JP2019036628A - キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】デバイスの大面積化及び高電圧化に対応可能であり、且つ、工業的生産に適したキャパシタ及びその製造方法を提供すること。【解決手段】キャパシタ(10)は、支持体(1)と、支持体が構成する面の上に配置され、互いに離間して配置された櫛形電極対(3a〜3c)及び櫛形電極と電気的に導通する配線(4a〜4d)を含む電極層とを具備し、配線を、銅を含む第1導電性パターン領域で構成し、且つ、櫛形電極を、カーボンを含む第2導電性パターン領域で構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、キャパシタ及びその製造方法に関する。
近年、レーザ直接描画によるカーボンマイクロ電極を用いた平面型マイクロスーパーキャパシタ(以下、「MSC」と記載する)が注目されてきている。
平面型MSCにおいては、ポリイミドフィルムへのレーザの照射及びスキャンによって、導電性カーボン(グラフェン等)からなる櫛形電極対が形成され、当該櫛形電極対が、電気二重層キャパシタの多孔質電極、集電体及び配線として機能する(例えば、特許文献1参照)。
平面型MSCの、将来のフレキシブルデバイス用の大面積エナジーストレージデバイスへの適用や、直列接続による平面型MSCの高電圧化を考えた場合、櫛形電極を構成する導電性カーボンの抵抗(表面抵抗率 数百〜数十Ω/□(ohms per square))によるキャパシタ内部抵抗の増大よって性能低下が問題となってくることが推察されている。
このため、デバイスの大面積化及び高電圧化に対応するために、グラフェンに、より低抵抗な金属材料(例えば、銅、銀)を組み合わせることが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
国際公開第2016/133571号パンフレット
Zhen Kun Wu等著、Flexible micro−supercapacitor based on in−situ assembled graphene on metal template at room temperature、Nano Energy (2014) 10,222−228
非特許文献1には、パターン化された金属(銅/銀)を表面に備えたポリイミド基板を、酸化グラフェン水溶液に浸漬し、銀の表面に酸化グラフェンを還元させ、櫛形電極を形成することが開示されている。
この技術では、酸化グラフェン水溶液に、ポリイミド基板を浸漬させる工程が必要であり、工業的生産に適していない。
そこで本発明は、デバイスの大面積化及び高電圧化に対応可能であり、且つ、工業的生産に適したキャパシタ及びその製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明のキャパシタの一態様は、支持体と、前記支持体が構成する面の上に配置され、互いに離間して配置された一対の櫛形電極及び前記櫛形電極と電気的に導通する配線を含む電極層とを具備し、前記配線を、銅を含む第1導電性パターン領域で構成し、且つ、前記櫛形電極を、カーボンを含む第2導電性パターン領域で構成することを特徴とする。
本発明のキャパシタの一態様によれば、前記支持体は、カーボン前駆体で構成され、前記カーボンは、前記カーボン前駆体からレーザでカーボン化されたことが好ましい。
本発明のキャパシタの一態様によれば、前記支持体が、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明のキャパシタの一態様によれば、前記第1導電性パターン領域に含まれる銅は、酸化銅を還元した還元銅であることが好ましい。
本発明のキャパシタの一態様によれば、前記第1導電性パターン領域は、酸化銅を含むことが好ましい。
本発明のキャパシタの一態様によれば、前記第1導電性パターン領域は、リン元素、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つをさらに含むことが好ましい。
本発明のキャパシタの製造方法の一態様は、支持体が構成する面上に、酸化銅及びリン含有有機物を含む塗布液を塗布し、塗布層を形成する工程と、前記塗布層にレーザを照射し、互いに離間して配置された一対の櫛形電極及び前記櫛形電極と電気的に導通する配線を含む電極層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のキャパシタの製造方法の一態様によれば、前記電極層を形成する工程において、前記酸化銅をレーザを用いて銅に還元して、前記第1導電性パターンにより前記櫛形電極及び前記配線を形成することが好ましい。
本発明のキャパシタの製造方法の一態様によれば、前記支持体がカーボン前駆体で構成され、前記電極層を形成する工程において、前記カーボン前駆体を、レーザを用いてカーボン化して一対の櫛形電極を形成すると同時に、前記酸化銅を、レーザを用いて銅に還元して前記配線を形成することが好ましい。
本発明のキャパシタの製造方法の一態様は、カーボン前駆体で構成された支持体が構成する面上に、酸化銅及びリン含有有機物を含む塗布液を塗布し、塗布層を形成する工程と、前記カーボン前駆体を、レーザを用いてカーボン化して一対の櫛形電極を形成する工程と、前記酸化銅を、レーザを用いて銅に還元して前記櫛形電極と電気的に導通する配線を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のキャパシタの製造方法の一態様によれば、前記酸化銅の還元に用いる前記レーザから照射される光線は、中心波長が300nm以上600nm以下であることが好ましい。
本発明のキャパシタ及びその製造方法によれば、デバイスの大面積化及び高電圧化に対応可能であり、且つ、工業的生産を実現することができる。
本実施の形態に係るキャパシタを示す模式図である。 本実施の形態に係るキャパシタの製造方法の一例を示す説明図である。 実施例及び比較例の試験片について測定したサイクリックボルタモグラムの結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。
<概要>
本発明者らは、キャパシタ、特に平面型MSCにおいて、櫛形電極及び配線を構成する層(以下、「電極層」と記載する)を構成する材料として、低抵抗であり、且つ、銀などの貴金属類と比較し、安価な銅を用いることを検討した。
また、工業的生産が可能にするとの観点に基づいて、銅を用いた分散体、特に金属インク(以下、銅インクと記載する)において、銅酸化物の粒子を前駆体とし、適切な雰囲気下で、銅酸化物を銅に還元し、銅薄膜を形成することで、電極層を形成することを検討した。
さらに、櫛形電極の少なくとも一部として、カーボンを用い、カーボンと銅とのハイブリット材料で電極層を構成することを検討した。
上述の検討の結果、本発明者らは、本発明を完成するに至った。以下、本実施の形態について説明する。
