JP2019035720A - 環境変化対応センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】環境距離が一律に変化する際に、直接電波と間接電波の干渉で受信電力の増減向きが変わる環境距離を受信部ごとに相異させるように送信部と受信部を設置して、「調整の容易化」と「誤検出の低減」を実現する。【解決手段】電波Wを送受信する送信部2及び受信部3と、検出領域R内における物体Bの有無を判断する判断部4を有し、少なくとも受信部3は複数設置され且つ送信部2と受信部3は検出領域Rを挟んで対向して設置され、電波Wは、送信部2から受信部3への直接電波W1と、検出領域R内の間接反射物Jで一旦反射する間接電波W2があり、間接反射物Jから送信部2と受信部3までの環境距離が一律に変化する際に、受信電力は直接電波W1と間接電波W2の干渉により増減し且つ増減の向きが変わる時の環境距離を受信部3ごとに相異させるように、送信部2と受信部3が設置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、検出領域内における物体を検出するセンサに関するものである。
従来、物体検出用の赤外線を投光する投光器と、投光された赤外線を受光して検出信号を出力する受光器と、前記投光器および受光器の光軸を調整する光軸調整部とを備え、前記赤外線の遮光による検出信号レベルの変化により物体を検出して警報を出力する、赤外線防犯センサが知られている(特許文献1参照)。
この赤外線防犯センサは、前記投光器および受光器はそれぞれ着脱自在のカバーを有して、前記光軸調整部は両方のカバーを取り外した状態で光軸調整をするものであり、前記投光器は、その投光パワーを前記検出信号のレベルに基づき複数段階に切り換えて受光器の受光感度を制御する投光パワー制御手段と、光軸調整時と警戒時の状態を判別する状態判別手段とを備え、光軸調整時に投光パワー制御による光軸調整終了時のカバー装着前に得られた受光感度のレベルと、カバー装着後に得られ、かつカバーによる光の透過率の低下分に応じて投光パワーを調整したのちの受光感度のレベルとの比較に基づいて、当該光軸変動の発生を検出する光軸変動検出手段と、該光軸変動の発生を表示する表示手段とを備えている。
特開2013−156880号公報
しかしながら、特許文献1に記載された赤外線防犯センサは、所定距離だけ離れた投光器と受光器との間に、直径が数cmしかない赤外線を投光・受光するため、投光器と受光器の光軸調整を精度よく行わなければならないと共に、光量の調整も必要となり、この光軸、光量の調整が煩雑であるという問題がある。
又、特許文献1の赤外線防犯センサは、太陽光直射下の監視においては、赤外線が良好に検出できないことが生じたり、太陽光やその反射光が受光器に入射することで、ノイズや誤検出が発生したりするという不都合があった。
更に、特許文献1の赤外線防犯センサは、積雪によって投光器・受光器の雪面(地面側)からの高さが変わった場合など、設置された環境の変化が原因となる誤検出を低減することは出来ない。
本発明は、このような点に鑑み、環境距離が一律に変化する際に、直接電波と間接電波の干渉で受信電力の増減向きが変わる環境距離を受信部ごとに相異させるように送信部と受信部を設置することによって、「調整の容易化」と「誤検出の低減」を実現するセンサを提供することを目的とする。
本発明に係るセンサ1は、検出領域R内の物体Bを検出するセンサであって、前記検出領域Rへ電波Wを送信する送信部2と、この送信部2からの電波Wを受信可能な受信部3と、この受信部3が受信する電波Wに基づいて前記検出領域R内における物体Bの有無を判断する判断部4を有し、少なくとも前記受信部3は複数設置され、且つ、前記送信部2と受信部3は前記検出領域Rを挟んで対向して設置されていると共に、前記電波Wには、前記送信部2から受信部3へ直接届く直接電波W1と、前記送信部2から送信された後に検出領域R内の間接反射物Jで反射してから受信部3へ届く間接電波W2が含まれていて、前記間接反射物Jから送信部2及び受信部3までの環境距離Kが一律に変化する際に、前記受信部3それぞれが受信した電波Wの受信電力Pは前記直接電波W1と間接電波W2の干渉によって増減し、且つ、この増減の向きが変わる時の前記環境距離Kを前記受信部3ごとに相異させるように、前記送信部2と受信部3が設置されていることを第1の特徴とする。
尚、本発明における「間接反射物J」とは、検出領域R内に存在する地面J’や、検出領域R内の地面に積もった雪の上面(雪面)J”であったり、その他、車両(特に、車両の側周面)J、建物(特に、建物の壁面)Jなどであって、送信部2からの電波Wが、当該間接反射物Jで反射してから受信部3で受信され得るのであれば、何れの物も含む。
又、本発明における「環境距離K」とは、検出領域R内に存在する地面J’から送信部2及び受信部3までの距離(高さ)や、検出領域R内の地面に積もった雪の上面(雪面)J”から送信部2及び受信部3までの距離(高さ)であったり、その他、検出領域Rそばの幹線道路を通行する車両の側周面Jから送信部2及び受信部3までの距離(車両が、送受信部2、3の近くを通行するか、遠くを通行するかで、車両の側周面Jからの距離が変わる)や、検出領域Rそばに新たに建造された建物等の壁面Jから送信部2及び受信部3までの距離であっても良い。
更に、本発明における「受信電力Pの増減の向きが変わる時」とは、受信電力Pにおける減少から増加に変わる時と、受信電力Pにおける増加から減少に変わる時の少なくとも何れか一方を含み、極大の時や極小の時とも言える。
そして、本発明における「受信電力Pの増減の向きが変わる時の環境距離K」とは、上述した「受信電力Pの増減の向きが変わる時」に対応する環境距離Kを意味し、極大の時は極大環境距離K’と言え、極小の時は極小環境距離K”(極大環境距離K’と極小環境距離K”を合わせて極環境距離K+ )とも言える。
本発明に係るセンサ1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記送信部2及び受信部3の両方が取り付けられたセンサ筐体5を複数有し、これら複数のセンサ筐体5のうち少なくとも2つは、当該センサ筐体5における送信部2及び受信部3の位置が互いに略反転して対向するように設置されている点にある。
尚、本発明における「送信部2及び受信部3の位置が互いに略反転して対向する」とは、当該センサ筐体5において、送信部2及び受信部3が上下方向に沿った位置に取り付けられている場合には、センサ筐体5の上下方向を互いに略反転して対向することを意味し、当該センサ筐体5において、送信部2及び受信部3が左右方向に沿った位置に取り付けられている場合には、センサ筐体5の左右方向を互いに略反転して対向することを意味し、その他、当該センサ筐体5において、送信部2及び受信部3が斜め方向に沿った位置に取り付けられている場合には、センサ筐体5の斜め方向を互いに略反転して対向することを意味する。
ここで、センサ筐体5の上下方向や左右方向、斜め方向とは、センサ筐体5を設置した際の正面視における上下方向や左右方向、斜め方向を意味する。
本発明に係るセンサ1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記判断部4は、前記複数の受信部3全てにおける電波Wの受信電力Pが、所定のしきい時間τより長い時間をかけて、所定の判断限界値C以下となった際に、前記物体Bを検出不能と判断する点にある。
これらの特徴により、電波Wを送受信する送信部2及び受信部3と、検出領域R内における物体Bの有無を判断する判断部4を有し、少なくとも受信部3を複数設置し且つ送信部2と受信部3を検出領域Rを挟んで対向して設置し、電波Wには直接電波W1と間接反射物Jで反射する間接電波W2があり、間接反射物Jから送信部2及び受信部3までの環境距離Kが一律に変化する際に、受信電力Pは直接電波W1と間接電波W2の干渉によって増減し且つこの増減の向きが変わる時の環境距離Kを受信部3ごとに相異させるように、送信部2と受信部3を設置することで、特許文献1とは異なり、図1で示したように、所定距離だけ離れた送信部2と受信部3との間でも、電波Wの直径は1m弱あるため、直径が数cmしかない赤外線を用いる場合よりも、電波Wの向き等の調整が容易となる(「調整の容易化」)。
これに加えて、太陽光等の入射によるノイズや誤検出を低減できると共に、仮に、積雪により地面側から送信部2や受信部3までの高さが変わった(積雪によって、地面J’からの高さが、雪面J”からの高さに変わった)場合などであっても、物体B(未検出の物体B)の検出精度を確保し、誤検出を低減できる(「誤検出の低減」)。
これを図5〜10で詳解すれば、積雪や、通行車両、新たな建造物など環境が変化した場合には、送信部2から直接受信される直接電波W1の位相に対して、地面J’などの間接反射物Jで反射してから受信させる間接電波W2の位相が反転して(各電波W1、W2の半波長分ずれて)、直接電波W1と間接電波W2が互いに打ち消し合うことで、受信電力Pの増減が起こり得る。
この受信電力Pの増減によって、複数の受信部3のうち、ある1つの受信部3における受信電力Pは低下したとしても、本発明のセンサ1は、受信電力Pの増減の向きが変わる時の環境距離Kが受信部3ごとに相異するため、その他の受信部3の中に、物体Bの正しい検出が可能な受信電力Pの受信部3を存在させ易くなる。
尚、センサ1は、積雪など環境の変化にも対応できる「環境変化対応センサ」であるとも言える。
又、送信部2及び受信部3の両方を取り付けた複数のセンサ筐体5のうち少なくとも2つを、送信部2及び受信部3の位置が互いに略反転させて対向するように設置することで、これらの略反転して対向するセンサ筐体5間には、電波Wを送受信する送信部2・受信部3が2組存在することとなり、これら2組のうち、一方の送信部2・受信部3の組における直接電波W1の直接経路長さw1と間接電波W2の間接経路長さw2との電波経路差(一方電波経路差)ΔL1と、他方の送信部2・受信部3の組における直接経路長さw1と間接経路長さw2との電波経路差(他方電波経路差)ΔL2は、各センサ筐体5を何れの位置(何れの高さ位置など)に設置しても必ず相違するため、細かい設置位置の調整をせずとも、受信電力Pの増減の向きが変わる時の環境距離Kが受信部3ごとに相異するように、送信部2と受信部3を設置でき、更なる「誤検出の低減」を図れる(図6参照)。
