JP2019020728A - 防眩フィルム及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防眩層中に有機粒子及び無機粒子を含む系において、防眩性を付与するとともに、ギラツキを抑制した防眩フィルムを提供する。【解決手段】透明基材1上の一方の面に、有機粒子21、無機粒子及びバインダー樹脂を含む防眩層2を有してなり、前記有機粒子21の平均粒子径が前記無機粒子の平均粒子径よりも大きく、かつ、前記防眩層2のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S0.8と、カットオフ値2.5mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S2.5とが、下記式(1)の関係を満たす防眩フィルム。S2.5/S0.8≦1.30 (1)【選択図】図1

Description

本発明は、防眩フィルム及び表示装置に関する。
テレビ、ノートPC、デスクトップPCのモニター等の表示装置の表面には、照明や太陽光の映り込みを和らげるために、凹凸構造を有する防眩フィルムが設置される場合がある。
これら防眩フィルムは、透明基材上に防眩層を有する構成が多く採用されている。防眩層は、バインダー樹脂、及び防眩層の表面に凹凸形状を付与するための有機粒子を含む構成からなる場合が多い。また、特許文献1のように、防眩層中の粒子としては、有機粒子及び無機粒子が併用される場合もある。
特開2010−113219号公報(請求項3、段落0024、0044) 特開2016−35574(請求項1) 特開2011−232547号公報(請求項1)
特許文献1において無機粒子は、防眩層の硬度を向上するなどの役割を果たしている。このように、有機粒子に加えて無機粒子を併用することで所定の効果を付与できる。しかし、防眩層中に無機粒子を含む場合、映像光に微細な輝度のばらつきが見える現象(以下、「ギラツキ」と称する場合がある。)が生じやすいという問題がある。
防眩層中に無機粒子を含む場合にギラツキが生じやすい理由は、無機粒子の凝集のしやすさにあると考えられる。しかし、特許文献1では、防眩層中に無機粒子を含む場合のギラツキの抑制について何ら検討していないどころか、段落0024、0044に記載されるように無機粒子を積極的に凝集させている。
また、特許文献2及び3には、凹凸の平均間隔Sm、平均傾斜角θa、算術平均粗さRa及び最大高さRzを特定の範囲として、ギラツキを抑制することが記載されている。しかし、特許文献2及び3のパラメータを満たす場合であっても、ギラツキを生じることが頻発した。
本発明は、防眩層中に有機粒子及び無機粒子を含む系において、防眩性を付与するとともに、ギラツキを抑制した防眩フィルムを提供することを課題とする。
本発明は、以下の[1]〜[2]の防眩フィルム及び表示装置を提供する。
[1]透明基材上の一方の面に、有機粒子、無機粒子及びバインダー樹脂を含む防眩層を有してなり、前記有機粒子の平均粒子径が前記無機粒子の平均粒子径よりも大きく、かつ、前記防眩層のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S0.8と、カットオフ値2.5mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S2.5とが、下記式(1)の関係を満たす防眩フィルム。
2.5/S0.8≦1.30 (1)
[2]表示素子上に、上記[1]に記載の防眩フィルムの防眩層側の面が前記表示素子とは反対側を向くように配置してなり、かつ前記防眩フィルムを最表面に配置してなる表示装置。
なお、本発明において「防眩性」とは、映り込みが気にならない程度の防眩性を意味し、映り込みを完全に防止する高度な防眩性を意味しない。
本発明の防眩フィルム及び表示装置は、防眩層中に有機粒子及び無機粒子を含む系において、防眩性を付与するとともに、ギラツキを抑制することができる。
本発明の防眩フィルムの一実施形態を示す断面図である。 比較例1の防眩フィルムの断面図である。 平均傾斜角θaの算出方法を説明する図である。 ギラツキの測定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[防眩フィルム]
本発明の防眩フィルムは、透明基材上の一方の面に、有機粒子、無機粒子及びバインダー樹脂を含む防眩層を有してなり、前記有機粒子の平均粒子径が前記無機粒子の平均粒子径よりも大きく、かつ、前記防眩層のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S0.8と、カットオフ値2.5mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S2.5とが、下記式(1)の関係を満たすものである。
2.5/S0.8≦1.30 (1)
図1は、本発明の防眩フィルムの実施の形態を示す断面図である。
図1の防眩フィルム100は、透明基材1上に、有機粒子21、無機粒子及びバインダー樹脂を含む防眩層2を有している。なお、図1では、無機粒子及びバインダー樹脂の表示は省略している。
なお、本発明の特徴を損なわない範囲で、透明基材1と防眩層2との間、あるいは透明基材1の防眩層2の反対側の面に、図示しない層を形成してもよい。
また、本実施形態においては、防眩層2の上に他の層を有さず、防眩層が最表面に位置することが好ましい。
<透明基材>
透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
上記の中でも、機械的強度及び寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)が好ましい。また、ポリエステルは、溶剤やモノマーの浸透性が弱く、上記式(1)を満たす表面形状を形成しやすい点で好適である。
透明基材の厚さは、5〜300μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましく、30〜120μmであることがさらに好ましい。
防眩フィルムを薄膜化したい場合は、透明基材の厚さの好ましい上限は60μmであり、より好ましい上限は50μmである。また、透明基材がポリエステル、COP、アクリル等の低透湿性基材の場合には、薄膜化のための透明基材の厚さの好ましい上限は40μmであり、より好ましい上限は20μmである。大画面の場合であっても、透明基材の厚みの上限が前述した範囲であれば、歪みを生じにくくさせることが出来る点でも好適である。なお、透明基材の厚みは、デジマチック標準外側マイクロメーター(ミツトヨ社製、品番「MDC−25SX」)などで測定できる。透明基材の厚さは、任意の10点を測定した平均値が上記数値であればよく、厚さのバラツキは平均値±8%の範囲であることが好ましく、平均値±4%の範囲であることがより好ましく、平均値±3%の範囲であることがさらに好ましい(厚さの平均値が50μmならば、各厚さが46〜54μmの範囲に収まることが好ましく、各厚さが48〜52μmの範囲に収まることが好ましく、各厚さが48.5〜51.5μmの範囲に収まることがさらに好ましい)。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理等の物理的な処理や化学的な処理を施したり、易接着層を形成してもよい。
