JP2019152774A - 撮像レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】広角、低背、低Fナンバーの要求を満足しながらも、良好な光学特性を備える撮像レンズを提供する。【解決手段】物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、光軸近傍で負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第5レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第6レンズとから構成され、前記第6レンズの像側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成された形状であり、前記第5レンズは、光軸近傍で正の屈折力を有し、前記第6レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けた形状に形成され、予め定められた条件式を満足する。【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置に使用されるCCDセンサやC-MOSセンサの固体撮像素子上に被写体の像を結像させる撮像レンズに係り、特に、小型化、高性能化が進むスマートフォンや携帯電話機、およびPDA(Personal Digital Assistant)やゲーム機、PC、ロボットなどの情報機器等、さらにはカメラ機能が付加された家電製品、および監視用カメラや自動車等に搭載される撮像レンズに関するものである。
近年、家電製品や情報端末機器、自動車や公共交通機関にカメラ機能が搭載されることが一般的となった。また、カメラ機能を融合させた商品の需要はますます高まる状況にあり、様々な商品開発が進んでいる。
このような機器に搭載される撮像レンズは、小型でありながらも高い解像性能が求められる。
従来の高性能化を目指した撮像レンズとしては、例えば、以下の特許文献1のような撮像レンズが知られている。
特許文献1には、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正または負の屈折力を有する第3レンズと、正または負の屈折力を有する第4レンズと、正または負の屈折力を有する第5レンズと、正または負の屈折力を有する第6レンズとを備えた撮像レンズが開示されている。
中国特許出願公開第106990511号明細書
特許文献1に記載のレンズ構成で、広角化と低背化、および低Fナンバー化を図ろうとした場合、周辺部における収差補正が非常に困難であり、良好な光学性能を得ることはできない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、広角化と低背化、および低Fナンバー化の要求をバランスよく満足しながらも、諸収差が良好に補正された高い解像力を備える撮像レンズを提供することを目的とする。
また、本発明において使用する用語に関し、レンズの面の凸面、凹面、平面とは近軸(光軸近傍)における形状を指すものと定義する。屈折力とは、近軸(光軸近傍)における屈折力を指すものと定義する。極点とは接平面が光軸と垂直に交わる光軸上以外における非球面上の点として定義する。光学全長とは、最も物体側に位置する光学素子の物体側の面から撮像面までの光軸上の距離として定義する。なお、光学全長やバックフォーカスは、撮像レンズと撮像面との間に配置されるIRカットフィルタやカバーガラス等の厚みを空気換算して得られる距離とする。
本発明による撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、光軸近傍で負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第5レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第6レンズとから構成され、第6レンズの像側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面を形成して構成される。
上記構成の撮像レンズは、第1レンズは、屈折力を強めることで、広角化と低背化を図る。第2レンズは、第1レンズで発生する球面収差と色収差を良好に補正する。第3レンズは、球面収差、コマ収差、歪曲収差を良好に補正する。第4レンズは、球面収差、コマ収差、非点収差、色収差を良好に補正する。第5レンズは、光軸近傍で像側に凹面を向けることにより、非点収差を良好に補正する。第6レンズは、非点収差、像面湾曲、歪曲収差を良好に補正する。また、第6レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凹面を向けており、光軸上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成することで、像面湾曲、歪曲収差、撮像素子への光線入射角度の制御を良好に行うことができる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第3レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凸面を向けていることが望ましい。
第3レンズの像側の面を光軸近傍で像側に凸面とすることで、第3レンズの像側の面への光線入射角度を適切に抑制し、球面収差、コマ収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズの光軸近傍における屈折力は、負であることが望ましい。
第4レンズを負の屈折力にすることで、色収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第4レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凸面を向けていることが望ましい。
第4レンズの像側の面を光軸近傍で像側に凸面とすることで、第4レンズの像側の面への光線入射角度を適切に抑制し、球面収差、非点収差、コマ収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズの光軸近傍における屈折力は、正であることが望ましい。
第5レンズを正の屈折力にすることで、低背化に有利になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けていることが望ましい。
第5レンズの物体側の面を光軸近傍で物体側に凸面とすることで、コマ収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズの物体側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成された形状であることが望ましい。
第5レンズの物体側の面に、光軸上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成することにより、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正と撮像素子への光線入射角度の制御が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズの像側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成された形状であることが望ましい。
