JP2019031079A - 積層体 - Google Patents

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哲郎 澤田石
Tetsuro Sawadaishi
哲郎 澤田石
淳司 久世
Junji Kuze
淳司 久世
健史 小山
Takeshi Koyama
健史 小山
勝紀 武藤
Katsunori Muto
勝紀 武藤
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Abstract

【課題】高周波数の電磁波透過性が良好であり、インジウム独特の金属光沢があり、かつ劣化しにくい積層体を提供する。【解決手段】本発明に係る積層体は、基材と、該基材の少なくとも一方の表面上に配置された金属層とを備え、前記金属層は、インジウムと、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属とを含み、前記金属層の厚みが、200nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、基材と金属層とを備える積層体に関する。
携帯電話の筐体、電波時計の筐体、及び自動車のフロントグリル等に、意匠性を高めるために、金属光沢を有する外装材が設けられることがある。
上記外装材では、上記携帯電話における電波の送受信、上記電波時計における標準電波の受信、及び上記自動車における障害物の探知や車間距離の測定のために、電磁波が良好に透過する必要がある。
電磁波を良好に透過し、かつ金属光沢に優れることから、外装材として、インジウムを含む外装材が用いられることがある。インジウムは、一般的に、独特の金属光沢を有する。
上記外装材の一例が、下記の特許文献1に開示されている。下記の特許文献1には、基体シート上に、第一金属光沢膜層と第二金属光沢膜層とが重ならないように形成された加飾シート(積層体)が開示されている。上記第一金属光沢膜層と上記第二金属光沢膜層とは、インジウムとアルミニウムとから形成されていてよい。
特開2009−006613号公報
日本においては、第4世代移動通信システム(4G)から、第5世代移動通信システム(5G)への移行に伴い、現在用いられている電磁波よりも、高い周波数の電磁波(高周波数の電磁波)が用いられることとなる。日本以外の国でも、高周波数の電磁波の使用の可能性が高まっている。高周波数の電磁波は、直進性が高い電磁波であるものの、減衰しやすい電磁波でもある。
特許文献1に記載の加飾シート(積層体)では、高周波数の電磁波の透過性が低いことがある。また、特許文献1に記載の加飾シート(積層体)では、金属光沢をある程度良好に付与することができるものの、インジウム独特の金属光沢がないことがある。さらに、特許文献1に記載の加飾シート(積層体)では、積層体が劣化しやすいことがある。
本発明の目的は、高周波数の電磁波透過性が良好であり、インジウム独特の金属光沢があり、かつ劣化しにくい積層体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、基材と、該基材の少なくとも一方の表面上に配置された金属層とを備え、前記金属層は、インジウムと、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属とを含み、前記金属層の厚みが、200nm以下である、積層体が提供される。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である前記金属が、スズ、鉛、亜鉛、又はビスマスである。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記金属層100重量%中、前記インジウムの含有量が25重量%以上95重量%以下であり、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である前記金属の含有量が5重量%以上75重量%以下である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記金属層の厚みが、5nm以上100nm以下である。
本発明に係る積層体は、電波送信部、電波受信部、又は電波送受信部を有する物体において、外装材として好適に用いられる。
本発明によれば、高周波数の電磁波透過性が良好であり、インジウム独特の金属光沢があり、かつ劣化しにくい積層体を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層体を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る積層体は、基材と、該基材の少なくとも一方の表面上に配置された金属層とを備える。上記金属層は、インジウムと、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属を含む。上記金属層の厚みは、200nm以下である。
本発明に係る積層体では、高周波数の電磁波透過性が良好であり、インジウム独特の金属光沢があり、かつ劣化しにくい。
高周波数の電磁波透過性が良好であるので、本発明に係る積層体は、例えば、電磁波を通過させたい部分に好適に用いることができる。インジウム独特の金属光沢があるので、本発明に係る積層体は、露出した状態で好適に用いることができ、視認可能な部分に好適に用いることができ、外装材として好適に用いることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層シートを示す断面図である。
図1に係る積層体1は、基材2と、金属層3とを備える。金属層3は、基材2の一方の表面上に配置されている。積層体1では、金属層3側の表面にて、インジウム独特の金属光沢がある。
