JP2019032462A - 撮像レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】広角化と低背化、および低Fナンバー化をバランスよく満足しながらも、諸収差が良好に補正された解像力の高い撮像レンズを提供する。【解決手段】物体側から像側に向かって順に、両面に非球面が形成された第1レンズと、第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、両面に非球面が形成され、光軸近傍で像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第6レンズとからなり、前記第6レンズの像側の面は、周辺部で凸面に変化する非球面が形成されており、第1レンズのd線における屈折率をN1、第1レンズの物体側の面の近軸曲率半径をr1、撮像レンズ全系の焦点距離をfとしたとき、次の条件式を満足する。−0.68<(N1−1)/(r1×f)×1000<0.68【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置に使用されるCCDセンサやC-MOSセンサの固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズに係り、特に、小型化、高性能化が進むスマートフォンや携帯電話機およびPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機、PC、ロボットなどの情報機器等、さらにはカメラ機能が付加された家電製品、および監視用カメラや自動車等に搭載される撮像装置に内蔵する撮像レンズに関するものである。
近年、家電製品や情報端末機器、自動車や公共交通機関にカメラ機能が搭載されることが一般的となった。また、カメラ機能を融合させた商品の需要はますます高まる状況にあり、様々な商品開発が進んでいる。
このような機器に搭載される撮像レンズは、小型でありながらも高い解像性能が求められる。例えば、以下の特許文献1、特許文献2には6枚で構成された撮像レンズが開示されている。
特許文献1には、物体側から順に、物体側に凸面を向けた第1レンズと、物体側および像側に凸面を向けた第2レンズと、物体側および像側に凹面を向けた第3レンズと、物体側および像側に凸面を向けた第4レンズと、物体側に凹面を向けた第5レンズと、物体側に凸面を向けた第6レンズとを備えた撮像レンズが開示されている。
特許文献2には、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズと、第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、第6レンズとを備えた撮像レンズが開示されている。
米国特許出願公開2016/0139367号 特開2015−125405号公報
特許文献1に記載のレンズ構成で、広角化と低背化を図ろうとした場合、周辺部における収差補正が非常に困難であり、良好な光学性能を得ることはできない。
特許文献2に記載のレンズ構成で、広角化と低背化、および低Fナンバー化を図ろうとした場合、周辺部における収差補正が非常に困難であり、良好な光学性能を得ることはできない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、広角化と低背化、および低Fナンバー化の要求をバランスよく満足しながらも、諸収差が良好に補正された解像力の高い撮像レンズを提供することを目的とする。
また、本発明において使用する用語に関し、レンズの面の凸面、凹面、平面とは近軸(光軸近傍)における形状を指すものと定義し、屈折力とは、近軸における屈折力を指すものと定義し、極点とは接平面が光軸と垂直に交わる光軸上以外における非球面上の点として定義する。さらに、光学全長は、最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から撮像面までの光軸上の距離として定義し、撮像レンズと撮像面との間に配置されるIRカットフィルタやカバーガラス等の厚みは、空気換算するものとする。
本発明による撮像レンズは、固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズであって、物体側から像側に向かって順に、両面に非球面が形成された第1レンズと、第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、両面に非球面が形成され、光軸近傍で像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第6レンズとからなり、前記第6レンズの像側の面は、周辺部で凸面に変化する非球面が形成された構成になっている。
上記構成において、第1レンズは、光学系の広角化を図る。また、両面に形成した非球面により、高次収差を良好に補正する。第2レンズは、広角化を図りながら、非点収差やコマ収差を補正する。第3レンズは、低背化を維持しながら、色収差や球面収差を補正する。第4レンズは、コマ収差や歪曲収差を補正する。第5レンズは、非点収差や像面湾曲を補正する。第6レンズは、低背化を維持しながらバックフォーカスを確保する。また、像側の面は光軸近傍で像側に凹面を向けており、周辺部で凸面に変化する非球面形状を形成することで、像面湾曲、歪曲収差、撮像素子への光線入射角度の制御を行うことができる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)−0.68<(N1−1)/(r1×f)×1000<0.68
ただし、N1は第1レンズのd線における屈折率、r1は第1レンズの物体側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(1)は、第1レンズの物体側の面の屈折力を適切な範囲に規定するものであり、第1レンズの製造誤差感度を低減させつつ、良好な収差補正を図るための条件である。条件式(1)の範囲を満足することで、第1レンズの物体側の面の屈折力が適切なものとなり、第1レンズで発生する球面収差を抑制する効果と、製造誤差感度を低減させる効果が得られる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズは、負の屈折力を有することが望ましい。
第1レンズは、負の屈折力を有することで、広角化をより容易なものとする。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向けていることが望ましい。
第1レンズの像側の面を光軸近傍で像側に凹面とすることで、球面収差やコマ収差の良好な補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズの物体側の面は、周辺部で凸面に変化する非球面が形成されていることが望ましい。
