JP2019030286A - 粒子保持モジュール及び当該モジュールを備えた粒子保持装置 - Google Patents

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武士 永廣
Takeshi Nagahiro
武士 永廣
原 克幸
Katsuyuki Hara
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片山 晃治
Koji Katayama
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Abstract

【課題】粒子を保持可能な粒子保持部を設けたモジュールであって、当該モジュールの内部空間への送液及び排液を、容易にかつ気泡を混入させることなく安定して実施可能なモジュール、及び当該モジュールを備えた粒子保持装置の提供。【解決手段】粒子を保持可能な粒子保持部を上面に設けた底板部材101と、液体の導入口102a及び排出口102bを設けた天板部材102と、前記底板部材の上面及び前記天板部材の下面で挟まれるよう密着して設けたスペーサ103と、を備えた粒子保持モジュール100であって、前記排出口又は前記排出口に繋がっている排液管120に、前記底板部材、前記天板部材及び前記スペーサによって形成される液体保持部105で発生する圧力損失を低減させる手段をさらに備えた、前記モジュール。【選択図】図1

Description

本発明は、粒子を保持でき、かつ溶液置換も容易なモジュール及び当該モジュールを備えた粒子保持装置に関する。
存在比が極めて低いが医学的に重要な細胞である希少細胞が注目されており、その一例として血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cells、CTC)が挙げられる。血液1mLあたり、赤血球細胞は50億個、白血球細胞は300万から1000万個含まれているのに対し、CTCは10個程度しか含まれない。そのため血液試料中に含まれるCTCを解析する際は、多数の血球(赤血球や白血球など)細胞と少数のCTCとの混合溶液である血液試料から、CTCを極力ロスすることなく処理し、解析する必要がある。
このような希少細胞の解析方法として、1細胞を収容可能な微細孔が無数に並んだ基板に細胞を含む試料を導入し、誘電泳動によって前記細胞を前記微細孔に挿入、整列させた後、蛍光又は可視光による画像観察を行ない、細胞を判別し解析する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。本方法は目的細胞に対する夾雑細胞の割合が圧倒的に多い場合であっても、当該目的細胞の解析が可能なため、CTCなど希少細胞の解析に有用であり、創薬、治療、検査、分析など様々な分野での応用が期待されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法において、誘電泳動及び標識などの細胞操作を同時に行なうためには、界面活性剤、糖、ホルマリンといった、粘性や親水性などの物理的性質が劇的に異なる試薬を、誘電泳動が可能な程度の狭い基板内空間内に、交互にかつ繰り返し、導入/排出させる必要がある。そのため、特許文献1に記載の方法を自動化させようとしても、前記導入/排出操作により前記基板内空間に気泡が混入するおそれがあった。
特開2012−013549号公報
本発明の目的は、粒子を保持可能な粒子保持部を設けたモジュールであって、当該モジュールの内部空間への送液及び排液を、容易にかつ気泡を混入させることなく安定して実施可能なモジュール、及び当該モジュールを備えた粒子保持装置を提供することにある。
本発明者は鋭意検討を行なった結果、粒子を保持可能な粒子保持部を設けたモジュールの液体排出口又は前記排出口に繋がっている排液管に圧力損失を低減させる手段をさらに設けることで、当該モジュールの内部空間への送液及び排液を、容易にかつ安定して実施できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明の第一の態様は、
粒子を保持可能な粒子保持部を上面に設けた底板部材と、
液体の導入口及び排出口を設けた天板部材と、
