JP2019031081A - 積層シート、コーティング繊維、コーティング繊維束及び複合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素質基材自体の表面の意匠性を残しつつ、色彩を良好に付与することができる積層シートを提供する。
【解決手段】本発明に係る積層シートは、炭素質基材と、該炭素質基材の表面上に配置されている色調調整層とを備える積層シートであり、前記積層シートは、第1の表面と、該第1の表面とは反対側に第2の表面とを有し、前記積層シートの前記第1の表面側に前記炭素質基材が配置されており、前記積層シートの前記第2の表面側に前記色調調整層が配置されており、前記色調調整層は、前記積層シートの前記第2の表面の色調を、前記炭素質基材の表面の色調とは異なるようにする性質を有する層であり、前記色調調整層は、光透過性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素質基材を用いた積層シートに関する。また、本発明は、炭素質繊維を用いたコーティング繊維及びコーティング繊維束に関する。また、本発明は、上記積層シート、上記コーティング繊維又は上記コーティング繊維束と樹脂とを含む複合材料に関する。
炭素質基材は、軽量でありかつ優れた強度を有する。このため、炭素質基材は、航空分野、宇宙分野、二輪車分野、自動車分野、建築分野、土木分野、スポーツ分野及びレジャー分野などの様々な分野で用いられている。
炭素質基材の表面は、一般的に黒色である。炭素質基材の意匠性を高めるために、炭素質基材が着色処理されることがある。
着色処理された炭素質基材が、下記の特許文献1に開示されている。下記の特許文献1には、入射角60度、受光角45度で可視領域の反射スペクトルを用いて測定されるL表色系における明度Lが20以上である炭素繊維(着色処理された炭素質基材)が開示されている。特許文献1では、着色処理するために、顔料や染料を含む塗料が用いられている。
特開2010−229587号公報
炭素質基材の表面に顔料や染料を含む塗料を塗布すると、炭素質基材の表面に、着色層が形成される。この結果、炭素質基材の表面が着色層により覆われた部分において、炭素質基材の表面模様が視認されにくい。また、炭素質基材の表面が着色層により覆われた部分において、炭素質基材の光沢感が損なわれることがある。この結果、炭素質基材が有する独特の意匠性が損なわれることがある。
本発明の目的は、炭素質基材自体の表面の意匠性を残しつつ、色彩を良好に付与することができる積層シートを提供することである。
また、本発明は、炭素質繊維自体の表面の意匠性を残しつつ、色彩を良好に付与することができるコーティング繊維及びコーティング繊維束を提供することも目的とする。さらに、本発明は、上記積層シート、上記コーティング繊維又は上記コーティング繊維束と樹脂とを含む複合材料を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、炭素質基材と、該炭素質基材の表面上に配置されている色調調整層とを備える積層シートであり、前記積層シートは、第1の表面と、該第1の表面とは反対側に第2の表面とを有し、前記積層シートの前記第1の表面側に前記炭素質基材が配置されており、前記積層シートの前記第2の表面側に前記色調調整層が配置されており、前記色調調整層は、前記積層シートの前記第2の表面の色調を、前記炭素質基材の表面の色調とは異なるようにする性質を有する層であり、前記色調調整層は、光透過性を有する、積層シートが提供される。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有し、MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表す。
本発明の広い局面によれば、炭素質基材と、該炭素質基材の表面上に配置されている色調調整層とを備える積層シートであり、前記積層シートは、第1の表面と、該第1の表面とは反対側に第2の表面とを有し、前記積層シートの前記第1の表面側に前記炭素質基材が配置されており、前記積層シートの前記第2の表面側に前記色調調整層が配置されており、前記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有し、MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表し、前記色調調整層は、光透過性を有する、積層シートが提供される。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記色調調整層は顔料を含まず、かつ、前記色調調整層は染料を含まない。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記炭素質基材は炭素繊維基材である。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、MOにおけるM及びMNにおけるMはそれぞれ、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記色調調整層の平均厚みが1nm以上200nm以下である。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記色調調整層の可視光透過率が8%以上である。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記積層シートの前記第2の表面と、前記炭素質基材の表面との、JIS Z8781−4:2013に準拠して測定されるL表色系における色差ΔEabが10以上である。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、JIS Z8781−4:2013に準拠したL表色系における明度の測定において、前記積層シートの前記第2の表面の明度Lが、前記炭素質基材の表面の明度Lよりも5以上高い。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記積層シートは、前記色調調整層を第1の色調調整層として備え、前記炭素質基材と前記第1の色調調整層との間に、第2の色調調整層をさらに備える。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記第1の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ケイ素であり、前記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ゲルマニウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである。
本発明の広い局面によれば、炭素質繊維と、該炭素質繊維の表面上に配置されている色調調整層とを備えるコーティング繊維であり、前記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有し、MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表し、前記色調調整層は、光透過性を有する、コーティング繊維が提供される。
本発明の広い局面によれば、複数の繊維を有し、前記繊維が上述したコーティング繊維を含む、コーティング繊維束が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述した積層シートと、樹脂とを含む、複合材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述したコーティング繊維と、樹脂とを含む、複合材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述したコーティング繊維束と、樹脂とを含む、複合材料が提供される。
