JP2019028031A - 風速計および風向計 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導体の表面に配置された感温素子を用いて風速または風向を検出する技術において、周囲の熱源による外乱を低減する。【解決手段】風向風速計は、熱を伝導可能な熱伝導体2と、熱伝導体2の表面に配置される感温素子3−3、3−11と、感温素子3−3、3−11が検出した温度に基づいて、空気の風向および風速を検出する計測部と、感温素子3−3、3−11と処理部とを電気的に繋ぐ複数個の配線6と、赤外線反射部材25とを備える。赤外線反射部材25は、熱伝導体2の表面のうち、感温素子3−3、3−11が配置されている部分でも配線6が配置されている部分でもない部分を覆うと共に熱伝導体2よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い。【選択図】図4

Description

本発明は、風速計および風向計に関するものである。
従来、熱伝導体の表面に配置された感温素子を用いて風速および風速を検出する装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の風向風速計では、熱伝導体の中心にヒータが配置され、熱伝導体の表面の風に触れる複数箇所に熱電対が取り付けられる。この風向風速計では、ヒータが発した熱が熱伝導体を介して熱電対に伝わると共に、風によって熱電対が冷却される。これら熱電対によって検出された温度に基づいて、風向および風速が計測可能になる。
特開2000−019195号公報
しかし、発明者の検討により、特許文献1に記載のような風向風速計には、以下のような問題点があることがわかった。風向風速計が、エンジン部品等の熱源の近傍に配置されていると、熱源からの輻射熱を熱伝導体が吸収してしまい、その結果、熱伝導体の表面の温度場に外乱が生じてしまい、風速も風向も正しい計測が困難になる。
本発明は上記点に鑑み、熱伝導体の表面に配置された感温素子を用いて風速または風向を検出する技術において、周囲の熱源による外乱を低減することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
熱を伝導可能な熱伝導体(2)と、
前記熱伝導体の表面に配置されると共に、流れる空気から熱的に影響を受ける位置に配置され、前記空気から伝達される熱以外の熱によって温度上昇し、自己の温度に応じて電気的特性が変化する1個以上の感温素子(3−1、…、3−16)と、
前記1個以上の感温素子が検出した温度に基づいて、前記空気の風速を検出する処理部(81)と、
前記1個以上の感温素子と前記処理部とを電気的に繋ぐ複数個の配線(6)と、
前記熱伝導体の表面のうち、前記1個以上の感温素子が配置されている部分でも前記複数個の配線が配置されている部分でもない部分を覆うと共に前記熱伝導体よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い赤外線反射部材(25)と、を備えた風速計である。
また、請求項9に記載の発明は、
熱を伝導可能な熱伝導体(2)と、
前記熱伝導体の表面に配置されると共に、流れる空気から熱的に影響を受ける位置に配置され、前記空気から伝達される熱以外の熱によって温度上昇し、自己の温度に応じて電気的特性が変化する複数個の感温素子(3−1、…、3−16)と、
前記熱伝導体の表面のうち、前記複数個の感温素子が配置されている複数の部分以外の部分を覆うと共に前記熱伝導体よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い赤外線反射部材(25)と、
前記複数個の感温素子が検出した温度に基づいて、前記空気の風向を検出する処理部(81)と、を備える風向計である。
これらのように、熱伝導体の表面の一部が赤外線反射部材によって覆われているので、熱源からの輻射が赤外線反射部材25によって反射される。したがって、熱源に由来する輻射熱を熱伝導体が吸収する量を低減することができる。ひいては、熱伝導体の表面における温度場に対する熱源による外乱を低減することができる。
なお、本欄および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載されて当該用語の例となる具体物等との対応関係を示すものである。
第1実施形態における車両のエンジンルームにおける風向風速計の配置を示す図である。 風向風速計の全体構成図である。 風向風速計の本体部の平面図である。 図3のIV−IV断面図である。 本体部の拡大図である。 計測部の構成を示す図である。 赤外線反射部材を廃した比較例における本体部の熱回路モデルである。 実施形態における本体部の熱回路モデルである。 実験における熱源HSと熱伝導体の位置関係を示す図である。 比較例における輻射無しの実験と輻射ありの実験における風速の差を示す図である。 実施形態における輻射無しの実験と輻射ありの実験における風速の差を示す図である。 比較例における輻射無しの実験と輻射ありの実験における温度分布の違い示す図である。 実施形態における輻射無しの実験と輻射ありの実験における温度分布の違い示す図である 第2実施形態における風向風速計の全体構成図である。 図14のXV−XV断面図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、車両10は、エンジン114が車両前方に搭載されたエンジン車両である。車両10は、車両ボデー116、車両フード118、エンジン114、シャッター115、クーリングモジュール120等を備えている。