第1レンズの物体側の面の周辺部の形状を凸面にすることで、第1レンズの周辺部に入射する光線をレンズ面の法線に近い角度で入射させることができる。これにより、高次収差の良好な補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第2レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向けていることが望ましい。
第2レンズの像側の面を光軸近傍で像側に凹面にすることで、像面湾曲や色収差の良好な補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第3レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凸面を向けていることが望ましい。
第3レンズの像側の面を光軸近傍で像側に凸面にすることで、第3レンズの像側の面への光線入射角を適切に抑制できるため、色収差や球面収差の良好な補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズは、光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとすることが望ましい。
第4レンズを光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカスレンズにすることで、軸上色収差および高次の球面収差やコマ収差、像面湾曲の良好な補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズは、正の屈折力を有することが望ましい。
第5レンズを正の屈折力にすることで、低背化をより容易なものとする。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズは、光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとすることが望ましい。
第5レンズを光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカスレンズにすることで、第5レンズへの光線入射角を適切に抑制できるため、広角化に伴って増加する非点収差や像面湾曲の良好な補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第6レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けており、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成されていることが望ましい。
第6レンズの物体側の面を光軸近傍で物体側に凸面を向けた形状、すなわち光軸近傍でメニスカス形状にすることで、バックフォーカスの確保が容易になる。また、第6レンズの物体側の面に、光軸上以外の位置に極点を形成することにより、像面湾曲や歪曲収差の良好な補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)0.25<νd1/(νd2+νd3)<1.10
ただし、νd1は第1レンズのd線に対するアッベ数、νd2は第2レンズのd線に対するアッベ数、νd3は第3レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(2)は、第1レンズ、第2レンズ、および第3レンズそれぞれの、d線に対するアッベ数の関係について規定するものであり、軸上色収差の良好な補正を図るための条件である。条件式(2)を満足することで、良好な軸上色収差補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)1.3<νd5/νd6<4.1
ただし、νd5は第5レンズのd線に対するアッベ数、νd6は第6レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(3)は、第5レンズ、および第6レンズそれぞれの、d線に対するアッベ数の関係について規定するものであり、倍率色収差の良好な補正を図るための条件である。条件式(3)を満足することで、良好な倍率色収差補正が図れる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)−18<f1/f<−2
ただし、f1は第1レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(4)は、第1レンズの屈折力を規定するものであり、低背化と広角化を図るための条件である。条件式(4)の上限値を下回ることで、第1レンズの負の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(4)の下限値を上回ることで、広角化が可能となる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)1.8<|f2|/f
ただし、f2は第2レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(5)は、第2レンズの屈折力を規定するものであり、低背化と良好な収差補正を図るための条件である。条件式(5)の下限値を上回ることにより、色収差を補正しつつ、光学全長を短くし、像面湾曲を良好に補正できる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズと第2レンズの合成屈折力は、負であることが望ましく、さらには以下の条件式(6)を満足することがより望ましい。
(6)−24.0<f12/f<−0.8
ただし、f12は第1レンズと第2レンズの合成焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
第1レンズと第2レンズの合成屈折力を負にすることで、広角化をより容易なものとする。また、条件式(6)は、第1レンズと第2レンズの合成屈折力を規定するものであり、低背化と良好な収差補正を図るための条件である。条件式(6)の上限値を下回ることで、第1レンズと第2レンズの負の合成屈折力が適切なものとなり、球面収差や非点収差の補正が容易になる。また、低背化も可能となる。一方、条件式(6)の下限値を上回ることで、広角化が可能となる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7)0.5<f3/f<1.9
ただし、f3は第3レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(7)は、第3レンズの屈折力を規定するものであり、低背化と良好な収差補正を図るための条件である。条件式(7)の上限値を下回ることで、第3レンズの正の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(7)の下限値を上回ることで、球面収差やコマ収差を良好に補正できる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
(8)1.9<|f4|/f
