JP2019040431A - 異常判定装置、異常判定方法、プログラム、学習済みモデル、および学習済みモデルの生成方法 - Google Patents

異常判定装置、異常判定方法、プログラム、学習済みモデル、および学習済みモデルの生成方法 Download PDF

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佑一 中重
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Abstract

【課題】複数のパラメータの相関を鑑みて対象装置の異常を判定する。【解決手段】グループ取得部は、対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得する。距離特定部は、パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得されたパラメータグループの値との距離を特定する。出力部は、特定した距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、異常判定装置、異常判定方法、プログラム、学習済みモデル、および学習済みモデルの生成方法に関する。
特許文献1には、ガスタービンの圧縮機の健全性を監視するために、ガスタービンの運転パラメータを監視し、運転パラメータのばらつき測定を、ベースラインのばらつき測定と比較する技術が開示されている。
特許文献2には、機械設備の時系列データに基づいて機械設備の状態測度の推移を表す近似式を作成し、これに基づいて将来の状態測度を推定する技術が開示されている。
特許第6081057号公報 特開2016−128973号公報
ところで、ガスタービンなどの対象装置においては、複数のパラメータが互いに相関を持つため、あるパラメータの値だけを監視しても対象装置に異常があるか否かを判定することが困難であった。例えば、あるパラメータが同じ値を示していたとしても、あるときは対象装置が正常であり、またあるときは対象装置が異常であることがある。そのため、対象装置の異常の有無の判定の精度は、監視員の力量に依存していた。
本発明の目的は、複数のパラメータの相関に鑑みて対象装置の異常を判定することができる異常判定装置、異常判定方法、プログラム、学習済みモデル、および学習済みモデルの生成方法を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、異常判定装置は、対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するグループ取得部と、前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定する距離特定部と、特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力する出力部とを備える。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る異常判定装置は、前記対象装置の複数のパラメータに係る過去の値に基づいて、前記複数のパラメータから、前記パラメータグループを抽出するグループ抽出部をさらに備えるものであってよい。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様に係る異常判定装置は、複数のパラメータグループのそれぞれと前記対象装置の異常の種別との関係を示す異常関係情報を記憶する異常記憶部と、特定した前記距離が前記範囲を超える前記パラメータグループと前記異常関係情報とに基づいて、前記対象装置に生じ得る異常の種別を特定する異常特定部とをさらに備えるものであってよい。
本発明の第4の態様によれば、第3の態様に係る異常判定装置は、前記異常の種別と当該異常の種別に係る関係者の連絡先とを関連付けて記憶する連絡先記憶部をさらに備え、前記出力部は、前記異常特定部が特定した異常の種別に関連付けられた前記連絡先に前記アラームを出力するものであってよい。
本発明の第5の態様によれば、第3または第4の態様に係る異常判定装置は、前記対象装置の複数のパラメータに係る過去の値と、前記対象装置の過去の異常のデータとに基づいて、前記異常関係情報を生成する異常関係生成部をさらに備えるものであってよい。
本発明の第6の態様によれば、異常判定装置は、対象装置に係る少なくとも1つのパラメータの統計量を算出する統計量算出部と、対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するグループ取得部と、前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定する距離特定部と、特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力する出力部とを備え、前記パラメータグループを構成する少なくとも1つのパラメータは、前記統計量である。
本発明の第7の態様によれば、異常判定装置は、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように学習された正常判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定する正常判定部と、前記正常判定部によって、前記対象装置に異常があると判定された場合に、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から前記異常の種別ごとの確率を出力するように学習された種別判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の種別を判定する種別判定部と、判定された前記異常の種別をアラームとして出力する出力部とを備え、前記種別判定モデルの前記入力層および前記中間層は、前記正常判定モデルの前記入力層および前記中間層と同じ計算を行う層であり、前記種別判定モデルは、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えることなく学習されたものである。
本発明の第8の態様によれば、第7の態様に係る異常判定装置は、前記パラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように前記正常判定モデルを学習させる第1学習部と、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から異常の種別ごとの確率を出力するように、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えずに前記種別判定モデルを学習させる第2学習部と、を備えるものであってよい。
本発明の第9の態様によれば、第7または第8の態様に係る異常判定装置は、前記対象装置に異常がない場合に、前記対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記正常判定モデルを更新する第1更新部と前記対象装置に異常がある場合に、前記対象装置に係るパラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記種別判定モデルを更新する第2更新部と、をさらに備えるものであってよい。
本発明の第10の態様によれば、異常判定装置は、対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するグループ取得部と、取得された前記パラメータグループの値が、前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準範囲に含まれるか否かを判定する正常判定部と、取得された前記パラメータグループの値が、前記基準範囲に含まれない場合に、アラームを出力する出力部とを備える。
本発明の第11の態様によれば、異常判定方法は、対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するステップと、前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定するステップと、特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力するステップとを有する。