本実施の形態に係るキャパシタは、支持体と、支持体が構成する面の上に配置され、互いに離間して配置された一対の櫛形電極及び櫛形電極と電気的に導通する配線を含む電極層とを具備し、銅を含む第1導電性パターン領域で構成することを特徴とする。
ここで、一対の櫛形電極(以下、「櫛形電極対」と記載する)は、一方の櫛形電極の複数の櫛歯状部分と、他方の櫛形電極の複数の櫛歯状部分とが互いに噛み合うように入り組んだ形で対向している。これにより、大きな容量値を実現している。
また、配線は、例えば、複数の櫛形電極対を直列接続するときにそれらの間を電気的に接続するために用いられる配線(以下、「直列接続配線」と記載する)、並びに、必要な場合に、後述の引出電極を接続するための配線を含む。
また、本実施の形態に係るキャパシタにおいて、電極層の、配線を、銅を含む第1導電性パターン領域で構成し、櫛形電極を、カーボンを含む第2導電性パターン領域で構成することが好ましい。
ここで、カーボンとは、グラフェン、カーボンナノチューブ、有機物が炭化したもの等であるが特に限定されるものではない。
また、本実施の形態に係るキャパシタにおいて、工業的生産を実現する観点から、支持体は、カーボン前駆体で構成され、カーボンは、カーボン前駆体からレーザでカーボン化されたものであることが好ましい。
また、支持体が、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートであることが、フレキシブル性及びコスト低下の観点から、好ましい。
本実施の形態に係るキャパシタにおいて、第1導電性パターン領域は、酸化銅及びリン含有有機物を含む分散体を支持体上に塗布して塗布層を形成し、塗布層の一部をレーザ照射し、塗布層に含まれる酸化銅を銅に還元して形成することが好ましい。
すなわち、本実施の形態に係るキャパシタにおいて、第1導電性パターン領域に含まれる銅は、酸化銅を還元した還元銅であることが好ましい。
また、第1導電性パターン領域は、支持体への密着性を向上する観点から、レーザ照射により還元されなかった酸化銅を含むことが好ましい。
また、第1導電性パターン領域は、リン元素、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つをさらに含むことが好ましい。
本実施の形態に係るキャパシタの製造方法は、支持体が構成する面上に、酸化銅及びリン含有有機物を含む塗布液を塗布し、塗布層を形成する工程と、塗布層にレーザを照射し、互いに離間して配置された櫛形電極対及び櫛形電極対と電気的に導通する配線を含む電極層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本実施の形態に係るキャパシタの製造方法において、電極層を形成する工程において、酸化銅を、レーザを用いて銅に還元して銅を含む銅層により櫛形電極対及び配線を形成することが好ましい。
塗布液に含まれる酸化銅として、酸化銅粒子を用いると、レーザ照射により、酸化銅が銅に還元されると共に、銅粒子が互いに融着し、焼結し、多孔質となる。このような処理を焼成処理ともいう。このような焼成処理により、櫛形電極対の少なくとも櫛歯形状部分が多孔質で構成されるようになり、電気二重層キャパシタの多孔質電極として機能するようになるので、好ましい。
本実施の形態に係るキャパシタの製造方法において、支持体がカーボン前駆体で構成され、電極層を形成する工程において、カーボン前駆体を、レーザを用いてカーボン化して櫛形電極対を形成すると同時に、酸化銅を、レーザを用いて銅に還元して配線を形成することが好ましい。ここでカーボン化とは、カーボン前駆体からカーボンを誘導することをいう。
また、本実施の形態に係るキャパシタの製造方法は、カーボン前駆体で構成された支持体が構成する面上に、酸化銅及びリン含有有機物を含む塗布液を塗布し、塗布層を形成する工程と、カーボン前駆体を、レーザを用いてカーボン化して櫛形電極対を形成する工程と、酸化銅を、レーザを用いて銅に還元して櫛形電極対と電気的に導通する配線を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
ここで、櫛形電極対を形成する工程と、配線を形成する工程とは、どちらが先であってもよい。
本実施の形態に係るキャパシタの製造方法において、櫛形電極対を形成する工程、及び、配線を形成する工程、並びに、櫛形電極対及び配線を同時に形成する工程において、同一のレーザ直接描画装置を用いることが、設備コストを低減できるので、好ましい。
本実施の形態に係るキャパシタの製造方法において、酸化銅の還元に用いるレーザから照射される光線は、中心波長が355nm以上532nm以下であることが好ましい。
以下、本実施の形態に係るキャパシタ及びその製造方法について、図面を参照してさらに説明する。
<キャパシタの構成>
図1は、本実施の形態に係るキャパシタを示す模式図である。図1Aは、キャパシタ10を示す平面図であり、図1Bは、キャパシタ10の図1A中の一点破線で囲んだ部分の一部拡大図であり、図1Cは、図1Bで示すキャパシタ10の一部の、A−A線に対応する断面図である。
図1A〜図1Cに示すように、支持体1の表面上には、例えば3つの櫛形電極対3a〜3cが配置されている。また、櫛形電極対3a〜3cの間を連結する配線4a、4bがそれぞれ配置されている。また、一番外側に配置された櫛形電極対3a、3cには、引出電極としての銅テープ2a、2bを取り付けるための配線4c、4dがそれぞれ配置されている。
さらに、櫛形電極対3aの櫛歯状部分以外の一部、配線4c及び銅テープ2aの一部を覆うようにして、ポリイミドテープ等からなる電極カバー5aが配置されている。同様に、櫛形電極対3aの櫛歯状部分以外の一部、配線4a及び櫛形電極対3bの櫛歯状部分以外の一部を覆うようにして、電極カバー5bが配置されている。また、櫛形電極対3bの櫛歯状部分以外の一部、配線4b及び櫛形電極対3cの櫛歯状部分以外の一部を覆うようにして、電極カバー5cが配置されている。さらに、櫛形電極対3cの櫛歯状部分以外の一部、配線4d及び銅テープ2bの一部を覆うようにして、電極カバー5aが配置されている。
キャパシタ10は、櫛形電極対3bの櫛歯状部分の間に形成される隙間6に電解質又は電解液を充填することで、電気二重層キャパシタとして駆動可能に構成される。
<キャパシタの製造方法>
図2は、本実施の形態に係るキャパシタ10の製造方法の一例を示す説明図である。
まず、図2Aに示すように、支持体1の表面上に酸化銅及びリン含有有機物を含む分散体を塗布し、塗布層21を形成する。支持体1としては、カーボン前駆体で構成されたフィルム等を用いることができる。
カーボン前駆体としては、種々の化学構造のものが適用可能である。例えば、ポリイミド(PI)等の高分子鎖間のパッキング性が高い主鎖芳香環構造を含むポリマーが、平面型MSCにおいてカーボン前駆体としてよい特性が得られている。これは、レーザによってフィルム表面に形成される第2導電性パターン、すなわち、カーボン層の導電性や細孔構造の影響であると考えられる。