本発明に係る積層体では、積層体1に示すように、金属層3が、基材2の一方の表面上に配置されてもよい。本発明に係る積層体では、上記金属層が、基材の第1の表面上と、基材の上記第1の表面とは反対の第2の表面上とに配置されてもよい。本発明に係る積層体は、上記金属層として、基材の第1の表面上に配置された第1の金属層と、基材の上記第1の表面とは反対の第2の表面上に配置された第2の金属層とを備えていてもよい。
以下、本発明に係る積層体の詳細を更に説明する。
(基材)
上記基材は、高周波数の電磁波透過性を有する材料により構成されていることが好ましい。上記基材の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記基材の材料としては、有機材料、及び無機材料等が挙げられる。柔軟性及び加工性を高める観点からは、上記基材の材料は、有機材料であることが好ましい。
上記有機材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン;環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン;ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66等のポリアミド;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート等のポリエステル;ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂;スチレン化合物、ポリオレフィン化合物、ポリ塩化ビニル化合物、ポリウレタン化合物、ポリエステル化合物、ポリアミド化合物、ポリブタジエン化合物、トランスポリイソプレン化合物、フッ素ゴム化合物、塩素化ポリエチレン化合物等の熱可塑性エラストマー;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、ジエン系ゴムの水素添加物;エチレン・プロピレン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体等の飽和ポリオレフィンゴム;エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、α−オレフィン−ジエン共重合体、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ポリエーテル系ゴム、及びアクリルゴム等が挙げられる。
上記無機材料としては、例えば、珪酸塩ガラス、石英ガラス等のガラス;Al、BeO、MgO、ZrO及びCr等の金属酸化物;AlN、Si及びTiN等の金属窒化物;TiC等の金属炭化物;MoB及びTiB等の金属ホウ化物;並びに、MoSi及びWSi等の金属ケイ化物等が挙げられる。
上記基材は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、防曇剤、可塑剤、顔料、近赤外吸収剤、帯電防止剤、又は着色剤等を含んでいてもよい。上記基材は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、防曇剤、可塑剤、顔料、近赤外吸収剤、帯電防止剤、及び着色剤の内の1種のみを含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
上記基材は、シート状であってもよい。シートには、フィルムが含まれる。
上記基材の厚みは、好ましくは2μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、好ましくは5000μm以下、より好ましくは1000μm以下、更に好ましくは500μm以下、特に好ましくは300μm以下、最も好ましくは100μm以下である。上記基材の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、高周波数の電磁波透過性がより一層良好である積層体が得られる。
(金属層)
上記金属層は、上記基材の少なくとも一方の表面に配置される層である。
上記金属層は、インジウムと、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属とを含む。上記金属層は、インジウム以外の金属として、融点が500℃以下である金属を含む。インジウムと、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属とを含む上記金属層は、融点が500℃を超える金属を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。インジウム以外の金属(融点が500℃以下である金属及び融点が500℃を超える金属)はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
高周波数の電磁波透過性がより一層良好であり、より一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体を得る観点からは、上記基材の表面上で、上記金属層は、溝を有することが好ましい。上記溝は、上記金属層の両面を貫通していることが好ましい。高周波数の電磁波は、上記溝を良好に通過する。
上記金属層が上記溝を有する場合、上記溝の幅は、特に限定されないが、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1nm以上、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。上記溝の幅が上記下限以上であると、高周波数の電磁波透過性がより一層良好となる。上記溝の幅が上記上限以下であると、一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体を得ることができる。
