JP2019025867A - インクシステムおよびインクジェットプリンタ - Google Patents

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敬之 森上
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Abstract

【課題】回転機構によってバルブを開閉しつつインクの逆流を防ぐインクシステムを提供する。
【解決手段】排出ポンプと、第1〜第3バルブ101〜103と、第1回転位置P1〜第3回転位置P3を取ることが可能に構成され、それぞれ第1回転位置P1〜第3回転位置P3において第1〜第3バルブ101〜103を開にする回転体120とを備える。インクシステムは、回転体120を回転させ、回転体120に第1回転位置P1〜第3回転位置P3を取らせるとともに、排出ポンプを制御して、回転体120の回転位置を変えるのに先立って排出流路内の圧力を大気圧よりも低い第1圧力以下にさせる。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクシステムおよびインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタにおいて、従来からインク供給路内のインクや空気を排出する機構が知られている。例えば特許文献1には、廃液タンクに一端が接続され、インクの循環路に他端が接続された廃液路を備えたインクジェットプリンタが開示されている。
特開2008−12819号公報
インク供給路からインクや空気を排出することを目的に構成された排出システムにおいては、通常、排出時だけに開放されるバルブがインク供給路ごとに設けられている。これらバルブはそれぞれ流路を開閉するアクチュエータを備え独立に制御されてもよいが、本願の発明者らは、1つのアクチュエータで複数のバルブの開閉を制御することを考えた。詳しくは、回転体を備え、回転体の回転位置によって開放されるバルブが異なるようなシステムを考案した。例えばそれは、特定の回転位置においてバルブのメカスイッチを押下または開放するようなカムを複数備えたカム機構などである。このような回転機構により、排出システムのバルブのコストを削減し、配線や制御を簡素にすることができた。
しかしながら、上記のような回転機構によってバルブを開閉する排出システムには、回転機構特有の問題が発生する。回転機構によってバルブを開閉する排出システムでは、第1の回転位置から、第1の回転位置と隣接しない第2の回転位置に移動する際には、第1の回転位置と第2の回転位置との間にある第3の回転位置を経由しなければならない。第3の回転位置を通過する際には、第3の回転位置に対応するバルブが一時的に開となり、排出側とインク供給路側が連通する。このとき当該インク供給路側の圧力が負圧だと、排出側からインクヘッド側に向かってインクが逆流してしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転機構によってバルブを開閉しつつ、逆流を防ぐインクシステムを提供することである。
本発明に係るインクシステムは、第1〜第3インク供給路と、吸入部を有する排出ポンプと、前記排出ポンプの前記吸入部に接続されたメイン排出流路と、それぞれ前記第1〜第3インク供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第1〜第3サブ排出流路と、それぞれ前記第1〜第3サブ排出流路に設けられた第1〜第3バルブと、それぞれ前記第1〜第3バルブに接続され、第1状態になったとき前記第1〜第3バルブを開き、第2状態になったとき前記第1〜第3バルブを閉じるように構成された第1〜第3スイッチと、少なくとも第1〜3回転位置を取ることが可能に構成され、それぞれ前記第1〜第3回転位置において前記第1〜第3スイッチを第1状態にする回転体と、前記回転体を回転させるアクチュエータと、前記排出ポンプおよび前記アクチュエータに通信可能に接続された制御装置とを備える。前記制御装置は、排出制御部を備える。前記排出制御部は、前記アクチュエータを制御して前記回転体を回転させ、前記回転体に前記第1〜第3回転位置を取らせるとともに、前記排出ポンプを制御して、前記回転体の回転位置を変えるのに先立って前記メイン排出流路内の圧力を大気圧よりも低い第1圧力以下にさせる。
また、本発明に係る他のインクシステムは、第1インク供給路と、第2インク供給路と、吸入部を有する排出ポンプと、前記排出ポンプの前記吸入部に接続されたメイン排出流路と、前記第1供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第1サブ排出流路と、前記第2供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第2サブ排出流路と、前記第1サブ排出流路に設けられた第1バルブと、前記第2サブ排出流路に設けられた第2バルブと、前記第1バルブに接続され、第1状態になったとき前記第1バルブを開き、第2状態になったとき前記第1バルブを閉じるように構成された第1スイッチと、前記第2バルブに接続され、第1状態になったとき前記第2バルブを開き、第2状態になったとき前記第2バルブを閉じるように構成された第2スイッチと、少なくとも第1〜3回転位置を取ることが可能に構成され、前記第1回転位置において前記第1スイッチを第1状態にし、前記第2回転位置において前記第2スイッチを第1状態にし、前記第3回転位置において前記第1および第2スイッチを第1状態にする回転体と、前記回転体を回転させるアクチュエータと、前記排出ポンプおよび前記アクチュエータに通信可能に接続された制御装置とを備える。前記制御装置は、排出制御部を備える。前記排出制御部は、前記アクチュエータを制御して前記回転体を回転させ、前記回転体に前記第1〜第3回転位置を取らせるとともに、前記排出ポンプを制御して、前記回転体を回転させるのに先立って前記メイン排出流路内の圧力を大気圧よりも低い第1圧力以下にさせる。
これらのインクシステムによれば、回転体が回転位置を変える前に、あらかじめメイン排出流路および第1〜第3サブ排出流路内を所定の圧力以下にしておくことができる。この所定の圧力は、大気圧よりも低い負圧である。それにより、内部が負圧になったインク供給路に繋がるバルブが開放された場合でも、当該インク供給路へのインクの逆流を抑えることができる。
一実施形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。 インクシステムの構成を示す模式図である。 カムシステムを模式的に示す斜視図である。 第1カム付近の断面図、第2カム付近の断面図、第3カム付近の断面図、および第4カム付近の断面図を並べて示した図である。 プリンタのブロック図である。 回転体の回転位置が3位置の場合を示す模式図であって、バルブの数が3個の場合を示す図である。 回転体の回転位置が3位置の場合を示す模式図であって、バルブの数が2個の場合を示す図である。 回転体の回転位置が4位置の場合を示す模式図であって、バルブの数が4個の場合を示す図である。 回転体の回転位置が4位置の場合を示す模式図であって、バルブの数が3個の場合を示す図である。
