。
ルーバー44は、格子の1マス寸法が25mm×25mmである。長辺方向に24枚、短辺方向に16枚の板状部材がそれぞれ等間隔に配置され、互いに直交することで、縦17マス×横25マス=合計425マスを有する格子を形成している。
撮像装置51として、2次元色彩計(型式:RC−300、パパラボ社製)を用いた。
まず、上述した測色装置100において、図13に示すように、検査部31の中央部の位置Eに設置した白色板(型式:SRS−99−010、Labsphere社製、材質:サーモプラスチック)によって白色補正を行った。続いて、検査部31の9箇所の位置A〜Iに設置した白色板に対して測色処理を行い、各位置でのL*値、a*値、b*値を得た。なお、各設置位置は、検査部31の中央を位置Eとし、他の位置A〜D,F〜Iの8箇所は、検査部31の周辺端部の位置に対応する。具体的には、検査部31において、撮像装置51が設けられている支柱21の側を奥側として、その反対側を手前側とすると、検査部31を手前側から見た場合に、検査部31の左端且つ奥側が位置A、検査部31の左端且つ中央が位置B、検査部31の左端且つ手前側が位置C、検査部31の左右中央且つ奥側が位置D、検査部31の左右中央且つ手前側が位置F、検査部31の右端且つ奥側が位置G、検査部31の右端且つ中央が位置H、検査部31の右端且つ手前側が位置Iとなっている。測定結果を表1に示す。
Figure 2019041204
さらに、検査部31の中央右端且つ中央の位置Hから中央の位置Eの方向へ、表2に示すように25mm間隔の位置の白色板に対して測色処理を行い、各位置でのL*値を得た。測定結果を表2に示す。
Figure 2019041204
表1から明らかなように、本参考例1の測色装置100は、左右両端且つ中央の位置B及び位置HにおけるL*値が他の位置と比べてやや低かったものの、いずれもL*値が95以上であった。すなわち、周辺部の領域におけるL*値が95以上であり、検査部31全体で明度の変化が抑えられていた。また、表2に示すように、中央の位置Eから離れるにつれてL*値が低下する傾向にあることがわかる。
<参考例2〜9>
まず、参考例1で用いた測色装置100において、検査部31の位置Eに設置した白色板によって白色補正を行った。
次に、検査部31の位置B及び位置Hに設置した白色板に対して測色処理を行い、各位置でのL*値を得た。表3に、B,H各位置でのL*値を示す。
続いて、位置Eと位置BとでのL*値の開き(差)、及び位置Eと位置HとでのL*値の開きを算出した上で、E位置とB,H位置とのL*値の開きの平均値を算出した。表3に得られたL*値の開きの平均値を示す。
上述した評価を、表3に示すように、検査台30に対する照射角度αを変更して、各々の角度αについて行った(参考例2〜9)。
また、L*値の開きの平均値から、L*値(明度)の評価を以下の基準で行った。
5点:特に優れる L*値の開きが0〜2.0未満
4点:優れる L*値の開きが2.0以上〜3.0未満
3点:良好 L*値の開きが3.0以上〜4.0未満
2点:可 L*値の開きが4.0以上〜5.0未満
1点:不可 L*値の開きが5.0以上
評価結果を表3に示す。
Figure 2019041204
表3から明らかなように、角度αが10〜45度の範囲内の参考例3〜8では、中央部の位置EでのL*値が100の場合に、端部の位置B,Hの位置でのL*値は95以上となることが分かる。一方、角度αが5度、60度の参考例2,9では、端部の位置B,Hの位置でのL*値が95を下回っていた。
<参考例10〜17>
まず、参考例1で用いた測色装置100において、位置Eに設置した白色板によって白色補正を行った。
次に、検査台30に基準サンプルを設置して測色処理を行い、位置E、位置B、及び位置Hの各位置でのCMYK値(C値、M値、Y値、K値)を得た。同様に、検査台30に検査用サンプルを設置して測色処理を行い、位置E、位置B、及び位置Hの各位置でのCMYK値を得た。検査用サンプルとして、オフセット印刷機を用いて印刷した印刷サンプルを用いた。また、基準サンプルとして、検査用サンプルとして用いられた印刷サンプルの色見本を用いた。
続いて、比較処理によって、基準サンプルの測色処理を行って得られたB,E,H各位置でのC濃度を100%としたときの、検査用サンプルの測色処理を行って得られたB,E,H各位置でのC濃度の比率(%)を、C濃度差として算出した。同様にして、M濃度差、Y濃度差、K濃度差についても、B,E,H各位置での値を算出した。表4に、C濃度差、M濃度差、Y濃度差、K濃度差について、B,E,H各位置での値を示す。
さらに、位置Eと位置BとでのC濃度差の開き(差)、及び位置Eと位置HとでのC濃度差の開きを算出した上で、E位置とB,H位置とのC濃度差の開きの平均値を算出した。同様にして、M濃度差、Y濃度差、K濃度差についても、E位置と、B,H位置とのC濃度差の開きの平均値を算出した。表4に、C濃度差、M濃度差、Y濃度差、K濃度差について、各濃度差の開きの平均値の値を示す。
そして、C濃度差、M濃度差、Y濃度差、K濃度差について、各濃度差の開きの平均値の値を平均することで、CMYK濃度全体で濃度差の開きの平均値(CMYK平均)を算出した。このCMYK平均は、基準サンプルの測色処理を行って得られたCMYK濃度と、検査用サンプルの測色処理を行って得られたCMYK濃度との差が、検査部31の中央部と周辺部とでどの程度開いているかを表すものである。
上述した評価を、表4に示すように、検査台30に対する照射角度αを変更して、各々の角度αについて行った(参考例10〜17)。
また、C濃度差、M濃度差、Y濃度差、及びK濃度差の各濃度差の開き(平均)から、CMYK値(色度)の各色について、濃度差の開きの評価を以下の基準で行った。さらに、各色の評価の平均値(CMYK平均)を算出した。
5点:特に優れる 濃度差の開きが0〜0.6未満
4点:優れる 濃度差の開きが0.6以上〜0.7未満
3点:良好 濃度差の開きが0.7以上〜0.8未満
