本開示は、人間等の視認範囲で移動する移動体、該移動体の制御方法及び制御プログラムに関するものである。
近年、移動体の適切な運用を実現するために、操縦者が操縦対象の移動体を視認できている場合に限って、移動体を遠隔操作することを許可するという規制が、各国で導入されつつある。特に、移動体の一つである無人飛行体、いわゆるドローンについて、このような規制の導入が急がれている。このような規制を運用するには、操縦者が操縦対象の移動体を視認できていない場合には、遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とする技術が有効である。
例えば、可視光線を用いて人間を確認することによって移動を制御するための移動体の移動制御方法に関する従来技術として、特許文献1には、撮影装置を搭載して移動可能とされる移動体と、被写体に取り付けられ、光の点滅パターンによって形成される光信号を発生させる信号発生装置とを具備し、撮影装置は、撮像部と、撮像部で得られた信号からシーンとしての画像データを取得するモードである画像モードと、撮像部で得られた信号から点滅パターンを復元することにより光信号を受信するモードであるIDモードとを時分割に繰り返す処理部とを有する移動撮影システムが開示されている。
しかしながら、上記の従来の構成では、人間の側が移動体を視認できているかどうかに基づいて移動体の動きを変更することはできないため、操縦者が操縦対象の移動体を視認できていない場合に、遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができない、という課題を有している。
本開示は、上記の課題を解決するもので、人間等が移動体を視認できている場合にのみ操縦することができる移動体、該移動体の制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とするものである。
本開示の一態様に係る移動体は、移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記光を視認したことを示す応答を確認する確認部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部と、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記確認部が前記応答を確認できた場合に、前記検出部により検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記確認部が前記応答を確認できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を強制的に移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する制御部とを備える。
本開示によれば、人間等が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
本開示の実施の形態1における移動体及び操縦器の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す移動体の外観の一例を示す図である。
図1に示す移動体の移動制御処理の一例を示すフローチャートである。
図1に示す移動体及び操縦器の使用状態の一例を示す模式図である。
本開示の実施の形態2における移動体の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示す移動体の使用状態の一例を示す模式図である。
本開示の実施の形態3における移動体及びマーカー装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示す移動体及びマーカー装置の使用状態の一例を示す模式図である。
(本開示の基礎となった知見)
上記のように、特許文献1には、人間が光信号を発生させる信号発生装置を身に着け、移動体に搭載した撮影装置によって画像を撮影し、撮影した画像から当該光信号を検出することによって、移動体の移動を制御する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1で開示されている技術では、人間の側が移動体を視認できているかどうかに基づいて移動体の動きを変更することはできないため、操縦者が操縦対象の移動体を視認できていない場合に遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができない。
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る移動体は、前記移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記光を視認したことを示す応答を確認する確認部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部と、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記確認部が前記応答を確認できた場合に、前記検出部により検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記確認部が前記応答を確認できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を強制的に移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する制御部とを備える。
この構成によれば、発光部が光を発光してから一定時間以内に、人間等がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答がなされた場合には、確認部は、この応答を確認でき、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させる。このとき、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、人間等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、人間等がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答がなされなかった場合には、確認部は、この応答を確認できず、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、人間等が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、人間等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、人間等が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記確認部は、前記移動体を遠隔操縦するための操縦器から送信された応答信号を受信した場合、前記応答を確認できたと判定し、前記応答信号は、前記操縦器を操作する操縦者が前記光を視認した場合に、前記操縦者が前記操縦器を用いて送信する信号であってもよい。
この構成によれば、発光部が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を操縦器から送信した場合には、確認部は、応答を確認できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を操縦器から送信しない場合には、確認部は、応答を確認できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、操縦者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、操縦者が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記応答信号は、前記操縦者が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作により前記操縦器を操作した場合に、前記操縦器から送信されるようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、操縦者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、この発光パターンに対応づけられた所定の操作により、光を視認したことを示す応答信号を操縦器から送信した場合にのみ、確認部は、応答を確認できたと判定するので、操縦者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、確認部は、応答を確認できないと判定する。したがって、操縦者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、操縦者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記操縦器は、前記操縦者による前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、前記確認部は、前記発光部が発光した前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、前記応答を確認できたと判定するにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、操縦器は、操縦者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、確認部は、発光部が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答を確認できたと判定するので、操縦者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、確認部は、応答を確認できないと判定する。したがって、操縦者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、操縦者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記確認部は、前記移動体を監視するための監視装置から送信された応答信号を受信した場合、前記応答を確認できたと判定し、前記応答信号は、前記監視装置を操作する監視者が前記光を視認した場合に、前記監視者が前記監視装置を用いて送信する信号であってもよい。
この構成によれば、発光部が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信した場合には、確認部は、応答を確認できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、監視者が移動体を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信しない場合には、確認部は、応答を確認できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、監視者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、監視者が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記応答信号は、前記監視者が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作により前記監視装置を操作した場合に、前記監視装置から送信されるようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、監視者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、この発光パターンに対応づけられた所定の操作により、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信した場合にのみ、確認部は、応答を確認できたと判定するので、監視者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、確認部は、応答を確認できないと判定する。したがって、監視者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、監視者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記監視装置は、前記監視者による前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、前記確認部は、前記発光部が発光した前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、監視装置は、監視者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、確認部は、発光部が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答を確認できたと判定するので、監視者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、確認部は、応答を確認できないと判定する。したがって、監視者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、監視者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
上記移動体は、前記移動体を管理する管理者を撮影する撮影部をさらに備え、前記確認部は、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成によれば、撮影部は、移動体を管理する管理者を撮影し、確認部は、管理者が光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部から取得した場合、応答を確認できたと判定するので、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、光を視認したことを示す所定の動作を行った場合には、確認部は、応答を確認できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、管理者が移動体を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、光を視認したことを示す所定の動作を行わない場合には、確認部は、応答を確認できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、管理者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記確認部は、前記管理者が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の動作を行った画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、管理者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、この発光パターンに対応づけられた所定の動作を行った場合にのみ、確認部は、応答を確認できたと判定するので、管理者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な動作を行わない場合、確認部は、応答を確認できないと判定する。したがって、管理者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、管理者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記確認部は、前記撮影部から取得した画像データから所定の識別動作を行う人間を前記管理者として識別し、識別した人間が前記光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、確認部は、撮影部から取得した画像から所定の識別動作を行う人間を管理者として識別し、識別した人間が光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部から取得した場合、応答を確認できたと判定するので、撮影部から取得した画像に多数の人間が含まれる場合でも、管理者を正確に特定することができ、正確に特定した管理者の動作に基づき、管理者が移動体を視認したことを正確に検出することができる。
