JP2019023585A - 移動局、測位システム、演算方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】容易に自身の位置を精度良く演算することができる移動局、当該移動局を備えた測位システム、演算方法及びプログラムを提供する。【解決手段】複数の固定局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間及び各固定局の位置に基づいて自身の位置を演算する移動局において、所定箇所の位置及び各固定局の位置を記憶する記憶部と、前記所定箇所及び各固定局の位置の間の距離を算出し、前記所定箇所における前記無線信号の前記伝搬時間及び前記距離に基づいて、無線信号の伝搬時間の補正量を演算する補正量演算部とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の固定局から送信された無線信号を受信し、その伝搬時間に基づいて自身の位置を演算する移動局、該移動局を備える測位システム、演算方法及びプログラムに関する。
複数の固定局から送信される無線信号(電波)を受信して移動局の位置を演算する測位システムがある。移動局は、無線信号の送信時及び受信時の時間差、即ち固定局及び移動局間の無線信号の伝搬時間を算出する。該伝搬時間は、各固定局と、移動局との距離に相当し、これに基づいて移動局の位置を演算することができる(例えば、特許文献1参照)。
測位システムにおいては、移動局の位置の正確な演算のために、固定局の基準時計と、移動局の時計とを同期するようにしている。移動局が各無線信号の伝搬時間、位置等の各種演算結果が整合するように補正を行うことにより、移動局の位置の演算の精度が向上する。
しかしながら、時間補正を、固定局側におけるケーブル長等による遅延時間又は送信クロックの位相ずれ等において行う場合、位相ずれ等の測定は、各固定局に使用される送信機ごとの個体差によるため、困難である。また、時間の経過により各固定局における送信タイミングがずれ、移動局の位置の演算精度が低下するという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に自身の位置を精度良く演算することができる移動局、当該移動局を備えた測位システム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明に係る移動局は、複数の固定局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間及び各固定局の位置に基づいて自身の位置を演算する移動局において、所定箇所の位置及び各固定局の位置を記憶する記憶部と、前記所定箇所及び各固定局の位置の間の距離を算出し、前記所定箇所における前記無線信号の前記伝搬時間及び前記距離に基づいて、無線信号の伝搬時間の補正量を演算する補正量演算部とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、移動局は、複数の固定局から夫々送信された無線信号を受信し、各固定局から送信された無線信号の伝搬時間に基づいて自身の位置を演算する。所定箇所及び各固定局の位置の間の距離は、記憶部に記憶されている位置に基づいて算出されるので、遅延時間、送信クロックの位相ずれ等を含まない時間を算出できる。したがって、補正量演算部は、所定箇所において実際に算出される伝搬時間と比較することにより、遅延時間等に係る伝搬時間の補正量を容易に演算することができる。
移動局は、補正量演算部が演算した補正量と、算出した伝搬時間とを使用することにより、遅延時間、送信クロックの位相ずれ等に影響されずに、自身の位置を演算することができる。したがって、移動局は、容易に自身の位置を精度良く演算することができる。
本発明に係る移動局は、前記所定箇所に周期的に移動することを特徴とする。
本発明にあっては、補正量演算部が周期的に補正量を演算することができ、時間の経過により固定局の送信タイミングがずれる場合に対して、時間の経過に対応した補正量を使用することができる。
本発明に係る移動局は、前記所定箇所において給電されることを特徴とする。
本発明にあっては、所定箇所において給電されるので、給電及び補正量の演算を一度に行うことができ、動作を簡略化できる。
本発明に係る移動局は、前記無線信号はスペクトラム拡散された電波であり、受信した前記電波を逆拡散させることにより相関値を導出する導出部と、前記相関値に基づいて、前記無線信号の受信時点を決定する決定部とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、無線信号は、スペクトラム拡散された電波である。移動局は逆拡散符号を用いて、逆拡散させることによって導出した相関値に基づき、無線信号の受信時点を決定するため、ノイズによる受信時点の誤りを低減させることができる。
本発明に係る測位システムは、無線信号を送信する複数の固定局と、上述の移動局とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、測位システムは、複数の固定局と、移動局とを備える。移動局は、各固定局から送信された無線信号の伝搬時間を補正するための補正量を、容易に演算することができる。これにより、測位システムは、容易に移動局の位置を精度良く演算することができる。