高周波数の電磁波透過性をより一層良好にし、より一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体を得る観点からは、上記金属層は、島状構造を有することが好ましく、複数の島部が並んだ層であることが好ましい。複数の島部は、連なっていてもよく、独立して存在していてもよい。隣り合う島部の間に、隙間が形成されていることが好ましい。高周波数の電磁波は、上記隙間を良好に通過する。上記島状構造は、例えば走査型電子顕微鏡を用いて観察することができる。
上記金属層が隣り合う島部の間に上記隙間を有する場合、隙間部分に金属層が配置されていないか又は隙間部分における金属層の厚みが1nm以下であることが好ましく、隙間部分に金属層が配置されていないことがより好ましい。上記島状構造における複数の島部は独立して存在していることがより好ましい。
上記金属層が島状構造を有する場合、上記島状構造における1つの島部の平面積は、好ましくは2000nm以上、より好ましくは2500nm以上、好ましくは1μm以下、より好ましくは250000nm以下である。上記1つの島部の平面積が上記下限以上であると、一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体を得ることができる。上記1つの島部の平面積が上記上限以下であると、高周波数の電磁波透過性がより一層良好となる。
インジウムの融点は156.4℃である。本発明に係る積層体では、上記金属層が、上記インジウムとインジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属とを含むため、金属層の形成時のインジウムとインジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属との凝固時期が一致しやすい。この結果、高周波数の電磁波透過性に優れる積層体が得られやすく、また上記金属層が島状構造を形成しやすくなる。
インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属は、融点が470℃以下である金属であることが好ましく、融点が450℃以下である金属であることがより好ましく、融点が420℃以下である金属であることが更に好ましい。インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属は、融点が200℃以上である金属であることが好ましい。
インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属が、上記インジウムの融点とより近い融点を有する金属であると、高周波数の電磁波透過性がより一層良好である積層体を得ることができ、また上記金属層が上記島状構造を形成しやすくなる。上記インジウムの融点と、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属の融点との差の絶対値は、343.6℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下、更に好ましくは270℃以下である。
高周波数の電磁波透過性がより一層良好であり、より一層劣化しにくい積層体を得る観点からは、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属は、スズ、鉛、亜鉛、又はビスマスであることが好ましい。この場合、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属は、スズ、鉛、亜鉛、及びビスマスの内の1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
スズの融点は231.93℃、鉛の融点は327.46℃、亜鉛の融点は419.53℃、及びビスマスの融点は271.5℃である。
上記金属層100重量%中、上記インジウムの含有量は、好ましくは25重量%以上、より好ましくは30重量%以上、より一層好ましくは35重量%以上、更に好ましくは40重量%以上、特に好ましくは50重量%以上である。上記金属層100重量%中、上記インジウムの含有量は、好ましくは99重量%以下、より好ましくは95重量%以下、より一層好ましくは90重量%以下、更に好ましくは85重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。上記インジウムの含有量が上記下限以上であると、高周波数の電磁波透過性がより一層良好であり、かつより一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体が得られる。上記インジウムの含有量が上記上限以下であると、より一層劣化しにくい積層体が得られる。
上記金属層100重量%中、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、より一層好ましくは10重量%以上、更に好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上である。上記金属層100重量%中、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属の含有量は、好ましくは75重量%以下、より好ましくは70重量%以下、より一層好ましくは65重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属の含有量が上記下限以上であると、より一層劣化しにくい積層体が得られる。インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である上記金属の含有量が上記上限以下であると、高周波数の電磁波透過性がより一層良好であり、かつより一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体が良好に得られる。