<防眩層>
透明基材の一方の面には、有機粒子、無機粒子及びバインダー樹脂を含む防眩層を有する。
本実施形態においては、薄膜化及び製造効率の観点から、防眩層の上に他の層を有さず、防眩層が最表面に位置することが好ましい。
なお、防眩層上に、低反射層、防汚層等の厚さ数nm以上500nm未満の薄膜の機能層を有する場合には、防眩層側の最表面の表面形状が後述する式(1)等を満たすことが好ましい。薄膜の機能層は防眩層の表面形状を大きく変化させにくい点で好ましい。薄膜の機能層は、スパッタ、コーティング等により形成することができ、多層反射防止層等の複数の薄膜を積層したものであってもよい。
無機粒子は防眩層中で凝集しやすい傾向にあり、特に、粒子径が小さくなるほど凝集しやすい傾向にある。そして、防眩層中で無機粒子が凝集することによってギラツキが生じると考えられる。無機粒子の凝集によるギラツキに関して、図1及び図2により説明する。
図1は、本発明の防眩フィルムの実施の形態を示す断面図であり、図2は、比較例1の防眩フィルムの断面図である。図1の防眩フィルム10は、主として有機粒子21によって、防眩層2の表面に凹凸を形成している。一方、図2の防眩フィルム10は、有機粒子21の存在する箇所だけではなく、有機粒子21の存在しない箇所についても、防眩層2の表面に凹凸を形成している。図2において、有機粒子21の存在しない箇所に形成されている凹凸は、有機粒子による凹凸に比べて急峻な形状を有している。この急峻な凹凸は、無機粒子の凝集に起因するものと考えられ、これがギラツキの要因になっていると考えられる。
なお、ギラツキは、例えば、防眩フィルムの防眩層が形成されていない面とガラス板とを透明粘着剤を介して貼り合わせ、さらに、ブラックマトリクスのマトリクスが形成されていない側の面とガラス板とを水を介して固定した評価用サンプルを作製し、評価用サンプルのブラックマトリクスを固定した側から白色面光源を照射した際に、防眩層側から評価できる。防眩フィルムとガラス板とを貼り合わせる透明粘着剤は、厚み20〜30μm、全光線透過率90%以上、ヘイズ0.6%以下の光学透明粘着剤(OCA)が好ましい。光学透明粘着剤(OCA)としては、実施例で用いているパナック株式会社製の商品名「パナクリーン PD-S1」が挙げられる。
本実施形態では、防眩層のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S0.8と、カットオフ値2.5mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S2.5とが、下記式(1)の関係を満たすことにより、ギラツキを抑制している。
2.5/S0.8≦1.30 (1)
以下、式(1)の技術的意義について説明する。
まず、局部山頂平均間隔Sは、「粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、隣り合う局部山頂間に対応する平均線の長さを求め、この多数の局部山頂間の平均値を表したもの。」と定義されている。
一般的な粗さ曲線は、様々な周期の凹凸が合成されたものである。例えば、粒子径の大きい有機粒子に起因する凹凸は周期が長い傾向にあり、粒子径の小さい無機粒子に起因する凹凸は周期が短い傾向にある。また、凝集した無機粒子に起因する凹凸は、凝集の大きさや形状が不均一であることなどから、さらに別の周期を有する傾向にある。つまり、局部山頂平均間隔Sは、様々な周期の凹凸の合成からなる粗さ曲線から算出される。
また、カットオフ値は、粗さ曲線から周期の長い凹凸を除外する度合いを示す指標であり、カットオフ値が小さいほど周期の長い凹凸が除外される度合いが大きい。したがって、カットオフ値0.8mmの局部山頂平均間隔S0.8は、周期の長い凹凸が除外された数値であるのに対して、カットオフ値2.5mmの局部山頂平均間隔S2.5は、周期の長い凹凸を含む数値であると言える。つまり、S0.8と、S2.5とでは、凹凸の周期の混在度合いが異なる粗さ曲線に基づいて、局部山頂平均間隔Sを算出している。
粗さ曲線中の凹凸の周期の混在度合いが大きい場合、周期が短い凹凸は周期の長い凹凸によって打ち消される場合がある。例えば、周期の長い凹凸の高さが増加し続ける箇所と、周期の短い凹凸とが重なった場合、周期の短い凹凸の高さが減少する成分が周期の長い凹凸の高さが増加する成分によって打ち消される場合がある。この場合、周期の短い凹凸の一部は局部山頂平均間隔Sがカウントされなくなる。したがって、粗さ曲線中の凹凸の周期の混在度合いが大きいほど、カットオフ値の違いによる局部山頂平均間隔Sの変化割合が大きいことになる。
防眩層中に有機粒子及び無機粒子を含む系では、無機粒子が凝集する割合が多いほど、粗さ曲線中の凹凸の周期の混在度合いが大きくなる。
したがって、S2.5/S0.8が1.30以下であることを条件とする上記式(1)は、無機粒子の凝集の割合が少ないことを示し、ひいては、ギラツキを抑制できることを示している。
なお、カットオフ値として0.8mm及び2.5mmを採用した理由は、人間の目の解像限界である0.12mmを十分に超え、かつ長すぎないカットオフ値において、局部山頂平均間隔を対比するためである。
上記式(1)において、S2.5/S0.8は1.25以下であることが好ましく、1.20以下であることがより好ましく、1.18以下であることがさらに好ましい。
2.5/S0.8の下限は特に限定されないが、1.05以上であることが好ましく、1.10以上であることがより好ましい。
本明細書において、上記式(1)及びその他の表面形状に関する数値、並びに光学物性(全光線透過率、ヘイズ、像鮮明度)は、16箇所の測定値の最小値及び最大値を除外した14箇所の測定値の平均値を意味する。
本明細書において、16の測定箇所は、測定サンプルの外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域に関して、縦方向及び横方向を5等分する線を引いた際の、交点の16箇所を測定の中心とすることが好ましい。例えば、測定サンプルが四角形の場合、四角形の外縁から1cmの領域を余白として、該余白よりも内側の領域を縦方向及び横方向に5等分した点線の交点の16箇所を中心として測定を行い、その平均値でパラメータを算出することが好ましい。なお、測定サンプルが円形、楕円形、三角形、五角形等の四角形以外の形状の場合、これら形状に内接する四角形を描き、該四角形に関して、上記手法により16箇所の測定を行うことが好ましい。
なお、汎用の防眩層の上に別の層を形成した場合、周期の短い凹凸が減少して上記式(1)を満たしやすくなる。しかし、防眩層の上に別の層を形成した場合、工程の複雑化、コストの増加、総厚みの増加、解像度の低下を引き起こす。
本実施形態においては、防眩層の上に他の層を形成しなくても、上記式(1)を満たすことができる点で有用である。