上記移動体は、所定の発光装置を装着し、前記移動体を管理する管理者を撮影する撮影部をさらに備え、前記確認部は、前記発光装置の発光状態が、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成によれば、撮影部は、移動体を管理する管理者を撮影し、確認部は、管理者の装着している発光装置の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部から取得した場合、応答を確認できたと判定するので、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、発光装置の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になった場合には、確認部は、応答を確認できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、管理者が移動体を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、発光装置の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になっていない場合には、確認部は、応答を確認できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、管理者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体を視認できている場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記確認部は、前記発光装置の発光状態が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、管理者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、発光装置の発光状態がこの発光パターンに対応づけられた所定の発光状態になった場合にのみ、確認部は、応答を確認できたと判定するので、発光装置の発光状態が上記の発光パターンに対応づけられた適正な発光状態になっていない場合、確認部は、応答を確認できないと判定する。したがって、管理者が移動体を確実に視認し、管理者が発光装置の発光状態を適正な発光状態にした場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、管理者が移動体を確実に視認しておらず、管理者が発光装置の発光状態を適正な発光状態にしていない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記確認部は、前記撮影部から取得した画像から所定の識別発光状態の装置を前記発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、確認部は、撮影部から取得した画像から所定の識別発光状態の装置を発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部から取得した場合、応答を確認できたと判定するので、撮影部から取得した画像に種々の発光状態の装置が含まれる場合でも、管理者が装着している発光装置を正確に特定することができ、正確に特定した発光装置の発光状態に基づき、管理者が移動体を視認したことを正確に検出することができる。
前記発光装置は、所定の指向性を有する指向性信号を送信し、上記移動体は、前記指向性信号を受信する受信部をさらに備え、前記確認部は、前記受信部に前記指向性信号を送信した装置を前記発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、発光装置は、所定の指向性を有する指向性信号を送信し、確認部は、受信部に指向性信号を送信した装置を発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部から取得した場合、応答を確認できたと判定するので、撮影部から取得した画像に種々の発光状態の装置が含まれる場合でも、管理者が装着している発光装置を正確に特定することができ、正確に特定した発光装置の発光状態に基づき、管理者が移動体を視認したことを正確に検出することができる。
前記制御部は、前記一定時間の経過後、前記発光部が光を発光していない期間に、前記確認部が前記応答を確認できたと判断した場合、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を強制的に移動させる前記制御コマンドを前記駆動部に出力するようにしてもよい。
この構成により、一定時間の経過後、発光部が光を発光していない期間に、確認部が応答を確認できたと判断した場合、記録部が記録している最後の位置まで移動体を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、光を発光していない期間に不適切な応答が行われた場合には、発光部が発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記光は、可視光であってもよい。
この構成により、人間等が移動体からの可視光を確実に視認することができるので、人間等が移動体を視認できている状態を確実に検出することができる。
前記移動体は、無人飛行体を含むようにしてもよい。
この構成により、人間等が無人飛行体を視認できている場合にのみ無人飛行体を操縦することができる。
また、本開示は、以上のような特徴的な構成を備える移動体として実現することができるだけでなく、移動体が備える特徴的な構成に対応する特徴的な処理を実行する移動体の制御方法などとして実現することもできる。また、このような移動体の制御方法に含まれる特徴的な処理を、プロセッサ及びメモリ等を備えるコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。したがって、以下の他の態様でも、上記の移動体と同様の効果を奏することができる。
本開示の他の態様に係る制御方法は、移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部とを備える前記移動体の制御方法であって、前記検出部に前記移動体の位置を検出させ、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記光を視認したことを示す応答を確認できた場合に、検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記応答を確認できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を強制的に移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する。
本開示の他の態様に係る制御プログラムは、移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部とを備える前記移動体の制御装置として、コンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記コンピュータに、前記検出部に前記移動体の位置を検出させ、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記光を視認したことを示す応答を確認できた場合に、検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記応答を確認できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を強制的に移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する、処理を実行させる。
そして、上記のようなコンピュータプログラムを、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が想到する範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における移動体及び操縦器の構成の一例を示すブロック図であり、図2は、図1に示す移動体の外観の一例を示す図である。図1及び図2において、同じ構成要素については同じ符号を用いる。なお、本実施の形態では、移動体の一例として、無人飛行体(ドローン)について説明するが、移動体は、この例に特に限定されず、人間等の視認範囲で移動する移動体であれば、移動型ロボット、掃除ロボット、子供の見守りロボット、船舶、航空機、自動運転車両などの他の移動体にも同様に適用することができる。この点については、後述する他の実施の形態も同様である。
図1及び図2に示すように、移動体1は、本体A1、4本の支持部A2、4個の駆動部11、発光部12、応答確認部13、制御部14、位置記録部15、位置検出部16、及び通信部17を備える。操縦器2は、通信部21及び入力部22を備える。なお、図1では、図示を容易にするため、4個の駆動部11を1つの駆動部11として図示している。
移動体1は、操縦器2を用いて遠隔制御され、操縦者は、操縦器2を用いて移動体1を遠隔操縦する。また、移動体1は、自律飛行可能な無人飛行体であり、操縦器2からの遠隔指示を受けることなく、自律飛行を行うことができる。
図2に示すように、4個の駆動部11は、例えば、プロペラと、プロペラを回転させるモータとから構成される。駆動部11は、本体A1から四方へ延在する支持部A2の先端に取り付けられる。本体A1の底面側には、発光部12が取り付けられている。また、本体A1の内部には、図1に示す応答確認部13、制御部14、位置記録部15、位置検出部16、及び通信部17が配置されている。なお、移動体1は、4個の駆動部11を備えているが、これに限定されない。例えば、移動体1は、1個、2個、3個又は5個以上の駆動部を備えてもよい。また、発光部12の数及び取付位置は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能であり、例えば、4個の発光部を各支持部A2に取り付けたり、本体A1の上側に発光部を取り付けたりしてもよい。
操縦器2の入力部22は、例えば、操縦者の左手側に設けられた左スティック、操縦者の右手側に設けられた右スティック、及び種々の操作ボタン等から構成される。入力部22は、操縦者が左スティック、右スティック、及び種々の操作ボタン等を操作することにより、移動体1を遠隔操縦する種々の操作を受け付け、遠隔操縦コマンドを通信部21に出力する。通信部21は、遠隔操作コマンドを移動体1の通信部17に送信する。なお、入力部22の構成は、上記の例に特に限定されず、例えば、キーボード、マウス等の他の入力装置を用いてもよい。
移動体1の通信部17は、操縦器2から遠隔操作コマンドを受信して制御部14に出力する。制御部14は、駆動部11、発光部12、応答確認部13、位置記録部15、及び通信部17を制御する。制御部14及び応答確認部13は、例えば、プロセッサ及びメモリ等を備えるコンピュータ等から構成され、コンピュータが所定の制御プログラムを実行することにより、制御部14及び応答確認部13として機能する。
駆動部11は、移動体1の推進力を発生させ、移動体1を移動させる。駆動部11は、制御部14からの指示を受け、移動体1の移動を制御する。制御部14は、遠隔操作コマンドに応じて、駆動部11のプロペラの回転数を適宜制御することにより、移動体1の移動方向又は飛行状態を制御し、操縦器2の遠隔操作に応じて移動体1を飛行させる。
位置検出部16は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、移動体1の位置を検出する。位置記録部15は、例えば、半導体メモリ等から構成され、位置検出部16により検出された移動体1の位置を記録する。なお、移動体1の位置を検出する方法は、上記の例に特に限定されず、種々の方法を用いることができ、例えば、加速度センサを用いて、移動体1の位置を検出するようにしてもよい。また、移動体1の位置を記録する方法は、上記の例に特に限定されず、種々の方法を用いることができ、例えば、通信部17を用いて、位置記録部15に記憶している移動体1の位置を、外部のサーバ等に送信し、外部のサーバ等に記録するようにしてもよい。
発光部12は、制御部14に制御され、所定のタイミングで操縦器2の方向に光を発光する。発光部12から発光される光は、可視光であることが好ましい。この場合、操縦者が発光部12から発光される可視光を容易に視認することができる。
操縦者は、発光部12から発光される光を視認した場合、入力部22に対して、光を視認したことを示す応答信号を送信する操作を行う。入力部22は、光を視認したことを示す応答信号を作成して通信部21に出力し、通信部21は、応答信号を移動体1に送信する。応答信号は、操縦器2を操作する操縦者が発光部12から発光される光を視認した場合に、操縦者が操縦器2を用いて送信する信号である。
通信部17は、応答信号を受信して応答確認部13に出力する。応答確認部13は、光を視認したことを示す応答を確認する。具体的には、応答確認部13は、通信部17が操縦器2から送信された、操縦者が光を視認したことを示す応答信号を受信した場合、応答を確認できたと判定し、判定結果を制御部14に出力する。
制御部14は、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、応答確認部13が応答を確認できた場合には、位置検出部16により検出された移動体1の位置を位置記録部15に記録させ、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、応答確認部13が応答を確認できなかった場合には、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力する。
駆動部11は、上記の制御コマンドが出力された場合、操縦者の操縦器2を用いた遠隔操縦コマンドを受け付けることなく、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる。
なお、駆動部11が制御コマンドに従って移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させていない状況、すなわち、上記の制御コマンドが出力されていない状況における移動体1の制御方法には、様々なバリエーションがあり得るが、これらの制御方法は本開示を限定する主旨ではない。
例えば、通信部17は、操縦者の操縦器2を用いた遠隔操縦コマンドを受信し、移動体1は、受信した遠隔操縦コマンドに従い自身の動きを制御してもよい。また、例えば、移動体1は、移動体1の動きを制御する自律飛行コマンドを記憶するコマンド記憶部をさらに備え、種々の自律飛行コマンドをコマンド記憶部に予め記憶させておき、移動体1は、コマンド記憶部に格納されている自律飛行コマンドに従って駆動部11を駆動することによって、自動運転で自身の動きを制御するようにしてもよい。
また、駆動部11が制御コマンドに従って移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させている状況、すなわち、上記の制御コマンドが出力された時点から位置記録部15が記録した最後の位置に移動するまでの状況における移動体1の制御方法には、様々なバリエーションがあり得るが、これらの制御方法は本開示を限定する主旨ではない。
例えば、上記の制御コマンドが駆動部11に出力された場合には、位置記録部15が記録した最後の位置まで、移動体1を直線的に移動させるようにしてもよい。また、例えば、移動体1は、自身の移動経路を記録しておく経路記録部をさらに備え、制御コマンドが駆動部11に出力された場合には、移動体1は、経路記録部から自身の移動経路を取得して自動的に移動経路を逆戻りするようにしてもよい。