本発明の第12の態様によれば、異常判定方法は、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように学習された正常判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定するステップと、前記対象装置に異常があると判定された場合に、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から前記異常の種別ごとの確率を出力するように学習された種別判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の種別を判定するステップと、判定された前記異常の種別をアラームとして出力するステップとを有し、前記種別判定モデルの前記入力層および前記中間層は、前記正常判定モデルの前記入力層および前記中間層と同じ計算を行う層であり、前記種別判定モデルは、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えることなく学習されたものである。
本発明の第13の態様によれば、学習済みモデルの生成方法は、対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように、正常判定モデルを学習させるステップと、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から異常の種別ごとの確率を出力するように、前記入力層および前記中間層で前記正常判定モデルと同じ計算を行う種別判定モデルを、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えずに学習させるステップと、を有する。
本発明の第14の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するステップと、前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定するステップと、特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力するステップとを実行させる。
本発明の第15の態様によれば、ための学習済みモデルは、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように学習された正常判定モデルと、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から前記異常の種別ごとの確率を出力するように学習された種別判定モデルと、を含み、前記種別判定モデルの前記入力層および前記中間層は、前記正常判定モデルの前記入力層および前記中間層と同じ計算を行う層であり、前記種別判定モデルは、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えることなく学習されたものであり、コンピュータに、前記正常判定モデルの入力層に入力された前記パラメータの値から、前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するステップと、前記種別判定モデルの入力層に入力された前記パラメータの値から、前記対象装置の異常の種別ごとの確率を出力するステップと、を実行させる。
本発明の第16の態様によれば、第1から第9のいずれかの態様に係る異常判定装置において、前記パラメータは、タービン負荷、圧縮機入口温度、入口抽気熱状態、圧縮機圧力比、圧縮機吐出温度、タービン効率、タービン入口流量、タービン出力、および排気温度の少なくとも1つを含むものであってよい。
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、判定装置は、複数のパラメータの相関に鑑みて対象装置の異常を判定することができる。
第1の実施形態に係る異常判定システムの構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態に係るグループ記憶部が記憶する情報の例を示す図である。 第1の実施形態に係る出力部が出力するアラームの例を示す図である。 第1の実施形態に係る異常判定装置による異常判定方法を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る異常判定装置の構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態に係るグループ記憶部が記憶する情報の例を示す図である。 第4の実施形態に係る異常判定装置の構成を示す概略ブロック図である。 第4の実施形態に係る異常判定装置による判定準備方法の動作を示すフローチャートである。 第5の実施形態に係る異常判定装置の構成を示す概略ブロック図である。 第5の実施形態に係るモデルの学習方法の模式図である。 第5の実施形態に係る異常判定装置による学習済みモデルの生成方法を示すフローチャートである。 第5の実施形態に係る異常判定装置による異常判定方法を示すフローチャートである。 少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。 少なくとも1つの実施形態に係る対象装置の例であるガスタービンの模式図である。
〈定義〉
「特定する」とは、第1の値を用いて複数の値を取り得る第2の値を定めることである。例えば、「特定する」は、第1の値から第2の値を算出すること、第1の値から第2の値を生成すること、テーブルを参照して第1の値に対応する第2の値を読み出すこと、第1の値をクエリとして第2の値を検索すること、第1の値に基づいて複数の候補の中から第2の値を選択することを含む。
「取得する」とは、処理に用いる値を得ることである。例えば、「取得する」は、値を受信すること、値を計測すること、値の入力を受け付けること、テーブルから値を読み出すこと、ある値から他の値を算出することを含む。
「判定する」とは、所定の判断基準に従って状態や値を判別することである。
〈第1の実施形態〉
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る異常判定システムの構成を示す概略ブロック図である。
異常判定システム1は、対象装置10、制御装置20、計測装置30、異常判定装置40を備える。
対象装置10は、異常判定システム1における異常の判定対象となる装置である。本実施形態に係る対象装置10は、例えばガスタービンである。なお、第1の実施形態に係る対象装置10の他の例としては、蒸気タービン、ボイラ、石炭ガス化炉などのGTCC(Gas Turbine Combined Cycle)を構成する他の装置、環境プラント、化学プラントなどの他の発電プラントを構成する装置や、航空機のような交輸システムが挙げられる。
制御装置20は、対象装置10を制御するための制御信号を生成する。対象装置10は、制御信号に従って動作する。当該制御信号は、異常判定装置40にも入力される。制御信号は、対象装置10に係るパラメータの一例である。
計測装置30は、対象装置10の状態量の値を計測する。状態量は、タービン負荷、圧縮機入口温度、入口抽気熱状態、圧縮機圧力比、圧縮機吐出温度、タービン効率、タービン入口流量、タービン出力、および排気温度を含む。状態量は、異常判定装置40に入力される。状態量は、対象装置10に係るパラメータの一例である。
異常判定装置40は、制御装置20および計測装置30から入力される対象装置10に係るパラメータの値に基づいて、対象装置10に異常が生じているか否かを判定する。
異常判定装置40は、パラメータ取得部401、正常履歴記憶部402、基準線特定部403、グループ記憶部404、グループ取得部405、距離特定部406、異常特定部407、出力部408を備える。
パラメータ取得部401は、制御装置20および計測装置30から対象装置10に係るパラメータを取得する。
正常履歴記憶部402は、過去に取得された正常時における対象装置10に係るパラメータを、時刻ごとに記憶する。
基準線特定部403は、互いに関連する2以上のパラメータの組み合わせであるパラメータグループごとに、当該パラメータグループに属するパラメータどうしの標準的な相関を表す基準線を特定する。例えば、基準線特定部403は、パラメータグループに属するパラメータの値を正常履歴記憶部402から読み出し、最小二乗法により近似曲線を計算することで、基準線を特定する。基準線は直線でも曲線でもよい。パラメータグループの例としては、タービン出力と圧縮機入口温度の組み合わせ、タービン出力と圧縮機吸気流量の組み合わせが挙げられる。第1の実施形態に係るパラメータグループは、経験則から特定される。