本発明によれば、炭素質基材自体の表面の意匠性を残しつつ、色彩を良好に付与することができる積層シートを提供することができる。
本発明によれば、炭素質繊維自体の表面の意匠性を残しつつ、色彩を良好に付与することができるコーティング繊維を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層シートを示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[積層シート]
本発明に係る積層シート(以下、積層シート(1)と呼ぶことがある)は、炭素質基材と、上記炭素質基材の表面上に配置されている色調調整層(後述する第2の色調調整層と区別して、第1の色調調整層と呼ぶことがある)とを備える。上記積層シート(1)は、第1の表面と、上記第1の表面とは反対側に第2の表面とを有する。上記積層シート(1)の上記第1の表面側に、上記炭素質基材が配置されている。上記積層シート(1)の上記第2の表面側に、上記色調調整層が配置されている。上記色調調整層は、上記積層シート(1)の上記第2の表面の色調を、上記炭素質基材の表面の色調とは異なるようにする性質を有する層である。上記色調調整層は、光透過性を有する。
本発明に係る積層シート(以下、積層シート(2)と呼ぶことがある)は、炭素質基材と、上記炭素質基材の表面上に配置されている色調調整層(後述する第2の色調調整層と区別して、第1の色調調整層と呼ぶことがある)とを備える。上記積層シート(2)は、第1の表面と、上記第1の表面とは反対側に第2の表面とを有する。上記積層シート(2)の上記第1の表面側に、上記炭素質基材が配置されている。上記積層シート(2)の上記第2の表面側に、上記色調調整層が配置されている。上記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有する。MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表す。上記色調調整層は、光透過性を有する。
本発明に係る積層シートにおいて、色調調整層が光透過性を有するとは、積層シートの第2の表面において、色調調整層を介して炭素質基材の表面が視認されることを意味する。本発明に係る積層シートにおいて、色調調整層が光透過性を有する場合に、積層シートの第2の表面において、色調調整層を介して炭素質基材の表面模様が視認されることが好ましく、色調調整層を介して炭素質基材の光沢感が視認されることが好ましい。
本発明に係る積層シートでは、上記の構成が備えられているので、炭素質基材自体の表面の意匠性を残しつつ、色彩を良好に付与することができる。
上記炭素質基材は、光沢感を有していたり、凹凸形状による表面模様を有していたりする。また、上記炭素質基材の表面は、一般的に黒色である。本発明に係る積層シートでは、炭素質基材が有する表面模様や光沢感を損なわず、色彩を良好に付与することができる。
本発明に係る積層シートに色彩が付与される機構は明らかではないが、(1)色調調整層が有する色彩による影響、(2)色調調整層による光の吸収による影響、及び(3)色調調整層により生じる光学干渉による影響等が関与していると考えられる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層シートを示す断面図である。
図1に係る積層シート1は、炭素質基材2と、第1の色調調整層3と、第2の色調調整層4とを備える。炭素質基材2と第1の色調調整層3との間に、第2の色調調整層4が配置されている。積層シートは、第1の色調調整層のみを備えていてもよく、第2の色調調整層を有していなくてもよい。
第1の色調調整層3は、光透過性を有する。
第2の色調調整層4は、光透過性を有することが好ましい。第2の色調調整層が光透過性を有するとは、積層シートの第2の表面において、第2の色調調整層を介して炭素質基材の表面が視認されることを意味する。第2の色調調整層が光透過性を有する場合に、積層シートの第2の表面において、第2の色調調整層を介して炭素質基材の表面模様が視認されることが好ましく、第2の色調調整層を介して炭素質基材の光沢感が視認されることが好ましい。
積層シート1は、第1の表面1aと、第1の表面1aとは反対側に第2の表面1bとを有する。
積層シート1の第1の表面1a側に炭素質基材2が配置されている。積層シート1の第2の表面1b側に第1の色調調整層3が配置されている。積層シート1の第2の表面1b側に第2の色調調整層4が配置されている。炭素質基材2と、第2の色調調整層4と、第1の色調調整層3とは、この順に並んで配置されている。
積層シート1は、1層の第1の色調調整層3と、1層の第2の色調調整層4とを備える。第1の色調調整層及び第2の色調調整層はそれぞれ、1層であってもよく、多層であってもよい。
以下、積層シートを構成する各層の詳細を説明する。
(炭素質基材)
上記炭素質基材は、上記積層シート中において、上記積層シートの上記第1の表面側に配置される。上記炭素質基材の材料は、炭素質材料であり、上記炭素質材料は、一般的に黒色である。上記炭素質材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。炭素質基材の形状は、平坦なシート状であってもよい。炭素質基材は、織物、又は編物であってもよい。炭素質基材の形状が平坦なシート状である場合、表面に模様が存在していてもよい。
炭素質基材の表面の意匠性を高める観点からは、上記炭素質材料は、炭素繊維であることが好ましい。上記炭素質基材は、炭素繊維基材であることが好ましい。
上記炭素繊維基材は、炭素繊維の織物、炭素繊維の編物、又は炭素繊維の不織布であることが好ましい。上記炭素繊維基材として、炭素繊維の織物、炭素繊維の編物、及び炭素繊維の不織布の内の1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記炭素繊維の目付量は、特に限定されないが、好ましくは50g/m以上、より好ましくは100g/m以上、好ましくは10000g/m以下、より好ましくは5000g/m以下である。
上記炭素繊維のフィラメント径は、特に限定されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。
上記炭素繊維の密度は、特に限定されないが、好ましくは1本/インチ以上、より好ましくは2本/インチ以上、好ましくは50本/インチ以下、より好ましくは20本/インチ以下である。
上記炭素質基材が炭素繊維の織物である場合、その織り方は、特に限定されないが、好ましくは平織又は綾織であり、より好ましくは綾織である。
上記炭素質基材が炭素繊維基材であると、特に上記炭素質基材が炭素繊維の織物、炭素繊維の編物、又は炭素繊維の不織布であると、凹凸形状、模様、及び光沢感等の炭素繊維が有する独特の意匠性を積層シートに付与できる。特定の色調調整層の形成により、該色調調整層が炭素繊維基材の表面に配置されても、独特の意匠性を視認することができる。また、上記炭素質材料が炭素繊維であると、軽量かつ強度に優れる積層シートを得ることができる。本発明の好ましい実施態様において、炭素質基材の凹凸形状及び模様を顕著に発現させる観点から、炭素繊維基材は、炭素繊維の織物又は炭素繊維の編物であることが好ましい。
