JP2019022944A - 集積回路、駆動回路及び液体吐出装置 - Google Patents

集積回路、駆動回路及び液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】増幅回路における損失を低減することが可能な集積回路を提供すること。【解決手段】圧電素子の駆動により液体を吐出する吐出部に対して、制御回路から入力される駆動制御信号に基づいて前記圧電素子を駆動させるための駆動信号を出力する駆動回路に用いられる集積回路であって、第1の電界効果型トランジスターと、第2の電界効果型トランジスターと、を含み、前記第1の電界効果型トランジスターと前記第2の電界効果型トランジスターとは、前記駆動制御信号が変調された変調信号を増幅し、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下である、集積回路。【選択図】図8

Description

本発明は、集積回路、駆動回路及び液体吐出装置に関する
液体吐出装置、典型的にはインクをノズルから吐出させて画像や文書を印刷する印刷装置としては、圧電素子(例えばピエゾ素子)を用いたものが知られている。圧電素子は、ヘッドユニットにおいて複数のノズルのそれぞれに対応して設けられ、それぞれが駆動信号に従って駆動することにより、ノズルから所定のタイミングで所定量のインク(液体)が吐出され、これによりドットが形成される。圧電素子は、電気的にみればコンデンサーのような容量性負荷であるので、各ノズルの圧電素子を動作させるためには十分な電流を供給する必要がある。
液体吐出装置は、源信号を駆動回路に含まれる増幅回路で増幅した駆動信号を圧電素子に供給することで、当該圧電素子を駆動しノズルからインク(液体)を吐出する構成となっている。例えば特許文献1には、源信号をAB級増幅(電流増幅)し駆動信号を生成する方式が開示されており、また、特許文献2には、AB級増幅に対して消費電力が小さく、エネルギー効率が改善されたD級増幅により駆動信号を生成する方式が開示されている。
特開2009−190287号公報 特開2010−114711号公報
液体吐出装置における印刷の高速化及び高精細化に伴い、インクが吐出されるノズル数の増加及び高密度化が進む。これに伴い、同時に駆動されるノズル数が増加する。このため、駆動回路に含まれる増幅回路で使用される半導体素子(例えばMOSFET:Metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)に流れる電流量が増加し、これに伴い半導体素子の内部損失の増加することにより当該半導体素子の発熱が増加するといった課題があった。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、増幅回路における損失を低減することが可能な集積回路、駆動回路及び液体吐出装置を提供することができる。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る集積回路は、圧電素子の駆動により液体を吐出する吐出部に対して、制御回路から入力される駆動制御信号に基づいて前記圧電素子を駆動させるための駆動信号を出力する駆動回路に用いられる集積回路であって、第1の電界効果型トランジスターと、第2の電界効果型トランジスターと、を含み、前記第1の電界効果型トランジスターと前記第2の電界効果型トランジスターとは、前記駆動制御信号が変調された変調信号を増
幅し、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下である。
本適用例に係る集積回路では、増幅回路を形成する第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であるため、当該増幅回路に流れる電流が増加した場合であっても、当該電流と第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターの内部抵抗とで生じる損失が低減される。さらに、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下であるため、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターのそれぞれの入力信号(ゲート電圧)及び出力信号(ドレイン−ソース間電圧)の立ち上がり及び立下りを急峻にすることができる。このため、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターのスイッチング動作時において、ドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターを含む増幅回路の損失を低減することができる。
また、本適用例に係る集積回路では、増幅回路を構成する第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターは、集積回路の内部回路として形成され、当該集積回路の内部において電気的に接続することが可能となる。このため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとを接続する配線に生じる寄生容量を低減することができる。よって、当該寄生容量に基づいて生じるスイッチングノイズを低減することが可能となる。
[適用例2]
上記適用例に係る集積回路において、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下であってもよい。
本適用例に係る集積回路では、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、出力容量が300pF以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターに入力されるゲート電圧に対するドレイン−ソース間電圧のスイッチングの追従性を高めることが可能となる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターは、ゲート電圧に基づく急峻なスイッチング動作が可能となり、当該スイッチング動作において、ドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間を短くすることが可能となり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本適用例に係る集積回路では、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、帰還容量が50pF以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとに入力されるゲート電圧の立ち上がり及び立下りを急峻にすることが可能となる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターとのスイッチング動作時にドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本適用例に係る集積回路では、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、逆回復電荷量が20nC以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターのスイッチングに伴い生じる逆回復電流が消滅するまでの時間を短くすることが可能となる。このため、逆回復電流と
、ドレイン−ソース間電圧とが共に生じる時間を短くすることが、逆回復電流により生じるスイッチング損失を低減することが可能となる。
[適用例3]
本適用例に係る駆動回路は、圧電素子の駆動により液体を吐出する吐出部に対して、制御回路から入力される駆動制御信号に基づいて前記圧電素子を駆動させるための駆動信号を出力する駆動回路であって、前記駆動制御信号を変調し変調信号を出力する変調回路と、前記変調信号を増幅し増幅変調信号を出力する増幅回路と、前記増幅変調信号を平滑し前記駆動信号を出力する平滑回路と、を備え、前記増幅回路は、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターを含む集積回路であって、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下である。
本適用例に係る駆動回路では、集積回路において増幅回路を形成する第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であるため、当該増幅回路に流れる電流が増加した場合であっても、当該電流と第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターの内部抵抗とで生じる損失が低減される。さらに、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下であるため、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターのそれぞれの入力信号(ゲート電圧)及び出力信号(ドレイン−ソース間電圧)の立ち上がり及び立下りを急峻にすることができる。このため、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターのスイッチング動作時において、ドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターを含む増幅回路の損失を低減することができる。
また、本適用例に係る駆動回路では、増幅回路を構成する第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターは、集積回路の内部回路として形成され、当該集積回路の内部において電気的に接続することが可能となる。このため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとを接続する配線に生じる寄生容量を低減することができる。よって、当該寄生容量に基づいて生じるスイッチングノイズを低減することが可能となる。
[適用例4]
上記適用例に係る駆動回路において、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下であってもよい。
