JP2019031768A - 身体冷却用衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポケットに収容した冷却材と背中心部とのフィット性を高め、冷却機能を向上させた身体冷却用衣服を提供する。【解決手段】本発明は、少なくとも胴体を覆い、表地2と、表地2の裏面の少なくとも一部に配置した裏地3を有する身体冷却用衣服1であって、表地2と裏地3の間には冷却材20を収容するためのポケット4a、4b、5、6a、6bが形成され、ポケット4a、4b、5、6a、6bは少なくとも胸部を覆う領域及び背中上部を覆う領域のそれぞれに一つ以上配置されており、ポケット4a、4b、5、6a、6bの表地は、表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地の順番で配置された積層布帛であり、前記背中上部を覆う領域において、背中心部を覆うポケット5の裏地の少なくとも一部は伸縮性生地であり、残りのポケットの裏地は非伸縮性生地である身体冷却用衣服に関する。【選択図】図2

Description

本発明は、冷却材を収容するポケットを有する身体冷却用衣服に関する。
従来から、高温下で作業する場合や高温下で生活する場合に、ポケットに冷却材を収容した身体冷却衣服を着用することで、身体を冷却することが提案されている。例えば、特許文献1には、ナイロンメッシュ素材の衣服本体に、背中を冷却するための冷却材を収納するポケット、脇の下方を冷却するための冷却材を収納する収納ポケット、首の後部を冷却するための冷却材を収納するポケットを設けた冷却機能を有する衣服が提案されている。特許文献2には、メッシュ素材で形成された衣服本体に、メッシュ素材で形成され、保冷材を収容する胸部ポケット、腹側部ポケット、背部ポケット、首ポケットを設けた身体冷却用衣服が提案されている。
特開2002−309414号公報 特開2011−1669号公報
特許文献1では、背中に収納ポケットが縦横に並んだ4つ設けられている。特許文献2には背部ポケットが上下に1つずつ設けられてよいことや上下に2箇所ずつ設けられてよいことが記載されている。特許文献1及び2のように背部ポケットを設けた場合、背中心部において、ポケットに収容された冷却材と身体とのフィット性が悪く、冷却機能が劣るという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するため、ポケットに収容した冷却材と背中心部とのフィット性を高め、冷却機能を向上させた身体冷却用衣服を提供する。
本発明は、少なくとも胴体を覆い、表地と、前記表地の裏面の少なくとも一部に配置した裏地を有する身体冷却用衣服であって、前記表地と裏地の間には冷却材を収容するためのポケットが形成され、前記ポケットは少なくとも胸部を覆う領域及び背中上部を覆う領域のそれぞれに一つ以上配置されており、前記ポケットの表地は、表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛であり、前記背中上部を覆う領域において、背中心部を覆うポケットの裏地の少なくとも一部は伸縮性生地であり、残りのポケットの裏地は非伸縮性生地であることを特徴とする身体冷却用衣服に関する。
本発明は、ポケットに収容した冷却材と背中心部とのフィット性を高め、冷却機能を向上させた身体冷却用衣服を提供することができる。
図1Aは本発明の一例の身体冷却用衣服の模式的正面図であり、図1Bは同模式的背面図である。 図2は同模式的裏面図である。 図3Aは同冷却材を収容した状態の模式的正面図であり、図3Bは同冷却材を収容した状態の模式的背面図である。 図4は同冷却材を収容した状態の模式的裏面図である。 図5は図3BにおけるポケットのI−I断面図である。 図6Aは襟部の袋状ポケットを開けた状態を示す模式的説明図であり、図6Bは袋状ポケットを閉めた状態を示す模式的に説明図である。 図7Aは本発明の他の一例の身体冷却用衣服の模式的正面図であり、図7Bは同模式的背面図である。 図8Aは同冷却材を収容した状態の模式的正面図であり、図8Bは同冷却材を収容した状態の模式的背面図である。 図9は人体の上半身における発汗量を示す模式図である。 図10は背中心部ポケットの試料を用いて冷却材の裏側及び表側へのふくらみを測定する方法を説明する模式的説明図である。 図11は背中心部ポケットの試料における裏地の伸長率及び裏側へのふくらみの関係を示すグラフである。 図12は衣服圧センサーの取り付け位置を説明する模式的説明である。 図13は同模式的断面図である。 図14は直腸温の変化を示すグラフである。 図15Aは本発明の他の一例の身体冷却用衣服の模式的正面図であり、図15Bは同模式的背面図である。 図16は同模式的裏面図である。
発明者らは、冷却材を収容するポケットを有する身体冷却用衣服において、冷却材を収容したポケットと背中心部とのフィット性を高めることについて鋭意検討した。その結果、前記ポケットの表地は、表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地の順番で配置された積層布帛とし、背中心部を覆うポケットの裏地の少なくとも一部を伸縮性生地とし、残りのポケットの裏地を非伸縮性生地とすることで、ポケットに冷却材を収容した場合、冷却材が身体側に膨らみ、冷却材と背中心部表面の凹凸(背骨の窪み)とのフィット性が高まるとともに、冷却性能が高まることを見出した。図9(第64回日本生理人類学会、2011年6月12日、「運動時における発汗量の身体部位差:吸水材を用いて」、井上芳光)に示されているように、背中心部、特に左右の肩甲骨の間は発汗量が多く、ポケットに収容された冷却材と背中心部とのフィット性が高まることにより、冷却性能も向上する。