前記底板部材の上面及び前記天板部材の下面で挟まれるよう密着して設けたスペーサと、
を備えた粒子保持モジュールであって、
前記排出口又は前記排出口に繋がっている排液管に、前記底板部材、前記天板部材及び前記スペーサによって形成される液体保持部で発生する圧力損失を低減させる手段をさらに備えた、前記モジュールである。
また、本発明の第二の態様は、圧力損失を低減させる手段が、前記排出口に大気開放された排液溜めを設けることである、前記第一の態様に記載のモジュールである。
また、本発明の第三の態様は、前記排液管と、排気ポンプに繋がっている排気管とが、貫通孔を通してそれぞれ接続された排液トラップをさらに備えた、前記第一又は第二の態様に記載のモジュールである。
また、本発明の第四の態様は、前記底板部材及び前記天板部材に電極を有していることを特徴とする、前記第一から第三の態様のいずれかに記載のモジュールである。
さらに、本発明の第五の態様は、
前記第一から第四の態様のいずれかに記載の粒子保持モジュールと、
試料/試薬を保持する試料/試薬保持手段と、
前記試料/試薬保持手段に保持された試料/試薬を吸引し、導入口へ吐出するための吸引吐出手段と、
を備えた、粒子保持装置である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において粒子とは、溶液中に単独又は凝集状態で分散する不溶性物質のことをいう。具体例としては、ビーズ、粉砕用ボール、液晶用スペーサー、クロマトグラフィー用分離剤、吸着剤といった工業材料からなる粒子や、細胞、ウイルス、オルガネラ、小胞といった生体材料からなる粒子が挙げられる。特に本発明は、前記生体材料からなる粒子の保持に好ましいモジュール及び装置である。
本発明の粒子保持モジュールで保持させる粒子が前述した生体材料からなる粒子である場合の、本発明における粒子を含む試料の一例としては、全血、希釈血液、血清、血漿、髄液、臍帯血、成分採血液、尿、汗、唾液、精液、糞便、痰、羊水、腹水、腹腔洗浄液などの生体試料や、肝臓、肺、脾臓、腎臓、皮膚、腫瘍、リンパ節などの組織の一片を懸濁させた組織懸濁液や、前記生体試料又は前記組織懸濁液より分離して得られる、前記生体試料又は前記組織由来の細胞を含む画分や、あらかじめ単離した細胞の培養液が挙げられる。このうち生体試料又は組織由来の細胞を含む画分の一例として、生体試料や組織懸濁液を密度勾配形成用媒体の上に重層後、密度勾配遠心することで得られる画分が挙げられる。
粒子を含む試料が血液試料である場合の、本発明の粒子保持モジュールで保持させる粒子の一例としては、血液循環腫瘍細胞(CTC)などの腫瘍細胞、循環血液内皮細胞(CEC)、循環血管内皮細胞(CEP)、循環胎児細胞(CFC)、抗原特異的T細胞、各種幹細胞が挙げられる。なお、本明細書における血液試料は、全血、血清、血漿、臍帯血、成分採血液といった血液検体に限らず、当該血液検体を生理食塩水などで希釈した試料や、当該血液検体より分離して得られる、前記血液検体由来の細胞を含む画分も、血液試料に含まれる。
本発明の粒子保持モジュールに設ける粒子を保持可能な粒子保持部は、試料中に含まれる目的粒子の保持ができれば、その形状に限定はなく、凹部、貫通孔、前記目的粒子を固定可能な材料(例えば、目的粒子が細胞の場合、ポリ−L−リジン)で被覆した平面又は凸部が例示できる。ただし、粒子保持の確実性の点からは、凹部又は貫通孔が好ましい。
凹部又は貫通孔を保持部とした場合、一端が目的粒子の全て又はその一部を保持可能な大きさの開口部を有しており他端が底部を形成している凹部でもよく、一端が目的粒子の全て又はその一部を保持可能な大きさの開口部を有し他端が当該開口部よりも狭い開口部を有した貫通孔でもよく、両端が目的粒子の一部を保持可能な大きさの開口部を有した貫通孔でもよい。なお、保持部の大きさ(径)を試料中に含まれる目的粒子を一つだけ保持可能な大きさとすると、当該目的粒子の採取や解析が容易に行なえる点で好ましい。