なお、実際には、操縦者が移動体1の発光部12が発光した光を確認できていないにもかかわらず、継続的に応答信号を送信することによって、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを駆動部11に出力されないようにすることを防ぐために、以下の対処を行うようにしてもよい。なお、以下の点については、後述する他の実施の形態も同様である。
制御部14は、発光部12が光を発光してから一定時間の経過後、発光部12が光を発光していない期間に、応答確認部13が応答を確認できたと判断した場合、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するようにしてもよい。
例えば、発光部12が光を発光する間隔を不定期(ランダム)にし、発光部12が光を発光していない期間に、応答確認部13が応答を確認した場合には、制御部14は、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを駆動部11に出力してもよい。
一方、操縦者が誤って、発光部12が光を発光していない時に応答信号を返した場合でも、ある程度の誤操作を許容して、最後に視認できていた位置まで戻ることをせずに、移動を続行するようにしてもよい。
例えば、制御部14は、上記の不正な応答の回数が一定回数を超えた場合にのみ、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを出力してもよい。また、制御部14は、上記の不正な応答の比率が一定比率を超えた場合にのみ、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを出力してもよい。また、上記の不正な応答の回数のカウント及び不正な応答の比率の算出は、一定時間毎にリセットするようにしてよい。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から制御部14により選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させるようにしてもよい。この場合、応答信号は、操縦者が上記の発光パターンに対応づけられた所定の操作により操縦器2を操作した場合に、操縦器2から送信される。
具体的には、制御部14は、複数の発光パターンを内部のメモリ等に予め記憶しておき、所定の順序又はランダムに一つの発光パターンを選択し、選択した発光パターンで発光部12を発光させる。例えば、発光部12の発光色を変化させたり、発光部12の発光強度を変化させたり、発光部12を点灯又は点滅させたり、発光部12の点滅回数、点滅時間、及び点滅間隔等を変化させる等の種々のバリエーションで発光部12を発光させる。この場合、単純に光を点灯するのではないため、移動体1から発光された光であることを識別し易くすることができる。
上記の発光パターンを視認した操縦者は、入力部22を用いて、上記の発光パターンに対して予め割り当てられる操作、例えば、一又は複数の特定のボタンを押下したり、所定のボタンを連続で所定回数だけ押下したりする等の操作を行う。入力部22は、上記の発光パターンに対して予め割り当てられる操作が行われた場合にのみ、光を視認したことを示す応答信号を作成して通信部21に出力し、通信部21は、応答信号を移動体1に送信する。
したがって、応答確認部13は、発光パターンに対して予め割り当てられる所定の操作により送信される応答信号を受信した場合のみ、応答を確認できたと判断することができ、操縦者が移動体1を視認したことをより確実に確認することができる。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、操縦器2は、操縦者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、応答確認部13は、発光部12が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答を確認できたと判定するようにしてもよい。この場合、応答信号を送信する操縦器2が、複数の発光パターンの中から、その時点でどの発光パターンが選択されているかを知らなくても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、発光部12の発光パターンに、所定の情報を重畳するようにしてもよい。例えば、発光部12の発光パターンにより、モールス信号を送信するようにしてもよい。この場合、種々の情報を送信することができ、この情報に対して予め割り当てられた操作によって送信される応答信号を受信した場合のみ、応答を確認できたと判断することができ、操縦者が移動体1を視認したことをより確実に確認することができる。
図3は、図1に示す移動体1の移動制御処理の一例を示すフローチャートであり、図4は、図1に示す移動体1及び操縦器2の使用状態の一例を示す模式図である。
まず、移動体1の発光部12は、光を発光する(ステップS11)。例えば、図4の左側部分に示すように、移動体1の発光部12は、操縦器2を操作している操縦者P1の方向に光を発光する。
次に、制御部14は、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、応答確認部13が応答を確認できたか否かを、応答確認部13に問い合わせる(ステップS12)。応答確認部13が応答を確認できた場合、すなわち、操縦器2から応答信号が送信され、応答確認部13が通信部17から応答信号を取得した場合(ステップS12でYES)、制御部14は、位置検出部16に移動体1の位置を検出させ、検出された移動体1の位置を位置記録部15に記録し(ステップS15)、その後、ステップS11に戻って以降の処理を継続する。
例えば、図4の右側上部に示すように、操縦者P1が発光部12からの光を視認でき、操縦器2を操作して応答信号を移動体1に送信した場合、応答確認部13は、通信部17から応答信号を取得し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体1の位置を位置記録部15に記録する。
一方、応答確認部13が応答を確認できなかった場合、すなわち、操縦器2から応答信号が送信されず、応答確認部13が通信部17から応答信号を取得できない場合(ステップS12でNO)、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力する(ステップS13)。
次に、駆動部11は、制御コマンドに従って移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させ(ステップS14)、その後、ステップS11に戻って以降の処理を継続する。
例えば、図4の右側下部に示すように、操縦者P1は、発光部12からの光を視認できず、操縦器2を操作して応答信号を移動体1に送信しない場合、応答確認部13は、通信部17から応答信号を取得できず、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力し、移動体1は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動し、その場でホバリングする。なお、上記処理では、ステップS14の処理の後、ステップS11に戻って以降の処理を継続したが、この例に特に限定されず、位置記録部15が記録している最後の位置に着陸して処理を終了する等の種々の変更が可能である。
上記の処理により、本実施の形態では、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を操縦器2から送信した場合には、通信部17が応答信号を受信して応答確認部13に出力し、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体の位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を操縦器2から送信しない場合には、通信部17が応答信号を受信できず、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、操縦者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1を強制的に戻し、当該位置に移動体1が戻るまでの間、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、操縦者が移動体1を視認できている場合にのみ移動体1を操縦することができる。
なお、上記の実施の形態では、操縦器2から応答信号を送信したが、この例に特に限定されず、他の装置から応答信号を送信してもよい。
例えば、操縦者でなく、移動体1を監視している監視者がいる場合、監視者が移動体1を監視するための監視装置から応答信号を送信するようにしてもよい。この場合、監視装置は、図1に示す通信部21及び入力部22を備え、監視装置を操作する監視者が光を視認した場合に、監視者が監視装置を用いて応答信号を送信する。応答確認部13は、移動体1を監視するための監視装置から送信された応答信号を通信部17が受信した場合、応答を確認できたと判定し、一方、通信部17が応答信号を受信しない場合、応答を確認できないと判定する。なお、監視者と操縦者とが同一の人間等であってもよく、この場合、操縦者が操縦器とは異なる他の装置である監視装置(無線機器)から応答信号を送信するようにしてもよい。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、応答信号は、監視者がこの発光パターンに対応づけられた所定の操作により監視装置を操作した場合に、監視装置から送信されるようにしてもよい。
上記の場合、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信した場合には、通信部17が応答信号を受信して応答確認部13に出力し、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体の位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、監視者が移動体1を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信しない場合には、通信部17が応答信号を受信できず、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、監視者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1を強制的に戻し、当該位置に移動体1が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、監視者が移動体1を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、監視装置は、監視者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、応答確認部13は、発光部12が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答を確認できたと判定するようにしてもよい。この場合、応答信号を送信する監視装置が、複数の発光パターンの中から、その時点でどの発光パターンが選択されているかを知らなくても、上記と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図5は、本開示の実施の形態2における移動体の構成の一例を示すブロック図である。図5に示す移動体1aが図1に示す移動体1と異なる点は、通信部17が省略され、撮影部18が追加された点であり、その他の点は図1に示す移動体1と同様であるので、詳細な説明を省略し、異なる点について以下に説明する。
移動体1aは、自律飛行により飛行する無人飛行体であり、操縦器からの遠隔指示を受けることなく、自律飛行を行うことができる。但し、管理者が目視により移動体1aの飛行状態を管理している。管理者としては、例えば、実施の形態1と同様に監視者が該当する。
なお、移動体1aの構成は、上記の例に特に限定されず、通信部を付加して、操縦者が操縦器を用いて移動体1aを遠隔操縦してもよい。また、監視者は、上記の例に特に限定されず、操縦者が操縦器を用いて移動体1aを遠隔操縦している場合は操縦者であってもよく、また、移動体1aを視認できれば、監視者及び操縦者以外の人間、又は、カメラ撮影等により人間の視認と同様の処理を実行できれば、人型ロボット等の管理装置であってもよい。この点については、後述する実施の形態も同様である。
移動体1aの撮影部18は、カメラ等から構成され、移動体を管理する管理者を撮影し、撮影した画像データを応答確認部13に出力する。例えば、撮影部18は、制御部14に制御され、管理者を自動追尾して、飛行中に継続して管理者を撮影する。また、撮影部18は、自動追尾している管理者の方向を制御部14に通知する。発光部12は、制御部14に制御され、所定のタイミングで管理者の方向に光を発光する。応答確認部13は、撮影部18からの画像データを解析し、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。
なお、撮影部18が撮影した画像データの中から管理者を識別する方法は、上記の例に特に限定されず、種々の方法を用いることができる。例えば、管理者は、移動体1aが当該管理者を識別するための所定の識別動作を行うようにしてもよい。この場合、応答確認部13は、撮影部18からの画像データを解析し、撮影部18から取得した画像データから所定の識別動作を行う人間を管理者として識別し、識別した人間が光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
図6は、図5に示す移動体1aの使用状態の一例を示す模式図である。例えば、図6の左側部分に示すように、移動体1aの発光部12は、制御部14に制御され、移動体1aを管理する管理者P2の方向に光を発光する。
次に、図6の右側上部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P2が発光部12からの光を視認でき、所定の動作、例えば、両手を上げる動作を行った場合、撮影部18は、管理者P2が両手を挙げている画像データを応答確認部13に出力する。応答確認部13は、管理者P2が両手を挙げている動作が光を視認したことを示す動作であると判定することにより、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できた場合、位置検出部16により検出された移動体1aの位置を位置記録部15に記録させる。
ここで、発光部12は、実施の形態1と同様に、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させるようにしてもよい。この場合、各発光パターンに対して、管理者の動作が予め決められており、管理者は、発光部12からの光を視認できた場合、発光パターンに対して予め決められている特定の動作を行う。応答確認部13は、管理者が発光パターンに対応づけられた特定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定する。なお、特定の動作は、右手又は左手を上げる、右手又は左手を振る等の種々の動作を用いることができ、また、異なる動きを組み合わせたり、連続で動く回数を変える等の種々の変更が可能である。
一方、図6の右側下部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P2が発光部12からの光を視認できず、所定の動作、例えば、両手を上げる動作を行わない場合、撮影部18は、管理者P2が両手を挙げている画像データを応答確認部13に出力しない。応答確認部13は、管理者P2が両手を挙げている画像データを取得できないため、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できないと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できない場合、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1aを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力し、移動体1aは、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動し、その場でホバリングする。