本発明において、「伸縮性生地」とは、生地の身体の長さ方向における伸長率(以下において、縦伸長率とも記す。)及び/又は身体の周方向における伸長率(以下において、横伸長率とも記す。)が20%以上であることを意味する。伸縮性生地の伸長率は特に限定されないが、例えば、ポケットに収容された冷却材と背中心部とのフィット性を高める観点から、伸縮性生地の縦伸長率及び/又は横伸長率は30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、75%以上であることが特に好ましい。また、例えば、ポケットに収容された冷却材と背中心部とのフィット性を高めつつ、ポケットにおける冷却材の保持性を高める観点から、伸縮性生地の縦伸長率及び/又は横伸長率は400%以下であることが好ましく、300%以下であることがより好ましい。
前記伸縮性生地としては、上述した伸長率を有するものであれば特に限定されず、例えば、編物やポリウレタン繊維などの弾性繊維を混入した伸縮性を有する織物などを用いることができる。編物の場合は、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を含んでも良く、含まなくともよいが、伸縮性を高める観点から、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を含むことが好ましい。伸縮性を有する編物としては、天竺、スムース、パワーネット、トリコットなどが挙げられる。伸縮性を有する織物としては、ポリウレタン繊維などの弾性繊維を混入した伸縮性を有するストレッチブロード、ストレッチサテンなどが挙げられる。伸縮性生地は、身体の長さ方向又は身体の幅方向の一方向に伸縮性を有するもの(以下において、「1ウェイストレッチ生地」とも記す。)であってもよく、身体の長さ方向及び身体の幅方向の二方向に伸縮性を有するもの(以下において、「2ウェイストレッチ生地」とも記す。)であってもよい。前記伸縮性生地は、特に限定されないが、例えば、目付が30〜350g/m2であることが好ましく、50〜300g/m2であることがより好ましい。
本発明において、「非伸縮性生地」とは、生地の身体の長さ方向における伸長率及び身体の周方向における伸長率が0%以上20%未満であることを意味する。非伸縮性生地の伸長率は特に限定されないが、例えば、ポケットにおける冷却材の保持性を高める観点から、非伸縮性生地の伸長率は、5%以下であることが好ましい。
前記非伸縮性生地としては、上述した伸長率を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステル繊維及び/又はコットンで構成された織物を用いることができる。上記織物の組織としては、特に限定されず、例えば、平織、斜文織、朱子織、変化織等が挙げられる。前記非伸縮性生地は、特に限定されないが、例えば、目付が10〜200g/m2であることが好ましく、30〜180g/m2であることがより好ましい。
本発明において、伸長率(伸び率とも称される。)は、JIS L 1096 8.14.1 A法(定速伸長法)に基づいて、荷重は17N、引張速度は200mm/minの条件下で測定する。
前記身体冷却用衣服は、少なくとも胴体を覆うものであればよく特に限定されず、例えば、ベスト、ジャケット等が挙げられる。本発明において、身体とは、裸体の状態及び衣服を着用している状態を含む。前記身体冷却用衣服は、裸体の上にそのまま着用してもよく、既に着用している衣服の上から着用してもよい。
前記身体冷却用衣服は、表地と、前記表地の裏面の少なくとも一部に配置した裏地を有し、前記表地と裏地の間には冷却材を収容するためのポケットが形成されている。すなわち、前記身体冷却用衣服において、ポケットは衣服本体の裏側に配置されていることになる。前記ポケットは少なくとも胸部を覆う領域及び背中上部を覆う領域のそれぞれに一つ以上配置されている。胸部を全体的にバランスよく冷却する観点から、胸部を覆う領域には左右対称的に二つのポケット(以下において、単に「胸部ポケット」とも記す。)が配置されていてもよい。前記身体冷却用衣服において、簡便に着用する観点から、前身頃は中央部において左右に分断されており、左右の前身頃は連結部材によって開閉可能に連結されていることが好ましい。連結部材としては、特に限定されないが、冷気を逃がさない観点から、例えば、ファスナーや面ファスナー等を用いることが好ましい。