以下、図面を参照しながら、いくつかの実施形態に係るインクシステムおよびインクシステムを備えたインクジェットプリンタについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。以下の説明では、インクジェットプリンタを正面から見たときに、インクジェットプリンタから遠ざかる方を前方、インクジェットプリンタに近づく方を後方とする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、インクジェットプリンタの設置態様等を限定するものではない。また、図面中の符号Yは主走査方向を示し、符号Xは主走査方向Yと直交する副走査方向Xを示している。
図1は、一実施形態に係る大判のインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」とする。)10の正面図である。プリンタ10は、ロール状の記録媒体5を順次前方に移動させると共に、主走査方向Yに移動するキャリッジ25に搭載されたインクヘッド52、62、672、82(図2参照)からインクを吐出することによって、記録媒体5上に画像を印刷する。
記録媒体5は、画像が印刷される対象物である。記録媒体5は特に限定されない。記録媒体5は、例えば、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類であってもよいし、樹脂製やガラス製などの透明なシートであってもよいし、金属製やゴム製等のシートであってもよい。
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体10aと、プリンタ本体10aを支持する脚11とを備えている。プリンタ本体10aは、主走査方向Yに延びている。プリンタ本体10aは、ガイドレール21と、ガイドレール21に係合したキャリッジ25とを備えている。ガイドレール21は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール21は、キャリッジ25の主走査方向Yへの移動をガイドする。キャリッジ25には無端状のベルト22が固定されている。ベルト22は、ガイドレール21の右側に設けられたプーリ23aおよび左側に設けられたプーリ23bに巻き掛けられている。右側のプーリ23aにはキャリッジモータ24が取り付けられている。キャリッジモータ24は、制御装置200と電気的に接続されている。キャリッジモータ24は、制御装置200によって制御される。キャリッジモータ24が駆動するとプーリ23aが回転し、ベルト22が走行する。それにより、キャリッジ25がガイドレール21に沿って主走査方向Yに移動する。このように、キャリッジ25が主走査方向Yに移動することによって、インクヘッド52〜82も主走査方向Yに移動する。
キャリッジ25の下方には、プラテン12が配置されている。プラテン12は、主走査方向Yに延びている。プラテン12には記録媒体5が載置される。プラテン12の上方には、記録媒体5を上から押下するピンチローラ31が設けられている。ピンチローラ31は、キャリッジ25より後方に配置されている。プラテン12には、グリットローラ32が設けられている。グリットローラ32は、ピンチローラ31の下方に配置されている。グリットローラ32は、ピンチローラ31と対向する位置に設けられている。グリットローラ32は、フィードモータ33(図5参照)に連結されている。グリットローラ32は、フィードモータ33の駆動力を受けて回転可能に形成されている。フィードモータ33は、制御装置200と電気的に接続されている。フィードモータ33は、制御装置200によって制御される。ピンチローラ31とグリットローラ32との間に記録媒体5が挟まれた状態でグリットローラ32が回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。
図2は、本実施形態に係るインクシステム40の構成を示す模式図である。図2に示すように、本実施形態に係るインクシステム40は、第1インク供給システム50と、第2インク供給システム60と、第3インク供給システム70と、第4インク供給システム80と、キャッピングシステム90と、排出システム100とを備えている。
第1インク供給システム50〜第4インク供給システム80は、記録媒体5に対して吐出されるインクを供給するシステムである。本実施形態では、第1インク供給システム50は、シアンインクが貯留されたインクカートリッジ51を備え、インクヘッド52からシアンインクを吐出する。第2インク供給システム60は、マゼンタインクが貯留されたインクカートリッジ61を備え、インクヘッド62からマゼンタインクを吐出する。第3インク供給システム70は、イエローインクが貯留されたインクカートリッジ71を備え、インクヘッド72からイエローインクを吐出する。第4インク供給システム80は、ブラックインクが貯留されたインクカートリッジ81を備え、インクヘッド82からブラックインクを吐出する。第1インク供給システム50〜第4インク供給システム80の4つのインク供給システムは、吐出するインクの種類は異なっているが、同じ内部構成を備えている。そこで、以下では第1インク供給システム50について内部の構成を詳述し、第2インク供給システム60〜第4インク供給システム80については説明を省略する。なお、インクシステムの数は4個に限定されず、各インクヘッドから吐出されるインクの色も上記4種類に限定されない。また、インクの材料は何ら限定されず、従来からインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。
図2に示されるように、第1インク供給システム50は、インクカートリッジ51と、インクヘッド52と、循環流路53と、上流側ポンプ54と、上流側ダンパ55と、下流側ポンプ56と、下流側ダンパ57と、エアトラップ58とを備えている。
インクカートリッジ51は、インクを貯留する部材である。インクカートリッジ51は、例えば、プリンタ本体10aに着脱自在に設けられている。ただし、インクカートリッジ51の配置される位置は限定されない。例えば、インクカートリッジ51は、キャリッジ25に着脱自在に設けられていてもよい。
循環流路53は、インクの成分が沈降しないようにインクを循環させる流路である。また、循環流路53は、印刷時には、インクヘッド52にインクを供給する流路である。そこで、循環流路53には、インクカートリッジ51が供給流路53aを介して接続されている。循環流路53および供給流路53aの種類および材質は限定されないが、例えば、可撓性を有するチューブである。循環流路53において、循環流路53と供給流路53aとの接続点C1の下流には、上流側ポンプ54が設けられている。上流側ポンプ54の下流には、上流側ダンパ55が設けられている。上流側ダンパ55の下流には、インクヘッド52が設けられている。上流側ポンプ54は、インクカートリッジ51からインクヘッド52に向かう方向に送液するように設定され、インクヘッド52へのインクの供給流量を制御している。インクヘッド52の下流には、下流側ダンパ57が設けられている。下流側ダンパ57の下流には、下流側ポンプ56が設けられている。下流側ポンプ56は、インクヘッド52から出てゆく方向に送液するように設定され、インクヘッド52からのインクの帰還流量を制御している。下流側ポンプ56のさらに下流には、エアトラップ58が配置されている。エアトラップ58の下流で、循環流路53は、供給流路53aとの接続点C1に戻っている。