上記の処理により、本実施の形態では、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、光を視認したことを示す所定の動作を行った場合には、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体1aの位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1aを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、管理者が移動体1aを視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、光を視認したことを示す所定の動作を行わない場合には、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1aを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、管理者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1aを強制的に戻し、当該位置に移動体1aが戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体1aを視認できている場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
(実施の形態3)
図7は、本開示の実施の形態3における移動体及びマーカー装置の構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、マーカー装置3は、発光装置の一例であり、4個のマーカー31〜34、入力部35、制御部36、及び送信部37を備える。また、図7に示す移動体1bが図5に示す移動体1aと異なる点は、受信部19が追加された点であり、その他の点は図5に示す移動体1aと同様であるので、詳細な説明を省略し、異なる点について以下に説明する。
移動体1bは、実施の形態2と同様に、自律飛行により飛行する無人飛行体であり、操縦器からの遠隔指示を受けることなく、自律飛行を行うことができる。但し、管理者が目視により移動体1bの飛行状態を管理している。また、本実施の形態では、移動体1bでの画像解析を容易にするため、移動体1bを管理する管理者がマーカー装置3を装着し、移動体1bは、マーカー装置3の発光状態を解析することによって、管理者が特定の動作を行っているか否かを判断し、管理者が移動体1bから発光された光を視認したか否かを判定する。なお、管理者が移動体1bから発光された光を視認したか否かの判定は、上記の例に特に限定されず、管理者は特定の動作を行わず、マーカー装置3の発光状態のみから判定するようにしてもよい。
具体的には、マーカー装置3の送信部37は、制御部36により制御され、所定のタイミングで、所定の指向性を有する指向性信号(赤外線、音波等)を送信する。移動体1bの受信部19は、指向性信号を受信して応答確認部13及び制御部14に出力する。
発光部12は、制御部14に制御され、所定のタイミングで、マーカー装置3を装着して移動体1bを管理する管理者の方向に光を発光する。撮影部18は、マーカー装置3を装着して移動体1bを管理する管理者を撮影し、撮影した画像データを応答確認部13に出力する。
入力部35は、管理者がマーカー31〜34の発光状態を操作するための種々の操作ボタン等から構成され、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す発光確認操作を入力され、発光確認操作が入力されたことを制御部36に通知する。制御部36は、発光確認操作が通知されたとき、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の発光状態で発光するようにマーカー31〜34を制御する。
マーカー31〜34は、例えば、可視光を発光するランプ等から構成され、所定の発光状態で発光する。なお、マーカーの数は、上記の例に特に限定されず、1〜3個、又は4個以上であってもよい。また、マーカー31〜34の構成は、上記の例に特に限定されず、目印又は標識として利用できるものであれば、発光しないマーカー等を用いてもよい。
応答確認部13は、撮影部18により撮影された画像データから、受信部19に指向性信号を送信した装置をマーカー装置3として識別し、視認すべき管理者を識別する。また、応答確認部13は、識別したマーカー装置3の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。
なお、本実施の形態では、マーカー装置3から発信される指向性信号を用いて、マーカー装置3すなわち管理者を識別したが、管理者を識別する方法は、この例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、送信部37及び受信部19を省略し、マーカー31〜34に特定の模様(例えば、縞模様、千鳥模様等)を施すようにしてもよい。この場合、応答確認部13は、撮影部18により撮影された画像データから画像認識で特定の模様を抽出することにより、特定の模様を有する装置をマーカー装置3として識別し、視認すべき管理者を識別することができる。このとき、識別した管理者に、発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行わせ、応答確認部13は、撮影部18の画像データから、管理者の動きを画像認識し、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
また、送信部37及び受信部19を省略し、マーカー31〜34を特定の識別発光状態で発光させるようにしてもよい。例えば、マーカー31〜34の発光色を変化させたり、マーカー31〜34の発光強度を変化させたり、マーカー31〜34を点灯又は点滅させたり、マーカー31〜34の点滅回数、点滅時間、及び点滅間隔等を変化させる等の種々のバリエーションでマーカー31〜34を発光させるようにしてもよい。また、マーカー31〜34の発光パターンに、所定の情報を重畳するようにしてもよい。例えば、マーカー31〜34の発光パターンにより、モールス信号を送信するようにしてもよい。
この場合、応答確認部13は、撮影部18により撮影された画像データから画像認識で特定の識別発光状態を抽出することにより、特定の識別発光状態で発光しているマーカーを有する装置をマーカー装置3として識別し、視認すべき管理者を識別することができる。このとき、識別した管理者に、発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行わせ、応答確認部13は、撮影部18の画像データから、管理者の動きを画像認識し、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定するようにしてもよい。また、管理者がマーカー31〜34を特定の識別発光状態で発光させるタイミングを制御できるようにし、マーカー31〜34の特定の識別発光状態を、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答として利用するようにしてもよい。
図8は、図7に示す移動体1b及びマーカー装置3の使用状態の一例を示す模式図である。例えば、図8の左側部分に示すように、移動体1bの発光部12は、制御部14に制御され、移動体1bを管理する管理者P3の方向に光を発光する。管理者は、マーカー31を右手首、マーカー32を右肘、マーカー33を左手首、マーカー34を左肘に装着している。このとき、マーカー31〜34は、後述する発光状態と区別するため、例えば、消灯している。なお、マーカーの装着位置は、上記の例に特に限定されず、足又は胴体等に装着する等の種々の変更が可能である。また、発光装置は、マーカー装置3に特に限定されず、管理者が移動体1bを視認していることを示す発光状態で発光できれば、種々の発光装置を用いることができる。
次に、図8の右側上部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P3は、発光部12からの光を視認できた場合、入力部35に対して発光確認操作を行う。入力部35は、発光確認操作が入力されたことを制御部36に通知し、制御部36は、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の発光状態、例えば、マーカー31、32を点灯させ、管理者P3は、点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げる。このとき、撮影部18は、管理者P3が点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げている画像データを応答確認部13に出力する。応答確認部13は、点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げている状態が光を視認したことを示す点灯状態であると判定することにより、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できた場合、位置検出部16により検出された移動体1bの位置を位置記録部15に記録させる。
ここで、発光部12は、実施の形態1、2と同様に、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させるようにしてもよい。この場合、各発光パターンに対して、マーカー31〜34の発光状態が予め決められており、管理者が発光部12からの光を視認できた場合、マーカー装置3は、発光パターンに対して予め決められている特定の発光状態でマーカー31〜34を発光させる。応答確認部13は、マーカー装置3の発光状態が発光パターンに対応づけられた特定の発光状態になった画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定する。なお、特定の発光状態としては、各マーカー31〜34の発光状態を変化させたり、変化させた発光パターンを組み合わせたり、各発光パターンの時間を異ならせて発光させる等の種々の変更が可能である。
一方、図8の右側下部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P3が発光部12からの光を視認できず、管理者P3が入力部35に対して発光確認操作を行わない場合、例えば、マーカー31〜34が消灯している場合、撮影部18は、マーカー31〜34が消灯している画像データを応答確認部13に出力する。この場合、応答確認部13は、管理者P3が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の発光状態、例えば、点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げている画像データを取得できないため、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できないと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できない場合、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1bを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力し、移動体1bは、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動し、その場でホバリングする。
上記の処理により、本実施の形態では、撮影部18は、移動体1bを管理する管理者を撮影し、応答確認部13は、管理者の装着しているマーカー装置3の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定するので、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、マーカー装置3の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になった場合には、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体1bの位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1bを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、管理者が移動体1bを視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、マーカー装置3の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になっていない場合には、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1bを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、管理者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1bを強制的に戻し、当該位置に移動体1bが戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体1bを視認できている場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
なお、本開示は、操縦者等が操縦対象の移動体を視認できていない場合には、遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とする技術として活用することができるのはもちろんであるが、この活用例は、本開示の活用の一例であり、本開示を限定する主旨ではない。例えば、操縦者等が移動体を視認できている場合に限って、操縦対象の移動体を移動させたり、操縦者ではない人間が移動体を視認できている場合に限って、その人間から移動体を遠ざけたり、人間ではなく、他の移動体が、操縦対象の移動体から発光された光を確認できている場合に限って、操縦対象の移動体に特定の作業をさせたりするなど、移動体が発光した光を他者が確認できている場合に限って、移動体に所定の動作をさせるための、より一般的な技術として活用することができる。
本開示に係る移動体、制御方法及び制御プログラムは、人間等が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができるので、人間等の視認範囲で移動する移動体、該移動体の制御方法及び制御プログラムとして有用である。
1、1a、1b 移動体
2 操縦器
11 駆動部
12 発光部
13 応答確認部
14 制御部
15 位置記録部
16 位置検出部
17 通信部
18 撮影部
19 受信部
21 通信部
22 入力部
3 マーカー装置
31〜34 マーカー
35 入力部
36 制御部
37 送信部
本開示は、人間等の視認範囲で移動する移動体、該移動体の制御方法及び制御プログラムに関するものである。
近年、移動体の適切な運用を実現するために、操縦者が操縦対象の移動体を視認できている場合に限って、移動体を遠隔操作することを許可するという規制が、各国で導入されつつある。特に、移動体の一つである無人飛行体、いわゆるドローンについて、このような規制の導入が急がれている。このような規制を運用するには、操縦者が操縦対象の移動体を視認できていない場合には、遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とする技術が有効である。