更に、判断部4を、複数の受信部3全てにおける電波Wの受信電力Pが、所定のしきい時間τよりゆっくりと所定の判断限界値C以下となった際に、初めて物体Bを検出不能と判断させることで、積雪や、新たな建造物など環境が大きく変化した場合でも、全ての受信部3が検出できなくなるまでは、何れかの受信電力Pの受信部3(受信電力Pが判断限界値Cより大きい何れかの受信部3)に基づいて、検出領域R内の監視がぎりぎりまで可能となり、センサ1の環境変化への対応力を向上できる。
本発明に係るセンサによると、環境距離が一律に変化する際に、直接電波と間接電波の干渉で受信電力の増減向きが変わる環境距離を受信部ごとに相異させるように送信部と受信部を設置することで、「調整の容易化」と「誤検出の低減」を実現できる。
本発明に係るセンサを示す図であって、(a)は送信部から送信される電波と、間接反射物(地面)、受信部などを示す側面概要図であり、(b)は送信部から送信される電波を物体が遮っている様子を示す側面概要図であり、(c)は送信部から送信される電波と、間接反射物(通行車両の側周面)、受信部などを示す平面概要図である。 センサにおける直接電波と間接電波の電波経路差を示す概要図である。 センサにおける送信部、受信部、判断部、センサ筐体の構成例を示すブロック図である。 ビート信号の周波数スペクトルを示すグラフであって、(a)は検出領域内に物体が無い場合を示し、(b)は検出領域内に物体が有る場合を示す。 センサ筐体を2つ有する実施例1を示す概要図である。 実施例1において、環境距離(積雪高さ)が変化した際、受信電力の増減を示すシミュレーションのグラフであって、(a)はセンサ筐体5A→5B、(b)はセンサ筐体5B→5Aへの電波Wにおける受信電力を示し、(c)はこれら2つの受信電力の変化をまとめたものを示す。 センサ筐体を4つ有する実施例2を示す概要図である。 実施例2において、環境距離(積雪高さ)が変化した際、受信電力の増減を示すシミュレーションのグラフであって、(a)はセンサ筐体5A→5B、(b)はセンサ筐体5B→5A、(c)はセンサ筐体5A→5D、(d)はセンサ筐体5B→5C、(e)はセンサ筐体5C→5B、(f)はセンサ筐体5D→5A、(g)はセンサ筐体5C→5D、(h)はセンサ筐体5D→5Cへの電波Wにおける受信電力を示し、(i)はこれら8つの受信電力の変化をまとめたものを示す。 実施例2において、ある日に環境距離(積雪高さ)が変化した際、受信電力の増減などを示す実測値のグラフであって、(a)はセンサ筐体5A→5B、(b)はセンサ筐体5B→5A、(c)はセンサ筐体5A→5D、(d)はセンサ筐体5B→5C、(e)はセンサ筐体5C→5B、(f)はセンサ筐体5D→5A、(g)はセンサ筐体5C→5D、(h)はセンサ筐体5D→5Cへの電波Wにおける受信電力を示す。 実施例2において、図9とは別の日に環境距離(積雪高さ)が変化した際、受信電力の増減などを示す実測値のグラフであって、(a)はセンサ筐体5A→5B、(b)はセンサ筐体5B→5A、(c)はセンサ筐体5A→5D、(d)はセンサ筐体5B→5C、(e)はセンサ筐体5C→5B、(f)はセンサ筐体5D→5A、(g)はセンサ筐体5C→5D、(h)はセンサ筐体5D→5Cへの電波Wにおける受信電力を示す。 比較例を示す概要図である。 比較例において、環境距離(積雪高さ)が変化した際、受信電力の増減を示すシミュレーションのグラフであって、(a)はセンサ筐体5A”→5B”、(b)はセンサ筐体5B”→5A”への電波Wにおける受信電力を示し、(c)はこれら2つの受信電力の変化をまとめたものを示す。
図面に言及しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<センサ1の全体構成>
図1〜10には、本発明に係るセンサ1が示されている。
このセンサ1は、検出領域R内の物体Bの存在(未検出の物体Bの有無など)が判定できるのであれば、何れの方式・構成であっても良く、例えば、複数(2つ以上)の異なる周波数の連続波を同時に用いた(多周波CW)レーダ装置(特に、2つの異なる周波数の連続波を同時に用いた場合は、2周波CWレーダ装置とも言える)や、ある1つの周波数の連続波だけを用いた(CW)レーダ装置など、電波を利用したその他のセンサであっても構わない。
センサ1は、検出領域Rへ電波Wを送信する送信部2と、この送信部2からの電波Wを受信可能な受信部3と、電波W等に基づいて物体Bを検出する判断部4を有している。
これらの各部2〜4のうち、センサ1は、少なくとも受信部3を複数設置されており、送信部2と受信部3は、検出領域Rを挟んで対向して設置されている。
尚、複数の受信部3のうち、1つ又は全ては、後述するように、送信部2と一体に取り付けられてセンサ筐体5(送信部2及び受信部3一体型のセンサ筐体5)を構成していても良く、又、当然、送信部2も複数設置されていても良い。
以下は、センサ1の監視対象である検出領域Rや、物体Bについて述べる。
<検出領域R、物体B>
図1に示したように、センサ1が検出する「検出領域R」とは、送信部2から電波Wが送信(照射)される領域であり、この電波W以外に、当該電波Wが物体Bで反射した物反射波も通過する領域である。
検出領域Rは、送信部2と受信部3の間に存在する領域(送信部2と受信部3の間を通過する電波Wの経路の束が占める領域)であり、その形状は、送信部2と受信部3の中間点に近づくほど半径が大きくなる略ラグビーボール状となる(検出領域Rは、フレネルゾーン(第1フレネルゾーン)とも呼ばれる)。
又、センサ1は、検出領域Rの一端側に送信部2が設置され、検出領域Rの他端側に受信部3が設置されていると言える。
更に換言すれば、送信部2は、検出領域Rと想定する領域の一端側で且つ当該領域へ電波Wを送信可能な位置に設置されている。
同様に、受信部3は、検出領域Rと想定する領域の他端側で且つ当該領域を通過した送信部2からの電波Wを受信可能な位置に設置されている。
尚、検出領域Rが想定される(設定される)場所は、その場所内の物体Bの有無や、物体Bと、送信部2及び受信部3との間の距離を測る必要がある場所であれば、何れの場所であっても良いが、例えば、火力、水力、原子力、太陽光、風力、地熱、バイオマス、波力等の発電所(フェンスに囲まれた領域など)に設定されたり、この他、変電所、ガスプラント、浄水場、空港、港湾設備など、その他、各種施設に設定されていても良い。
又、各種施設において、積雪や車両の通行、建物の建造等が起こり得る屋外だけでなく、上述した発電所等や、工場、倉庫などの内部設備のレイアウトを変える等で環境の変化が起こり得る屋内に設定されていても構わない。
このような検出領域Rにおいて、検出すべき「物体B」とは、上述した各種施設に侵入しようとする侵入者(侵入物)や不審者であって、その他、検出領域Rに潜んでいた者(物)が動き出した場合なども対象とも言える。
よって、侵入者等の検出精度を上げるためにも、設置した環境の変化による誤検出を低減する必要がある。
<送信部2>
図1〜10に示されたように、送信部2は、検出領域Rへ所定の周波数f(波長λ=光速c÷周波数f)の電波Wを送信するものであって、複数設置されていても良い。
送信する電波Wは、上述したセンサ1の送信方式ごとに、周波数fやその変化の有無、送信タイミングなどが決まるが、以下からは、例示として、センサ1が多周波CW(マルチリンク方式とも言う)レーダ装置である場合の送信部2、受信部3及び判断部4について詳解する。
センサ1が多周波CWレーダ装置である場合、その送信部2は、少なくとも2つは設置され、複数の送信部2のうちのそれぞれが、異なる周波数fの電波W(連続波)を、同時に、同一の検出領域Rへ送信する(照射する)。
各送信部2は、発生させる信号(基礎信号M)の周波数fを、所定の値とする信号発生器21と、この信号発生器21からの基礎信号Mを検出領域Rへ送信する送信アンテナ22と、基礎信号Mを複数の受信部3へ出力する基礎出力路(同期路)23を備えている。
又、各送信部2は、信号発生器21からの信号を増幅させる送信増幅器を備えていたり、基礎信号Mを複数の受信部3へ出力しつつ電波Wの送信を停止することも出来る構成であっても良い。
<電波W>
図1〜10に示されるように、送信される電波Wの複数の異なる各周波数f(波長λ)も、何れの値であっても構わないが、例えば、24.050GHz以上24.250GHz以下(つまり、200MHz)の間であっても良く、この場合、センサ1を、特定小電力無線局の移動体検出センサとして用いることが出来る。
尚、この200MHz間に複数の異なる周波数fが存在する場合には、各周波数fの電波Wを、互いに干渉しない周波数差を持つように、各送信部2の信号発生器21が発生する。
このような電波Wの送信範囲・角度(指向性)としては、特に限定はないが、例えば、水平面に略沿った方向(左右方向)に約6°、垂直面に略沿った方向(上下方向)に約15°の送信角度としたり、左右方向に約20°、上下方向に約20°の送信角度としても良い。
上述した左右方向に約6°、上下方向に約15°のように、電波Wの送信範囲を、ある程度絞った(狭角化した)場合には、検出領域Rは小さくなるものの、検出領域Rが幹線道路に隣接している場合であっても、間接電波W2が減り、環境の変化に左右されず、検出精度を更に高めることが出来る(図1(c)参照)。
電波Wの送信範囲は、上述のように、左右方向よりも上下方向の送信角度を広くとって送信したり、上下方向、左右方向の送信角度が略同一であっても良く、その他、上下方向よりも左右方向の送信角度を広くとって送信しても構わない。