エンジンルーム112は車両ボデー116および車両フード118に取り囲まれることによって形成されている。エンジンルーム112内には、車両10の駆動力を発生する内燃機関であるエンジン114が収容されている。エンジンルーム112の上方は車両フード118で覆われている。
エンジンルーム112の前方は、エンジンルーム112外の空気すなわち外気をエンジンルーム112内に流通させるため、およびエンジンルーム112内の空気を車両10の外に出すために、開口している。すなわち、車両10においてエンジンルーム112の前方には、エンジンルーム112から車両よりも前方の空間に開口した開口孔112aが形成されている。
シャッター115は、開口孔112aにおいて、クーリングモジュール120よりも車両前方側に配置されている。シャッター115は、開閉可能に制御され、開成時には車両よりも前方の空間とエンジンルーム112とを繋ぐ空気通路の開口面積を最大とし、閉成時には当該開口面積を最小とする。
クーリングモジュール120は、車両10に搭載された空調装置の冷媒とエンジン冷却液とを冷却すると共にエンジンルーム112内に送風するユニットであり、エンジンルーム112前方の開口孔112aに設けられている。クーリングモジュール120は、空調用の室外熱交換器122と、エンジン冷却液と空気を熱交換させるラジエータ124と、送風機126とを含んで構成されている。そして、この室外熱交換器122、ラジエータ124、および送風機126は、車両前方から順に、室外熱交換器122、ラジエータ124、送風機126の順番で配置されている。そのため、送風機126は、エンジンルーム112内にて空気流れを生じさせると共に、室外熱交換器122およびラジエータ124に空気を流す。
また、エンジン114はエンジンルーム112内に収容されているが、エンジン114とエンジン114の上方に配置された車両フード118との間には、エンジン上部隙間112bが形成されている。このエンジン上部隙間112bはエンジンルーム112内においてエンジン114の前方と後方との間で空気が流通できるように、すなわち、エンジン114の前方の空間と後方の空間112cとをつなぐように形成されている。
送風機126は、車両よりも前方の空間からエンジンルーム112内へエンジンルーム112外の空気を流入させる第1送風方向と、エンジンルーム112内の空気をエンジン114側からシャッター115側へと流す第2送風方向とにそれぞれ送風可能となっている。例えば、送風機126が軸流ファン等のファンである場合、第1送風方向が実現されるときと第2送風方向が実現されるときのファンの回転方向が逆である。
例えば、冷房時には、シャッター115が開成され、車両よりも前方の空間からクーリングモジュール120および送風機126を通ってエンジンルーム112内に空気が流れる。すなわち、第1送風方向に空気が流れる。そして、この空気との熱交換により、室外熱交換器122内を流れる冷媒が凝縮し、かつ、ラジエータ124内の冷却液が冷却される。
また例えば、暖房時、特に暖房開始時には、シャッター115が閉成され、送風機126よりもエンジン114側の空間から送風機126よりもシャッター115側の空間に空気が流れる。すなわち、第2送風方向に空気が流れる。そして、この空気との熱交換により、室外熱交換器122内を流れる冷媒が加熱されて蒸発し、かつ、ラジエータ124内のエンジン冷却液が加熱される。また例えば、暖房時には、室外熱交換器122を流れる冷媒を十分加熱し、かつ、エンジン冷却液をオーバーヒートさせないよう、シャッター115の開閉が繰り返される。
このように、シャッター115が開閉し、また、第1送風方向と第2送風方向が交互に切り替わることで、エンジンルーム112内の温度分布が大きく変動する。しかもその変動の振る舞いは、エンジンルーム112内の位置によって大きく異なる。従って、エンジンルーム112内の複数の箇所で風速および風向を検出する必要性が生じる。
図1に示すように、風向風速計1は、エンジンルーム112内で、エンジン114よりも前方かつ送風機126よりも後方に1個、エンジン上部隙間112bに1個、エンジン114よりも後方の空間112cに1個、配置されている。これら風向風速計1は、すべて同等の構成を有している。以下、これらのうち1つの風向風速計1の構成について説明する。
図2、図3、図4に示すように、1つの風向風速計1は、本体部20、16個の感温素子3−1、…、3−16、複数本の配線6、ケーブル7、および計測部8を有している。風向風速計1は、風向風速計1の周囲を流れる風の向きおよび速さを計測し、計測結果を電気信号として出力する。
本体部20は、熱伝導体2と、支柱4と、ヒータカバー31と、ヒータ32と、赤外線反射部材25とを有する。
熱伝導体2は、計測すべき方位に対して断面形状が円形となる電気的絶縁体である。具体的には、熱伝導体2は、樹脂製またはセラミック製の略球形状の、熱を伝導可能な筐体である。ただし、熱伝導体2の内部には、熱伝導体2の中心から熱伝導体2の表面まで柱状に伸びる孔37が形成されている。熱伝導体2に用いられる材料は、例えば、ポリアミドまたはPEEKである。PEEKは、ポリエーテルエーテルケトンの略である。