ただし、f4は第4レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(8)は、第4レンズの屈折力を規定するものであり、低背化と良好な収差補正を図るための条件である。条件式(8)の下限値を上回ることにより、色収差を補正しつつ、光学全長を短くし、像面湾曲を良好に補正できる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9)0.35<f5/f<1.20
ただし、f5は第5レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(9)は、第5レンズの屈折力を規定するものであり、低背化と良好な収差補正を図るための条件である。条件式(9)の上限値を下回ることで、第5レンズの正の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(9)の下限値を上回ることで、像面湾曲や歪曲収差を良好に補正できる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(10)を満足することが望ましい。
(10)−1.45<f6/f<−0.35
ただし、f6は第6レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(10)は、第6レンズの屈折力を規定するものであり、低背化とバックフォーカスの確保を図るための条件である。条件式(10)の上限値を下回ることで、第6レンズの負の屈折力が強くなり過ぎることを抑制する。その結果、低背化を維持することができる。一方、条件式(10)の下限値を上回ることで、第6レンズの負の屈折力が弱くなり過ぎることを抑制する。その結果、バックフォーカスを適切に確保できる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(11)を満足することが望ましい。
(11)0.1<r12/f<0.5
ただし、r12は第6レンズの像側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(11)は、第6レンズの像側の面の光軸近傍における形状を規定するものであり、バックフォーカスの確保と低背化を図るための条件である。条件式(11)の範囲を満足することで、適切なバックフォーカスを確保しながら、低背化を可能にする。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(12)を満足することが望ましい。
(12)Fno≦2.4
ただし、FnoはFナンバーである。
条件式(12)は、Fナンバーを規定するものであり、条件式(12)の上限値を下回ることで、携帯モバイルやデジタルカメラ、監視用カメラ、車載用カメラ等に搭載した際、近年撮像レンズに要求される明るさを十分確保することが可能となる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(13)を満足することが望ましい。
(13)2<(D2/TTL)×100<8
ただし、D2は第2レンズの光軸上の厚み、TTLは第1レンズの物体側の面から撮像面までの光軸上の距離である。
条件式(13)は、第2レンズの光軸上の厚みを適切に規定するものであり、第2レンズの成型性を良好に保ちつつ、低背化を図るための条件である。条件式(13)の上限値を下回ることで、第2レンズの光軸上の厚さが厚くなり過ぎることを防ぎ、第2レンズの物体側、および像側の空気間隔の確保を容易にする。その結果、低背化を維持できる。一方、条件式(13)の下限値を上回ることで、第2レンズの光軸上の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、レンズの成型性を良好にする。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(14)を満足することが望ましい。
(14)0.1<(T5/TTL)×100<1.3
ただし、T5は第5レンズの像側の面から第6レンズの物体側の面までの光軸上の距離、TTLは第1レンズの物体側の面から撮像面までの光軸上の距離である。
条件式(14)は、第5レンズの像側の面から第6レンズの物体側の面までの光軸上の距離を規定するものであり、良好な収差補正を図るための条件である。条件式(14)の範囲を満足することで、光学全長を短くしながら、コマ収差、像面湾曲、歪曲収差を良好に補正できる。
本発明により、広角化、低背化、低Fナンバー化の要求をバランスよく満足しながらも、諸収差が良好に補正された解像力の高い撮像レンズを得ることができる。
本発明の実施例1の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例1の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例5の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例5の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例6の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例6の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例7の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例7の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例8の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例8の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例9の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例9の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例10の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例10の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13、図15、図17および図19はそれぞれ、本発明の実施形態の実施例1から10に係る撮像レンズの概略構成図を示している。
図1に示すように、本実施形態の撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に、両面に非球面が形成された第1レンズL1と、第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3と、第4レンズL4と、第5レンズL5と、両面に非球面が形成され、光軸Xの近傍で像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第6レンズL6とからなり、前記第6レンズL6の像側の面は、周辺部で像側に向かって凸面に変化する非球面が形成されている。