防眩層上に、低反射層、防汚層等の厚さ数nm以上500nm未満の薄膜の機能層を有する場合には、防眩層側の最表面の表面形状が上記式(1)等を満たすことが好ましい。
また、本実施形態においては、S0.8が下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
50μm≦S0.8 (2)
0.8を50μm以上とすることにより、ギラツキをより抑制することができる。上記式(2)において、S0.8は55μm以上であることが好ましく、60μm以上であることがより好ましい。
0.8が人間の目の解像限界である0.12mm(120μm)を超えると、画像の滑らかさが低下し、画像がザラついてみえる。このため、S0.8は100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましく、75μm以下であることがさらに好ましい。
さらに、本実施形態においては、防眩層のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の算術平均粗さRaが、下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
0.03μm≦Ra≦0.20μm (3)
Raを0.03μm以上とすることにより、防眩性を付与しやすくできる。また、Raを0.20μm以下とすることにより、コントラストの低下を抑制しやすくできる。
上記式(3)において、Raは0.04μm以上0.15μm以下であることがより好ましく、0.04μm以上0.10μm以下であることがさらに好ましい。
さらに、本実施形態においては、防眩層のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の十点平均粗さRzが、下記式(4)の関係を満たすことが好ましい。
0.10μm≦Rz≦0.40μm (4)
Rzを0.10μm以上とすることにより、凹凸が過剰に均一となることが抑制され、防眩層の傷、欠陥を目立ちにくくできる。また、Rzを0.40μm以下とすることにより、ギラツキを抑制しやすくできるとともに、コントラストの低下を抑制しやすくできる。
上記式(4)において、Rzは0.12μm以上0.35μm以下であることがより好ましく、0.15μm以上0.30μm以下であることがさらに好ましい。
さらに、本実施形態においては、防眩層のカットオフ値0.8mmの平均傾斜角θaが、下記式(5)の関係を満たすことが好ましい。
0.15度≦θa≦0.50度 (5)
θaを0.15度以上とすることにより、防眩性を付与しやすくできる。また、θaを0.50度以下とすることにより、コントラストの低下を抑制しやすくできる。
上記式(5)において、θaは0.20度以上0.40度以下であることがより好ましく、0.25度以上0.35度以下であることがさらに好ましい。
平均傾斜角θaは、例えば、小坂研究所社製の表面粗さ測定器(商品名:SE−3400)の取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に定義されている値であり、図3に示すように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h+h+h+・・・+h)のアークタンジェントθa=tan−1{(h+h+h+・・・+h)/L}で求めることができる。なお、本明細書では、基準長さを1500分割し、1500点の高さデータを得て、該1500点の高さデータを元に平均傾斜角θaを算出するものとする。
なお、θaは、JIS1994測定規格に準じる機種、例えば小阪研究所社製:SE600、SE600K31、SE700、SE4000などでも各取り扱い説明書記載の、上記と同程度の定義と算出法によって測定が可能である。
その他のパラメータ(S、Ra、Rz)も、JIS1994測定規格に準じる機種であれば、同様に測定可能である。
<有機粒子>
有機粒子は、防眩層の表面を凹凸化して防眩性を付与する役割を有する。該役割を効果的に発揮するため、本実施形態では、有機粒子の平均粒子径を、無機粒子の平均粒子径よりも大きくしている。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。これらの中でもポリスチレンが好適である。ポリスチレンは親油性が高く、親水性が高い無機粒子とは性質が大きく異なるため、ポリスチレンの周りに無機粒子を密集させにくくしやすい点で好適である。また、ポリスチレンの親油性は極めて高いため、無機粒子が疎水化処理されたものであったとしても、ポリスチレンの周りに無機粒子を密集させにくくしやすくできる。
有機粒子の形状は、ギラツキの抑制、及びコントラストの低下の抑制の観点から球形が好適である。
有機粒子は、平均粒子径が0.5〜3.0μmであることが好ましく、0.8〜2.5μmであることがより好ましく、1.0〜2.0μmであることがさらに好ましい。
有機粒子の平均粒子径を0.5μm以上とすることにより、映り込みが気にならない程度の防眩性を付与しやすくできる。また、有機粒子の平均粒子径を3.0μm以下とすることにより、防眩層表面の凹凸を滑らかにして、ギラツキを抑制しやすくできる。有機粒子の平均粒子径を上記のように小さくしても防眩性を付与し得る理由は、主として、後述する無機粒子による沈降抑制作用によるものである。
有機粒子は、防眩層表面の凹凸を滑らかにして、ギラツキを抑制しやすくする観点から、粒子分布の変動係数を25%以下とすることが好ましく、20%以下とすることがより好ましく、15%以下とすることがさらに好ましい。
有機粒子の平均粒子径と防眩層の厚みとの比(有機粒子の平均粒子径/防眩層の厚み)は、防眩性とギラツキ抑制のバランスの観点から、0.15〜0.70であることが好ましく、0.25〜0.60であることがより好ましく、0.30〜0.55であることがさらに好ましい。
上記比を0.1以上とすることにより、映り込みが気にならない程度の防眩性を付与しやすくできる。また、上記比を0.7以下とすることにより、防眩層表面の凹凸を滑らかにして、ギラツキを抑制しやすくできる。
有機粒子の平均粒子径は、以下の(x1)〜(x3)の作業により算出できる。
(x1)本発明の防眩フィルムを光学顕微鏡にて透過観察画像を撮像する。倍率は500〜2000倍が好ましい。
(x2)観察画像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(x3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均粒子径とする。
有機粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.4〜4.0質量部であることが好ましく、0.5〜3.5質量部であることがより好ましく、0.6〜3.0質量部であることがさらに好ましい。
有機粒子の含有量を大幅に増やすと、防眩性が向上するとともに、外部ヘイズ及び内部ヘイズが増加し、ギラツキが目立ちにくくなる傾向にある。しかし、有機粒子の含有量を増やしすぎると、コントラスト及び表示素子の解像性が低下する傾向にある。