本発明の粒子保持モジュールを用いて試料中に含まれる粒子を保持させようとする場合、本発明の粒子保持モジュールを構成する部材のうち、底板部材及び天板部材に電極を設け、これら電極に交流電圧を印加することで発生する誘電泳動力を利用すると、粒子保持部に粒子を効率的に保持させることができる点で好ましい。誘電泳動力を用いる場合、具体的には、交流電圧を印加することで誘電泳動を発生させ、保持部内へ粒子を導入すればよい。印加する交流電圧は、保持部内の細胞の充放電が周期的に繰り返される波形を有した交流電圧であると好ましく、例えば粒子が細胞の場合、周波数を100kHzから3MHzの間とし、電界強度を1×10から5×10V/mの間とすると特に好ましい(WO2011/149032号及び特開2012−013549号公報参照)。
本発明は、粒子を保持可能な粒子保持部を上面に設けた底板部材と、液体の導入口及び排出口を設けた天板部材と、前記底板部材の上面及び前記天板部材の下面で挟まれるよう密着して設けたスペーサとを備えた粒子保持モジュールにおいて、前記天板部材に設けた液体の排出口又は前記排出口に繋がっている排液管に、前記底板部材、前記天板部材及び前記スペーサによって形成される液体保持部で発生する圧力損失を低減させる手段をさらに設けることを特徴としている。
液体保持部で発生する圧力損失を低減させる手段がない従来の粒子保持モジュールでは、図2に示すように、天板部材102に設けた排出口102bと排液トラップ130へ送液するための排液管120とが液密に直接接続されている。そのため排液管120の長さが長いと、粒子保持モジュール内の液体保持部105にかかる圧力損失が大きくなり、導入口102a側へ液体が逆流したり、導入口102a付近で起こる乱流の影響による液体保持部105への気泡320混入のおそれがある。
図2の態様において、排液管120で発生する圧力損失は壁面での摩擦損失に起因し、摩擦力をF、流体の粘性係数をη、流路壁面での流体の速度勾配をdu/drとすると、
F=η×du/dr (I)
で表される。上記式(I)はニュートンの粘性法則と呼ばれ、粘度が大きく流速が大きいほど摩擦(圧力損失)が大きいということになる。排液管120が円管の場合、摩擦圧力損失ΔFは、λ:管摩擦係数、L:配管長さ、D:配管直径、ρ:流体密度、u:平均流速とすると、
ΔF=λ×(L/D)×(ρ×u/2) (II)
で表される。したがって、排液管の内側に摩擦低減性能のあるコーティングを行なうことでλ(管摩擦係数)を低減する、排液管のD(配管直径)を下流に行くにしたがって大きくする、下流からポンプで吸引して疑似的にρ(流体密度)を下げる等の手段を設ければ、圧力損失を低減させることが可能となる。特に、配管長さLを実質的に短くするために、排出口に大気開放された排液溜めを設けることは簡便であり、好ましい。なお、排液溜めによる液体の保持量は、導入口から一度に導入する液体の量を最大値として、適宜設定すればよい。
本発明の粒子保持モジュールは、前記液体保持部への送液及び排液を、容易にかつ気泡を混入させることなく安定して行なえる。したがって、本発明の粒子保持モジュールを粒子保持装置に備えることで、前記装置で行なう試料中に含まれる粒子の保持操作及び前記液体保持部の溶液置換操作を容易にかつ安定して行なえ、前記装置の自動化も容易に行なえる。
本発明の粒子保持モジュールの一態様を示す図である。 従来の粒子保持モジュールを示す図である。 本発明の粒子保持装置の一態様を示す斜視図(a)及び平面図(b)である。 図3の装置に備えた粒子保持モジュールの斜視図(a)及び正面図(b)である。 図3の装置に備えた粒子保持モジュールのうち、底板部材、天板部材及びスペーサー部分の分解図である。 図3の装置に備えた粒子保持モジュールのうち、圧力損失を低減させる手段の斜視図(a)及び正面図(b)である。 図6の手段において、天板部材に設けた排出口と着脱可能な態様の一例を示す図である。(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は前記排出口との接続を解除した状態を示す図である。 図7の手段を備えた、本発明の粒子保持モジュールの一態様を示す図である。
以下、図を用いて本発明の粒子保持モジュール及び粒子保持装置をさらに詳細に説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
図1に本発明の粒子保持モジュールの一態様を示す。図1に示す粒子保持モジュール100は、
電極を有した基板部材101a、貫通孔を有した遮光部材101b及び貫通孔を有した絶縁体101cから