支柱4は、熱伝導体2の下端部に固定された中空の円筒形状の部材である。具体的には、支柱4は、図4に示すように、支柱4の内部空間である中空部と熱伝導体2の孔37とが連通した状態で、熱伝導体2に固定されている。この固定により、支柱4は、熱伝導体2を支える機能を有する。支柱4の他端は、車両に固定されている。
ヒータカバー31は、ヒータ32を覆う樹脂製またはセラミック製の部材であり、ヒータ32を覆うと共に、孔37の底の部分すなわち熱伝導体2の中心部に配置されている。したがって、ヒータ32およびヒータカバー31は、熱伝導体2の内部、具体的には孔37内に配置されている。このように、孔37は、ヒータ32およびヒータカバー31を受け入れるために形成された孔である。
ヒータ32は、ケーブル7から給電されることで発熱する。例えば、ヒータ32は、電熱線で構成されていてもよい。ヒータ32の発熱によって発生した熱は、熱伝導によりヒータカバー31、熱伝導体2をこの順に伝わり、熱伝導体2から感温素子3−1、…、3−16に熱伝導により伝わる。
赤外線反射部材25は、熱伝導体2の表面よりも赤外線反射能が高い材料で構成されている膜状の部材であり、熱伝導体2の表面の一部および支柱4の表面の一部を覆っている。
ここで、赤外線反射能について説明する。ある物体の赤外線反射能は、輻射熱の原因となる赤外線の波長範囲である0.78μm以上1mm以下において、S(λ)・λ−3をλについて積分した値で定義される。ここで、λは波長であり、S(λ)は、当該波長λの赤外線に対する当該物体の反射率である。すなわち、赤外線反射能Xは、以下の式で定義される。
Figure 2019028031
ここで、λ1は0.78μm、λ2は1mmである。赤外線反射能が高いほど、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い。赤外線反射部材25は、熱伝導体2、支柱4に比べて赤外線を反射し易いので、このようなものが熱伝導体2、支柱4に配置されると、エンジン114からの熱伝導体2、支柱4が受け取る熱の量が低減される。したがって、赤外線反射部材25は、熱伝導体2、支柱4をエンジン114から熱的に保護する機能を有する。
具体的には、赤外線反射部材25は、貴金属(すなわち、金、銀 、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムのいずれか1つまたは複数)から構成されていてもよいし、貴金属以外の金属から構成されていてもよい。
赤外線反射部材25が金属で構成されることで、赤外線反射能が高くなる。また、赤外線反射部材25が貴金属で構成されることで、酸化しにくくなる。したがって、高い赤外線反射能が長期間維持される。
16個の感温素子3−1、…、3−16は、図2、図3、図4に示すように、熱伝導体2の表面に分散して貼り付けられている。これにより、感温素子3−1、…、3−16は、裏面で熱伝導体2と接触すると共に、表面で熱伝導体2の周囲を流れる空気(すなわち外気)に接触する。したがって、感温素子3−1、…、3−16は、外気と熱伝導により熱交換することで、外気から熱的に影響を受ける。
図2、図3に示すように、感温素子3−1、…、3−16の中心位置は、方位角が22.5度ずつずれて0°から337.5°まで等間隔で配置されている。また、図2、図3に示すように、感温素子3−1、…、3−16の中心位置の各々は、極角が−45°、0°、45°のいずれかに配置されており、かつ、方位角が隣り合う感温素子に対して極角が45度ずれて配置されている。また、中心位置の極角が−45°に配置されている感温素子と方位角が隣り合う2つの感温素子は、中心位置の極角が0°である。また、中心位置の極角が45°に配置されている感温素子と方位角が隣り合う2つの感温素子も、中心位置の極角が0°である。また、中心位置の極角が0°に配置されている感温素子と方位角が隣り合う2つの感温素子のうち、一方の感温素子の中心位置の極角が−45°であり、他方の感温素子の中心位置の極角が45°である。
より具体的には、感温素子3−1、3−5、3−9、3−13の各々は、中心位置の極角が−45°となる。また、感温素子3−2、3−4、3−6、3−8、3−10、3−12、3−14、3−16の各々は、中心位置の極角が0°となる。また、感温素子3−3、3−7、3−11、3−15の各々は、中心位置の極角が45°となる。
ここで、極角および方位角は、熱伝導体2の中心を中心とする球面座標表示における極角θおよび方位角φである。より具体的には、ある方向の極角は、その方向とz軸方向が成す角度であり、その方向の方位角は、その方向をx−y平面に射影した方向とx軸方向とが成す角度である。本実施形態では、z軸は、熱伝導体2の中心を通り、図2中上下方向に伸びる軸であり、x軸は当該中心を通りz軸に直交する軸であり、y軸は当該中心を通りz軸およびx軸に直交する軸である。また、x−y平面は、x軸とy軸とを含む平面である。
感温素子3−1、…、3−16の各々は、導電性金属から成る。感温素子3−1、…、3−16の各々は、図5に示すように蛇行しながら一端から他端まで伸びている。図5中では、視認性の向上のため、熱伝導体2以外の物すなわち感温素子3−1、…、3−16および赤外線反射部材25にハッチングが附されている。