図2は、第1の実施形態に係るグループ記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
グループ記憶部404は、パラメータグループごとに、当該パラメータグループを構成するパラメータと、当該パラメータグループの基準線と、当該パラメータグループに係る相関が崩れたときに生じ得る異常の種別とを関連付けて記憶する。基準線は、例えば数式としてグループ記憶部404に記憶される。異常の種別の例としては、異常が発生した部位、対象装置10の状態(過熱、停止など)、損傷の内容(腐食、変形、破損など)が挙げられる。グループ記憶部404が記憶する情報は、複数のパラメータグループのそれぞれと対象装置10の異常の種別との関係を示す異常関係情報の一例である。つまり、グループ記憶部404は、異常記憶部の一例である。第1の実施形態において、パラメータグループと異常の種別との関係は、経験則から特定される。
グループ取得部405は、パラメータグループごとに、パラメータ取得部401が取得した複数のパラメータの値の中から、当該パラメータグループに係る値を取得する。例えば、対象のパラメータグループが、タービン出力と圧縮機吸気流量の組み合わせである場合、グループ取得部405は、パラメータ取得部401が取得した複数のパラメータの値の中から、タービン出力の値と、圧縮機吸気流量の値を取得する。
距離特定部406は、パラメータグループごとに、基準線とグループ取得部405が取得した値との距離を特定する。基準線と値との距離は、例えば、基準線と値とを結ぶ法線の長さによって表される。
異常特定部407は、距離特定部406が特定したパラメータグループごとの距離と、グループ記憶部404が記憶する情報とに基づいて、対象装置10の異常の有無を特定する。異常特定部407は、対象装置10に異常があると判定した場合には、さらに異常の種別を特定する。
出力部408は、異常特定部407が特定した異常の有無および異常の種別を示すアラームを出力させる出力信号を、対象装置10の監視員等が所有する端末装置に出力する。
図3は、第1の実施形態に係る出力部が出力するアラームの例を示す図である。
アラームAは、パラメータグループを構成するパラメータを軸にとったグラフA1と、異常の種別を表すメッセージA2とを含む。グラフA1には、基準線A11と、異常の閾値線A12と、正常履歴記憶部402が記憶する過去のパラメータの値(過去値)のプロットA13と、パラメータ取得部401が新たに取得したパラメータの値(現在値)のプロットA14とが含まれる。過去値のプロットA13と現在値のプロットA14とは異なる態様(色、大きさ、形などの少なくともいずれか1つが異なる態様)で表される。
ここで、第1の実施形態に係る異常判定装置40の動作について説明する。図4は、第1の実施形態に係る異常判定装置による異常判定方法を示すフローチャートである。異常判定装置40は、以下の異常判定処理を開始する前に、正常履歴記憶部402に、基準線の特定に十分な量のパラメータの値を蓄積させておく。また基準線特定部403は、各パラメータグループについて基準線を特定し、グループ記憶部404に記録しておく。
異常判定装置40は、所定の周期に係るタイミングごとに、図4に示す異常判定処理を実行する。まず、異常判定装置40のパラメータ取得部401は、制御装置20および計測装置30から対象装置10に係る複数のパラメータの値を取得する(ステップS1)。次に、異常判定装置40は、グループ記憶部404が記憶するパラメータグループを1つずつ選択し(ステップS2)、パラメータグループごとに、以下のステップS3からステップS5の処理を実行する。
グループ取得部405は、パラメータ取得部401が取得した複数のパラメータの値の中から、選択されたパラメータグループに係る値を取得する(ステップS3)。距離特定部406は、グループ記憶部404から、選択されたパラメータグループに関連付けられた基準線を特定する(ステップS4)。距離特定部406は、特定した基準線と取得した値との距離を特定する(ステップS5)。
すべてのパラメータグループについてステップS3からステップS5の処理を実行すると、異常特定部407は、すべてのパラメータグループに係る距離が、所定範囲内にあるか否かを判定する(ステップS6)。所定範囲の例としては、基準線上の値のプラスマイナス10%に相当する距離の範囲が挙げられる。
すべてのパラメータグループに係る距離が所定範囲内にある場合(ステップS6:YES)、異常特定部407は、パラメータ取得部401がステップS1で取得した複数のパラメータの値を、正常履歴記憶部402に記録する(ステップS7)。このとき、異常特定部407は、正常履歴記憶部402に記憶されている複数のパラメータの値のうち、所定時間(例えば、1か月)以上が経過しているものを削除してもよい。そして、基準線特定部403は、各パラメータグループの基準線を再計算し、グループ記憶部404に記録する(ステップS8)。
他方、少なくとも1つのパラメータグループに係る距離が所定範囲を超える場合(ステップS6:NO)、異常特定部407は、距離が範囲を超えたパラメータグループに関連付けられた異常の種別を、グループ記憶部404から読み出す(ステップS9)。そして、出力部408は、距離が範囲を超えたパラメータグループを表すグラフと、異常の種別を表すメッセージとを含むアラームを出力する(ステップS10)。
このように、第1の実施形態に係る異常判定装置40は、対象装置10に係るパラメータグループについて、パラメータどうしの相関を表す基準線と取得された値との距離が所定の範囲を超える場合にアラームを出力する。これにより、第1の実施形態に係る異常判定装置40は、過去の状態を踏まえて部品故障や部品劣化などの異常を適切に検出することができる。
例えば、タービン入口温度は、異なるタイミングにおいて同じ値であったとしても、上昇中であるか下降中であるかによって、タービン入口温度が将来にとり得る値の範囲は異なる。一方で、タービン入口温度は、上昇中であるか下降中であるかによらずタービン出力に応じた値をとるため、タービン入口温度とタービン出力の組み合わせは、当該組み合わせに係る基準線から逸脱しない。
また、第1の実施形態に係る異常判定装置40は、距離が所定範囲を超えるパラメータグループに基づいて、グループ記憶部404が記憶する情報を参照し、対象装置10に生じ得る異常の種別を特定する。これにより、対象装置10の監視者は、異常の有無のみならず、異常の種別をも認識することができる。他方、他の実施形態に係る異常判定装置40は、必ずしも異常の種別を特定しなくてもよい。例えば、他の実施形態に係る異常判定装置40は、異常の有無を特定し、異常の有無を示すアラームを出力するものであってもよい。また、異常の種別を特定しない場合、パラメータグループの数は1つであってもよい。
対象装置10に係るパラメータは、状態量そのものに限られず、状態量の変化量や変化率であってもよい。例えば、圧縮機入口温度の単位時間当たりの変化量や変化率、圧縮機吐出温度の単位時間当たりの変化量や変化率、タービン入口流量の単位時間当たりの変化量や変化率、排気温度の単位時間当たりの変化量や変化率などをパラメータとしてもよい。
〈第2の実施形態〉
第1の実施形態に係る異常判定装置40は、制御装置20および計測装置30から取得したパラメータの値に基づいて異常の判定を行う。これに対し、第2の実施形態に係る異常判定装置40は、制御装置20および計測装置30から取得したパラメータの値から他のパラメータの値を算出し、少なくとも当該他のパラメータの値を含むパラメータグループに基づいて異常の判定を行う。すなわち、第2の実施形態に係るパラメータは、制御装置20および計測装置30から取得したパラメータを加工したパラメータを含む。
図5は、第2の実施形態に係る異常判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態に係る異常判定装置40は、第1の実施形態の構成に加え、さらに統計量算出部409と運転モード推定部410とを備える。
統計量算出部409は、パラメータ取得部401が取得したパラメータの統計量を算出する。統計量(ばらつき測定)は、散布度および代表値を含む。散布度の例としては、標準偏差、分散、範囲が挙げられる。代表値の例としては、平均値、中央値、分位値、最頻値が挙げられる。パラメータの統計量は、所定の時間ウィンドウにわたって得られたパラメータの統計量であってもよい。またパラメータの統計量は、対象装置10の複数個所で計測されたパラメータの値の差の平均値であってもよい。