上流側ポンプ54および下流側ポンプ56は、インクヘッド52内のインク圧を適正な圧力(例えば、−1kPa程度)に調整している。上流側ポンプ54は、インクの供給流量を調整することで、上流側のインク圧力を調整している。下流側ポンプ56は、インクの帰還流量を調整することで、下流側のインク圧力を調整している。インクヘッド52の上流側および下流側のインク圧が調整されることで、インクヘッド52内のインク圧が調整される。上流側ポンプ54、下流側ポンプ56の種類は特に限定されない。上流側ポンプ54、下流側ポンプ56は、例えば、チューブポンプ、ダイヤフラムポンプ等である。
上流側ダンパ55および下流側ダンパ57は、インクの圧力変動を緩和してインクヘッド52のインク吐出動作を安定させるとともに、インクヘッド52内のインクの圧力を所望の圧力に調整するための部材である。上流側ダンパ55および下流側ダンパ57は、内部にインクを貯留する貯留室と、貯留室内のインク圧を検出する圧力センサを備えている。上流側ポンプ54および下流側ポンプ56の駆動は、それぞれ上流側ダンパ55および下流側ダンパ57内の圧力センサによるインク圧の検出結果に基づいて制御される。例えば上流側ダンパ55の場合、検出されたインク圧が所定の圧力を超えると、上流側ダンパ55内の圧力センサは、制御装置200に信号を送信する。その信号を受け、制御装置200は、上流側ポンプ54を停止させる。逆に、検出されたインク圧が所定の圧力を下回ると、圧力センサは、制御装置200への信号の送信を停止し、制御装置200は上流側ポンプ54を駆動させる。下流側ダンパ57と下流側ポンプ56についても同様である。上流側ダンパ55および下流側ダンパ57は、このように制御装置200を介して、それぞれ上流側ポンプ54および下流側ポンプ56の駆動を制御する。
インクヘッド52は、記録媒体5に向けてインクを吐出する部材である。インクヘッド52は、副走査方向Xに並んだ複数のノズル52aを有している。また、インクヘッド52の内部には、圧電素子等を備えた吐出機構が設けられている。吐出機構は、制御装置200と電気的に接続されている。吐出機構は、制御装置200によって制御される。吐出機構が駆動することによって、インクヘッド52の複数のノズル52aから記録媒体5に向かってインクが吐出される。
エアトラップ58は、インク内に含まれる空気を捕獲する装置である。エアトラップ58は、例えば、気液分離器である。エアトラップ58は、例えば、インクの流入口と流出口とを有する捕獲室を備え、捕獲室を通過するインクに混入している空気を捕獲する。インクに混入している空気は、捕獲室を通過する際、捕獲室のインク液面よりも上方の空間に放出される。エアトラップ58は、このようにして循環流路53内のインクに巻き込まれている空気を捕獲する。
エアトラップ58は、捕獲された空気の量を検知する空気量センサ58aを備えている。空気量センサ58aは、制御装置200に電気的に接続されている。空気量センサ58aは、捕獲された空気の量が所定量よりも多くなると、それを感知するように構成されている。空気量センサ58aは、例えばフロートセンサであり、例えば捕獲室の空気量が増大するにつれてインクの液面が下降することを検知する。制御装置200は、空気量センサ58aからの信号によって、エアトラップ58に所定量以上の空気が貯留されたことを認識する。
図2に示されるように、本実施形態に係るインクシステム40は、キャッピングシステム90を備えている。キャッピングシステム90は、キャップ91と、キャップ移動機構92と、吸引ポンプ93とを備える。キャップ91は、ガイドレール21の右端部に位置するホームポジション(図示省略)の下方に配置されている。ホームポジションとは、印刷待機時、すなわち、印刷が行われていない時に、キャリッジ25が待機する位置のことである。キャップ91は、インクヘッド52〜82のノズルに付着したインクが硬化して、ノズルが詰まることを抑制する部材である。キャップ91は、印刷待機時において、インクヘッド52〜82のノズル面を覆うようにインクヘッド52〜82に装着される。キャップ移動機構92は、キャップ91に接続されている。キャップ移動機構92は、ホームポジションにおいて、インクヘッド52〜82のノズル面に向かってキャップ91を上下移動させる機構である。キャップ移動機構92の構成は特に限定されないが、例えば、駆動モータを備えている。キャップ移動機構92は、上記駆動モータを駆動することによって、キャップ91を上下移動させる。
吸引ポンプ93は、インクヘッド52〜82にキャップ91が装着されている状態において、インクヘッド52〜82内のインクを吸引する部材である。上記吸引も、インクヘッド52〜82のノズルの詰まりを予防するための作業である。吸引ポンプ93の吸引口は、キャップ91に接続されている。吸引ポンプ93の排出口は、廃液タンク94と接続されている。吸引ポンプ93によって吸引されたインクは、廃液タンク94に廃棄される。
図2に示されるように、本実施形態に係るインクシステム40は、排出システム100を備えている。排出システム100は、インク供給システム50〜80内から空気、または場合によりインクを排出するシステムである。本実施形態に係る排出システム100は、第1バルブ101〜第4バルブ104までの4つのバルブと、排出ポンプ105とを備えている。
図2に示されるように、第1バルブ101は、第1インク供給システム50のエアトラップ58に接続された第1サブ排出流路106の途中に設けられている。第1バルブ101は、開または閉のいずれかの位置を取るように構成されたバルブである。同様に、第2バルブ102は、第2インク供給システム60のエアトラップ68に接続された第2サブ排出流路107の途中に設けられている。第3バルブ103は、第3インク供給システム70のエアトラップ78に接続された第3サブ排出流路108の途中に設けられている。第4バルブ104は、第4インク供給システム80のエアトラップ88に接続された第4サブ排出流路109の途中に設けられている。
第1サブ排出流路106〜第4サブ排出流路109の4つのサブ排出流路は、接続点C2において集約され、1つのメイン排出流路110に接続されている。ただし、第1サブ排出流路106〜第4サブ排出流路109の4つのサブ排出流路とメイン排出流路110とは、必ずしも接続点C2の1点で集約される必要はなく、最終的にメイン排出流路110に集約されればよい。例えば、第1サブ排出流路106と第2サブ排出流路107とが、また、第3サブ排出流路108と第4サブ排出流路109とがいったん集約され、集約された2つの排出流路がメイン排出流路110に集約されてもよい。メイン排出流路110の接続点C2と逆側の端部は、廃液タンク94に接続されている。メイン排出流路110の途中には、排出ポンプ105が設けられている。排出ポンプ105は、駆動時、インク供給システム50〜80から廃液タンク94の方に送液するように構成されている。