上記金属層100重量%中、スズ、鉛、亜鉛、及びビスマスの含有量はそれぞれ、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、より一層好ましくは10重量%以上、更に好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上である。上記金属層100重量%中、スズ、鉛、亜鉛、及びビスマスの含有量はそれぞれ、好ましくは75重量%以下、より好ましくは70重量%以下、より一層好ましくは65重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。
上記金属層100重量%中、スズ、鉛、亜鉛、及びビスマスの合計の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、より一層好ましくは10重量%以上、更に好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上である。上記金属層100重量%中、スズ、鉛、亜鉛、及びビスマスの合計の含有量は、好ましくは75重量%以下、より好ましくは70重量%以下、より一層好ましくは65重量%以下、更に好ましくは60重量%以下、特に好ましくは50重量%以下である。
上記金属層は、インジウム、及びインジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属とともに、本発明の効果を損なわない範囲で、融点が500℃を超える金属を含んでいてもよい。本発明の効果を効果的に発揮する観点から、上記金属層が融点が500℃を超える金属を含む場合に、上記金属層において、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属の含有量は、融点が500℃を超える金属の含有量よりも多いことが好ましい。上記金属層が融点が500℃を超える金属を含む場合に、上記金属層100重量%中、融点が500℃を超える金属の含有量は、20重量%未満であってもよく、15重量%未満であってもよく、10重量%未満であってもよい。
融点が500℃を超える金属の含有量は、上記金属層100重量%中、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。500℃を超える金属の含有量を少なくすることで、インジウムの含有量、及びインジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属の含有量を相対的に多くすることができ、本発明の効果を効果的に発揮することができる。
金属層に含まれるインジウム以外の金属100重量%中、融点が500℃を超える金属の含有量は、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下である。融点が500℃を超える金属の含有量が上記上限以下であると、融点が500℃を超える金属の含有量の影響がかなり小さくなる。上記金属層は、融点が500℃を超える金属を含まないことが好ましい。
上記金属層の厚みは、200nm以下である。上記金属層の厚みは、好ましくは180nm以下、より好ましくは150nm以下、より一層好ましくは130nm以下、更に好ましくは100nm以下、更に一層好ましくは90nm以下、特に好ましくは50nm以下である。上記金属層の厚みは、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上である。上記金属層の厚みが上記下限以上であると、より一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体が得られる。上記金属層の厚みが上記上限以下であると、高周波数の電磁波透過性がより一層良好であり、かつより一層良好なインジウム独特の金属光沢がある積層体が得られる。
(積層体)
本発明に係る積層体は、基材の少なくとも一方の表面上に、インジウムとインジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属とを含む金属層を配置することにより製造することができる。
上記基材の表面上に上記金属層を配置する方法としては、特に限定されないが、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。金属層の厚みを制御しやすいことから、上記基材の表面上に上記金属層を配置する方法としては、スパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法としては、特に限定されないが、例えば、直流マグネトロンスパッタ、高周波マグネトロンスパッタ及びイオンビームスパッタ等が挙げられる。また、スパッタ装置は、バッチ方式であってもロール・ツー・ロール方式であってもよい。
本発明に係る積層体は、インジウム独特の金属光沢があるので、外装材として好適に用いられる。本発明に係る積層体は、高周波数の電磁波透過性に優れるので、電波送信部、電波受信部、又は電波送受信部を有する物体において、外装材として好適に用いられる。本発明に係る積層体は、電波送信機、電波受信機、又は電波送受信機の外装材として好適に用いられる。本発明に係る積層体は、携帯電話の筐体の外装材、電波時計の筐体の外装材、及び自動車のフロントグリルの外装材として、好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例に限定されない。
(基材)
PETフィルム(三菱樹脂社製、厚み50μm)
(金属層)
インジウム(In、融点156.4℃)
亜鉛(Zn、融点419.53℃)
鉛(Pb、融点327.46℃)
ビスマス(Bi、融点271.5℃)
スズ(Sn、融点231.93℃)
アルミニウム(Al、融点660℃)
(実施例1)
基材を真空装置内に設置し、1×10−3Pa以下となるまで真空排気した。続いて、アルゴンガスを導入して、DCマグネトロンスパッタリング法により、基材の一方の表面上に、金属層として、インジウムと亜鉛との合金層(厚み40nm)を設けて、積層体を得た。得られた積層体では、上記金属層100重量%中、インジウムの含有量は95重量%、亜鉛の含有量は5重量%であった。