又、電波Wの送信範囲における水平面がE面(電界面)となり、垂直面がH面(磁界面)となる(水平偏波となる)ように、送信アンテナ22を配置しても良く、その逆に、水平面がH面となり、垂直面がE面となる(垂直偏波となる)ように配置しても構わない。
尚、電波Wは、電界が送信(進行)方向に向かって左又は右に回転する円偏波(左旋円偏波、又は、右旋円偏波)や、楕円偏波であっても良い。
<直接電波W1、間接電波W2、間接反射物J>
図1〜10に示されたように、電波Wには、送信部2から受信部3へ直接届く直接電波W1と、送信部2から送信された後に、地面J’などの間接反射物Jで反射してから受信部3へ届く間接電波W2が含まれる。
尚、直接電波W1と間接電波W2の電波経路差ΔLについては、おって詳解する。
<受信部3>
図1〜10に示されたように、受信部3は、送信部2から送信されて検出領域Rを通過した電波W(直接電波W1や間接電波W2)を受信するものであり、複数設置されている。
これら複数の受信部3は2つ以上であれば、その個数に特に限定はない。
受信部3は、電波W(直接電波W1と間接電波W2)を受信して、これらに応じた電気信号とする受信アンテナ24を備えていて、その他、受信アンテナ24からの信号を増幅する受信増幅器を備えていても良い。
<センサ筐体5>
図1〜10(特に、図5、7)に示されたように、センサ筐体5は、上述した送信部2及び受信部3の両方が(一体に)取り付けられた筐体であって、このセンサ筐体5は、複数設置されていても良い(センサ1は、複数のセンサ筐体5を有していても良い)。
尚、1つのセンサ筐体5は、送信部2と受信部3の両方が取り付けられていれば、それぞれの個数に制限はなく、例えば、1つのセンサ筐体5に送信部2及び受信部3が1つずつ取り付けられていたり、その他、1つのセンサ筐体5に1つの送信部2及び複数の受信部3が、1つのセンサ筐体5に複数の送信部2及び1つの受信部3が、1つのセンサ筐体5に複数の送信部2及び複数の受信部3が取り付けられていても構わない。
ここで、1つのセンサ筐体5における送信部2の送信アンテナ22と受信部3の受信アンテナ24との間の距離(アンテナ間距離)αについても、特に限定はないが、例えば、所定の値(0.05m(5cm)や、0.03m(3cm)など)であっても良い。
尚、このアンテナ間距離αは、厳密には、送信アンテナ22における給電点と、受信アンテナ24における給電点との間の正面視での(各アンテナ22、24が電波Wを送受信する方向から視た)距離となる。
センサ筐体5における送信部2と受信部3は、当該センサ筐体5の何れの位置に取り付けられていても良いが、例えば、正面視において、上下に(上下方向に沿って)設置された場合や、左右に(左右方向に沿って)設置された場合の他、正面視において斜めに(斜め方向に沿って)設置された場合などであっても良い。
又、複数のセンサ筐体5のうち少なくとも2つは、当該センサ筐体5における送信部2及び受信部3の位置が互いに略反転して対向するように設置されている。
つまり、当該センサ筐体5において、送信部2及び受信部3が上下方向に沿った位置に取り付けられている場合には、センサ筐体5の上下方向を互いに略反転して対向するように設置し、送信部2及び受信部3が左右方向に沿った位置に取り付けられている場合には、センサ筐体5の左右方向を互いに略反転して対向するように設置し、その他、送信部2及び受信部3が斜め方向に沿った位置に取り付けられている場合には、センサ筐体5の斜め方向を互いに略反転して対向して設置することになる。
以下、1つの送信部2と1つの受信部3が上下方向に沿って取り付けられたセンサ筐体5を複数有し、これら複数のセンサ筐体5のうち少なくとも2つは、当該センサ筐体5の上下方向を略反転して対向するように設置されている場合を、主に述べる。
<環境距離K>
図1〜10に示したように、環境距離Kは、上述した間接反射物Jから送信部2及び受信部3までの距離である。
環境距離Kは、具体的には、上述したように、検出領域R内に存在する地面J’や、その地面に積もった雪の上面(雪面)J”から送信部2及び受信部3までの距離(高さ)などの他、車両の側周面Jや、建物等の壁面Jから送信部2及び受信部3までの距離であっても良い。
以下は、環境変化は積雪であり、環境距離Kとは、地面J’又は雪面J”から送信部2及び受信部3までの高さ(環境高さ)Kであるとして、主に述べる。
この場合、地面J’又は雪面J”から送信部2及び受信部3までの環境高さKのうち、地面J’又は雪面J”から送信部2までの高さは、環境送信高さKtであるとも言え、地面J’又は雪面J”から受信部3までの高さは、環境受信高さKrであるとも言える。
特に、雪が積もっていない状態の地面J’から送信部2や受信部3までの環境高さK(Kt、Kr)は、それぞれの設置高さ(後述のHt、Hr)であるとも言える。
<受信電力P>
図1〜10に示すように、受信電力Pは、受信部3が受信した電波Wの電力であって、以下の式(1)〜(11)によって算出される。
尚、この受信電力Pの符号は、以下においては、Prともすると共に、受信部3の設置高さ(地面J’から受信部3までの距離で、受信設置高さとも言う)をHrとし、受信部3の受信アンテナ利得をGrとする。
一方、上述した送信部2の送信電力をPtとし、送信部2の設置高さ(地面J’から送信部2までの距離で、送信設置高さとも言う)をHtとし、送信部2の送信アンテナ利得をGtとする。
尚、上述した送信設置高さHtは、厳密には、地面J’から送信部2の送信アンテナ22の給電点までの距離であるとも言え、上述した受信設置高さHrは、厳密には、地面J’から受信部3の受信アンテナ24の給電点までの距離であるとも言える。
又、送信部2と受信部3間の平面視における水平距離(検出距離)をDとし、直接電波W1の経路長さ(直接経路長さ)をw1とし、間接電波W2の経路長さ(間接経路長さ)をw2とする。
ここで、間接電波W2の地面J’に対する入射角と反射角が等しいため、間接電波W2の間接経路長さw2は、地面を境に反転させた受信部3(図1(c)中の点線参照)から、送信部2までを真っ直ぐ結んだ長さと同じになる。
これらをふまえ、直接電波W1の直接経路長さw1、間接電波W2の間接経路長さw2、直接経路長さw1と間接経路長さw2の電波経路差ΔLは、以下の式(1)〜(3)のようになる。
これらの式(1)〜(3)により計算した電波経路差ΔLや、上述した各アンテナ利得Gt、Gr、送信電力Pt、電波W(直接電波W1、間接電波W2)の波長λに基づいて、自由空間電界強度E0 、受信電界強度Er、受信電力Prを計算すると、以下の式(4)〜(6)のようになる。
このように、受信電力Prは、送信部2や受信部3の設置の仕方(検出距離Dや各設置高さHt、Hr)や、性能(送信電力Ptや、各アンテナ利得Gt、Gr)などによって決まるが、上述したように、積雪など環境が変化した場合には、その環境の変化に応じた値に、受信電力Prも変化する。
そこで、積雪高さ(地面J’から雪面J”までの距離)をSとし、この積雪高さSが変化した場合の受信電力Pr(環境受信電力Pr’)についても導出する。
この場合、地面J’又は雪面J”から送信部2までの環境送信高さKtは、送信設置高さHtから積雪高さSを引いて、Kt=Ht−Sとなる。尚、S=0の時は、環境送信高さKtは、当然、地面J’から送信部2までの高さとなり、これは送信設置高さHtと同一となる。
一方、地面J’又は雪面J”から受信部3までの環境受信高さKrは、受信設置高さHrから積雪高さSを引いて、Kr=Hr−Sとなる。尚、S=0の時は、環境受信高さKrは、当然、地面J’から受信部3までの高さとなり、これは受信設置高さHrと同一となる。
更に、積雪高さSが変化した場合において、直接電波W1の直接経路長さを環境直接経路長さw1’とし、間接電波W2の間接経路長さを環境間接経路長さw2’とし、これらw1’とw2’の差を環境電波経路差をΔL’とし、この環境電波経路差ΔL’に基づく受信電界強度を環境受信電界強度Er’とすると、環境受信電力Pr’は、以下の式(7)〜(9)のようになる。
これらの式(1)〜(3)により計算した環境電波経路差ΔLや、各アンテナ利得Gt、Gr、送信電力Pt、電波Wの波長λに基づいて、環境受信電界強度Er’や環境受信電力Pr’を計算すると、以下の式(10)、(11)のようになる。
尚、自由空間電界強度E0 は、環境の変化(積雪高さS)によらず、一定であり、その値は、上述の式(4)による。
つまり、受信電力Pr(=環境受信電力Pr’)は、環境距離K(環境送信高さKt、環境受信高さKr)によって変化する値であって、Pr=f(K)(=F(Kt,Kr))とおける。
ここで、環境送信高さKt、環境受信高さKrは、何れも、1つの変数(積雪高さS)で決まることから、受信電力Prは、地面J’に雪が積もった場合、その積雪高さSによって変化する値であるとも言え、Pr=f’(S)ともおける。
尚、ここまで述べた式(1)〜(11)は、間接反射物J(地面J’や雪面J”)を完全反射体として算出するものであるが、間接反射物Jにおける反射損失を見込んでも良い。
<判断部4>
図1〜4に示されたように、判断部4は、受信部3が受信する電波Wに基づいて検出領域R内における物体Bの有無を判断するものである。
尚、判断部4が、物体Bまでの距離を検出せず、物体Bの有無だけを検出する場合には、赤外線センサ用の判断部4(判断システム)を大幅に変更せずとも、電波Wを用いるセンサ1に代替し易くなるとも言える。
判断部4は、受信部3が受信した電波W(直接電波W1や間接電波W2)に対応する信号と、送信部2から基礎出力路23を介しての基礎信号Mとの積(ビート信号)を出力するミキサ4aも備えている。
尚、判断部4は、その内部に、フィルタ(ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ)や、A/D変換器を備えていたり、検出領域R内の物体Bを検出したことを外部へ出力する構成(物体検出信号Vの出力)、検出不能であることを外部へ出力する構成(検出不能信号V’の出力)等を備えていても良い。