本適用例に係る駆動回路では、集積回路において第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、出力容量が300pF以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターに入力されるゲート電圧に対するドレイン−ソース間電圧のスイッチングの追従性を高めることが可能となる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターは、ゲート電圧に基づく急峻なスイッチング動作が可能となり、当該スイッチング動作において、ドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間を短くすることが可能となり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本適用例に係る駆動回路では、集積回路において第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、帰還容量が50pF以下であるた
め、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとに入力されるゲート電圧の立ち上がり及び立下りを急峻にすることが可能となる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターとのスイッチング動作時にドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本適用例に係る駆動回路では、集積回路において第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、逆回復電荷量が20nC以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターのスイッチングに伴い生じる逆回復電流が消滅するまでの時間を短くすることが可能となる。このため、逆回復電流と、ドレイン−ソース間電圧とが共に生じる時間を短くすることが、逆回復電流により生じるスイッチング損失を低減することが可能となる。
[適用例5]
上記適用例に係る駆動回路において、前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、1MHz以上であってもよい。
上記適用例に係る駆動回路では、増幅変調信号を平滑化して駆動信号を生成し、吐出部に備えられた圧電素子は、駆動信号が印加されることによって変位して、ノズルから液体を吐出させる。ここで、液体吐出装置が例えば小ドットを吐出するための駆動信号の波形を周波数スペクトル解析すると、50kHz以上の周波数成分が含まれていることが判っている。このような50kHz以上の周波数成分を含む駆動信号を生成するためには、増幅変調信号の周波数(自励発振の周波数)を1MHz以上とすることが好ましい。当該周波数を1MHzよりも低い領域では、再現される駆動信号の波形のエッジが鈍るおそれがあり、波形のエッジが鈍ると、波形の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジに応じて動作する圧電素子の変位が緩慢になり、吐出時の尾引きや、吐出不良などが発生する原因にもつながるからである。
[適用例6]
上記適用例に係る駆動回路において、前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、8MHz以下であってもよい。
上記適用例に係る駆動回路では、自励発振の周波数を8MHzよりも高くすれば、駆動信号の波形の分解能は高まるが、その反面、トランジスターにおけるスイッチング周波数が上昇することによって、スイッチング損失が大きくなり、AB級アンプなどのリニア増幅と比べて、優位性を有する省電力性、省発熱性が損なわれてしまう。このため、増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は8MHz以下であることが好ましい。
[適用例7]
本適用例に係る液体吐出装置は、圧電素子の駆動により液体を吐出する吐出部と、前記圧電素子を駆動させるための駆動信号を出力する駆動回路と、前記駆動信号の基となる駆動制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路と、を含み、前記駆動回路は、前記駆動制御信号を変調し変調信号を出力する変調回路と、前記変調信号を増幅し増幅変調信号を出力する増幅回路と、前記増幅変調信号を平滑し前記駆動信号を出力する平滑回路と、を有し、前記増幅回路は、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターを含む集積回路であって、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下であってもよい。
本適用例に係る液体吐出装置では、駆動回路に備えられた集積回路において増幅回路を
形成する第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であるため、当該増幅回路に流れる電流が増加した場合であっても、当該電流と第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターの内部抵抗とで生じる損失が低減される。さらに、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下であるため、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターのそれぞれの入力信号(ゲート電圧)及び出力信号(ドレイン−ソース間電圧)の立ち上がり及び立下りを急峻にすることができる。このため、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターのスイッチング動作時において、ドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターを含む増幅回路の損失を低減することができる。
また、本適用例に係る液体吐出装置では、増幅回路を構成する第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとは、集積回路の内部回路として形成され、当該集積回路の内部において電気的に接続することが可能となる。このため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとを接続する配線に生じる寄生容量を低減することができる。よって、当該寄生容量に基づいて生じるスイッチングノイズを低減することが可能となる。
[適用例8]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下であってもよい。
本適用例に係る液体吐出装置では、駆動回路に備えられた集積回路において第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、出力容量が300pF以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターに入力されるゲート電圧に対するドレイン−ソース間電圧のスイッチングの追従性を高めることが可能となる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターは、ゲート電圧に基づく急峻なスイッチング動作が可能となり、当該スイッチング動作において、ドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間を短くすることが可能となり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本適用例に係る液体吐出装置では、駆動回路に備えられた集積回路において第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、帰還容量が50pF以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとに入力されるゲート電圧の立ち上がり及び立下りを急峻にすることが可能となる。よって、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターとのスイッチング動作時にドレイン−ソース間電圧とドレイン−ソース間電流とが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本適用例に係る液体吐出装置では、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターとのそれぞれは、逆回復電荷量が20nC以下であるため、第1の電界効果型トランジスターと第2の電界効果型トランジスターのスイッチングに伴い生じる逆回復電流が消滅するまでの時間を短くすることが可能となる。このため、逆回復電流と、ドレイン−ソース間電圧とが共に生じる時間を短くすることが、逆回復電流により生じるスイッチング損失を低減することが可能となる。
[適用例9]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、1MHz以上であってもよい。
上記適用例に係る液体吐出装置では、駆動回路において増幅変調信号を平滑化して駆動信号を生成し、駆動信号が印加されることによって圧電素子が変位して、ノズルから液体を吐出させる。ここで、液体吐出装置が例えば小ドットを吐出するための駆動信号の波形を周波数スペクトル解析すると、50kHz以上の周波数成分が含まれていることが判っている。このような50kHz以上の周波数成分を含む駆動信号を生成するためには、増幅変調信号の周波数(自励発振の周波数)を1MHz以上とすることが好ましい。当該周波数を1MHzよりも低い領域では、再現される駆動信号の波形のエッジが鈍るおそれがあり、波形のエッジが鈍ると、波形の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジに応じて動作する圧電素子の変位が緩慢になり、吐出時の尾引きや、吐出不良などが発生する原因にもつながるからである。
[適用例10]
上記適用例に係る液体吐出装置において、前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、8MHz以下であってもよい。