運転モード推定部410は、パラメータ取得部401が取得したパラメータの値に基づいて、対象装置10の運転モードを推定する。運転モード推定部410は、対象装置10の抽気熱の値に基づいて対象装置10の運転モードを推定してもよい。具体的には、運転モード推定部410は、パラメータ取得部401が取得した抽気熱がオンであるか否かに基づいて対象装置10の状態を推定する。また運転モード推定部410は、対象装置10の圧縮機入口温度の値に基づいて対象装置10の運転モードを推定してもよい。具体的には、運転モード推定部410は、パラメータ取得部401が取得した圧縮機入口温度の差が閾値より高いか否かに基づいて、対象装置10の状態を推定する。また運転モード推定部410は、対象装置10の圧縮機圧力比の値に基づいて対象装置10の運転モードを推定してもよい。
パラメータの統計量および運転モードは、いずれもパラメータの一例である。したがって、グループ記憶部404が記憶するパラメータグループを構成するパラメータの少なくとも1つが、パラメータの統計量または運転モードであってよい。
つまり、パラメータグループは、パラメータの統計量と運転モードとの組み合わせであってもよい。この場合、グループ記憶部404には、運転モードとパラメータの統計量との関係を示す基準線が記憶される。そのため、距離特定部406は、運転モードとパラメータの統計量との組み合わせと、基準線との比較により距離を特定する。
〈第3の実施形態〉
第1、第2の実施形態に係る異常判定装置40は、対象装置10の監視者が所有する端末装置にアラームを出力する。一方で、対象装置10が大型で複雑である場合、対象装置10の部位ごとに監視者が割り振られていることがある。この場合、各監視者にすべての異常に係るアラームが通知されると、認識しなければならないアラームが埋もれてしまう可能性がある。第3の実施形態に係る異常判定装置40は、異常の種別に応じてアラームを出力すべき監視者を決定する。
第3の実施形態に係る異常判定装置40は、グループ記憶部404が記憶する情報が、第1、第2の実施形態と異なる。図6は、第3の実施形態に係るグループ記憶部が記憶する情報の例を示す図である。第3の実施形態に係る異常判定装置40は、パラメータグループ、基準線、異常の種別に加え、さらに当該異常の種別に係る関係者の連絡先を記憶する。連絡先の例としては、メールアドレスや電話番号が挙げられる。つまり、異常判定装置40は、連絡先記憶部の一例である。
そして、出力部408は、異常特定部407が特定した異常の種別に関連付けられた連絡先にアラームを出力する。
このように、第3の実施形態によれば、異常判定装置40は、異常の種別に応じてアラームを出力すべき監視者を決定する。これにより、各監視者に必要なアラームだけが通知されるため、認識しなければならないアラームが埋もれてしまう可能性を低減することができる。
〈第4の実施形態〉
第1から第3の実施形態に係る異常判定装置40は、パラメータグループを経験則により決定する。これに対し、第4の実施形態に係る異常判定装置40は、人工知能を用いて対象装置の過去のパラメータの値からパラメータグループを決定し、また各パラメータグループに関連する以上の種別を決定する。
図7は、第4の実施形態に係る異常判定装置の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態に係る異常判定装置40は、第2の実施形態の構成に加え、さらにグループ抽出部411と異常履歴記憶部412と異常関係生成部413を備える。
グループ抽出部411は、正常履歴記憶部402が記憶する情報をもとに、複数のパラメータグループを抽出する。例えば、グループ抽出部411は、次元削減手段によって正常履歴記憶部402が記憶する複数のパラメータの次元数を削減し、削減後の各次元を解析することで、相関の高いパラメータの組み合わせを抽出することができる。次元削減手段の例としては、主成分分析、独立成分分析、特異値分解、回帰分析、ニューラルネットワーク、ディープラーニングなどが挙げられる。なお、ディープラーニングを用いる場合、中間層を3層以上で構成することが好ましい。
異常履歴記憶部412は、過去に取得された異常時における対象装置10に係るパラメータを、異常の種別と時刻とに関連付けて記憶する。
異常関係生成部413は、異常履歴記憶部412が記憶する情報をもとに、グループ抽出部411が抽出した各パラメータグループに関連する異常の種別を特定する。
ここで、第4の実施形態に係る異常判定装置40の動作について説明する。図8は、第4の実施形態に係る異常判定装置による判定準備方法の動作を示すフローチャートである。異常判定装置40は、以下の判定準備処理を開始する前に、正常履歴記憶部402に、パラメータグループの特定に十分な量のパラメータの値を蓄積させておく。また異常履歴記憶部412に、パラメータグループへの異常の種別の割り当てに十分な量のパラメータの値と異常の種別の組み合わせを蓄積させておく。
以下、正常履歴記憶部402が、P種類のパラメータの組み合わせについて、Q個のサンプル(値)を記憶しているものとして説明する。つまり、正常履歴記憶部402が記憶する情報は、P×Qの行列Xとして表すことができる。P種類のパラメータには、パラメータの統計量および運転モードが含まれる。
異常判定装置40のグループ抽出部411は、正常履歴記憶部402が記憶するP×Qの行列Xに対して主成分分析を行うことで、行列Xを、第1主成分から第P主成分までの主成分を軸とする空間に射影する(ステップS101)。主成分分析により、各主成分は、第1主成分から順に各成分の分散が最大化するように選ばれる。各主成分は、P種類のパラメータのそれぞれに係る重み係数によって表される。グループ抽出部411は、第1主成分から順に抽出すべきパラメータグループの数L個の主成分を抽出することで、次元数をP次元からL次元に削減する(ステップS102)。グループ抽出部411は、抽出した主成分のそれぞれについて、重み係数の絶対値が大きいパラメータをN個抽出することで、N個のパラメータから構成されるL個のパラメータグループを抽出する(ステップS103)。
なお、抽出されるパラメータの数Nは、重み係数の絶対値の閾値に基づいて決定されてもよいし、固定値であってもよい。重み係数の絶対値が大きいということは、その重み係数に係るパラメータの値が主成分に与える影響が大きいということである。つまり、重み係数の絶対値が大きいパラメータどうしは、その主成分において互いに相関を有していることがわかる。
グループ抽出部411は、抽出したL個のパラメータグループを、グループ記憶部404に記録する(ステップS104)。基準線特定部403は、正常履歴記憶部402が記憶する情報に基づいて、各パラメータグループの基準線を特定する(ステップS105)。基準線は、主成分分析で得られた各主成分を射影前の空間にマッピングしたものであってもよい。基準線特定部403は、特定した基準線を、パラメータグループに関連付けてグループ記憶部404に記録する(ステップS106)。
次に、異常関係生成部413は、異常履歴記憶部412が記憶するQ個の値の組み合わせのそれぞれについて、各パラメータグループに係る基準線からの距離を算出する(ステップS107)。つまり、異常関係生成部413は、Q×L個の距離を算出する。異常関係生成部413は、異常の種別ごとに、当該種別に関連付けられた値の組み合わせに基づいて、パラメータグループごとの距離の代表値および分布度を算出する(ステップS108)。異常の種別の数がM個である場合、M×L個の代表値および分布度を算出する。
異常関係生成部413は、異常の種別ごとに、算出した代表値が相対的に大きく、かつ分布度が相対的に小さいパラメータグループを抽出する(ステップS109)。例えば、異常関係生成部413は、代表値と分布度をそれぞれ正規化し、分布度の逆数と代表値の積が最も大きくなるパラメータグループを抽出する。異常関係生成部413は、代表値が閾値以上かつ分布度が閾値以下となる複数のパラメータグループの中から、パラメータグループを抽出してもよい。なお、パラメータグループの距離の代表値が大きいということは、その種別の異常が、そのパラメータグループに係るパラメータどうしの相関に大きく影響することを表す。また、パラメータグループの距離の散布度が小さいということは、その種別の異常に対する、そのパラメータグループの情報の確実性が高い(エントロピーが低い)ことを示す。異常関係生成部413は、各異常の種別を、抽出されたパラメータグループに関連付けてグループ記憶部404に記録する(ステップS110)。
