JP2019035201A - 扉閉鎖順位調整器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベースとの固定がより強固な第2アームを備える扉閉鎖順位調整器を得る。【解決手段】この扉閉鎖順位調整器100は、上枠に固定設置されるベース21と、ベース21が有する軸体23に対して回動自在に設置されるアーム31と、ベース21に傾動自在に固定設置される第2アーム41と、を備え、2枚扉が開いた状態のときにアーム31が突出状態となることによって2枚扉の閉鎖順位を調整するものであって、第2アーム41は、ベース21に固定される固定部43と、アーム31と接続する接続部45と、固定部43と接続部45との間に2つ設けられるヒンジ部47,47と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、2枚扉の閉鎖順位を調整するために用いられる扉閉鎖順位調整器に関するものである。
従来から、2枚1組の開閉扉を順序良く閉鎖する装置として扉閉鎖順位調整器が知られている。例えば、下記特許文献1には、上枠に固定設置されるベースと、ベースが有する軸体に対して回動自在に設置されるアームと、ベースに傾動自在に固定設置される第2アームと、を備え、2枚扉が開いた状態のときにアームが突出状態となることによって2枚扉の閉鎖順位を調整する扉閉鎖順位調整器が開示されている。
しかしながら、上掲の特許文献1に記載の扉閉鎖順位調整器は、2枚扉が閉鎖位置よりも押し込まれた場合、扉閉鎖順位調整器の取付位置によっては、後に閉じられる後閉扉の押圧力により第2アームに負荷が掛かって第2アームのベースへの固定が解除されてしまう可能性があるという課題があった。
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、ベースとの固定がより強固な第2アームを備える扉閉鎖順位調整器を提供することにある。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明に係る扉閉鎖順位調整器(100)は、上枠に固定設置されるベース(21)と、前記ベース(21)が有する軸体(23)に対して回動自在に設置されるアーム(31)と、前記ベース(21)に傾動自在に固定設置される第2アーム(41)と、を備え、2枚扉が開いた状態のときに前記アーム(31)が突出状態となることによって2枚扉の閉鎖順位を調整するものであって、前記第2アーム(41)は、前記ベース(21)に固定される固定部(43)と、前記アーム(31)と接続する接続部(45)と、前記固定部(43)と前記接続部(45)との間に2つ設けられるヒンジ部(47,47)と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る扉閉鎖順位調整器(100)は、前記固定部(43)が、前記第2アーム(41)を前記ベース(21)に固定するための固定ピン(61)と、前記固定ピン(61)を挿入する挿入孔(49)と、前記挿入孔(49)の近傍に形成される爪部(51)と、を備えることとすることができる。
さらに、本発明に係る扉閉鎖順位調整器(100)は、前記固定ピン(61)が、外径が大きい大径部(63)と、前記大径部(63)に形成される溝部(65)と、前記大径部(63)よりも径が小さい小径部(67)と、を備え、前記ベース(21)は、前記第2アーム(41)を固定するための第2アーム固定孔(25)を備え、前記固定ピン(61)が前記挿入孔(49)に挿入されて前記爪部(51)の先端(51a)が前記固定ピン(61)の前記小径部(67)近傍に配置された前記第2アーム(41)の前記固定部(43)を前記第2アーム固定孔(25)に挿入し、前記固定ピン(61)を前記第2アーム固定孔(25)に押し込むことにより、前記爪部(51)が前記大径部(63)により押圧されて外側に撓んで前記第2アーム固定孔(25)の縁に引っ掛かるとともに、前記爪部(51)の前記先端(51a)が前記溝部(65)に嵌合することで前記第2アーム(41)の前記ベース(21)への固定が実行されることとすることができる。
本発明によれば、ベースとの固定がより強固な第2アームを備える扉閉鎖順位調整器を提供することができる。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