前記背中上部を覆う領域に配置されたポケット(以下において、単に「背中上部ポケット」とも記す。)は、背中心部を覆うポケット(以下において、単に背中心部ポケットとも記す。)とその両隣の肩甲骨を覆うポケット(以下において、単に肩甲骨ポケットとも記す。)を有し、背中心部を覆うポケットの裏地の少なくとも一部は伸縮性生地であることが好ましい。前記背中心部ポケットにおいて、裏地の上部が伸縮性生地で構成されることが好ましく、裏地の上端から全体長さの50%以上が伸縮性生地で構成されることがより好ましく、裏地の上端から全体長さの60%以上が伸縮性生地で構成されることがさらに好ましく、裏地の上端から全体長さの70%以上が伸縮性生地で構成されることがさらに好ましい。別の言い方をすれば、少なくともポケットの下端は非伸縮性生地で構成され、衣服の裏地かつ/又は表地と接着や縫着等で一体化することが望ましい。この構造により冷却材の倒れこみを防ぎ人体と冷却材の接触を良好に保つことができる。非伸縮性生地の下端からの高さは、1cmから10cmが好ましい。また、肩甲骨ポケットには、背中心部ポケットと接する側の下部に凸部(マチ)を設けることが好ましい。これにより、肩甲骨ポケットが冷却材を収容した際、冷却材が肩甲骨の形状に沿って身体にフィットしやすくなることで、背中心部ポケットに収容された冷却材も背中心部にフィットしやすくなり、冷却効果が向上する。
前記胸部ポケット及び背中上部ポケットにおいて、上述した背中心部ポケットの少なくとも一部が伸縮性生地である以外は、残りのポケットの裏地は非伸縮性生地である。これにより、前記ポケットに冷却材を収容した場合、ポケットに収容した冷却材と背中心部とのフィット性が高いとともに、ポケットによる冷却材の保持性も良好になる。
前記胸部ポケット及び背中上部ポケットにおいて、表地は表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地の順番で配置された積層布帛とし、裏地は薄い伸縮性生地又は非伸縮性生地とすることで、保冷材による冷却効果が良好になる。前記裏地は、単層の伸縮性生地又は非伸縮性生地であればよく、特に限定されないが、例えば、冷却効果を高める観点から、厚みが0.2〜8mmであることが好ましく、0.3〜5mmであることがより好ましい。なお、厚みはJIS 1096 L A法で測定する。前記積層布帛において、不織布層又は綿層は断熱効果を有し、これにより、冷却材による冷気が身体側に作用しやすく、外気へ逃げない。不織布層又は綿層は、特に限定されないが、例えば、ポリエステル繊維やコットンを用いて構成することができる。前記不織布層又は綿層は、特に限定されないが、断熱効果を高める観点から、厚みが0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜8mmであることがより好ましい。前記不織布層又は綿層は、特に限定されないが、断熱効果を高める観点から、目付が5〜150g/m2であることが好ましく、10〜100g/m2であることがより好ましい。
前記身体冷却用衣服の両脇部にも、保冷材を収容するためのポケット(以下、脇ポケットとも記す。)が配置されていることが好ましい。脇には動脈が通っていることから、脇ポケットを設け、冷却材を収容することで、身体を効果的に冷却することができる。脇ポケットは、例えば、両脇部を伸縮性生地で形成し、前記両脇部の頂部に固定されていてもよい。この場合、脇ポケットは、伸縮性生地の表地と非伸縮性生地の裏地で構成されている。このように、身体冷却用衣服の両脇部は伸縮性生地で形成することにより、脇ポケットに収容した冷却材に脇に密着しやすく、冷却性能が向上するとともに、着用者の身体に適応しやすくなる。一方、脇ポケットに収容した冷却材と脇部との密着性、特に身体冷却用衣服を着用して身体を動かした場合の脇ポケットに収容した冷却材と脇部との密着性を高める観点から、例えば、身体冷却用衣服の両脇部の表地を上述した積層生地で構成し、裏地を非伸縮性生地で構成し、該脇部を衣服の前身頃に斜めになるように配置し、脇ポケットを両脇部の上部にそれぞれ設けてもよい。この場合、脇ポケットは、積層生地の表地と非伸縮性生地の裏地で構成されている。この形態の場合、着用性の観点から、脇部と背部の間には伸縮性生地が配置されていることが好ましい。
前記身体冷却用衣服は襟部を含み、前記襟部は袋状に形成され、内部は保冷材を収容するためのポケット(以下において、襟ポケットとも記す。)であることが好ましい。首には動脈が通っていることから、襟ポケットを設け、冷却材を収容することで、身体を効果的に冷却することができる。前記襟部は少なくとも一部が伸縮性生地で形成されていることが好ましい。これにより、襟が首に適応しやすく、襟ポケットに収容した冷却材と首との密着性が高まる。前記襟部は、具体的には、例えば、表地、裏地、及び蓋部で袋状に形成することができる。また、蓋部の中央部及び表地の中央部にそれぞれ対応する留め具固定部を設け、留め具固定部に固定した留め具を連結することで、蓋部を閉めることができる。襟部の裏地は全体的に伸縮性生地であることが好ましい。襟部の表地において、留め具固定部以外は、伸縮性生地であることが好ましい。留め具固定部は、非伸縮性生地で形成されていることが好ましい。ここに非伸縮性生地を配置することで襟部が冷却剤の重みで倒れることを防ぎ、人体と襟部の接触を保つことができる。また、蓋部において、留め具固定部以外の部分は、二枚の伸縮性生地を周縁部で縫い合わせた二重生地で形成してもよい。襟部において、表地の裏側には断熱部材を配置することが好ましく、断熱部材としては、例えば、非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛を用いることができる。断熱部材の首の周方向の両端部にはそれぞれ伸縮手段が設けられていることが好ましい。このような襟部を有することにより、襟ポケットに冷却材を収容した場合、襟部と首のフィット性が高まり、冷却効果が良好になる。
