JP2019034509A - 表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法 - Google Patents

表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板に集成材を使用しながら、天然木の導管凹部を立体模様に利用しながら集成材の色むらを解消し、人工的に導管凹部を設ける工程を省略しながら、高品質な天然木模様の木目板を、安価に多量生産する。【解決手段】基板にパラゴムノキの挽板の集成材を使用し、下塗工程においては全面にベース塗料を塗布して集成材の色むらを解消しながらパラゴムノキの表面の導管凹部を保持し、プリント工程においては導管凹部を保持しながら天然木模様を印刷し、上塗工程においては、導管凹部を保持しながら天然木模様を表出する透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する。【選択図】なし

Description

本発明は、主として机の天板、引き出しの前板、ベッドの装飾板等の家具に使用される表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法に関する。
基板の表面に天然木模様を印刷して木目板を製造する方法は開発されている(特許文献1及び2参照)。
特開2005−305728号公報 特開2005−319622号公報 特開2017−039307号公報
特許文献1は、MDFからなる基板の表面にベース塗料を塗布する下塗工程と、ベース塗料を塗布している基板の表面を局部的に押圧して、ベース塗料と基板に木目の凹凸模様を設けるエンボス工程と、エンボス工程で木目の凹凸模様を設けているベース塗料の表面に天然木模様を印刷するプリント工程と、プリント工程で天然木模様が印刷され、エンボス工程で木目の凹凸模様が設けられた基板の表面に透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する上塗工程とで天然木模様の木目板を製造する。この木目板は、エンボス工程で基板の表面に無数の凹部模様を設けるので、この凹部模様によって、基板の表面には、天然木材に特有の筋状の導管を天然木模様として設けることができる。しかしながら、この表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法は、凹部模様の内側に塗料を塗布できないので、凹部模様を設けるにもかかわらず、見た目には凹部模様による立体的な天然木模様として観察されない。このため天然木材に特有の導管による筋状の天然木模様を実現できず、高品質な天然木模様とはならない欠点がある。
特許文献2は、木目板の表面に、エンボス加工による凹凸を設けることなく、見た目にはエンボス加工と同じように立体感のある天然木模様を設けている。この製造方法は、基板に印刷した木目色柄の表面に、透明ないし半透明の紫外線硬化塗料からなる光沢層を設けて、この光沢層に紫外線を照射して紫外線硬化塗料を完全に硬化させることなく未硬化状態とすると共に、未硬化状態の光沢層の表面に、紫外線硬化塗料からなる艶消し層を木目柄に積層して、艶消し層と光沢層に紫外線を照射して両方を完全に硬化させて基板の表面に天然木模様を設けている。この方法は、光沢層に艶消し層を設けることによって、この艶消し層を凹部のように見せて、エンボス加工と同じように、凹凸のある天然木模様とする。この方法は、見た目には立体的な天然木模様とすることはできるが、現実には天然木材に導管によってできる特有の筋状に凹部模様がなく、天然木材に特有の風合いはできず、高品質な天然木模様とはならない。
本発明者は、以上の欠点を解決する木目板の製造方法を開発した(特許文献3参照)。
この方法は、基板であるMDFの表面にベース塗料を塗布する下塗工程と、下塗工程でベース塗料を塗布してなる基板表面に成形ロールを押圧して、この成形ロール表面に設けている無数の微少凸部でもって基板表面を局部的に押し潰して無数の導管凹部のある天然木模様を設けるエンボス工程とで木目板を製造する。さらに、エンボス工程においては、成形ロール表面に設けている無数の微少凸部の表面に液状ないしペースト状の転写塗料を塗布し、転写塗料の塗布された微少凸部で基板表面を局部的に押し潰して無数の導管凹部を設けると共に、押し潰して設けられた導管凹部の内面に転写塗料を転写して天然木模様を設ける。さらに、エンボス工程においては、微少凸部は、導管凹部にあった基板とベース塗料の一部を導管凹部の表面側に突出させて、導管凹部の開口縁に沿う突出部を形成し、さらに微少凸部の表面に塗布された転写塗料を、微少凸部と導管凹部の間から基板の表面に押し出して、導管凹部の開口縁に沿って、基板とベース塗料と転写塗料からなる突出部を形成する。