上記適用例に係る液体吐出装置は、駆動回路において自励発振の周波数を8MHzよりも高くすれば、駆動信号の波形の分解能は高まるが、その反面、トランジスターにおけるスイッチング周波数が上昇することによって、スイッチング損失が大きくなり、AB級アンプなどのリニア増幅と比べて、優位性を有する省電力性、省発熱性が損なわれてしまう。このため、増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は8MHz以下であることが好ましい。
液体吐出装置(印刷装置)の内部の概略構成を示す斜視図である。 液体吐出装置の電気的な構成を示すブロック図である。 吐出部の概略構成を示す図である。 駆動信号COM−A,COM−Bの波形の一例を示す図である。 駆動信号Voutの波形の一例を示す図である。 駆動回路の回路構成を示す図である。 電圧信号Asと変調信号Msとの波形を、アナログの駆動制御信号aAとの波形と関連付けて示す図である。 増幅回路のスイッチング損失を説明するための図である。 トランジスターの入力容量、出力容量、帰還容量を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液体吐出装置の構成
図1は、本実施形態のプリントヘッドが適用される液体吐出装置1(印刷装置)の内部の概略構成を示す斜視図である。液体吐出装置1は、外部のホストコンピューターから供給された画像データに応じてインクを吐出させることによって、紙などの印刷媒体にインクドット群を形成し、これにより、当該画像データに応じた画像(文字、図形等を含む)
を印刷するインクジェットプリンターである。図1において、筐体やカバーの図示は省略されている。
図1に示されるように、液体吐出装置1は、ヘッドユニット2(プリントヘッド)を、主走査方向に移動(往復動)させる移動機構3を備える。移動機構3は、ヘッドユニット2の駆動源となるキャリッジモーター31と、両端が固定されたキャリッジガイド軸32と、キャリッジガイド軸32とほぼ平行に延在し、キャリッジモーター31により駆動されるタイミングベルト33と、を有している。また、移動機構3は、ヘッドユニット2の主走査方向における位置を検出するためのリニアエンコーダー90を備える。
ヘッドユニット2のキャリッジ24は、所定数のインクカートリッジ22を載置可能に構成されている。また、キャリッジ24は、キャリッジガイド軸32に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト33の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター31によりタイミングベルト33を正逆走行させると、ヘッドユニット2がキャリッジガイド軸32に案内されて往復動する。このように、キャリッジモーター31は、キャリッジ24を主走査方向に移動させるモーターである。
また、ヘッドユニット2のうち、印刷媒体Pと対向する部分にはヘッド20が設けられる。このヘッド20は、後述するように、多数のノズルからインク(液体)を吐出させるための複数の吐出部600を備える。なお、ヘッドユニット2には、フレキシブルフラットケーブル190を介して各種の制御信号等が供給される。
液体吐出装置1は、印刷媒体Pを、副走査方向(方向Y)にプラテン40上で搬送させる搬送機構4を備える。搬送機構4は、駆動源である搬送モーター41と、搬送モーター41により回転して、印刷媒体Pを副走査方向に搬送する搬送ローラー42と、を備える。印刷媒体Pが搬送機構4によって搬送されたタイミングで、ヘッド20が当該印刷媒体Pにインク滴を吐出することによって、印刷媒体Pの表面に画像が形成される。
ヘッドユニット2の移動範囲内における端部領域には、ヘッドユニット2の走査の基点となるホームポジションが設定されている。ホームポジションには、ヘッド20のノズル形成面を封止するキャッピング部材70と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材71とが配置されている。そして、液体吐出装置1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてヘッドユニット2が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にヘッドユニット2が戻る復動時との双方向で印刷媒体Pの表面に画像を形成する。
プラテン40の主走査方向の端部には、フラッシング動作の際にヘッド20から吐出されたインクを捕集するフラッシングボックス72が配置されている。フラッシング動作とは、ノズル付近のインクの増粘によりノズルが目詰まりしたり、ノズル内に気泡が混入したりして、適正な量のインクが吐出されなくなってしまうことを防止するために、印刷対象の画像データとは関係なく、強制的に各ノズルからインクを吐出させる動作である。なお、フラッシングボックス72は、プラテン40の主走査方向の両側に設けられていることが望ましいが、少なくとも一方に設けられていればよい。
2.液体吐出装置の電気的構成
図2は、液体吐出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示されるように、液体吐出装置1では、制御ユニット10とヘッドユニット2とがフレキシブルフラットケーブル190を介して接続される。
制御ユニット10は、制御回路100と、キャリッジモータードライバー35と、搬送モータードライバー45と、を有する。このうち、制御回路100は、ホストコンピュー
ターから画像データが供給されたときに、各部を制御するための各種の制御信号等を出力する。
具体的には、制御回路100は、リニアエンコーダー90の検出信号に基づいてヘッドユニット2の走査位置(現在位置)を把握する。そして、制御回路100は、ヘッドユニット2の走査位置に基づいて、キャリッジモータードライバー35に対して制御信号Ctr1を供給し、キャリッジモータードライバー35は、当該制御信号Ctr1に従ってキャリッジモーター31を駆動する。これにより、キャリッジ24における主走査方向の移動が制御される。
また、制御回路100は、搬送モータードライバー45に対して制御信号Ctr2を供給し、搬送モータードライバー45は、当該制御信号Ctr2に従って搬送モーター41を駆動する。これにより、搬送機構4による副走査方向の移動が制御される。
また、制御回路100は、ヘッドユニット2に、クロック信号Sck、データ信号SI、制御信号LAT,CH、デジタルの駆動制御信号dA,dBを供給する。
また、制御回路100は、メンテナンスユニット80に、吐出部600におけるインクの吐出状態を正常に回復させるためのメンテナンス処理を実行させる。メンテナンスユニット80は、メンテナンス処理として、吐出部600内の増粘したインクや気泡等をチューブポンプ(図示省略)により吸引するクリーニング処理(ポンピング処理)を行うためのクリーニング機構81を有していてもよい。また、メンテナンスユニット80は、メンテナンス処理として、吐出部600のノズル近傍に付着した紙粉等の異物をワイパー部材71により拭き取るワイピング処理を行うためのワイピング機構82を有していてもよい。
ヘッドユニット2は、駆動回路50−a,50−bと、ヘッド20と、を有する。
駆動回路50−aは、駆動制御信号dAをデジタル/アナログ変換した後に、D級増幅して駆動信号COM−Aを生成し、ヘッド20に含まれる複数の選択部230のそれぞれに出力する。同様に、駆動回路50−bは、駆動制御信号dBをデジタル/アナログ変換した後に、D級増幅して駆動信号COM−Bを生成し、選択部230のそれぞれに出力する。ここで、駆動制御信号dAは、駆動信号COM−Aの波形を規定し、駆動制御信号dBは、駆動信号COM−Bの波形を規定する。なお、駆動回路50−a,50−bの詳細については後述する。また、図2では駆動回路50−a,50−bは、ヘッドユニット2に備えられているが、制御ユニット10に備えられていてもよい。このとき、駆動回路50−a,50−bは、フレキシブルフラットケーブル190を介して、駆動信号COM−A,COM−Bをヘッドユニット2(選択部230)に出力する。
ヘッド20は、選択制御部210と複数の選択部230と複数の吐出部600とを含む。選択制御部210は、制御回路100から供給されるクロック信号Sck、データ信号SI、制御信号LAT及び制御信号CHに基づいて、選択部230のそれぞれに対して、駆動信号COM−A,COM−Bのいずれを選択すべきか(又は、いずれも非選択とすべきか)を指示する選択信号を出力する。
選択部230のそれぞれは、選択制御部210から入力された選択信号に基づいて、駆動信号COM−A,COM−Bのいずれかを選択(又は非選択)し、吐出部600のそれぞれに対して駆動信号Voutとして出力する。このとき、複数の選択部230の各々は、複数の吐出部600(圧電素子60)の各々に対応して備えられていることが好ましい。
複数の吐出部600のそれぞれは、圧電素子60を含む。圧電素子60のそれぞれの一端には、対応する選択部230から出力された駆動信号Voutが印加される。また、複数の圧電素子60のそれぞれの他端には、共通に一定電圧信号VBSが印加される。圧電素子60は、印加された駆動信号Voutと一定電圧信号VBSとの電位差に基づいて変位する。吐出部600は、圧電素子60の変位(駆動)に基づいてインクを吐出する。
本実施形態におけるヘッド20には、吐出部600が1インチあたり300個以上の高密度で備えられたノズル列を有していてもよく、また、当該ノズル列を複数備えた他ノズルヘッドであってもよい。また、選択制御部210及び複数の選択部230は、1つの集積回路(IC:Integrated Circuit)で構成されていてもよい。
3.吐出部の構成
図3は、ヘッド20に備えられる複数の吐出部600の内の1つに対応した概略構成を示す図である。図3に示されるように、ヘッド20は、吐出部600と、リザーバー641とを含む。
リザーバー641には、インクカートリッジ22(図1参照)から不図示のインクチューブ及び供給口661を経由してインクが導入される。そのため、リザーバー641は、インクカートリッジ22に備えられたインク色ごとに設けられる。
吐出部600は、圧電素子60と振動板621とキャビティー(圧力室)631とノズル651とを含む。このうち、振動板621は、図3において上面に設けられた圧電素子60によって変位(屈曲振動)し、インクが充填されるキャビティー631の内部容積を拡大/縮小させるダイヤフラムとして機能する。ノズル651は、ノズルプレート632に設けられるとともに、キャビティー631に連通する開孔部である。キャビティー631は、内部にインクが充填され、圧電素子60の変位により、内部容積が変化する。ノズル651は、キャビティー631に連通し、キャビティー631の内部容積の変化に応じてキャビティー631内の液体を液滴として吐出する。