第5レンズの像側の面に、光軸上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成することにより、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正と撮像素子への光線入射角度の制御が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第6レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けていることが望ましい。
第6レンズの物体側の面を光軸近傍で物体側に凸面とすることで、非点収差と像面湾曲の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第6レンズの物体側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成された形状であることが望ましい。
第6レンズの物体側の面に、光軸上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成することにより、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正と撮像素子への光線入射角度の制御が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)5.0<(D3/|f3|)×100<14.5
ただし、D3は第3レンズの光軸上の厚み、f3は第3レンズの焦点距離である。
条件式(1)は、第3レンズの光軸上の厚みを適切な範囲に規定するものである。条件式(1)の上限値を下回ることで、第3レンズの光軸上の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、レンズの成型性を良好にする。一方、条件式(1)の下限値を上回ることで、第3レンズの光軸上の厚さが厚くなり過ぎることを防ぎ、第3レンズの物体側、および像側の空気間隔の確保を容易にする。その結果、低背化を維持できる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)0.02<T1/T2<0.12
ただし、T1は第1レンズの像側の面から第2レンズの物体側の面までの光軸上の距離、T2は第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離である。
条件式(2)は、第1レンズと第2レンズとの間隔、および第2レンズと第3レンズとの間隔を適切な範囲に規定するものである。条件式(2)を満足することにより、第1レンズと第2レンズとの間隔、および第2レンズと第3レンズとの間隔の差が大きくなることが抑制され、低背化が図られる。また、条件式(2)の範囲を満足することで、第2レンズは最適な位置に配置され、当該レンズによる諸収差補正機能をより効果的なものとする。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)11.5<(T2/f)×100
ただし、T2は第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(3)は、第2レンズと第3レンズの光軸上の間隔を適切な範囲に規定するための条件である。条件式(3)の範囲を満足することで、コマ収差、非点収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)−8.7<f2/f<−2.0
ただし、f2は第2レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(4)は、第2レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(4)の上限値を下回ることで、第2レンズの負の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(4)の下限値を上回ることで、色収差と球面収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)0.5<νd5/νd6<1.5
ただし、νd5は第5レンズのd線に対するアッベ数、νd6は第6レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(5)は、第5レンズと第6レンズそれぞれの、d線に対するアッベ数を適切な範囲に規定するものである。条件式(5)を満足することで、色収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)−3.60<(D2/f2)×100<−0.55
ただし、D2は第2レンズの光軸上の厚み、f2は第2レンズの焦点距離である。
条件式(6)は、第2レンズの光軸上の厚みを適切な範囲に規定するものである。条件式(6)の上限値を下回ることで、第2レンズの光軸上の厚みが薄くなり過ぎることを防ぎ、レンズの成型性を良好にする。一方、条件式(6)の下限値を上回ることで、第2レンズの光軸上の厚さが厚くなり過ぎることを防ぎ、第2レンズの物体側、および像側の空気間隔の確保を容易にする。その結果、低背化を維持できる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(7)を満足することが望ましい。
(7)0.15<(T4/f)×100<1.40
ただし、T4は第4レンズの像側の面から第5レンズの物体側の面までの光軸上の距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(7)は、第4レンズの像側の面から第5レンズの物体側の面までの光軸上の距離を適切な範囲に規定するものである。条件式(7)の範囲を満足することで、光学全長を短くしながら、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(8)を満足することが望ましい。
(8)−3.20<f4/f<−0.65
ただし、f4は第4レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(8)は、第4レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(8)の上限値を下回ることで、第4レンズの負の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(8)の下限値を上回ることで、色収差と球面収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9)0.6<f5/f<2.2