以上の方法で製造方法される木目板は、成形ロールの微少凸部で基板のMDF表面を局部的に押し潰して、天然木の表面にある導管に近似する導管凹部を設けて天然木模様を立体的に設け、さらに、この微少凸部に転写塗料を塗布して導管凹部の内面に転写塗料を塗布して木目の立体模様を設けるので、天然木に匹敵する高品質な立体的な天然木模様の木目板を製造できる特徴がある。とくに、以上の方法は、エンボス工程で天然木材の導管に近似する導管凹部を成形ロールの微少凸部で立体的に成形し、さらに、この導管凹部を成形する微少凸部の表面に塗布している転写塗料を導管凹部の内面に転写して、導管凹部を立体的に設けるので、天然木の表面に匹敵する天然木模様を立体的に設けることができる。
また、以上の方法は、成形ロール表面に設けている微少凸部を大きく高くして、基板表面に深くて大きい導管凹部を成形し、さらに、導管凹部の周縁に突出部を設けて立体感のある天然木模様を成形できる。突出部は、基板表面に微少凸部が押し込まれて導管凹部を成形することで、導管凹部の基板やベース塗料の一部が表面に押し出されて成形される。さらに、微少凸部は、表面に液状ないしペースト状の転写塗料を塗布して基板表面に押し込まれるので、転写塗料は導管凹部の内面に転写されると共に、余剰の転写塗料は微少凸部と導管凹部の内面に挟まれて表面に押し出されて突出部とすることができる。突出部は、微少凸部を大きく高くし、さらに、表面に転写塗料を厚く塗布して、より高く突出できる。以上の方法で、微少凹部の開口部の周縁に突出部を高く設けることは、基板表面の立体感を増して、より高級な天然木模様とすることに効果がある。
以上の製造方法は、MDFの表面に天然木に近い天然木模様を設けることができる。しかしながら、基板にMDFを使用して、その表面に人工的に導管凹部を設けて、天然木模様をプリントするので、天然木に匹敵する立体的な天然木模様を設けることかできず、最高級な木目板には加工できない。
本発明者は、さらに以上の欠点を解消することを目的として、基板に天然木の集成材を使用して、さらに天然木に近い高品質な木目板を製造する方法を試作した。天然木の集成材は、表面に露出する導管凹部を生かしてウォールナットなどの高級木材の天然木模様をプリントすることで、より高品質な木目板を製造できる。しかしながら、集成材は多数の小さい挽板を集合し、これを接着して大きな板状としているので、貼り合わせている各々の挽板のボディーカラーが異なり、局部的に発生する色むらを解消できない欠点がある。集成材の局部的な色むらは、下地塗料を厚く塗布して解消できるが、下地塗料を厚く塗ると塗料が導管状の凹部に浸入して表面が平滑面となって、天然木に独得の導管凹部のある立体的な天然木模様を実現できない欠点がある。また、多数の挽板を接着している集成材は、各々の挽板の吸水率が異なり、吸水率の相違によって塗布した塗料に濃淡むらが発生する欠点もある。吸水率の相違による挽板の濃淡むらは、相当に塗料を厚く塗布しても完全に解消することが難しい。このため、吸水率の相違による挽板の濃淡むらは、表面に目止め塗料を塗布して解消する必要があるが、目止め塗料を塗布すると表面が平滑面となって導管凹部が完全に失われて、高品質な天然木模様を実現できなくなる。とくに、人間の目は、全体的な色むらを認識する能力に比較して、互いに隣接して配置される挽板の色むらの識別能力が極めて高く、多数の挽板を集合している集成材において、各挽板の色むらを極めて少ない状態においても明確に色むらが確認されることから、挽板に僅かな色むらが発生しても、全体を一枚板からなる天然木とは認識されず、挽板の色むらが天然木模様の品質を著しく低下させる原因となる。
本発明はさらに以上の欠点を解消することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、多数の挽板を接着している集成材を基板に使用するにもかかわらず、集成材を構成する隣接して配置される挽板の色むらを確実に解消し、さらに天然木による導管凹部を利用して、極めて高品質な天然木模様とする最高品質の木目板を製造できる表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、集成材を構成するパラゴムノキの導管凹部を利用して、表面に立体的な導管凹部を設けることで、基板の表面を局部的にプレスして導管凹部を設ける工程を省略して、状来よりも簡単な方法で高品質な天然木模様の木目板を、安価に多量生産できる導管凹部のある木目板の製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の基板表面に木材の導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法は、基板にパラゴムノキの挽板の集成材を使用し、基板の表面処理工程を、基板の表面にベース塗料を塗布してベース基板に加工する下塗工程と、下塗工程で得られるベース基板の表面に天然木模様を印刷してプリント基板とするプリント工程と、プリント