例えば、可視光線を用いて人間を確認することによって移動を制御するための移動体の移動制御方法に関する従来技術として、特許文献1には、撮影装置を搭載して移動可能とされる移動体と、被写体に取り付けられ、光の点滅パターンによって形成される光信号を発生させる信号発生装置とを具備し、撮影装置は、撮像部と、撮像部で得られた信号からシーンとしての画像データを取得するモードである画像モードと、撮像部で得られた信号から点滅パターンを復元することにより光信号を受信するモードであるIDモードとを時分割に繰り返す処理部とを有する移動撮影システムが開示されている。
しかしながら、上記の従来の構成では、人間の側が移動体を視認できているかどうかに基づいて移動体の動きを変更することはできないため、操縦者が操縦対象の移動体を視認できていない場合に、遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができない、という課題を有している。
本開示は、上記の課題を解決するもので、人間等が移動体を視認できている場合にのみ操縦することができる移動体、該移動体の制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とするものである。
本開示の一態様に係る移動体は、移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記移動体を操縦する操縦者又は前記移動体を監視する監視者又は前記移動体を管理する管理者が前記光を視認したことを示す応答情報を受信する受信部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部と、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記受信部が前記応答情報を受信できた場合に、前記検出部により検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記受信部が前記応答情報を受信できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する制御部とを備える。
本開示によれば、人間等が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
本開示の実施の形態1における移動体及び操縦器の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す移動体の外観の一例を示す図である。
図1に示す移動体の移動制御処理の一例を示すフローチャートである。
図1に示す移動体及び操縦器の使用状態の一例を示す模式図である。
本開示の実施の形態2における移動体の構成の一例を示すブロック図である。
図5に示す移動体の使用状態の一例を示す模式図である。
本開示の実施の形態3における移動体及びマーカー装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示す移動体及びマーカー装置の使用状態の一例を示す模式図である。
(本開示の基礎となった知見)
上記のように、特許文献1には、人間が光信号を発生させる信号発生装置を身に着け、移動体に搭載した撮影装置によって画像を撮影し、撮影した画像から当該光信号を検出することによって、移動体の移動を制御する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1で開示されている技術では、人間の側が移動体を視認できているかどうかに基づいて移動体の動きを変更することはできないため、操縦者が操縦対象の移動体を視認できていない場合に遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができない。
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る移動体は、前記移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記移動体を操縦する操縦者又は前記移動体を監視する監視者又は前記移動体を管理する管理者が前記光を視認したことを示す応答情報を受信する受信部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部と、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記受信部が前記応答情報を受信できた場合に、前記検出部により検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記受信部が前記応答情報を受信できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する制御部とを備える。
この構成によれば、発光部が光を発光してから一定時間以内に、人間等がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答情報が生成された場合には、受信部は、この応答情報を受信でき、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させる。このとき、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、人間等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、人間等がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答情報が生成されなかった場合には、受信部は、この応答情報を受信できず、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、人間等が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、人間等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、人間等が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記受信部は、前記移動体を遠隔操縦するための操縦器から送信された応答信号を受信した場合、前記応答情報を受信できたと判定し、前記応答信号は、前記操縦器を操作する操縦者が前記光を視認した場合に、前記操縦者が前記操縦器を用いて送信する信号であってもよい。
この構成によれば、発光部が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を操縦器から送信した場合には、受信部は、応答情報を受信できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を操縦器から送信しない場合には、受信部は、応答情報を受信できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、操縦者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、操縦者が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記応答信号は、前記操縦者が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作により前記操縦器を操作した場合に、前記操縦器から送信されるようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、操縦者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、この発光パターンに対応づけられた所定の操作により、光を視認したことを示す応答信号を操縦器から送信した場合にのみ、受信部は、応答情報を受信できたと判定するので、操縦者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、受信部は、応答情報を受信できないと判定する。したがって、操縦者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、操縦者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記操縦器は、前記操縦者による前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、前記受信部は、前記発光部が発光した前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、操縦器は、操縦者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、受信部は、発光部が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答情報を受信できたと判定するので、操縦者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、受信部は、応答情報を受信できないと判定する。したがって、操縦者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、操縦者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記受信部は、前記移動体を監視するための監視装置から送信された応答信号を受信した場合、前記応答情報を受信できたと判定し、前記応答信号は、前記監視装置を操作する監視者が前記光を視認した場合に、前記監視者が前記監視装置を用いて送信する信号であってもよい。
この構成によれば、発光部が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信した場合には、受信部は、応答情報を受信できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、監視者が移動体を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信しない場合には、受信部は、応答情報を受信できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、監視者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、監視者が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記応答信号は、前記監視者が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作により前記監視装置を操作した場合に、前記監視装置から送信されるようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、監視者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、この発光パターンに対応づけられた所定の操作により、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信した場合にのみ、受信部は、応答情報を受信できたと判定するので、監視者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、受信部は、応答情報を受信できないと判定する。したがって、監視者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、監視者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記監視装置は、前記監視者による前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、前記受信部は、前記発光部が発光した前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、監視装置は、監視者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、受信部は、発光部が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答情報を受信できたと判定するので、監視者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な操作を行わない場合、受信部は、応答情報を受信できないと判定する。したがって、監視者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、監視者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
上記移動体は、前記移動体を管理する管理者を撮影する撮影部をさらに備え、前記受信部は、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成によれば、撮影部は、移動体を管理する管理者を撮影し、受信部は、管理者が光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部から取得した場合、応答情報を受信できたと判定するので、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、光を視認したことを示す所定の動作を行った場合には、受信部は、応答情報を受信できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、管理者が移動体を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、光を視認したことを示す所定の動作を行わない場合には、受信部は、応答情報を受信できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、管理者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記受信部は、前記管理者が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の動作を行った画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、管理者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、この発光パターンに対応づけられた所定の動作を行った場合にのみ、受信部は、応答情報を受信できたと判定するので、管理者が上記の発光パターンに対応づけられた適正な動作を行わない場合、受信部は、応答情報を受信できないと判定する。したがって、管理者が移動体を確実に視認した場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、管理者が移動体を確実に視認していない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記受信部は、前記撮影部から取得した画像から所定の識別動作を行う人間を前記管理者として識別し、識別した人間が前記光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、受信部は、撮影部から取得した画像から所定の識別動作を行う人間を管理者として識別し、識別した人間が光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部から取得した場合、応答情報を受信できたと判定するので、撮影部から取得した画像に多数の人間が含まれる場合でも、管理者を正確に特定することができ、正確に特定した管理者の動作に基づき、管理者が移動体を視認したことを正確に検出することができる。