(実施例2〜6及び比較例3)
金属層の金属組成を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を得た。
(実施例7,8及び比較例2)
金属層の金属組成及び金属層の厚みを表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を得た。
(比較例1)
金属層として、亜鉛を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。
(評価)
(1)電磁波透過性(耐久試験前)
得られた積層体を15cm四方に切り出し、試験片を得た。得られた試験片を用いて、KEC法に準拠して、KEC法シールド材測定システム(日本テクノシステム社製)にて、周波数10MHz〜1000MHzにおける電磁波シールド特性(電界シールド特性)を測定した。電磁波透過性(耐久試験前)を以下の基準で評価した。
なお、KEC法とは、関西電子工業振興センター(Kansai Electronic Industry Development Center)で開発された電磁波シールド効果測定装置を用いて、試験材料の電磁波シールド効果を測定及び評価する方法である。
[電磁波透過性(耐久試験前)の判定基準]
○:周波数10MHz〜1000MHzでの最大透過減衰量が20dB未満
×:周波数10MHz〜1000MHzでの最大透過減衰量が20dB以上
(2)電磁波透過性(耐久試験後)
得られた積層体を温度85℃及び湿度85%RHの環境下で240時間保管した後、上記(1)の評価と同様にして、電磁波シールド特性(電界シールド特性)を測定し、電磁波透過性(耐久試験後)を以下の基準で判定した。
[電磁波透過性(耐久試験後)の判定基準]
○:周波数10MHz〜1000MHzでの最大透過減衰量が20dB未満
×:周波数10MHz〜1000MHzでの最大透過減衰量が20dB以上
(3)インジウム独特の金属光沢の有無(耐久試験前)
得られた積層体について、インジウム独特の金属光沢の有無を目視にて確認した。インジウム独特の金属光沢の有無を以下の基準で判定した。
[インジウム独特の金属光沢の有無の判定基準]
○○:インジウム独特の金属光沢がかなりある
○:インジウム独特の金属光沢がある
×:インジウム独特の金属光沢がない
(4)インジウム独特の金属光沢の劣化(耐久試験後)
得られた積層体を温度85℃及び湿度85%RHの環境下で240時間保管した後、インジウム独特の金属光沢が損なわれていないかを目視にて確認した。インジウム独特の金属光沢の劣化を以下の基準で判定した。
[インジウム独特の金属光沢の劣化の判定基準]
○○:耐久試験後に、インジウム独特の金属光沢が損なわれていない
○:耐久試験後に、インジウム独特の金属光沢がわずかに損なわれている
×:耐久試験後に、インジウム独特の金属光沢が損なわれている、又は、インジウム独特の金属光沢がない
積層体の構成及び結果を下記の表1に示す。
Figure 2019031079
実施例1〜8で得られた積層体は、10MHz〜1000MHzでの最大透過減衰量が良好であるために、高周波数(1GHz〜100GHz)の電磁波透過性が良好であった。実施例1〜8で得られた積層体は、インジウム独特の金属光沢があった。また、実施例1〜8で得られた積層体では、耐久試験後でも高周波数の電磁波透過性が良好であり、インジウム独特の金属光沢が損なわれず、劣化しにくかった。
比較例1で得られた積層体は、耐久試験後に、インジウム独特の金属光沢が損なわれており、劣化しやすかった。比較例2,3で得られた積層体では、電磁波透過性が劣っていた。
上記評価結果より、金属層が、インジウムとインジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属との双方を含むと、高周波数の電磁波透過性が良好であり、インジウム独特の金属光沢があり、かつ劣化しにくい積層体が得られることが分かる。
これに対して、金属層が、インジウムのみを含むか、又は、インジウムと融点が500℃以下を超える金属とのみを含むと、高周波数の電磁波透過性が良好であり、インジウム独特の金属光沢があり、かつ劣化しにくい積層体を得ることは困難である。
1…積層体
2…基材
3…金属層

Claims (5)

  1. 基材と、該基材の少なくとも一方の表面上に配置された金属層とを備え、
    前記金属層は、インジウムと、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である金属とを含み、
    前記金属層の厚みが、200nm以下である、積層体。
  2. インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である前記金属が、スズ、鉛、亜鉛、又はビスマスである、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記金属層100重量%中、前記インジウムの含有量が25重量%以上95重量%以下であり、インジウム以外でありかつ融点が500℃以下である前記金属の含有量が5重量%以上75重量%以下である、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記金属層の厚みが、5nm以上100nm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 電波送信部、電波受信部、又は電波送受信部を有する物体において、外装材として用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。

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