有機粒子の含有量を上記範囲とすることにより、防眩性、ギラツキの抑制、コントラストの低下の抑制、及び解像度の低下の抑制のバランスを良好にしやすくできる。
<無機粒子>
無機粒子は、有機粒子の凝集を抑制したり、防眩層形成塗布液中での有機粒子の沈降を抑制するなどの作用を発揮する。無機粒子がかかる作用を発揮するため、有機粒子の平均粒子径を上述した範囲としても、防眩性を発揮しやすくできる。
これら役割を効果的に発揮するため、本実施形態では、無機粒子の平均粒子径を、有機粒子の平均粒子径よりも小さくしている。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等の無機酸化物粒子が挙げられる。無機粒子の形状は、球形であってもよいし、不定形であってもよい。
無機粒子の中では、透明性の観点からシリカが好適である。
また、シリカの中でもフュームドシリカは、レイリー散乱による内部拡散を得るのに適した粒子径を得やすく、後述する疎水化処理をしやすい点で好適である。
フュームドシリカとは、乾式法で作製された200nm以下の粒径を有する非晶質のシリカであり、ケイ素を含む揮発性化合物を気相で反応させることにより得ることができる。具体的には、四塩化ケイ素(SiCl)等のケイ素化合物を酸素と水素の炎中で加水分解して生成されたもの等が挙げられる。
無機粒子として、シリカ等の無機酸化物粒子を用いる場合、無機酸化物微粒子は非晶質であることが好ましい。これは、無機酸化物粒子が結晶性である場合、その結晶構造中に含まれる格子欠陥により、無機酸化物微粒子のルイス酸塩が強くなってしまい、無機酸化物粒子の過度の凝集を制御できなくなるおそれがあるからである。
無機粒子は、表面が疎水化処理された無機粒子が好ましい。無機粒子の表面を疎水化処理することにより、防眩層形成塗布液中での無機粒子の凝集を抑制し、上記式(1)の関係を満たしやすくできる。
なお、表面が疎水化処理された無機粒子とは、無機粒子の表面に、無機粒子の表面の官能基と、表面処理剤との反応物を有するものである。無機粒子の表面の官能基としては、例えばシリカ粒子のシラノール基が挙げられる。
表面処理剤としては、トリメチルシリルクロライド、ジメチルジクロロシラン、トリメチルシリルトリフロロメタンスルホネート、クロロメチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルシラン、トリエチルシリルクロライド、トリイソプロピルシリルクロライド、t−ブチルジメチルシラン、t−ブチルジメチルシリルクロライド、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アリルトリメチルシラン、トリメチルビニルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン及びポリジメチルシロキサン等から選ばれる1種以上が挙げられる。
表面処理剤は、疎水化の程度を高めてギラツキをより抑制する観点から、炭素数が多いアルキル基を分子内に有することが好ましい。具体的には、表面処理剤は、炭素数が5以上のアルキル基を分子内に有するものが好ましく、炭素数が6以上のアルキル基を分子内に有するものがより好ましい。該アルキル基は直鎖であってもよいし、分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
なお、分子内のアルキル基の炭素数が多すぎると、表面処理剤の分子の嵩高さの影響により、無機粒子の表面の官能基と表面処理剤とが反応できる割合が低下する。このため、表面処理剤のアルキル基の炭素数は20以下であることが好ましく、16以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましい。
また、同一の表面処理剤により疎水化処理された無機粒子のみを用いた場合、互いに性質が共通するため凝集する場合がある。このため、異なる表面処理剤により疎水化処理された無機粒子を併用することが好ましい。例えば、炭素数が多いアルキル基を分子内に有する表面処理剤で疎水化処理された無機粒子(無機粒子A)と、炭素数が少ないアルキル基を分子内に有する表面処理剤で疎水化処理された無機粒子(無機粒子B)とを併用することが好ましい。また、炭素数が少ないアルキル基を分子内に有する表面処理剤で疎水化処理された無機粒子(無機粒子B)は適度な親水性を有するため、無機粒子Bの存在によって有機粒子の分散性を良好にすることもできる。
無機粒子Aの表面処理剤のアルキル基の炭素数は4〜20が好ましく、4〜16がより好ましく、6〜12がさらに好ましい。
無機粒子Bの表面処理剤のアルキル基の炭素数は3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1がさらに好ましい。
無機粒子A及び無機粒子Bのアルキル基は直鎖であってもよいし、分岐を有していてもよいが、直鎖であることが好ましい。
防眩層中に後述するイオン伝導型帯電防止剤及び導電性高分子から選ばれる帯電防止剤を含有すると、無機粒子が帯電防止剤によって引き寄せられて、無機粒子が凝集しやすくなる場合がある。かかる場合においても、上述のように、異なる表面処理剤により疎水化処理された無機粒子を併用することにより、無機粒子の凝集を抑制しやすい点で好適である。
無機粒子は、平均一次粒子径(一次粒子又は凝集した粒子混合の粒子径)が3〜400nmであることが好ましく、5〜350nmであることがより好ましく、8〜300nmであることがさらに好ましい。
無機粒子の平均一次粒子径を上記範囲として、かつ無機粒子の凝集を抑制することにより、無機粒子に起因する急峻な凹凸を形成させにくくできるとともに、粒子径(一次粒子又は凝集した粒子混合の粒子径)の小さい領域においてレイリー散乱による内部拡散を生じさせることができる。このため、ギラツキを抑制しやすくできる。
無機粒子の平均一次粒子径(一次粒子又は凝集した粒子混合の粒子径)は、以下の(y1)〜(y3)の作業により算出できる。
(y1)本発明の防眩フィルムの断面をTEM又はSTEMで撮像する。TEM又はSTEMの加速電圧は10kv〜30kV、倍率は5万〜30万倍とすることが好ましい。
(y2)観察画像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の粒子径を算出する。粒子径は、粒子の断面を任意の平行な2本の直線で挟んだとき、該2本の直線間距離が最大となるような2本の直線の組み合わせにおける直線間距離として測定される。
(y3)同じサンプルの別画面の観察画像において同様の作業を5回行って、合計50個分の粒子径の数平均から得られる値を粒子の平均粒子径とする。
無機粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.2〜7.0質量部であることが好ましく、0.3〜5.0質量部であることがより好ましく、0.4〜3.0質量部であることがさらに好ましい。