基板の表面に、透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する上塗工程とし、下塗工程は、集成材を構成する挽板であるパラゴムノキの導管が切断されて表面にできる導管凹部を保持して、基板表面の全面にベース塗料を塗布して、隣接する挽板の色むらを解消し、プリント工程は、パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、ベース基板の表面に天然木模様を印刷し、上塗工程は、パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、プリント基板の表面にプリント工程で印刷してなる天然木模様を表出する透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する。
以上の製造方法は、基板に天然木の集成材を使用しながら、集成材の欠点である隣接する挽板の色むらを解消し、さらに天然木による導管凹部を有効利用して、極めて高品質な天然木模様の木目板を製造できる特徴を実現する。それは、以上の製造方法が、基板にパラゴムノキの集成材を使用して、下塗工程においてはパラゴムノキの導管が切断されて表面にできる導管凹部を保持しながら、集成材表面の全面にベース塗料を塗布して、隣接して配置される各挽板の色むらを解消し、さらにプリント工程においても、パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、ベース基板の表面に天然木模様を印刷し、さらにまた、上塗工程においても、パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、プリント基板の表面に天然木模様を表出する透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布するからである。
挽板をパラゴムノキとする集成材が、導管凹部を残して薄く下地塗料を塗布して、隣接する挽板の色むらを解消できるのは、パラゴムノキが、本来は天然ゴムの原料として使用される樹液のラテックスを採取するための木材であることから、挽板のパラゴムノキは、多量のラテックスを含有し、このラテックスが下地塗料の浸透を抑制するからである。下地塗料の浸透を制限する挽板は、塗布された下地塗料が表面に均一に付着されて挽板のベースカラーを下地塗料で隠蔽して色むらを解消する。
さらに、パラゴムノキは、天然ゴムの採取を終了した廃材を挽板に加工し、これを接着して集成材として使用しているので、挽板をパラゴムノキとする集成材は他の木材の集成材よりも低コストに製造できる。したがって、基板に挽板をパラゴムノキとする集成材を使用して、表面を理想的な導管凹部のある天然木模様にできる以上の製造方法は、基板の原料コストを低減し、また人工的に設けられた導管凹部でなく、パラゴムノキが自然に備える天然の導管凹部を表面に露出させて立体的な天然木模様とするので、天然木に独得の極めて高品質な木目板を製造できる理想的な特徴を実現する。
また、以上の製造方法は、集成材を構成する挽板であるパラゴムノキの導管凹部を利用して、表面に立体的な導管凹部を設けるので、基板の表面を局部的にプレスして導管凹部を設ける工程を省略するという、従来よりもさらに簡単な方法で、表面に天然木であるパラゴムノキの導管凹部を設けている高品質な天然木模様の木目板を、安価に多量生産できる特徴も実現する。とくに、以上の製造方法は、基板の表面を局部的にプレスして人工的に導管凹部を設けるのではなく、天然木であるパラゴムノキの導管凹部をそのまま表面に残して、天然木本来の導管凹部を設けるので、製造工程を簡素化しながら、より天然木に近い立体的な天然木模様を設けることができる特徴もある。人工的に導管凹部を設けるプレス工程を省略しながら、より高品質な天然木模様を設けることができるからである。
本発明のある態様の表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法は、木目板をテーブルの天板とすることができる。また、本発明のある態様の木目板の製造方法は、プリント工程において、ウォールナットの天然木模様をプリントすることができる。さらにまた、本発明の木目板の製造方法は、下塗工程において、基板の外周面に表面と同じベース塗料を塗布して、基板の外周面にパラゴムノキの木口模様を表出し、上塗工程においては、外周面に基板と同じ下地塗料を塗布して、基板の外周面にパラゴムノキの木口模様を表出することができる。この方法は、製造される木材の木口に、天然の木口模様を設けてさらに天然木に近い木目板にできる特徴がある。