又、判断部4は、上述した送信部2の信号発生器21に所定の周波数fの基礎信号M(電波W)を発生させるための電波発生信号Xを、当該信号発生器21に送っても良い。
上述したミキサ4aは、送信部2からの基礎信号Mと、受信部3からの信号を、下記の式(12)で乗算した後、基礎信号M(電波W)の周波数をF1と、受信部3からの信号の周波数をF2との差(F1−F2)の成分だけを取り出すものである。
このミキサ4aからのビート信号に基づいて、検出領域R内における物体Bの有無を判断できる。
尚、実際のビート信号は、様々な周波数成分をもつ波形であるため、その周波数成分の中で最も多く含まれる周波数の値を求める必要がある。
そのため、一般的には、以下の式(13)に示すフーリエの変換公式を適用することで、ビート信号の周波数スペクトルが得られ、そのスペクトルにおいて振幅又はエネルギーのピークを示す周波数成分や、そのピークの高さで、判断部4は、検出領域R内における物体Bの有無を判断することとなる。
<判断部4による判断処理、判断限界値C>
ここまで述べた判断部4は、ビート信号の周波数スペクトルを用いて、検出領域R内の物体Bを検出できるのであれば、どのような判断処理をしても良いが、例えば、上述した複数の受信部3全てにおける電波Wの受信電力Pが、所定のしきい時間τより長い時間をかけて、所定の判断限界値C以下となった際に、物体Bを検出不能と判断する(検出不能信号V’を出力する)こととしても良い。尚、判断限界値C(後述のしきい電力C’)は、特に限定はなく、90dBmWなどであっても良い。
このように検出不能と判断する判断処理を詳解する前に、まずは、1つの送信部2からの電波Wを受信した1つの受信部3において、ビート信号の周波数スペクトルを用いて物体B有無の判断処理をした場合について、図4にて詳解する。
図4(a)は、検出領域R内に物体Bが無い(検出領域R内へ物体Bが侵入していない)場合の周波数スペクトルを示し、所定の周波数で、所定の判断限界値(振幅やエネルギー)Cを越えたピークを迎えている。
このピークは、送信部2からの電波Wを受信部3が受信することで発生しており、基礎信号Mの周波数をF1と、受信部3からの信号の周波数をF2との差(F1−F2)に応じた周波数で、ピーク(受信ピーク)3’が立つ。
一方、図4(b)では、検出領域R内に物体Bが有る(検出領域R内へ物体Bが侵入した)場合の周波数スペクトルを示しており、判断限界値Cを越える受信ピーク3’は存在しない。
つまり、検出領域R内へ侵入した物体Bによって、送信部2からの電波W(直接電波W1も間接電波W2も)が遮られ、受信部3には、判断限界値Cを越えるレベル(振幅やエネルギー)を持った電波Wが届かないことがわかる。
従って、上述した受信ピーク3’が、所定の判断限界値Cを越えている間は、物体Bの侵入も環境の変化も無いことが判断でき、判断部4は、受信ピーク3’のレベルだけを見ていれば、物体Bの侵入や環境の変化を判断できる。
尚、複数(2つ以上)の送信部2からの電波Wを、1つの受信部3で受信した場合には、ビート信号の周波数スペクトルは、基礎信号Mの周波数をF1と、それぞれの受信部3からの信号の周波数をF21 、F22 、F23 ・・・との差(F1−F21 )、(F1−F22 )、(F1−F23 )・・・に応じた周波数それぞれで、複数のピーク(受信ピーク)3’が立つこととなり、各受信ピーク3’のレベルを見ていれば良い。
<しきい時間τ>
更に、受信ピーク3’からは、以下の点も読み取れる。
それは、判断部4が、受信ピーク3’のレベルだけを見ておけば、その変化スピードによって、物体Bの侵入など(物体Bの侵入や、環境の変化のうち素早く変化する通行車両など)によるものか、それとも、積雪などによるものかを判断できる点である。
すなわち、受信ピーク3’のレベルが、所定の判断限界値Cより低下したとしても、そのレベルの低下(変化)が、所定の時間(しきい時間)τを越えて、ゆっくり低下した場合は、積雪など(環境の変化のうち、ゆっくり変化する積雪や、徐々に建設される新たな建造物など)が原因であり、物体Bの侵入などとは区別できる。
このとき、判断部4は、受信ピーク3’のレベルが所定の判断限界値Cより低下しても、物体検出信号Vの出力等はしない。
尚、受信ピーク3’のレベル低下は、当然、受信部3での電波Wの受信電力Pが低下(変化)していることが原因であることから、「受信ピーク3’のレベルが、所定の判断限界値Cより低下した」とは、「受信部3の受信電力Pが、所定のしきい電力C’を越えて変化した」ことを意味すると言える。尚、このしきい電力C’の単位は、W(ワット)又はdBmW(デシベルミリワット)であっても良い。
又、逆に、所定のしきい時間τ内に、受信ピーク3’のレベルが、所定の判断限界値Cより低下した(つまり、所定のしきい電力C’を越えて変化した)場合には、素早い状況の変化(物体Bの侵入など)が原因である。
ここまでは、1つの送信部2からの電波Wを1つの受信部3で受信した場合や、複数の送信部2からの電波Wを1つの受信部3で受信した場合について述べたが、ここからは、1つ又は複数の送信部2からの電波Wを、複数の受信部3で受信した場合を述べる。
図5〜10に示したように、このように複数の受信部3で受信する場合に、積雪などがあっても(間接反射物Jから送信部2及び受信部3までの環境距離K(積雪高さS))が一律に変化しても)、センサ1において、受信電力Pの増減の向きが変わる時の積雪高さS(環境距離K)を、受信部3ごとに相異するように、送信部2と受信部3を設置していれば、複数の受信部3のうち、ある1つの受信部3における受信電力Pは低下したとしても、その他の受信部3の中に、物体Bの正しい検出が可能な受信電力Pの受信部3が存在し易くなり、この受信部3に基づいて、判断部4は、物体Bの有無が判断できる。
更に、判断部4を、複数の受信部3全てにおける電波Wの受信電力Pが、所定のしきい時間τより長い時間をかけて、所定の判断限界値C以下となった際に、初めて物体Bを検出不能と判断させることで、積雪や、新たな建造物など環境が大きく変化した場合でも、全ての受信部3が検出できなくなるまでは、受信電力Pが判断限界値Cより大きい何れかの受信部3に基づいて、検出領域R内の監視がぎりぎりまで可能となり、センサ1の環境変化への対応力を向上できる。
その他、物体B有無の判断処理としては、判断部4は、連続して物体Bの有無を判断するのではなく、一定時間ごとに判断しても良い。
又、判断部4は、受信ピーク3’のレベルが、所定の判断限界値Cを越えている受信部3を、物体Bの検出で用いる受信部3として、1又は2以上を選択しても良い(後述する実施例1、2や、図6、8参照)。
更に、判断部4は、しきい時間τ内に所定の判断限界値Cより低下したか否かで積雪かを区別したり、選択した受信部3全てが同時に所定の判断限界値Cより低下したかで物体Bの侵入か、通行車両等かを区別しても良い。
尚、判断部4は、各センサ筐体5ごとに設けられていても良く、各センサ筐体5の判断部4のうち、何れかの判断部4が、他の判断部4からの結果(所定のしきい時間τ内に、受信ピーク3’のレベルが、所定の判断限界値Cより低下したか(物体Bが侵入したか)や、所定のしきい時間τより長い時間をかけて、受信ピーク3’のレベルが、所定の判断限界値Cより低下したか(積雪があったか)など)を取り纏め、物体検出信号Vの出力、センサ1全体として、検出不能信号V’の出力等を行う構成であっても良い。
<実施例1>
図5、6に示したように、実施例1に係るセンサ1は、上述した送信部2及び受信部3の両方が取り付けられたセンサ筐体5(5A、5B)を2つ有し、これら2つのセンサ筐体5A、5Bにおいて、それぞれの送信部2(2A、2B)及び受信部3(3A、3B)の位置が互いに略反転(略上下反転)して対向するように設置されている。
又、実施例1は、一方のセンサ筐体5Aにおける送信部2Aの送信設置高さHtAが1.50mで、他方のセンサ筐体5Bにおける送信部2Bの送信設置高さHtBは1.45mである。
又、この実施例1では、各センサ筐体5A、5Bにおける送信部2A、2Bと受信部3A、3Bとの間のアンテナ間距離αが0.05m(5cm)であると共に、これらのセンサ筐体5A、5Bが上下方向を略反転して対向するように設置されているため、一方のセンサ筐体5Aにおける受信部3Aの受信設置高さHrAが1.45mで、他方のセンサ筐体5Bにおける受信部3Bの受信設置高さHrBは1.50mである。
これら各設置高さHtA、HtB、HrA、HrBを、上述した式(4)、(7)〜(11)に代入して、間接反射物J(地面J’又は雪面J”)から各送信部2A、2B及び受信部3A、3Bまでの環境距離Kが一律に変化する(つまり、積雪高さSが変化する)際の、各受信部3A、3Bにおける受信電力PrAB、PrBAを、図6のグラフに表す。
尚、このグラフにおける横軸は、積雪高さS(単位:m)であって、0.00mから0.01mずつ値が増加し、縦軸は、各受信部3A、3Bの受信電力PrAB、PrBA(単位:dBmW)である。
又、実施例1においては、一方のセンサ筐体5Aの送信部2Aから他方のセンサ筐体5Bの受信部3Bへの電波Wの周波数fABは24.250000GHz(図5中の実線にて示す)、他方のセンサ筐体5Bの送信部2Bから一方のセンサ筐体5Aの受信部3Aへの電波Wの周波数fBAは24.249950GHz(図5中の点線にて示す)とすると共に、送信部2A、2Bと受信部3A、3B間の検出距離Dは73m、光速は299792458m/秒、各送信部2A、2Bからの電波Wの送信電力PtA、PtBは10W(ワット)、各送信部2A、2Bの送信アンテナ利得GtA、GtBは2.15dB(1.64倍)、各受信部3A、3Bの受信アンテナ利得GrA、GrBも2.15dB(1.64倍)とする。
更に、図5中の(a)、(b)は、図6中の(a)、(b)のグラフが対応することを示す。
<実施例1の考察>
その結果、図6(c)に示すように、受信電力PrAB、PrBAは、その増減の向きが変わる時の環境距離K(積雪高さS)が、各受信部3A、3Bごとに相異している。