これにより、異常判定装置40は、グループ記憶部404に、パラメータグループと、基準線と、異常の種別とを関連付けて記憶させることができる。そして、異常判定装置40は、図4に示す異常判定処理を実行する。なお、上述の判定準備方法は、初期設定段階でのみ実行されるものに限られない。例えば、異常判定装置40は、図4に示す異常判定処理を実行するたびに、または所定周期に係るタイミングごとに、上述の判定準備方法を実行することで、常にグループ記憶部404が記憶する情報を学習・進歩させてもよい。
このように、第4の実施形態によれば、異常判定装置40は、対象装置10の複数のパラメータに係る過去の値に基づいて、複数のパラメータからパラメータグループを抽出する。これにより、異常判定装置40は、人手によらずにパラメータグループを決定することができる。
また、第4の実施形態によれば、異常判定装置40は、対象装置10の複数のパラメータに係る過去の値と、対象装置10の過去の異常のデータとに基づいて、複数のパラメータグループのそれぞれと対象装置10の異常の種別との関係を特定する。これにより、異常判定装置40は、人手によらずにパラメータグループと異常の種別との関係を特定することができる。
なお、第4の実施形態に係る異常判定装置40は、パラメータグループの自動抽出と、パラメータグループに対応する異常の種別の自動特定の両方を行う場合について説明したが、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、グループ抽出部411によってパラメータグループの自動で抽出し、パラメータグループに対応する異常の種別を手動で特定してもよい。また例えば、他の実施形態においては、パラメータグループを手動で特定し、異常関係生成部413によってパラメータグループに対応する異常の種別を自動で特定してもよい。
なお、第4の実施形態に係るグループ抽出部411は、主成分分析によりパラメータグループを抽出するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係るグループ抽出部411は、ベイジアンネットワーク、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ディープラーニングなどの機械学習を用いてパラメータグループと異常の種別との関係を特定してもよい。また例えば、他の実施形態に係るグループ抽出部411は、複数のパラメータをクラスタリングし、各クラスタに属するパラメータをパラメータグループに決定するものであってもよい。この場合のクラスタリングは、ファジィクラスタリングであってよい。
なお、第4の実施形態に係る異常関係生成部413は、統計量の分析によりパラメータグループと異常の種別との関係を特定するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る異常関係生成部413は、機械学習などの他の人工知能技術によりパラメータグループと異常の種別との関係を特定してもよい。例えば、クラスタリングによりパラメータグループを決定する場合、異常関係生成部413は、予め異常の種別との関係が既知のパラメータを初期クラスタとしておくことで、異常の種別とパラメータグループとを関連付けることができる。
なお、第4の実施形態に係る異常判定装置40は、パラメータグループの抽出およびパラメータグループに対応する異常の種別の特定を行い、さらに対象装置10の異常の有無および異常の種別の判定を行うが、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、パラメータグループの抽出およびパラメータグループに対応する異常の種別の特定を行う装置と、対象装置10の異常の有無および異常の種別の判定を行う装置とが別個に設けられてもよい。すなわち、学習済みモデルの生成を行う学習装置と、学習済みモデルを用いた計算を行う異常判定装置40とが、別個の装置であってもよい。
〈第5の実施形態〉
第5の実施形態に係る異常判定装置40は、機械学習技術を用いて対象装置10の異常の有無および異常の種別を判定する。
図9は、第5の実施形態に係る異常判定装置の構成を示す概略ブロック図である。第5の実施形態に係る異常判定装置40は、パラメータ取得部501、統計量算出部502、運転モード推定部503、正常履歴記憶部504、異常履歴記憶部505、正常判定モデル記憶部506、種別判定モデル記憶部507、第1学習部508、第2学習部509、第1更新部510、第2更新部511、正常判定部512、種別特定部513、出力部514を備える。
パラメータ取得部501は、制御装置20および計測装置30から対象装置10に係るパラメータを取得する。
統計量算出部502は、パラメータ取得部501が取得したパラメータの統計量を算出する。パラメータの統計量は、所定の時間ウィンドウにわたって得られたパラメータの統計量であってもよい。またパラメータの統計量は、対象装置10の複数個所で計測されたパラメータの値の差の平均値であってもよい。
運転モード推定部503は、パラメータ取得部501が取得したパラメータの値に基づいて、対象装置10の運転モードを推定する。運転モード推定部503は、対象装置10の抽気熱の値、圧縮機入口温度の値、または圧縮機圧力比に基づいて対象装置10の運転モードを推定してもよい。
正常履歴記憶部504は、過去に取得された正常時における対象装置10に係るパラメータを、時刻ごとに記憶する。正常履歴記憶部504が記憶するパラメータには、パラメータの統計値および運転モードが含まれる。
異常履歴記憶部505は、過去に取得された異常時における対象装置10に係るパラメータを、異常の種別と時刻とに関連付けて記憶する。異常履歴記憶部505が記憶するパラメータには、パラメータの統計値および運転モードが含まれる。
正常判定モデル記憶部506は、入力層、中間層、および出力層を有するニューラルネットワークまたはディープラーニングモデルである正常判定モデルを記憶する。正常判定モデルがディープラーニングモデルである場合、中間層が3層以上で構成されることが好ましい。中間層のノード数は入力層のノード数より少ない。
正常判定モデルは、パラメータ取得部501が取得したパラメータの値、統計量算出部502が算出した統計量、および運転モード推定部503が推定した運転モードから、対象装置10が正常であるか否かを判定に用いる情報を生成する。対象装置10が正常であるか否かを判定に用いる情報の例としては、正常である確率や、正常状態の対象装置10に係る各パラメータの相関を表す基準線に係る値などが挙げられる。正常判定モデルが出力する情報が基準線に係る値である場合、入力された各パラメータの値と出力された値との距離を求め、当該距離が所定範囲を超えるか否かを判定することで、対象装置10の異常の有無を判定することができる。正常判定モデルがオートエンコーダである場合、当該正常判定モデルが出力する情報は基準線に係る値となる。
種別判定モデル記憶部507は、入力層、中間層、および出力層を有するニューラルネットワークまたはディープラーニングモデルである種別判定モデルを記憶する。種別判定モデルの入力層および中間層の各ノードの重み係数および活性化関数は、正常判定モデルの入力層および中間層の各ノードの重み係数および活性化関数と等しい。
種別判定モデルは、パラメータ取得部501が取得したパラメータの値、統計量算出部502が算出した統計量、および運転モード推定部503が推定した運転モードから、対象装置10の異常の種別ごとの確率を生成する。すなわち、種別判定モデルの出力層のノードの数は、異常の種別の数と等しい。
図10は、第5の実施形態に係るモデルの学習方法の模式図である。
第1学習部508は、正常履歴記憶部504が記憶する複数のパラメータの値を教師データとして、オートエンコーダにより正常判定モデルM1の入力層M11と中間層M12の学習を行う。正常判定モデルM1の中間層M12のノード数は、入力層M11のノード数より少ないため、当該学習により、中間層M12の出力は、複数のパラメータどうし相関を表す情報となる。正常判定モデルM1がオートエンコーダである場合、学習されたオートエンコーダをそのまま正常判定モデルM1としてもよい。つまり、第1学習部508は、オートエンコーダにより正常判定モデルM1の入力層M11と中間層M12と出力層M13の学習を行ってもよい。正常判定モデルが正常である確率を出力する場合、第1学習部508は、正常履歴記憶部504が記憶する複数のパラメータの値を教師データとして入力層M11と中間層M12の重み係数および活性化関数を変更しないように、さらに出力層M13の学習を行う。