本発明の一実施態様において、積層シートの強度を高める観点からは、上記炭素質材料は、炭素繊維強化プラスチックであってもよく、上記炭素質基材は、炭素繊維強化プラスチック基材であってもよい。上記炭素質基材が炭素繊維強化プラスチック基材であると、凹凸形状、模様、及び光沢感等の炭素繊維強化プラスチック基材が有する独特の意匠性を積層シートに付与できる。特定の色調調整層の形成により、該色調調整層が炭素繊維強化プラスチック基材の表面に配置されても、独特の意匠性を視認することができる。また、上記炭素質材料が炭素繊維強化プラスチックであると、軽量かつ強度に優れる積層シートを得ることができる。
(色調調整層)
上記色調調整層は、上記炭素質基材の表面上に配置される層である。上記色調調整層は、上記積層シート中において、上記積層シートの上記第2の表面側に配置される。また、上記色調調整層は、光透過性を有する層である。
積層シートは、上記色調調整層を第1の色調調整層として備え、上記炭素質基材と上記第1の色調調整層との間に、第2の色調調整層をさらに備えてもよい。
積層シートに色彩を良好に付与する観点からは、上記第1の色調調整層は、上記積層シートの上記第2の表面のJIS Z8102:2001における表面色の色名を、上記炭素質基材の表面のJIS Z8102:2001における表面色の色名とは異なるようにする性質を有することが好ましい。
上記第2の色調調整層が備えられる場合に、上記第1の色調調整層と上記第2の色調調整層との積層体は、上記積層シートの上記第2の表面のJIS Z8102:2001における表面色の色名を、上記炭素質基材の表面のJIS Z8102:2001における表面色の色名とは異なるようにする性質を有することが好ましい。この場合には、積層シートに色彩を良好に付与することができる。
JIS Z8102:2001では、表面色の色名について、269色が規定されている。
積層シートに色彩を良好に付与する観点からは、上記第1の色調調整層は、上記積層シートの上記第2の表面の可視光における分光反射率曲線を、上記炭素質基材の表面の可視光における分光反射率曲線とは異なるようにする性質を有することが好ましい。
上記第2の色調調整層が備えられる場合に、上記第1の色調調整層及び上記第2の色調調整層との積層体は、上記積層シートの上記第2の表面の可視光における分光反射率曲線を、上記炭素質基材の表面の可視光における分光反射率曲線とは異なるようにする性質を有することが好ましい。この場合には、積層シートに色彩を良好に付与することができる。
上記第1の色調調整層の光透過性(例えば可視光透過率)の低下を抑える観点からは、上記第1の色調調整層は、顔料を含まないことが好ましい。上記第1の色調調整層の光透過性(例えば可視光透過率)の低下を抑える観点からは、上記第1の色調調整層は、染料を含まないことが好ましい。顔料を含まない第1の色調調整層を形成したり、染料を含まない第1の色調調整層を形成したりすることにより、上記積層シートの上記第2の表面において、炭素質基材が有する凹凸形状、表面模様、及び光沢感等の独特の意匠性を効果的に損なわないようにすることができる。顔料及び染料の双方を含まない第1の色調調整層の形成により、上記積層シートの上記第2の表面において、炭素質基材が有する凹凸形状、表面模様、及び光沢感等の独特の意匠性をより一層効果的に損なわないようにすることができる。また、顔料及び染料の双方を含まない第1の色調調整層の形成により、炭素質基材と第1の色調調整層との密着性を高めることができる。
顔料を含む色調調整層及び染料を含む色調調整層では、一般的に、光透過性が低く、炭素質基材の表面が視認され難い。顔料を含む色調調整層及び染料を含む色調調整層では、一般的に光透過性が低く、炭素質基材の表面模様が視認され難い。
上記第1の色調調整層が顔料を含む場合に、第1の色調調整層100重量%中、上記顔料の含有量は、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。上記第1の色調調整層が染料を含む場合に、第1の色調調整層100重量%中、上記染料の含有量は、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。上記顔料又は上記染料の含有量が上記上限以下であると、炭素質基材が有する凹凸形状、表面模様、及び光沢感等の独特の意匠性を更により一層効果的に損なわないようにすることができ、また、炭素質基材と色調調整層との密着性をより一層高めることができる。
上記第1の色調調整層は、金属元素又は半金属元素を含むことが好ましい。この場合に、上記第1の色調調整層は、金属元素を含んでいてもよく、半金属元素を含んでいてもよく、金属元素と半金属元素との双方を含んでいてもよい。上記金属元素及び上記半金属元素はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
積層シートに色彩を良好に付与する観点からは、上記色調調整層は、MO又はMNを含む層を有することが好ましい。MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表す。MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表す。なお、MO及びMNにおいて、Oは酸素を表し、Nは窒素を表す。MOにおけるx、及びMNにおけるxはそれぞれ、0でもよく、0を超えてもよい。xが0の場合、MOを含む層は金属単体又は半金属単体を含む層を表す。xが0の場合、MNを含む層は金属単体又は半金属単体を含む層を表す。xが0を超える場合、MOを含む層は金属酸化物又は半金属酸化物を含む層を表す。xが0を超える場合、MNを含む層は金属窒化物又は半金属窒化物を含む層を表す。MO中のMがケイ素である場合に、xは、1未満の数を表すことが好ましい。MN中のMがケイ素である場合に、xは、4/3以下の数を表すことが好ましい。
第1の色調調整層は、MO及びMNの両方を含む層であってもよい。この場合、MO及びMNにおけるMは、それぞれ、同一の金属又は半金属であってもよく、異なる金属又は半金属であってもよい。MO及びMNにおける2つのMは、同一の金属又は半金属であってもよく、異なる金属又は半金属であってもよい。また、MO及びMNにおけるxは、それぞれ、同一の数であってもよく、異なる数であってもよい。MO及びMNにおける2つのxは、同一の数であってもよく、異なる数であってもよい。
第1の色調調整層は、MOを含む層であってもよい。この場合、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつ、x及びyは、xが0より大きく、yが0より大きく、x+yがn/2未満を満たす数を表す。xとyは同一の数であってもよく、異なる数であってもよい。MOを含む層は金属酸窒化物又は半金属酸窒化物を含む層を表す。
第1の色調調整層は、MO及びMOの両方を含む層であってもよく、MN及びMOの両方を含む層であってもよく、MO、MN、及びMOの全てを含む層であってもよい。この場合、MO、MN、及びMOにおけるMは、それぞれ、同一の金属又は半金属であってもよく、異なる金属又は半金属であってもよい。MO、MN、及びMOにおける3つのMは、同一の金属又は半金属であってもよく、異なる金属又は半金属であってもよい。また、MO、MN、及びMOにおけるxは、それぞれ、同一の数であってもよく、異なる数であってもよい。MO、MN、及びMOにおける3つのxは、同一の数であってもよく、異なる数であってもよい。
酸素原子の価数に関しては、例えばMO又はMOを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MO又はMOを含む層の断面の面積当たりのMとOとの元素比率からxを算出することにより、酸素原子の価数を算出することができる。
