JP2019020113A - 空調機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、気液二相状態で室内ユニットに搬送されてきた冷媒が電動膨張弁を通過する際の異音の発生を抑制することができる空調機を提供することにある。【解決手段】空調機1では、気液二相状態の冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達する前に整流部材517の孔515を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動を抑制し、異音の発生が抑制される。【選択図】図2A

Description

本発明は、空調機、特に、室外ユニットから送られてくる液冷媒を一回減圧し、気液二相の状態にして搬送する空調機に関する。
省冷媒タイプの空調機では、室外ユニットから送られてくる液冷媒を一回減圧し、気液二相の状態にして搬送すること(以後、2相搬送という。)によって配管内の冷媒を低減している。例えば、特許文献1(国際公開第2015/029160号)に開示されている空調機では、室外熱交換器と液冷媒連絡管とを接続する室外液冷媒管に、液冷媒連絡管を流れる冷媒が気液二相状態になるように冷媒を減圧する液圧調整膨張弁を設け、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器、液冷媒連絡管、室内熱交換器の順に流す運転を行う際に、液圧調整膨張弁における減圧によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管に流して室外ユニット側から室内ユニット側に送る冷媒の二相搬送を行うようにしている。
しかしながら、冷房時には気液二相状態の冷媒を室内ユニット側に設けられた電動膨張弁でさらに減圧するため、気液二相状態の冷媒がそこを通過する際に、異音が発生する。
これは、電動膨張弁の弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって発生していると考えられる。
本発明の課題は、気液二相状態の冷媒が電動膨張弁を通過する際の異音の発生を抑制することができる空調機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る空調機は、室外ユニットと室内ユニットとが冷媒連絡配管で結ばれる空調機であって、減圧機構と、室内側膨張弁と、整流部材とを備えている。減圧機構は、室外ユニットから流出した冷媒が室内ユニットへ流入する際に気液二相状態となるように減圧する。室内側膨張弁は、室内ユニットに設けられ、気液二相状態で搬送されてきた冷媒を更に減圧する。整流部材は、室内側電動膨張弁の弁本体の入口側に配置され、複数の孔を有している。
この空調機では、気液二相状態の冷媒は、室内側電動膨張弁の弁本体に到達する前に整流部材の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、室内側電動膨張弁の弁本体に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生が抑制される。
なお、連絡配管を流れる冷媒が圧力損失によって減圧されることに鑑みれば、連絡配管も減圧機構として機能する。それゆえ、「減圧機構は、室外ユニットから流出した冷媒が室内ユニットへ流入する際に気液二相状態となるように減圧する」とは、減圧弁を用いて気液二相状態とすること以外に、減圧弁と連絡配管の圧力損失を利用して気液二相状態とすること、或いは、配管設計により室内ユニットへ届いたところで気液二相状態とすることを含むものである。すなわち、減圧機構は、「減圧器」および「連絡配管」の少なくとも一つを含む。
本発明の第2観点に係る空調機は、第1観点に係る空調機であって、整流部材を挟んで弁本体と反対側に、冷媒の流路断面積を拡大する第1流路拡大部が接続されている。
この空調機では、第1流路拡大部で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部内部で気泡が均質化する傾向にある。均質化した気泡は整流部材を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生も抑制される。
また、室内側電動膨張弁の手前で冷媒の流路断面積を拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができる。それゆえ、異音の発生が抑制される。
なお、第1流路拡大部の内径は、弁本体の入口側に接続される配管の径よりも大きく設定されることが好ましい。
本発明の第3観点に係る空調機は、第2観点に係る空調機であって、整流部材と第1流路拡大部との最短距離が200mm以下である。特に、50mmが望ましい。
本発明の第4観点に係る空調機は、第2観点に係る空調機であって、弁本体の出口側に、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部が接続されている。
なお、第2流路拡大部の内径は、弁本体の出口側に接続される配管の径よりも大きく設定されることが好ましい。
本発明の第5観点に係る空調機は、第1観点に係る空調機であって、室内側電動膨張弁が、冷房時の使用状態において弁本体の入口側に向けて下から上に冷媒を流す。
本発明の第6観点に係る空調機は、室外ユニットと、室内ユニットとが、それらの間に配置されて冷媒の流れを切り換える冷媒流路切換ユニットを介して冷媒連絡配管で接続される空調機であって、減圧弁と、電動膨張弁とを備えている。減圧弁は、冷媒連絡配管を通過して冷媒流路切換ユニットに向う冷媒を減圧し気液二相状態にする。電動膨張弁は、冷媒流路切換ユニット内に設けられ、気液二相状態で搬送されてきた冷媒を更に減圧する。また、電動膨張弁は整流部材を有している。整流部材には、弁本体の入口側に、複数の孔があけられている。
本発明に係る空調機では、気液二相状態の冷媒が、室内側電動膨張弁の弁本体に到達する前に整流部材の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、粉砕された細かな気泡は室内側電動膨張弁の弁本体に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生が抑制される。
本発明の第1実施形態に係る空調機の概略構成図。 冷房運転時の室内膨張弁の冷媒入口側の断面図。 冷房運転時の他の室内膨張弁の冷媒入口側の断面図。 整流部材が有るときの騒音と整流部材が無いときの騒音とを比較したグラフ。 本発明の第2実施形態に係る空調機の概略構成図。 本発明の第3実施形態に係る空調機の概略構成図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<第1実施形態>