構成される底板部材101と、
導入口102a及び排出口102bを設けた電極を有した天板部材102と、
底板部材101の上面及び天板部材102の下面で挟まれるよう密着して設けたスペーサ103と、
底板部材101と天板部材102が有する電極とを接続する導線210と、
導線210を通じて前記2つの電極に信号を印加する交流電源220と、
を備えている。
遮光部材101bが有する貫通孔と、絶縁体101cが有する貫通孔とは互いに同一の寸法及び形状であり、かつそれぞれの貫通孔の位置が一致するよう遮光部材101b及び絶縁体101cを設けている。前記貫通孔及び基板部材101aにより、粒子を保持可能な粒子保持部104が構成され、導入口102aから粒子を含む試料を導入すると粒子保持部104へ粒子310が導入される。遮光部材101bは、絶縁体101c自体の自家蛍光に起因するバックグラウンドノイズや隣接する粒子保持部104からの漏れ光に起因するクロストークノイズなどの光ノイズを低減させる効果があり、粒子保持部104に保持された粒子310の検出を当該粒子由来の光を用いて行なう際、各粒子保持部104に保持された粒子310由来の光のみを高感度かつ高精度に検出できる。
図1に示す本発明の粒子保持モジュール100において、底板部材101及び天板部材102には電極を設けている。したがって、ピペットチップ(分注ポンプ)621などを用いて導入口102aから粒子を含む試料を導入し、底板部材101、天板部材102及びスペーサ103によって形成される液体保持部105を前記試料で満たした後、電源220から導線210を通じて前記2つの電極に交流電圧を印加することで、液体保持部105内に誘電泳動力230が発生する。当該誘電泳動力230により、粒子310を粒子保持部104に効率的に導入させることができる。
図1に示す粒子保持モジュール100には、液体保持部105で発生する圧力損失を低減させる手段として、導入部102aからの液体の導入により液体保持部105から溢れた液体を一定量保持可能な排液溜め110を設けており、当該排液溜めの上部は大気開放されている。また、排液溜め110の側面には排液トラップ130へ液体を流すための排液管120が接続されており、排出口102b側の液面が液体保持部の液面410より高くなったときに、排液管120への送液が行なわれる。したがって、排出口102b側の液面は常に液体保持部の液面410よりも高い位置に固定され、排液管120以降では圧力損失による影響をまったく受けなくなる。
図1に示す粒子保持モジュールでは、圧力損失の低減維持を目的に、排液管120と、排液管120からの液体を受け入れる排液トラップ130と、排液トラップ130内の気体を吸引する排気ポンプ140とを設けた排液処理手段をさらに備えている。なお、排液トラップ130内空間の気密性を保つため、密閉蓋131により排液管120及び排気ポンプ140の接続部以外の部分を閉じている。排気ポンプ140は、排出口102bから溢れた液体が適切に排出されるよう、単に排液トラップ130内の気体を吸引する目的で設けるものであり、目詰まりのおそれや流量制御を考慮する必要はない。そのため小型かつ簡易なポンプを排気ポンプ140として用いてもよい。
本発明の粒子保持装置の一態様を図3に示す。図3に示す粒子保持装置は、
図1と同様の構成を有した本発明の粒子保持モジュール100(2系列)と、
試料/試薬チューブ501を複数載置可能な試料/試薬ホルダ500と、
試料/試薬チューブ500内の試料/試薬を吸引し、粒子保持モジュール100に設けた導入口102aへ吐出するための分注ポンプ610と、
分注ポンプの先端に取り付けるディスポーザブルピペットチップ621を複数載置可能な
ピペットチップホルダ620と、
分注ポンプ610をXYZ軸方向に移送させるためのXYZステージ630と、
を備えている。また図示されていないが、図3に示す粒子保持装置には、さらに粒子保持モジュール100に設けた底板部材101の電極及び天板部材102の電極へ交流電圧を印加し粒子保持モジュール100内空間(液体保持部)に誘電泳動力を発生させるための導線及び電源も備えている。