第2学習部509は、第1学習部508によって学習された正常判定モデルM1の入力層M11および中間層M12を、種別判定モデルM2の入力層M21および中間層M22として採用し、種別判定モデルM2の出力層M23の学習を行う。第2学習部509は、異常履歴記憶部505が記憶する複数のパラメータの値と異常の種別の組み合わせを教師データとして、入力層M21と中間層M22の重み係数および活性化関数を変更しないように、種別判定モデルM2の出力層M23の学習を行う。なお、教師データとしての異常の種別は、種別判定モデルM2が出力すべき異常の種別ごとの発生確率として表されるため、該当する種別の確率を1、他の種別の確率を0とするベクトルとして種別判定モデルM2に与えられる。
第1更新部510は、対象装置10に異常がない場合に、そのときの対象装置10に係るパラメータの値を教師データとして、正常判定モデルM1の入力層M11、中間層M12、および出力層M13を再学習させる。
第2更新部511は、対象装置10に異常がある場合に、そのときの対象装置10に係るパラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、入力層M21と中間層M22の重み係数および活性化関数を変更しないように、種別判定モデルM2の出力層を再学習させる。
正常判定部512は、パラメータ取得部501が取得したパラメータの値、統計量算出部502が算出した統計量、および運転モード推定部503が推定した運転モードを、正常判定モデルに入力する。正常判定部512は、正常判定モデルが出力する情報に基づいて、対象装置10が正常であるか否かを判定する。
種別特定部513は、正常判定部512によって対象装置10が異常であると判定された場合に、種別判定モデルが出力する異常の種別ごとの確率に基づいて、対象装置10の異常の種別を特定する。例えば、種別特定部513は、確率の最も高い異常の種別を、対象装置10に生じ得る異常の種別と特定してもよいし、確率が所定の閾値以上となる異常の種別を、対象装置10に生じ得る異常の種別と特定してもよい。
出力部514は、正常判定部512が判定した対象装置10の異常の有無と、種別特定部513が判定した異常の種別を示すアラームを出力させる出力信号を、対象装置10の監視員等が所有する端末装置に出力する。
ここで、第5の実施形態に係る異常判定装置40の動作について説明する。図11は、第5の実施形態に係る異常判定装置による学習済みモデルの生成方法を示すフローチャートである。異常判定装置40は、以下のモデルの学習処理を開始する前に、正常履歴記憶部504および異常履歴記憶部505に、モデルの学習に十分な量のパラメータの値を蓄積させておく。
まず、第1学習部508は、正常履歴記憶部504が記憶する複数のパラメータの値を教師データとして、オートエンコーダにより正常判定モデルM1の入力層M11と中間層M12の学習を行う(ステップS201)。次に、第1学習部508は、正常履歴記憶部504が記憶する複数のパラメータの値を教師データとして入力層M11と中間層M12の重み係数および活性化関数を変更しないように、正常判定モデルM1の出力層M13の学習を行う(ステップS202)。
次に、第2学習部509は、第1学習部508によって学習された正常判定モデルM1の入力層M11および中間層M12を、種別判定モデルM2の入力層M21および中間層M22にコピーすることで、初期状態の種別判定モデルM2を生成する(ステップS203)。第2学習部509は、異常履歴記憶部505が記憶する複数のパラメータの値と異常の種別の組み合わせを教師データとして、入力層M21と中間層M22の重み係数および活性化関数を変更しないように、種別判定モデルM2の出力層M23の学習を行う(ステップS204)。
第1学習部508は、学習済みの正常判定モデルM1を正常判定モデル記憶部506に記録する。第2学習部509は、学習済みの種別判定モデルM2を種別判定モデル記憶部507に記録する(ステップS205)。
図12は、第5の実施形態に係る異常判定装置による異常判定方法を示すフローチャートである。
異常判定装置40は、所定の周期に係るタイミングごとに、図12に示す異常判定処理を実行する。まず、異常判定装置40のパラメータ取得部501は、制御装置20および計測装置30から対象装置10に係る複数のパラメータの値を取得する(ステップS251)。次に、統計量算出部502は、パラメータ取得部501が取得したパラメータの値の統計量を算出する(ステップS252)。次に、運転モード推定部503は、パラメータ取得部501が取得したパラメータの値に基づいて対象装置10の運転モードを推定する(ステップS253)。
次に、正常判定部512は、正常判定モデル記憶部506が記憶する正常判定モデルM1に、ステップS251からステップS253で得られたパラメータの値を入力する(ステップS254)。これにより、正常判定モデルM1は、対象装置10の異常の有無の判定に用いる情報を出力する。正常判定部512は、対象装置10の異常の有無の判定に用いる情報に基づいて、対象装置10に異常があるか否かを判定する(ステップS255)。
正常判定部512が対象装置10に異常があると判定した場合(ステップS255:YES)、種別特定部513は、種別判定モデル記憶部507が記憶する種別判定モデルM2に、ステップS251からステップS253で得られたパラメータの値を入力する(ステップS256)。これにより、種別判定モデルM2は、異常の種別ごとの確率を出力する。種別特定部513は、異常の種別ごとの確率に基づいて、対象装置10の異常の種別を特定する(ステップS257)。出力部514は、異常が生じた旨、および異常の種別を表すメッセージを含むアラームを出力する(ステップS258)。
正常判定部512が対象装置10に異常がないと判定した場合(ステップS255:NO)、または出力部514がアラームを出力した場合、対象装置10の監視者は、実際の対象装置10が正常であるか否かを確認し、確認結果を示す情報を異常判定装置40に入力する。対象装置10が異常である場合、確認結果を示す情報は、異常の種別を含む。異常判定装置40は、入力された情報が、対象装置10が異常であることを示すか否かを判定する(ステップS259)。
入力された情報が、対象装置10が異常であることを示す場合(ステップS259:YES)、第2更新部511は、ステップS251からステップS253で得られたパラメータの値と、入力された情報に含まれる異常の種別とを関連付けて異常履歴記憶部505に記録する(ステップS260)。第2更新部511は、記録した対象装置10に係るパラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、入力層M21と中間層M22の重み係数および活性化関数を変更しないように、種別判定モデルM2の出力層を再学習させ、種別判定モデル記憶部507が記憶する種別判定モデルM2を更新する(ステップS261)。
入力された情報が、対象装置10が異常でないことを示す場合(ステップS259:NO)、第2更新部511は、ステップS251からステップS253で得られたパラメータの値を正常履歴記憶部504に記録する(ステップS262)。第1更新部510は、記録した対象装置10に係るパラメータの値を教師データとして、正常判定モデルM1の入力層M11、中間層M12、および出力層M13を再学習させ、正常判定モデル記憶部506が記憶する正常判定モデルM1を更新する(ステップS263)。また、第2更新部511は、種別判定モデル記憶部507が記憶する種別判定モデルM2の入力層M11および中間層M12を、更新された正常判定モデルM1の入力層M11および中間層M12で上書きすることで、種別判定モデルM2を更新する(ステップS264)。
このように、第5の実施形態によれば、異常判定装置40は、機械学習技術を用いて、対象装置10の異常の有無および異常の種別を判定することができる。これにより、異常判定装置40は、人手でパラメータグループを決定することなく、パラメータ間の相関に基づいて異常の有無および異常の種別を判定することができる。また第5の実施形態によれば、異常判定装置40は、正常か否かの判定に用いられる正常判定モデルM1と、異常の種別の判定に用いられる種別判定モデルM2とを、別個のモデルとして記憶する。ここで、異常判定装置40による正常判定モデルM1の計算速度および種別判定モデルM2の計算速度の少なくとも一方が実機応答に対して遅い場合に、適切に異常検知を行うことができる。