次に、図2B、図2Cに示すように、塗布層21に対して、レーザ光22をスキャンさせながら照射し、塗布層21中の酸化銅を還元して銅を含む第1導電性パターン領域23、すなわち銅層を形成する(第1レーザスキャン処理)。
ここで、レーザ光22の照射にはレーザ直接描画装置を用いる。レーザ光22のスキャンには、例えば、モーションコントロールによる自動ステージ系描画装置、又は、ガルバノスキャナ系描画装置を用いることができる。
レーザ光22としては、中心波長が300nm以上600nm以下が好ましい。この範囲であれば、酸化銅(特に、酸化第一銅)が還元しやすい。
また、レーザ光22の照射を、塗布層21の支持体1に近い側に、未還元の酸化銅が残る、すなわち、第1導電性パターン領域が酸化銅を含むように行うことで塗布層21と支持体1との密着性が向上するので、好ましい。
また、塗布層21は、酸化銅及びリン含有有機化合物を含有するので、レーザ光22を照射することで、第1導電性パターン領域23は、リン元素、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つを含むようになる。
次に、図2D、図2Eに示すように、塗布層21に対して、レーザ光24をスキャンさせながら照射し、支持体1のカーボン前駆体からカーボンを誘導(カーボン化)し、第2導電性パターン領域25、すなわちカーボン層を形成する(第2レーザスキャン処理)。
ここで、レーザ光24の照射には、図2Bを用いて説明したレーザ光22の照射と同じレーザ直接描画装置を用いることができる。
カーボン前駆体で構成されたフィルムとしてポリイミドフィルムを用いる場合、例えば、ポリイミドが高い吸収を持つ405nmの波長のCW(連続波)青紫色半導体レーザを用いることが好ましい。
平面型MSCでは、レーザ直接描画法で形成されたカーボン層(第2導電性パターン領域25)は、有機材料が炭化することでカーボン層ができるため、3次元に多孔質な層ができる。よって、多孔質であるので、導電性の電極及び電気二重層形成のための多孔質電極として働く。多孔質電極は、キャパシタ10(図1参照)の性能として有利である。また、真空法による電極形成や積層構造形成プロセスを必要とせず、すべて大気下でのウェットプロセスで製造が可能であるため低コストにつながる。
次に、図2Fに示すように、表面に、第1導電性パターン領域23及び第2導電性パターン領域25が形成された支持体1を、例えば、アセトン−HO系で洗浄して、レーザ未照射の塗布層を除去する(現像処理)。
次に、図2Gに示すように、支持体1の表面上に、図1Cを用いて説明した銅テープ2及び電極カバー5を配置する。電極カバー5としては、例えば、ポリイミドテープを用いることができる。電極カバー5は、第1導電性パターン領域(銅層)23のうち配線の部分及び銅テープ2が電解質溶液と接触しないようにしている。
この後、電解質溶液を、櫛形電極対3の櫛歯状部分に滴下し、乾燥させて、隙間6(図1B、図1C参照)に電解質を充填する。このようにして、キャパシタ10(図1参照)が完成する。
電解質としては、高分子電解質を用いることが好ましい。高分子電解質としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)に、無機塩、酸又はアルカリを分散させた膜が用いられる。PVAに分散させる具体的な材料として、HPO、HSO、KOH、NaOH、NaCl、KCl、LiCFSO、LiBF、LiBF、LiClO、Li(FSON、Li(CFSON、LiCSOなどが挙げられる。
また、PVA以外の高分子電解質として、ポリパラベン酸樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル誘導体、ポリイミン樹脂などが挙げられる。プロトン伝導性が高いので、PVAが好ましい。
上記説明したキャパシタ10の製造方法では、銅を含む第1導電性パターン領域(銅層)23と導電性カーボンを含む第2導電性パターン領域(カーボン層)24を異なるレーザスキャン処理で形成したが、使用するレーザ及びレーザ光照射条件などを適宜選択することにより、一つのレーザスキャン処理工程で形成してもよい。
また、キャパシタにおいて電極層を、銅を含む第1導電性パターン領域のみで形成する場合、図2B、図2Cを参照して説明した第1レーザスキャン処理において、すべてのパターンが形成されるようにスキャンを行い、図2D、図2Eを参照して説明した第2レーザスキャン処理を省略すればよい。
以下、本実施の形態に係るキャパシタの製造方法における、分散体(酸化銅インク)及びその支持体への塗布方法についてさらに詳細に説明する。
以下の説明では、酸化銅として酸化第一銅を使用した場合を例に挙げて説明する。
<分散体(酸化第一銅インク)>
本実施の形態の分散体は、分散媒に、酸化第一銅粒子とリン含有有機化合物とを含む。
(酸化第一銅)
本実施の形態においては金属酸化物成分の一つとして酸化第一銅を用いるが、これは金属酸化物の中でも還元が容易で、さらに微粒子を用いることで焼結が容易であること、価格的にも銅であるがゆえに銀などの貴金属類と比較し安価でマイグレーションに対し有利であるためである。
酸化第一銅粒子の平均一次粒子径の好ましい範囲は、これを還元処理することにより得られる金属の緻密性、電気的特性の観点から、さらには焼成条件を樹脂基板の使用を考慮すると基板に与えるダメージを低減する観点から、より低温化する必要があり、好ましい平均一次粒径は100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。一次粒子径が100nm以下の場合、後述する焼成処理において条件をより基板にダメージを与えないよう投入エネルギーを低減できる傾向にある。
酸化第一銅粒子の平均粒径の下限値は特に制限値はないが、取り扱いの容易性から1nm以上が好ましい。これより小さいと分散安定性を保つための分散剤使用量が増大し、焼成処理が難しくなる傾向にある。ここで平均粒子径とは、粒子の平均一次粒径を指す。
分散体における酸化第一銅粒子は、プラズマ処理、熱処理、光処理により容易に還元され金属になり、これが焼結することにより導電性を得ることができるが、さらに添加されている銅粒子に対し結合剤として働き一体化することで、低抵抗化、強度の向上に寄与するものである。
本実施の形態において、酸化第一銅粒子の粒径は、後述の、針金状、樹枝状、及び鱗片状の形状を有する銅粒子によるクラック防止効果には影響しない。
酸化第一銅粒子に関しては、市販品を用いてもよいし、合成して用いてもよい。市販品として、(株)希少金属材料研究所製の平均一次粒径5〜50nmのものがある。
合成法としては、次の方法が挙げられる。
(1)ポリオール溶剤中に、水と銅アセチルアセトナト錯体を加え、いったん有機銅化合物を加熱溶解させ、次に、反応に必要な水を後添加し、さらに昇温して有機銅の還元温度で加熱する加熱還元する方法。
(2)有機銅化合物(銅−N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン錯体)を、ヘキサデシルアミンなどの保護材存在下、不活性雰囲気中で、300℃程度の高温で加熱する方法。