また、第6レンズL6と撮像面IMG(すなわち、撮像素子の撮像面)との間には赤外線カットフィルタやカバーガラス等のフィルタIRが配置されている。なお、このフィルタIRは省略することが可能である。
第1レンズL1は、両面に形成した非球面で諸収差の発生を抑えながら、撮像レンズの広角化が図っている。第1レンズL1の形状は、物体側の面が光軸Xの近傍で平面、像側の面が光軸Xの近傍で凹面に形成されている。このような形状とすることで、広い範囲から入射する光線の角度を、光軸Xに対して平行に近づけて出射させ、第2レンズL2へ入射させている。なお、第1レンズL1の物体側の面の形状は、光軸Xの近傍で平面に限定されず、入射する光線を適切な角度で第2レンズL2へ入射させる効果を保つ範囲で様々な選択が可能である。図13、および図17に示す実施例7、および実施例9は、光軸Xの近傍で凸面とした例、図15、および図19に示す実施例8、および実施例10は、光軸Xの近傍で凹面とした例である。
また、第1レンズL1の物体側の面に形成された非球面は、周辺部で凸面に変化する形状になっている。
このような非球面形状に形成しているため、周辺部に入射する光線をレンズ面の法線に近い角度で入射させることができる。これにより、高次収差の発生が抑えられている。
第2レンズL2は、負の屈折力を有するレンズであり、第3レンズL3に入射する光線の角度を小さく抑えながら、中心と周辺との収差バランスを良好に補正している。なお、第2レンズL2の屈折力は、図9に示す実施例5のように、正でもよい。この場合、より低背化を図ることができる。第2レンズL2の形状は、光軸Xの近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状にしているため、非点収差、およびコマ収差を良好に補正しながら、撮像レンズの広角化が図られている。なお、第2レンズL2の形状は、図13に示す実施例7のように、光軸Xの近傍で物体側、および像側が凹面の両凹形状を採用してもよい。この場合より広角化を図ることができる。
開口絞りSTは、第1レンズL1と第2レンズL2の間に配置することで、諸収差の補正を容易にするとともに、高像高の光線が撮像素子に入射する際の角度の制御を容易にしている。
第3レンズL3は、光軸Xの近傍で物体側、および像側が凸面の両凸形状で、正の屈折力を有するレンズである。第3レンズL3を両凸形状にしているため、低背化が図られている。また、光学系の中心付近に主たる正の屈折力を有するレンズを配置しているため、光学系全体の収差のバランスがとり易くなっている。なお、第3レンズL3の形状は、図15に示す実施例8のように、光軸Xの近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状を採用してもよい。この場合第3レンズL3への光線入射角を適切に抑制できるため、色収差や非点収差をより良好に補正することができる。
第4レンズL4は、負の屈折力を有するレンズであり、コマ収差や歪曲収差を良好に補正している。なお、第4レンズL4の屈折力は、図11に示す実施例6のように、正でもよい。この場合、より低背化を図ることができる。第4レンズL4の形状は、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けたメニスカス形状にしているため、軸上色収差および高次の球面収差やコマ収差、像面湾曲の良好な補正が図られている。
第5レンズL5は、正の屈折力を有するレンズであり、非点収差や像面湾曲を良好に補正している。第5レンズL5の形状は、光軸Xの近傍で物体側に凹面を向けたメニスカス形状にしているため、第5レンズL5への光線入射角を適切に抑制し、広角化に伴って増加する非点収差や像面湾曲をより良好な補正が図られている。
第6レンズL6は、光軸Xの近傍で像側に凹面を向けたメニスカス形状で負の屈折力を有する両面が非球面のレンズであり、低背化を維持しながらバックフォーカスを確保している。また、像側の面は光軸Xの近傍では像側に凹面を、周辺部では像側に凸面を向けるように変化する非球面形状に形成している。従って、像面湾曲、歪曲収差、撮像素子への光線入射角度の制御が良好に行われている。また、第6レンズL6の物体側の面は、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けており、光軸X上以外の位置に極点を有する非球面形状が形成されている。従って、像面湾曲や歪曲収差を良好な補正が図られている。
本実施の形態に係る撮像レンズは、例えば図1に示すように、第1レンズL1から第6レンズL6の全ては、それぞれ接合されていない単レンズであることが好ましい。接合レンズを含まない構成は、非球面を多用することができるため、諸収差の良好な補正が可能となる。また、接合に係る工数を削減できるため、低コストで製作することが可能となる。
また、本実施の形態に係る撮像レンズは、すべてのレンズにプラスチック材料を採用することで製造を容易にし、低コストでの大量生産を可能にしている。さらに、すべてのレンズの両面に適切な非球面を形成しており、諸収差をより好適に補正している。
なお、採用するレンズ材料はプラスチック材料に限定されるものではない。ガラス材料を採用することで、さらなる高性能化を目指すことも可能である。また、すべてのレンズ面を非球面で形成することが望ましいが、要求される性能によっては、製造が容易な球面を採用してもよい。
本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1)から(14)を満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
(1)−0.68<(N1−1)/(r1×f)×1000<0.68
(2)0.25<νd1/(νd2+νd3)<1.10
(3)1.3<νd5/νd6<4.1
(4)−18<f1/f<−2
(5)1.8<|f2|/f
(6)−24.0<f12/f<−0.8
(7)0.5<f3/f<1.9
(8)1.9<|f4|/f
(9)0.35<f5/f<1.20
(10)−1.45<f6/f<−0.35
(11)0.1<r12/f<0.5
(12)Fno≦2.4
(13)2<(D2/TTL)×100<8
(14)0.1<(T5/TTL)×100<1.3
ただし、
N1:第1レンズL1のd線における屈折率
νd1:第1レンズL1のd線に対するアッベ数
νd2:第2レンズL2のd線に対するアッベ数
νd3:第3レンズL3のd線に対するアッベ数
νd5:第5レンズL5のd線に対するアッベ数
νd6:第6レンズL6のd線に対するアッベ数
T5:第5レンズL5の像側の面から第6レンズL6の物体側の面までの光軸X上の距離
TTL:第1レンズL1の物体側の面から撮像面IMGまでの光軸X上の距離
f:撮像レンズ全系の焦点距離
f1:第1レンズL1の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
f6:第6レンズL6の焦点距離
f12:第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離