詳解すれば、1つ目の受信電力PrABは、その増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.07m、0.24m、0.44m、0.68m、1.03mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図6(a)参照)。
更に、1つ目の受信電力PrABの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.16m、0.34m、0.55m、0.83mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図6(a)参照)。尚、極大積雪高さS’や極小積雪高さS”を合わせて、極積雪高さS+ であるとも言える。
これに対して、2つ目の受信電力PrBAは、その増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.02m、0.19m、0.39m、0.63m、0.98mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図6(b)参照)。
更に、2つ目の受信電力PrBAの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.11m、0.29m、0.50m、0.78mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図6(b)参照)。
従って、受信電力PrAB、PrBAの増減の向きが変わる時の積雪高さS(特に、極小積雪高さS”)は、互いに相違しているため、例えば、判断限界値C(しきい電力C’)を−90dBmWとした場合に、2つの受信部3A、3Bにおける2つの受信電力PrAB、PrBAのうち、1つ目の受信電力PrABは低下したとしても(例えば、積雪高さSが0.16m、0.34m、0.55m、0.83mなどで、受信電力PrABが極小であったとしても)、2つ目の受信電力PrBAは、積雪高さSが0.16mなどの時は極小ではなく、判断限界値Cである−90dBmWを越える。
同じく、判断限界値Cを−90dBmWとした場合に、2つの受信電力PrAB、PrBAのうち、2つ目の受信電力PrBAが低下したとしても(例えば、積雪高さSが0.11m、0.29m、0.50m、0.78mなどで、受信電力PrBAが極小であったとしても)、1つ目の受信電力PrABは、積雪高さSが0.11mなどの時は極小ではなく、判断限界値Cである−90dBmWを越える。
よって、1つ目の受信電力PrABが極小近傍で、所定のしきい時間τより長い時間の間、判断限界値C以下となる積雪高さSの時(つまり、受信部3Bでは物体Bの有無が判断できない時)でも、2つ目の受信電力PrBA(受信電力PrBAに対応する受信ピーク3’)は所定の判断限界値Cを越えることとなり、この2つ目の受信電力PrBAが、所定のしきい時間τ以内に、当該判断限界値C以下となった場合には、判断部4は、検出領域Rに物体Bが有る(物体Bが侵入した)と判断できる。
逆に、2つ目の受信電力PrBAが極小近傍で、所定のしきい時間τより長い時間の間、判断限界値C以下となる積雪高さSの時(つまり、受信部3Aでは物体Bの有無が判断できない時)でも、1つ目の受信電力PrAB(受信電力PrABに対応する受信ピーク3’)は所定の判断限界値Cを越えることとなり、この1つ目の受信電力PrABが、所定のしきい時間τ以内に、当該判断限界値C以下となった場合にも、判断部4は、検出領域Rに物体Bが有る(物体Bが侵入した)と判断できる。
ここで、1つ目の受信電力PrABは、積雪高さSが1.32m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、2つ目の受信電力PrBAは、積雪高さSが1.27m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となる。
つまり、積雪高さSが1.32m以上となった場合には、複数の受信部3全ての受信電力Pが、所定のしきい時間τより長い時間においても、所定の判断限界値C以下となった際であると言えることから、判断部4は、物体Bを検出不能と判断する(検出不能信号V’を出力する)。
又、このように積雪高さSが1.32m以上となる時とは、上述した送信部2A、2B及び受信部3A、3Bの設置高さHtA、HtB、HrA、HrBが、1.45m以上1.50m以下の間であることから、送信部2A、2B及び受信部3A、3Bが雪に埋もれようとしている状態を指す。
尚、受信電力PrAB、PrBAの増減の向きが変わる時の環境距離Kを受信部3A、3Bごとに相異させるとは、受信部3A、3Bで、極大環境距離K’(極大積雪高さS’)と、極小環境距離K”(極小積雪高さS”)の両方が相違する場合だけでなく、受信部3A、3Bで、極小環境距離K”(極小積雪高さS”)だけが相違する場合も含む。
<実施例2>
図7〜10に示したように、実施例2に係るセンサ1は、上述した送信部2及び受信部3の両方が取り付けられたセンサ筐体5(5A、5B、5C、5D)を4つ有し、これら2つのセンサ筐体5A〜5Dにおいて、それぞれ対向し合うセンサ筐体5Aと5Bにおける送信部2(2A、2B)及び受信部3(3A、3B)の位置や、センサ筐体5Cと5Dにおける送信部2(2C、2D)及び受信部3(3C、3D)の位置が、互いに略反転(略上下反転)して対向するように設置されている。
又、実施例2は、1つ目のセンサ筐体5Aにおける送信部2Aの送信設置高さHtAが1.49mで、2つ目のセンサ筐体5Bにおける送信部2Bの送信設置高さHtBは1.42mであり、3つ目のセンサ筐体5Cにおける送信部2Cの送信設置高さHtCが0.48mで、4つ目のセンサ筐体5Dにおける送信部2Dの送信設置高さHtBは0.47mである。
又、この実施例2でも、各センサ筐体5A〜5Dにおける送信部2A〜2Dと受信部3A〜3Dとの間のアンテナ間距離αが0.05m(5cm)であると共に、これらのセンサ筐体5Aと5B、5Cと5Dは上下方向を略反転して対向するように設置されているため、1つ目のセンサ筐体5Aにおける受信部3Aの受信設置高さHrAが1.44mで、2つ目のセンサ筐体5Bにおける受信部3Bの受信設置高さHrBは1.47mであり、3つ目のセンサ筐体5Cにおける受信部3Cの受信設置高さHrCが0.43mで、4つ目のセンサ筐体5Dにおける受信部3Dの受信設置高さHrDは0.52mである。
これら各設置高さHtA〜HtD、HrA〜HrDを、上述した式(4)、(7)〜(11)に代入して、間接反射物J(地面J’又は雪面J”)から各送信部2A〜2D及び受信部3A〜3Dまでの環境距離Kが一律に変化する(つまり、積雪高さSが変化する)際の、各受信部3A〜3Dへの各送信部2A〜2Dからの受信電力PrAB、PrBA、PrAD、PrBC、PrCB、PrDA、PrCD、PrDCを、図8のグラフに表す。
尚、このグラフにおける横軸は、積雪高さS(単位:m)であって、0.00mから0.01mずつ値が増加し、縦軸は、各受信部3A〜3Dの上述した受信電力PrAB〜PrDC(単位:dBmW)である。
又、実施例2においては、1つ目のセンサ筐体5Aの送信部2Aから2つ目及び4つ目のセンサ筐体5B、5Dの受信部3B、3Dへの電波Wの周波数fAB、fADは24.250000GHz(図7中の実線にて示す)、2つ目のセンサ筐体5Bの送信部2Bから1つ目及び3つ目のセンサ筐体5A、5Cの受信部3A、3Cへの電波Wの周波数fBA、fBCは24.249950GHz(図7中の点線にて示す)、3つ目のセンサ筐体5Cの送信部2Cから2つ目及び4つ目のセンサ筐体5B、5Dの受信部3B、3Dへの電波Wの周波数fCB、fCDは24.249900GHz(図7中の1点鎖線にて示す)、4つ目のセンサ筐体5Dの送信部2Dから1つ目及び3つ目のセンサ筐体5A、5Cの受信部3A、3Cへの電波Wの周波数fDA、fDCは24.249850GHz(図7中の2点鎖線にて示す)とすると共に、送信部2A〜2Dと受信部3A〜3D間の検出距離Dは73m、光速は299792458m/秒、各送信部2A〜2Dからの電波Wの送信電力PtA〜PtDは10W(ワット)、各送信部2A〜2Dの送信アンテナ利得GtA〜GtDは2.15dB(1.64倍)、各受信部3A〜3Dの受信アンテナ利得GrA〜GrDも2.15dB(1.64倍)とする。
更に、図7中の(a)〜(h)は、図8〜10中の(a)〜(h)のグラフが対応することを示す。
<実施例2の考察>
その結果、図8(i)に示すように、受信電力PrAB〜PrDCは、その増減の向きが変わる時の環境距離K(積雪高さS)が、各受信部3A〜3Dごとに相異している(換言すれば、同じ受信部3であっても何れの送信部2からの電波Wを受信するかごとに相違している)。
詳解すれば、1つ目の受信電力PrABは、その増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.05m、0.22m、0.42m、0.66m、1.00mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図8(a)参照)。
更に、1つ目の受信電力PrABの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.14m、0.32m、0.53m、0.81mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図8(a)参照)。
次に、2つ目の受信電力PrBAは、積雪高さSが0.00mから0.09mまでは一様に減少し、又、2つ目の受信電力PrBAの増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.17m、0.37m、0.61m、0.95mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図8(b)参照)。