2点:可 濃度差の開きが0.8以上〜1.0未満
1点:不可 濃度差の開きが1.0以上
評価結果を表4に示す。
Figure 2019041204
表4から明らかなように、参考例11〜16では、中央部の位置EにおけるCMYK濃度の差と、端部の位置B,HにおけるCMYK濃度の差との開きの平均値が、1以内に抑えられていた。一方、参考例10,17では、1を上回る結果となっていた。
表3の結果と表4との結果とあわせて検討すると、中央部の位置EでのL*値が100の場合に、端部の位置B,Hの位置でのL*値が95以上となる参考例11〜16では、検査用サンプルの場合と基準サンプルの場合とで色度の開きが少なくなることが裏付けられた。すなわち、中央部の領域と周辺部の領域とで明度の差が小さいことで、色度を評価する際に差が生じることを抑えて、色ムラを軽減できることが明らかとなった。
なお、参考例10〜17における、角度αとCMYK濃度の差の開きとの関係は、基準サンプルとしてマクベスチャートを用いて、検査用サンプルとして、マクベスチャートを複製した印刷物であってJIS Z 8723に準拠した視感比較によってマクベスチャートとの色差を知覚できないものを用いた場合にも、同様の傾向が得られた。
100 測色装置
200 生成システム
30 検査台
31 検査部
32a〜32c 位置合わせ板
40 照明装置
41 光源
42 筐体
51 撮像装置
61 処理装置
151 撮像部
152 表示部
170 処理部
171 補正部
172 変換部
173 分割部
174 比較部
175 重畳部
176 指定領域設定部
177 合成部
178 検査領域設定部
180 記憶部

Claims (6)

  1. 単面画像が多面付けされた多面付印刷物を撮影することで得られる多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する基準画像データ生成方法において、
    前記多面付印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置にて、前記単面画像が印刷された基準印刷物を撮影して複数の単面画像データを取得する単面撮影工程と、
    前記単面撮影工程で得られた複数の前記単面画像データを合成して、前記基準画像データを生成する合成工程とを有する
    ことを特徴とする、基準画像データ生成方法。
  2. 前記単面画像が所望の位置に配置された見本印刷物を検査台に設置して、前記検査台に設置した前記見本印刷物を撮影する見本撮影工程と、
    前記検査台に配置された前記基準印刷物を撮影して、前記基準印刷物を撮影した画像と、前記見本撮影工程で撮影した前記見本印刷物の画像とを重畳表示する表示工程と、
    前記表示工程で表示される前記基準印刷物の前記単面画像と、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像との位置が一致するように、前記基準印刷物を配置する配置工程とをさらに備え、
    前記単面撮影工程において、前記配置工程で配置された前記基準印刷物を撮影し、
    前記合成工程において、前記単面撮影工程で撮影された前記基準印刷物の複数の前記単面画像を、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で含む画像についての前記基準画像データを生成する、
    請求項1に記載の基準画像データ生成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の基準画像データ生成方法で生成された前記基準画像データの画像と、前記多面画像データの画像との色情報値を比較する
    ことを特徴とする、印刷物の検査方法。
  4. 前記基準画像データの画像と前記多面画像データの画像とを、それぞれ複数の領域に分割する分割工程と、
    前記分割工程で分割された画像を、任意の色空間の色情報値に変換する変換工程と、
    前記基準画像データの画像と前記多面画像データの画像とについて、前記分割工程で分割された同じ領域の画像の色情報値を比較する比較工程とを有する、
    請求項3に記載の印刷物の検査方法。
  5. 単面画像が多面付けされた多面付印刷物を撮影することで得られる多面画像データとの比較基準となる基準画像データを生成する基準画像データ生成システムにおいて、
    前記多面付印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置において、前記単面画像が印刷された基準印刷物を撮影して複数の単面画像データを取得する撮像装置と、
    前記撮像装置で得られた複数の前記単面画像データを合成して、前記基準画像データを生成する合成部とを有する
    ことを特徴とする、基準画像データ生成システム。
  6. 前記撮像装置で撮影される対象物を設置する検査台と、
    前記撮像装置で撮影された画像を表示する表示装置とをさらに備え、
    前記撮像装置が、前記検査台に配置された前記基準印刷物と、前記検査台に設置された、前記単面画像が所望の位置に配置された見本印刷物とをそれぞれ撮影し、
    前記表示装置が、前記基準印刷物を撮影した画像と、前記見本印刷物を撮影した画像とを重畳表示し、
    前記撮像装置が、前記表示装置で表示される、前記基準印刷物の前記単面画像と、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像との位置が一致する配置関係で配置された前記基準印刷物を撮影し、
    前記合成部が、前記撮像装置で撮影された前記基準印刷物の複数の前記単面画像を、前記見本印刷物に含まれる前記単面画像のそれぞれの位置に配置した位置関係で含む画像についての前記基準画像データを生成する、
    請求項5に記載の基準画像データ生成システム。
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