例えば、共通のモデル(統一モデル)を用いて正常か否かの判定と異常の種別の判定とを行う場合において、正常か否かの判定の計算と異常の種別の判定の計算とで計算速度が異なる場合、統一モデル全体の計算速度は、遅い方の計算に引っ張られる。ここで、異常等により実機応答が非常に早くなった場合、統一モデルが実機応答に追従出来なくなり、異常検知が遅れるだけでなく、正常か否かの判定も正しく行われなくなる可能性がある。
これに対し、第5の実施形態のように、正常判定モデルM1と種別判定モデルM2とを独立させることで、実機応答が早くなった場合にも、少なくとも一方のモデルが実機応答に追従させることができる。例えば、異常検知が遅れたとしても正常か否かの判定は正しく行われる。
なお、他の実施形態においては、異常判定装置40は、正常判定モデルM1と種別判定モデルM2との計算速度を互いに監視し、計算速度の差が所定の閾値を超えた場合に、計算結果が正しく出力されていない可能性がある旨を警告してもよい。
なお、第5の実施形態に係るグループ抽出部411は、ニューラルネットワークまたはディープラーニングモデルにより異常の有無および異常の種別の判定モデルを学習するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係るグループ抽出部411は、ベイジアンネットワーク、サポートベクターマシンなどの他の機械学習を用いてモデルを生成してもよい。なお、ニューラルネットワーク以外の機械学習において、入力層、中間層、および出力層は、必ずしも重み係数と活性化関数とを有する複数のノードからなるものでなくてもよい。例えば、他の実施形態においては、入力層が、パラメータの入力を受け付ける処理を行うプログラムであり、中間層が、入力されたパラメータをマハラノビスの単位空間にマッピングする処理を行うプログラムであってもよい。
なお、第5の実施形態に係る異常判定装置40は、正常判定モデルおよび種別判定モデルの生成を行い、さらに対象装置10の異常の有無および異常の種別の判定を行うが、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、正常判定モデルおよび種別判定モデルの生成を行う装置と、対象装置10の異常の有無および異常の種別の判定を行う装置とが別個に設けられてもよい。すなわち、学習済みモデルの生成を行う学習装置と、学習済みモデルを用いた計算を行う異常判定装置40とが、別個の装置であってもよい。
なお、第5の実施形態に係る第1学習部508および第1更新部510は、正常履歴記憶部504が記憶する情報に基づいて正常判定モデルM1を学習させるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る第1学習部508および第1更新部510は、正常履歴記憶部504が記憶する情報に加え、さらに異常履歴記憶部505が記憶する情報をも用いて正常判定モデルM1を学習させてもよい。例えば、正常判定モデルが正常である確率を出力する場合、第1学習部508は、正常履歴記憶部504に係る教師データに対し、確率1をバックプロパゲーションすることで正常判定モデルM1を学習させてもよい。また、第1学習部508は、異常履歴記憶部505に係る教師データに対し、確率0をバックプロパゲーションすることで正常判定モデルM1を学習させてもよい。
以上、図面を参照していくつかの実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
〈コンピュータ構成〉
図13は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の異常判定装置40は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置902または補助記憶装置903に確保する。
補助記憶装置903の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置903は、コンピュータ900のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース904または通信回線を介してコンピュータ900に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の記憶媒体である。
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、コンピュータとしては量子コンピュータを用いても良い。量子コンピュータによれば機械学習をより高速に処理することができるため、学習時間を大幅に短縮することができる。量子コンピュータとしては、機械学習に適した量子アニーリング方式の量子コンピュータを採用することが望ましい。
〈対象装置の例〉
図14は、少なくとも1つの実施形態に係る対象装置の例であるガスタービンの模式図である。
上述した実施形態に係る対象装置は、ガスタービンTであってよい。対象装置の一例であるガスタービンTは、圧縮機T1、燃焼器T2、タービンT3、ロータT4、および発電機T5を備える。圧縮機T1、タービンT3、および発電機T5は、ロータT4に接合され、ロータT4の軸回りに回転する。圧縮機T1は、回転により空気取込口から空気を取り込み、取り込んだ空気を圧縮して圧縮空気を生成する。燃焼器T2は、圧縮機T1が生成した圧縮空気に燃料を噴射することにより、高温かつ高圧の燃焼ガスを発生させる。また燃焼器T2には、燃焼器T2の冷却のために冷却蒸気が吹き付けられる。
タービンT3は、燃焼器T2が発生させた燃焼ガスの熱エネルギーをロータT4の回転エネルギーに変換して駆動力を発生させる。発電機T5は、ロータT4の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する。
制御装置20は、ガスタービンTの圧縮機T1、燃焼器T2、およびタービンT3に制御信号を出力する。
計測装置30は、ガスタービンTに取り付けられる。計測装置30が取得する状態量の例としては、大気圧、大気温度、大気の相対湿度、圧縮機T1の入口差圧、圧縮機T1の出口空気温度、圧縮機T1の出口空気圧力、燃料圧力、燃料温度、燃料発熱量、燃料組成、燃料流量、排気温度、吸気圧力損失、排気圧力損失、発電機T5の発電効率、発電電力、発電電流、発電電圧、発電周波数などが挙げられる。
1 異常判定システム
10 対象装置
20 制御装置
30 計測装置
40 異常判定装置
401 パラメータ取得部
402 正常履歴記憶部
403 基準線特定部
404 グループ記憶部
405 グループ取得部
406 距離特定部
407 異常特定部
408 出力部
409 統計量算出部
410 運転モード推定部
411 グループ抽出部
412 異常履歴記憶部
413 異常関係生成部
501 パラメータ取得部
502 統計量算出部
503 運転モード推定部
504 正常履歴記憶部
505 異常履歴記憶部
506 正常判定モデル記憶部
507 種別判定モデル記憶部
508 第1学習部
509 第2学習部
510 第1更新部
511 第2更新部
512 正常判定部
513 種別特定部
514 出力部

Claims (15)

  1. 対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するグループ取得部と、
    前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定する距離特定部と、
    特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力する出力部と
    を備える異常判定装置。
  2. 前記対象装置の複数のパラメータに係る過去の値に基づいて、前記複数のパラメータから、前記パラメータグループを抽出するグループ抽出部をさらに備える
    請求項1に記載の異常判定装置。
  3. 複数のパラメータグループのそれぞれと前記対象装置の異常の種別との関係を示す異常関係情報を記憶する異常記憶部と、
    特定した前記距離が前記範囲を超える前記パラメータグループと前記異常関係情報とに基づいて、前記対象装置に生じ得る異常の種別を特定する異常特定部と