まず、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100の構成例について、図1ないし図4を用いて説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器の構成例を示す外観上面図である。また、図2は、本実施形態に係る第2アームの構成例を示す図であり、図2中の分図(a)は、本実施形態に係る第2アームの上面図であり、図2中の分図(b)は、本実施形態に係る第2アームの正面図であり、図2中の分図(c)は、本実施形態に係る第2アームの背面図であり、図2中の分図(d)は、本実施形態に係る第2アームの側面図であり、図2中の分図(e)は、図2中の分図(c)に示されるX−X断面図である。さらに、図3は、本実施形態に係る固定ピンの構成例を示す外観図である。また、図4は、本実施形態に係る第2アームのベースへの固定方法を説明するための図であり、図4中の分図(a)は、固定ピンが挿入孔に挿入された第2アームを示す図であり、図4中の分図(b)は、第2アームの固定部を第2アーム固定孔に挿入した状態を示す部分拡大図であり、図4中の分図(c)は、固定ピンを押し込み第2アームのベースへの固定が実行された状態を示す部分拡大図である。
図1に示すように、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100は、上枠に固定設置されるベース21と、ベース21が有する軸体23に対して回動自在に設置されるアーム31と、ベース21に傾動自在に固定設置される第2アーム41と、を備え、2枚扉(先に閉じられる先閉扉11および後に閉じられる後閉扉13)が開いた状態のときにアーム31が突出状態となることによって2枚扉の閉鎖順位を調整するように構成される。
ベース21は、上枠に固定設置されることによって本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100の設置基準となる部材である。ベース21は、その胴体部中に複数の取付用孔(不図示)を備えており、これら取付用孔を利用して上枠への確実な固定が実現する。また、ベース21は、上枠への固定設置時に軸線方向が鉛直方向に延びるように形成される軸体23を有している。この軸体23は、後述するアーム31を回動自在に接続することによってアーム31の回動動作における回動中心軸としての役割を担う。さらに、ベース21は、後述する第2アーム41を固定するための第2アーム固定孔25を備える(図4参照)。
アーム31は、上枠側から扉の開く方向に突出して後閉扉13を支える部材であるため、縦断面が矩形状に形成された構造材として構成されている。このアーム31は、ベース21と軸体23を介して回動自在に設置されているが、ベース21とアーム31との間には、上枠側から扉の開く方向にアーム31が突出するように、アーム31に対して常に付勢力を及ぼす弾性体としてのコイルバネ(不図示)が設置されている。また、アーム31の先端側には、ローラ33が回動自在に設けられており、後閉扉13とのスムーズな摺動接触が実現できるようになっている。さらに、アーム31の上面には、後述する第2アーム41の凸部55と係合する凹部35が形成されている。なお、この凹部35については、アーム31に対して溝として構成されてもよいし、貫通した孔として構成されてもよい。
第2アーム41は、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100を構成する最も特徴的な部材である。その構成素材には、樹脂やゴムなどの可撓性材料が採用されている。第2アーム41は、2枚扉が閉じた状態では略一直線となるように形成される。一方、2枚扉が開いて突出状態となったアーム31と接触しているときには、2つのヒンジ部47,47のいずれか一方側で折れた状態となり、この状態では第2アーム41の初期状態である略一直線の状態を回復しようとすることになるので、アーム31の方向に対して付勢力を及ぼしている。
図2に示すように、第2アーム41は、ベース21に固定される固定部43と、アーム31と接続する接続部45と、固定部43と接続部45との間に2つ設けられるヒンジ部47,47と、を備える。
図1および図2に示すように、固定部43は、第2アーム41をベース21に固定するための固定ピン61と、固定ピン61を挿入する挿入孔49と、挿入孔49の近傍に形成される爪部51と、を備えて構成される。
固定ピン61は、樹脂材料で構成されており、図3に示すように、固定ピン61は、外径が大きい大径部63と、大径部63に形成される溝部65と、大径部63よりも径が小さい小径部67と、を備える。
爪部51は、例えば樹脂やゴムなどの可撓性を有する材料で構成されている。本実施形態では、図2に示すように、爪部51が4つ形成されており、挿入孔49の近傍に等間隔に配置されているが、その数および配置は適宜変更可能である。