本発明に係る測位システムは、前記移動局は、前記複数の固定局に対して移動し、被搬送体を搬送する搬送装置に搭載されていることを特徴とする。
本発明にあっては、移動局は搬送装置に搭載されている。従って、移動局は、被搬送体を搬送する搬送装置の位置を容易に精度良く演算することができる。
本発明に係る演算方法は、複数の固定局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間及び各固定局の位置に基づいて自身の位置を演算する演算方法であって、所定箇所及び各固定局の距離を取得し、前記所定箇所における前記無線信号の前記伝搬時間及び取得した前記距離に基づいて、無線信号の伝搬時間の補正量を演算することを特徴とする。
本発明にあっては、移動局は、補正量演算部が演算した補正量と、算出した伝搬時間とを使用することにより、遅延時間、送信クロックの位相ずれ等に影響されずに、自身の位置を演算することができる。したがって、移動局は、容易に自身の位置を精度良く演算することができる。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、複数の固定局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間及び各固定局の位置に基づいて自身の位置を演算する処理を実行させるプログラムであって、所定箇所及び各固定局の距離を取得し、前記所定箇所における前記無線信号の前記伝搬時間及び取得した前記距離に基づいて、無線信号の伝搬時間の補正量を演算する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明にあっては、コンピュータを上述の移動局の記憶部、補正量演算部として機能させることができ、コンピュータは容易に移動局の位置を精度良く演算することができる。
本発明によれば、容易に自身の位置を精度良く演算することができる移動局、該移動局を備える測位システム及びコンピュータプログラムを提供することが可能となる。
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、実施形態に係る測位システムの一構成例を示す模式図である。本実施形態に係る測位システムは、例えば、倉庫、工場等の施設の所定の領域内にて用いられるものである。測位システムは、無線信号を送信する3つの固定局1、2、3と、各固定局1、2、3による無線信号の送信を制御する制御装置4と、搬送装置5に搭載され、固定局1、2、3からの無線信号を受信する移動局6と、搬送装置5及び移動局6の給電を行う給電ポイント8とを備える。なお、固定局は、3つに限られない。
図1は、実施形態に係る測位システムの一構成例を示す模式図である。本実施形態に係る測位システムは、例えば、倉庫、工場等の施設の所定の領域内にて用いられるものである。測位システムは、無線信号を送信する3つの固定局1、2、3と、各固定局1、2、3による無線信号の送信を制御する制御装置4と、搬送装置5に搭載され、固定局1、2、3からの無線信号を受信する移動局6と、搬送装置5及び移動局6の給電を行う給電ポイント8とを備える。なお、固定局は、3つに限られない。
測位システムは、固定局1、2、3から送信された無線信号の伝搬時間及び固定局1、2、3の位置を示す座標に基づいて、搬送装置5が自身の位置を測位するものである。
搬送装置5は、被搬送体を搬送する装置であり、室内Rを移動する。被搬送体は、室内Rに設置された図示しない処理装置で処理される溶接部品、電子部品、基板、ウエハ等の各種ワークである。
搬送装置5は、例えば、所定のルートを移動する無人搬送車、天井又は床上に設置された軌道を移動する搬送シャトル等の移動体である。搬送装置5は、自身の位置の測位に基づいて、自身の定められた進路から外れた場合に、軌道を修正し、また、所定の地点にて、曲折して移動する。搬送装置5の動作は生産管理システムMES(Manufacturing Execute System)によって集中管理されている。
固定局1、2、3は、搬送装置5の移動経路に干渉しないよう、室内Rの適宜箇所に離隔配置されている。例えば複数の固定局1、2、3は、室内Rの各隅に設置されている。固定局1、2、3には制御装置4がケーブル等により有線接続されており、各固定局1、2、3は制御装置4の制御に従って同期するように動作する。具体的には、固定局1、2、3は、移動局6の位置演算に使用される無線信号を送信している。
図2は、実施形態に係る固定局1,2,3及び制御装置4の一構成例を示すブロック図である。3つの固定局1,2,3は、同様の構成であるため、一の固定局1の構成を説明する。固定局1は、送信アンテナ1a、基準時計11、拡散符号発生器12、搬送波発生器13、乗算器14、増幅器15及び制御装置4との通信によって信号が入力される入力部10を備える。
基準時計11は、現在の時刻に相当する時計信号を発振し、拡散符号発生器12へ出力する。固定局1,2,3の基準時計11,21,31は、制御装置4の制御によって同期するようにしてある。