第1サブ排出流路106〜第4サブ排出流路109およびメイン排出流路110の種類および材質も限定されないが、例えば、可撓性を有するチューブである。また、排出ポンプ105の種類も限定されないが、チューブポンプやダイヤフラムポンプなどである。
本実施形態に係る第1バルブ101〜第4バルブ104は、機械式のスイッチを備え、スイッチの押下/開放によって流路を開放/閉鎖するバルブである。第1バルブ101〜第4バルブ104のスイッチの押下/開放は、1つのカムシステムによって制御されている。図3は、本実施形態に係るカムシステム115を模式的に示す斜視図である。図3に示されるように、カムシステム115は、第1カム121〜第4カム124の4つのカムを備えた回転体120と、回転体120を回転させるアクチュエータ130と、回転体120の回転位置を検出する位置センサ140(図4参照)とを備えている。カムシステム115には、第1バルブ101〜第4バルブ104が取り付けられている。第1バルブ101〜第4バルブ104には、それぞれ第1サブ排出流路106〜第4サブ排出流路109のチューブが接続されている。
回転体120は、第1バルブ101〜第4バルブ104のスイッチを押下または開放する部材である。回転体120は、第1カム121、第2カム122、第3カム123、第4カム124の4つのカムと、主軸125とを備えている。主軸125は、円筒形の部材であって、円筒軸を中心に回転可能に構成されている。主軸125には、第1カム121〜第4カム124が固定され、主軸125とともに回転する。第1カム121は、第1バルブ101のスイッチを押下する部材である。第2カム122は、第2バルブ102のスイッチを押下する部材である。第3カム123は、第3バルブ103のスイッチを押下する部材である。第4カム124は、第4バルブ104のスイッチを押下する部材である。
図4は、第1カム121付近の断面図、第2カム122付近の断面図、第3カム123付近の断面図、第4カム124付近の断面図を並べて示した図である。図4に示されるように、第1バルブ101〜第4バルブ104は水平に設置され、スイッチ101a〜104aは、図4の右方向に向かって押されるようになっている。図4の右方向は、図4の回転角0度の方向である。また、第1カム121〜第4カム124は、6つの回転位置を取ることが可能に構成されている。6つの回転位置P1〜P6は、60度ごとに設けられている。6つの回転位置P1〜P6は、円周を6等分している。図4は、回転体120の第1回転位置P1が回転角0度の位置を取っているときを示す図である。第1カム121〜第4カム124は、それぞれ2つの突出部を備えている。図4に示されるように、第1カム121〜第4カム124は、いずれも断面においてほぼ円形であるが、円形の外側に突出した2つの突出部を有している。ただし、突出部を備える位置は、カムごとに異なっている。第1カム121は、第1回転位置P1および第5回転位置P5に突出部121aを備えている。第2カム122は、第2回転位置P2および第5回転位置P5に突出部122aを備えている。第3カム123は、第3回転位置P3および第5回転位置P5に突出部123aを備えている。第4カム124は、第4回転位置P4および第5回転位置P5に突出部124aを備えている。
突出部121a〜124aは、それぞれ第1バルブ101〜第4バルブ104のスイッチ101a〜104aを押下するための部材である。図4の第1カム121の断面図では、第1カム121の突出部121aが回転角0度の位置にあり、第1バルブ101のスイッチ101aを押下している。以下では、このように、例えば回転体120の第1回転位置P1が回転角0度方向を向いているときを「回転体120が第1回転位置P1を取っている」等と称する。図4のように、回転体120が第1回転位置P1を取っている状態において、第1バルブ101は開放されている。第1バルブ101は、回転体120が第1回転位置P1および第5回転位置P5にあるとき開放され、それ以外のときには閉鎖される。同様に、第2バルブ102は、回転体120が第2回転位置P2および第5回転位置P5を取っているとき開放され、それ以外のときには閉鎖される。第3バルブ103は、回転体120が第3回転位置P3および第5回転位置P5を取っているとき開放され、それ以外のときには閉鎖される。第4バルブ104は、回転体120が第4回転位置P4および第5回転位置P5を取っているとき開放され、それ以外のときには閉鎖される。上記を回転位置の側から言うと、第1回転位置P1では、第1バルブ101が開放され、他のバルブは閉じている。第2回転位置P2では、第2バルブ102が開放され、他のバルブは閉じている。第3回転位置P3では、第3バルブ103が開放され、他のバルブは閉じている。第4回転位置P4では、第4バルブ104が開放され、他のバルブは閉じている。第5回転位置では、第1バルブ101〜第4バルブ104の全てのバルブが開放されている。第6回転位置では、第1バルブ101〜第4バルブ104の全てのバルブが閉鎖されている。
アクチュエータ130は、回転体120を回転させる部材である。アクチュエータ130は、例えば、サーボモータを備えている。アクチュエータ130は、回転体120の回転位置をサーボモータから制御装置200に送信している。制御装置200は、アクチュエータ130に電気的に接続され、アクチュエータ130の駆動を制御している。
位置センサ140は、回転体120の回転位置を検出する部材である。より具体的には、回転体120が、第6回転位置P6にあるときにそれを感知する部材である。第6回転位置P6は、全バルブが閉の回転位置である。位置センサ140は、第1カム121付近に設けられている。位置センサ140は、回転角180度の位置に配置されている。位置センサ140は、例えば、光電センサであり、投光器と受光器とを備えている。位置センサ140は、制御装置200に電気的に接続されている。投光器は、例えば図4の奥から手前に向かって光を照射し、受光器はその光を受けるように配置されている。第1カム121の第3回転位置P3付近には、遮光板121bが取り付けられている。遮光板121bは、板状の部材である。回転体120が第6回転位置P6を取ったとき、遮光板121bは、回転角180度の位置に配置され、位置センサ140の投光器から受光器に向かって照射されている光を遮蔽する。それにより制御装置200は、回転体120が第6回転位置P6にあることを認識する。回転体120は、通常、第6回転位置P6を取り、全バルブを閉鎖している。制御装置200は、位置センサ140からの信号によって、回転体120が第6回転位置P6にあることを確認するとともに、回転体120が第6回転位置P6を取るたびに回転位置の原点出しを行っている。アクチュエータ130のサーボモータは、第6回転位置P6を原点として回転位置を計測する。