(3)水溶液に溶解した銅塩をヒドラジンで還元する方法。
この中では(3)の方法は操作が簡便で、かつ、粒径の小さい酸化第一銅が得られるので好ましい。
例えば、前記(3)水溶液に溶解した銅塩をヒドラジンで還元する方法で合成することができる。得られた酸化第一銅は軟凝集体であり、このままでは印刷、塗布に適さないため、分散媒に分散させた酸化第一銅分散体を作成する。
合成終了後、合成溶液と酸化第一銅の分離を行うが、遠心分離などの既知の方法を用いればよい。得られた酸化第一銅を後述の分散剤、分散媒を加えホモジナイザーなど既知の方法で攪拌し分散する。
分散媒によっては分散し難く分散が不充分な場合があるが、このような場合は、一例として、分散しやすいアルコール類、例えばブタノールを用い、分散させた後、所望の分散媒への置換と所望の濃度への濃縮を行う。方法の一例としてUF膜による濃縮、所望の分散媒による希釈、濃縮を繰り返す方法が挙げられる。
ここで得た酸化第一銅分散体は、後述の方法で銅粒子などと混合し、本実施の形態の分散体とする。
(リン含有有機物)
本実施の形態において、リン含有有機化合物は分散剤として機能する。リンを有する官能基が銅酸化物粒子に吸着し、立体障害効果により凝集を抑制する。
リン含有有機化合物の数平均分子量は、特に制限はないが、300〜30,000であることが好ましい。300以上の方が、得られる分散体の分散安定性が増す傾向があり、また、30,000以下の方が、焼成しやすい。
リン含有有機化合物は、絶縁性を示す材料であり、前述の酸化第一銅の微粒子に吸着していてもよい。
リン含有有機化合物の数平均分子量は、特に制限はないが、300以上300,000以下であることが好ましい。300より低いと、絶縁性が悪化する傾向がある。また、構造としては酸化第一銅に親和性のある基を有する高分子量共重合物のリン酸エステル塩がよい。例えば、化学式1の構造は、酸化第一銅と吸着し、また支持体への密着性にも優れるため、好ましい。
Figure 2019036628
このようなリン酸エステル塩の具体例としては、ビックケミー社製の「Disperbyk−142」、「Disperbyk−118」「Disperbyk−145」、「Disperbyk−110」、「Disperbyk−111」、「Disperbyk−180」、「Byk−9076」、第一工業製薬製の「プライサーフM208F」、「プライサーフDBS」を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
分散剤の必要量は酸化銅の量に比例し、要求される分散安定性を考慮し調整する。本実施の形態の分散体に含まれるリン含有有機化合物の質量比率(リン含有有機化合物質量/酸化第一銅質量)は、0.0050以上0.30以下であり、好ましくは0.050以上0.25以下、より好ましくは0.10以上0.23である。分散剤の量は分散安定性に影響し、量が少ないと凝集しやすく、多いと分散安定性が向上する傾向がある。ただし、本実施の形態の分散体における該含有率が35質量%を超えると、焼成して得られる導電体において分散剤由来の残渣が多くなり導電性が悪くなる傾向がある。
本実施の形態に用いられる分散媒は、分散という観点からは分散剤のリン含有有機化合物の溶解が可能なものの中から、分散可能なものを選択する。一方、レーザ描画によってパターンを形成するという観点からは、基材に均一に成膜する必要がある。そのため、分散媒の揮発性が作業性に成膜性を与えるため、塗膜の形成方法、例えば印刷や塗布の方式に適するものである必要がある。従って、分散媒は分散性と印刷や塗布の作業性に合わせて下記の溶剤から選択すればよい。
分散媒の具体例としては以下の物を挙げることができる。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−ペンタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、トリエチレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、2−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノール、n−ノニルアルコール、2、6ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3、3、5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールが挙げられる。これらに具体的に記載したもの以外にも、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル類溶剤を分散媒に用いることができる。
これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよく、印刷方式に応じ蒸発性や、印刷機材、被印刷基板の耐溶剤性を考慮し選択する。ただし、沸点は溶剤の作業性に影響を与える。沸点が低すぎれば揮発が速いため、固形物の析出による欠陥の増加や清掃頻度の増大により作業性が悪化するため、スプレー法、スピンコーター法、ディスペンサー方式では20℃以上を、インクジェット方式、スクリーン方式、オフセット方式では120℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上がよく、上限は乾燥の観点から300℃以下が好ましい。
(酸化第一銅と銅を含む分散体の調製)
前述の酸化第一銅分散体に銅粒子を添加してもよい。酸化第一銅と銅粒子を含む分散体は、前述の酸化第一銅分散体に、銅微粒子、必要に応じ分散媒を、それぞれ所定の割合で混合し、例えば、ミキサー法、超音波法、3本ロール法、2本ロール法、アトライター、ホモジナイザー、バンバリーミキサー、ペイントシェイカー、ニーダー、ボールミル、サンドミル、自公転ミキサー等を用いて分散処理することにより調製することができる。
分散媒の一部は既に作成した酸化第一銅分散体に含まれているため、この分散体に含まれている分で充分な場合はこの工程で添加する必要はなく、粘度の低下が必要な場合は必要に応じこの工程で加えればよく、若しくは、この工程以降で加えてもよい。分散媒は前述の酸化第一銅分散体作成時に加えたものと同じものでも、異なるもの加えてもよい。
この他に必要に応じ、有機バインダー、酸化防止剤、還元剤、金属粒子、金属酸化物を加えてもよく、不純物として金属や金属酸化物、金属塩及び金属錯体を含んでもよい。
また、針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子はクラック防止効果が大きいため、球状、サイコロ状、多面体等の銅粒子や他の金属を単独で、或いは複数組み合わせて、加えてもよく、その表面を酸化物やほかの導電性のよい金属、例えば銀などで被覆してもよい。
なお、銅以外の金属粒子で、形状が針金状、樹枝状、鱗片状の一種若しくは複数を加える場合、同様な形状の銅粒子同様クラック防止効果を有するため、同様な形状の銅粒子の一部との置き換え、若しくは追加して使うこともできるが、マイグレーション、粒子強度、抵抗値、銅食われ、金属間化合物の形成、コストなどを考慮する必要がある。