窒素原子の価数に関しては、例えばMN又はMOを含む層の断面を、FE−TEM−EDX(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により元素分析し、MN又はMOを含む層の断面の面積当たりのMとNとの元素比率からx又はyを算出することにより、窒素原子の価数を算出することができる。
積層シートに色彩をより一層良好に付与する観点からは、上記第1の色調調整層は、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムを含むことが好ましい。上記第1の色調調整層は、これらの金属元素又は半金属元素を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。積層シートに色彩を更により一層良好に付与する観点からは、上記第1の色調調整層は、ケイ素を含むことが好ましい。
積層シートに色彩をより一層良好に付与する観点からは、上記第1の色調調整層中のMOにおけるM、MNにおけるM、及びMOにおけるMはそれぞれ、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムであることがより好ましい。MOにおけるM、MNにおけるM、及びMOにおけるMはそれぞれ、これらの金属元素又は半金属元素を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。積層シートに色彩を更により一層良好に付与する観点からは、MOにおけるM、MNにおけるM、及びMOにおけるMはそれぞれ、ケイ素であることが好ましい。
上記第1の色調調整層と炭素質基材との間には、第2の色調調整層が存在してもよい。
上記第2の色調調整層が備えられる場合に、上記第2の色調調整層の光透過性(例えば可視光透過率)の低下を抑える観点からは、上記第2の色調調整層は、顔料を含まないことが好ましい。上記第2の色調調整層の光透過性(例えば可視光透過率)の低下を抑える観点からは、上記第2の色調調整層は、染料を含まないことが好ましい。顔料を含まない第2の色調調整層を形成したり、染料を含まない第2の色調調整層を形成したりすることにより、上記積層シートの上記第2の表面において、炭素質基材が有する凹凸形状、表面模様、及び光沢感等の独特の意匠性を効果的に損なわないようにすることができる。顔料及び染料の双方を含まない第2の色調調整層の形成により、上記積層シートの上記第2の表面において、炭素質基材が有する凹凸形状、表面模様、及び光沢感等の独特の意匠性をより一層効果的に損なわないようにすることができる。また、顔料及び染料の双方を含まない第2の色調調整層の形成により、炭素質基材と第2の色調調整層との密着性を高めることができる。
上記第2の色調調整層が顔料を含む場合に、第2の色調調整層100重量%中、上記顔料の含有量は、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。上記第2の色調調整層が染料を含む場合に、第2の色調調整層100重量%中、上記染料の含有量は、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。上記顔料又は上記染料の含有量が上記上限以下であると、炭素質基材が有する凹凸形状、表面模様、及び光沢感等の独特の意匠性を更により一層効果的に損なわないようにすることができ、また、炭素質基材と第2の色調調整層との密着性をより一層高めることができる。
積層シートの上記第2の表面の色調を、上記炭素質基材の表面の色調と効果的に異ならせる観点からは、上記第1の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素と、上記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素とが異なることが好ましい。
積層シートに特定の表面色を付与する観点からは、上記第2の色調調整層は、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムを含むことが好ましい。上記第2の色調調整層は、これらの金属元素又は半金属元素を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。積層シートに良好にメタリック色(金属光沢色)を付与する観点からは、上記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ゲルマニウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムであることが好ましく、チタンであることがより好ましい。
積層シートに色彩をより一層良好に付与する観点からは、上記色調調整層(第1の色調調整層)に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素がケイ素であることが好ましい。
上記色調調整層(第1の色調調整層)に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ケイ素であり、上記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ゲルマニウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムであることが好ましい。この場合には、積層シートに色彩をより一層良好に付与することができる。
上記第1の色調調整層の可視光透過率は、好ましくは5%以上、より好ましくは8%以上、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下である。上記第1の色調調整層の可視光透過率が上記下限以上及び上記上限以下であると、炭素質基材が有する凹凸形状や光沢感が損なわれにくい。
上記第2の色調調整層の可視光透過率は、好ましくは5%以上、より好ましくは8%以上、好ましくは100%以下、より好ましくは90%以下である。上記第2の色調調整層の可視光透過率が上記下限以上及び上記上限以下であると、炭素質基材が有する凹凸形状や光沢感が損なわれにくい。
上記可視光透過率は、380nm〜780nmの波長範囲における透過率を5nm間隔で測定した場合に得られる測定値の平均値である。可視光透過率は、例えば分光光度計(例えば日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて測定することができる。なお、検出器としては積分球を用いることができる。
上記可視光透過率は、上記積層シートの上記第1の色調調整層又は上記第2の色調調整層と同等の平均厚みを有する第1の色調調整層又は第2の色調調整層をそれぞれ作製して、測定されてもよい。
上記第1の色調調整層及び上記第2の色調調整層のそれぞれの形成方法としては、スパッタリング(反応性スパッタリング法、RFスパッタリング法)、及び蒸着法(プラズマ蒸着法等、真空蒸着法(EB蒸着法、イオンプレーティング法、IAD法))等が挙げられる。炭素質基材が有する凹凸形状や光沢感等の意匠性をより一層損なわれにくくする観点からは、上記第1の色調調整層及び上記第2の色調調整層はそれぞれ、スパッタリングにより形成されていることが好ましく、スパッタリング膜であることが好ましい。
上記色調調整層がMO、MN、又はMOを含む場合、上記x及びyは、製造条件によって、調整することができる。例えば、スパッタリングにより色調調整層を形成する場合、チャンバー中の酸素や窒素の分圧を適宜調整することにより、上記x及びyを調整することができる。