上記移動体は、所定の発光装置を装着し、前記移動体を管理する管理者を撮影する撮影部をさらに備え、前記受信部は、前記発光装置の発光状態が、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成によれば、撮影部は、移動体を管理する管理者を撮影し、受信部は、管理者の装着している発光装置の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部から取得した場合、応答情報を受信できたと判定するので、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、発光装置の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になった場合には、受信部は、応答情報を受信できたと判定し、制御部は、検出部により検出された移動体の位置を記録部に記録させ、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力しないので、管理者が移動体を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、発光装置の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になっていない場合には、受信部は、応答情報を受信できないと判定し、制御部は、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、管理者が発光部の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体を視認できている場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
前記発光部は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで前記光を発光させ、前記受信部は、前記発光装置の発光状態が前記少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、管理者がこの発光パターンで発光された光を視認でき、発光装置の発光状態がこの発光パターンに対応づけられた所定の発光状態になった場合にのみ、受信部は、応答情報を受信できたと判定するので、発光装置の発光状態が上記の発光パターンに対応づけられた適正な発光状態になっていない場合、受信部は、応答情報を受信できないと判定する。したがって、管理者が移動体を確実に視認し、管理者が発光装置の発光状態を適正な発光状態にした場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となり、管理者が移動体を確実に視認しておらず、管理者が発光装置の発光状態を適正な発光状態にしていない場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記受信部は、前記撮影部から取得した画像から所定の識別発光状態の装置を前記発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、受信部は、撮影部から取得した画像から所定の識別発光状態の装置を発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部から取得した場合、応答情報を受信できたと判定するので、撮影部から取得した画像に種々の発光状態の装置が含まれる場合でも、管理者が装着している発光装置を正確に特定することができ、正確に特定した発光装置の発光状態に基づき、管理者が移動体を視認したことを正確に検出することができる。
前記発光装置は、所定の指向性を有する指向性信号を送信し、上記移動体は、前記指向性信号を受信する指向性信号受信部をさらに備え、前記受信部は、前記指向性信号受信部に前記指向性信号を送信した装置を前記発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、前記管理者が前記光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを前記撮影部から取得した場合、前記応答情報を受信できたと判定するようにしてもよい。
この構成により、発光装置は、所定の指向性を有する指向性信号を送信し、受信部は、指向性信号受信部に指向性信号を送信した装置を発光装置として識別し、識別した発光装置の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部から取得した場合、応答情報を受信できたと判定するので、撮影部から取得した画像に種々の発光状態の装置が含まれる場合でも、管理者が装着している発光装置を正確に特定することができ、正確に特定した発光装置の発光状態に基づき、管理者が移動体を視認したことを正確に検出することができる。
前記制御部は、前記一定時間の経過後、前記発光部が光を発光していない期間に、前記受信部が前記応答情報を受信できたと判断した場合、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を移動させる前記制御コマンドを前記駆動部に出力するようにしてもよい。
この構成により、一定時間の経過後、発光部が光を発光していない期間に、受信部が応答情報を受信できたと判断した場合、記録部が記録している最後の位置まで移動体を移動させる制御コマンドを駆動部に出力するので、光を発光していない期間に不適切な応答が行われた場合には、発光部が発光した光を最後に視認できた位置まで移動体を強制的に戻し、当該位置に移動体が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。
前記光は、可視光であってもよい。
この構成により、人間等が移動体からの可視光を確実に視認することができるので、人間等が移動体を視認できている状態を確実に検出することができる。
前記移動体は、無人飛行体を含むようにしてもよい。
この構成により、人間等が無人飛行体を視認できている場合にのみ無人飛行体を操縦することができる。
また、本開示は、以上のような特徴的な構成を備える移動体として実現することができるだけでなく、移動体が備える特徴的な構成に対応する特徴的な処理を実行する移動体の制御方法などとして実現することもできる。また、このような移動体の制御方法に含まれる特徴的な処理を、プロセッサ及びメモリ等を備えるコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。したがって、以下の他の態様でも、上記の移動体と同様の効果を奏することができる。
本開示の他の態様に係る制御方法は、移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部とを備える前記移動体の制御方法であって、前記検出部に前記移動体の位置を検出させ、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記移動体を操縦する操縦者又は前記移動体を監視する監視者又は前記移動体を管理する管理者が前記光を視認したことを示す応答情報を受信できた場合に、検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記応答情報を受信できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する。
本開示の他の態様に係る制御プログラムは、移動体を移動させる駆動部と、光を発光する発光部と、前記移動体の位置を検出する検出部と、前記移動体の位置を記録する記録部とを備える前記移動体の制御装置として、コンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記コンピュータに、前記検出部に前記移動体の位置を検出させ、前記発光部が光を発光してから一定時間以内に、前記移動体を操縦する操縦者又は前記移動体を監視する監視者又は前記移動体を管理する管理者が前記光を視認したことを示す情報応答を受信できた場合に、検出された前記移動体の位置を前記記録部に記録させ、前記一定時間以内に、前記応答情報を受信できなかった場合には、前記記録部が記録している最後の位置まで前記移動体を移動させる制御コマンドを前記駆動部に出力する、処理を実行させる。
そして、上記のようなコンピュータプログラムを、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。さらに、本開示の主旨を逸脱しない限り、本開示の各実施の形態に対して当業者が想到する範囲内の変更を施した各種変形例も本開示に含まれる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1における移動体及び操縦器の構成の一例を示すブロック図であり、図2は、図1に示す移動体の外観の一例を示す図である。図1及び図2において、同じ構成要素については同じ符号を用いる。なお、本実施の形態では、移動体の一例として、無人飛行体(ドローン)について説明するが、移動体は、この例に特に限定されず、人間等の視認範囲で移動する移動体であれば、移動型ロボット、掃除ロボット、子供の見守りロボット、船舶、航空機、自動運転車両などの他の移動体にも同様に適用することができる。この点については、後述する他の実施の形態も同様である。
図1及び図2に示すように、移動体1は、本体A1、4本の支持部A2、4個の駆動部11、発光部12、応答確認部13、制御部14、位置記録部15、位置検出部16、及び通信部17を備える。操縦器2は、通信部21及び入力部22を備える。なお、図1では、図示を容易にするため、4個の駆動部11を1つの駆動部11として図示している。
移動体1は、操縦器2を用いて遠隔制御され、操縦者は、操縦器2を用いて移動体1を遠隔操縦する。また、移動体1は、自律飛行可能な無人飛行体であり、操縦器2からの遠隔指示を受けることなく、自律飛行を行うことができる。
図2に示すように、4個の駆動部11は、例えば、プロペラと、プロペラを回転させるモータとから構成される。駆動部11は、本体A1から四方へ延在する支持部A2の先端に取り付けられる。本体A1の底面側には、発光部12が取り付けられている。また、本体A1の内部には、図1に示す応答確認部13、制御部14、位置記録部15、位置検出部16、及び通信部17が配置されている。なお、移動体1は、4個の駆動部11を備えているが、これに限定されない。例えば、移動体1は、1個、2個、3個又は5個以上の駆動部を備えてもよい。また、発光部12の数及び取付位置は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能であり、例えば、4個の発光部を各支持部A2に取り付けたり、本体A1の上側に発光部を取り付けたりしてもよい。
操縦器2の入力部22は、例えば、操縦者の左手側に設けられた左スティック、操縦者の右手側に設けられた右スティック、及び種々の操作ボタン等から構成される。入力部22は、操縦者が左スティック、右スティック、及び種々の操作ボタン等を操作することにより、移動体1を遠隔操縦する種々の操作を受け付け、遠隔操縦コマンドを通信部21に出力する。通信部21は、遠隔操作コマンドを移動体1の通信部17に送信する。なお、入力部22の構成は、上記の例に特に限定されず、例えば、キーボード、マウス等の他の入力装置を用いてもよい。
移動体1の通信部17は、操縦器2から遠隔操作コマンドを受信して制御部14に出力する。制御部14は、駆動部11、発光部12、応答確認部13、位置記録部15、及び通信部17を制御する。制御部14及び応答確認部13は、例えば、プロセッサ及びメモリ等を備えるコンピュータ等から構成され、コンピュータが所定の制御プログラムを実行することにより、制御部14及び応答確認部13として機能する。応答確認部13は、移動体1を操縦する操縦者又は移動体1を監視する監視者又は移動体1を管理する管理者が光を視認したことを示す応答情報を受信する受信部の一例である。
駆動部11は、移動体1の推進力を発生させ、移動体1を移動させる。駆動部11は、制御部14からの指示を受け、移動体1の移動を制御する。制御部14は、遠隔操作コマンドに応じて、駆動部11のプロペラの回転数を適宜制御することにより、移動体1の移動方向又は飛行状態を制御し、操縦器2の遠隔操作に応じて移動体1を飛行させる。
位置検出部16は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、移動体1の位置を検出する。位置記録部15は、例えば、半導体メモリ等から構成され、位置検出部16により検出された移動体1の位置を記録する。なお、移動体1の位置を検出する方法は、上記の例に特に限定されず、種々の方法を用いることができ、例えば、加速度センサを用いて、移動体1の位置を検出するようにしてもよい。また、移動体1の位置を記録する方法は、上記の例に特に限定されず、種々の方法を用いることができ、例えば、通信部17を用いて、位置記録部15に記憶している移動体1の位置を、外部のサーバ等に送信し、外部のサーバ等に記録するようにしてもよい。
発光部12は、制御部14に制御され、所定のタイミングで操縦器2の方向に光を発光する。発光部12から発光される光は、可視光であることが好ましい。この場合、操縦者が発光部12から発光される可視光を容易に視認することができる。
操縦者は、発光部12から発光される光を視認した場合、入力部22に対して、光を視認したことを示す応答信号を送信する操作を行う。入力部22は、光を視認したことを示す応答信号を作成して通信部21に出力し、通信部21は、応答信号を移動体1に送信する。応答信号は、操縦器2を操作する操縦者が発光部12から発光される光を視認した場合に、操縦者が操縦器2を用いて送信する信号である。
通信部17は、応答信号を受信して応答確認部13に出力する。応答確認部13は、光を視認したことを示す応答を確認する。具体的には、応答確認部13は、通信部17が操縦器2から送信された、操縦者が光を視認したことを示す応答信号を受信した場合、応答を確認できたと判定し、判定結果を制御部14に出力する。
制御部14は、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、応答確認部13が応答を確認できた場合には、位置検出部16により検出された移動体1の位置を位置記録部15に記録させ、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、応答確認部13が応答を確認できなかった場合には、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力する。
駆動部11は、上記の制御コマンドが出力された場合、操縦者の操縦器2を用いた遠隔操縦コマンドを受け付けることなく、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる。
なお、駆動部11が制御コマンドに従って移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させていない状況、すなわち、上記の制御コマンドが出力されていない状況における移動体1の制御方法には、様々なバリエーションがあり得るが、これらの制御方法は本開示を限定する主旨ではない。
例えば、通信部17は、操縦者の操縦器2を用いた遠隔操縦コマンドを受信し、移動体1は、受信した遠隔操縦コマンドに従い自身の動きを制御してもよい。また、例えば、移動体1は、移動体1の動きを制御する自律飛行コマンドを記憶するコマンド記憶部をさらに備え、種々の自律飛行コマンドをコマンド記憶部に予め記憶させておき、移動体1は、コマンド記憶部に格納されている自律飛行コマンドに従って駆動部11を駆動することによって、自動運転で自身の動きを制御するようにしてもよい。
また、駆動部11が制御コマンドに従って移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させている状況、すなわち、上記の制御コマンドが出力された時点から位置記録部15が記録した最後の位置に移動するまでの状況における移動体1の制御方法には、様々なバリエーションがあり得るが、これらの制御方法は本開示を限定する主旨ではない。
例えば、上記の制御コマンドが駆動部11に出力された場合には、位置記録部15が記録した最後の位置まで、移動体1を直線的に移動させるようにしてもよい。また、例えば、移動体1は、自身の移動経路を記録しておく経路記録部をさらに備え、制御コマンドが駆動部11に出力された場合には、移動体1は、経路記録部から自身の移動経路を取得して自動的に移動経路を逆戻りするようにしてもよい。