感温素子3−1、…、3−16の各々は、通電されると発熱する電気抵抗であるが、その発熱量は、ヒータ32の発熱量に比べると無視できるほど小さい。したがって、感温素子3−1、…、3−16は、熱伝導体2の周囲を流れる空気以外に由来して当該空気から伝わる熱以外の熱によって、具体的には、ヒータ32によって生成されてヒータカバー31、熱伝導体2を伝導した熱によって、温度上昇する。感温素子3−1、…、3−16に用いられる金属は、温度が上昇するにつれて電気抵抗値(以下、単に抵抗値という)が増大する。つまり、感温素子3−1、…、3−16は、自己の温度に応じて電気的特性すなわち抵抗値が変化する。例えば、感温素子3−1、…、3−16は、温度が上昇すると抵抗値が高くなる。
図2、図3、図6に示すように、配線6は感温素子3−1、…、3−16を直列に接続すると共に、感温素子3−1、…、3−16の各々を計測部8に接続する導線である。配線6の一部は、感温素子3−1、…、3−16の両端から伸びて熱伝導体2の表面に配置され、熱伝導体2の表面に沿って伸びる。配線6の残りの一部は、図4に示すように、熱伝導体2と支柱4の隙間から熱伝導体2の孔37に入る。そして配線6の当該残りの一部は、孔37に入った後に支柱4の中空部を通り、計測部8に接続される。ケーブル7は、ヒータ32から伸びて、孔37および支柱4の中空部を通った後、配線6と共に計測部8に接続される。
外気温センサ9は、本体部20の近傍に配置され、エンジンルーム112内かつ本体部20の周囲の空気の温度(すなわち外気温)に応じた電気信号を計測部8に出力するセンサである。
計測部8は、図6に示すように、16個の電圧計V1、…、V16、処理部81、電流源82を有している。電圧計V1、…、V16は、感温素子3−1、…、3−16に、この順に一対一に対応している。電圧計V1、…、V16の各々から、対応する感温素子の両端間の電圧に応じた信号が、処理部81に入力される。
このように、電圧計V1、…、V16の各々は、対応する感温素子に及ぼされる電流および電圧のうち一方の電気的物理量(すなわち電圧)を検出する電気的物理量計である。そして、電流源82は、感温素子3−1、…、3−16に及ぼされる電流および電圧のうち上記一方の電気的物理量(すなわち電圧)とは異なる他方の電気的物理量(すなわち電流)を制御する電源である。
処理部81は、CPU、RAM、ROM等を備えた周知のマイクロコンピュータである。CPUは、ROMに記録されたプログラムを実行し、その際にRAMを作業領域として使用する。CPUがプログラムを実行することにより、処理部81が後述する種々の処理を実行する。
電流源82は、感温素子3−1、…、3−16に所定の電流を供給する回路である。電流源82から供給される電流の電流値は、処理部81によって制御可能となっている。
ここで、本体部20における赤外線反射部材25の配置について、更に説明する。赤外線反射部材25が配置されるのは、図5に示すように、熱伝導体2の表面のうち、孔37に面している部分、感温素子3−1、…、3−16が配置されている部分、配線6が配置される部分、および支柱4に対向している部分を除いた、他の部分である。
これら他の部分は、赤外線反射部材25が無ければ熱源であるエンジン114に対して直接露出してしまう可能性がある部分である。これら他の部分の一部がエンジン114に対して直接露出してしまうと、当該一部がエンジン114の輻射に起因する輻射熱を吸収し、熱伝導体2の表面における温度場に外乱が生じてしまう。
本実施形態では、熱伝導体2の表面の一部が赤外線反射部材25によって覆われているので、エンジン114からの輻射が赤外線反射部材25によって反射される。したがって、高温のエンジン114に由来する輻射熱を熱伝導体2が吸収する量を低減することができる。ひいては、熱伝導体2の表面における温度場に対するエンジン114による外乱を低減することができる。
また、図5に示すように、感温素子3−1、…、3−16の各々において、当該感温素子の一方の端に、複数本の配線6のうち1本(第1の配線6に相当する)が接続され、当該感温素子の他方の端に、複数本の配線6のうち他の1本(第2の配線6に相当する)が接続される。そして、熱伝導体2の表面において、これら第1の配線6と第2の配線6によって挟まれる領域のうち狭い方が、赤外線反射部材25によって覆われる。
更には、上記第1の配線6は2本に分岐し、熱伝導体2の表面においてその分岐した2本によって挟まれる領域のうち狭い方が、赤外線反射部材25によって覆われる。第2の配線6についても同様である。
また、16個の感温素子3−1、…、3−16のうちどの2つについても、熱伝導体2の表面上における当該2つの感温素子の一方から他方までの最短経路の一部を、赤外線反射部材25が覆っている。このように、熱伝導体2上にバランス良く赤外線反射部材25が配置されている。したがって、本体部20の周囲のどの方向に高温の熱源(例えばエンジン114)があっても、その熱源に由来する輻射熱の影響が抑えられる。
なお、本実施形態においては、感温素子3−1、…、3−16および配線6も、赤外線反射部材25と同じ材質から構成される。したがって、感温素子3−1、…、3−16および配線6も、赤外線反射能が熱伝導体2、支柱4よりも高い。したがって、感温素子3−1、…、3−16および配線6も、熱伝導体2、支柱4をエンジン114から熱的に保護する機能を、赤外線反射部材25と同様に有する。