銅以外の金属粒子として、例えば金、銀、錫、亜鉛、ニッケル、白金、ビスマス、インジウム、アンチモン等を挙げることができる。
金属酸化物粒子としては、酸化第一銅を酸化銀、酸化第二銅などで、置き換え、若しくは、追加して使うことができる。しかしながら、金属粒子の場合と同様に、マイグレーション、粒子強度、抵抗値、銅食われ、金属間化合物の形成、コストなどを考慮する必要がある。これら金属粒子及び金属酸化物粒子の添加は、導電体の焼結、抵抗、導体強度、レーザ焼成の際の吸光度などの調整に用いることができる。これらの金属粒子及び金属酸化物粒子を加えても、針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子の存在により、クラックは充分抑制される。これらの金属粒子及び金属酸化物粒子は単独で若しくは二種類以上組み合わせて用いてもよく、形状の制限は無い。例えば、銀や酸化銀は、抵抗低下や焼成温度低下などの効果が期待される。しかしながら、貴金属類でありコストがかさむことや、クラックの観点からも銀の添加量は、前述の針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子に対し超えない範囲が、好ましい。他方、錫は安価であり、また融点が低いため焼結しやすくなるという利点を有する。しかしながら、抵抗が上昇する傾向があり、クラックの観点からも、錫の添加量は、前述の針金状、樹枝状、鱗片状銅粒子と酸化第一銅を超えない範囲が好ましい。
本実施の形態においては、銅以外の金属や前述の針金状、樹枝状、鱗片状以外の銅粒子、並びに、酸化第一銅以外の金属酸化物を含んでいても、クラック抑制効果、抵抗の経時安定性向上効果は発揮される。しかしながら、銅以外の金属や前述の針金状、樹枝状、鱗片状以外の銅粒子、並びに酸化第一銅以外の金属酸化物の添加量としては、前述の針金状、樹枝状、鱗片状の銅粒子と酸化第一銅より少ない方がよい。また、前述の針金状、樹枝状、鱗片状の銅粒子と酸化第一銅に対する、銅以外の金属や前述の針金状、樹枝状、鱗片状以外の銅粒子、並びに酸化第一銅以外の金属酸化物の添加割合は50%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下がよい。
<支持体への塗布方法>
前述の分散体を用いた塗布方法について説明する。塗布方法としては、特に制限されず、ダイコート、スピンコート、スリットコート、バーコート、ナイフコート、スプレーコート、ディツプコートスプレー法、スクリーン印刷、凹版ダイレクト印刷、凹版オフセット印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の印刷法やディスペンサー描画法を用いることができる。
本実施の形態の方法によれば、基板上に塗布液を所望のパターンに直接形成できるため、従来のフォトレジストを用いた手法と比較し、生産性を向上させることができる。
(支持体)
支持体は、塗布層を配置するための面を構成するものである。形状は、特に限定されない。
支持体の材質は、レーザによるカーボン化のため、カーボン前駆体であることが好ましい。ただし、支持体1の全体がカーボン前駆体であることは必ずしも必要がない。例えば、支持体の塗布層が配置される面を構成する表層部分だけがカーボン前駆体であれば足りる。
支持体は、より具体的には、平板状体、フィルム又はシートであってもよい。板状体は、例えば、プリント基板等の回路基板に用いられる支持体(基材とも呼ばれる)である。フィルム又はシートは、例えば、フレキシブルプリント基板に用いられる、薄膜状の絶縁体であるベースフィルムである。
支持体は、立体物であってもよい。立体物が構成する曲面又は段差等を含む面に塗布層を配置することもできる。
立体物の一例としては、携帯電話端末、スマートフォン、スマートグラス、テレビ、パーソナルコンピュータ等の電気機器の筐体が挙げられる。また、立体物の他の例としては、自動車分野では、ダッシュボード、インストルメントパネル、ハンドル、シャーシ等が挙げられる。
(基板)
支持体の一例である基板の材質は、特に制限されるものではなく、無機材料としては例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、石英ガラスなどのガラスや、アルミナなどのセラミック材料が挙げられる。
有機材料としては、高分子材料、紙が挙げられる。高分子材料としては樹脂フィルムを用いることができ、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、液晶高分子化合物などを挙げることができる。
紙としては、一般的なパルプを原料とした上質紙、中質紙、コート紙、ボール紙、段ボールなどの洋紙やセルロースナノファイバーを原料としたものが挙げられる。紙の場合は高分子材料を溶解したもの、若しくはゾルゲル材料などを含浸硬化させたものを使うことができる。
また、これらの材料はラミネートするなど貼り合わせて使用してもよい。
(基材)
支持体の一例である基材としては、特に制限されないが、具体的には紙フェノール基材、紙エポキシ基材、ガラスコンポジット基材、ガラスエポキシ基材等の複合基材、テフロン(登録商標)基材、アルミナ基材、低温低湿同時焼成セラミックス(LTCC)、樹脂基材、ガラス基材、シリコンウェハ、及び紙基材等が挙げられる。なお、本発明における基材は、配線パターンを形成するための回路基板シートの基板材料、又は、配線付き筐体の筐体材料を意味する。
樹脂基材としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリアセタール(POM)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカルボジイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエチレンテトラフルオライド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ブチルゴム、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フェノールノボラック、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ポリクロロピレン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン(PSF)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、シクロオレフィンポリマー(COP)、アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS)、ナイロン樹脂(PA6、PA66)ポリブチルテレフタレート樹脂(PBT)ポリエーテルスルホン樹脂(PESU)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及びシリコーン樹脂等から構成される基材を用いることができる。特に、PI、PET及びPENは、フレキシブル性、コストの観点から好ましい。