図1に示すように、プリンタ本体10aの右端部には、操作パネル210が設けられている。操作パネル210には、機器状態を表示する表示部と、ユーザーによって操作される入力キー等が設けられている。操作パネル210の内側には、プリンタ10の各種の動作を制御する制御装置200が収容されている。図5は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。図5に示すように、制御装置200は、キャリッジモータ24、フィードモータ33、インクヘッド52、62、72、82、上流側ポンプ54、64、74、84、下流側ポンプ56、66、76、86、キャップ移動機構92、吸引ポンプ93、排出ポンプ105、およびアクチュエータ130と、それぞれ通信可能に接続されており、それらを制御可能に構成されている。また、制御装置200は、上流側ダンパ55、65、75、85、下流側ダンパ57、67、77、87、空気量センサ58a、68a、78a、88a、および位置センサ140と電気的に接続され、それらからの信号を受信している。制御装置200は、循環制御部201と、印刷制御部202と、キャッピング制御部203と、排出制御部204とを備えている。
制御装置200の構成は特に限定されない。制御装置200は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器から印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置とを備えている。なお、制御装置200は必ずしもプリンタ本体10aの内部に設けられている必要はなく、例えば、プリンタ本体10aの外部に設置され、有線または無線を介してプリンタ本体10aと通信可能に接続されたコンピュータ等であってもよい。
循環制御部201は、インク供給システム50、60、70、80の循環流路53、63、73、83においてインクを循環させる部位である。循環制御部201は、例えば第1インク供給システム50の場合、上流側ポンプ54および下流側ポンプ56を制御して、インクを循環させるとともに、インクヘッド52内のインク圧を所定の圧力に制御している。循環制御部201は、上流側ダンパ55からの信号に基づいて上流側ポンプ54の駆動を制御する。また、循環制御部201は、下流側ダンパ57からの信号に基づいて下流側ポンプ56の駆動を制御する。制御の詳細は、前述した通りである。循環制御部201は、第2インク供給システム60〜第4インク供給システム80についても同様に、インクの循環およびインクヘッド内のインクの圧力を制御している。
印刷制御部202は、記録媒体5への画像の印刷を制御する部位である。印刷制御部202は、キャリッジモータ24を駆動させながらインクヘッド52〜82からインクを吐出させて1ライン分の印刷を行わせる。1ライン分の印刷の間に、キャリッジ25は1回または複数回、主走査方向Yに往復される。1ライン分の印刷が完了すると、印刷制御部202は、フィードモータ33を駆動させて、記録媒体5を所定の距離だけ前方に送る。上記を繰り返して、印刷制御部202は、記録媒体5に対して画像を印刷する。
キャッピング制御部203は、キャッピングシステム90を制御して、キャッピングおよびインクヘッドのクリーニングを実施する部位である。印刷待機時、キャッピング制御部203は、キャップ移動機構92を駆動させてキャップ91を上方に移動させ、インクヘッド52〜82にキャップ91を装着させる。また、キャッピング制御部203は、キャップ91の装着時において吸引ポンプ93を駆動させてインクを吸引する。さらに、キャッピング制御部203は、キャップ91の装着時においてインクヘッド52〜82からインクを吐出させるフラッシングを行う。フラッシング動作を定期的に行うことで、インクヘッドからのインク吐出を良好な状態に維持することができる。
排出制御部204は、エアトラップ58、68、78、88から空気およびインクを吸引させて排出させる部位である。排出制御部204は、回転体120のアクチュエータ130および排出ポンプ105に通信可能に接続され、それらの動作を制御している。また、排出制御部204は、空気量センサ58a、68a、78a、88aおよび位置センサ140に通信可能に接続され、それらからの信号を受信している。排出制御部204は、排出指示部204aと、排出動作制御部204bとを備えている。
排出指示部204aは、空気量センサ58a、68a、78a、88aからの信号を受け、エアトラップ58、68、78、88からの空気およびインクの排出を指令する部位である。詳しくは、排出指示部204aは、空気量センサ58aからエアトラップ58に貯留されている空気の量が所定量を超えたことを示す信号を受信すると、エアトラップ58内の空気およびインクの排出を指令する。同様に、排出指示部204aは、空気量センサ68aからエアトラップ68に貯留されている空気の量が所定量を超えたことを示す信号を受信すると、エアトラップ68内の空気およびインクの排出を指令する。排出指示部204aは、空気量センサ78aからエアトラップ78に貯留されている空気の量が所定量を超えたことを示す信号を受信すると、エアトラップ78内の空気およびインクの排出を指令する。排出指示部204aは、空気量センサ88aからエアトラップ88に貯留されている空気の量が所定量を超えたことを示す信号を受信すると、エアトラップ88内の空気およびインクの排出を指令する。排出指示部204aによる排出指令は、インク供給システムごとに独立して発せられる。ただし、操作パネル210等で「インク全排出」の操作がされたときには、排出指示部204aは、第1インク供給システム50〜第4インク供給システム80の全てのインク供給システム内の空気およびインクの排出を指令する。
排出動作制御部204bは、排出指示部204aの排出指令を受けて、各部に実際の排出を行わせる部位である。排出動作制御部204bは、アクチュエータ130および排出ポンプ105に通信可能に接続されている。また、位置センサ140に通信可能に接続され、位置センサ140からの信号を受信している。排出動作制御部204bは、アクチュエータ130を駆動させて回転体120を回転させることによって、所望のバルブを開にする。例えば、排出指示部204aが第1インク供給システム50のエアトラップ58からの空気およびインクの排出を指示したときには、排出動作制御部204bは、回転体120を回転させて第1回転位置P1を取らせる。第1回転位置P1は、第1バルブ101のみが開放される回転位置である。また、排出動作制御部204bは、エアトラップ58から空気およびインクを吸引するために、排出ポンプ105を駆動させる。なお、本実施形態では、回転体120の回転方向は、図4における時計回り(第1回転位置P1→第2回転位置P2の順に進行する回転方向)の1方向である。