なお、実際には、操縦者が移動体1の発光部12が発光した光を確認できていないにもかかわらず、継続的に応答信号を送信することによって、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを駆動部11に出力されないようにすることを防ぐために、以下の対処を行うようにしてもよい。なお、以下の点については、後述する他の実施の形態も同様である。
制御部14は、発光部12が光を発光してから一定時間の経過後、発光部12が光を発光していない期間に、応答確認部13が応答を確認できたと判断した場合、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するようにしてもよい。
例えば、発光部12が光を発光する間隔を不定期(ランダム)にし、発光部12が光を発光していない期間に、応答確認部13が応答を確認した場合には、制御部14は、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを駆動部11に出力してもよい。
一方、操縦者が誤って、発光部12が光を発光していない時に応答信号を返した場合でも、ある程度の誤操作を許容して、最後に視認できていた位置まで戻ることをせずに、移動を続行するようにしてもよい。
例えば、制御部14は、上記の不正な応答の回数が一定回数を超えた場合にのみ、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを出力してもよい。また、制御部14は、上記の不正な応答の比率が一定比率を超えた場合にのみ、移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させる制御コマンドを出力してもよい。また、上記の不正な応答の回数のカウント及び不正な応答の比率の算出は、一定時間毎にリセットするようにしてよい。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から制御部14により選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させるようにしてもよい。この場合、応答信号は、操縦者が上記の発光パターンに対応づけられた所定の操作により操縦器2を操作した場合に、操縦器2から送信される。
具体的には、制御部14は、複数の発光パターンを内部のメモリ等に予め記憶しておき、所定の順序又はランダムに一つの発光パターンを選択し、選択した発光パターンで発光部12を発光させる。例えば、発光部12の発光色を変化させたり、発光部12の発光強度を変化させたり、発光部12を点灯又は点滅させたり、発光部12の点滅回数、点滅時間、及び点滅間隔等を変化させる等の種々のバリエーションで発光部12を発光させる。この場合、単純に光を点灯するのではないため、移動体1から発光された光であることを識別し易くすることができる。
上記の発光パターンを視認した操縦者は、入力部22を用いて、上記の発光パターンに対して予め割り当てられる操作、例えば、一又は複数の特定のボタンを押下したり、所定のボタンを連続で所定回数だけ押下したりする等の操作を行う。入力部22は、上記の発光パターンに対して予め割り当てられる操作が行われた場合にのみ、光を視認したことを示す応答信号を作成して通信部21に出力し、通信部21は、応答信号を移動体1に送信する。
したがって、応答確認部13は、発光パターンに対して予め割り当てられる所定の操作により送信される応答信号を受信した場合のみ、応答を確認できたと判断することができ、操縦者が移動体1を視認したことをより確実に確認することができる。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、操縦器2は、操縦者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、応答確認部13は、発光部12が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答を確認できたと判定するようにしてもよい。この場合、応答信号を送信する操縦器2が、複数の発光パターンの中から、その時点でどの発光パターンが選択されているかを知らなくても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、発光部12の発光パターンに、所定の情報を重畳するようにしてもよい。例えば、発光部12の発光パターンにより、モールス信号を送信するようにしてもよい。この場合、種々の情報を送信することができ、この情報に対して予め割り当てられた操作によって送信される応答信号を受信した場合のみ、応答を確認できたと判断することができ、操縦者が移動体1を視認したことをより確実に確認することができる。
図3は、図1に示す移動体1の移動制御処理の一例を示すフローチャートであり、図4は、図1に示す移動体1及び操縦器2の使用状態の一例を示す模式図である。
まず、移動体1の発光部12は、光を発光する(ステップS11)。例えば、図4の左側部分に示すように、移動体1の発光部12は、操縦器2を操作している操縦者P1の方向に光を発光する。
次に、制御部14は、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、応答確認部13が応答を確認できたか否かを、応答確認部13に問い合わせる(ステップS12)。応答確認部13が応答を確認できた場合、すなわち、操縦器2から応答信号が送信され、応答確認部13が通信部17から応答信号を取得した場合(ステップS12でYES)、制御部14は、位置検出部16に移動体1の位置を検出させ、検出された移動体1の位置を位置記録部15に記録し(ステップS15)、その後、ステップS11に戻って以降の処理を継続する。
例えば、図4の右側上部に示すように、操縦者P1が発光部12からの光を視認でき、操縦器2を操作して応答信号を移動体1に送信した場合、応答確認部13は、通信部17から応答信号を取得し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体1の位置を位置記録部15に記録する。
一方、応答確認部13が応答を確認できなかった場合、すなわち、操縦器2から応答信号が送信されず、応答確認部13が通信部17から応答信号を取得できない場合(ステップS12でNO)、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力する(ステップS13)。
次に、駆動部11は、制御コマンドに従って移動体1を位置記録部15が記録した最後の位置まで移動させ(ステップS14)、その後、ステップS11に戻って以降の処理を継続する。
例えば、図4の右側下部に示すように、操縦者P1は、発光部12からの光を視認できず、操縦器2を操作して応答信号を移動体1に送信しない場合、応答確認部13は、通信部17から応答信号を取得できず、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力し、移動体1は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動し、その場でホバリングする。なお、上記処理では、ステップS14の処理の後、ステップS11に戻って以降の処理を継続したが、この例に特に限定されず、位置記録部15が記録している最後の位置に着陸して処理を終了する等の種々の変更が可能である。
上記の処理により、本実施の形態では、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を操縦器2から送信した場合には、通信部17が応答信号を受信して応答確認部13に出力し、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体の位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、操縦者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を操縦器2から送信しない場合には、通信部17が応答信号を受信できず、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、操縦者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1を強制的に戻し、当該位置に移動体1が戻るまでの間、操縦者による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、操縦者が移動体1を視認できている場合にのみ移動体1を操縦することができる。
なお、上記の実施の形態では、操縦器2から応答信号を送信したが、この例に特に限定されず、他の装置から応答信号を送信してもよい。
例えば、操縦者でなく、移動体1を監視している監視者がいる場合、監視者が移動体1を監視するための監視装置から応答信号を送信するようにしてもよい。この場合、監視装置は、図1に示す通信部21及び入力部22を備え、監視装置を操作する監視者が光を視認した場合に、監視者が監視装置を用いて応答信号を送信する。応答確認部13は、移動体1を監視するための監視装置から送信された応答信号を通信部17が受信した場合、応答を確認できたと判定し、一方、通信部17が応答信号を受信しない場合、応答を確認できないと判定する。なお、監視者と操縦者とが同一の人間等であってもよく、この場合、操縦者が操縦器とは異なる他の装置である監視装置(無線機器)から応答信号を送信するようにしてもよい。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、応答信号は、監視者がこの発光パターンに対応づけられた所定の操作により監視装置を操作した場合に、監視装置から送信されるようにしてもよい。
上記の場合、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認でき、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信した場合には、通信部17が応答信号を受信して応答確認部13に出力し、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体の位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、監視者が移動体1を視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、監視者がその光を視認できず、光を視認したことを示す応答信号を監視装置から送信しない場合には、通信部17が応答信号を受信できず、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1を強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、監視者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1を強制的に戻し、当該位置に移動体1が戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、監視者が移動体1を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができる。
また、発光部12は、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させ、監視装置は、監視者による少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた所定の操作に従って、少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を送信し、応答確認部13は、発光部12が発光した少なくとも一つの発光パターンに対応づけられた応答信号を受信した場合にのみ、応答を確認できたと判定するようにしてもよい。この場合、応答信号を送信する監視装置が、複数の発光パターンの中から、その時点でどの発光パターンが選択されているかを知らなくても、上記と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図5は、本開示の実施の形態2における移動体の構成の一例を示すブロック図である。図5に示す移動体1aが図1に示す移動体1と異なる点は、通信部17が省略され、撮影部18が追加された点であり、その他の点は図1に示す移動体1と同様であるので、詳細な説明を省略し、異なる点について以下に説明する。
移動体1aは、自律飛行により飛行する無人飛行体であり、操縦器からの遠隔指示を受けることなく、自律飛行を行うことができる。但し、管理者が目視により移動体1aの飛行状態を管理している。管理者としては、例えば、実施の形態1と同様に監視者が該当する。
なお、移動体1aの構成は、上記の例に特に限定されず、通信部を付加して、操縦者が操縦器を用いて移動体1aを遠隔操縦してもよい。また、監視者は、上記の例に特に限定されず、操縦者が操縦器を用いて移動体1aを遠隔操縦している場合は操縦者であってもよく、また、移動体1aを視認できれば、監視者及び操縦者以外の人間、又は、カメラ撮影等により人間の視認と同様の処理を実行できれば、人型ロボット等の管理装置であってもよい。この点については、後述する実施の形態も同様である。
移動体1aの撮影部18は、カメラ等から構成され、移動体を管理する管理者を撮影し、撮影した画像データを応答確認部13に出力する。例えば、撮影部18は、制御部14に制御され、管理者を自動追尾して、飛行中に継続して管理者を撮影する。また、撮影部18は、自動追尾している管理者の方向を制御部14に通知する。発光部12は、制御部14に制御され、所定のタイミングで管理者の方向に光を発光する。応答確認部13は、撮影部18からの画像データを解析し、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。
なお、撮影部18が撮影した画像データの中から管理者を識別する方法は、上記の例に特に限定されず、種々の方法を用いることができる。例えば、管理者は、移動体1aが当該管理者を識別するための所定の識別動作を行うようにしてもよい。この場合、応答確認部13は、撮影部18からの画像データを解析し、撮影部18から取得した画像データから所定の識別動作を行う人間を管理者として識別し、識別した人間が光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
図6は、図5に示す移動体1aの使用状態の一例を示す模式図である。例えば、図6の左側部分に示すように、移動体1aの発光部12は、制御部14に制御され、移動体1aを管理する管理者P2の方向に光を発光する。
次に、図6の右側上部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P2が発光部12からの光を視認でき、所定の動作、例えば、両手を上げる動作を行った場合、撮影部18は、管理者P2が両手を挙げている画像データを応答確認部13に出力する。応答確認部13は、管理者P2が両手を挙げている動作が光を視認したことを示す動作であると判定することにより、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できた場合、位置検出部16により検出された移動体1aの位置を位置記録部15に記録させる。
ここで、発光部12は、実施の形態1と同様に、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させるようにしてもよい。この場合、各発光パターンに対して、管理者の動作が予め決められており、管理者は、発光部12からの光を視認できた場合、発光パターンに対して予め決められている特定の動作を行う。応答確認部13は、管理者が発光パターンに対応づけられた特定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定する。なお、特定の動作は、右手又は左手を上げる、右手又は左手を振る等の種々の動作を用いることができ、また、異なる動きを組み合わせたり、連続で動く回数を変える等の種々の変更が可能である。