基材の厚さは、例えば1μm〜10mmとすることができ、好ましくは25μm〜250μmである。基材の厚さが250μm以下であれば、本実施の形態に係るキャパシタを用いて作製される電子デバイスを、軽量化、省スペース化、及びフレキシブル化できるため好ましい。
(塗布層)
塗布層は、酸化第一銅及びリン含有有機物を含む。リン含有有機物を用いることで、レーザ照射において、酸化第一銅の還元に寄与し、より抵抗の低い銅膜を作製することができる。
酸化第一銅は、前述したとおりである。
リン含有有機化合物についても前述したとおりである。
酸化第一銅とリン含有有機化合物とは、混ざり合っており、リン含有有機物の含有量は酸化第一銅を含む微粒子の全体積を100体積部として、5体積部〜900体積部である。好ましくは10体積部以上、より好ましくは30体積部以上、さらに好ましくは60体積部以上であり;好ましくは480体積部以下、より好ましくは240体積部以下である。重量部に換算すると、微粒子100重量部に対する有機物の含有量は、1重量部〜150重量部であることが好ましい。微粒子100重量部に対する有機物の含有量は、好ましくは2重量部以上、より好ましくは5重量部以上、さらに好ましくは10重量部以上であり;好ましくは80重量部以下、より好ましくは40重量部以下である。5体積部以上又は1重量部以上であれば厚みサブミクロンの薄膜を形成することができ、10体積部以上又は5重量部以上であれば厚み数十μmの厚膜を形成することができ、30体積部以上又は10重量部以上であれば曲げてもクラックが入りにくい可撓性の高い膜を得ることができる;900体積部以下又は150重量部以下であれば光焼成によって導電性膜を得ることができる。
酸化第一銅を含む微粒子中の酸化第一銅の含有量は65体積%以上であり、好ましくは85体積%以上、より好ましくは90体積%以上、さらに好ましくは100体積%であってもよい。質量%に換算すると、微粒子中の酸化第一銅の含有量は60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは100質量%であってもよい。銅微粒子は光を反射するのに対し、酸化銅微粒子は光を吸収するため、粒子が酸化銅を60質量%以上又は65体積%以上含む場合、より小さいエネルギーの光照射によって膜を加熱することができる。
酸化第一銅を含む微粒子の平均二次粒径は、特に制限されないが、好ましくは500nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは80nm以下である。微粒子の平均二次粒径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは15nm以上である。平均二次粒径とは、一次粒子が複数個集まって形成される凝集体(二次粒子)の平均粒径のことである。この平均二次粒径が500nm以下であると、支持体上に微細パターンを形成し易い傾向があるので好ましい。平均二次粒径が5nm以上であれば、分散体の長期保管安定性が向上するため好ましい。微粒子の平均二次粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。
二次粒子を構成する一次粒子の平均一次粒径は、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。平均一次粒径は、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、さらに好ましくは5nm以上である。平均一次粒径が100nm以下の場合、後述する焼成温度を低くすることができる傾向にある。このような低温焼成が可能になる理由は、粒子の粒径が小さいほど、その表面エネルギーが大きくなって、融点が低下するためと考えられる。また、平均一次粒径が1nm以上であれば、良好な分散性を得ることができるため好ましい。支持体に配線を形成する場合、下地との密着性や低抵抗化の観点で、2nm以上、100nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以上、50nm以下がより好ましい。この傾向は下地が樹脂の時に顕著である。平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡によって測定することができる。
塗布層中の微粒子の含有率は、酸化第一銅及びリン含有有機化合物を含む領域の単位質量に対して、40質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましく;98質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがさらに好ましい。また、単位体積に対して、10体積%以上であることが好ましく、15体積%以上であることがより好ましく、25体積%以上であることがさらに好ましく;90体積%以下であることが好ましく、76体積%以下であることがより好ましく、60体積%以下であることがさらに好ましい。
塗布層中の微粒子の含有率が40質量%以上又は10体積%以上であれば、レーザ照射(焼成)によって微粒子同士が融着して導電性を発現し、より高濃度になるほど高い導電性を得ることができ、98質量%以下又は90体積%以下であれば、膜として支持体に付着することができ;95質量%以下又は76体積%以下であれば、より強く支持体に付着することができ、90質量%以下又は60体積%以下であれば可撓性が高くなり、折り曲げたときクラックが生じにくい信頼性の高い膜を得ることができる。
(その他添加剤)
その他の有機物について説明する。下記の有機物を加えてもよい。
有機物としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリアセタール、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリカルボジイミド、ポリシロキサン、ポリメタクリルアミド、ニトリルゴム、アクリルゴム、ポリエチレンテトラフルオライド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリブテン、ポリペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−ジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ブチルゴム、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリスチレン(PS)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フェノールノボラック、ベンゾシクロブテン、ポリビニルフェノール、ポリクロロピレン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン(PSF)、ポリスルフィド、シリコーン樹脂、アルドース、セルロース、アミロース、プルラン、デキストリン、グルカン、フルクタン、キチン等の構造を用いることができる。これら構造の官能基を変性した構造を用いることもできるし、これら構造を修飾した構造を用いることもできるし、これら構造の共重合体を用いることもできる。ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ポリアセタール構造、ポリブテン構造、及びポリスルフィド構造から選択される骨格を有する有機物は、分解しやすく、焼成後に得られる導電性膜中に残渣を残し難いため、好ましい。