    をさらに備える請求項1または請求項2に記載の異常判定装置。
  4. 前記異常の種別と当該異常の種別に係る関係者の連絡先とを関連付けて記憶する連絡先記憶部をさらに備え、
    前記出力部は、前記異常特定部が特定した異常の種別に関連付けられた前記連絡先に前記アラームを出力する
    請求項3に記載の異常判定装置。
  5. 前記対象装置の複数のパラメータに係る過去の値と、前記対象装置の過去の異常のデータとに基づいて、前記異常関係情報を生成する異常関係生成部をさらに備える
    請求項3または請求項4に記載の異常判定装置。
  6. 対象装置に係る少なくとも1つのパラメータの統計量を算出する統計量算出部と、
    対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するグループ取得部と、
    前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定する距離特定部と、
    特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力する出力部と
    を備え、
    前記パラメータグループを構成する少なくとも1つのパラメータは、前記統計量である
    異常判定装置。
  7. 入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように学習された正常判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定する正常判定部と、
    前記正常判定部によって、前記対象装置に異常があると判定された場合に、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から前記異常の種別ごとの確率を出力するように学習された種別判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の種別を特定する種別特定部と、
    判定された前記異常の種別をアラームとして出力する出力部と
    を備え、
    前記種別判定モデルの前記入力層および前記中間層は、前記正常判定モデルの前記入力層および前記中間層と同じ計算を行う層であり、
    前記種別判定モデルは、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えることなく学習されたものである
    異常判定装置。
  8. 前記パラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように前記正常判定モデルを学習させる第1学習部と、
    前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から異常の種別ごとの確率を出力するように、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えずに前記種別判定モデルを学習させる第2学習部と、
    を備える請求項7に記載の異常判定装置。
  9. 前記対象装置に異常がない場合に、前記対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記正常判定モデルを更新する第1更新部と
    前記対象装置に異常がある場合に、前記対象装置に係るパラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記種別判定モデルを更新する第2更新部と、
    をさらに備える請求項7または請求項8に記載の異常判定装置。
  10. 対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するグループ取得部と、
    取得された前記パラメータグループの値が、前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準範囲に含まれるか否かを判定する正常判定部と、
    取得された前記パラメータグループの値が、前記基準範囲に含まれない場合に、アラームを出力する出力部と
    を備える異常判定装置。
  11. 対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するステップと、
    前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定するステップと、
    特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力するステップと
    を有する異常判定方法。
  12. 入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように学習された正常判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の有無を判定するステップと、
    前記対象装置に異常があると判定された場合に、入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から前記異常の種別ごとの確率を出力するように学習された種別判定モデルを用いて、前記対象装置の異常の種別を特定するステップと、
    判定された前記異常の種別をアラームとして出力するステップと
    を有し、
    前記種別判定モデルの前記入力層および前記中間層は、前記正常判定モデルの前記入力層および前記中間層と同じ計算を行う層であり、
    前記種別判定モデルは、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えることなく学習されたものである
    異常判定方法。
  13. 対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように、入力層、中間層、出力層を有する正常判定モデルを学習させるステップと、
    前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から異常の種別ごとの確率を出力するように、入力層、中間層、出力層を有し、前記入力層および前記中間層で前記正常判定モデルと同じ計算を行う種別判定モデルを、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えずに学習させるステップと、
    を有する学習済みモデルの生成方法。
  14. コンピュータに、
    対象装置に係る互いに相関を有する2以上のパラメータを含む少なくとも1つのパラメータグループの値を取得するステップと、
    前記パラメータグループを構成するパラメータどうしの相関を表す基準線と取得された前記パラメータグループの値との距離を特定するステップと、
    特定した前記距離が所定の範囲を超える場合に、アラームを出力するステップと
    を実行させるためのプログラム。
  15. 入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、対象装置に係るパラメータの値を教師データとして、前記パラメータの値から前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するように学習された正常判定モデルと、
    入力層、中間層、出力層を有するモデルであって、前記対象装置の異常時における前記パラメータの値と異常の種別との組み合わせを教師データとして、前記パラメータの値から前記異常の種別ごとの確率を出力するように学習された種別判定モデルと、
    を含み、
    前記種別判定モデルの前記入力層および前記中間層は、前記正常判定モデルの前記入力層および前記中間層と同じ計算を行う層であり、
    前記種別判定モデルは、前記入力層および前記中間層の計算内容を変えることなく学習されたものであり、
    コンピュータに、
    前記正常判定モデルの入力層に入力された前記パラメータの値から、前記対象装置の異常の有無の判定に用いる情報を出力するステップと、
    前記種別判定モデルの入力層に入力された前記パラメータの値から、前記対象装置の異常の種別ごとの確率を出力するステップと、
    を実行させるための学習済みモデル。
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