D2:第2レンズL2の光軸X上の厚み
r1:第1レンズL1の物体側の面の近軸曲率半径
r12:第6レンズL6の像側の面の近軸曲率半径
Fno:Fナンバー
なお、上記の各条件式をすべて満足する必要はなく、それぞれの条件式を単独に満たすことで、各条件式に対応した作用効果を得ることができる。
また、本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1a)から(14a)を満足することにより、より好ましい効果を奏するものである。
(1a)−0.62<(N1−1)/(r1×f)×1000<0.62
(2a)0.35<νd1/(νd2+νd3)<0.95
(3a)2.0<νd5/νd6<3.4
(4a)−15.0<f1/f<−2.6
(5a)2.8<|f2|/f
(6a)−20.0<f12/f<−1.3
(7a)0.75<f3/f<1.55
(8a)3.0<|f4|/f
(9a)0.55<f5/f<1.00
(10a)−1.20<f6/f<−0.60
(11a)0.2<r12/f<0.4
(12a)Fno≦2.2
(13a)3.0<(D2/TTL)×100<6.5
(14a)0.2<(T5/TTL)×100<1.1
ただし、各条件式の符号は前の段落での説明と同様である。
本実施形態において、レンズ面の非球面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16、A18、A20としたとき数式1により表わされる。
次に、本実施形態に係る撮像レンズの実施例を示す。各実施例において、fは撮像レンズ全系の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角を、ihは最大像高をそれぞれ示す。また、iは物体側から数えた面番号、rは曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、Ndはd線(基準波長)の屈折率、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面に関しては、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示す。
(実施例1)
基本的なレンズデータを以下の表1に示す。
実施例1の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図2は実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。球面収差図は、F線(486nm)、d線(588nm)、C線(656nm)の各波長に対する収差量を示している。また、非点収差図にはサジタル像面Sにおけるd線の収差量(実線)、タンジェンシャル像面Tにおけるd線の収差量(破線)をそれぞれ示している(図4、図6、図8、図10、図12、図14、図16、図18、図20においても同じ)。図2に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例2)
基本的なレンズデータを以下の表2に示す。
実施例2の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図4は実施例2の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図4に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例3)
基本的なレンズデータを以下の表3に示す。
実施例3の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図6は実施例3の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図6に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例4)
基本的なレンズデータを以下の表4に示す。
実施例4の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図8は実施例4の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図8に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例5)
基本的なレンズデータを以下の表5に示す。
実施例5の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図10は実施例5の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図10に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例6)
基本的なレンズデータを以下の表6に示す。
実施例6の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図12は実施例6の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図12に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例7)
基本的なレンズデータを以下の表7に示す。
実施例7の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図14は実施例7の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図14に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例8)
基本的なレンズデータを以下の表8に示す。
実施例8の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図16は実施例8の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図16に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例9)
基本的なレンズデータを以下の表9に示す。
実施例9の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図18は実施例9の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図18に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例10)
基本的なレンズデータを以下の表10に示す。
実施例10の撮像レンズは、表11に示すように条件式(1)から(14)を満たしている。
図20は実施例10の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図20に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
