JP2019032958A - ショートアーク型放電ランプ - Google Patents
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Abstract
Description
また、水銀を封入した発光管内に一対の陰極と陽極とが対向配置されたショートアーク型放電ランプは、点光源に近いことから、光学系と組み合わせることにより集光効率の高い露光装置の光源として利用されている。
更には、発光管内にキセノンを封入したショートアーク型放電ランプは、デジタルシネマ用光源として使用されている。
このようなショートアーク型放電ランプにおいては、点灯時に陽極にかかる熱的負荷が高いことから、陽極の過熱等に起因する電極材料の蒸発が生じ、この蒸発物が発光管の内壁に付着して光透過率が低下する、いわゆる黒化が生じることが知られている。このような黒化物は点灯中のガスの対流によって運ばれて、発光管の上部近傍に付着しやすい。
図6にその構造が示されていて、ショートアーク型放電ランプ101の発光管102内に、一対の陰極103と陽極104とが対向配置されていて、このランプ101は、陽極104を上方として垂直点灯される。上方の陽極104には、その芯線104aに円板状部材110が設けられている。
また、前記対流誘導部材は、円板形状であることを特徴とする。
また、前記貫通孔は、管軸を中心とする同一円周上に等ピッチで設けられていることを特徴とする。
また、前記上方位置にある電極の後端に、後方に向かって縮径する傾斜部が設けられていることを特徴とする。
また、前記貫通孔は、前記傾斜部を延長した仮想線よりも管軸からみて外方側に位置していることを特徴とする。
また、上方電極の後端に縮径する傾斜部が設けられたことで、対流ガスはこの傾斜部により電極芯線側に沿った流れとなり、これが対流誘導部材の貫通孔に効果的に流れることとなり、発光管の上端部における水銀の未蒸発をより一層抑制することができる。
点灯時に上方に位置する電極、この実施例では陽極4の上方には、対流誘導部材10が設けられている。
この対流誘導部材10は円板状部材からなり、陽極4の芯線6に取付け部材9により取付けられている。そして、この対流誘導部材10には複数の管軸方向の貫通孔11が形成されている。
一方、陽極4の後端には、後方(上方)に向かって縮径する傾斜部4aが設けられている。この縮径部4aは、典型的にはテーパー部で形成される。
そして、前記対流誘導部材10の貫通孔11は、管軸Yからみて、前記傾斜部4aを延長した仮想線Lよりも外方側(上方側)に位置するように設けられることが好適である。
また、貫通孔11の形状は図2(B)に示された円形状のみならず、図3に示すように、円周方向に延びる複数のスリット状の長穴形状であってもよい。
発光管2内で、陰極3と陽極4間でのアークにより温められたガスXは、陽極4に沿うように発光管2内を上昇し、対流誘導部材10に至る。ここで、その一部X1は流れを反転して発光管2の内壁面に沿うように下方に流れる。
また、対流誘導部材10には貫通孔11が形成されていることから、対流ガスXの一部X2がこの貫通孔11を通って発光管2内の上端部にまで流れる。
このとき、貫通孔11の位置が、管軸Yからみて、陽極4後端の傾斜部4aを延長した仮想線Lよりも外方側(上方側)にあることで、上昇する対流ガスXの一部X2がより円滑に貫通孔11に流れやすくする。
そして、この間に、対流ガスX中の黒化物は、陽極芯線6や対流誘導部材10に衝突して付着し、更には、貫通孔11の内表面にも付着して、対流ガス中から除去される。
<実施例>
・入力:定格入力12kW、定格電流100A
・点灯姿勢:陽極上方の垂直点灯
・陰極:
陰極材料:トリエーテッドタングステン
陰極寸法:φ25mm、全長30mm
陰極芯線:φ8mm
・陽極:
陽極材料:タングステン
陽極寸法:φ35mm、全長50mm
先端部直径:8mm
先端部テーパー角:120°
後端部テーパー角:90°
後端部の直径:25mm
陽極芯線:φ8mm
陽極胴部には、レーザ溝
・極間:11mm
・対流誘導部材:
材料:タングステン
形状:円板に6個の貫通孔
円板の寸法:φ32mm、厚さ2mm
貫通孔の配置:φ20mmの円周上に同一ピッチ(60°)で6個
固定位置:陽極後端部の後方(上方)20mm
固定方法:タングステン製コイルで上下から挟持
図6に示す構造で、円板状部材には、貫通孔がない。それ以外の仕様は実施例と同様。
比較例においては、点灯時間1000時間で初期照度の76%程度まで低下しているのに対して、本発明の実施例では初期照度の93%に維持されていることが分かる。
実施例のショートアーク型放電ランプにおいて、発光管の上部領域で水銀未蒸発が生じないため、この領域では水銀は蒸発と凝縮を繰り返すことがない。この水銀の蒸発/凝縮サイクルはアークを不安定にさせ、電極の蒸発や損耗を促進してしまうものであるが、実施例のショートアーク型放電ランプではこのような現象が生じることがない。その結果、実施例のショートアーク型放電ランプの方が、比較例よりも照度維持率が良好に推移したものである。
また、垂直点灯としたが、その点灯姿勢は、厳密に水平に対して90°であることだけに限られず、略90°(垂直)での点灯方式であればよい。
また、対流誘導部材から下方に折り返されるガスの流れが生じることにより、発光管内の対流ガスに乱れが生じることが少なくなり、アークの揺らぎが低減し、安定的に点灯維持される。
また、対流ガス中に含まれる黒化物は、上方電極の芯線や対流誘導部材に衝突して付着し、また、貫通孔を通過する間にその内表面に付着することで対流ガス中から除去される。
そして、上方電極の後端部に傾斜部を形成し、対流誘導部材の貫通孔の位置を、該傾斜部の延長線よりも外方側に配置することで、上方電極に沿って上昇する対流ガスが円滑に対流誘導部材の貫通孔に導かれる。
2 :発光管
3 :陰極
4 :陽極
4a :傾斜部
5 :陰極芯線
6 :陽極芯線
7、8:封止部
9 :取付け部材
10 :対流誘導部材
11 :貫通孔
X :対流ガス
X1 :対流ガスの一部
X2 :対流ガスの上昇一部
Y :管軸中心(電極軸中心)
L :傾斜部の延長線
Claims (5)
- 発光管の内部に一対の陰極と陽極とが対向配置され、垂直点灯されるショートアーク型放電ランプにおいて、
上方位置にある電極の上方に対流誘導部材が設けられ、
該対流誘導部材には、管軸方向の貫通孔が形成されていることを特徴とするショートアーク型放電ランプ。 - 前記対流誘導部材は、円板形状であることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電ランプ。
- 前記貫通口は、管軸を中心とする同一円周上に等ピッチで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電ランプ。
- 前記上方位置にある電極の後端に、後方に向かって縮径する傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型放電ランプ。
- 前記貫通口は、前記傾斜部を延長した仮想線よりも管軸からみて外方側に位置していることを特徴とする請求項4に記載のショートアーク型放電ランプ。
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