上記第1の色調調整層及び上記第2の色調調整層の平均厚みを変化させることで、上記第1の色調調整層及び上記第2の色調調整層の可視光透過率を変化させたり、積層シートの第2の表面の色調を様々な色に変化させたりすることができる。
上記色調調整層の上記炭素質基材側とは反対側の表面は、平坦ではないことが好ましい。上記色調調整層の上記炭素質基材側とは反対側の表面は、凹凸を有することが好ましい。上記積層シートは、上記色調調整層の上記炭素質基材側とは反対側の表面に、上記炭素質基材の該色調調整層側の表面の凹凸に対応した凹凸を有することが好ましい。このような色調調整層の凹凸は、スパッタリング等によって形成することができる。一方で、炭素質基材上に、染料を含む塗料又は顔料を含む塗料を塗布して色調調整層を形成した場合には、通常、色調調整層の表面は平坦になる。
上記第1の色調調整層の平均厚みは、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは7nm以上、特に好ましくは10nm以上、最も好ましくは13nm以上である。上記第1の色調調整層の平均厚みは、好ましくは200nm以下、より好ましくは190nm以下、更に好ましくは180nm以下、特に好ましくは170nm以下、最も好ましくは150nm以下である。上記第1の色調調整層の平均厚みが上記下限以上であると、積層シートに色彩を良好に付与できる。上記第1の色調調整層の平均厚みが上記上限以下であると、炭素質基材が有する凹凸形状や光沢感等の意匠性が損なわれにくい。また、上記第1の色調調整層の平均厚みが上記上限以下であると、炭素質基材が有する透湿性、表面粗さ、屈折性、含水率等が損なわれにくい。
上記炭素質基材と上記第1の色調調整層との間に上記第2の色調調整層が存在する場合、上記第2の色調調整層の平均厚みは、好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは7nm以上、特に好ましくは10nm以上、最も好ましくは13nm以上である。上記第2の色調調整層の平均厚みは、好ましくは200nm以下、より好ましくは190nm以下、更に好ましくは180nm以下、特に好ましくは170nm以下、最も好ましくは150nm以下である。上記第2の色調調整層の平均厚みが上記下限以上であると、積層シートに色彩を良好に付与できる。上記第2の色調調整層の平均厚みが上記上限以下であると、炭素質基材が有する凹凸形状や光沢感等の意匠性が損なわれにくい。また、上記第2の色調調整層の平均厚みが上記上限以下であると、炭素質基材が有する透湿性、表面粗さ、屈折性、含水率等が損なわれにくい。
上記平均厚みは、例えば第1の色調調整層及び第2の色調調整層のそれぞれを、FE−TEM(例えば、日本電子社製「JEM−ARM200F」)により断面観察することで測定することができる。FE−TEMにより得られた断面TEM像から、各点の距離を100nm以上離した任意の5点以上を選択し、各点において測定した厚みの平均値を平均厚みとする。
積層シートに色彩を良好に付与する観点からは、積層シートの上記第2の表面と、上記炭素質基材の表面との、JIS Z8781−4:2013に準拠して測定されるL表色系における色差ΔEabは、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上である。積層シートの上記第2の表面と、上記炭素質基材の表面との、上記色差ΔEabは、50以下であってもよい。
積層シートに色彩を良好に付与する観点からは、JIS Z8781−4:2013に準拠して測定されるL表色系における明度Lの測定において、積層シートの上記第2の表面の明度Lが、上記炭素質基材の表面の明度Lよりも、5以上高いことが好ましく、6以上高いことがより好ましく、7以上高いことが更に好ましい。積層シートの上記第2の表面の明度Lと、上記炭素質基材の表面の明度Lとは、50以下で異なっていてもよい。
炭素質基材の表面の色差ΔEab、明度L、及び可視光反射率を測定する際には、色調調整層が配置される前の炭素質基材を用いてもよい。炭素質基材の両側の表面が同じである場合に、炭素質基材の色調調整層側とは反対側の表面にて測定が行われてもよい。
積層シートに色彩を良好に付与する観点からは、積層シートの上記第2の表面の可視光透過率と、上記炭素質基材の表面の可視光反射率とは、1%以上異なることが好ましく、2%以上異なることがより好ましい。積層シートの上記第2の表面の可視光透過率と、上記炭素質基材の表面の可視光反射率との差は、50%以下であってもよい。
上記可視光反射率は、例えば分光光度計(例えば日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて測定することができる。なお、検出器としては積分球を用いることができる。
上記積層シートの第2の表面上には、光透過性を有する層が更に積層されていてもよい。
[コーティング繊維]
本発明に係るコーティング繊維は、炭素質繊維と、該炭素質繊維の表面上に配置されている色調調整層とを備える。本発明に係るコーティング繊維では、上記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有し、MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表す。本発明に係るコーティング繊維では、上記色調調整層は、光透過性を有する。
本発明に係るコーティング繊維において、色調調整層が光透過性を有するとは、色調調整層を介して炭素質繊維の表面が視認されることを意味する。
上記コーティング繊維は、繊維状である。上記コーティング繊維は、シート状ではない。
上記炭素質繊維としては、炭素繊維等が挙げられる。
上記コーティング繊維における上記炭素繊維は、本明細書の[積層シート]の項目に記載した炭素繊維であることが好ましい。
上記コーティング繊維における上記色調調整層は、本明細書の[積層シート]の項目に記載した色調調整層であることが好ましい。
上記コーティング繊維は、上記色調調整層を第1の色調調整層として備え、上記炭素質繊維と上記第1の色調調整層との間に、第2の色調調整層をさらに備えてもよい。
上記コーティング繊維における上記第2の色調調整層は、本明細書の[積層シート]の項目に記載した第2の色調調整層であることが好ましい。
上記第1の色調調整層は、半金属元素を含む層(半金属層)であることが好ましい。上記第2の色調調整層は、金属元素を含む層(金属層)であることが好ましい。
上記コーティング繊維は、色調調整層(第1の色調調整層)の炭素質繊維側とは反対の表面上に、金属酸化物を含む層(金属酸化物層)を有することが好ましい。上記金属酸化物層は、上記コーティング繊維の最外層であることが好ましい。
上記炭素質繊維の表面積100%中、上記色調調整層(第1の色調調整層、半金属層)で覆われている部分の表面積は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、より一層好ましくは70%以上であり、好ましくは100%以下である。
上記炭素質繊維の表面積100%中、上記第2の色調調整層(金属層)で覆われている部分の表面積は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、より一層好ましくは70%以上であり、好ましくは100%以下である。
上記炭素質繊維の表面上に上記第1の色調調整層及び上記第2の色調調整層のそれぞれを形成する方法としては、本明細書の[積層シート]の項目に記載した形成方法であることが好ましい。
[コーティング繊維束]
本発明に係るコーティング繊維束は、複数の繊維を有し、上記繊維が上述したコーティング繊維を含む。