表11に実施例1から実施例10に係る条件式(1)から(14)の値を示す。
本発明に係る撮像レンズを、カメラ機能を備える製品へ適用した場合、当該カメラの広角化、低背化、低Fナンバー化への寄与とともに、高性能化を図ることができる。
ST 開口絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
ih 最大像高
IR フィルタ
IMG 撮像面

Claims (20)

  1. 物体側から像側に向かって順に、両面に非球面が形成された第1レンズと、第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズと、第4レンズと、第5レンズと、両面に非球面が形成され、光軸近傍で像側に凹面を向けた負の屈折力を有する第6レンズとからなり、前記第6レンズの像側の面は、周辺部で凸面に変化する非球面が形成されており、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    (1)−0.68<(N1−1)/(r1×f)×1000<0.68
    ただし、
    N1:第1レンズのd線における屈折率
    r1:第1レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  2. 前記第1レンズは、負の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  3. 前記第1レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向けていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  4. 前記第2レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向けていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  5. 前記第3レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凸面を向けていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  6. 前記第4レンズは、光軸近傍で物体側に凸面を向けたメニスカスレンズであることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  7. 前記第5レンズは、正の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  8. 前記第5レンズは、光軸近傍で物体側に凹面を向けたメニスカスレンズであることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  9. 前記第6レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けており、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
  10. 以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (2)0.25<νd1/(νd2+νd3)<1.10
    ただし、
    νd1:第1レンズのd線に対するアッベ数
    νd2:第2レンズのd線に対するアッベ数
    νd3:第3レンズのd線に対するアッベ数
  11. 以下の条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (3)1.3<νd5/νd6<4.1
    ただし、
    νd5:第5レンズのd線に対するアッベ数
    νd6:第6レンズのd線に対するアッベ数
  12. 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (4)−18<f1/f<−2
    ただし、
    f1:第1レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  13. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (5)1.8<|f2|/f
    ただし、
    f2:第2レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  14. 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (6)−24.0<f12/f<−0.8
    ただし、
    f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  15. 以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (7)0.5<f3/f<1.9
    ただし、
    f3:第3レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  16. 以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (8)1.9<|f4|/f
    ただし、
    f4:第4レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  17. 以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (9)0.35<f5/f<1.20
    ただし、
    f5:第5レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  18. 以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (10)−1.45<f6/f<−0.35
    ただし、
    f6:第6レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  19. 以下の条件式(11)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (11)0.1<r12/f<0.5
    ただし、
    r12:第6レンズの像側の面の近軸曲率半径
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  20. 以下の条件式(12)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (12)Fno≦2.4
    ただし、
    Fno:Fナンバー
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