前記身体冷却用衣服は襟部を含み、襟部の内側にポケットが設けられてもよい。具体的には、襟部において、表地が表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛で構成され、裏地が伸縮性生地で構成され、該表地と裏地の間に冷却材を収容するためのポケットが形成されていてもよい。襟ポケットが、積層生地の表地と、伸縮性生地の裏地の間に形成されていることにより、身体冷却用衣服を着用した後に身体を動かした場合でも、襟ポケットに収容された冷却材と首の表面とのフィット性を高めることができる。表地の上部には首の周方向に沿って伸縮部材、例えば、スピンドルを配置することが好ましい。スピンドルを締めることで、襟ポケットに収容されている冷却材が首に密着しやすい。
前記身体冷却用衣服において、襟部が袋状のポケットを有する場合、肩部は伸縮性生地で形成され、襟部の表地である伸縮性生地と縫製等で連結されていてもよい。これにより、首の太さに合わせて伸縮しやすく、襟ポケットに冷却材を収容した場合、襟ポケットに収容された冷却材と首の表面とのフィット性が高まる。前記身体冷却用衣服において、襟の内側にポケットが配置されている場合は、肩部は、非伸縮性生地で形成されていることが好ましい。これにより、身体冷却用衣服を着用した後に身体を動かした場合でも、襟ポケットに収容された冷却材と首の表面とのフィット性を高めることができる。
前記身体冷却用衣服は、背中下部を覆う領域及び/又は腹部を覆う領域にも、表地と裏地の間に形成されたポケットを有しても良い。冷却効果を高めつつ、軽量性の観点から、背中下部を覆う領域及び/又は腹部を覆う領域には冷却材を収容するポケットを有しなくてもよい。これらのポケットにおいて、表地は表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地の順番で配置された積層布帛とし、裏地は非伸縮性生地とすることで、保冷材による冷却効果が良好になる。図9に示されているように、背中上部及び胸部は発汗量が多く、腹部と背中下部は発汗量が少ないことから、上述したように、背中上部及び胸部を覆う領域に冷却材を収容するポケットを設けることで、軽量性を確保しつつ、冷却性能も効果的に発揮することができる。
前記身体冷却用衣服のポケットに冷却材を収容し、冷却材をポケットに収容した身体冷却用衣服を着用することで、身体を冷却することができる。特に、高温下でスポーツを行う場合、休憩時に冷却材をポケットに収容した身体冷却用衣服を着用して身体を冷却するだけで、休憩後にスポーツを行う際の発汗量が抑えられるとともに、運動パフォーマンスが向上する。
前記冷却材としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。冷却剤(保冷剤とも称される。)、例えば、水や水に水溶性高分子材等を溶解した水系ゲル蓄熱体を密閉容器、例えば樹脂製の収納袋で封入した冷却材(以下において、水系冷却材とも記す。)を用いることができる。水系冷却材は、冷凍装置を用いて冷凍させた後に使用することができる。また、多孔性シートで構成された袋にドライアイスを充填して冷却材として用いても良い。繰り返し使うことができ、身体へのフィット性が高く、冷却効果が高いという観点から、冷却剤として水系ゲル蓄熱体を用いた冷却材を使用することが好ましい。取扱い性を高める観点から、水系冷却材は、水又は水に水溶性高分子材等を溶解した水系ゲル蓄熱体を内袋に封入した後に、さらに外袋に入れた状態で用いても良い。また、可撓性をもつペルチェ冷却素子の利用も可能である。前記冷却材の大きさ及び厚みは、特に、限定されず、例えば、冷却材を収容するポケットの大きさや冷却する時間等に応じて適宜調選択して使用することができる。それぞれのポケットに収容される冷却材は、冷却剤の収納袋が1つであってもよく、2つ以上の収納袋が連結されたものであってもよい。
前記身体冷却用衣服において、上記で特に指摘がなかった箇所の衣服本体生地(表地)は、非伸縮性生地で構成されている。これにより、ポケットによる冷却材の保持性が良好になる。
以下、図面に基づいて、本発明の1以上の実施形態に係る身体冷却用衣服を説明する。しかし、本発明は、これらの図面に示されるものに限定されない。
図1Aは本発明の一例の身体冷却用衣服(ベスト)の模式的正面図であり、図1Bは同模式的背面図である。図2は同模式的裏面図である。図3Aは同冷却材を収容した状態の模式的正面図であり、図3Bは同冷却材を収容した状態の模式的背面図である。図4は同冷却材を収容した状態の模式的裏面図である。
図1〜4に示されているように、該実施形態の身体冷却用衣服1は、表地2と、表地2の裏面の少なくとも一部に配置した裏地3を有し、表地2と裏地3の間には、冷却材20を収容するためのポケット4a、4b、5、6a、6bが形成されている。具体的には、胸部を覆う領域には、左右対称的に二つのポケット4a、4bが、それぞれ、左右の前身頃に配置されている。左右の前身頃は連結部材11で連結されている。また、背中上部を覆う領域には、背中心部を覆うポケット5と、その両隣の肩甲骨を覆うポケット6a、6bが配置されている。ポケット5において、裏地3の一部は伸縮性生地であり、ポケット5の裏地の伸縮性生地以外の部分と、ポケット4a、4b、6a及び6bの裏地3は非伸縮性生地である。ポケット4a、4b、5、6a及び6bにおいて、表地2は、非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛である。図5の冷却材20を収容したポケット5、6a及び6bのI−I断面図に示されているように、ポケット5の裏地は単層構造の伸縮性生地30であり、ポケット6a、6bの裏地は単層構造の非伸縮性生地40であり、ポケット5、6a及び6bの表地は非伸縮性生地40、不織布層及び/又は綿層50と、非伸縮性生地40がこの順番で配置された積層布帛60である。