図3で示される圧電素子60は、圧電体601を一対の電極611,電極612で挟んだ構造である。この構造の圧電体601にあっては、電極611,電極612により印加された電圧に応じて、電極611,電極612、振動板621とともに図3において中央部分が両端部分に対して上下方向に撓む。具体的には、圧電素子60は、駆動信号Voutの電圧レベルが高くなると、上方向に撓む一方、駆動信号Voutの電圧レベルが低くなると、下方向に撓む構成となっている。この構成において、上方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が拡大するので、インクがリザーバー641から引き込まれる。一方、下方向に撓めば、キャビティー631の内部容積が縮小するので、縮小の程度によっては、インクがノズル651から吐出される。
なお、圧電素子60は、図示した構造に限られず、圧電素子60を変形させてインクのような液体を吐出させることができる型であればよい。また、圧電素子60は、屈曲振動に限られず、いわゆる縦振動を用いる構成でもよい。
圧電素子60は、ヘッド20においてキャビティー631とノズル651とに対応して設けられ、当該圧電素子60は、前述のとおり選択部230にも対応して設けられる。このため、圧電素子60、キャビティー631、ノズル651及び選択部230のセットは、ノズル651毎に設けられることになる。
4.駆動信号の一例
ここで、データ信号SI、制御信号LAT,CHに基づいて、駆動信号Voutとして駆動信号COM−A,COM−Bのいずれを選択するかの制御方法について説明する。
制御回路100から選択制御部210に入力される制御信号LAT、制御信号CH及びデータ信号SIは、クロック信号Sckに同期した信号であり、吐出部600の吐出のタイミングを制御する信号である。換言すれば、当該信号は圧電素子60に対して駆動信号Voutが印加されるタイミングを制御する。
駆動信号Voutは、印刷媒体Pに対してドットを形成する印刷周期Ta毎に圧電素子60に印加される。印刷周期Taは、制御信号LATが立ち上がり、制御信号CHが立ち上がるまでの期間T1と、制御信号CHが立ち上がってから次に制御信号LATが立ち上がるまでの期間T2からなる。
選択制御部210(図2参照)は、データ信号SIに基づいて、複数の吐出部600のそれぞれが期間T1及び期間T2において、駆動信号COM−A,COM−Bのいずれを供給するか否かを制御するための選択信号を生成し、複数の吐出部600に対応した選択部230に出力する。
データ信号SIは、複数の吐出部600のそれぞれに対応した2ビットのデータ(SIH,SIL)を含む信号である。選択制御部210は、吐出部600のそれぞれに対応したデータ(SIH,SIL)をラッチ回路等で保持し、保持したデータ(SIH,SIL)に対応する選択信号を、吐出部600のそれぞれに対応する選択部230に出力する。
選択部230(図2参照)は、選択制御部210から出力された選択信号に基づき、期間T1及び期間T2のそれぞれにおいて、駆動信号COM−Aを出力するか、駆動信号COM−Bを出力するのか、いずれも出力しないのかを切替える。これにより、選択部230から駆動信号Voutが出力される。
ここで、駆動信号Voutの基となる駆動信号COM−A,COM−Bについて図4を用いて説明する。図4は、駆動信号COM−A,COM−Bの波形の一例を示す図である。駆動信号COM−Aは、期間T1に配置された台形波形Adp1と、期間T2に配置された台形波形Adp2とを連続させた波形となっている。台形波形Adp1、Adp2とは、互いにほぼ同一の波形であり、それぞれが圧電素子60の一端に印加されたとき、当該圧電素子60に対応するノズル651から所定量、具体的には中程度の量のインクをそれぞれ吐出させる波形である。
駆動信号COM−Bは、期間T1に配置された台形波形Bdp1と、期間T2に配置された台形波形Bdp2とを連続させた波形となっている。本実施形態において、台形波形Bdp1、Bdp2は、互いに異なる波形である。このうち、台形波形Bdp1は、ノズル651の開孔部付近のインクを微振動させてインクの粘度の増大を防止するための波形である。このため、台形波形Bdp1が圧電素子60の一端に印加されたとしても、当該圧電素子60に対応するノズル651からインクは吐出されない。また、台形波形Bdp2は、台形波形Adp1(Adp2)とは異なる波形となっている。台形波形Bdp2が圧電素子60の一端に印加されたとき、当該圧電素子60に対応するノズル651から上記所定量よりも少ない量のインクを吐出させる波形である。
なお、台形波形Adp1、Adp2、Bdp1、Bdp2の開始タイミングでの電圧及び終了タイミングでの電圧は、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形Adp1,Adp2,Bdp1,Bdp2は、それぞれ電圧Vcで開始し、電圧Vcで終了する波形となっている。
図5は、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」及び「非記録(微振動)」のそれぞれに対応する駆動信号Voutの波形の一例を示す図である。
図5に示されるように、データ(SIH,SIL)が(1,1)であるとき、選択部230には、「大ドット」を示す選択信号が入力される。選択信号が「大ドット」を示す信号であるとき、選択部230は、期間T1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1を選択し、期間T2において駆動信号COM−Aの台形波形Adp2を選択する。すなわち、印刷周期Taにおいて台形波形Adp1と台形波形Adp2とを連続させた波形を駆動信号Voutとして出力する。このとき、当該駆動信号Voutが印加される圧電素子60を含む吐出部600からは、印刷周期Taにおいて、中程度の量のインクが2回にわけて吐出される。よって、印刷媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体することで大ドットが形成される。
データ(SIH,SIL)が(1,0)であるとき、選択部230には、「中ドット」を示す選択信号が入力される。選択信号が「中ドット」を示す信号であるとき、選択部230は、期間T1において駆動信号COM−Aの台形波形Adp1を選択し、期間T2において駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2を選択する。すなわち、印刷周期Taにおいて台形波形Adp1と台形波形Bdp2とを連続させた波形を、駆動信号Voutとして出力する。このとき、当該駆動信号Voutが印加される圧電素子60を含む吐出部600からは、印刷周期Taにおいて、中程度の量のインクと小程度のインクが吐出される。よって、印刷媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して中ドットが形成される。
データ(SIH,SIL)が(0,1)であるとき、選択部230には、「小ドット」を示す選択信号が入力される。選択信号が「小ドット」を示す信号であるとき、選択部230は、期間T1において駆動信号COM−A,COM-Bのいずれも選択せず、期間T2において駆動信号COM−Bの台形波形Bdp2を選択する。すなわち、印刷周期Taにおいて電圧Vcと台形波形Bdp2とを連続させた波形を、駆動信号Voutとして出力する。このとき、当該駆動信号Voutが印加される圧電素子60を含む吐出部600からは、印刷周期Taにおいて、小程度のインクが吐出される。よって、印刷媒体Pには小ドットが形成される。
データ(SIH,SIL)が(0,0)であるとき、選択部230には、「非記録(微振動)」を示す選択信号が入力される。選択信号が「非記録(微振動)」を示す信号であるとき、選択部230は、期間T1において駆動信号COM−Bの台形波形Bdp1を選択し、期間T2において駆動信号COM−A,COM-Bのいずれも選択しない。すなわち、印刷周期Taにおいて台形波形Bdp1と電圧Vcとを連続させた波形を、駆動信号Voutとして出力する。このとき、当該駆動信号Voutが印加される圧電素子60を含む吐出部600からは、印刷周期Taにおいて、圧電素子60はインクが吐出されない程度に駆動する。
なお、図4及び図5に示す駆動信号COM−A,COM−B及び駆動信号Voutは一例でありこれに限られるものではない。
5.駆動回路の構成
次に、駆動信号COM−A,COM−Bを生成する駆動回路50−a,50−bについて説明する。駆動回路50−aは、第1に、駆動制御信号dAをアナログ変換し、第2に、出力の駆動信号COM−Aを帰還するとともに、当該駆動信号COM−Aに基づく信号(減衰信号)と目標信号との偏差を、当該駆動信号COM−Aの高周波成分で補正して、当該補正した信号に従って変調信号を生成する。駆動回路50−aは、第3に、当該変調
信号に従ってトランジスターをスイッチングすることによって増幅変調信号を生成し、第4に、当該増幅変調信号をローパスフィルターで平滑化(復調)して、当該平滑化した信号を駆動信号COM−Aとして出力する。また、駆動回路50−bについても同様な構成であり、駆動制御信号dBから駆動信号COM−Bを出力する点についてのみ異なる。そこで以下の説明においては、駆動回路50−aについてのみ説明を行う。
図6は、駆動回路50−aの回路構成を示す図である。図6に示されるように、駆動回路50−aは、圧電素子60の駆動により液体を吐出する吐出部600に対して、制御回路100から入力される駆動制御信号dAに基づいて圧電素子60を駆動させるための駆動信号COM−Aを出力する。
この駆動回路50−aは、駆動制御信号dAを変調した変調信号Msを出力する変調部510(「変調回路」の一例)と、変調信号Msを増幅し増幅変調信号を出力する増幅回路590と、増幅変調信号を平滑し駆動信号COM−Aを出力するローパスフィルター560(「平滑回路」の一例)と、を備える。増幅回路590は、第1トランジスターM1(「第1の電界効果型トランジスター」の一例)及び第2トランジスターM2(「第2の電界効果型トランジスター」の一例)を含む集積回路として構成される。
そして、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2のそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下に形成されている。