無機粒子の含有量を上述した範囲とすることにより、適度な内部ヘイズを付与しつつ、有機粒子の凝集を抑制しやすくできる。このため、ギラツキを抑制しやすくできる。また、無機粒子の含有量を上述した範囲とすることにより、防眩層形成塗布液中での有機粒子の沈降を抑制できる。このため、所定の防眩性を得るために必要な有機粒子の添加量を少なくすることができ、解像性の低下を抑制できる。
同様の観点から、[無機粒子の含有量/有機粒子の含有量]は、0.5〜5.0であることが好ましく、0.6〜3.0であることがより好ましく、0.7〜2.0であることがさらに好ましい。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂組成物の硬化物及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、耐擦傷性の観点から、硬化性樹脂組成物の硬化物が好適である。また、硬化性樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂組成物、電離放射線硬化性樹脂組成物が挙げられ、耐擦傷性の観点から、電離放射線硬化性樹脂組成物が好適である。すなわち、バインダー樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含むことが最適である。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物のうち、2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレート系モノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
上記電離放射線硬化性樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
電離放射線硬化性樹脂が紫外線硬化性樹脂である場合には、防眩層形成塗布液は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、α−アミノアルキルフェノン、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
バインダー樹脂の含有量は、塗膜強度と防眩性のバランスとの観点から、防眩層の全固形分中の90.0〜99.0質量%であることが好ましく、92.0〜98.5質量%であることがより好ましく、95.0〜98.0質量%であることがさらに好ましい。
<レベリング剤>
防眩層は、防眩層の表面を適度に滑らかにして、上記式(1)を満たしやすくする観点から、レベリング剤を含有することが好ましい。レベリング剤としては、フッ素系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤、フッ素シリコーン共重合体系レベリング剤等が挙げられる。これらの中でも、シリコーン系レベリング剤が好ましく、その中でも非反応性のシリコーン系レベリング剤がより好ましい。本発明では無機粒子の凝集を抑制していることから、無機粒子の凝集に基づく耐擦傷性が得られにくいが、シリコーン系レベリング剤によって滑り性を付与することにより、耐擦傷性を良好にしやすくできる。特に、非反応性のシリコーン系レベリング剤は表面に集まりやすいため、耐擦傷性をより良好にしやすくできる。
レベリング剤の含有量は、防眩層の全固形分に対して0.01〜0.30質量%が好ましく、0.02〜0.10質量%がより好ましい。
<帯電防止剤>
防眩層は、帯電(防眩層の表面に保護フィルムを積層した際の該保護フィルムを剥離する際の帯電、透明基材の裏面に粘着剤層及びセパレータを積層した際の該セパレータを剥離する際の帯電、その他の製造過程、加工過程で生じる帯電等)を抑制するために、帯電防止剤を含有することが好ましい。
帯電防止剤としては、ATO等の電子伝導型帯電防止剤、イオン伝導型帯電防止剤及び導電性高分子等から選ばれる1種以上を使用できる。これらの中でも透明性の観点から、イオン伝導型帯電防止剤及び導電性高分子が好ましく、湿度依存性の少ない導電性高分子がより好ましい。なお、導電性高分子は、バインダー樹脂としての機能も発揮する。
なお、イオン伝導型帯電防止剤及び導電性高分子は、無機粒子を引き寄せて、無機粒子の凝集の程度を増加させる場合がある。つまり、単一の防眩層において、防眩性、ギラツキの抑制、帯電防止性を同時に満足させることは困難である。このため、防眩層中に帯電防止剤としてイオン伝導型帯電防止剤及び/又は導電性高分子を含有させる場合、上述したように、アルキル基の炭素数が多い表面処理剤と、アルキル基の炭素数が少ない表面処理剤とを併用して表面処理された無機粒子を用いることが好ましい。
イオン伝導型帯電防止剤としては、カチオン性、アニオン性、両性等のイオン導電性化合物が挙げられる。これらイオン伝導型帯電防止剤としては、汎用の界面活性剤、第4級アンモニウム塩、リチウム塩、イオン液体等が挙げられる。
イオン伝導型帯電防止剤は、硬化性樹脂組成物と反応性を有するものが好ましく、電離放射線硬化性化合物と反応性を有するものがより好ましい。
電離放射線硬化性化合物と反応性を有するイオン伝導型帯電防止剤としては、電離放射線硬化性官能基を有するイオン伝導型帯電防止剤が挙げられる。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリロイル基が好適である。
導電性高分子としては、π共役系導電性高分子にポリアニオンがドープされたものが挙げられる。
π共役系導電性高分子としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン等の鎖状導電性ポリマーが挙げられる。ポリアニオンとしては、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸及びポリメタクリルカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、導電性に優れる、π共役系導電性高分子としてポリチオフェン、ポリアニオンとしてポリスチレンスルホン酸を用いた導電性高分子(PEDOT/PSS)が好ましい。
ポリアニオンの含有量は、導電性の観点から、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲が望ましい。
帯電防止剤の含有量は、目標とする表面抵抗率、及び用いる帯電防止剤の種類により異なるため一概にはいえないが、防眩層の全固形分中の0.40質量%以下であることが好ましく、0.30質量%以下であることがより好ましく、0.20質量%以下であることがさらに好ましい。なお、帯電防止剤の含有量は、防眩層の全固形分中の0.10質量%以上であることが好ましい。
<その他の添加剤>
防眩層は、高屈折率粒子及び低屈折粒子等の屈折率調整剤、防汚剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、粘度調整剤及び熱重合開始剤等のその他の添加剤を含有してもよい。
防眩層の厚みは特に限定されないが、1.0〜10.0μmが好ましく、2.0〜8.0μmがより好ましく、3.0〜5.0μmがさらに好ましい。