第2アーム41をベース21に固定するためには、図4中の分図(a)に示すように、固定ピン61が挿入孔49に挿入されて爪部51の先端51aが固定ピン61の小径部67近傍に配置された第2アーム41の固定部43を第2アーム固定孔25に挿入して図4中の分図(b)に示される状態とする。そして、固定ピン61を第2アーム固定孔25に押し込むことにより、図4中の分図(c)に示すように、爪部51が大径部63により押圧されて外側に撓んで第2アーム固定孔25の縁に引っ掛かるとともに、爪部51の先端51aが溝部65に嵌合することで第2アーム41のベース21への固定が実行される。第2アーム41を固定ピン61を用いてベース21に固定することで、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100は、固定ピン61を引き抜かない限り第2アーム41が外れることがなく、従来技術よりも第2アーム41のベース21への強固な固定を実現することができるようになっている。なお、第2アーム41をベース21から取り外す際は、固定ピン61を引き抜いて図4中の分図(b)に示される状態にした後、ベース21から第2アーム41を取り外すことになる。
図2に示すように、接続部45は、アーム31を挟み込む鍔部53と、アーム31に形成される凹部35と係合する凸部55と、を備えて構成される。
鍔部53は、アーム31の先端に形成され、アーム31を掴んで挟み込めるように構成される。凸部55は、アーム31に形成される凹部35と係合するように構成される。本実施形態に係る第2アーム41は、初期状態を回復しようとする付勢力と鍔部53および凸部55によって常にアーム31との接触状態を維持することができるようになっている。
ヒンジ部47は、第2アーム41を薄肉化することにより当該部分から折り曲げ可能とするものである。本実施形態に係るヒンジ部47は、図2に示すように、第2アーム41の正面側または背面側に略三角形状の切欠きを1つ形成することで第2アーム41を薄肉化し、ヒンジ部47を中心に第2アーム41が折り曲げ可能な構成となっている。しかし、ヒンジ部47の形成方法はこれに限定されず、当該部分から折り曲げ可能となればよく、例えば、正面側および背面側に略三角形状の切欠きを形成してヒンジ部を形成することとしてもよい。
本実施形態に係る第2アーム41は、ヒンジ部47を2つ備えて構成される。このような構成により、2枚扉が閉鎖位置よりも押し込まれた場合であっても、ヒンジ部47が折れ曲がることで後閉扉13からの押圧力を逃がして当該押圧力が第2アーム41の固定部43に及ばないようになっており、第2アーム41の固定部43に負荷が掛からず、第2アーム41のベース21への固定が解除されてしまうことがない。したがって、本実施形態によれば、ベース21との固定がより強固な第2アーム41を備える扉閉鎖順位調整器100を提供することが可能となっている。
以上、本実施形態係る扉閉鎖順位調整器100の構成例について説明した。次に、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100の動作例について、図5および図6を用いて説明する。ここで、図5は、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器の動作を説明するための図であり、図5中の分図(a)は、2枚扉が開いた状態の扉閉鎖順位調整器を示す外観上面図であり、図5中の分図(b)は、2枚扉が閉じた状態の扉閉鎖順位調整器を示す外観上面図である。また、図6は、2枚扉が閉鎖位置よりも押し込まれた際の本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器を示す図である。
2枚の扉が開いた初期の状態において、アーム31は、後閉扉13を当接支持することによって、後閉扉13が先閉扉11よりも先に閉まっていくことを防いでいる。すなわち、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100では、先閉扉11が閉鎖する前に後閉扉13が閉鎖しないように、突出状態にあるアーム31がローラ33を介して後閉扉13と当接することにより、後閉扉13を先閉扉11の動作範囲(符号αで示される二点鎖線の円弧の内側)から退避させている。そして、先閉扉11が符号αで示される二点鎖線の軌跡を描いて回動すると、アーム31と先閉扉11との間には第2アーム41が設置されているので、アーム31は第2アーム41を介した先閉扉11による押圧を受けることになる。2枚扉が開いて突出状態となったアーム31と接触しているとき、第2アーム41は、ヒンジ部47を中心に扉の開く方向に折れ曲がっているが、初期状態である略一直線の状態を回復しようとすることになるので、アーム31の方向に対して付勢力を及ぼしている。
先閉扉11が回動して第2アーム41への押圧が進むと、第2アーム41の鍔部53がアーム31の側面を押圧摺動するとともに、第2アーム41の凸部55がアーム31の凹部35と係合しながら摺動することによって先閉扉11が閉まって行くことになる。このときも、第2アーム41が樹脂やゴムなどの可撓性材料で構成されている関係上、アーム31への影響を最小限に抑えることができるとともに騒音の発生も防止できる。さらに、第2アーム41は先閉扉11との接触面がなだらかな形状に形成されているので、スムーズで静かな閉鎖動作が実現される。