さらに、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2のそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下に形成されている。
以下に、駆動回路50−aの詳細を説明する。
駆動回路50−aは、変調部510を含む増幅制御信号生成回路500と、増幅回路590及びローパスフィルター560を含む出力回路550と、第1帰還回路570と、第2帰還回路572と、その他複数の回路素子と、を有する。
増幅制御信号生成回路500は、端子In、端子Bst、端子Hdr、端子Sw、端子Gvd、端子Ldr、端子Gnd及び端子Vbsを含む端子で外部と電気的に接続される集積回路で構成される。増幅制御信号生成回路500は、端子Inから入力される駆動制御信号dAを変調部510で変調し、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2のそれぞれのゲートを駆動する増幅制御信号を出力する。
増幅制御信号生成回路500は、DAC(Digital to Analog Converter)511と、変調部510と、ゲートドライバー520と、電源部530と、基準電圧生成部580と、を含む。
基準電圧生成部580は、第1基準電圧DAC_HV(高電圧側基準電圧)と第2基準電圧DAC_LV(低電圧側基準電圧)とを生成し、DAC511に供給する。
DAC511は、駆動信号COM−Aの波形を規定する駆動制御信号dAを、第1基準電圧DAC_HVと第2基準電圧DAC_LVとの間の電圧のアナログの駆動制御信号aAに変換し、変調部510に含まれる加算器512の入力端(+)に供給する。なお、この駆動制御信号aAの電圧振幅は、その最大値及び最小値がそれぞれ第1基準電圧DAC_HV及び第2基準電圧DAC_LVで決まり(例えば1〜2V程度)、この電圧を増幅
したものが、駆動信号COM−Aとなる。つまり、駆動制御信号aAは、駆動信号COM−Aの増幅前の目標となる信号である。
変調部510は、駆動制御信号aA(dA)を変調した変調信号Msを、後述するゲートドライバー520を介して増幅回路590に出力する。変調部510は、加算器512、加算器513、コンパレーター514、インバーター515、積分減衰器516及び減衰器517を含む。
積分減衰器516は、端子Vfbを介して入力された端子Outの電圧、すなわち、駆動信号COM−Aを減衰するとともに積分し、当該電圧を加算器512の入力端(−)に供給する。
加算器512の入力端(+)には駆動制御信号aAの電圧が入力され、入力端(−)には、積分減衰器516から出力される電圧が入力される。そして、加算器512は、入力端(+)に入力された電圧から入力端(−)に入力された電圧を差し引き積分した電圧を加算器513の入力端(+)に供給する。
ここで、駆動制御信号aAの電圧振幅の最大は2V程度であるのに対して、駆動信号COM−Aの電圧は最大で40Vを超える場合がある。このため、積分減衰器516は、偏差を求めるにあたり両電圧の振幅範囲を合わせるために、駆動信号COM−Aの電圧を減衰させている。
減衰器517は、端子Ifbを介して入力した駆動信号COM−Aの高周波成分を減衰した電圧を、加算器513の入力端(−)に供給する。
加算器513の入力端(+)には加算器512から出力された電圧が入力され、入力端(−)には減衰器517から出力された電圧が入力される。そして、加算器513は、入力端(+)に入力された電圧から、入力端(−)に入力された電圧を減算した電圧信号Asを、コンパレーター514に出力する。
このように、加算器513から出力される電圧信号Asは、駆動制御信号aAの電圧から、端子Vfbに供給された信号の電圧を差し引いて、さらに、端子Ifbに供給された信号の電圧を差し引いた電圧である。このため、加算器513から出力される電圧信号Asの電圧は、目標である駆動制御信号aAの電圧から、端子Outから出力される駆動信号COM−Aの減衰電圧を指し引いた偏差を、当該駆動信号COM−Aの高周波成分で補正した信号ということができる。
コンパレーター514は、加算器513から出力される電圧信号Asに基づいて、パルス変調した変調信号Msを出力する。具体的には、コンパレーター514は、加算器513から出力される電圧信号Asが電圧上昇時であれば、後述する閾値Vth1以上になったときにHレベルとなり、電圧信号Asが電圧下降時であれば、後述する閾値Vth2を下回ったときにLレベルとなる変調信号Msを出力する。なお、閾値Vth1>閾値Vth2という関係に設定されている。
なお、変調信号Msは、駆動制御信号dA(aA)に合わせて周波数やデューティー比が変化する。そのため、減衰器517が変調利得(感度)を調整することで、周波数やデューティー比の変化量が調整される。
コンパレーター514が出力した変調信号Msは、ゲートドライバー520に含まれる第1ゲートドライバー521に供給される。また、変調信号Msは、インバーター515
による論理反転を経由して、ゲートドライバー520に含まれる第2ゲートドライバー522にも供給される。このため、第1ゲートドライバー521と第2ゲートドライバー522に供給される信号は、互いの論理レベルが排他的な関係にある。
第1ゲートドライバー521及び第2ゲートドライバー522に供給される信号の論理レベルは、実際には、同時にHレベルとはならないように(第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2が同時にオンしないように)、タイミングが制御されてもよい。このため、ここでいう排他的とは、厳密にいえば、同時にHレベルになることがない(第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2が同時にオンすることがない)、という意味である。
ところで、ここでいう変調信号とは、狭義には、変調信号Msであるが、デジタルの駆動制御信号dAに基づくアナログの駆動制御信号aAに応じてパルス変調したものと考えれば、変調信号Msの否定信号も変調信号に含まれる。すなわち、変調部510から出力される変調信号には、変調信号Msのみならず、当該変調信号Msの論理レベルを反転させたものや、タイミング制御されたものも含まれる。
ゲートドライバー520は、第1ゲートドライバー521と、第2ゲートドライバー522とを含む。
第1ゲートドライバー521は、コンパレーター514から出力される変調信号Msをレベルシフトして、端子Hdrから第1の増幅制御信号として出力する。第1ゲートドライバー521の電源電圧のうち高位側は、端子Bstを介して印加される電圧であり、低位側は、端子Swを介して印加される電圧である。端子Bstは、コンデンサーC5の一端及び逆流防止用のダイオードD1のカソード電極に接続される。端子Swは、コンデンサーC5の他端に接続される。ダイオードD1のアノード電極は、端子Gvdに接続され、不図示の電源回路から供給される電圧Vm(例えば7.5V)が印加される。したがって、端子Bstと端子Swとの電位差は、コンデンサーC5の両端の電位差、すなわち電圧Vm(例えば7.5V)におよそ等しくなる。そして、第1ゲートドライバー521は、入力される変調信号Msに従い、端子Swに対して電圧Vmだけ大きな電圧を第1の増幅制御信号として端子Hdrから出力する。
第2ゲートドライバー522は、第1ゲートドライバー521よりも低電位側で動作する。第2ゲートドライバー522は、コンパレーター514から出力された変調信号Msがインバーター515で反転された信号をレベルシフトして、端子Ldrから第2の増幅制御信号として出力する。第2ゲートドライバー522の電源電圧のうち高位側は、電圧Vmが印加され、低位側は、端子Gndを介してグラウンド電位(0V)が印加される。そして、第2ゲートドライバー522に入力される信号に従って、端子Gndに対して電圧Vmだけ大きな電圧を第2の増幅制御信号として端子Ldrから出力する。
電源部530は、圧電素子60の駆動信号Voutが印加される端子と異なる端子に印加する一定電圧信号VBSを出力する。電源部530は、例えば、バンドギャップ・リファレンス回路のような定電圧回路で構成される。電源部530は、一定電圧(例えば、6V)の一定電圧信号VBSを端子Vbsから出力する。なお、電源部530は、端子Gndに印加されるグラウンド電位を基準として一定電圧信号VBSを生成する。
出力回路550は、増幅回路590と、ローパスフィルター(Low Pass Filter)560とを有する。
増幅回路590は、第1トランジスターM1(「第1の電界効果型トランジスター」の
一例)及び第2トランジスターM2(「第2の電界効果型トランジスター」の一例)を含み、端子SW1、端子SW2、端子HG、端子LG、端子Vd及び端子Vsを含む端子で外部と電気的に接続される集積回路として構成される。なお、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2は、例えばNチャンネル型のFET(Field Effect Transistor)である。
第1トランジスターM1のドレインは端子Vdと接続され、端子Vdを介して電圧Vh(例えば42V)が印加される。また、第1トランジスターM1のゲートは端子HGと接続される。端子HGは抵抗R1の一端と接続され、抵抗R1の他端が増幅制御信号生成回路500の端子Hdrに接続される。また、第1トランジスターM1のソースは、端子SW1と接続され、端子SW1を介して増幅制御信号生成回路500の端子Swと接続される。
第2トランジスターM2のドレインは、第1トランジスターM1のソースと接続される。また、第2トランジスターM2のゲートは端子LGと接続される。端子LGは抵抗R2の一端と接続され、抵抗R2の他端が増幅制御信号生成回路500の端子Ldrに接続される。また、第2トランジスターM2のソースは端子Vsと接続され、端子Vsを介してグラウンド電位に接続される。
以上のように接続された第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2において、第1トランジスターM1がオフ、第2トランジスターM2がオンのとき、端子Swと端子SW1とが接続されるノードの電圧はグラウンド電位となり、端子Bstには電圧Vmが印加される。一方、第1トランジスターM1がオン、第2トランジスターM2がオフのとき、端子Swと端子SW1とが接続されるノードの電圧は電圧Vhとなり、端子Bstには電圧Vh+Vm(例えば49.5V)が印加される。