防眩層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。STEMの加速電圧は10kv〜30kV、STEMの倍率は1000〜7000倍とすることが好ましい。
防眩層の膜厚のバラツキは、平均膜厚に対して±15%以内であることが好ましく、±10%以内であることがより好ましく、±7%以内であることがさらに好ましく、5%以内であることがよりさらに好ましい。
防眩層は、有機粒子、無機粒子及びバインダー樹脂を含む防眩層形成塗布液を塗布、乾燥し、必要に応じて硬化することにより形成できる。防眩層形成塗布液中には、塗工適性を良好にするために溶剤を含むことが好ましい。
<溶剤>
溶剤としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール類(エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
溶剤の乾燥に時間を要すると無機粒子が凝集して、上記式(1)を満たしにくくなる。したがって、溶剤としては、蒸発速度(n−酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの相対蒸発速度)が150以上である溶剤を、全溶剤中の60質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましい。相対蒸発速度が160以上の溶剤としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)が挙げられる。MIBKの相対蒸発速度は160である。
また、防眩層表面の表面抵抗率を後述する範囲にしやすくする観点からは、溶剤としてアルコール系溶剤を含むことが好ましい。アルコール系溶剤は、全溶剤の5〜40質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。
溶剤を含む防眩層形成塗布液を塗布、乾燥する際は、乾燥を速くして無機粒子の凝集を抑制する観点から、乾燥温度を50〜90℃、乾燥風速を5〜30m/minとすることが好ましい。
<防眩フィルムの物性>
防眩フィルムは、JIS K7361−1:1997の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
全光線透過率、ヘイズ及び像鮮明度を測定する際の光入射面は、防眩層とは反対側の面とする。また、全光線透過率、ヘイズ及び像鮮明度の測定時には、皺、汚れ及び異物等の欠陥のない場所を選択して測定する。
防眩フィルムは、防眩性、解像度及びコントラストのバランスの観点から、JISK7136:2000のヘイズが1.0〜7.0%であることが好ましく、2.0〜5.0%であることがより好ましく、2.5〜4.0%であることがさらに好ましい。
また、ヘイズを内部ヘイズと表面ヘイズとに分けた場合、内部ヘイズと表面ヘイズとの比[内部ヘイズ/表面ヘイズ]が、1.5〜7.0であることが好ましく、1.7〜5.0であることがより好ましく、2.0〜4.5であることがさらに好ましい。
内部ヘイズは主としてギラツキの抑制に効果を発揮し、表面ヘイズは主として防眩性に効果を発揮する。このため、内部ヘイズと表面ヘイズとの比を上記範囲とすることにより、ギラツキ抑制及び防眩性のバランスを良好にすることができる。
内部ヘイズ及び表面ヘイズは実施例に記載の方法で算出できる。
防眩フィルムは、JIS K7374:2007に準拠して測定した写像性測定器の光学櫛の幅が0.125mmの透過像鮮明度C0.125が65.0%以上であることが好ましく、70.0%以上であることがより好ましく、75.0%以上であることがさらに好ましい。
また、防眩フィルムは、JIS K7374:2007に準拠して測定した写像性測定器の光学櫛の幅が2.0mmにおける透過像鮮明度C2.0と、前記C0.125とが、C2.0/C0.125≦1.30の関係を満たすことが好ましく、C2.0/C0.125≦1.25の関係を満たすことがより好ましい。C2.0/C0.125≦1.30の関係を満たすことにより、ギラツキを抑制しやすくできる。なお、C2.0/C0.125が小さいことは、防眩層表面の傾斜角のバラツキが少ないことを意味し、この傾斜角のバラツキの少なさがギラツキの抑制に寄与していると考えられる。
防眩層表面の表面抵抗率は1.0×1013Ω/□以下であることが好ましく、1.0×1012Ω/□以下であることがより好ましい。表面抵抗率の測定は、500Vの印加電圧で実施することが好ましい。また、測定環境は、温度25±4℃、湿度50±10%とすることが好ましい。
防眩層表面の表面抵抗率は、皺、汚れ及び異物等の欠陥のない箇所から切り出したサンプルを準備し、10個のサンプルの測定値の最小値及び最大値を除外した8個のサンプルの測定値の平均値を意味する。
防眩フィルムは、枚葉状の形態でもよいし、長尺シートをロール状に巻き取ったロール状の形態であってもよい。また、枚葉の大きさは特に限定されないが、一般的には、大きさは対角で2〜500インチ程度である。ロール状の幅及び長さは特に限定されないが、一般的には、幅は500〜3000mm、長さは500〜5000m程度である。
また、枚葉の形状も特に限定されず、例えば、多角形(三角形、四角形、五角形等)や円形であってもよいし、ランダムな不定形であってもよい。
[表示装置]
本発明の表示装置は、表示素子上に上述した本発明の防眩フィルムの防眩層側の面が表示素子とは反対側を向くように配置してなり、かつ防眩フィルムを最表面に配置してなるものである。
表示素子としては、液晶表示素子、EL表示素子(有機EL表示素子、無機EL表示素子)、プラズマ表示素子等が挙げられ、さらには、マイクロLED表示素子等のLED表示素子が挙げられる。これら表示素子は、表示素子の内部にタッチパネル機能を有していてもよい。
液晶表示素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。
また、本実施形態の表示装置は、表示素子と防眩フィルムとの間にタッチパネルを有するタッチパネル付きの表示装置であってもよい。この場合、タッチパネル付きの表示装置の最表面に防眩フィルムを配置し、かつ、防眩フィルムの防眩層側の面が表示素子とは反対側を向くように配置すればよい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
1.防眩フィルムの物性測定及び評価
以下のように、実施例及び比較例の防眩フィルムの物性測定及び評価を行った。結果を表1に示す。
1−1.表面形状の測定
実施例及び比較例の防眩フィルムを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。切断した防眩フィルムをパナック社製の光学透明粘着シート(商品名:パナクリーンPD-S1)を介して、縦10cm×横10cmの大きさの黒色板(クラレ社製、商品名:コモグラス 品番 :DFA502K、厚み2.0mm)を貼り合わせたサンプルを作製した。