有機物として、市販の材料を用いることができ、具体的には、ビックケミー社製のDISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−109、DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、DISPERBYK−118、DISPERBYK−140、DISPERBYK−145、DISPERBYK−168、DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、DISPERBYK−187、DISPERBYK−190、DISPERBYK−191、DISPERBYK−193、DISPERBYK−194N、DISPERBYK−199、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2010、DISPERBYK−2012、DISPERBYK−2013、DISPERBYK−2015、DISPERBYK−2022、DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2152、DISPERBYK−2055、DISPERBYK−2060、DISPERBYK−2061、DISPERBYK−2164、DISPERBYK−2096、DISPERBYK−2200、BYK−405、BYK−607、BYK−9076、BYK−9077、BYK−P105、第一工業製薬社製のプライサーフM208F、プライサーフDBS等を挙げることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るキャパシタ及びその製造方法によれば、電極層及びその一部として、銅を含む第1導電性パターン領域(銅層)を用いることにより、櫛形電極及び/又は配線を低抵抗化できるので、デバイスの大面積化及び高電圧化に対応可能である。また、例えば、酸化銅及びリン含有有機物を含む分散体を塗布して形成される塗布層にレーザを照射し、酸化銅を還元することにより、第1導電性パターン領域を形成できるので、レーザ直接描画法により第1導電性パターン領域を形成できるので、工業的生産にも適用可能である。
特に、電極層において、配線を、銅を含む第1導電性パターン領域で構成し、且つ、櫛形電極を、カーボンを含む第2導電性パターン領域で構成することで、櫛形電極をカーボンで構成しているので電気二重層キャパシタの多孔質電極として機能すると共に、配線、特に直列接続配線として低抵抗な銅を用いていることができるので、デバイスの大面積化及び高電圧化に対応可能であると共に、高い性能を発揮できる。また、カーボンを含む第2導電性パターン領域も、カーボン前駆体で構成される支持体をレーザでカーボン化して形成することができるので、レーザ直接描画法により第2導電性パターン領域も形成できるので、工業的生産にも適用可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
<実施例>
(酸化第一銅の分散液)
水3670g、1,2−プロピレングリコール(和光純薬製)1696gの混合溶媒中に酢酸銅(II)一水和物(和光純薬製)391.5gを溶かし、ヒドラジン一水和物(和光純薬製)114gを加えて攪拌した後、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。得られた沈殿物200gに、DISPERBYK−145(ビッグケミー製)27.6g及びエタノール(和光純薬製)490gを加え、窒素雰囲気下でホモジナイザーを用いて分散液を得た。分散液の粒子径は20nmであった。
(フィルム作製)
前記分散液をポリイミドフィルム(厚み125μm)にアプリケータでコートし、厚み2.5μmの塗布層を得た。塗布層が形成されたポリイミドフィルムを、以下、「試験片A」と記載する。
(電極の作製)
試験片Aに対して、図2を参照して説明したキャパシタの製造方法における第1レーザ処理及び第2レーザ処理を実施した。
レーザ条件は下記のとおりである。
(A)第1レーザ処理
銅インク塗布層のレーザーシンタリング条件:445nm、レーザーパワー:1.62W
スキャン速度:300mm/sec
スキャンライン間隔:15μm(低エネルギー条件下のレーザ光照射)
(B)第2レーザ処理
レーザカーボン化条件:445nm、レーザーパワー:1.62W
スキャン速度:200mm/sec
スキャンライン間隔:15μm
電極面積:1.35cm
(セルの作製)
(1)レーザスキャン後、試験片Aを、アセトン−HO系で洗浄し、レーザが照射されなかった塗布層を除去した。乾燥後に、空気プラズマ処理で親水化(10mA、100sec、JFC−1500イオンスパッタ)した。
(2)試験片A上に形成された電極層に対し、図1を参照して説明した引出電極としての銅テープ2を貼り付けて、銀ペーストで接合をとった。銅テープ2及び配線4c、4d及び配線4a、4b(直列接続配線)(図1参照)を、ポリイミドデープで覆い、電解質と接触しないようにしてから、電解質溶液を櫛形電極対3a〜3cの櫛歯状部分に滴下した。電解質溶液は、ポリビニルアルコール(アルドリッチ社製、Mw89000−98000)を1g、LiCl(アルドリッチ社製)1g、純水10gを混合し、90℃で撹拌して調製した。
(3)その後、電極層付きの試験片Aを、真空デシケーター中、ダイアフラムポンプ引きで、3時間真空乾燥し、大気化でさらに1日乾燥した。
(4)最終的に得られた電極層(銅層及びカーボン層のハイブリッド電極)付きの試験片Aについて、サイクリックボルタモグラムを測定した。
<比較例>
塗布層をポリイミドフィルム上に形成せず、且つ、第1レーザ処理を省略し、第2レーザ処理により電極層のすべて(櫛形電極対及び配線)を形成した以外は、実施例と同様にして、比較例の試験片Bを作製した。最終的に得られた電極層(カーボン層のみ)付きの試験片Bについて、サイクリックボルタモグラムを測定した。
<評価>
図3は、実施例及び比較例の試験片について測定したサイクリックボルタモグラムの結果を示すグラフである。