以下、本発明の実施例を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法を例示するものであって、本発明は表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法を以下の方法に特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明は表面に導管凹部と天然木模様のある木目板を製造する。本発明の製造方法は、基板にパラゴムノキの挽板の集成材を使用し、基板の表面に天然木模様を設ける表面処理工程を、基板の表面にベース塗料を塗布してベース基板とする下塗工程と、下塗工程で得られるベース基板の表面に天然木模様を印刷してプリント基板とするプリント工程と、プリント基板の表面に、透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する上塗工程として、表面に導管凹部と天然木模様とを設ける。
基板に使用する集成材は、多数のパラゴムノキの挽板を幅方向に平行に並べて、隣接する挽板を境界で接着して板状に加工したもので、主として「構造用集成材」として使用されるものが適している。パラゴムノキの集成材は、大別して二種の構造のものが使用できる。第1の集成材は、短い複数のパラゴムノキの挽板を長手方向に並べて細長い板材として、これを幅方向に並べて接着して、所定の横幅と長さとしたものである。第2の集成材は、長い挽板を幅方向に平行に並べて接着したものである。複数の挽板を長手方向に並べて細長い板材とし、この板材これを幅方向に並べて接着して製作される第1の集成材は、長さが異なる多数の挽板を使用して、全長を長くする集成材に加工できる。この集成材は、たとえば長さを数cm〜数十cmとする挽板を長手方向に並べて接着して板材と、この板材を幅方向に並べて集成材とする。細長い挽板を幅方向に並べて製作される第2の集成材は、各々の挽板に集成材の全長と同じ長さの挽板を使用し、この挽板を幅方向に並べて製作される。第1と第2の集成材の挽板は、たとえば横幅を1cm〜20cm、好ましくは2cm〜10cmとするものが適している。
パラゴムノキは、加工して使用する木材原料として植え付けされない。パラゴムノキは、天然ゴムの原料となるラテックスを採集するために植え付けられる。したがって、パラゴムノキは、ラテックスの採集効率が低下すると伐採される。従来、伐採されたパラゴムノキは焼却するなどの方法で廃棄していた。しかしながら、近年、廃棄するパラゴムノキを有効利用するために、木材原料として加工して使用されるようななった。廃棄していたパラゴムノキを挽板に使用する集成材は、他の木材の集成材に比較して原料コストを安くできる特徴がある。このことは、表面に天然木模様を設けて種々の用途に使用する木材原料として極めて大切である。製品コストを低減できるからである。
ところで、パラゴムノキの集成材は、他の木材、たとえばスギやヒノキ等を挽板として集合した他の集成材に比べて特筆する物性、すなわち、樹液であるラテックスの含有量が極めて多い物性がある。加工用の木材として植生されず、天然ゴムの原料であるラテックス採取のために植生されるからである。パラゴムノキに含有される樹脂成分のラテックスは、表面に塗布される塗料の内部への浸透を抑制する。したがって、パラゴムノキの集成材は、塗布された塗料の内部浸透が少ない。本発明は、パラゴムノキに特有のこの独得の物性を有効利用することで、天然木を原料に使用して、極めて高品質な天然木模様の木目板を安価に多量生産する。集成材の挽板が、多量の樹液を含有することは、本発明において理想的な天然木模様の木目板を製造することに特に大切である。高品質な天然木模様の木目板は、表面に天然木の導管凹部があって、全体を一枚板とする天然木模様のあることが大切である。基板を集成材とする木目板は、一枚の木材を使用する木目板に比較して基板のコストを低減できる。
多数の挽板を集合している集成材は、全体を一枚板の天然木模様とするために、各々の挽板の色むらを解消する必要がある。多数の挽板を集合した集成材は、隣接する挽板に色むらがある。集成材が、小さい廃材を長方形に加工して挽板に使用するからである。困ったことに、人間の目は、全体の色彩の相違を認識する能力に比較して、隣接する挽板間の色彩の相違を認識する能力が極めて高く、隣接する挽板のわずかな色むらも目立って、一枚の天然木模様として認識されず、木目板の品質を著しく低下させる。このため、基板に集成材を使用する天然木模様の木目板は、多数の挽板の色むらを解消して、全体を一枚の天然木材のイメージの天然木模様とする必要がある。挽板の色むらは、表面にベース塗料を塗布し解消できる。しかしながら、挽板の色むらを解消するために、表面にベース塗料を塗布すると、ベース塗料が挽板の導管凹部に充填されて表面が平滑面となる。すなわち、天然木に特有の導管凹部がベース塗料で消失される欠点がある。集成材の表面にベース塗料を塗布して色むらを解消すると、ベース塗料で導管凹部が消失するのは、ベース塗料を薄く塗布して挽板の色むらを解消できず、厚く塗布する必要があるからである。薄いベース塗料で挽板の色むらを解消できないのは、挽板に塗布されたベース塗料が内部に浸透され、さらに挽板によって塗料の内部浸透が異なるからである。