このようになっていることで、熱伝導体2が吸収するエンジン114由来の輻射熱の量を更に低減することができる。また、感温素子3−1、…、3−16および配線6が赤外線反射部材25と同じ材質から構成されるので、風速計の製造に要する材料の数を低減することができると共に、材質の違いによって温度場のばらつきが発生する可能性を低減することができる。
なお、感温素子3−1、…、3−16、配線6、赤外線反射部材25は、いずれも導体である。したがって、図5に示すように、感温素子3−1、…、3−16と赤外線反射部材25は、互いに接触しないように、熱伝導体2の表面に沿った僅かな隙間を互いに空けて、配置されている。また、図5に示すように、配線6と赤外線反射部材25は、互いに接触しないように、熱伝導体2の表面に沿った僅かな隙間を互いに空けて、配置されている。
これらの隙間においては、熱伝導体2の表面が何にも覆われずに空気に露出している。しかし、これらの隙間の面積は、熱伝導体2の表面のうち感温素子3−1、…、3−16、配線6、赤外線反射部材25によって覆われる部分の面積よりも遙かに小さい。したがって、これら隙間がエンジン114の熱輻射の遮蔽効果に与える悪影響は小さい。
また、赤外線反射部材25は、支柱4の表面のうち、中空部に面する部分および熱伝導体2に対向する部分以外の全部または一部を、覆っている。支柱4が輻射熱を吸収すると、その熱が支柱4から熱伝導体2に熱伝導により移動し、更に熱伝導体2から感温素子3−1、…、3−16に熱伝導により移動する。したがって、支柱4が赤外線反射部材25によって覆われることで、感温素子3−1、…、3−16が熱源からの輻射熱の影響をより受けにくくなる。
以上のような構成の風向風速計1の作動について、以下説明する。風向風速計1の作動中、計測部8は、ケーブル7を介してヒータ32に一定電流を常に供給する。これにより、ヒータ32は発熱する。ヒータ32で発生した熱は、熱伝導によりヒータカバー31、熱伝導体2を伝わり、更に熱伝導により熱伝導体2から感温素子3−1、…、3−16に伝わる。
感温素子3−1、…、3−16は、ヒータ32から伝えられた熱によって熱せられ、感温素子3−1、…、3−16の周囲を流れる風によって冷却される。したがって、感温素子3−1、…、3−16の温度に基づいて、感温素子3−1、…、3−16の周囲を流れる風の風速および風向を計測できる。
計測部8の処理部81は、感温素子3−1、…、3−16に所定の一定電流値の電流が供給されるよう、電流源82を制御する。これにより、電流源82は、一定の電流値の電流を感温素子3−1、…、3−16に供給する。
また、処理部81は、上述のように電流源82を制御している期間中に、電圧計V1、…、V16から入力された信号に基づいて、感温素子3−1、…、3−16の両端に印加された16個の電圧値を繰り返し定期的に(例えば1秒に1回)特定する。
そして処理部81は、16個の電圧値を特定する度に、これら電圧値に基づいて、感温素子3−1、…、3−16の各々の温度を特定する。
具体的には、処理部81は、感温素子3−1、…、3−16の各々について、当該感温素子の両端に印加された電圧値と、上述の一定電流値に基づいて、当該感温素子の抵抗値を算出する。そして処理部81は、算出した抵抗値を、ROMにあらかじめ記録されている抵抗値−温度テーブルに適用することで、当該感温素子が当該抵抗値を示すときの当該感温素子の温度を特定する。抵抗値−温度テーブルは、抵抗値と、感温素子3−1、…、3−16が当該抵抗値を示すときの当該感温素子の温度との対応関係を表すデータである。
また処理部81は、感温素子3−1、…、3−16の各々の温度を特定する度に、外気温センサ9からの信号に基づいて外気温を特定し、特定した外気温と感温素子3−1、…、3−16の温度に基づいて、風向および風速を算出する。
具体的には、処理部81は、感温素子3−1、…、3−16の温度の平均値を算出し、算出した平均値と外気温との差の絶対値が大きいほど風速が大きくなるよう、風速を決定する。
また、処理部81は、感温素子3−1、…、3−16の周囲の風向を、以下のような方法で導出する。処理部81は、まず、16個の感温素子3−1、…、3−16の温度のうち、低いものから順に4個の温度Tx1、Tx2、Tx3、Tx4を抽出する。ここでは、温度Tx1、Tx2、Tx3、Tx4はすべて異なる値であるとする。
続いて処理部81は、抽出した4つの温度に基づいて、風向を算出する。算出方法は、感温素子3−1、…、3−16の各々の温度Tsが以下の式(1)のように極角θ、方位角φの関数で近似されることを利用する。
Ts=a×(θ+φ)+b×θ+c×φ+d (1)
ここで、Tsは、対象となる感温素子の温度、θおよびφは当該感温素子の中心位置の極角および方位角である。またa、b、c、dは定数である。
具体的には、処理部81は、温度Tx1、Tx2、Tx3、Tx4を示した感温素子について、温度、中心位置の極角、中心位置の方位角の3つの値を上記式(1)に代入する。それにより、a、b、c、dに関する4つの連立方程式(2)、(3)、(4)、(5)を得る。
Tx1=a×(θ1+φ1)+b×θ1+c×φ1+d (2)
Tx2=a×(θ2+φ2)+b×θ2+c×φ2+d (3)
Tx3=a×(θ3+φ3)+b×θ3+c×φ3+d (4)
Tx4=a×(θ4+φ4)+b×θ4+c×φ4+d (5)
処理部81は、この連立方程式を解いてa、b、c、dを算出する。そして、算出したa、b、c、dを式(1)に代入し、更に式(1)の1階全微分がゼロになるθ、φを算出する。処理部81は、算出したθ、φの位置から熱伝導体2の中心に向かう方向を、風向として決定する。