拡散符号発生器12は、基準時計11が発振する時計信号に同期して、信号をスペクトラム拡散させるための拡散符号を発生させ、発生させた拡散符号の信号を乗算器14へ出力する。拡散符号は例えば疑似雑音符号であり、拡散符号発生器12は、基準時計11が発振する時計信号を参照し、所定時点を起点にして拡散符号の発生を開始し、拡散符号の信号を出力する。拡散符号は、固定局1,2,3毎に割り当てられ、これにより、固定局1,2,3が識別される。なお、拡散符号は、複数の固定局1,2,3で共通であってもよく、この場合、各固定局1,2,3は、所定の順番で無線信号を送信すればよい。
搬送波発生器13は、例えば60GHzのミリ波の搬送波を発生し、発生した搬送波の信号を乗算器14へ出力する。
乗算器14は、拡散符号発生器12から入力した拡散符号の信号と、搬送波発生器13から出力された搬送波の信号とを乗算することによって、スペクトラム拡散変調された信号を生成し、スペクトラム拡散変調された信号を増幅器15へ出力する。
本実施形態においては、搬送波の信号に、固定局1,2,3夫々からの送信時点の情報を含ませて、スペクトラム拡散変調する。
なお、移動局6の位置を正確に演算するための補助的な情報があれば、当該情報を含む信号をスペクトラム拡散変調して出力するように構成しても良い。
増幅器15は、乗算器14から出力された信号を増幅させ、増幅させた信号を送信アンテナ1aへ出力することによって、スペクトラム拡散変調されたミリ波の電波を移動局6へ送信させる。
送信アンテナ1aは、指向性を有しており、配置された場所から領域内に好適に無線信号を送信できる向きに配置されている。
入力部10には、制御装置4からの制御信号及び時計信号が入力され、入力部10は、制御信号を搬送波発生器13に出力し、時計信号を基準時計11に出力する。
制御装置4は、各固定局1,2,3へ無線信号を送信させるための制御信号及び時計信号を出力する。制御装置4は、制御部41、記憶部42、基準時計43及び固定局1,2,3と通信するための信号を出力する出力部40を備える。
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部42に予め記憶された制御プログラム及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。制御部41は、制御信号を生成し、後述するタイミングチャートが示すように制御する。
記憶部42は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、制御プログラム及び処理時に参照するデータがあらかじめ記憶してある。
記憶部42に記憶された制御プログラムは、制御装置4が読み取り可能な記録媒体から読み出されたプログラムを記憶したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータから制御プログラムをダウンロードし、記憶部42に記憶させたものであってもよい。記憶部42が記憶するデータは、後述する各固定局1,2,3の無線信号の送信の周期が含まれる。
基準時計43は、現在の時刻に相当する時計信号を発振する。出力部40は、各固定局1,2,3の入力部10,20,30と有線接続され、制御部41から出力された制御信号及び時計信号を、各固定局1,2,3に出力する。
なお、電波の送信方向の切り替えは、固定局1が基準時計11の計時信号を参照し、所定周期で自立的に切り替えるように構成しても良いし、制御装置4の制御に従って切り替える構成でも良い。
図3は、実施形態に係る移動局6の一構成例を示すブロック図である。移動局6は、図1及び図3に示す如く、例えば搬送装置5に搭載されており、移動局6は搬送装置5と共に移動する。移動局6は、受信アンテナ6a、増幅器61、発振器62、混合器63、時計64、逆拡散符号発生器65、相関器66、記憶部67及び演算部68を備える。
受信アンテナ6aは増幅器61に接続されており、各固定局1,2,3から送信された無線信号を受信し、受信して得た信号を増幅器61へ出力する。
増幅器61は、受信アンテナ6aが受信して得た無線信号を増幅させ、増幅された信号を混合器63へ出力する。
発振器62は、受信アンテナ6aが受信した信号の周波数を変換するための信号を混合器63へ発信する素子である。
混合器63は、増幅器61から出力された信号と、発振器62から出力された信号とを混合することによって、周波数変換を行う。混合器63にて周波数変換された信号は、増幅され、図示しないフィルタを通じて相関器66へ出力される。
時計64は、制御装置4の基準時計43と同期するように、現在の時刻に相当する時計信号を発振し、逆拡散符号発生器65へ出力する。
逆拡散符号発生器65は、スペクトラム拡散変調された信号を逆拡散するための逆拡散符号を、時計64が発振する時計信号に同期して発生させ、発生した逆拡散符号の信号を相関器66へ出力する。逆拡散符号発生器65は、複数の各固定局1,2,3でスペクトラム拡散変調された信号を逆拡散するための逆拡散符号をそれぞれ発生させることができ、逆拡散符号の信号を相関器66へ出力する。