基板に使用するパラゴムノキの集成材は、多量に含有するラテックスが、塗料の内部浸透を制限する。この独得の物性によって、パラゴムノキの集成材は、ベース塗料を塗布して木の導管凹部を残しながら、ベース塗料で挽板の色むらを解消できる。塗布されたベース塗料が均一に各挽板の表面に付着されるからである。本発明は、基板にパラゴムノキの集成材を使用して、基板の表面処理工程を、基板の表面にベース塗料を塗布してベース基板に加工する下塗工程と、下塗工程で得られるベース基板の表面に天然木模様を印刷してプリント基板とするプリント工程と、プリント基板の表面に、透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する上塗工程とからなる。
下塗工程は、集成材を構成する挽板であるパラゴムノキの導管が切断されて表面にできる導管凹部を保持しながら、基板表面の全面と外周面にベース塗料を塗布してベース基板とする。ベース基板は、基板表面においては、隣接する挽板の色むらが解消されて、次の工程で印刷される天然木模様に最適なベースカラーに着色され、基板の外周面においては、パラゴムノキの木目模様を表出して基板が天然木であるイメージとする。下塗工程は、基板の表面と外周面にシーラーを塗布し、このシーラーを基板の表面に含浸させる第1下塗工程と、シーラーの表面に紫外線硬化塗料を塗布する第2下塗工程と、さらに紫外線硬化塗料の表面にベースカラー塗料を塗布して基板をベースカラーに着色する第3下塗工程とからなる。第1〜第3の下塗工程は、第3下塗工程を完了した状態で、パラゴムノキの導管凹部を残しながら、各挽板の色むらを解消する膜厚に塗布される。
第1下塗工程は、ベース塗料を基板に剥離しないように付着させる。この工程に使用されるシーラーは、基板の表面と外周面に塗布されて、ベース塗料をしっかりと基板に付着させる。シーラーは、粘度が低いポリエステル系、あるいはウレタン系等の液体塗料で、基板表面と外周面の表層部に含浸されて強固に付着される。
第2下塗工程の紫外線硬化塗料は、ウレタン系の塗料で紫外線を照射して速やかに硬化される。この紫外線硬化塗料はベース塗料を強靭な層にする。この紫外線硬化塗料は着色されず、次の第3下塗工程で塗布されるベースカラー塗料をシーラー層にしっかりと接合させる。第2下塗工程で塗布された紫外線硬化塗料は、照射される紫外線で硬化された後、表面をブラシサンダーで研磨する。
第3下塗工程のベースカラー塗料は、基板表面を天然木模様のベースカラーに着色するもので、基板の表面を、プリント工程で印刷される天然木模様を引き立てる色に着色する。ベースカラー塗料は、基板の表面全面を均一でむらのない色に着色する。さらに、下塗工程は、第3下塗工程でベースカラー塗料を塗布し、ベースカラー塗料を硬化させた後、さらにその表面に紫外線硬化塗料を塗布する。紫外線硬化塗料を紫外線で硬化させた後、サンダーで全面を均一に研磨してベース基板とする。
プリント工程は、パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、ベース基板の表面に天然木模様を印刷してベース塗料の塗布された基板の表面に木目塗料で天然木模様を印刷してプリント基板とする。このプリント工程において、種々の天然木の木目柄と同じ色と模様、たとえばウォールナット等の天然木模様を印刷する。
以上の工程で、表面に天然木模様とパラゴムノキの導管凹部による立体模様が設けられたプリント基板の表面と外周面には、上塗工程で仕上げ塗料を塗布する。上塗工程も、パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、プリント基板の表面に、プリント工程で印刷している天然木模様を表出する透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する。上塗工程は、ロールコーターで第1仕上げ塗料を塗布する第1上塗工程と、第1上塗工程で塗布された第1仕上げ塗料の表面に、紫外線硬化塗料を塗布する第2上塗工程とで、仕上げ塗料を塗布する。
以下の工程で、机の天板を製造する。
[下塗工程]
この工程は、パラゴムノキの導管凹部を残しながら、基板表面のベース塗料で各挽板の色むらを解消し、さらに、基板の表面を淡い茶色に着色して天然木模様に最適なボディーカラーに着色する。下塗工程は、第1〜第3の下塗工程からなるが、各工程においてパラゴムノキの導管凹部を残して塗料を塗布し、全ての工程が完了した状態で、パラゴムノキの導管凹部を残しながら、各挽板の色むらを解消する。
(1)第1下塗工程
挽板をパラゴムノキとする集成材からなる基板表面に、第1下塗工程として、ロールコーター機でもって、サンディングシーラーを塗布する。