ただし、f5は第5レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(9)は、第5レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(9)の上限値を下回ることで、第5レンズの正の屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(9)の下限値を上回ることで、球面収差、非点収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第5レンズと第6レンズの合成屈折力は、正であることが望ましく、さらには以下の条件式(10)を満足することがより望ましい。
(10)0.45<f56/f<4.25
ただし、f56は第5レンズと第6レンズの合成焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
第5レンズと第6レンズの合成屈折力を正にすることで、低背化に有利になる。また、条件式(10)は、第5レンズと第6レンズの合成屈折力を規定するものである。条件式(10)の上限値を下回ることで、第5レンズと第6レンズの正の合成屈折力が適切なものとなり、低背化が可能となる。一方、条件式(10)の下限値を上回ることで、球面収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(11)を満足することが望ましい。
(11)−6.0<f2/f5<−1.6
ただし、f2は第2レンズの焦点距離、f5は第5レンズの焦点距離である。
条件式(11)は、第2レンズと第5レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(11)の上限値を下回ることで、非点収差と歪曲収差の良好な補正が可能になる。一方、条件式(11)の下限値を上回ることで、第2レンズの負の屈折力が適切なものとなり、色収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(12)を満足することが望ましい。
(12)0.25<|r7|/f<0.85
ただし、r7は第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(12)は、第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径を適切な範囲に規定するものである。条件式(12)の上限値を下回ることで、コマ収差の良好な補正が可能になる。一方、条件式(12)の下限値を上回ることで、球面収差と歪曲収差の良好な補正が可能になる。
また、上記構成の撮像レンズにおいては、以下の条件式(13)を満足することが望ましい。
(13)1.45<|f3|/f<5.10
ただし、f3は第3レンズの焦点距離、fは撮像レンズ全系の焦点距離である。
条件式(13)は、第3レンズの屈折力を適切な範囲に規定するものである。条件式(13)の上限値を下回ることで、色収差の良好な補正が可能になる。一方、条件式(13)の下限値を上回ることで、球面収差、コマ収差、歪曲収差の良好な補正が可能になる。
本発明により、広角化、低背化、低Fナンバー化の要求をバランスよく満足しながらも、諸収差が良好に補正された解像力の高い撮像レンズを得ることができる。
本発明の実施例1の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例1の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明の実施例5の撮像レンズの概略構成を示す図である。 本発明の実施例5の撮像レンズの球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1、図3、図5、図7、および図9はそれぞれ、本発明の実施形態の実施例1から5に係る撮像レンズの概略構成図を示している。
図1に示すように、本実施形態の撮像レンズは、物体側から像側に向かって順に、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズL1と、光軸Xの近傍で負の屈折力を有する第2レンズL2と、第3レンズL3と、第4レンズL4と、光軸Xの近傍で像側に凹面を向けた第5レンズL5と、光軸Xの近傍で像側に凹面を向けた第6レンズL6とから構成されている。第6レンズL6の像側の面は、光軸X上以外の位置に極点を有する非球面が形成されている。
また、第6レンズL6と撮像面IMG(すなわち、撮像素子の撮像面)との間には赤外線カットフィルタやカバーガラス等のフィルタIRが配置されている。なお、このフィルタIRは省略することが可能である。
開口絞りSTは、第1レンズL1の物体側に配置しているため、諸収差の補正を容易にするとともに、高像高の光線が撮像素子に入射する際の角度の制御を容易にしている。
第1レンズL1は、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、球面収差、非点収差、歪曲収差を良好に補正している。なお、第1レンズL1の形状は、図7に示す実施例4のように、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凸面を向けた両凸形状を採用してもよい。この場合、両面の正の屈折力によって、低背化に有利になる。
第2レンズL2は、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、球面収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差を良好に補正している。
第3レンズL3は、正の屈折力を有し、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凸面を向けた両凸形状に形成されている。そのため、球面収差、コマ収差、歪曲収差を良好に補正している。なお、第3レンズL3の形状は、図9に示す実施例5のように、光軸Xの近傍で物体側に凹面を向けているとともに、像側に凸面を向けたメニスカス形状を採用してもよい。この場合、第3レンズL3への光線入射角度が適切なものとなり、球面収差、像面湾曲、歪曲収差の良好な補正が図られている。
第4レンズL4は、光軸Xの近傍で物体側に凹面を向けているとともに、像側に凸面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、第4レンズL4への光線入射角度が適切なものとなり、球面収差、非点収差、コマ収差、歪曲収差を良好に補正している。
第5レンズL5は、正の屈折力を有するレンズであり、低背化を維持しながら、非点収差、像面湾曲、歪曲収差を良好に補正している。第5レンズL5の形状は、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成されている。そのため、コマ収差、非点収差を良好に補正している。
また、第5レンズL5の物体側の面、および像側の面に、光軸X上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成されているため、像面湾曲、歪曲収差のより良好な補正と、撮像素子への光線入射角の適切な制御が図られている。
第6レンズL6は、光軸Xの近傍で物体側に凸面を向けているとともに、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成している。そのため、非点収差、像面湾曲、歪曲収差を良好に補正している。なお、第6レンズL6の屈折力は、図5に示す実施例3のように、正であってもよい。この場合、低背化をより容易なものとする。