逆拡散符号は、各固定局1,2,3で用いられる拡散符号と同様の信号であり、逆拡散符号発生器65は、時計64が発振する時計信号を参照し、所定時点を起点にして逆拡散符号の発生を開始し、逆拡散符号の信号を出力する。
相関器66は、混合器63から出力された信号と、逆拡散符号発生器65から出力された逆拡散符号の信号とを比較することによって、受信した信号に重畳している拡散符号と、逆拡散符号発生器65から出力された逆拡散符号との相関を導出する。そして、相関器66は、各符号の相関が最大になる時点を求めることによって、受信時点を決定する。相関が最大になる時点に基づいて、受信時点を決定することによって、ノイズが入力された場合に受信時点が誤って決定されることを低減することができる。そして、相関器66は、搬送波に含まれる情報である送信時点と、受信した電波の受信時点とを特定し、演算部68へ出力し、演算部は伝搬時間を算出する。
演算部68は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等により構成してあり、記憶部67に予め記憶された演算に係るコンピュータプログラム7a及びデータを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。演算部68は、コンピュータプログラム7aを実行することによって、後述する処理を行う。
記憶部67は、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子により構成してあり、コンピュータプログラム7a及び処理時に参照するデータがあらかじめ記憶してある。記憶部67に記憶されたコンピュータプログラム7aは、移動局6が読み取り可能な記録媒体7から読み出されたコンピュータプログラム7aを記載したものであってもよい。また、図示しない通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからコンピュータプログラム7aをダウンロードし、記憶部67に記憶させたものであってもよい。記憶部67が記憶するデータは、各固定局1,2,3の位置(座標)及び給電ポイント8の座標が含まれる。
移動局6は、受信アンテナ6aが受信した無線信号の受信電力レベルが所定値以上であると増幅器61が検知したタイミングを、時計64によって発振された時計信号によって受信時点として特定してもよい。
記憶部67は、給電ポイント8の座標(x0 ,y0 )と、固定局1,2,3の座標(X1 ,Y1),(X2 ,Y2 ),(X3 ,Y3 )を記憶している。また、搬送装置5及び移動局6は、例えば、バッテリ残量が所定量以下となった場合等周期的に給電ポイント8に移動し、給電を行う。搬送装置5は、給電を行っている間、移動を停止し、このとき、移動局6は、座標(x0 ,y0 )に位置する。搬送装置5及び移動局6は、給電ポイント8においては、赤外線カメラ又は物理的な部位の嵌合等により、正確に位置決めを行う。なお、給電ポイント8は複数個存在していてもよい。
図4は、無線信号の送受信タイミングを示すタイミングチャートである。横軸は時間tであり、図中上側は、固定局1、2,3から送信された、無線信号の送信タイミングを示している。図中下側は、固定局1、2、3から移動局6へ送信された無線信号の受信タイミングを示している。ここで、無線信号の送信時点とは、固定局1,2,3夫々の無線信号の送信の開始時点を指し、無線信号の受信時点とは、移動局6の無線信号の受信の開始時点を指す。
固定局1、2、3は、所定周期TX ごとに移動局6へ無線信号を送信している。図4においては、制御装置4は、時刻TC に固定局1、2、3へ無線信号の送信命令を出力している。その後、時刻TC +Txにおいて、同様に、無線信号の送信命令を出力している。
移動局6は、固定局1、2、3から送信された無線信号を夫々時刻R1 、R2 、R3 に受信する。ここで、R1は、R2よりも早い時刻であり、R2は、R3よりも早い時刻である。
ここで、制御装置4の基準時計43及び移動局6の時計64が計時する時刻には、ずれがあり、例えば、図4に示すように、時計64は、基準時計43よりもδtR だけ早く、TCに対応する時刻を計時している(図4に示すTR)。なお、基準時計43及び時計64の計時にずれが無い場合、TC 及びTR は、時間軸上の同一時点となる。
更に、固定局1、2、3に無線信号を送信させるための制御信号及び時計信号が、実際に制御装置4から固定局1、2、3に入力されるタイミングには、時刻TCに対して有線のケーブル長、固定局1、2、3固有の誤差、基準時計11,21,31のずれ等によりずれが生じ、無線信号の送信タイミングにずれが生じる。例えば、図4に示すように、無線信号は、固定局1から、時刻TCよりもδt1 だけ遅れて送信され、固定局2から、時刻TCよりもδt2 だけ遅れて送信され、固定局3から時刻TCよりもδt3 だけ遅れて送信されている。
移動局6は、相関値に基づいて、受信時点の時刻R1 、R2 、R3を特定し、時計64が計時した時刻Tに基づいて伝搬時間を算出する。演算部68は、相関器66から入力された伝搬時間に無線信号の伝搬速度cを乗じることにより、移動局6及び固定局1、2、3夫々の距離を算出できる。これにより、記憶部67に記憶されている固定局1、2、3の位置の座標から、移動局6の位置の座標(x,y)を演算することが可能である。