上記したように、本実施形態に係る第1バルブ101〜第4バルブ104は、カムシステム115によって開閉されるように構成されている。カムシステム115は、回転体120の回転によって第1バルブ101〜第4バルブ104のスイッチ101a〜104aを押下する。このようなカムシステム115は、例えば全バルブをソレノイドバルブなどにし、独立制御するシステムよりも簡易であり、製作コストも抑えられる。一方で、カムシステム115は特有の特徴を有する。その1つが、順番にしか回転位置を変えることができないという特徴である。つまり、1つの回転位置から、その回転位置と隣接していない他の回転位置に移動する際には、2つの回転位置の間にあるさらに別の回転位置を経由しなければならない。例えば、図4の第1回転位置P1から第3回転位置P3に移動するには、第2回転位置P2を経由しなければならない。
ここで、例えば、以下のような場合を想定する。即ち、第2インク供給システム60の空気量センサ68aから信号が発せられ、そのしばらく後に第1インク供給システム50の空気量センサ58aから信号が発せられた場合を想定する。第2インク供給システム60の空気量センサ68aから信号が発せられると、排出指示部204aは、第2インク供給システム60のエアトラップ68内の空気およびインクの排出を指令する。排出動作制御部204bは、その指令を受け、回転体120に第2回転位置P2を取らせる。それにより第2バルブ102が開放される。また、排出動作制御部204bは、排出ポンプ105を駆動させ、エアトラップ68内の空気およびインクを排出する。この排出動作により、第2インク供給システム60内の圧力は負圧になる。
続いて、第1インク供給システム50のエアトラップ58において空気量が所定の量を超え、空気量センサ58aから信号が発せられると、排出指示部204aは、第1インク供給システム50のエアトラップ58内の空気およびインクの排出を指令する。排出動作制御部204bは、その指令を受け、回転体120に第1回転位置P1を取らせるために、アクチュエータ130を駆動させる。移動の際、回転体120は、第3回転位置P3、第4回転位置P4、第5回転位置P5、および第6回転位置P6を経由する。このうち第5回転位置P5を通過するときには、全てのバルブが一時的に開放される。当然、第2バルブ102も開放される。このとき第2インク供給システム60内は、空気およびインクの排出によって負圧となっているため、特に手当てをしなければ、メイン排出流路110および第1〜第4サブ排出流路106〜109内の空気をエアトラップ68の方向に向かって吸引してしまう。さらには、メイン排出流路110および第1〜第4サブ排出流路106〜109内には完全に排出されなかったインクが残留していることがしばしばあり、そのような場合には、他の色のインクがエアトラップ68を通じて第2インク供給システム60内に逆流し、混色してしまう。
本実施形態では回転体120の回転位置は6位置であるが、インクの逆流が発生し得る回転位置の数は、少なければ3位置である。回転体の回転方向が1方向であり、逆方向には回転されない場合、回転体の回転位置が3位置以上であれば、逆流が発生する可能性がある。図6Aおよび図6Bは、回転体の回転位置が3位置の場合を示す模式図である。図6Aでは、バルブがV1、V2、V3の3つの場合を示している。図6Bでは、バルブがV1、V2の2つの場合を示している。
図6Aでは、第1回転位置P11において、第1バルブV1が開放され、他のバルブは閉じている。また、第2回転位置P12においては、第2バルブV2が開放され、他のバルブは閉じている。第3回転位置P13においては、第3バルブV3が開放され、他のバルブは閉じている。図6Aの場合においても、例えば、第1回転位置P11から第3回転位置P13に移動する際には、第2回転位置P12を経由しなければならず、本実施形態の場合と同様の逆流が発生し得る。
図6Bでは、第1回転位置P11において、第1バルブV1が開放され、第2バルブV2は閉じている。また、第2回転位置P12においては、第2バルブV2が開放され、第1バルブV1は閉じている。第3回転位置P13においては、第1バルブV1、第2バルブV2がともに開放されている。図6Bの場合においても、例えば、第2回転位置P12から第1回転位置P11に移動する際には、第3回転位置P13を経由しなければならず、逆流が発生する可能性がある。
ただし、3位置の場合には、回転体の回転方向を双方向(時計回りと反時計回り)に可能とすることによって逆流は回避可能である。しかしながら、当然に制御は複雑化する。4位置の場合には、回転体の回転方向を双方向可としても逆流は必ずしも回避できない。図7Aおよび図7Bは、回転体の回転位置が4位置の場合を示す模式図である。図7Aでは、バルブがV1、V2、V3、V4の4つの場合を示している。図6Bでは、バルブがV1、V2、V3の3つの場合を示している。図7Aでは、第1回転位置P21において、第1バルブV1が開放され、他のバルブは閉じている。また、第2回転位置P22においては、第2バルブV2が開放され、他のバルブは閉じている。第3回転位置P23においては、第3バルブV3が開放され、他のバルブは閉じている。第4回転位置P24においては、第4バルブV4が開放され、他のバルブは閉じている。図7Aの場合、例えば、第1回転位置P21から第3回転位置P23に移動する際には、第2回転位置P22または第4回転位置P24を経由しなければならず、状況により逆流が発生し得る。図7Bでは、第1回転位置P21において、第1バルブV1が開放され、他のバルブは閉じている。また、第2回転位置P22においては、第2バルブV2が開放され、他のバルブは閉じている。第3回転位置P23においては、第3バルブV3が開放され、他のバルブは閉じている。第4回転位置P24においては、全てのバルブV1〜V3が開放されている。図7Bの場合においても、例えば、第1回転位置P21から第3回転位置P23に移動する際には、第2回転位置P22または第4回転位置P24を経由しなければならず、逆流が発生する可能性がある。なお、論理的には、第4回転位置P24では全バルブが開放される必要はなく、いずれかのバルブが開放であれば逆流が起こり得る。
上記のように、カムシステム115によってバルブを開閉する排出システム100は、簡易かつ低コストであるものの、状況によりインクが逆流する危険性を含んでいる。そこで、本実施形態に係る排出動作制御部204bは、回転体120を回転させるのに先立って排出ポンプ105を駆動させ、状況によらず逆流を予防するように設定されている。回転体120が回転位置を変える前に排出ポンプ105を駆動させ、あらかじめメイン排出流路110および第1〜第4サブ排出流路106〜109内を負圧にしておけば、内部が負圧になったインク供給システムに繋がるバルブが開放された場合でも、当該インク供給システムへのインクおよび空気の逆流を抑えることができる。