このような、風向風速計1の作動中においても、赤外線反射部材25、熱伝導体2の表面を覆う感温素子3−1、…、3−16、配線6の存在により、エンジン114から本体部20に向かう輻射の多くが反射される。したがって、熱伝導体2が吸収する輻射熱の量が低減され、ひいては、風向および風速の計測精度が高まる。
ここで、本実施形態の風向風速計1から赤外線反射部材25を廃した比較例における本体部20の熱回路モデルを図7に示し、本実施形態のように赤外線反射部材25を熱伝導体2の表面に固定した例における本体部20の熱回路モデルを図8に示す。
図7、図8は、本体部20の中心を通る平面で本体部20を切った断面図の一部を模式的に表す。図7、図8中、R1は、熱源であるヒータ32と感温素子3−1の間の、熱伝導体2を介した熱抵抗を表す。R2は、熱源であるヒータ32と感温素子3−2の間の、熱伝導体2を介した熱抵抗を表す。R3は、感温素子3−1と感温素子3−2の間の熱伝導体2を介した熱抵抗を表す。R4は、感温素子3−1と外気の間の熱抵抗を示す。R5は、感温素子3−2と外気の間の熱抵抗を示す。また、図8において、R6は、感温素子3−1と感温素子3−2の間の赤外線反射部材25を介した熱抵抗を表す。
熱抵抗R1と熱抵抗R2は並列の関係にあるので、合成抵抗Rは、R=1/R3+1/R6となる。したがって、熱抵抗R6を十分大きくすれば、赤外線反射部材25の存在による2つの感温素子間の熱抵抗への影響は低減することができる。そして、熱抵抗R3はR3=L1/(kp・D・b)で表される。また、熱抵抗R6はR6=L2/(km・d・b)で表される。
ここで、kpは熱伝導体2の熱伝導率である。また、L1は感温素子間の熱伝導体2に沿った距離である。また、Dは熱伝導体2において感温素子間の熱伝達ができる深さを(例えば3mm)である。また、bは感温素子間の熱移動方向における感温素子の幅である。また、kmは赤外線反射部材25の熱伝導率である。また、dは熱伝導体2の表面に垂直な方向における赤外線反射部材25の厚みである。また、L2は熱伝導体2に沿った方向における2つの感温素子間の赤外線反射部材25の長さである。なお、本実施形態において、熱伝導体2の半径は4mm程度であってもよい。
したがって、赤外線反射部材25の厚みbを十分(例えば0.1μm以下に)小さくすれば、赤外線反射部材25の存在が2つの感温素子間の熱抵抗へ与える影響を、無視できる程度に低減できる。
次に、上述の比較例と、本実施形態の風向風速計1の両方について、高温の熱源を近傍に配置した場合としない場合の計測実験の結果を説明する。以降、高温の熱源を近傍に配置した実験を、輻射ありの実験といい、高温の熱源を近傍に配置しない実験を、輻射無しの実験という。輻射ありの実験においては、図9に示すように、熱伝導体2から見て方位角φ=−90度の方向に高温の熱源HSが配置されている。輻射ありの実験と輻射なしの実験では、風向および風速は同じになっている。
比較例の風向風速計では、図10に示すように、輻射ありの実験と輻射なしの実験では、外気温と感温素子3−1、…、3−16の平均温度との差について、違いが大きい。その結果、最終的に計測される風速は、矢印G1のように、大きく異なってしまう。
これに対し、本実施形態の風向風速計1では、図11に示すように、輻射ありの実験と輻射なしの実験で、外気温と感温素子3−1、…、3−16の平均温度との差について、違いが小さい。その結果、最終的に計測される風速も、輻射ありの実験と輻射なしの実験で殆ど違いがない。つまり、風向風速計1による風速の検出結果に、熱源HSの有無は殆ど影響しない。これは、赤外線反射部材25によって熱源HSの輻射熱が遮られ、熱源HSによる外乱が熱伝導体2に殆ど発生しないからである。
図12、図13は、それぞれ、比較例の風向風速計と本実施形態の風向風速計1において、極角θがゼロの位置にある感温素子3−2、3−4、3−6、3−8、3−10、3−12、3−14、3−16の各々について、方位角φと温度を表したものである。実線P1が輻射ありの実験結果であり、破線P2が輻射なしの実験結果である。
比較例の風向風速計では、図12に示すように、輻射ありの実験では、方位角φが−90近傍にある感温素子において、輻射なしの実験に比べて温度が高くなっている。つまり、感温素子の温度が、熱源HSの方に偏って高くなっている。この結果、実際の風は、方位角φ=0°の方向から来るにもかかわらず、輻射ありの実験では、検出される風向が角度G2だけずれてしまう。
これに対し、本実施形態の風向風速計1では、図13に示すように、輻射ありの実験と輻射なしの実験で、各感温素子の温度に違いが小さい。その結果、最終的に計測される風向も、輻射ありの実験と輻射なしの実験で殆ど違いがない。つまり、風向風速計1による風向の検出結果に、熱源HSの有無は殆ど影響しない。これは、赤外線反射部材25によって熱源HSの輻射熱が遮られるので、輻射熱による熱伝導体2表面の温度場の歪みが殆ど発生しないからである。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について、図14、図15を用いて説明する。本実施形態の風向風速計1は、第1実施形態に比べて、赤外線反射部材25の配置が異なる。その他の構成および作動は、第1実施形態と同じである。