身体冷却用衣服1において、両脇部12a、12bは、伸縮性生地で形成され、両脇部12a、12bの頂部に、冷却材20を収容するためのポケット7a、7bが固定されている。ポケット7a、7bの裏地(身体側)は非伸縮性生地である。ポケット7a、7bの表地は、非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛である。
身体冷却用衣服1は、襟部13を含み、襟部13の袋状に形成され、内部は保冷材20を収容するためのポケット8となる。図6Aは襟部の袋状ポケットを開けた状態を示す模式的説明図であり、図6Bは袋状ポケットを閉めた状態を示す模式的に説明図である。襟部13は、表地2、裏地3、及び蓋部131で袋状に形成されており、蓋部131の中央部には留め具固定部133が設けられており、表地2の中央部には対応する留め具固定部134が設けられ、留め具固定部133は留め具135を備え、留め具固定部134は対応する留め具136を備え、留め具135と留め具136を連結することで、蓋部131を閉めることができる。襟部13の裏地3は伸縮性生地である。襟部13の表地2において、留め具固定部134以外は、伸縮性生地である。留め具固定部134は、非伸縮性生地で形成されている。蓋部131において、留め具固定部133以外の部分は、伸縮性生地を周縁部で縫い合わせた二重生地で形成されている。留め具固定部133は、非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛で形成されている。留め具135及び136としては、ボタンを用いることができる。襟部13において、表地2の裏側には断熱部材132が配置されており、断熱部材132は、非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛で形成することができる。断熱部材132は、表地2の留め具固定部134の首の周方向の両端部と縫着されることで、表地2に連結されている。また、断熱部材132の首の周方向の両端部にはそれぞれ伸縮手段137が設けられている。このような襟部を有することにより、襟ポケット8に冷却材を収容した場合、襟ポケット8に収容された冷却材と首の表面のフィット性が高まり、冷却効果が良好になる。
身体冷却用衣服1において、肩部14a、14bは伸縮性生地で構成され、襟部13の表地である伸縮性生地と縫製等で連結されている。これにより、首の太さに合わせて伸縮しやすく、襟ポケット8に冷却材を収容した場合、襟ポケット8に収容された冷却材と首の表面のフィット性が高まる。
図7Aは本発明の他の一例の身体冷却用衣服(ベスト)の模式的正面図であり、図7Bは同模式的背面図である。図8Aは同冷却材を収容した状態の模式的正面図であり、図8Bは同冷却材を収容した状態の模式的背面図である。図7〜8において、図1、3と同一の部分には同一の符合を付けており、重複する説明は省略する。図7〜8と図1、3において同一の部分は、同様の機能を有する。該実施形態の身体冷却用衣服101は、腹部を覆う領域に左右対称的に配置されたポケット9a、9bと、背中下部を覆う領域に左右対称的に配置されたポケット10a、10bを有する以外は、身体冷却用衣服1と同様の構成である。ポケット9a、9b、10a及び10bは、表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛で構成された表地と、伸縮性生地で構成された裏地の間に形成されている。
図15Aは本発明の一例の身体冷却用衣服(ベスト)の模式的正面図であり、図15Bは同模式的背面図である。図16は同模式的裏面図である。図15及び16において、図1及び2と同一の部分には同一の符合を付けており、重複する説明は省略する。図15及び16と図1及び2において同一の部分は、同様の機能を有する。該実施形態の身体冷却用衣服201は、後述するように、襟部、肩部、肩甲骨ポケット、脇部、脇部と背部の連結部以外は、身体冷却用衣服1と同様の構成である。なお、身体冷却用衣服201は、身体冷却用衣服1に比べて、丈方向サイズ及び腹回りのサイズが小さくなっており、身体に対するフィット感が高まっている。
身体冷却用衣服201における肩甲骨ポケット16a及び16bは、背中心部ポケットと接する側の下部に凸部(マチ)70が設けられている以外は、身体冷却用衣服1における肩甲骨ポケット6a及び6bと同じ構成である。肩甲骨ポケット16a及び16bが凸部70を有することにより、肩甲骨ポケットが冷却材を収容した際、冷却材が肩甲骨の形状に沿って身体にフィットしやすいことで、背中心部ポケットに収容された冷却材も背中心部にフィットしやすくなり、冷却効果が高まる。