実施例の試験片Aを用い、銅−カーボンハイブリッド電極を用いた直列3セル構造平面型MSC(以下、「MSC(a)」と記載する)を作成した。なお、ここでセルとは櫛形電極対をさす。また、比較例の試験片Bを用い、カーボン電極を用いた直列3セル構造平面型MSC(以下、「MSC(b)」と記載する)を作成した。実施例のMSC(a)のサイクリックボルタモグラムを図3中曲線aで示し、比較例のMSC(b)のサイクリックボルタモグラムを図3中曲線bで示す。
また、比較例の試験片Bを用い、カーボン電極を用いた単セル構造平面型MSC(以下、「MSC(c)」と記載する)を作成し、サイクリックボルタモグラムを測定した。比較例のMSC(c)のサイクリックボルタモグラムを図3中曲線cで示す。
実施例のMSC(a)及び比較例のMSC(b)のサイクリックボルタモグラムを比較すると、電極層をカーボンのみで構成した比較例のMSC(b)では、櫛形電極間の抵抗値が250Ω以上であったのに対して、実施例のMSC(a)では、電極層を銅及びカーボンのハイブリッド電極で構成したことによって、櫛形電極間の抵抗値を2.3Ωと、比較例のMSC(b)の1/100以下に下げることができた。
また、平面型MSCの高電圧化のためには、複数のセルからなる直列接続が必要となる。前述のMSC(a)〜(c)の面積比容量(0〜1V充放電時)を測定した結果、以下の通りであった。
MSC(a) 0.439mF/cm
MSC(b) 0.284mF/cm
MSC(c) 0.523mF/cm
この結果から、比較例の、カーボン電極を用いたMSCでは、単セル構造を直列3セル構造にすることによって、面積比容量が半分近くまで減少し、劣化することが確認された。これに対して、実施例の銅−カーボンハイブリッド電極を用いたMSCでは、単セル構造を直列3セル構造としても、面積比容量を高くできることが確認された。
これらの評価の結果から、銅−カーボンハイブリッド電極によれば、MSCの内部抵抗を低減しつつ、直列3セルとした場合の面積比容量の劣化を防ぐことができることが確認された。
なお、本発明は、以上に記載した実施形態や、各実施例に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて実施形態や各実施例に設計の変更等を加えてもよく、また、実施形態や各実施例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更等を加えた態様も本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施の形態では、櫛形電極の櫛歯形状部分のすべてを第2導電性パターン領域、すなわちカーボン層で構成した場合を例に挙げている。しかし、櫛歯形状部分を銅及びカーボンのハイブリッド構造とすることが好ましい。例えば、櫛歯形状部分の中心に銅があり、その周囲をカーボンで覆っている構造が好ましい。この場合、櫛歯形状部分の、断面視において、カーボンの厚さが銅の表面から、100nm以上10,000μm以下が好ましく、200nm以上1000μm以下がより好ましい。この範囲であれば、抵抗が低く、表面積が大きい電極となり、キャパシタの性能が向上する。
本発明により、デバイスの大面積化及び高電圧化に対応可能であり、且つ、工業的生産を実現することができるキャパシタ及びその製造方法を提供することができる。したがって、例えば、ウェアラブルデバイスなどのフレキシブルデバイス用の大面積エナジーストレージデバイスとして好適に利用できる。
1 支持体
2、2a、2b 銅テープ
3、3a、3b、3c櫛形電極対
4a、4b、4c、4d 配線
5、5a、5b、5c 電極カバー
10 キャパシタ
21 塗布層
22、24 レーザ光
23 第1導電性パターン領域
25 第2導電性パターン領域

Claims (11)

  1. 支持体と、
    前記支持体が構成する面の上に配置され、互いに離間して配置された一対の櫛形電極及び前記櫛形電極と電気的に導通する配線を含む電極層とを具備し、
    前記配線を、銅を含む第1導電性パターン領域で構成し、且つ、前記櫛形電極を、カーボンを含む第2導電性パターン領域で構成する
    ことを特徴とするキャパシタ。
  2. 前記支持体は、カーボン前駆体で構成され、前記カーボンは、前記カーボン前駆体からレーザでカーボン化されたことを特徴とする請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記支持体が、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャパシタ。
  4. 前記第1導電性パターン領域に含まれる銅は、酸化銅を還元した還元銅であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のキャパシタ。
  5. 前記第1導電性パターン領域は、酸化銅を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のキャパシタ。
  6. 前記第1導電性パターン領域は、リン元素、リン酸化物及びリン含有有機物のうち少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のキャパシタ。
  7. 支持体が構成する面上に、酸化銅及びリン含有有機物を含む塗布液を塗布し、塗布層を形成する工程と、
    前記塗布層にレーザを照射し、互いに離間して配置された一対の櫛形電極及び前記櫛形電極と電気的に導通する配線を含む電極層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
  8. 前記電極層を形成する工程において、前記酸化銅をレーザを用いて銅に還元して、前記第1導電性パターンにより前記櫛形電極及び前記配線を形成することを特徴とする請求項7に記載のキャパシタの製造方法。
  9. 前記支持体がカーボン前駆体で構成され、前記電極層を形成する工程において、前記カーボン前駆体を、レーザを用いてカーボン化して一対の前記櫛形電極を形成すると同時に、前記酸化銅を、レーザを用いて銅に還元して前記配線を形成することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のキャパシタの製造方法。
  10. カーボン前駆体で構成された支持体が構成する面上に、酸化銅及びリン含有有機物を含む塗布液を塗布し、塗布層を形成する工程と、
    前記カーボン前駆体を、レーザを用いてカーボン化して一対の櫛形電極を形成する工程と、
    前記酸化銅を、レーザを用いて銅に還元して前記櫛形電極と電気的に導通する配線を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするキャパシタの製造方法。
  11. 前記酸化銅の還元に用いる前記レーザから照射される光線は、中心波長が300nm以上600nm以下であることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載のキャパシタの製造方法。
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