更に、2つ目の受信電力PrBAの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.09m、0.27m、0.48m、0.76mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図8(b)参照)。
同様に、3つ目の受信電力PrADは、その増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.05m、0.33mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図8(c)参照)。
更に、3つ目の受信電力PrADの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.18mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図8(c)参照)。
同様に、4つ目の受信電力PrBCは、積雪高さSが0.00mから0.09mまでは一様に減少し、又、4つ目の受信電力PrBCの増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.24mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図8(d)参照)。
更に、4つ目の受信電力PrBCの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.09mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図8(d)参照)。
同様に、5つ目の受信電力PrCBは、その増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.01m、0.29mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図8(e)参照)。
更に、5つ目の受信電力PrCBの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.14mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図8(e)参照)。
同様に、6つ目の受信電力PrDAは、積雪高さSが0.00mから0.13mまでは一様に減少し、又、6つ目の受信電力PrDAの増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.28mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図8(f)参照)。
更に、6つ目の受信電力PrDAの増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.13mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図8(f)参照)。
同様に、7つ目の受信電力PrCDは、その増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.02mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図8(g)参照)。
尚、7つ目の受信電力PrCDは、積雪高さSが0.02mとなってから、一様に減少しているため、減少から増加に向きが変わって極小とならない(極小積雪高さS”はない、図8(g)参照)。
尚、8つ目の受信電力PrDCは、積雪高さSが0.00mから終始、一様に減少しているため、増加から減少に向きが変わって極大とはならず(極大積雪高さS’はなく、図8(g)参照)、減少から増加に向きが変わって極小ともならない(極小積雪高さS”もない、図8(g)参照)。
従って、受信電力PrAB〜PrDCの増減の向きが変わる時の積雪高さS(特に、極小積雪高さS”)等は、互いに相違しているため、例えば、判断限界値C(しきい電力C’)を−90dBmWとした場合に、4つの受信部3A〜3Dにおける8つの受信電力PrAB〜PrDCのうち、1つ目の受信電力PrABは低下したとしても(例えば、積雪高さSが0.14m、0.32m、0.53m、0.81mなどで、受信電力PrABが極小であったとしても)、その他の2つ目の受信電力PrBA〜8つ目の受信電力PrDCは、積雪高さSが0.14mなどの時は極小ではなく、判断限界値Cである−90dBmWを越える。
同じく、判断限界値Cを−90dBmWとした場合に、4つの受信部3A〜3Dにおける8つの受信電力PrAB〜PrDCのうち、2つ目の受信電力PrBAが低下したとしても(例えば、積雪高さSが0.09m、0.27m、0.48m、0.76mなどで、受信電力PrBAが極小であったとしても)、その他の1つ目の受信電力PrABや、3つ目の受信電力PrAD〜8つ目の受信電力PrDCは、積雪高さSが0.27mなどの時は極小ではなく、判断限界値Cである−90dBmWを越える。
これは、3つ目の受信電力PrAD〜8つ目の受信電力PrDCが低下したとしても(例えば、積雪高さSが0.09m、0.13m、0.14m、0.18mなどで、受信電力PrAD〜PrDCが極小であったとしても)同様である。
よって、1つ目の受信電力PrABが極小近傍で、所定のしきい時間τより長い時間の間、判断限界値C以下となる積雪高さSの時(つまり、受信部3Bでは物体Bの有無が判断できない時)でも、その他の2つ目の受信電力PrBA〜8つ目の受信電力PrDC(受信電力PrBA〜PrDCに対応する受信ピーク3’)は所定の判断限界値Cを越えることとなり、これらその他の2つ目の受信電力PrBA〜8つ目の受信電力PrDCが、所定のしきい時間τ以内に、当該判断限界値C以下となった場合には、判断部4は、検出領域Rに物体Bが有る(物体Bが侵入した)と判断できる。
逆に、2つ目の受信電力PrBAが極小近傍で、所定のしきい時間τより長い時間の間、判断限界値C以下となる積雪高さSの時(つまり、受信部3Aでは物体Bの有無が判断できない時)でも、その他の1つ目の受信電力PrABや、3つ目の受信電力PrAD〜8つ目の受信電力PrDC(受信電力PrAB、PrAD〜PrDcに対応する受信ピーク3’)は所定の判断限界値Cを越えることとなり、これらその他の1つ目の受信電力PrABや、3つ目の受信電力PrAD〜8つ目の受信電力PrDCが、所定のしきい時間τ以内に、当該判断限界値C以下となった場合にも、判断部4は、検出領域Rに物体Bが有る(物体Bが侵入した)と判断できる。
これは、3つ目の受信電力PrAD〜8つ目の受信電力PrDCが極小近傍で、所定のしきい時間τより長い時間の間、判断限界値C以下となる積雪高さSの時(つまり、受信部3C、3Dや、送信部2C、2Dからの電波Wを受信した受信部3A、3Bでは物体Bの有無が判断できない時)でも、同様である。
尚、1つ目の受信電力PrABは、積雪高さSが1.30m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、2つ目の受信電力PrBAは、積雪高さSが1.25m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、3つ目の受信電力PrADは、積雪高さSが0.49m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、4つ目の受信電力PrBCは、積雪高さSが0.40m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、5つ目の受信電力PrCBは、積雪高さSが0.45m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、6つ目の受信電力PrDAは、積雪高さSが0.44m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、7つ目の受信電力PrCDは、積雪高さSが0.32m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となり、8つ目の受信電力PrDCは、積雪高さSが0.27m以上となった場合に常時、判断限界値C以下となる。
つまり、積雪高さSが1.30m以上となった場合には、複数の受信部3全ての受信電力Pが、所定のしきい時間τより長い時間においても、所定の判断限界値C以下となった際であると言えることから、判断部4は、物体Bを検出不能と判断する(検出不能信号V’を出力する)。
又、このように積雪高さSが1.30m以上となる時とは、上述した送信部2A〜2D及び受信部3A〜3Dの設置高さHtA〜HrDが、1.42m以上1.49m以下の間や、0.43m以上0.52m以下の間であることから、送信部2C、2D及び受信部3C、3Dは完全に雪に埋もれ、送信部2A、2B及び受信部3A、3Bも雪に埋もれようとしている状態を指す。
尚、受信電力PrAB〜PrDCの増減の向きが変わる時の環境距離Kを受信部3A〜3Dごとに相異させるとは、受信部3A〜3Dで、極大環境距離K’(極大積雪高さS’)と、極小環境距離K”(極小積雪高さS”)の両方が相違する場合だけでなく、受信部3A〜3Dで、極小環境距離K”(極小積雪高さS”)だけが相違する場合も含む。
その他の構成、作用効果及び使用態様は、実施例1と同様である。
<実施例2の実測値>
図9、10には、ここまで述べてきた実施例2に係るセンサ1の実測値が示されている。
これら図9、10において、横軸は、実測した日における時刻であり(24時間を5等分して、4時48分、9時36分、14時24分、19時12分で目盛を打っており)、上述したように、一定時間ごとに、判断部4が、周波数スペクトルにおける受信ピーク3’の受信レベル(振幅やエネルギー)を測定している。