身体冷却用衣服201において、両脇部22a、22bは、衣服の前身頃において斜めになるように配置されており、非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛である表地と、非伸縮性生地である裏地で形成されており、両脇部22a、22bの上部に、冷却材(図示なし)を収容するためのポケット17a、17bが設けられている。
身体冷却用衣服201において、着用性の観点から、脇部と背部の間には伸縮性生地80が配置されていることが好ましい。伸縮性生地80は、前身頃及び後身頃に跨るように配置されている。すなわち、身体冷却用衣服201において、伸縮性生地80以外の部分の表地は、積層布帛又は非伸縮性生地で構成されている。
身体冷却用衣服201は、襟部23を含み、襟部23の内側にポケット18が配置されていてもよい。具体的には、襟部23は、表地が表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地がこの順番で配置された積層布帛で構成され、裏地が伸縮性生地で構成され、該表地と裏地の間に冷却材を収容するためのポケット18が形成されている。襟ポケット18が、積層生地の表地と、伸縮性生地の裏地の間に形成されていることにより、身体冷却用衣服を着用した後に身体を動かした場合でも、襟ポケットに収容された冷却材と首の表面とのフィット性を高めることができる。また、表地の上部には首の周方向に沿ってスピンドル21が配置されており、スピンドル21を締めることで、襟ポケット18に収容されている冷却材が首に密着しやすい。
身体冷却用衣服201において、肩部24a及び24bは、非伸縮性生地で形成されていることが好ましい。これにより、身体冷却用衣服を着用した後に身体を動かした場合でも、襟ポケット18に収容された冷却材と首の表面とのフィット性を高めることができる。
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
まず、背中心部ポケットを形成する表地と裏地について検討した。生地として、下記のものを用いた。
生地a:平織、目付:56g/m2、厚み:0.85mm、糸使い:タテ糸及びヨコ糸のいずれも、ポリエステルマルチフィラメント(単繊維繊度33dtex、フィラメント数36本)、打ち込み本数:タテ208本/インチ(2.54cm)、ヨコ171本本/インチ(2.54cm)、縦伸長率:2.9%;横伸長率:3.1%
生地b:平織、目付:131g/m2、厚み:1.2mm、糸使い:タテ糸及びヨコ糸のいずれも、ナイロン65質量%、ポリウレタン質量35%、マルチフィラメント・ポリウレタンカバーリングヤーン(単繊維繊度33dtex、フィラメント数10本)、打ち込み本数:縦185本/インチ、横172本/インチ、縦伸長率:37.7%;横伸長率:39.8%
生地c:平織、目付:98g/m2、厚み:1.1mm、糸使い:ナイロン68質量%、ポリウレタン32質量%、マルチフィラメント・ポリウレタンカバーリングヤーン(単繊維繊度22dtex、フィラメント数24本)、打ち込み本数:縦210本/インチ、横194本/インチ、縦伸長率:63.5%;横伸長率:65.5%
生地d:トリコット(2ウェイストレッチ生地)、目付:235g/m2、厚み:0.945mm、糸使い:糸1としてポリエステルマルチフィラメント(単繊維繊度84dtex、フィラメント数72本)、糸2としてポリエステルマルチフィラメント(単繊維繊度56dtex、フィラメント数48本)、糸3としてポリプロピレンマルチフィラメント(単繊維繊度56dtex、フィラメント数30本)、糸4としてポリウレタンモノフィラメント(繊度33dtex)を用い、ポリエステル繊維80質量%、ポリプロピレン繊維8質量%、ポリウレタン12質量%を含むようにした;縦伸長率:145.0%;横伸長率:91.7%
生地e:トリコット(2ウェイストレッチ生地)、目付:111g/m2、厚み:0.32mm、糸使い:ナイロン質量80%(ナイロンマルチフィラメント:単繊維繊度33dtex、フィラメント数24本)、ポリウレタン20質量%(ポリウレタンモノフィラメント22dtex)、縦伸長率:130%;横伸長率:177.1%
(製造例1〜6)
表地として下記表1に示す生地を22cm×14cmにカットして用い、裏地として下記表1に示す生地を8.5cm×14cmにカットして用い、6.5cm幅でステッチを入れ、冷却材の入る筒を作製し、背中心部ポケットの試料とした。
背中心部ポケットの試料において、筒の中に冷却材(三重化学製、カルボキシメチルセルロース系保冷剤、厚み2cm、長さ14cm、幅6.5cm)を収容した後、図10に示されているように、冷却材を収容した背中心部ポケットの試料200を引張試験機300によって30Nの力で固定し(チャック間12.5cm)、その時の中心から表側及び裏側へのふくらみ量を測定した。図10において、矢印で示されている方向が裏側となる。裏側へのふくらみ量が多いほど、身体側へ寄ることを意味する。結果を下記表1及び図11に示した。下記表1及び図11において、伸長率は、背中心部ポケットの試料の長手方向における伸長率であり、実際の身体冷却用衣服における縦方向における伸長率に該当する。
Figure 2019031768