一方、アーム31は、先閉扉11による第2アーム41の押圧動作と同時に後閉扉13の内側を摺動することになるので、アーム31は閉鎖方向へと回動することになる。すなわち、先閉扉11がアーム31を押圧して不図示の弾性体の付勢力に抗してアーム31を上枠側に回動させるので、先閉扉11の動作範囲(符号αで示される二点鎖線の円弧の内側)内への後閉扉13の侵入が許容されることになる。そして、後閉扉13は摺動するアーム31の規制を受けながら徐々に閉まって行き、最終的に2枚扉の閉鎖が完了すると、本実施形態に係る扉閉鎖順位調整器100は、図5中の分図(b)に示すように、アーム31が先閉扉11の扉面と略平行に保持される状態になる。
なお、図5中の分図(b)に示される扉閉鎖順位調整器100において、その取付位置は、2枚扉の閉じ合わせ面の延長線(符号βで示される一点鎖線)上に第2アーム41の接続部45およびアーム31が配置される場合が例示されている。しかしながら、本実施形態に係る第2アーム41は、ある程度の長さを持った形状を有しているので、左右方向(図5における紙面左右方向)での取付位置の誤差も余裕を持って吸収することができ、扉の型式によって取付位置の制約を受けることがない。
また、図5中の分図(b)に示される扉閉鎖順位調整器100において、2枚扉がさらに押し込まれたとき、従来技術では、扉閉鎖順位調整器の取付位置によっては、後閉扉13の押圧力により第2アームに負荷が掛かって第2アームのベースへの固定が解除されてしまう可能性があった。しかしながら、本実施形態に係る第2アーム41は、2つのヒンジ部47,47を有して構成されているので、2枚扉がさらに押し込まれたとき、図6に示すように、2つのヒンジ部47,47が略S字形に折れ曲がることで後閉扉13の押圧力を逃がすことができ、第2アーム41の固定部43に負荷が掛からず、第2アーム41のベース21への固定が解除されてしまうことがない。したがって、したがって、本実施形態によれば、ベース21との固定がより強固な第2アーム41を備える扉閉鎖順位調整器100を提供することが可能となっている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、第2アーム41の形状は図示する形態に限られるものではなく、同一の作用効果を発揮できる範囲での変形が可能である。
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100 扉閉鎖順位調整器、11 先閉扉、13 後閉扉、21 ベース、23 軸体、25 第2アーム固定孔、31 アーム、33 ローラ、35 凹部、41 第2アーム、43 固定部、45 接続部、47 ヒンジ部、49 挿入孔、51爪部、51a (爪部の)先端、53 鍔部、55 凸部、61 固定ピン、63 大径部、65 溝部、67 小径部
Claims (3)
- 上枠に固定設置されるベースと、
前記ベースが有する軸体に対して回動自在に設置されるアームと、
前記ベースに傾動自在に固定設置される第2アームと、
を備え、2枚扉が開いた状態のときに前記アームが突出状態となることによって2枚扉の閉鎖順位を調整する扉閉鎖順位調整器であって、
前記第2アームは、
前記ベースに固定される固定部と、
前記アームと接続する接続部と、
前記固定部と前記接続部との間に2つ設けられるヒンジ部と、
を備えることを特徴とする扉閉鎖順位調整器。 - 請求項1に記載の扉閉鎖順位調整器において、
前記固定部は、
前記第2アームを前記ベースに固定するための固定ピンと、
前記固定ピンを挿入する挿入孔と、
前記挿入孔の近傍に形成される爪部と、
を備えることを特徴とする扉閉鎖順位調整器。 - 請求項2に記載の扉閉鎖順位調整器において、
前記固定ピンは、
外径が大きい大径部と、
前記大径部に形成される溝部と、
前記大径部よりも径が小さい小径部と、
を備え、
前記ベースは、前記第2アームを固定するための第2アーム固定孔を備え、
前記固定ピンが前記挿入孔に挿入されて前記爪部の先端が前記固定ピンの前記小径部近傍に配置された前記第2アームの前記固定部を前記第2アーム固定孔に挿入し、
前記固定ピンを前記第2アーム固定孔に押し込むことにより、前記爪部が前記大径部により押圧されて外側に撓んで前記第2アーム固定孔の縁に引っ掛かるとともに、前記爪部の前記先端が前記溝部に嵌合することで前記第2アームの前記ベースへの固定が実行されることを特徴とする扉閉鎖順位調整器。
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