図9、10において、左の縦軸は、受信部3A〜3Dでの受信レベルである。
又、右の縦軸は、受信部3A〜3Dにおける受信電力PrAB〜PrDCの状態を示す状態レベルであり、この状態レベルが「9」の時は、各受信電力PrAB〜PrDCが、しきい時間τより長い時間をかけて、判断限界値C(しきい電力C’)以下となった(積雪があった)ことを示し、状態レベルが「1」の時は、各受信電力PrAB〜PrDCが、しきい時間τ内に、判断限界値C(しきい電力C’)以下となった(検出領域R内に物体Bが侵入した)ことを示し、状態レベルが「0」の時は、各受信電力PrAB〜PrDCが判断限界値C(しきい電力C’)以下となっていないことを示す。
尚、図9、10中において、状態レベルが「9」や「1」の時は、その部分を○(丸)で囲んでいる。
図9は、ある日において、積雪高さS(環境距離K)が変化した際、受信電力の増減などを示しており、この日は、夕方17時過ぎから積雪があった。
この図9の積雪によって、4つの受信部3A〜3Dにおける8つの受信電力(受信レベル)PrAB〜PrDCの実測値が変化しているが、これらの実測値の増減と、図8で示したシミュレーションのグラフを比較する。
受信電力PrABについて、図8(a)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベル(受信電力)が増加しているように、図9中の(a)のグラフでも、積雪開始から受信レベルが増加している。積雪開始から30分ほど経過した後は、受信レベルに変化はない。
受信電力PrBAについて、図8(b)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルが減少しているように、図9中の(b)のグラフでも、積雪開始から受信レベルが減少している。積雪開始から30分ほど経過した後は、受信レベルにほとんど変化はないが、そもそもの受信レベルが低いため、2度ほど状態レベルが「9」となっている。
以下、同様に、受信電力PrAD、PrBC、PrDA、PrDCについては、図8(c)、(d)、(f)、(h)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルがほぼ横ばい(変化なし)であるように、図9中の(c)、(d)、(f)、(h)のグラフでも、積雪開始から受信レベルにほとんど変化はない。
又、受信電力PrCB、PrCDについては、図8(e)、(g)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルが若干増加しているように、図9中の(e)、(g)のグラフでも、積雪開始から受信レベルが若干増加している。積雪開始から30分ほど経過した後は、受信レベルに変化はない。
一方、図10は、図9とは別の日において、積雪高さS(環境距離K)が変化した際、受信電力の増減などを示しており、この日は、朝の4時半頃から夜中の24時頃まで断続的に積雪があった。
この図10の積雪によっても、4つの受信部3A〜3Dにおける8つの受信電力(受信レベル)PrAB〜PrDCの実測値が変化しているが、これらの実測値の増減と、図8で示したシミュレーションのグラフを比較する。
尚、図10(a)〜(h)においては、お昼12時半頃から14時過ぎまでや、24時直前の短い間でログデータが欠損していたため、グラフが途切れているが、実際には当然、図9のように、この間も判断部4による物体B有無の判断処理が行われており、各グラフの欠損部分の間を繋ぐようにログデータが推移していたとも言える。
受信電力PrABについて、図8(a)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベル(受信電力)が増加した後、減少と増加を繰り返しているように、図10中の(a)のグラフでも、積雪開始から受信レベルが増加した後、増減を繰り返している。
受信電力PrBAについて、図8(b)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルが減少した後、増加と減少を繰り返しているように、図10中の(b)のグラフでも、積雪開始から受信レベルが減少した後、増減を繰り返している。積雪開始から11時間ほど経過した15時半頃から20時頃まで断続的に状態レベルが「9」となっている。
受信電力PrADについては、図8(c)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルがほぼ横ばい(変化なし)となった後に極小となり、再び増加して横ばいとなった後は、もう一度減少するように、図10中の(c)のグラフでも、積雪開始からしばらくは受信レベルが横ばいとなった後は、図8(c)のグラフと同様の増減をする。積雪開始から7時間半ほど経過したお昼12時前から30分弱ほどの間と、23時頃から10分間ほどに状態レベルが「9」となっていると共に、積雪開始から7時間ほど経過したお昼前の11時半頃から10分間ほどに状態レベルが「1」となっている
受信電力PrBCについては、図8(d)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルがほぼ横ばい(変化なし)となった後に極小となり、再び増加して横ばいとなった後は、もう一度減少するように、図10中の(d)のグラフでも、積雪開始からしばらくは受信レベルが横ばいとなった後は、図8(d)のグラフと同様の増減をする。積雪開始から7時間半ほど経過したお昼12時過ぎから30分弱ほどの間に状態レベルが「9」となっている。
受信電力PrCBについては、図8(e)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルがほぼ横ばいか若干増加した後に極小となり、再び増加して横ばいとなった後は、もう一度減少するように、図10中の(e)のグラフでも、積雪開始からしばらくは受信レベルが横ばいか若干増加した後は、ログデータの欠損のため極小かは不明であるが、概ね図8(e)のグラフと同様の増減をする。積雪開始から約18時間ほど経過した22時15分頃から10分間ほどに状態レベルが「1」となっている。
受信電力PrDAについては、図8(f)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルがほぼ横ばい(変化なし)となった後に極小となり、再び増加して横ばいとなった後は、もう一度減少するように、図10中の(f)のグラフでも、積雪開始からしばらくは受信レベルが横ばいとなった後は、図8(f)のグラフとほぼ同様の増減をする。
受信電力PrCDについては、図8(g)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルがほぼ横ばい(変化なし)か若干増加した後は徐々に減少しており、徐々に積もっていく雪の雪面J”における反射損失などをふまえれば、図10中の(g)のグラフでも、積雪開始からしばらくは受信レベルは若干増加した後は、図8(g)のグラフとほぼ同様の増減をするとも言える。
受信電力PrDCについては、図8(h)のシミュレーションのグラフで、積雪高さSが0.00mからしばらくは受信レベルがほぼ横ばい(変化なし)となった後は徐々に減少するように、図10中の(h)のグラフでも、積雪開始からしばらくは受信レベルが横ばいとなった後は、図8(h)のグラフとほぼ同様の増減をする。積雪開始から19時間以上が経過した23時50分頃から10分間ほどに状態レベルが「9」となっている。
このように図8と、図9、10を比較すると、図8のシミュレーションにおいて、各受信部3A〜3Dにおける受信電力PrAB〜PrDCの極積雪高さS+ (極環境距離K+ )が相違していれば、図9、10の実測値(実際のセンサ1)において、積雪があっても、全ての受信部3A〜3Dが検出できなくなるまでは、何れかの受信電力PrAB〜PrDCの受信部3(受信電力Pが判断限界値Cより大きい何れかの受信部3)に基づいて、検出領域R内の監視がぎりぎりまで可能となり、センサ1の環境変化への対応力を向上できる。
又、実際に測定せずとも、実際のセンサ1における各送信設置高さHtや各受信設置高さHr、各送信部2から受信部3への電波Wの周波数f、送信部2と受信部3間の検出距離D、各送信部2の送信電力Pt、各送信アンテナ利得Gt、各受信アンテナ利得Grがわかれば、それらの値を上述の式(4)、(7)〜(11)に代入して求めたシミュレーションのグラフにおいて、各受信部3における受信電力Prの極積雪高さS+ (極環境距離K+ )が相違していれば、実際のセンサ1でも、各受信部3における受信電力Prの極積雪高さS+ が相違していると言える。
<比較例>
図11、12に示したように、比較例のセンサは、送信部2及び受信部3の両方が取り付けられたセンサ筐体5”(5A”、5B”)を2つ有しているものの、これら2つのセンサ筐体5A”、5B”において、それぞれの送信部2(2A、2B)及び受信部3(3A、3B)の位置が互いに略反転(略上下反転)していない。
よって、比較例は、一方のセンサ筐体5A”における送信部2Aの送信設置高さHtA”が1.50mで、他方のセンサ筐体5B”における送信部2Bの送信設置高さHtB”も1.50mである。
又、この比較例でも、各センサ筐体5A”、5B”における送信部2A、2Bと受信部3A、3Bとの間のアンテナ間距離αが0.05m(5cm)であるが、これらのセンサ筐体5A”、5B”が上下方向を略反転していないため、一方のセンサ筐体5A”における受信部3Aの受信設置高さHrA”が1.45mで、他方のセンサ筐体5B”における受信部3Bの受信設置高さHrB”も1.45mである。
これら各設置高さHtA”、HtB”、HrA”、HrB”を、上述した式(4)、(7)〜(11)に代入して、間接反射物J(地面J’又は雪面J”)から各送信部2A、2B及び受信部3A、3Bまでの環境距離Kが一律に変化する(つまり、積雪高さSが変化する)際の、各受信部3A、3Bにおける受信電力PrAB”、PrBA”を、図12のグラフに表す。