本実施形態の赤外線反射部材25は、熱伝導体2の表面のうち、感温素子3−1、…、3−16、配線6の間の部分のみならず、感温素子3−1、…、3−16、配線6が配置されている部分も、覆っている。
より具体的には、熱伝導体2の表面のうち、孔37に面している部分でも支柱4に対向する部分でもない部分の全体を、赤外線反射部材25が覆う。このようになっていることで、エンジン114の輻射熱に起因する熱伝導体2における温度場の乱れがより低減され、かつ、エンジン114の輻射熱に起因する熱伝導体2の温度上昇がより低減される。
したがって、図14、図15に示すように、赤外線反射部材25は、熱伝導体2の表面のうち、感温素子3−1、…、3−16が配置されている部分も覆う。したがって、感温素子3−1、…、3−16は、熱伝導体2と赤外線反射部材25に挟まれた状態になる。
ただし、図15に示すように、赤外線反射部材25と感温素子3−1、…、3−16との間には、空間が隔てられている。したがって、赤外線反射部材25と感温素子3−1、…、3−16とが導通することはない。このように、赤外線反射部材25と感温素子3−1、…、3−16が重なることで、エンジン114の輻射熱に起因する熱伝導体2における温度場の乱れがより低減される。
また、図14、図15に示すように、赤外線反射部材25は、熱伝導体2の表面のうち、配線6が配置されている部分も覆う。したがって、配線6は、熱伝導体2と赤外線反射部材25に挟まれた状態になる。ただし、図15に示すように、赤外線反射部材25と配線6との間には、空間が隔てられている。したがって、赤外線反射部材25と配線6とが導通することはない。このように、赤外線反射部材25と配線6が重なることで、エンジン114の輻射熱に起因する熱伝導体2における温度場の乱れがより低減される。
なお、本実施形態の赤外線反射部材25の材質は、第1実施形態と同じである。しかし、赤外線反射部材25と感温素子3−1、…、3−16とは同材質であってもよいし、同材質でなくてもよい。また、感温素子3−1、…、3−16は、赤外線反射能が熱伝導体2と同じかあるは熱伝導体2より低くてもよい。また、赤外線反射部材25と配線6とは同材質であってもよいし、同材質でなくてもよい。また、配線6は、赤外線反射能が熱伝導体2と同じかあるは熱伝導体2より低くてもよい。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、感温素子3−1、…、3−16の各々は、温度に応じて抵抗値が変化する素子であった。しかし、感温素子は、そのようなものに限られず、自己の温度に応じて電気的特性が変化する素子ならばどのようなものでもよい。例えば、感温素子3−1、…、3−16は、熱電対であってもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、風向風速計1は車両に搭載されているが、車両以外のものに搭載されていてもよい。
(変形例3)
上記実施形態において、外気温センサ9の表面も赤外線反射部材25によって覆われていてもよい。この場合、外気温センサ9の表面よりも赤外線反射部材25の方が赤外線反射能が高い。
(変形例4)
上記実施形態において、ヒータ32は廃されてもよい。その場合、感温素子3−1、…、3−16は、感温素子3−1、…、3−16自体が通電によって発した熱によって温度が上昇する。
(変形例5)
上記実施形態では、赤外線反射部材25は金属で構成されているが、赤外線反射部材25は、熱伝導体2よりも赤外線反射能が高ければ、金属以外のもの(例えば樹脂)で構成されていてもよい。
(変形例6)
上記実施形態では、感温素子3−1、…、3−16の数は16個設けられている。しかし、感温素子の数は16個より多くてもよいし少なくてもよい。また、風速を検出して風向を検出しないのなら、感温素子の数は1個でもよい。
(変形例7)
上記実施形態においては、風向と風速の両方を計測する風向風速計が例示されている。しかし、赤外線反射部材25を用いる手法は、風向と風速のうち風向のみを計測するタイプの風向計にも適用可能であり、また、風向と風速のうち風速のみを計測するタイプの風速計にも適用可能である。なお、第1、第2実施形態における風向風速計1は、風向を計測するので風向計の一種であると共に、風速を計測するので風速計の一種でもある。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、赤外線反射部材は、熱伝導体の表面のうち、1個以上の感温素子が配置されている部分でも複数個の配線が配置されている部分でもない部分を覆うと共に熱伝導体よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い。
また、第2の観点によれば、赤外線反射部材は金属で構成されている。このようになっていることで、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い赤外線反射部材を提供することができる。
また、第3の観点によれば、赤外線反射部材は貴金属で構成されている。このようになっていることで、赤外線反射部材が酸化しにくくなる。したがって、高い赤外線反射能が長期間維持される。
また、第4の観点によれば、風速計は、熱伝導体の内部に配置されたヒータを備え、赤外線反射部材は、熱伝導体の表面のうち、ヒータを受け入れるために形成された孔に面している部分でも熱伝導体を支える支柱に対向する部分でもない部分の全体を覆う。