しかしながら、伝搬時間には、上述のずれδtR,δt1,δt2,δt3が含まれており、下記の数1に示す式が成立し、伝搬時間の補正量を考慮しなければ、その分演算の精度が低下してしまう。
したがって、本実施形態に係る測位システムにおいては、演算部68は、以下のように、補正量τ1 及びτ2 を演算し、該補正量を使用して、移動局6の位置の座標(x,y)を演算する。
図5は、補正量の演算に係る演算部68の処理手順を示すフローチャートである。移動局6の演算部68は、コンピュータプログラム7aを実行することにより、周期的に、以下の処理を行う。例えば、演算部68は、搬送装置5及び移動局6の設置時点において、給電ポイント8にて下記の処理を実行するようにし、その後は、搬送装置5及び移動局6のバッテリ残量が所定量以下となる度に、給電ポイント8に移動し、下記の処理を行うこととする。
演算部68は、給電を開始したか否かを判定する(S1)。演算部68は、給電を開始していないと判定した場合(S1:NO)、処理をステップS1に戻す。演算部68は、給電を開始したと判定した場合(S1:YES)、各固定局1、2、3から送信された各無線信号の伝搬時間を算出する(S2)。
次いで、演算部68は、各固定局1、2、3から送信された無線信号の伝搬時間と、自身の位置の座標(x0 ,y0 )と、固定局1,2,3の座標(X1 ,Y1),(X2 ,Y2 ),(X3 ,Y3 )とに基づいて、補正量を演算する(S3)。
具体的には、以下に示す計算により演算される。上記数1から、伝搬時間と、自身の位置の座標(x0 ,y0 )と、固定局1,2,3の座標(X1 ,Y1),(X2 ,Y2 ),(X3 ,Y3 )と、補正量τ1 及びτ2とにおいて、数2に示す関係が成立する。
数2から、補正量τ1 及びτ2は下記数3に示すように表される。ここで、c,x0 ,y0,X1 ,Y1,X2 ,Y2 ,X3 ,Y3 の値は、記憶部67に格納されており、既知であるので、演算部68は、補正量τ1 及びτ2を算出できる。
演算部68は、演算した補正量を記憶部67に記憶させて(ステップS4)、補正量の演算処理を終了する。このとき、前回演算部68が演算した値がある場合、演算部68は、補正量を更新して記憶させる。
図6は、位置の演算に係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。演算部68は、補正量の演算後、定期的に以下の処理を行う。演算部68は、各固定局1,2,3からの無線信号の伝搬時間を算出する(S11)。その後、演算部68は、記憶部67に記憶された補正量を読み出し(S12)、伝搬時間及び補正量に基づいて、自身の位置の座標を演算して(S13)、処理を終了する。
以上の処理において、演算部68は、時間Tにおける自身の位置の座標(x,y)を演算する場合、記憶部67に記憶している補正量τ1 及びτ2を使用して、演算を行う。このとき、以下の数4に示す式が成立する。数4に示す式により、座標(x,y)が求まる。
以上より、移動局6は、補正量τ1 及びτ2により伝搬時間補正して、自身の位置を演算することができる。
上記のように構成された測位システム、移動局6及びコンピュータプログラム7aによれば、移動局6は、固定局1、2、3から夫々送信された無線信号を受信し、各固定局1、2、3から送信された無線信号の伝搬時間に基づいて自身の位置の座標(x,y)を演算する。給電ポイント8及び各固定局1、2、3の位置の間の距離は、記憶部67に記憶されている位置に基づいて算出されるので、遅延時間又は送信クロックの位相ずれ等を含まない時間を算出できる。したがって、演算部68は、給電ポイント8において実際に算出される伝搬時間と比較することにより、伝搬時間の補正量を容易に演算することができる。
移動局は、演算部68が演算した補正量と、算出した伝搬時間とを使用することにより、遅延時間又は送信クロックの位相ずれ等に影響されずに、自身の位置の座標(x,y)を演算することができる。したがって、移動局6は、容易に自身の位置を精度良く演算することができる。
また、給電ポイント8において、補正量を演算するので、演算部68は、給電タイミングに合わせて、周期的に補正量を演算することができ、時間の経過により固定局1、2、3の送信タイミングがずれる場合において、時間の経過に対応した補正量を演算できる。また、給電ポイント8において給電されるので、給電及び補正量の演算を一度に行うことができ、動作を簡略化できる。
また、無線信号は、スペクトラム拡散された電波である。移動局6は逆拡散符号を用いて、逆拡散させることによって導出した相関値に基づき、無線信号の受信時点として決定するため、ノイズによる受信時点の誤りを低減させることができる。
また、移動局6は搬送装置5に搭載されている。従って、移動局6は、被搬送体を搬送する搬送装置5の位置を容易に精度良く演算することができる。