例えば、前述した第2インク供給システム60の空気量センサ68aから信号が発せられ、そのしばらく後に第1インク供給システム50の空気量センサ58aから信号が発せられた場合において、本実施形態に係るプリンタ10は、次のように動作する。第2インク供給システム60の空気量センサ68aから信号が発せられると、排出指示部204aは、第2インク供給システム60のエアトラップ68内の空気およびインクの排出を指令する。排出動作制御部204bは、その指令を受け、まず排出ポンプ105を駆動させる。排出動作制御部204bは、排出ポンプ105の駆動から予め定められた時間が経過した後に回転体120の回転を開始する。排出動作制御部204bは、アクチュエータ130を制御して、回転体120に第2回転位置P2を取らせる。それにより第2バルブ102が開放され、エアトラップ68内の空気およびインクが排出される。
続いて、第1インク供給システム50のエアトラップ58において空気量が所定の量を超え、空気量センサ58aから信号が発せられると、排出指示部204aは、第1インク供給システム50のエアトラップ58内の空気およびインクの排出を指令する。排出動作制御部204bは、その指令を受け、再び排出ポンプ105を駆動させる。排出動作制御部204bは、排出ポンプ105の駆動から予め定められた時間が経過した後に回転体120の回転を開始する。その移動の際、回転体120は、第5回転位置P5を経由し、第2インク供給システム60とメイン排出流路110および第1〜第4サブ排出流路106〜109とが連通するが、排出ポンプ105が先行して駆動しているためメイン排出流路110および第1〜第4サブ排出流路106〜109内は、既に第2インク供給システム60内よりも負圧となっている。従って、空気またはインクの逆流は発生しない。何らかの事情により、第2インク供給システム60だけでなく、他のインク供給システム内が負圧になっている場合も同様である。
このように、本実施形態に係る排出システム100は、排出流路に接続されたバルブの開閉にカムシステム115を利用してコストを削減するとともに、排出ポンプ105をカムシステム115よりも先行して駆動させることにより、カムシステム特有の不具合であるインクの逆流を防止している。排出ポンプ105をカムシステム115よりも先行して駆動させる制御は、状況を考慮する必要がなく、単純かつ確実な制御である。
上記排出システム100は、インク供給システム内にエアトラップを備え、エアトラップと排出システムとが接続されているインクシステムにおいて特に有効である。そのようなインクシステムでは特に逆流が発生する可能性が高く、逆流に対する対策をしておく必要性が高い。さらに、エアトラップに貯留された空気の量に基づいて排出のタイミングを決定する排出システムでは、排出のタイミングがあらかじめ想定できず、逆流の可能性を低減しにくい。従って、エアトラップに貯留された空気の量に基づいて排出のタイミングを決定する排出システムにおいて、本発明は非常に有効である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
例えば、上記した実施形態では、回転体120の回転位置は6位置であったが、既に説明したように、回転位置3位置以上のカムシステムにおいて本発明は作用効果を奏する。即ち、状況によらずインクの逆流を防止する作用効果を有する。特に4位置以上では、回転体の回転方向を双方向にしても逆流に対応できないため有効である。バルブの数は、回転位置の数と同数であってもよいし、少なくてもよい。バルブの数が回転体の回転位置の数よりも少ない場合でも、少なくともいずれか1つのバルブが開いている回転位置が3位置以上であれば本発明は成立する。
また、上記した実施形態では、回転体120を回転させるのに先立って排出ポンプ105を駆動させたが、必ずしも毎回排出ポンプ105を駆動させなくてもよい。ここに開示した技術においては、メイン排出流路110およびサブ排出流路106〜109の内部の圧力が、回転体120の回転開始時においてインク供給システム50〜80の内部の圧力よりも負圧になっていることが必要であり、その達成手段は限定されない。例えば、排出ポンプ105は、圧力計を備え、メイン排出流路110およびサブ排出流路106〜109の内部を常時所定の圧力以下に維持するように設定されていてもよい。あるいは、いずれかのインク供給システム内の空気およびインクを排出する指令が発せられたときにメイン排出流路110およびサブ排出流路106〜109内の圧力が所定の圧力を上回っている場合にのみ排出ポンプ105を駆動させてもよい。排出ポンプ105を停止した後でも、ある程度はメイン排出流路110およびサブ排出流路106〜109内の圧力は維持されることから、必ずしも回転体120を回転させる前に毎回排出ポンプ105を駆動させる必要はない。上記2つの実施形態のように、必要な圧力に基づいて排出ポンプ105の駆動が制御された方がエネルギーの節約になる。
上記した実施形態では、インク供給システムからの空気およびインクの排出タイミングは、エアトラップに貯留された空気量を検知して決定されていたが、別の方式でもよい。例えば、インク供給システムごとに時間が設定され、設定された時間ごとに排出が行われてもよい。この方式によれば、空気量センサ等が不要であり、装置の簡素化および低コスト化が図れる。
上記した実施形態では、インク供給システムは循環システムを備えていたが、それに限定されない。インク供給システムは、インクカートリッジからインクヘッドに一方通行で向かうインク供給路であってもよい。また、排出システムは、必ずしもエアトラップに接続されている必要はなく、インク供給システムもエアトラップを備える必要はない。排出システムは、インク供給路に接続され、インクを廃棄するシステムとして構成されていてもよい。
上記した実施形態では、回転体120は、それぞれ第1カム121〜第4カム124で第1バルブ101〜第4バルブ104のスイッチ101a〜104aに接触し、スイッチ101a〜104aを押下することによって第1バルブ101〜第4バルブ104を開放していたが、非接触方式であってもよい。例えば、磁界を利用する近接スイッチなどが利用されてもよい。回転体120がバルブを開閉する方式は限定されない。
さらに、ここに開示される技術は様々なタイプのインクジェットプリンタに適用することができる。上記実施形態で示したロール状の記録媒体5を搬送する、所謂、ロール・トゥ・ロールタイプのプリンタの他、例えばフラットベッドタイプのインクジェットプリンタにも同様に適用することができる。また、プリンタ10は独立したプリンタとして単独で使用されるものに限定されず、他の装置と組み合わせたものであってもよい。例えば、プリンタ10は、カッティング装置を備えたプリント・アンド・カット装置などであってもよい。
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
40 インクシステム
50〜80 インク供給システム(インク供給路)
58〜88 エアトラップ
58a〜88a 空気量センサ(検知装置)
100 排出システム
101〜104 第1〜第4バルブ
101a〜104a スイッチ(第1〜第4スイッチ)
105 排出ポンプ
106〜109 第1〜第4サブ排出流路
110 メイン排出流路
115 カムシステム
120 回転体
130 アクチュエータ
200 制御装置
204a 排出指示部(第1排出指示部)
204b 排出作業制御部(排出制御部)
P1〜P6 第1〜第6回転位置