上記コーティング繊維束は、複数の繊維を有する限り、特に限定されない。上記コーティング繊維束は、上記コーティング繊維以外の繊維を有していてもよい。上記コーティング繊維束では、複数の上記繊維のうち、少なくとも1つが上記コーティング繊維である。
上記コーティング繊維束を構成する繊維の本数は、好ましくは5本以上、より好ましくは10本以上、更に好ましくは20本以上、特に好ましくは50本以上、最も好ましくは1000本以上である。上記コーティング繊維束を構成する繊維の本数は、好ましくは50000本以下、より好ましくは20000本以下、更に好ましくは5000本以下、特に好ましくは2000本以下である。
上記コーティング繊維束を構成する上記コーティング繊維の本数は、好ましくは5本以上、より好ましくは10本以上、更に好ましくは20本以上、特に好ましくは50本以上、最も好ましくは1000本以上である。上記コーティング繊維束を構成する上記コーティング繊維の本数は、好ましくは50000本以下、より好ましくは20000本以下、更に好ましくは5000本以下、特に好ましくは2000本以下である。
上記コーティング繊維以外の繊維としては、ガラス繊維(例えばグラスウール及びグラスファイバー等)、鉱物繊維(例えば温石綿、白石綿、青石綿、茶石綿、直閃石綿、透角閃石綿及び陽起石綿等)、人造鉱物繊維(例えばロックウール及びセラミックファイバー等)、金属繊維(例えば、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、鉄繊維、ニッケル繊維及び銅繊維等)等の無機繊維;合成繊維(例えばナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維及びポリウレタン繊維等)、再生繊維(例えばレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル及びアセテート等)、植物繊維(例えば綿繊維、麻繊維、亜麻繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維及びアセテート繊維等)、動物繊維(例えば羊毛、絹、天蚕糸、モヘヤ、カシミア、キャメル、ラマ、アルパカ、ビキューナ、アンゴラ及び蜘蛛糸等)等の有機繊維等が挙げられる。
本発明に係るコーティング繊維又は本発明に係るコーティング繊維束は、本発明に係る積層シートの材料であってもよい。本発明に係るコーティング繊維又は本発明に係るコーティング繊維束をシート状に成形することによって、本発明に係る積層シートを得ることができる。本発明に係るコーティング繊維及び本発明に係るコーティング繊維束は、鮮やかな色彩を有しながらも、光沢を有するので、本発明に係る積層シートの材料として、好適に用いられる。
[複合材料]
本発明に係る複合材料は、(1)上述した積層シートと、樹脂とを含むか、(2)上述したコーティング繊維と、樹脂とを含むか、(3)上述したコーティング繊維束と、樹脂とを含む。
上記樹脂としては、特に制限されず、従来公知の樹脂を用いることができる。上記樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン)、ポリフェニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、及びポリ塩化ビニール等が挙げられる。上記樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記複合材料100重量%中、上記樹脂の含有量は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは8重量%以上、好ましくは99重量%以下、より好ましくは90重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。
上記複合材料は、炭素繊維強化プラスチックを含むことが好ましい。
上記複合材料は、常法にしたがって製造することができる。
上記複合材料は、自動車、航空機、スポーツ関連製品(ゴルフシャフト、テニスラケット、バドミントンラケット、釣り竿、スキー板、スノーボード、バット、アーチェリー、自転車、ボート、カヌー、ヨット及びウィンドサーフィン等)、医療器具、建築部材、電気機器(パソコン等の筐体及びスピーカーコーン)等の材料として、好適に用いることができる。上記スポーツ関連製品としては、ゴルフシャフト、テニスラケット、バドミントンラケット、釣り竿、スキー板、スノーボード、バット、アーチェリー、自転車、ボート、カヌー、ヨット及びウィンドサーフィン等が挙げられる。上記電気機器としては、パソコン等の筐体及びスピーカーコーン等が挙げられる。
本発明の一態様においては、自動車用内外装材として、好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
炭素質基材として、炭素繊維(目付量200g/m、フィラメント径7μm、密度12.5本/インチ)が綾織で織られた織物である炭素繊維基材(三菱ケミカル社製「TR3523 M」、厚さ0.21mm)を用いた。炭素質基材を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、炭素質基材の表面上に、第1の色調調整層としてSiO0.5層(平均厚み15nm)を形成して、積層シートを得た。
(実施例2)
第2の色調調整層の形成:
実施例1における炭素質基材を用意した。炭素質基材を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、炭素質基材の表面上に、第2の色調調整層としてTi層(平均厚み30nm)を形成して、炭素質基材と第2の色調調整層との積層体を得た。
第1の色調調整層の形成:
炭素質基材と第2の色調調整層との積層体を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、第2の色調調整層の炭素質基材側とは反対の表面上に、第1の色調調整層としてSiO0.5層(平均厚み35nm)を形成して、積層シートを得た。
(実施例3〜8)
第1の色調調整層(SiO0.5層)の厚みを、表1に示すように変更したこと以外は、実施例2と同様にして、積層シートを得た。
(実施例9)
実施例1における炭素質基材を用意した。この基材の表面上に、実施例1と同様にして、第1の色調調整層としてTiO0.1層(平均厚み30nm)を形成して、積層シートを得た。実施例9では、第2の色調調整層を形成しなかった。
(比較例1)
実施例1における炭素質基材(三菱ケミカル社製「TR3523 M」、厚さ0.21mm)を、比較例1の評価対象とした。比較例1では、第1の色調調整層及び第2の色調調整層の双方を形成しなかった。
(比較例2)
実施例1における炭素質基材を用意した。この炭素質基材の一方の面に、青色顔料を含む塗料を塗布して、着色層(光透過性を有しない色調調整層、平均厚み15μm)を形成し、第2の表面側に着色層が配置されている積層シートを得た。なお、比較例2の着色層(光透過性を有しない色調調整層)の可視光透過率は、1%未満であった。着色層は、光透過性を有していなかった。
(比較例3)
実施例1における炭素質基材を用意した。この炭素質基材の一方の面に、赤色染料(Pigment Red 254)を含む塗料を塗布して、着色層(光透過性を有しない色調調整層、平均厚み10μm)を形成し、第2の表面側に着色層が配置されている積層シートを得た。なお、比較例3の着色層(光透過性を有しない色調調整層)の可視光透過率は、1%未満であった。着色層は、光透過性を有していなかった。
(評価)
(1)色差