すなわち、第1トランジスターM1を駆動させる第1ゲートドライバー521は、コンデンサーC5をフローティング電源として、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2の動作に応じて、端子Sw(低位側)の電位が0V又は電圧Vhに変化することで、第1トランジスターM1のゲートに、Lレベルが電圧Vh(例えば42V)近傍かつHレベルが電圧Vh+電圧Vm(例えば49.5V)近傍の第1の増幅制御信号を出力する。
一方、第2トランジスターM2を駆動させる第2ゲートドライバー522は、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2の動作に関係なく、端子Gndの電位に固定されるので、Lレベルが0V近傍かつHレベルが電圧Vm近傍の第2の増幅制御信号を出力する。
このように、増幅回路590は、第1トランジスターM1と、第2トランジスターM2とで駆動制御信号dA(aA)が変調された変調信号Msを増幅し増幅変調信号を生成する。このとき、第1トランジスターM1のソース及び第2トランジスターM2のドレインと、端子SW2にも電気的に接続されている。そして、増幅変調信号は、端子SW2を介して、ローパスフィルター560に含まれるインダクターL1の一端に印加される。
このとき、増幅変調信号は第1トランジスターM1のソースと第2トランジスターM2のドレインとが接続されるノードに出力される。そのため、当該ノードには、電圧レベルの最大値が電圧Vhの高電圧であって、変調信号Msに基づく数MHzの高周波信号が印加される。そのため、当該ノードに生じる寄生容量に基づいてスイッチングノイズが生じたとき、周辺の回路構成に干渉するなどの影響を及ぼす可能性がある。本実施形態では、第1トランジスターM1と、第2トランジスターM2とを、集積回路として同一パッケー
ジに収容することで、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とを接続する配線を当該集積回路の内部配線とすることが可能となる。これにより、高電圧、高周波の信号が印加されるノードの寄生容量が低減され、当該寄生容量に基づくスイッチングノイズの発生が低減される。
また、本実施形態では、増幅回路590を含む集積回路の端子SW1と端子SW2とは、各々が別の端子であるとして説明したが、例えば共通の1つの端子であってもよい。これにより増幅回路590を含む集積回路に設けられる端子数を削減することが可能となり、増幅回路590を含む集積回路を小型化が可能となる。
ローパスフィルター560(「平滑回路」の一例)は、増幅回路590から出力された増幅変調信号を平滑して駆動信号COM−Aを生成し、駆動回路50−aから出力する。ローパスフィルター560は、インダクターL1とコンデンサーC1とを含む。
インダクターL1の一端は、端子SW2と接続され、他端はこの駆動回路50−aの出力となる端子Outと接続され、端子Outを介して選択部230のそれぞれと接続される。これにより、駆動回路50−aは駆動信号COM−Aを選択部230に出力する。
また、端子Outは、コンデンサーC1の一端とも接続され、コンデンサーC1の他端は、グラウンド電位に接続されている。このため、インダクターL1とコンデンサーC1とは、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2との接続点である端子SW2に印加される増幅変調信号を平滑(復調)し、駆動信号COM−Aを生成する。
第1帰還回路570は、抵抗R3と抵抗R4とを含む。抵抗R3の一端は、端子Outと接続され、他端は、端子Vfb及び抵抗R4の一端に接続される。抵抗R4の他端には電圧Vhが印加される。これにより、端子Vfbには、端子Outから第1帰還回路570(抵抗R3、抵抗R4で構成される回路)を通過した駆動信号COM−Aがプルアップされて帰還されることになる。
第2帰還回路572は、コンデンサーC2,C3,C4と、抵抗R5,R6を含む。
コンデンサーC2の一端は端子Outと接続され、他端は、抵抗R5の一端と抵抗R6の一端とに接続される。抵抗R5の他端はグラウンド電位に接続される。これにより、コンデンサーC2と抵抗R5とがハイパスフィルター(High Pass Filter)として機能する。なお、ハイパスフィルターのカットオフ周波数は、例えば約9MHzに設定される。また、抵抗R6の他端は、コンデンサーC4の一端とコンデンサーC3の一端とに接続される。コンデンサーC3の他端はグラウンドに接地される。これにより、抵抗R6とコンデンサーC3とは、ローパスフィルター(Low Pass Filter)として機能する。なお、LPFのカットオフ周波数は、例えば約160MHzに設定される。このようにハイパスフィルターとローパスフィルターとを構成することで、駆動信号COM−Aの所定の周波数域を通過させるバンドパスフィルター(Band Pass Filter)として機能する。
コンデンサーC4の他端は、増幅制御信号生成回路500の端子Ifbに接続される。これにより、端子Ifbには、上記バンドパスフィルターとして機能する第2帰還回路572を通過した駆動信号COM−Aの高周波成分のうち、直流成分がカットされて帰還されることになる。
ところで、端子Outから出力される駆動信号COM−Aは、増幅変調信号をローパスフィルター560によって平滑化した信号である。この駆動信号COM−Aは、端子Vfbを介して積分・減算された上で、加算器512に帰還される。よって、帰還の遅延と、
帰還の伝達関数で定まる周波数で自励発振することになる。
ただし、端子Vfbを介した帰還経路の遅延量が大きいため、当該端子Vfbを介した帰還のみでは自励発振の周波数を駆動信号COM−Aの精度を十分に確保できるほど高くすることができない場合がある。そこで、端子Vfbを介した経路とは別に、端子Ifbを介して、駆動信号COM−Aの高周波成分を帰還する経路を設けることで、回路全体でみたときの遅延を小さくしている。このため、電圧信号Asの周波数は、端子Ifbを介した経路が存在しない場合と比較して、駆動信号COM−Aの精度を十分に確保できるほど高くなる。
図7は、電圧信号Asと変調信号Msとの波形を、アナログの駆動制御信号aAとの波形と関連付けて示す図である。
図7に示されるように、電圧信号Asは三角波であり、その発振周波数は、駆動制御信号aAの電圧に応じて変動する。具体的には、当該電圧が中間値である場合に最も高くなり、電圧が中間値から高くなる又は低くなるにつれて低くなる。
また、電圧信号Asの三角波の傾斜は、当該電圧が中間値付近であれば当該電圧の上昇と下降とでほぼ等しくなる。このため、電圧信号Asをコンパレーター514により閾値Vth1、Vth2と比較することで得られる変調信号Msのデューティー比は、ほぼ50%となる。電圧信号Asの電圧が中間値から高くなると、電圧信号Asの下りの傾斜が緩くなる。このため、変調信号MsがHレベルとなる期間は相対的に長くなり、変調信号Msのデューティー比が大きくなる。一方、電圧信号Asの電圧が中間値から低くなると、電圧信号Asの上りの傾斜が緩くなる。このため、変調信号MsがHレベルとなる期間が相対的に短くなり、変調信号Msのデューティー比が小さくなる。
第1ゲートドライバー521は、変調信号Msに基づいて第1トランジスターM1をオン/オフさせる。すなわち、第1ゲートドライバー521は、第1トランジスターM1を、変調信号MsがHレベルであればオンさせ、変調信号MsがLレベルであればオフさせる。第2ゲートドライバー522は、変調信号Msの論理反転信号に基づいて第2トランジスターM2をオン/オフさせる。すなわち、第2ゲートドライバー522は、第2トランジスターM2を、変調信号MsがHレベルであればオフさせ、変調信号MsがLレベルであればオンさせる。
したがって、端子SW2における増幅変調信号をインダクターL1及びコンデンサーC1で平滑した駆動信号COM−Aの電圧は、変調信号Msのデューティー比が大きくなるにつれて高くなり、デューティー比が小さくなるにつれて低くなる。よって、駆動信号COM−Aは、デジタルの駆動制御信号dAがアナログ信号に変換された駆動制御信号aAの電圧を拡大した信号となるように制御される。
この駆動回路50−aは、パルス密度変調を用いるため、変調周波数が固定のパルス幅変調に対して、デューティー比の変化幅を大きく取れる、という利点がある。
駆動回路50−aで用いることができる最小の正パルス幅と負パルス幅はその回路特性で制約される。そのため、周波数固定のパルス幅変調では、デューティー比の変化幅として所定の範囲しか確保できない。これに対し、パルス密度変調では、電圧信号Asの電圧が中間値から離れるにつれて、発振周波数が低くなり、当該電圧が高い領域においては、デューティー比をより大きくすることができ、また、当該電圧が低い領域においては、デューティー比をより小さくすることができる。よって、自励発振型パルス密度変調では、デューティー比の変化幅として、より広い範囲を確保することができる。
なお、本実施形態において、変調信号Ms及び増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は1MHz以上8MHz以下であってもよい。
上述の液体吐出装置1では、増幅変調信号を平滑化して駆動信号を生成し、駆動信号が印加されることによって圧電素子60が変位して、ノズル651から液体を吐出させる。ここで、液体吐出装置1が例えば小ドットを吐出するための駆動信号Voutの波形を周波数スペクトル解析すると、当該波形には50kHz以上の周波数成分が含まれる。このような50kHz以上の周波数成分を含む駆動信号Voutを生成するには、変調信号Ms及び増幅変調信号の周波数が1MHz以上であることが好ましい。
当該周波数を1MHzよりも低い領域では、再現される駆動信号COM−Aの波形のエッジが鈍るおそれがあり、波形のエッジが鈍ると、波形の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジに応じて動作する圧電素子60の変位が緩慢になり、吐出時の尾引きや、吐出不良などが発生する原因にもつながるからである。
一方、変調信号Ms及び増幅変調信号の周波数を8MHzよりも高くすれば、駆動信号Voutの波形の分解能は高まるが、増幅回路590におけるスイッチング損失が大きくなり、AB級アンプなどのリニア増幅と比べて、優位性を有する省電力性、省発熱性が損なわれてしまう。
このため、変調信号Ms及び増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、1MHz以上8MHz以下であることが好ましい。