また、第6レンズL6の物体側の面、および像側の面に、光軸X上以外の位置に極点を有する非球面形状を形成されているため、像面湾曲、歪曲収差のより良好な補正と、撮像素子への光線入射角の適切な制御が図られている。
本実施の形態に係る撮像レンズは、第1レンズL1から第6レンズL6のすべてが、それぞれ単レンズで構成されていることが好ましい。単レンズのみの構成は、非球面を多用することができる。本実施形態においては、すべてのレンズ面に適切な非球面を形成することで、良好な諸収差の補正が行われている。また、接合レンズを採用する場合に比較して工数を削減できるため、低コストで製作することが可能となる。
また、本実施の形態に係る撮像レンズは、すべてのレンズにプラスチック材料を採用することで製造を容易にし、低コストでの大量生産を可能にしている。
なお、採用するレンズ材料はプラスチック材料に限定されるものではない。ガラス材料を採用することで、さらなる高性能化を目指すことも可能である。また、すべてのレンズ面を非球面で形成することが望ましいが、要求される性能によっては、製造が容易な球面を採用してもよい。
本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1)から(13)を満足することにより、好ましい効果を奏するものである。
(1)5.0<(D3/|f3|)×100<14.5
(2)0.02<T1/T2<0.12
(3)11.5<(T2/f)×100
(4)−8.7<f2/f<−2.0
(5)0.5<νd5/νd6<1.5
(6)−3.60<(D2/f2)×100<−0.55
(7)0.15<(T4/f)×100<1.40
(8)−3.20<f4/f<−0.65
(9)0.6<f5/f<2.2
(10)0.45<f56/f<4.25
(11)−6.0<f2/f5<−1.6
(12)0.25<|r7|/f<0.85
(13)1.45<|f3|/f<5.10
ただし、
νd5:第5レンズL5のd線に対するアッベ数
νd6:第6レンズL6のd線に対するアッベ数
D2:第2レンズL2の光軸X上の厚み
D3:第3レンズL3の光軸X上の厚み
T1:第1レンズL1の像側の面から第2レンズL2の物体側の面までの光軸X上の距離
T2:第2レンズL2の像側の面から第3レンズL3の物体側の面までの光軸X上の距離
T4:第4レンズL4の像側の面から第5レンズL5の物体側の面までの光軸X上の距離
f:撮像レンズ全系の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f4:第4レンズL4の焦点距離
f5:第5レンズL5の焦点距離
f56:第5レンズL5と第6レンズL6の合成焦点距離
r7:第4レンズL4の物体側の面の近軸曲率半径
なお、上記の各条件式をすべて満足する必要はなく、それぞれの条件式を単独に満たすことで、各条件式に対応した作用効果を得ることができる。
また、本実施形態における撮像レンズは、以下の条件式(1a)から(13a)を満足することにより、より好ましい効果を奏するものである。
(1a)6<(D3/|f3|)×100<14
(2a)0.025<T1/T2<0.110
(3a)12<(T2/f)×100<30
(4a)−7.2<f2/f<−2.5
(5a)0.75<νd5/νd6<1.25
(6a)−3.00<(D2/f2)×100<−0.85
(7a)0.25<(T4/f)×100<1.15
(8a)−2.65<f4/f<−1.00
(9a)0.9<f5/f<1.8
(10a)0.75<f56/f<3.55
(11a)−5.00<f2/f5<−1.85
(12a)0.40<|r7|/f<0.70
(13a)1.65<|f3|/f<4.25
ただし、各条件式の符号は前の段落での説明と同様である。
本実施形態において、レンズ面の非球面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、近軸曲率半径をR、円錐係数をk、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16としたとき数式1により表わされる。
次に、本実施形態に係る撮像レンズの実施例を示す。各実施例において、fは撮像レンズ全系の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角を、ihは最大像高を、TTLは光学全長をそれぞれ示す。また、iは物体側から数えた面番号、rは曲率半径、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)、Ndはd線(基準波長)の屈折率、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面に関しては、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示す。
(実施例1)
基本的なレンズデータを以下の表1に示す。
実施例1の撮像レンズは、表6に示すように条件式(1)から(13)を満たしている。
図2は実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。球面収差図は、F線(486nm)、d線(588nm)、C線(656nm)の各波長に対する収差量を示している。また、非点収差図にはサジタル像面Sにおけるd線の収差量(実線)、タンジェンシャル像面Tにおけるd線の収差量(破線)をそれぞれ示している(図4、図6、図8、図10においても同じ)。図2に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例2)
基本的なレンズデータを以下の表2に示す。
実施例2の撮像レンズは、表6に示すように条件式(1)から(13)を満たしている。
図4は実施例2の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図4に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例3)
基本的なレンズデータを以下の表3に示す。
実施例3の撮像レンズは、表6に示すように条件式(1)から(13)を満たしている。
図6は実施例3の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図6に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例4)
基本的なレンズデータを以下の表4に示す。
実施例4の撮像レンズは、表6に示すように条件式(1)から(13)を満たしている。
図8は実施例4の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図8に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
(実施例5)
基本的なレンズデータを以下の表5に示す。
実施例5の撮像レンズは、表6に示すように条件式(1)から(13)を満たしている。