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、JIS Z8781−4:2013に準拠して、積層シート(実施例1〜9及び比較例2,3)の第2の表面、及び炭素質基材(比較例1)の表面のL表色系におけるL、a、bを求めた。
比較例1の炭素質基材の表面は、積層シート(実施例1〜9及び比較例2,3)における炭素質基材の表面に相当する。
、a、bから、JIS Z8781−4:2013に準拠して、積層シートの第2の表面と積層シートの炭素質基材の表面とのL表色系における色差ΔEabを求めた。
(2)Lの差
上記(1)の測定において、明度Lを評価した。JIS Z8781−4:2013に準拠して、積層シートの第2の表面の明度Lと積層シートの炭素質基材の表面の明度Lとの差を求めた。
比較例1の炭素質基材の表面は、積層シート(実施例1〜9及び比較例2,3)における炭素質基材の表面に相当する。
(3)可視光反射率の差
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、積層シート(実施例1〜9及び比較例2,3)の第2の表面、及び炭素質基材(比較例1)の表面の可視光反射率を求めた。
比較例1の炭素質基材の表面は、積層シート(実施例1〜9及び比較例2,3)における炭素質基材の表面に相当する。
積層シートの第2の表面の可視光反射率と、炭素質基材の表面の可視光反射率との差を求めた。
上記可視光反射率は、反射した光線をすべて積分球に受光するよう積分球の開口部に、色調調整層を平行にかつ密着させ、380nm〜780nmの波長範囲における反射率を5nm間隔で測定した。上記測定範囲の平均値を可視光反射率とし、積層シートの第2の表面の可視光反射率と積層シートの炭素質基材の表面との可視光反射率との差を求めた。
(4)色目(JIS分類)
積層シートの第2の表面(実施例1〜9及び比較例2,3)、及び炭素質基材の表面(比較例1)の色目を目視にて確認した。色目は、JIS Z8102:2001に準拠して、分類した。
(5)凹凸形状及び表面模様
積層シートの第2の表面(実施例1〜9及び比較例2,3)を観察したときに、炭素質基材に用いた炭素繊維が有する凹凸形状が損なわれていないか及び表面模様が視認されるか、目視にて確認した。
[凹凸形状の判定基準]
○:凹凸形状が損なわれていない
×:凹凸形状が損なわれている
[表面模様の判定基準]
○:表面模様が視認される
×:表面模様が視認されない
(6)光沢感
積層シート(実施例1〜9及び比較例2,3)の第2の表面、及び炭素質基材(比較例1)の表面を観察したときに、炭素質基材に用いた炭素繊維が有する光沢感が損なわれていないか、目視にて確認した。
[光沢感の判定基準]
○:光沢感がある
×:光沢感がない
(7)可視光透過率
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、第1の色調調整層(実施例1〜9及び比較例2,3)の可視光透過率を求めた。
上記可視光透過率は透過した光線をすべて積分球に受光するよう積分球の開口部に、第1の色調調整層を平行にかつ密着させ、380nm〜780nmの波長範囲における透過率を5nm間隔で測定した。上記測定範囲の平均値を可視光透過率とした。
なお、第1の色調調整層として、PETフィルム(東レ社製「ルミラーU34、厚み50um」)上に成膜した層を用いて、評価を実施した。
(8)密着性
積層シート(実施例1〜9及び比較例2,3)の第2の表面に幅15mm、長さ30mmの粘着テープ(積水化学工業製「セキスイセロテープNo252」)を貼り、2kgの圧着ローラーを一往復させ、貼り合わせたのち、粘着テープを剥がした。剥がした粘着テープに第1の色調調整層又は第2の色調調整層が付着しているか否かを確認した。
〔密着性の判定基準〕
○:粘着テープに第1の色調調整層又は第2の色調調整層が付着していない
×:粘着テープに第1の色調調整層又は第2の色調調整層が付着している
積層シートの構成及び結果を下記の表1,2に示す。
Figure 2019031081
Figure 2019031081
1…積層シート
1a…第1の表面
1b…第2の表面
2…炭素質基材
3…第1の色調調整層
4…第2の色調調整層
参考例1)
炭素質基材として、炭素繊維(目付量200g/m、フィラメント径7μm、密度12.5本/インチ)が綾織で織られた織物である炭素繊維基材(三菱ケミカル社製「TR3523 M」、厚さ0.21mm)を用いた。炭素質基材を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、炭素質基材の表面上に、第1の色調調整層としてSiO0.5層(平均厚み15nm)を形成して、積層シートを得た。
(実施例2)
第2の色調調整層の形成:
参考例1における炭素質基材を用意した。炭素質基材を真空装置内に設置し、5.0×10−4Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、炭素質基材の表面上に、第2の色調調整層としてTi層(平均厚み30nm)を形成して、炭素質基材と第2の色調調整層との積層体を得た。
参考例9)
参考例1における炭素質基材を用意した。この基材の表面上に、参考例1と同様にして、第1の色調調整層としてTiO0.1層(平均厚み30nm)を形成して、積層シートを得た。参考例9では、第2の色調調整層を形成しなかった。
(比較例1)
参考例1における炭素質基材(三菱ケミカル社製「TR3523 M」、厚さ0.21mm)を、比較例1の評価対象とした。比較例1では、第1の色調調整層及び第2の色調調整層の双方を形成しなかった。
(比較例2)
参考例1における炭素質基材を用意した。この炭素質基材の一方の面に、青色顔料を含む塗料を塗布して、着色層(光透過性を有しない色調調整層、平均厚み15μm)を形成し、第2の表面側に着色層が配置されている積層シートを得た。なお、比較例2の着色層(光透過性を有しない色調調整層)の可視光透過率は、1%未満であった。着色層は、光透過性を有していなかった。
(比較例3)
参考例1における炭素質基材を用意した。この炭素質基材の一方の面に、赤色染料(Pigment Red 254)を含む塗料を塗布して、着色層(光透過性を有しない色調調整層、平均厚み10μm)を形成し、第2の表面側に着色層が配置されている積層シートを得た。なお、比較例3の着色層(光透過性を有しない色調調整層)の可視光透過率は、1%未満であった。着色層は、光透過性を有していなかった。
(評価)
(1)色差
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、JIS Z8781−4:2013に準拠して、積層シート(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)の第2の表面、及び炭素質基材(比較例1)の表面のL表色系におけるL、a、bを求めた。
比較例1の炭素質基材の表面は、積層シート(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)における炭素質基材の表面に相当する。
比較例1の炭素質基材の表面は、積層シート(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)における炭素質基材の表面に相当する。
(3)可視光反射率の差
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、積層シート(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)の第2の表面、及び炭素質基材(比較例1)の表面の可視光反射率を求めた。