6.増幅回路のトランジスターの特性
以上説明したように、駆動回路50−a,50−bは、駆動制御信号dA(dB)を変調し変調信号Msを出力する変調部510と、変調信号Msを増幅し増幅変調信号を出力する増幅回路590と、増幅変調信号を平滑し駆動信号COM−A,COM−Bを出力するローパスフィルター560とを含み構成される。
このような駆動回路50−a,50−bを備える液体吐出装置1においては、印刷の高精細化及び高速化に伴い、吐出部600の高密度化、駆動ノズル数の増加及び印刷周期Taの高速化が要求される。このため、駆動回路50−a,50−bには、増幅回路590におけるスイッチング周波数の高速化及び出力電流の増加が求められる。しかしながら、増幅回路590のスイッチング周波数の高速化及び出力電流の増加は、スイッチング損失の増加に直結し、そのため増幅回路の発熱などの課題が生じる。
図8は、増幅回路590のスイッチング損失の要因を説明するための図である。なお、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2とは、ゲート端子に入力される電圧のタイミングが異なるのみであり、同じスイッチング動作を行うため、特に区別することなくトランジスターMとして説明を行う。また、駆動回路50−a,50−bは同様の構成であり、同様の増幅回路590を有することから、特に区別することなく駆動回路50として説明を行う。
図8には、トランジスターMのゲートに変調信号Msに基づいて入力される電圧Vgsと、ドレイン−ソース間の電圧Vds(実線)と、ドレイン−ソース間の電流Ids(破線)とを図示する。
トランジスターMは、変調信号Ms(電圧Vgs)に従いスイッチング周期Tswでスイッチング動作を繰りかえす。このとき、スイッチング周期Tswは、図8に示す期間a
、期間b、期間c及び期間dの4つの期間を有する。
期間aは、電圧VgsがトランジスターMの閾値電圧Vthをこえてから、トランジスターMがオン状態となるまでの過渡期間である。電圧VgsがトランジスターMの閾値電圧Vthをこえたとき、電圧Vdsは電圧Vgsの過渡的な電圧変化及び周辺の回路素子、配線等の寄生容量の影響により過渡的に変化(低下)する。電圧Vdsの過渡的な変化に伴い、電流Idsが過渡的に流れ出す。すなわち、期間aにおいては、トランジスターMのドレイン−ソース間に電圧Vdsと電流Idsとが同時に生じる。そのため、期間aにおいて図8に示す領域αのスイッチング損失が生じる。
期間bは、トランジスターMがオン状態を継続する期間である。トランジスターMがオン状態であるとき、理想的には電圧Vdsは0Vとなる。しかし、トランジスターMが有する内部抵抗と、トランジスターMに流れる電流Idsと、により電圧Vdsが生じる。すなわち、期間bにおいては、トランジスターMのドレイン−ソース間に電圧Vdsと電流Idsとが同時に生じる。そのため、期間bにおいて図8に示す領域βのスイッチング損失が生じる。
期間cは、電圧VgsがトランジスターMの閾値電圧Vthを下回ってから、トランジスターMがオフ状態となるまでの過渡期間である。電圧VgsがトランジスターMの閾値電圧Vthを下回ったとき、電圧Vdsは電圧Vgsの過渡的な電圧変化及び周辺の回路素子、配線等の寄生容量の影響により過渡的に変化(上昇)する。電圧Vdsの過渡的な変化に伴い、電流Idsが過渡的に低下する。すなわち、期間cにおいては、トランジスターMのドレイン−ソース間に電圧Vdsと電流Idsとが同時に生じる。そのため、期間cにおいて図8に示す領域γのスイッチング損失が生じる。
期間dは、トランジスターMがオフ状態を継続する期間である。トランジスターMがオン状態であるとき、ドレイン−ソース間には電流Idsは流れない。そのため、期間dにおけるスイッチング損失は生じない。なお、期間dにおいては、詳細にはリーク電流等に基づく電流Idsが生じる可能性があり、当該リーク電流に基づき若干の損出が生じる。しかしながら、当該損失は、期間a,b,cのそれぞれで生じるスイッチング損失に対して非常に小さいものである。すなわち、期間dにおける「スイッチング損失が生じない」とは、期間a,b,cのそれぞれで生じるスイッチング損失に対して無視できるレベルであることを意味する。
これらのスイッチング損失は、電流Idsの増加に伴い当該損失は大きくなり、また、スイッチング周期Tswが高速になるほど単位時間当たりの当該損失は大きくなる。そのため、増幅回路590のスイッチング周波数の高速化及び出力電流の増加に対して、スイッチング損失を低減するためには、図8に示す領域α,β,γを小さくすることが必要となる。
本実施形態では、前述したように前記第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2のそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下に形成されている。さらに、前記第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2のそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下に形成されている。
図8において、スイッチング損失を示す領域α及び領域γは、スイッチングの立ち上がり又は立下りにおける損失であり、このようなスイッチング損失はスイッチング周期Tswが高速になるほど大きくなる。このようなスイッチング損失を低減するためには、トランジスターMに対して電圧Vgsを急峻に印加すること、また電圧Vgsの印加に対して
電圧Vds及び電流Idsの追従性を高めることが求められる。具体的には、トランジスターMにおいて、入力容量、出力容量、帰還容量及びゲート総電荷を小さくすることが好ましい。
ここで、入力容量とは、図9に示すトランジスターMのドレイン−ゲート間の容量成分Cdgとゲート−ソース間の容量成分Cgsとの和であり、ゲート側から見たトランジスターMの容量成分である。
トランジスターMが動作するには、ゲートから入力容量を充電する必要がある。本実施形態に示すような変調信号Msが1MHz以上の高周波信号である場合において、入力容量を500pF以下とすることで、トランジスターMの電圧Vgsの充電に要する時間を短縮することが可能となる。これにより、電圧Vgsの立ち上がり及び立ち下りを急峻にすることが可能となり、電圧Vgsに追従する電圧Vds及び電流Idsも急峻に動作する。よって、期間a及び期間cにおいて、トランジスターMのドレイン−ソース間に電圧Vdsと電流Idsとが同時に生じる時間が短縮され、スイッチング損失を示す領域α,γを小さくすることが可能となる。
また、帰還容量とは、図9に示すトランジスターMのゲート−ソース間の容量成分Cgsであり、入力容量を構成する容量成分の一部である。この帰還容量が大きいと、電圧Vgsの立ち上り及び立ち下りが遅くなる。そのため本実施形態に示すように、帰還容量を50pF以下とすることが好ましい。これにより、電圧Vgsの立ち上り及び立ち下りをさらに急峻とすることが可能となる。よって、電圧Vgsに追従して動作する電圧Vds及び電流Idsをさらに急峻に動作させることが可能となり、スイッチング損失を示す領域α,γをさらに小さくすることができる。
また、入力容量を充電するのに必要な電荷量がゲート総電荷である。本実施形態では、このゲート総電荷が10nC以下であるため、トランジスターMに入力される電流量に起因する電圧Vgsの立ち上がりをさらに急峻とすることが可能となる。よって、前述の入力容量を小さくした場合と同様に、追従して動作する電圧Vds及び電流Idsを急峻に動作させることが可能となり、スイッチング損失を示す領域α,γを効果的に低減することができる。
出力容量とは、図9に示すトランジスターMのドレイン−ゲート間の容量成分Cdgとドレイン−ソース間の容量成分Cdsとの和であり、トランジスターMの出力側の容量成分を示すものである。
トランジスターMをオフ状態とするためには、電圧Vgsが閾値電圧Vthを下回ったとき、トランジスターMの電流Idsを遮断する必要がある。本実施形態に示すような変調信号Msが1MHz以上の高周波信号である場合において、出力容量を300pF以下とすることで、トランジスターMの電圧Vgsが閾値電圧Vthを下回ったときの電流Idsの放電に要する時間を短縮することができ、これにより、電圧Vgsが低下し閾値電圧Vthを下回ったとき、電圧Vgsに対する電流Idsの追従性を高めることが可能となる。よって、期間cにおける、トランジスターMのドレイン−ソース間に電流Idsが生じる時間が短縮され、スイッチング損失を示す領域γを効果的に低減することができる。
また、損失を示す領域βは、トランジスターMがオン状態おける損失を示すものである。当該損失を低減するためには、トランジスターMのオン抵抗を小さくすることが好ましい。オン抵抗とは、トランジスターMがオン状態のときのドレイン−ソース間の抵抗値を示す。このような損失は、駆動回路50が出力する電流の増加に伴い大きくなる。そのた
め、吐出部600の高密度化及び駆動ノズル数の増加に伴い大きな電流を出力する駆動回路50において、増幅回路に用いられるトランジスターMのオン抵抗は小さくすることが好ましく、特に本実施形態の高密度、多ノズルのヘッド20を駆動する駆動回路50においては、オン抵抗を100mΩ以下とすることで当該損失を示す領域βを効果的に低減することができる。
また、逆回復電荷量とは、トランジスターM(より正確には、トランジスターMの不図示のボディーダイオード)のスイッチング動作に伴い生じる逆回復電流が消滅するまでの電荷量を示す。トランジスターMがオン状態からオフ状態に遷移したとき、トランジスターMのドレイン−ソース間には、瞬間的な逆回復電荷量に基づく逆方向電流が生じる。このとき、逆方向電流と電圧Vdsとにより損失が生じる。よって、当該損失を低減させるためには、逆方向電流を低減させることが好ましく、さらには、逆方向電流に寄与する逆回復電荷量を低減することが好ましい。
本実施形態に示すような1MHz以上の交流成分の周波数帯域の変調信号Msを増幅させる増幅回路に用いる場合、逆回復電荷量を20nC以下とすることで、スイッチング動作時に生じる逆方向電流は効果的に低減され、当該スイッチング損失をさらに低減することができる。
7.作用・効果