Claims (11)

  1. 第1〜第3インク供給路と、
    吸入部を有する排出ポンプと、
    前記排出ポンプの前記吸入部に接続されたメイン排出流路と、
    それぞれ前記第1〜第3インク供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第1〜第3サブ排出流路と、
    それぞれ前記第1〜第3サブ排出流路に設けられた第1〜第3バルブと、
    それぞれ前記第1〜第3バルブに接続され、第1状態になったとき前記第1〜第3バルブを開き、第2状態になったとき前記第1〜第3バルブを閉じるように構成された第1〜第3スイッチと、
    少なくとも第1〜3回転位置を取ることが可能に構成され、それぞれ前記第1〜第3回転位置において前記第1〜第3スイッチを第1状態にする回転体と、
    前記回転体を回転させるアクチュエータと、
    前記排出ポンプおよび前記アクチュエータに通信可能に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記アクチュエータを制御して前記回転体を回転させ、前記回転体に前記第1〜第3回転位置を取らせるとともに、前記排出ポンプを制御して、前記回転体の回転位置を変えるのに先立って前記メイン排出流路内の圧力を大気圧よりも低い第1圧力以下にさせる排出制御部を備えている、
    インクシステム。
  2. 前記第1〜第3インク供給路は、それぞれ流路内の空気を捕獲する第1〜第3エアトラップを備え、
    前記第1〜第3サブ排出流路の前記上流側端部は、それぞれ前記第1〜第3エアトラップに接続されている、
    請求項1に記載のインクシステム。
  3. 前記第1〜第3インク供給路は、それぞれ前記第1〜3エアトラップに設けられるとともに前記制御装置に接続され、前記第1〜第3エアトラップ内の空気の量が所定の量を超えたときに、前記制御装置に対してそれぞれ第1〜第3信号を送信する第1〜第3検知装置を備え、
    前記制御装置は、第1〜第3信号を受信すると、前記排出制御部を制御して、前記回転体にそれぞれ前記第1〜第3回転位置を取らせる第1排出指示部を備えている、
    請求項2に記載のインクシステム。
  4. 前記制御装置は、前記排出制御部を制御して、それぞれ所定の第1〜第3時間ごとに前記回転体に前記第1〜第3回転位置を取らせる第2排出指示部を備えている、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載のインクシステム。
  5. 第4インク供給路と、
    前記第4インク供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第4サブ排出流路と、
    前記第4サブ排出流路に設けられた第4バルブと、
    前記第4バルブに接続され、第1状態になったとき前記第4バルブを開き、第2状態になったとき前記第4バルブを閉じるように構成された第4スイッチと、
    を備え、
    前記回転体は、第4回転位置を取ることが可能に構成され、前記第4回転位置において前記第4スイッチを第1状態にし、
    前記排出制御部は、前記アクチュエータを制御して前記回転体を回転させ、前記回転体に前記第1〜第4回転位置を取らせる、
    請求項1〜4のいずれか一つに記載のインクシステム。
  6. 第1インク供給路と、
    第2インク供給路と、
    吸入部を有する排出ポンプと、
    前記排出ポンプの前記吸入部に接続されたメイン排出流路と、
    前記第1供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第1サブ排出流路と、
    前記第2供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第2サブ排出流路と、
    前記第1サブ排出流路に設けられた第1バルブと、
    前記第2サブ排出流路に設けられた第2バルブと、
    前記第1バルブに接続され、第1状態になったとき前記第1バルブを開き、第2状態になったとき前記第1バルブを閉じるように構成された第1スイッチと、
    前記第2バルブに接続され、第1状態になったとき前記第2バルブを開き、第2状態になったとき前記第2バルブを閉じるように構成された第2スイッチと、
    少なくとも第1〜3回転位置を取ることが可能に構成され、前記第1回転位置において前記第1スイッチを第1状態にし、前記第2回転位置において前記第2スイッチを第1状態にし、前記第3回転位置において前記第1および第2スイッチを第1状態にする回転体と、
    前記回転体を回転させるアクチュエータと、
    前記排出ポンプおよび前記アクチュエータに通信可能に接続された制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記アクチュエータを制御して前記回転体を回転させ、前記回転体に前記第1〜第3回転位置を取らせるとともに、前記排出ポンプを制御して、前記回転体を回転させるのに先立って前記メイン排出流路内の圧力を大気圧よりも低い第1圧力以下にさせる排出制御部を備えている、
    インクシステム。
  7. 第3インク供給路と、
    前記第3インク供給路に接続された上流側端部と前記メイン排出流路に接続された下流側端部とを有する第3サブ排出流路と、
    前記第3サブ排出流路に設けられた第3バルブと、
    前記第3バルブに接続され、第1状態になったとき前記第3バルブを開き、第2状態になったとき前記第3バルブを閉じるように構成された第3スイッチと、
    を備え、
    前記回転体は、第4回転位置を取ることが可能に構成され、前記第4回転位置において前記第3スイッチを第1状態にし、
    前記排出制御部は、前記アクチュエータを制御して前記回転体を回転させ、前記回転体に前記第1〜第4回転位置を取らせる、
    請求項6に記載のインクシステム。
  8. 前記排出制御部は、前記回転体の回転位置を変えるのに先立って前記排出ポンプを駆動させる、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載のインクシステム。
  9. 前記排出制御部は、前記排出ポンプを制御して、前記メイン排出流路内の圧力を前記第1圧力以下に保つ、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載のインクシステム。
  10. 前記排出制御部は、前記メイン排出流路内の圧力が前記第1圧力を上回っている場合に、前記回転体の回転位置を変えるのに先立って前記排出ポンプを駆動させる、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載のインクシステム。
  11. 請求項1〜10のいずれか一つに記載のインクシステムを備えた、
    インクジェットプリンタ。
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