なお、各固定局1,2,3及び移動局6における無線信号の通信において、スペクトラム拡散以外の方式、たとえば、UWB(Ultra Wide Band)方式その他の方式を用いてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1、2、3 固定局
1a 送信アンテナ
4 制御装置
5 搬送装置
6 移動局
6a 受信アンテナ
7 記録媒体
7a コンピュータプログラム
11 基準時計
64 時計
66 相関器(導出部)
68 演算部(決定部)
8 給電ポイント(所定箇所)
R 室内
1a 送信アンテナ
4 制御装置
5 搬送装置
6 移動局
6a 受信アンテナ
7 記録媒体
7a コンピュータプログラム
11 基準時計
64 時計
66 相関器(導出部)
68 演算部(決定部)
8 給電ポイント(所定箇所)
R 室内
Claims (8)
- 複数の固定局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間及び各固定局の位置に基づいて自身の位置を演算する移動局において、
所定箇所の位置及び各固定局の位置を記憶する記憶部と、
前記所定箇所及び各固定局の位置の間の距離を算出し、前記所定箇所における前記無線信号の前記伝搬時間及び前記距離に基づいて、無線信号の伝搬時間の補正量を演算する補正量演算部と
を備えることを特徴とする移動局。 - 前記移動局は、前記所定箇所に周期的に移動することを特徴とする請求項1に記載の移動局。
- 前記所定箇所において給電されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動局。
- 前記無線信号はスペクトラム拡散された電波であり、
受信した前記電波を逆拡散させることにより相関値を導出する導出部と、
前記相関値に基づいて、前記無線信号の受信時点を決定する決定部と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の移動局。 - 無線信号を送信する複数の固定局と、
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の移動局と
を備えることを特徴とする測位システム。 - 前記移動局は、前記複数の固定局に対して移動し、被搬送体を搬送する搬送装置に搭載されていることを特徴とする請求項5に記載の測位システム。
- 複数の固定局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間及び各固定局の位置に基づいて自身の位置を演算する演算方法であって、
所定箇所及び各固定局の距離を取得し、
前記所定箇所における前記無線信号の前記伝搬時間及び取得した前記距離に基づいて、無線信号の伝搬時間の補正量を演算する
ことを特徴とする演算方法。 - コンピュータに、複数の固定局から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号の伝搬時間を算出し、算出した伝搬時間及び各固定局の位置に基づいて自身の位置を演算する処理を実行させるプログラムであって、
所定箇所及び各固定局の距離を取得し、
前記所定箇所における前記無線信号の前記伝搬時間及び取得した前記距離に基づいて、無線信号の伝搬時間の補正量を演算する処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017142823A JP2019023585A (ja) | 2017-07-24 | 2017-07-24 | 移動局、測位システム、演算方法及びプログラム |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
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JP2020138612A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 本田技研工業株式会社 | 車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム |
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2017
- 2017-07-24 JP JP2017142823A patent/JP2019023585A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020138612A (ja) * | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 本田技研工業株式会社 | 車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム |
JP7058233B2 (ja) | 2019-02-27 | 2022-04-21 | 本田技研工業株式会社 | 車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム |
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