本実施形態に係る増幅回路590を含む集積回路では、増幅回路590を形成する第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であるため、増幅回路590に流れる電流が増加した場合であっても、当該電流と第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2の内部抵抗とで生じる損失が低減される。さらに、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下であるため、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2のそれぞれの電圧Vgs及び電圧Vdsの立ち上がり及び立下りを急峻にすることができる。このため、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2のスイッチング動作時において、電圧Vdsと電流Idsとが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。よって、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2を含む増幅回路590の(集積回路)の損失を低減することができる。
また、本実施形態に係る増幅回路590を含む集積回路では、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とのそれぞれは、出力容量が300pF以下であるため、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2に入力される電圧Vgsに対する電圧Vdsのスイッチングの追従性を高めることが可能となる。よって、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2は、電圧Vgsに基づく急峻なスイッチング動作が可能となり、当該スイッチング動作において、電圧Vdsと電流Idsとが共に生じる期間を短くすることが可能となり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本実施形態に係る増幅回路590を含む集積回路では、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とのそれぞれは、帰還容量が50pF以下であるため、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とに入力される電圧Vgsの立ち上がり及び立下りを急峻にすることが可能となる。よって、第1トランジスターM1及び第2トランジスターM2とのスイッチング動作時に電圧Vdsと電流Idsとが共に生じる期間が短くなり、スイッチングによる損失を低減することができる。
また、本実施形態に係る増幅回路590を含む集積回路では、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とのそれぞれは、逆回復電荷量が20nC以下であるため、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2のスイッチングに伴い生じる逆回復電流
が消滅するまでの時間を短くすることが可能となる。このため、逆回復電流と、電圧Vdsとが共に生じる時間を短くすることが、逆回復電流により生じるスイッチング損失を低減することが可能となる。
また、本実施形態に係る増幅回路590を含む集積回路では、増幅回路を構成する第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とは、同一の集積回路内に形成され、当該集積回路の内部で電気的に接続することが可能となる。このため、第1トランジスターM1と第2トランジスターM2とを接続する配線に生じる寄生容量を低減することができる。よって、当該寄生容量に基づいて生じるスイッチングノイズを低減することが可能となる。
8.変形例
上記の実施形態では、2つの駆動回路50−a,50−bのそれぞれが時分割に2つ電圧波形を出力し、選択部230は、当該電圧波形を選択することで駆動信号Voutを生成したが、1つの駆動回路が、時分割に3つ以上の電圧波形を含み、選択部が当該電圧波形を選択する構成であってもよい。また、駆動回路が3つ以上備えられ、個々の駆動回路は異なる駆動波形を出力し、選択部は3つ以上備えられた駆動回路のいずれかの駆動波形を選択する構成であってもよい。
以上、本実施形態あるいは変形例について説明したが、本発明はこれら本実施形態あるいは変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…液体吐出装置、2…ヘッドユニット、3…移動機構、4…搬送機構、10…制御ユニット、20…ヘッド、22…インクカートリッジ、24…キャリッジ、31…キャリッジモーター、32…キャリッジガイド軸、33…タイミングベルト、35…キャリッジモータードライバー、40…プラテン、41…搬送モーター、42…搬送ローラー、45…搬送モータードライバー、50,50−a,50−b…駆動回路、60…圧電素子、70…キャッピング部材、71…ワイパー部材、72…フラッシングボックス、90…リニアエンコーダー、100…制御回路、190…フレキシブルフラットケーブル、210…選択制御部、230…選択部、500…増幅制御信号生成回路、510…変調部、511…DAC、512,513…加算器、514…コンパレーター、515…インバーター、516…積分減衰器、517…減衰器、520…ゲートドライバー、521…第1ゲートドライバー、522…第2ゲートドライバー、530…電源部、550…出力回路、560…ローパスフィルター、570…第1帰還回路、572…第2帰還回路、580…基準電圧生成部、590…増幅回路、600…吐出部、601…圧電体、611,612…電極、621…振動板、631…キャビティー、632…ノズルプレート、641…リザーバー、651…ノズル、661…供給口、P…印刷媒体、C1,C2,C3,C4,C5…コンデンサー、R1,R2,R3,R4,R5,R6…抵抗、M1…第1トランジスター、M2…第2トランジスター、L1…インダクター、D1…ダイオード

Claims (10)

  1. 圧電素子の駆動により液体を吐出する吐出部に対して、制御回路から入力される駆動制御信号に基づいて前記圧電素子を駆動させるための駆動信号を出力する駆動回路に用いられる集積回路であって、
    第1の電界効果型トランジスターと、
    第2の電界効果型トランジスターと、
    を含み、
    前記第1の電界効果型トランジスターと前記第2の電界効果型トランジスターとは、前記駆動制御信号が変調された変調信号を増幅し、
    前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下である、
    ことを特徴とする集積回路。
  2. 前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
  3. 圧電素子の駆動により液体を吐出する吐出部に対して、制御回路から入力される駆動制御信号に基づいて前記圧電素子を駆動させるための駆動信号を出力する駆動回路であって、
    前記駆動制御信号を変調し変調信号を出力する変調回路と、
    前記変調信号を増幅し増幅変調信号を出力する増幅回路と、
    前記増幅変調信号を平滑し前記駆動信号を出力する平滑回路と、
    を備え、
    前記増幅回路は、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターを含む集積回路であって、
    前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下である、
    ことを特徴とする駆動回路。
  4. 前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の駆動回路。
  5. 前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、1MHz以上である、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の駆動回路。
  6. 前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、8MHz以下である、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の駆動回路。
  7. 圧電素子の駆動により液体を吐出する吐出部と、
    前記圧電素子を駆動させるための駆動信号を出力する駆動回路と、
    前記駆動信号の基となる駆動制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路と、
    を含み、
    前記駆動回路は、
    前記駆動制御信号を変調し変調信号を出力する変調回路と、
    前記変調信号を増幅し増幅変調信号を出力する増幅回路と、
    前記増幅変調信号を平滑し前記駆動信号を出力する平滑回路と、
    を有し、
    前記増幅回路は、第1の電界効果型トランジスター及び第2の電界効果型トランジスターを含む集積回路であって、
    前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、オン抵抗が100mΩ以下であり、入力容量が500pF以下であり、ゲート総電荷が10nC以下である、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  8. 前記第1の電界効果型トランジスター及び前記第2の電界効果型トランジスターのそれぞれは、出力容量が300pF以下であり、帰還容量が50pF以下であり、逆回復電荷量が20nC以下である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、1MHz以上である、
    ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記増幅変調信号の交流成分の周波数帯域は、8MHz以下である、
    ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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JP7512821B2 (ja) 2020-09-30 2024-07-09 セイコーエプソン株式会社 駆動回路、及び液体吐出装置

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