尚、このグラフにおける横軸も、積雪高さS(単位:m)であって、0.00mから0.01mずつ値が増加し、縦軸も、各受信部3A、3Bの受信電力PrAB”、PrBA”(単位:dBmW)である。
又、比較例においても、一方のセンサ筐体5A”の送信部2Aから他方のセンサ筐体5B”の受信部3Bへの電波Wの周波数fABは24.250000GHz、他方のセンサ筐体5Bの送信部2Bから一方のセンサ筐体5Aの受信部3Aへの電波Wの周波数fBAは24.249950GHzとすると共に、送信部2A、2Bと受信部3A、3B間の検出距離Dは73m、光速は299792458m/秒、各送信部2A、2Bからの電波Wの送信電力PtA、PtBは10W(ワット)、各送信部2A、2Bの送信アンテナ利得GtA、GtBは2.15dB(1.64倍)、各受信部3A、3Bの受信アンテナ利得GrA、GrBも2.15dB(1.64倍)とする。
更に、図11中の(a)、(b)は、図12中の(a)、(b)のグラフが対応することを示す。
<比較例の考察>
その結果、図12(c)に示すように、受信電力PrAB”、PrBA”は、その増減の向きが変わる時の極環境距離K+ (極積雪高さS+ )が、各受信部3A、3Bごとに相異していない。
詳解すれば、2つの受信電力PrAB”、PrBA”は両方とも、その増減の向きが変わる時の積雪高さSとして、積雪高さSが0.05m、0.22m、0.41m、0.65m、1.00mの時に、増加から減少に向きが変わって極大となっており、これらの積雪高さSは極大積雪高さS’であるとも言える(図12(a)、(b)参照)。
更に、2つの受信電力PrAB”、PrBA”の増減の向きが変わる時の積雪高さSとしては、積雪高さSが0.13m、0.31m、0.52m、0.80mの時に、減少から増加に向きが変わって極小となっており、これらの積雪高さSは極小積雪高さS”であるとも言える(図12(a)、(b)参照)。
従って、受信電力PrAB”、PrBA”の増減の向きが変わる時の積雪高さS(特に、極小積雪高さS”)は、全く同一であるため、例えば、判断限界値C(しきい電力C’)を−90dBmWとした場合に、2つの受信電力PrAB”、PrBA”が両方とも同時に低下する(例えば、積雪高さSが0.13m、0.31m、0.52m、0.80mなどで、受信電力PrAB”、PrBA”が極小となる)と、判断限界値Cである−90dBmWを下回る。
つまり、送信部2A、2Bや受信部3A、3Bを、1.45m以上1.50m以下の高位置に設置しても、雪が約0.13m(13cm)積もっただけで、2つの受信電力PrAB”、PrBA”が両方とも判断限界値C(しきい電力C’)を下回り、センサ全体として、物体Bの検出が不能となり、更に雪が積もっても、積雪高さSが0.31m、0.52m、0.80mの近傍となる度に、2つの受信電力PrAB”、PrBA”が両方とも判断限界値Cを下回り、センサとして物体Bの検出が不能となることから、比較例は、環境変化への対応力が、実施例1、2より低いと言える。
尚、本発明において、受信電力P(PrAB、PrBA等)の極環境距離K+ (極積雪高さS+ )が、各受信部3(3A、3B等)ごとに相異するとは、送信設置高さHtが送信部2ごとに異なる、及び/又は、受信設置高さHrが受信部3ごとに異なることを意味するとも言える。
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。センサ1の各構成又は全体の構造、デザイン形状、寸法、重量などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
センサ1は、ある1つの周波数の連続波だけを用いた(CW)レーダ装置であっても良く、その場合、1つの検出領域Rに対して、1つの送信部2から2つの受信部3(受信設置高さHrをずらした2つの受信部3)に、ある1つの周波数の電波Wが送受信されても良い。
この場合の例として、上述した実施例2は、センサ筐体5Aの送信部2A→センサ筐体5Bの受信部3B間と、センサ筐体5Aの送信部2A→センサ筐体5Dの受信部3D間では、同じ周波数の電波(図8(a)と(c)の電波)Wが用いられている。
つまり、図8の(a)と(c)のグラフに示したように、間接反射物J(地面J’や雪面J”など)から送信部2及び受信部3までの環境距離Kが一律に変化する際に、ある1つの周波数しか用いてなくとも、受信電力Pは直接電波W1と間接電波W2の干渉によって増減し、且つ、この増減の向きが変わる時の環境距離Kが、受信部3Bと受信部3Dごとに相異している。
尚、実施例2のように、送信部2Aと受信部3B、3Dは、必ずしも、センサ筐体5A、5B、5Dの一部を構成していなくとも良く、送信部2A、受信部3B、3Dがそれぞれ単独で設置されていても良い。
更に、センサ1は、1つの検出領域Rに対して、1つの送信部2から3つ以上の受信部3(受信設置高さHrをそれぞれずらした3つ以上の受信部3)に、ある1つの周波数の電波Wが送受信するものであっても良い。
センサ1は、送信部2、受信部3、判断部4等以外に、リフレクタを有していても良い。
この場合、受信部3は、送信部2からの電波Wがリフレクタで反射した反射電波(電波Wの一種)を受信し、判断部4は、この反射電波に基づいて検出領域R内における物体Bの有無を判断しても良い。
センサ1では、送信アンテナ22と受信アンテナ24を分けずに、一つのアンテナ(パッチアンテナ等)として構成を簡単にしても良い。
センサ1は、その対象となる検出領域Rが2つ以上であっても良く、その場合には、各検出領域Rが、例えば、平面視で略一直線状に並んでいたり、平面視で略V字型や略L字型を形成しても良い。
又、検出領域Rが略一直線状に並んでいる場合には、各検出領域Rを挟むようにポール(送受信ポール)等の支持部材11を立設させて、このポール11に送信部2や受信部3、判断部4、センサ筐体5等を取り付けたり、更には、各検出領域Rの端部同士が重なるように(各検出領域Rの端部同士が一部重なりつつ、送信部2と受信部3間の検出距離Dが互い違いにずれるように)支持部材11を立設させ、これらの支持部材11に送信部2や受信部3を各検出領域Rに向くように設置しても良い。
検出領域Rが略V字型や略L字型を形成している場合も、各検出領域Rを挟むように支持部材11を立設させるのは同様であるが、略V字型や略L字型の屈曲している位置の支持部材11を兼用しても良く、兼用した支持部材11に、2組以上の送信部2及び受信部3を各検出領域Rに向く角度で設置しても良い。
判断部4は、ミキサ4aからのビート信号に基づいて、判断部4は、検出領域R内の物体Bまでの距離を算出しても良い。
センサ筐体5には、送信部2と受信部3のうち、何れか一方だけが取り付けられていても良い。
複数のセンサ筐体5のうち、送信部2及び受信部3の位置が互いに略反転して対向するように設置されたセンサ筐体5がなくとも良い。
環境距離Kは、積雪高さSだけでなく、上述したように、検出領域Rそばの幹線道路を通行する車両の側周面Jから送信部2及び受信部3までの距離や、検出領域Rそばに新たに建造された建物等の壁面Jから送信部2及び受信部3までの距離であっても良いが、この場合には、送信設置左右位置(車両の側周面Jからが送信部2までの環境距離K)ごとに異なる、及び/又は、受信設置左右位置(車両の側周面Jからが受信部3までの環境距離K)が受信部3ごとに異なるように設置することで、受信電力Pの増減の向きが変わる時の極環境距離K+ を、受信部3ごとに相異させても良い(図1(c)参照)。
本発明は、積雪量の多い雪国や、交通量の多い幹線道路脇などの各種施設のほか、建物が隣接している場所(ビル街等)での物体の検出にも有用である。
1 センサ
2 送信部
3 受信部
4 判断部
5 センサ筐体
R 検出領域
B 物体
W 電波
W1 直接電波
W2 間接電波
J 間接反射物
K 環境距離
P 受信電力
C 判断限界値

Claims (3)

  1. 検出領域(R)内の物体(B)を検出するセンサであって、
    前記検出領域(R)へ電波(W)を送信する送信部(2)と、この送信部(2)からの電波(W)を受信可能な受信部(3)と、この受信部(3)が受信する電波(W)に基づいて前記検出領域(R)内における物体(B)の有無を判断する判断部(4)を有し、
    少なくとも前記受信部(3)は複数設置され、且つ、前記送信部(2)と受信部(3)は前記検出領域(R)を挟んで対向して設置されていると共に、
    前記電波(W)には、前記送信部(2)から受信部(3)へ直接届く直接電波(W1)と、前記送信部(2)から送信された後に検出領域(R)内の間接反射物(J)で反射してから受信部(3)へ届く間接電波(W2)が含まれていて、
    前記間接反射物(J)から送信部(2)及び受信部(3)までの環境距離(K)が一律に変化する際に、前記受信部(3)それぞれが受信した電波(W)の受信電力(P)は前記直接電波(W1)と間接電波(W2)の干渉によって増減し、且つ、この増減の向きが変わる時の前記環境距離(K)を前記受信部(3)ごとに相異させるように、前記送信部(2)と受信部(3)が設置されていることを特徴とするセンサ。
  2. 前記送信部(2)及び受信部(3)の両方が取り付けられたセンサ筐体(5)を複数有し、
    これら複数のセンサ筐体(5)のうち少なくとも2つは、当該センサ筐体(5)における送信部(2)及び受信部(3)の位置が互いに略反転して対向するように設置されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
  3. 前記判断部(4)は、前記複数の受信部(3)全てにおける電波(W)の受信電力(P)が、所定のしきい時間(τ)より長い時間をかけて、所定の判断限界値(C)以下となった際に、前記物体(B)を検出不能と判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ。
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