表面粗さ測定器(型番:SE−3400/小坂研究所株式会社製)を用いて、計測ステージにサンプルが固定かつ密着した状態となるようにセットしたのち、下記の測定条件により、下記の測定項目について、各サンプルの防眩層の表面形状を測定した。明細書本文の記載に基づき、測定はサンプルごとに16箇所で行い、最小値及び最大値を除外した14箇所の平均値を、各実施例及び比較例のS2.5/S0.8、S2.5、S0.8、Ra及びRzとした。測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度40〜65%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度40〜65%の雰囲気に10分以上放置した。結果を表1に示す。
<測定条件>
[表面粗さ検出部の触針]
小坂研究所社製の商品名SE2555N(先端曲率半径:2μm、頂角:90度、材質:ダイヤモンド)
[表面粗さ測定器の測定条件]
・JIS1994
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・縦倍率:50000倍
・横倍率:5倍
・スキッド:用いる(測定面に接触あり)
・カットオフフィルタ種類:ガウシャン
・ダイナミックレンジ:ワイド
・オーバースケール:エラーモード
・不感帯レベル:10%
・tp/PC曲線:ノーマル
・サンプリングモード:c=1500
・動作モード:ノーマル
・レベリング:オールデータ
・評価長さ:カットオフの5倍
・予備長さ:カットオフの0.5倍
・検出器:PUDJ2US(レバー水平時高さ7.85mm、長さ30mm)
<測定項目>
・カットオフ値2.5mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S2.5
・カットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S0.8
・カットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の算術平均粗さRa
・カットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の十点平均粗さRz
・カットオフ値0.8mmの平均傾斜角θa
1−2.ヘイズ及び全光線透過率
実施例及び比較例の防眩フィルムを10cm四方に切断した。切断箇所は、目視でゴミや傷などの異常点がない事を確認の上、ランダムな部位から選択した。ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、各サンプルのJISK7136:2000のヘイズ(全体ヘイズ)、及びJIS K7361−1:1997の全光線透過率を測定した。明細書本文の記載に基づき、測定はサンプルごとに16箇所で行い、最小値及び最大値を除外した14箇所の平均値を、各実施例及び比較例のヘイズ及び全光線透過率とした。測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度40〜65%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度40〜65%の雰囲気に10分以上放置した。光入射面は透明基材側とし、指紋がつかないよう、また皺が入らないよう設置した。
さらに、以下の手段により、内部ヘイズ及び表面ヘイズを算出した。
防眩フィルムの表面に、透明粘着剤を介して、厚み80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士フイルム社製、TD80UL)を皺や指紋などの汚れ、ゴミ・エアがみが可能な限りないよう貼り付けることによって凹凸形状をつぶして平坦にし、表面形状起因のヘイズの影響をなくした状態でヘイズを測定して、内部ヘイズを求めた。そして、全体ヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引いて、表面ヘイズを求めた。
1−3.透過の像鮮明度
スガ試験機社製の写像性測定器(商品名:ICM−1T)を用いて、JIS K7374:2007に準拠して、上記「1−2」で作製した各サンプルの0.125mm及び2mmの巾をもつ光学くしを通した2種類の透過像鮮明度(C2.0、C0.125)を測定した。明細書本文の記載に基づき、測定はサンプルごとに16箇所で行い、最小値及び最大値を除外した14箇所の平均値を、各実施例及び比較例の透過像鮮明度とした。測定時の雰囲気は、温度は23℃±5℃、湿度40〜65%とした。また、測定開始前に、各サンプルを23℃±5℃、湿度40〜65%の雰囲気に10分以上放置した。光入射面は防眩層が形成されている面側とし、指紋がつかないよう、また皺が入らないよう設置した。
1−4.表面抵抗率
JIS K6911:1995に基づき、防眩フィルムの防眩層表面の表面抵抗率(Ω/□)を測定した。測定器は、三菱化学社製の商品名「ハイレスターUP MCP−HT450」を用い、プローブには三菱化学社製の商品名「URSプローブ MCP−HTP14」を使用し、500Vの印加電圧にて測定を実施した。測定環境は、温度25±4℃、湿度50±10%とした。測定時は、サンプルを平面上に、浮きがないよう設置した。測定は、5cm四方に切断した10個のサンプルについて行い、最小値及び最大値を除外した8個のサンプルの平均値を、各実施例及び比較例の表面抵抗率とした。表面抵抗率が1.0×1011Ω/□以下であれば合格レベルとする。なお、表面抵抗率が1.0×1014Ω/□を超えるものは、測定不能として「−」と表記した。
1−5.防眩性
防眩フィルムの透明基材側に、透明粘着剤を介して皺や指紋などの汚れ、ゴミ・エアがみが可能な限りないよう黒色アクリル板を貼り合わせ、防眩性評価用サンプルを作製した。該サンプルを明室環境下で目視にて、被験者15人により、観測者及び観測者の背景の映り込みが気にならない程度の防眩性が得られているか否かを下記の基準により評価した。
A:良好と答えた人が10人以上
B:良好と答えた人が5〜9人
C:良好と答えた人が4人以下
1−6.ギラツキ
防眩フィルムの防眩層が形成されていない面と、厚み2.9mmのガラス板とを、皺や指紋などの汚れ、ゴミ・エアがみが可能な限りないよう透明粘着剤(25μm厚、パナック製PD−S1)を介して貼り合わせた。次いで、格子状のブラックマトリクス(ガラス厚み0.7mm、ブラックマトリクスの画素密度が200ppi相当)のマトリクスが形成されていない側の面と、前記ガラス板の防眩フィルムを貼り合わせた面とは反対側の面とを水を介して固定し、ギラツキ評価用サンプルを作製した。水の滴下量は、10cm四方のブラックマトリクスに対しておよそ0.1mLでよい。
暗室下で評価用サンプルのブラックマトリクスを固定した側から、白色面光源500(HAKUBA社製、LIGHTBOX、平均輝度1000cd/m)で光を照射して、疑似的にギラツキ発生させ、防眩層2側からCCDカメラ600(KP−M1、Cマウントアダプタ、接写リング;PK−11A ニコン、カメラレンズ;50mm,F1.4s NIKKOR)で撮影した(図4参照)。白色面光源500とガラス板400との距離は70mm、CCDカメラ600と防眩層2との距離は220mmとし、CCDカメラのフォーカスは防眩フィルムに合うように調節した。