このようになっていることで、熱源の輻射熱に起因する熱伝導体2における温度場の乱れがより低減され、かつ、熱源の輻射熱に起因する熱伝導体2の温度上昇がより低減される。
また、第5の観点によれば、赤外線反射部材は、熱伝導体の表面のうち、1個以上の感温素子が配置されている部分も覆う。このように、赤外線反射部材と1個以上の感温素子が重なることで、熱源の輻射熱に起因する熱伝導体の温度上昇がより低減される。
また、第6の観点によれば、1個以上の感温素子は、熱伝導体よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い。このようになっていることで、熱伝導体が吸収する熱源由来の輻射熱の量を更に低減することができる。
また、第7の観点によれば、1個以上の感温素子の材質は、赤外線反射部材と同じである。このようになっていることで、風速計の製造に要する材料の数を低減することができると共に、材質の違いによって温度場のばらつきが発生する可能性を低減することができる。
また、第8の観点によれば、1個以上の感温素子は、複数個の感温素子である。また、複数個の感温素子のうちどの2つの感温素子についても、熱伝導体の表面上における当該2つの感温素子の一方から他方までの最短経路の一部を、赤外線反射部材が覆っている。
このように、熱伝導体2上にバランス良く赤外線反射部材25が配置されている。したがって、本体部20の周囲のどの方向に高温の熱源(例えばエンジン114)があっても、その熱源に由来する輻射熱の影響が抑えられる。
また、第9の観点によれば、風向計も、上記各観点における風速計と同等の特徴を有する。
1 風向風速計
2 熱伝導体
3−1、…、3−16 感温素子
6 配線
25 赤外線反射部材
81 処理部

Claims (9)

  1. 熱を伝導可能な熱伝導体(2)と、
    前記熱伝導体の表面に配置されると共に、流れる空気から熱的に影響を受ける位置に配置され、前記空気から伝達される熱以外の熱によって温度上昇し、自己の温度に応じて電気的特性が変化する1個以上の感温素子(3−1、…、3−16)と、
    前記1個以上の感温素子が検出した温度に基づいて、前記空気の風速を検出する処理部(81)と、
    前記1個以上の感温素子と前記処理部とを電気的に繋ぐ複数個の配線(6)と、
    前記熱伝導体の表面のうち、前記1個以上の感温素子が配置されている部分でも前記複数個の配線が配置されている部分でもない部分を覆うと共に前記熱伝導体よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い赤外線反射部材(25)と、を備えた風速計。
  2. 前記赤外線反射部材は金属で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の風速計。
  3. 前記赤外線反射部材は貴金属で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の風速計。
  4. 前記熱伝導体の内部に配置されたヒータ(32)を備え、
    前記赤外線反射部材は、前記熱伝導体の表面のうち、前記ヒータを受け入れるために形成された孔(37)に面している部分でも前記熱伝導体を支える支柱に対向する部分でもない部分の全体を覆うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の風速計。
  5. 前記赤外線反射部材は、前記熱伝導体の表面のうち、前記1個以上の感温素子が配置されている部分も覆うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の風速計。
  6. 前記1個以上の感温素子は、前記熱伝導体よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高いことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の風速計。
  7. 前記1個以上の感温素子の材質は、前記赤外線反射部材と同じであることを特徴とする請求項6に記載の風速計。
  8. 前記1個以上の感温素子は、複数個の感温素子であり、
    前記複数個の感温素子のうちどの2つの感温素子についても、前記熱伝導体の表面上における当該2つの感温素子の一方から他方までの最短経路の一部を、前記赤外線反射部材が覆っていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の風速計。
  9. 熱を伝導可能な熱伝導体(2)と、
    前記熱伝導体の表面に配置されると共に、流れる空気から熱的に影響を受ける位置に配置され、前記空気から伝達される熱以外の熱によって温度上昇し、自己の温度に応じて電気的特性が変化する複数個の感温素子(3−1、…、3−16)と、
    前記熱伝導体の表面のうち、前記複数個の感温素子が配置されている複数の部分以外の部分を覆うと共に前記熱伝導体よりも、赤外線によって運ばれるエネルギーの反射率が高い赤外線反射部材(25)と、
    前記複数個の感温素子が検出した温度に基づいて、前記空気の風向を検出する処理部(81)と、を備える風向計。
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