一方、図6の右側下部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P2が発光部12からの光を視認できず、所定の動作、例えば、両手を上げる動作を行わない場合、撮影部18は、管理者P2が両手を挙げている画像データを応答確認部13に出力しない。応答確認部13は、管理者P2が両手を挙げている画像データを取得できないため、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できないと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できない場合、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1aを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力し、移動体1aは、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動し、その場でホバリングする。
上記の処理により、本実施の形態では、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、光を視認したことを示す所定の動作を行った場合には、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体1aの位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1aを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、管理者が移動体1aを視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、光を視認したことを示す所定の動作を行わない場合には、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1aを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、管理者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1aを強制的に戻し、当該位置に移動体1aが戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体1aを視認できている場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
(実施の形態3)
図7は、本開示の実施の形態3における移動体及びマーカー装置の構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、マーカー装置3は、発光装置の一例であり、4個のマーカー31〜34、入力部35、制御部36、及び送信部37を備える。また、図7に示す移動体1bが図5に示す移動体1aと異なる点は、受信部19が追加された点であり、その他の点は図5に示す移動体1aと同様であるので、詳細な説明を省略し、異なる点について以下に説明する。
移動体1bは、実施の形態2と同様に、自律飛行により飛行する無人飛行体であり、操縦器からの遠隔指示を受けることなく、自律飛行を行うことができる。但し、管理者が目視により移動体1bの飛行状態を管理している。また、本実施の形態では、移動体1bでの画像解析を容易にするため、移動体1bを管理する管理者がマーカー装置3を装着し、移動体1bは、マーカー装置3の発光状態を解析することによって、管理者が特定の動作を行っているか否かを判断し、管理者が移動体1bから発光された光を視認したか否かを判定する。なお、管理者が移動体1bから発光された光を視認したか否かの判定は、上記の例に特に限定されず、管理者は特定の動作を行わず、マーカー装置3の発光状態のみから判定するようにしてもよい。
具体的には、マーカー装置3の送信部37は、制御部36により制御され、所定のタイミングで、所定の指向性を有する指向性信号(赤外線、音波等)を送信する。移動体1bの受信部19は、指向性信号を受信して応答確認部13及び制御部14に出力する。受信部19は、指向性信号を受信する指向性信号受信部の一例である。
発光部12は、制御部14に制御され、所定のタイミングで、マーカー装置3を装着して移動体1bを管理する管理者の方向に光を発光する。撮影部18は、マーカー装置3を装着して移動体1bを管理する管理者を撮影し、撮影した画像データを応答確認部13に出力する。
入力部35は、管理者がマーカー31〜34の発光状態を操作するための種々の操作ボタン等から構成され、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す発光確認操作を入力され、発光確認操作が入力されたことを制御部36に通知する。制御部36は、発光確認操作が通知されたとき、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の発光状態で発光するようにマーカー31〜34を制御する。
マーカー31〜34は、例えば、可視光を発光するランプ等から構成され、所定の発光状態で発光する。なお、マーカーの数は、上記の例に特に限定されず、1〜3個、又は4個以上であってもよい。また、マーカー31〜34の構成は、上記の例に特に限定されず、目印又は標識として利用できるものであれば、発光しないマーカー等を用いてもよい。
応答確認部13は、撮影部18により撮影された画像データから、受信部19に指向性信号を送信した装置をマーカー装置3として識別し、視認すべき管理者を識別する。また、応答確認部13は、識別したマーカー装置3の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。
なお、本実施の形態では、マーカー装置3から発信される指向性信号を用いて、マーカー装置3すなわち管理者を識別したが、管理者を識別する方法は、この例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、送信部37及び受信部19を省略し、マーカー31〜34に特定の模様(例えば、縞模様、千鳥模様等)を施すようにしてもよい。この場合、応答確認部13は、撮影部18により撮影された画像データから画像認識で特定の模様を抽出することにより、特定の模様を有する装置をマーカー装置3として識別し、視認すべき管理者を識別することができる。このとき、識別した管理者に、発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行わせ、応答確認部13は、撮影部18の画像データから、管理者の動きを画像認識し、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定するようにしてもよい。
また、送信部37及び受信部19を省略し、マーカー31〜34を特定の識別発光状態で発光させるようにしてもよい。例えば、マーカー31〜34の発光色を変化させたり、マーカー31〜34の発光強度を変化させたり、マーカー31〜34を点灯又は点滅させたり、マーカー31〜34の点滅回数、点滅時間、及び点滅間隔等を変化させる等の種々のバリエーションでマーカー31〜34を発光させるようにしてもよい。また、マーカー31〜34の発光パターンに、所定の情報を重畳するようにしてもよい。例えば、マーカー31〜34の発光パターンにより、モールス信号を送信するようにしてもよい。
この場合、応答確認部13は、撮影部18により撮影された画像データから画像認識で特定の識別発光状態を抽出することにより、特定の識別発光状態で発光しているマーカーを有する装置をマーカー装置3として識別し、視認すべき管理者を識別することができる。このとき、識別した管理者に、発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行わせ、応答確認部13は、撮影部18の画像データから、管理者の動きを画像認識し、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の動作を行った画像データを撮影部18から取得した場合、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定するようにしてもよい。また、管理者がマーカー31〜34を特定の識別発光状態で発光させるタイミングを制御できるようにし、マーカ
ー31〜34の特定の識別発光状態を、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答として利用するようにしてもよい。
図8は、図7に示す移動体1b及びマーカー装置3の使用状態の一例を示す模式図である。例えば、図8の左側部分に示すように、移動体1bの発光部12は、制御部14に制御され、移動体1bを管理する管理者P3の方向に光を発光する。管理者は、マーカー31を右手首、マーカー32を右肘、マーカー33を左手首、マーカー34を左肘に装着している。このとき、マーカー31〜34は、後述する発光状態と区別するため、例えば、消灯している。なお、マーカーの装着位置は、上記の例に特に限定されず、足又は胴体等に装着する等の種々の変更が可能である。また、発光装置は、マーカー装置3に特に限定されず、管理者が移動体1bを視認していることを示す発光状態で発光できれば、種々の発光装置を用いることができる。
次に、図8の右側上部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P3は、発光部12からの光を視認できた場合、入力部35に対して発光確認操作を行う。入力部35は、発光確認操作が入力されたことを制御部36に通知し、制御部36は、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の発光状態、例えば、マーカー31、32を点灯させ、管理者P3は、点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げる。このとき、撮影部18は、管理者P3が点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げている画像データを応答確認部13に出力する。応答確認部13は、点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げている状態が光を視認したことを示す点灯状態であると判定することにより、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できたと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できた場合、位置検出部16により検出された移動体1bの位置を位置記録部15に記録させる。
ここで、発光部12は、実施の形態1、2と同様に、複数の発光パターンの中から選択された少なくとも一つの発光パターンで光を発光させるようにしてもよい。この場合、各発光パターンに対して、マーカー31〜34の発光状態が予め決められており、管理者が発光部12からの光を視認できた場合、マーカー装置3は、発光パターンに対して予め決められている特定の発光状態でマーカー31〜34を発光させる。応答確認部13は、マーカー装置3の発光状態が発光パターンに対応づけられた特定の発光状態になった画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定する。なお、特定の発光状態としては、各マーカー31〜34の発光状態を変化させたり、変化させた発光パターンを組み合わせたり、各発光パターンの時間を異ならせて発光させる等の種々の変更が可能である。
一方、図8の右側下部に示すように、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者P3が発光部12からの光を視認できず、管理者P3が入力部35に対して発光確認操作を行わない場合、例えば、マーカー31〜34が消灯している場合、撮影部18は、マーカー31〜34が消灯している画像データを応答確認部13に出力する。この場合、応答確認部13は、管理者P3が発光部12から発光された光を視認したことを示す所定の発光状態、例えば、点灯しているマーカー31、32を装着している右手を上げている画像データを取得できないため、管理者が発光部12から発光された光を視認したことを示す応答を確認できないと判定する。制御部14は、応答確認部13が応答を確認できない場合、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1bを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力し、移動体1bは、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動し、その場でホバリングする。
上記の処理により、本実施の形態では、撮影部18は、移動体1bを管理する管理者を撮影し、応答確認部13は、管理者の装着しているマーカー装置3の発光状態が、管理者が光を視認したことを示す所定の発光状態になった画像データを撮影部18から取得した場合、応答を確認できたと判定するので、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認でき、マーカー装置3の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になった場合には、応答確認部13は、応答を確認できたと判定し、制御部14は、位置検出部16により検出された移動体1bの位置を位置記録部15に記録させ、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1bを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力しないので、管理者が移動体1bを視認できている場合は、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
一方、発光部12が光を発光してから一定時間以内に、管理者がその光を視認できず、マーカー装置3の発光状態が光を視認したことを示す発光状態になっていない場合には、応答確認部13は、応答を確認できないと判定し、制御部14は、位置記録部15が記録している最後の位置まで移動体1bを強制的に移動させる制御コマンドを駆動部11に出力するので、管理者が発光部12の発光した光を最後に視認できた位置まで移動体1bを強制的に戻し、当該位置に移動体1bが戻るまでの間、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とすることができる。したがって、管理者が移動体1bを視認できている場合にのみ、操縦者等による遠隔制御や自動運転などの操縦が可能となる。
なお、本開示は、操縦者等が操縦対象の移動体を視認できていない場合には、遠隔制御や自動運転などの操縦を不可能とする技術として活用することができるのはもちろんであるが、この活用例は、本開示の活用の一例であり、本開示を限定する主旨ではない。例えば、操縦者等が移動体を視認できている場合に限って、操縦対象の移動体を移動させたり、操縦者ではない人間が移動体を視認できている場合に限って、その人間から移動体を遠ざけたり、人間ではなく、他の移動体が、操縦対象の移動体から発光された光を確認できている場合に限って、操縦対象の移動体に特定の作業をさせたりするなど、移動体が発光した光を他者が確認できている場合に限って、移動体に所定の動作をさせるための、より一般的な技術として活用することができる。
本開示に係る移動体、制御方法及び制御プログラムは、人間等が移動体を視認できている場合にのみ移動体を操縦することができるので、人間等の視認範囲で移動する移動体、該移動体の制御方法及び制御プログラムとして有用である。
1、1a、1b 移動体
2 操縦器
11 駆動部
12 発光部
13 応答確認部
14 制御部
15 位置記録部
16 位置検出部
17 通信部
18 撮影部
19 受信部
21 通信部
22 入力部
3 マーカー装置
31〜34 マーカー
35 入力部
36 制御部
37 送信部