上記表1から分かるように、背中心部ポケットにおいて、表地を非伸縮性生地とし、裏地を伸縮性生地とすることで、裏側へのふくらみが表側へのふくらみより大きく、背中心部ポケットに収容された冷却材が背中心部へフィットしやすくなる。また、表1及び図11から分かるように、裏地の伸長率が大きいほど、裏側へのふくらみ量が大きく、より背中心部へフィットする。
(実施例1)
図1〜6に示されている身体冷却用衣服1(ベスト、JASPO Lサイズ)を作製した。ポケット4a、4b、5、6a、6b、7a、7bの表地として、表側から裏側に向けて生地a、不織布層(種類:ポリエステル不織布、繊維構成:ポリエステル繊維100質量%、目付:40g/m2、厚み:2mm)、生地aの順番で配置された積層布帛fを用いた。ポケット5の裏地の上端から全体長さの89%までを生地dとし、生地dの縦方向が身体の長さ方向と一致するようにした。ポケット5の裏地の残りの部分及びポケット4a、4b、6a、6b、7a、7bの裏地として生地aを用いた。連結部材11として、ファスナーを用いた。襟部13の裏地は生地dとし、生地dの縦方向が身体の周方向と一致するようにした。襟部13の表地において、留め具固定部134以外は、生地dを用い、生地dの縦方向が身体の周方向と一致するようにした。蓋部131において、留め具固定部133以外の部分は、生地dを周縁部で縫い合わせた二重生地で形成した(生地dの縦方向が身体の周方向と一致するようにした)。留め具固定部134は、生地aで形成した。留め具固定部133は、積層布帛fで形成した。留め具135及び136として、ボタンを用いた。断熱部材132として積層布帛fを用いた。伸縮手段137としては、コールゴム(長さ5cm、幅1cm、厚み0.1cm)を用いた。
(実施例2)
図15及び16に示されている身体冷却用衣服201(ベスト、JASPO Lサイズ)を作製した。ポケット4a、4b、5、16a、16b、17a、17b、18の表地として、表側から裏側に向けて生地a、不織布層(種類:ポリエステル不織布、繊維構成:ポリエステル繊維100質量%、目付:40g/m2、厚み:2mm)、生地aの順番で配置された積層布帛fを用いた。ポケット5の裏地の上端から全体長さの89%までの生地、及びポケット18の裏地を生地dとし、生地dの縦方向が身体の長さ方向と一致するようにした。ポケット5の裏地の残りの部分及びポケット4a、4b、6a、6b、17a、17bの裏地として生地aを用いた。脇部と背部の間に配置される伸縮性生地80として、生地dを用いた。連結部材11として、ファスナーを用いた。
(比較例1)
ポケット5の裏地全体を生地aとした以外は、実施例1と同様にして、ベストを作製した。
実施例1〜2及び比較例1のベストを衣服の上から着用し、下記のように衣服圧を測定した。その結果を下記表2に示した。
(衣服圧の測定)
被験者(男性、身長177cm、体重66kg、胸囲86cm、ウエスト76.5cm)が衣服を着用した状態で、図12A−Bに示されているように、衣服の上から背中に衣服圧センサー400を、それぞれ、第7頸椎からの距離が10cmのA点、22.5cmのB点、35cmのC点に貼り付けた後、ポケット5のみに冷却材(三重化学社製、厚み4cm)を収容した身体冷却用衣服(ベスト)を着用し、ベスト着用時の衣服圧を測定した。図13に、衣服圧センサー400を貼り付けたA点、B点及びC点を通る身体の上から見た断面図を示した。
Figure 2019031768
上記表2において、A、B及びCの衣服圧の合計が高いほど、身体へのフィット性が高いことを意味する。上記表2の結果から分かるように、A、B、及びCの衣服圧の合計が実施例1及び2のベストを着用した場合、比較例1と比較して高く、背中心部表面の凹凸に沿って変化しており、冷却材と背中心部表面の凹凸(背骨の窪み)とのフィット性が高まっていた。特に、実施例2のベストを着用した場合、肩甲骨ポケット16a及び16bに凸部70を設けたことにより、身体とのフィット性がより高まっていた。
実施例1〜2及び比較例1のベストを被験者(男性6名、Lサイズ)に衣服の上から着用して、身体に対するフィット感を、1〜5までの5段階で官能評価し、その結果を下記表3に示した。官能評価の値が高いほど、フィット感が良好であることを意味する。
Figure 2019031768
表3の結果から分かるように、実施例2の方が、首、脇及び背中における冷却材と身体とのフィット性が高かった。
(実施例3)
図7〜8に示されている身体冷却用衣服101(ベスト、JASPO Lサイズ)を作製した。ポケット9a、9b、10a、10bをさらに設けた以外は、実施例1と同様にして作製した。ポケット9a、9b、10a、10bの表地として積層布帛fを用い、裏地として生地aを用いた。
(比較例2)
比較例2として、クライオベスト(CRYO VEST、クライオ社製)を用いた。
対照例1をベスト着用なしとし、下記のようにスポーツを行う間の休憩時間に実施例1、3及び比較例2のベストを着用した場合の、休憩後の運動を行う際の平均パワー出力及び発汗量を測定した。その結果を下記表4に示した。
(実験1)
被験者:運動鍛錬者(男性)8名、年齢20.3±0.5歳、身長172.0±3.0cm、体重64.5±4.0kg)
環境条件:32℃、50%RH
プロトコル:安静(10分)→自転車運動(15分)→休憩(15分)→自転車運動(30分);自転車運動は自転車エルゴメーターを使用し、休憩中にベストを着用した。休憩後の自転車運動では30分間でできるだけ高い総仕事量を発揮するよう指示した。
試験条件:
対照例1:冷却なし(ベスト着用なし)、
比較例2:クライオベスト(胸部及び背中上部のそれぞれに左右対称的に二つの冷却材配置)
実施例1:全てのポケットに冷却材収容
実施例3:全てのポケットに冷却材収容
測定項目:後半運動時の平均パワー出力(平均仕事量)及び発汗量(体重減少量)
Figure 2019031768
上記表4の結果から分かるように、冷却無しの対照例1に比べて、実施例1及び3の場合は、休憩後の運動における平均パワー出力が高く、運動パフォーマンスが向上していた。背中心部ポケットの裏地の少なくとも一部に伸縮性生地を用いた実施例1及び実施例3では、背中上部に配置したポケットの裏地に非伸縮性生地を用いた比較例2に比べて、発汗量が抑えられており、冷却機能が向上していた。また、胸部、背中上部、首及び脇を覆う領域に冷却材を配置した実施例1と、これらに加え腹部及び背中下部にも冷却材を配置した実施例3では、休憩後の運動における平均パワー出力がほとんど変わらなかった。
対照例1をベスト着用なしとし、下記のようにスポーツを行う間の休憩時間に実施例1、3及び比較例2のベストを着用した場合の、深部体温(直腸温)を測定した。その結果を図14に示した。また、下記のように官能評価を行い、その結果を下記表5に示した。
(実験2)
被験者:運動鍛錬者(男性)8名…年齢20.5±0.8歳、身長173.0±7.0cm、体重61.2±6.2kg)環境条件:32℃、50%RH
プロトコル:安静(20分)→自転車運動(45分)→休憩(15分)→自転車運動(10km);自転車運動は自転車エルゴメーターを使用し、休憩中にベストを着用した。 休憩後の自転車運動では10kmをなるべく速く漕ぐよう指示した。 試験条件:
対照例1:冷却なし(ベスト着用なし)、
比較例2:クライオベスト(胸部及び背中上部のそれぞれに左右対称的に二つの冷却材配置)
実施例1:全てのポケットに冷却材収容
実施例3:全てのポケットに冷却材収容
測定項目:直腸温(比較例2測定なし)、温熱感覚(官能評価、温冷感を-6〜+6の13段階で主観的に評価、−6が冷たく+6が温かい)、温熱快適性(官能評価、快・不快を-6〜+6の13段階(−6が不快で、+6が快)で主観的に評価)、官能評価は、ベスト着時からベスト脱衣直後までの平均値とした。温熱感覚は、数値が低いほど、涼しく感じることを意味する。温熱快適性は、数値が高いほど快適に感じることを意味する。
Figure 2019031768
上記表5のデータから分かるように、対照例1及び比較例2に比べて、実施例1及び3の方が、涼しく感じるとともに、快適さも良好である。また、図14のデータから分かるように、対照例1に比べて、実施例1及び3の方が、休憩時及びその後運動時の直腸温が低く、冷却効果が発揮されていた。
1、101、201 身体冷却用衣服
2 表地
3 裏地
4a、4b、5、6a、6b、7a、7b、8、9a、9b、10a、10b、16a、16b、17a、17b、18 ポケット
11 連結部材
12a、12b、22a、22b 脇部
13、23 襟部
14a、14b、24a、24b 肩部
20 冷却材
21 伸縮部材(スピンドル)
30、80 伸縮性生地
40 非伸縮性生地
50 不織布層及び/又は綿層
60 積層布帛
131 蓋部
132 断熱部材
133、134 留め具固定部
135、136 留め具
137 伸縮手段
200 背中心部ポケットの試料
300 引張試験機
400 衣服圧センサー

Claims (5)

  1. 少なくとも胴体を覆い、表地と、前記表地の裏面の少なくとも一部に配置した裏地を有する身体冷却用衣服であって、
    前記表地と裏地の間には冷却材を収容するためのポケットが形成され、
    前記ポケットは少なくとも胸部を覆う領域及び背中上部を覆う領域のそれぞれに一つ以上配置されており、
    前記ポケットの表地は、表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地の順番で配置された積層布帛であり、
    前記背中上部を覆う領域において、背中心部を覆うポケットの裏地の少なくとも一部は伸縮性生地であり、残りのポケットの裏地は非伸縮性生地であることを特徴とする身体冷却用衣服。
  2. 前記背中上部を覆う領域には、背中心部を覆うポケットとその両隣の肩甲骨を覆うポケットが配置されており、背中心部を覆うポケットの裏地の少なくとも一部は伸縮性生地である請求項1に記載の身体冷却用衣服。
  3. 前記身体冷却用衣服の両脇部は、表側から裏側に向けて非伸縮性生地と、不織布層及び/又は綿層と、非伸縮性生地の順番で配置された積層布帛からなる表地と、非伸縮性生地からなる裏地で構成され、前記両脇部の上部の表地と裏地の間には保冷材を収容ためのポケットが設けられている請求項1又は2に記載の身体冷却用衣服。
  4. 前記身体冷却用衣服には襟部を含み、前記襟部の内側には、保冷材を収容ためのポケットが設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の身体冷却用衣服。
  5. 前記襟部の裏地は伸縮性生地で形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の身体冷却用衣服。
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