図10は実施例5の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)を示したものである。図10に示すように、各収差は良好に補正されていることが分かる。
表6に実施例1から実施例5に係る条件式(1)から(13)の値を示す。
本発明に係る撮像レンズを、カメラ機能を備える製品へ適用した場合、当該カメラの広角化、低背化、および低Fナンバー化への寄与とともに、高性能化を図ることができる。
ST 開口絞り
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
ih 最大像高
IR フィルタ
IMG 撮像面

Claims (14)

  1. 物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、光軸近傍で負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第5レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第6レンズとから構成され、前記第6レンズの像側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成された形状であり、前記第5レンズは、光軸近傍で正の屈折力を有し、前記第6レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けた形状に形成され、以下の条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    (1)5.0<(D3/|f3|)×100<14.5
    (2)0.02<T1/T2<0.12
    ただし、
    D3:第3レンズの光軸上の厚み
    f3:第3レンズの焦点距離
    T1:第1レンズの像側の面から第2レンズの物体側の面までの光軸上の距離
    T2:第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離
  2. 物体側から像側に向かって順に、光軸近傍で物体側に凸面を向けた正の屈折力を有する第1レンズと、光軸近傍で負の屈折力を有する第2レンズと、第3レンズと、第4レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第5レンズと、光軸近傍で像側に凹面を向けた第6レンズとから構成され、前記第6レンズの像側の面は、光軸上以外の位置に極点を有する非球面が形成された形状であり、前記第3レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凸面を向けた形状に形成され、前記第4レンズは、光軸近傍で負の屈折力を有するとともに、以下の条件式(2)、(3)、(4)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    (2)0.02<T1/T2<0.12
    (3)11.5<(T2/f)×100
    (4)−8.7<f2/f<−2.0
    ただし、
    T1:第1レンズの像側の面から第2レンズの物体側の面までの光軸上の距離
    T2:第2レンズの像側の面から第3レンズの物体側の面までの光軸上の距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
    f2:第2レンズの焦点距離
  3. 前記第5レンズと前記第6レンズの合成屈折力は、光軸近傍で正の屈折力を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像レンズ。
  4. 前記第4レンズの像側の面は、光軸近傍で像側に凸面を向けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像レンズ。
  5. 前記第6レンズの物体側の面は、光軸近傍で物体側に凸面を向けていることを特徴とする請求項2に記載の撮像レンズ。
  6. 以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像レンズ。
    (5)0.5<νd5/νd6<1.5
    ただし、
    νd5:第5レンズのd線に対するアッベ数
    νd6:第6レンズのd線に対するアッベ数
  7. 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項2に記載の撮像レンズ。
    (6)−3.60<(D2/f2)×100<−0.55
    ただし、
    D2:第2レンズの光軸上の厚み
    f2:第2レンズの焦点距離
  8. 以下の条件式(1)を満足することを特徴とする請求項2に記載の撮像レンズ。
    (1)5.0<(D3/|f3|)×100<14.5
    ただし、
    D3:第3レンズの光軸上の厚み
    f3:第3レンズの焦点距離
  9. 以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像レンズ。
    (7)0.15<(T4/f)×100<1.40
    ただし、
    T4:第4レンズの像側の面から第5レンズの物体側の面までの光軸上の距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  10. 以下の条件式(8)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (8)−3.20<f4/f<−0.65
    ただし、
    f4:第4レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  11. 以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (9)0.6<f5/f<2.2
    ただし、
    f5:第5レンズの焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  12. 以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項3に記載の撮像レンズ。
    (10)0.45<f56/f<4.25
    ただし、
    f56:第5レンズと第6レンズの合成焦点距離
    f:撮像レンズ全系の焦点距離
  13. 以下の条件式(11)を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像レンズ。
    (11)−6.0<f2/f5<−1.6
    ただし、
    f2:第2レンズの焦点距離
    f5:第5レンズの焦点距離
  14. 以下の条件式(12)を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像レンズ。
    (12)0.25<|r7|/f<0.85
    ただし、
    r7:第4レンズの物体側の面の近軸曲率半径
    f:撮像レンズ全系の焦点距離

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