(2)サンディングシーラーを硬化させた後、第2下塗工程として、紫外線硬化塗料を塗布する。この紫外線硬化塗料は、紫外線を照射して硬化させる。紫外線硬化塗料を硬化させた後、ブラシサンダー機で表面を研磨して表面を平滑面とする。
(3)その後、最後に第3下塗工程として、フローローター機でもってベースカラー塗料を塗布し、パラゴムノキの導管凹部を残して、挽板の色むらを解消して、基板の表面を淡い茶色に着色する。
(4)ベースカラー塗料を硬化させた後、さらにその表面に紫外線硬化塗料を塗布し、これに紫外線を照射して硬化させる。紫外線硬化塗料が硬化した後、ワイドサンダーで表面を平滑面に研磨する。
[プリント工程]
ベース基板の表面に、パラゴムノキの導管凹部を残す膜厚で天然木模様を印刷してプリント基板とする。天然木模様は、表面に木目塗料のインクを付着しているローラーを基板の表面に押圧して印刷される。
[上塗工程]
パラゴムノキの導管凹部があって、天然木模様の印刷されたプリント基板の表面に、パラゴムノキの導管凹部を残して仕上げ塗料を塗布し、外周面にはパラゴムノキの木目模様が表出されるように塗布する。仕上げ塗料は、導管凹部による凹凸を失わないように、表面に薄く塗布され、また外周面にはパラゴムノキの木目模様が見えるように、すなわち表出できるように塗布される。仕上げ塗料は、スプレーガンで透明塗料を塗布する第1上塗工程と、この上に紫外線硬化塗料を塗布する第2上塗工程とで塗布される。第1上塗工程においては、ウレタン系あるいはポリエステル系、あるいはアクリル系の塗料が塗布される。この塗料を硬化させた後、ウレタン系の紫外線硬化塗料が塗布される。
以上の工程で、パラゴムノキの導管凹部で立体的な凹凸模様が設けられ、さらに挽板の色むらが解消されて一枚の天然木と同等の天然木模様が設けられた高品質な木目板が製造される。
本発明は基板を天然木としながら、表面に天然木の導管凹部と一枚板の天然木模様のある机の天板、引き出しの前板、ベッドの装飾板等の家具に使用される木目板の製造に好適に採用できる。

Claims (4)

  1. 基板表面に木材の導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法であって、
    前記基板にパラゴムノキの挽板の集成材を使用し、
    前記基板の表面処理工程が、
    前記基板の表面にベース塗料を塗布してベース基板に加工する下塗工程と、
    前記下塗工程で得られるベース基板の表面に天然木模様を印刷してプリント基板とするプリント工程と、
    前記プリント基板の表面に、透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布する上塗工程とからなり、
    前記下塗工程は、前記集成材を構成する挽板であるパラゴムノキの導管が切断されて表面にできる導管凹部を保持して、前記基板表面の全面にベース塗料を塗布して、隣接する挽板の色むらを解消し、
    さらに前記プリント工程は、前記パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、前記ベース基板の表面に天然木模様を印刷し、
    さらにまた、前記上塗工程は、前記パラゴムノキの導管凹部を保持しながら、前記プリント基板の表面に前記プリント工程で印刷してなる天然木模様を表出する透明ないし半透明の仕上げ塗料を塗布することを特徴とする表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法。
  2. 請求項1に記載される表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法であって、
    前記木目板が、テーブルの天板であることを特徴とする表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載される表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法であって、
    前記プリント工程において、ウォールナットの天然木模様をプリントすることを特徴とする表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載される表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法であって、
    前記下塗工程において、前記基板の外周面に表面と同じベース塗料を塗布して、前記基板の外周面にパラゴムノキの木口模様を表出し、
    かつ、前記上塗工程において、前記外周面に基板と同じ下地塗料を塗布して、前記基板の外周面にパラゴムノキの木口模様を表出することを特徴とする表面に導管凹部と天然木模様のある木目板の製造方法。
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