図3に備えた本発明の粒子保持モジュール100の斜視図(a)及び正面図(b)を図4に、粒子保持モジュール100のうち底板部材101、天板部材102及びスペーサ103部分の分解図を図5に、それぞれ示す。底板部材101は、ガラス基板上面にITO(酸化インジウムスズ)を蒸着成膜することで電極を作製した後、当該電極をφ30μmの貫通孔を有したクロム膜(遮光部材)、前記同じ大きさの貫通孔を有したSU8樹脂(絶縁体)の順に被覆することで作製しており、前記電極及び前記貫通孔によりφ30μm、深さ30μmの凹部(微細孔)からなる粒子保持部が形成されている。天板部材102は、ガラス基板下面にITOを蒸着成膜することで電極を形成しており、かつ液体の導入/排出のための貫通孔(導入口102a及び排出口102b)を設けている。スペーサ103は、六角形の穴を有した、シリコーン又は類似のエラストマー素材でできた平板であり、底板部材側の電極から天板部材側の電極までの距離が1mmとなるよう、底板部材101の上面及び天板部材102の下面で挟まれるよう密着して設けることで、粒子保持モジュール100内に約30万個の凹部(微細孔)を有した六角柱状の液体保持部が形成される。なお、液体保持部内に誘電泳動力を発生させたい場合は、電極差込口106から導線を経由して電源と接続した後、当該電源から交流電圧を印加すればよい。
図3に備えた本発明の粒子保持モジュール100のうち圧力損失を低減させる手段(排液溜め110)の部分を拡大した図を図6に示す。排液溜め110の下部には天板部材に設けた排出口との接続口113を、上部には圧力損失を低減させるための大気開放部111を、側面には排液管との接続口112を、それぞれ設けている。排出口から排出された液体のうち、液面410を超えたもののみ接続口113、接続口112を経由して、排液管へ送られる。排液溜め110の液面が高い位置にあると、粒子保持モジュール内の液体保持部が液体で満たされている場合、導入口側に逆流するおそれがあるため、接続口112は可能な限り液面410に近い位置に設けたほうがよい。
図6の圧力損失を低減させる手段に関して、大気開放部111、排液管との接続口112及び排出口との接続口113の相対位置に変化がなければ、接続口113と天板部材に設けた排出口とが着脱可能な態様としてもよい。前記態様の一例を図7に示す。図7の圧力損失を低減させる手段(排液溜め110)は、大気開放部111と、接続口112と、接続口113とを設けたユニットの片端に、回転機構114をさらに設けており、排出口への着脱をワンタッチで行なえる。また、排液溜め110の下面には磁石115を、接続口113には液漏れ防止用のOリング116を、それぞれ取り付けており、接続口113と排出口との接続時、接続口113と排出口との間からの液漏れを防いでいる。なお、図7では、接続口112が、接続口113から大気開放部111への液の流れに対し斜め方向(約45度の方向)に取り付けられているが、排出口と排液溜め110との相対位置は図6と同じ状態を保っており、液体保持部の液面410も接続口113のすぐ上に位置するため、図6の手段と同等の機能を有する。
なお、図3に備えた本発明の粒子保持モジュール100では、接続口113の上部に排液溜め110を設けている(図4参照)が、排液溜め110の液面が液面410より上に位置していれば接続口113の側面に設けても問題ない。また、液体を導入する速度が速い場合、排液ポンプの吸引能力を超えて排出口から排液が溢れるおそれがあるため、排液溜め110内の空間(液面410から大気開放部111までの空間)は一定の体積を確保
するとよい。
本発明の粒子保持モジュール100のうち、排液溜め110、排液トラップ130及び排気ポンプ140の構造を最適化することによって、装置をより使いやすくコンパクトにできる。その一例を図8に示す。排液トラップ130は密閉可能な容器であれば形状の限定はない。したがって、例えば市販の遠沈チューブの蓋131に排液溜め110からの液体受入口及び排液トラップ130内の気体排出口を設けることで、当該チューブをそのまま排液トラップ130として用いることができる。また、図8に示すように、当該チューブ用のホルダも備えることで排液トラップ130内の液体排出や排液トラップ130そのものの交換も容易に行なえる。排液溜め110を図7に示す態様とした場合、排液管120は可撓性を有した材料とする必要がある。一方で効率よく排気を行なうためには、なるべく圧力損失を下げる必要があるが、排液管120の材料が可撓性を有した材料であると圧力損失が多くなる。従って、排液溜め110、排液トラップ130及び排気ポンプ140は互いに可能な限り近づけ、排液管120が最短となるように調整すると好ましい。また、圧力損失を減らすため、排液管120の厚さは可能な限り厚くし、可撓性を抑えると好ましい。