画像処理ソフト(ImagePro Plus ver.6.2;Media Cybernetics社製)を用いて、CCDカメラで撮影した画像を画像ボード(Pro-Series Capture Kit Spectrim Pro For Windows 2000 & XP Pro Version 5.1)を通してパーソナルコンピュータに取り込み、各画素の輝度の集合体からなる画像データを得た。また、同ソフトを用いて次のように解析を行った。なお、取り込み時はメニュー→取り込み→ビデオ/デジタルで表示される取り込み画面データのうち、輝度を32、コントラストを40、色相を32、彩度を32に設定し、その他の項目はデフォルトの設定に従った。
まず、取り込んだ画像データから200×160ピクセル(10mm×8mm)の評価箇所を選び、該評価箇所において、16bitグレースケールに変換した。
次に、フィルタコマンドの強調タブからローパスフィルタを選択し、「3×3、回数3、強さ10」の条件でフィルタをかけた。これによりブラックマトリクスパターン由来の成分を除去した。
次に、平坦化を選択し、「背景:暗い、オブジェクト幅10」の条件でシェーディング補正を行った。
次に、コントラスト強調コマンドで「コントラスト:96、ブライトネス:48」としてコントラスト強調を行った。得られた画像データを8ビットグレースケール(256階調のグレースケール)に変換した。言い換えると、得られた画像データを、最大値255、最小値0の256階調の輝度(変換値のため単位なし)に変換した。こうして得られた画像データに対し、その中の150×110ピクセル(7.5mm×5.5mm)の領域について各画素の輝度の標準偏差を算出し、その値をギラツキ値とした。なお、この領域の輝度平均が120〜140になるように光源の輝度を調整した。ギラツキ値20.0以下が合格レベルと言える。
2.防眩フィルムの作製
[実施例1]
厚み50μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名:コスモシャインA4300)上に、下記処方の防眩層形成塗布液1を塗布し、70℃、風速5m/sで30秒間乾燥した後、紫外線を照射して硬化して防眩層を形成し、防眩フィルムを得た。防眩層の膜厚は4.0μmであった。
<防眩層形成用インキ1>
・ペンタエリスリトールポリアクリレート 70.0質量部
・ウレタンアクリレートUV1700B(日本合成化学社製) 30.0質量部
・有機粒子(ポリスチレン粒子) 0.8部
(平均粒子径:1.3μm、変動係数:12%)
・無機粒子(フュームドシリカ) 1.5部
(形状:不定形、平均一次粒子径:12nm、日本アエロジル社製)
(オクチルシランで表面処理されたシリカ(シリカA)と、メチルシランで表面処理されたシリカ(シリカB)との混合物。シリカA:シリカBとの質量比=3:1)
・帯電防止剤(PEDOT/PSS) 0.5質量部
(有機溶剤分散型ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸、CLEVIOS P、H.C.シュタルク社製)
・重合開始剤 6.0質量部
(イルガキュア184、BASFジャパン社製)
・反応性シリコーン系レベリング剤 0.1質量部
(UV3500、ビックケミー社製)
・MIBK 150.0質量部
・n−BuOH 50.0質量部
[実施例2]
実施例1の防眩層形成用インキ1の有機粒子を下記のものに変更し、配合量を2.0部に変更し、無機粒子の配合量を2.0部に変更し、ペンタエリスリトールポリアクリレートの配合量を60部に変更し、帯電防止剤の配合量を40部に変更した以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを得た。
<実施例2の有機粒子>
平均粒子径2.0μmのポリスチレン粒子。変動係数12%。
[実施例3]
実施例1の防眩層形成用インキ1の有機粒子を下記のものに変更し、配合量を2.5部に変更し、無機粒子の配合量を2.0部に変更し、ペンタエリスリトールポリアクリレートの配合量を60部に変更し、帯電防止剤の配合量を40部に変更した以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを得た。
<実施例3の有機粒子>
平均粒子径2.0μmのポリスチレン粒子。変動係数12%。
[比較例1]
実施例1の防眩層形成用インキ1の有機粒子の配合量を3.0部、無機粒子の配合量を5.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを得た。
表1の結果から、実施例1及び2の防眩フィルムは、防眩性を有するとともに、ギラツキを抑制できるものであることが確認できる。
なお、実施例の無機粒子(シリカ)を、表面がアミノ処理されたシリカに変更した場合、S2.5/S0.8が1.30を超え、目的とする表面形状が得られないことがあった。
1:透明基材
21:有機粒子
2:防眩層
100:防眩フィルム
200:透明粘着剤層
300:ブラックマトリクス
400:ガラス板
500:白色面光源
600:CCDカメラ
700:支柱
800:水平台

Claims (9)

  1. 透明基材上の一方の面に、有機粒子、無機粒子及びバインダー樹脂を含む防眩層を有してなり、前記有機粒子の平均粒子径が前記無機粒子の平均粒子径よりも大きく、かつ、前記防眩層のカットオフ値0.8mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S0.8と、カットオフ値2.5mmのJIS B0601:1994の局部山頂平均間隔S2.5とが、下記式(1)の関係を満たす防眩フィルム。
    2.5/S0.8≦1.30 (1)
  2. 前記S0.8が下記式(2)の関係を満たす請求項1に記載の防眩フィルム。
    50μm≦S0.8 (2)
  3. 前記有機粒子の平均粒子径が0.5〜3.0μmである請求項1又は2に記載の防眩フィルム。
  4. 前記無機粒子の平均一次粒子径が3〜400nmである請求項1〜3の何れか1項に記載の防眩フィルム。
  5. 前記バインダー樹脂100質量部に対して、前記有機粒子を0.4〜4.0質量部含む請求項1〜4の何れか1項に記載の防眩フィルム。
  6. 前記バインダー樹脂100質量部に対して、前記無機粒子を0.2〜7.0質量部含む請求項1〜5の何れか1項に記載の防眩フィルム。
  7. 前記無機粒子がシリカである請求項1〜6の何れか1項に記載の防眩フィルム。
  8. JIS K7136:2000のヘイズが1.0〜7.0%である請求項1〜7の何れか1項に記載の防眩フィルム。
  9. 表示素子上に、請求項1〜8何れか1項に記載の防眩フィルムの防眩層側の面が前記表示素子とは反対側を向くように配置してなり、かつ前記防眩フィルムを最表面に配置してなる表示装置。
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