比較例1の炭素質基材の表面は、積層シート(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)における炭素質基材の表面に相当する。
(4)色目(JIS分類)
積層シートの第2の表面(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)、及び炭素質基材の表面(比較例1)の色目を目視にて確認した。色目は、JIS Z8102:2001に準拠して、分類した。
(5)凹凸形状及び表面模様
積層シートの第2の表面(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)を観察したときに、炭素質基材に用いた炭素繊維が有する凹凸形状が損なわれていないか及び表面模様が視認されるか、目視にて確認した。
(6)光沢感
積層シート(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)の第2の表面、及び炭素質基材(比較例1)の表面を観察したときに、炭素質基材に用いた炭素繊維が有する光沢感が損なわれていないか、目視にて確認した。
(7)可視光透過率
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、第1の色調調整層(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)の可視光透過率を求めた。
(8)密着性
積層シート(参考例1、実施例2〜8、参考例9及び比較例2,3)の第2の表面に幅15mm、長さ30mmの粘着テープ(積水化学工業製「セキスイセロテープNo252」)を貼り、2kgの圧着ローラーを一往復させ、貼り合わせたのち、粘着テープを剥がした。剥がした粘着テープに第1の色調調整層又は第2の色調調整層が付着しているか否かを確認した。
Figure 2019031081
Figure 2019031081

Claims (17)

  1. 炭素質基材と、該炭素質基材の表面上に配置されている色調調整層とを備える積層シートであり、
    前記積層シートは、第1の表面と、該第1の表面とは反対側に第2の表面とを有し、
    前記積層シートの前記第1の表面側に前記炭素質基材が配置されており、前記積層シートの前記第2の表面側に前記色調調整層が配置されており、
    前記色調調整層は、前記積層シートの前記第2の表面の色調を、前記炭素質基材の表面の色調とは異なるようにする性質を有する層であり、
    前記色調調整層は、光透過性を有する、積層シート。
  2. 前記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有し、
    MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、
    MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表す、請求項1に記載の積層シート。
  3. 炭素質基材と、該炭素質基材の表面上に配置されている色調調整層とを備える積層シートであり、
    前記積層シートは、第1の表面と、該第1の表面とは反対側に第2の表面とを有し、
    前記積層シートの前記第1の表面側に前記炭素質基材が配置されており、前記積層シートの前記第2の表面側に前記色調調整層が配置されており、
    前記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有し、
    MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、
    MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表し、
    前記色調調整層は、光透過性を有する、積層シート。
  4. 前記色調調整層は顔料を含まず、かつ、前記色調調整層は染料を含まない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
  5. 前記炭素質基材は炭素繊維基材である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層シート。
  6. MOにおけるM及びMNにおけるMはそれぞれ、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである、請求項2〜5のいずれか1項に記載の積層シート。
  7. 前記色調調整層の平均厚みが1nm以上200nm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層シート。
  8. 前記色調調整層の可視光透過率が8%以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層シート。
  9. 前記積層シートの前記第2の表面と、前記炭素質基材の表面との、JIS Z8781−4:2013に準拠して測定されるL表色系における色差ΔEabが10以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層シート。
  10. JIS Z8781−4:2013に準拠したL表色系における明度の測定において、前記積層シートの前記第2の表面の明度Lが、前記炭素質基材の表面の明度Lよりも5以上高い、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層シート。
  11. 前記色調調整層を第1の色調調整層として備え、
    前記炭素質基材と前記第1の色調調整層との間に、第2の色調調整層をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層シート。
  12. 前記第1の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ケイ素であり、
    前記第2の色調調整層に最も多く含まれる金属元素又は半金属元素が、ゲルマニウム、亜鉛、銀、金、チタン、アルミニウム、スズ、銅、鉄、モリブデン、ニオブ、又はインジウムである、請求項11に記載の積層シート。
  13. 炭素質繊維と、該炭素質繊維の表面上に配置されている色調調整層とを備えるコーティング繊維であり、
    前記色調調整層は、MO、又はMNを含む層を有し、
    MOの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/2未満の数を表し、
    MNの場合には、Mはn価の金属又は半金属を表し、かつxは0以上n/3未満の数を表し、
    前記色調調整層は、光透過性を有する、コーティング繊維。
  14. 複数の繊維を有し、
    前記繊維が請求項13に記載のコーティング繊維を含む、コーティング繊維束。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層シートと、
    樹脂とを含む、複合材料。
  16. 請求項13に記載のコーティング繊維と、
    樹脂とを含む、複合材料。
  17. 請求項14に記載のコーティング繊維束と、
    樹脂とを含む、複合材料。
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JPS63282367A (ja) * 1987-05-11 1988-11-18 東レ株式会社 補強織物
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