次に、図3に示す粒子保持装置を用いた、試料中に含まれる粒子の保持操作及び粒子保持モジュール内空間(液体保持部)の溶液置換操作の一例を以下に示す。
(1)試料/試薬ホルダ500に載置した試料チューブ501から、先端にピペットチップ621を取り付けた分注ポンプ610を用いて粒子を含む試料を吸引する。
(2)(1)で吸引した試料を粒子保持モジュール100に導入口102aから導入し、粒子保持モジュール内空間(液体保持部)を前記試料で満たす。なお、過剰量の前記試料は、排気ポンプ140により、排出口から排液溜め110、排液管120を経由して排液トラップ130へ送られる。
(3)電源から導線及び電極差込口106を経由して、底板部材及び天板部材に設けた電極へ、交流電圧を印加する。当該印加により発生する誘電泳動力により、試料中に含まれる粒子は粒子保持部内に保持される。
(4)試料/試薬ホルダ500に載置した試薬チューブ501のうち、溶液置換したい試薬が入っているチューブから、先端にピペットチップ621を取り付けた分注ポンプ610を用いて前記試薬を吸引する。
(5)(4)で吸引した試薬を(2)と同様な方法で粒子保持モジュール100に導入し、粒子保持モジュール内空間(液体保持部)内の液体を排出させることで、前記液体保持部を前記試薬で溶液置換する。
100:粒子保持モジュール
101:底板部材
101a:電極を有した基板部材
101b:遮光部材
101c:絶縁体
102:天板部材
102a:導入口
102b:排出口
103:スペーサ
104:粒子保持部
105:液体保持部
106:電極差込口
110:排液溜め
111:大気開放部
112:排液管との接続口
113:排出口との接続口
114:回転機構
115:磁石
116:Oリング
120:排液管
130:排液トラップ
131:排液トラップの蓋
140:排気ポンプ
210:導線
220:誘電泳動用電源
230:誘電泳動力
310:粒子
320:気泡
410:液体保持部の液面
500:試料/試薬ホルダ
501:試料又は試薬チューブ
610:分注ポンプ
620:ピペットチップホルダ
621:ピペットチップ
630:XYZステージ

Claims (5)

  1. 粒子を保持可能な粒子保持部を上面に設けた底板部材と、
    液体の導入口及び排出口を設けた天板部材と、
    前記底板部材の上面及び前記天板部材の下面で挟まれるよう密着して設けたスペーサと、
    を備えた粒子保持モジュールであって、
    前記排出口又は前記排出口に繋がっている排液管に、前記底板部材、前記天板部材及び前記スペーサによって形成される液体保持部で発生する圧力損失を低減させる手段をさらに備えた、前記モジュール。
  2. 圧力損失を低減させる手段が、前記排出口に大気開放された排液溜めを設けることである請求項1に記載のモジュール。
  3. 前記排液管と、排気ポンプに繋がっている排気管とが、貫通孔を通してそれぞれ接続された排液トラップをさらに備えた、請求項1又は2に記載のモジュール。
  4. 前記底板部材及び前記天板部材に電極を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモジュール。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の粒子保持モジュールと、
    試料/試薬を保持する試料/試薬保持手段と、
    前記試料/試薬保持手段に保持された試料/試薬を吸引し、導入口へ吐出するための吸引吐出手段と、
    を備えた、粒子保持装置。
JP2018075135A 2017-08-09 2018-04-10 粒子保持モジュール及び当該モジュールを備えた粒子保持装置 Pending JP2019030286A (ja)

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