(1)空調機1の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調機1の概略構成図である。空調機1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、ビル等の室内の冷房や暖房を行う装置である。
空調機1は、主として、室外ユニット2と、互いが並列に接続される複数(ここでは、4つ)の室内ユニット3A、3B、3C、3Dと、室外ユニット2と室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを接続する液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6と、室外ユニット2及び室内ユニット3A、3B、3C、3Dの構成機器を制御する制御部19と、を有している。
そして、空調機1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と複数の室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して接続することによって構成されている。冷媒回路10には、R32等の冷媒が充填されている。
(2)液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6
液冷媒連絡管5は、主として、室外ユニット2から延びる合流管部と、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部5a、5b、5c、5dと、を有している。
また、ガス冷媒連絡管6は、主として、室外ユニット2から延びる合流管部と、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部6a、6b、6c、6dと、を有している。
(3)室外ユニット2
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置されている。室外ユニット2は、上記のように、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して室内ユニット3A、3B、3C、3Dに接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、室外熱交換器23と、を有している。また、室外ユニット2は、切換機構22を有している。切換機構22は、室外熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる放熱運転状態と、室外熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる蒸発運転状態と、を切り換える。
切換機構22と圧縮機21の吸入側とは、吸入冷媒管31によって接続されている。吸入冷媒管31には、圧縮機21に吸入される冷媒を一時的に溜めるアキュムレータ29が設けられている。
圧縮機21の吐出側と切換機構22とは、吐出冷媒管32によって接続されている。切換機構22と室外熱交換器23のガス側端とは、第1室外ガス冷媒管33によって接続されている。室外熱交換器23の液側端と液冷媒連絡管5とは、室外液冷媒管34によって接続されている。
室外液冷媒管34の液冷媒連絡管5との接続部には、液側閉鎖弁27が設けられている。切換機構22とガス冷媒連絡管6とは、第2室外ガス冷媒管35によって接続されている。
第2室外ガス冷媒管35のガス冷媒連絡管6との接続部には、ガス側閉鎖弁28が設けられている。液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28は、手動で開閉される弁である。
(3−1)圧縮機21
圧縮機21は、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機用モータ21aによって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用される。
(3−2)切換機構22
切換機構22は、室外熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「室外放熱状態」とする)には圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続し(図1の切換機構22の実線を参照)、室外熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「室外蒸発状態」とする)には圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続するように(図1の切換機構22の破線を参照)、冷媒回路10内における冷媒の流れを切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
冷房運転時、切換機構22は室外放熱状態に切り換えられ、暖房運転時、切換機構22は室外蒸発状態に切り換えられる。
(3−3)室外熱交換器23
室外熱交換器23は、冷媒の放熱器として機能する、又は、冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。
(3−4)室外ファン24
室外ユニット2は、室外ファン24を有している。室外ファン24は、室外熱交換器23を流れる冷媒の冷却源又は加熱源としての室外空気を室外熱交換器23に供給する。室外ファン24は、室外ファン用モータ24aによって駆動される。
(3−5)室外膨張弁25及び液圧調整膨張弁26
室外膨張弁25及び液圧調整膨張弁26が、室外液冷媒管34に設けられている。室外膨張弁25は、暖房運転時に冷媒を減圧する電動膨張弁であり、室外液冷媒管34のうち室外熱交換器23の液側端寄りの部分に設けられている。
液圧調整膨張弁26は、冷房運転時に液冷媒連絡管5を流れる冷媒が気液二相状態になるように冷媒を減圧する電動膨張弁であり、室外液冷媒管34のうち液冷媒連絡管5寄りの部分に設けられている。すなわち、液圧調整膨張弁26は、室外液冷媒管34のうち室外膨張弁25よりも液冷媒連絡管5寄りの部分に設けられている。
そして、空調機1では、冷房運転時において、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送を行う。
(3−6)冷媒戻し管41
室外液冷媒管34には、冷媒戻し管41が接続されている。冷媒戻し管41は、主として、冷媒戻し入口管42と、冷媒戻し出口管43と、を有している。
冷媒戻し入口管42は、室外液冷媒管34を流れる冷媒の一部を室外熱交換器23の液側端と液圧調整膨張弁26との間の部分(ここでは、室外膨張弁25と冷媒冷却器45との間の部分)から分岐させて冷媒冷却器45の冷媒戻し管41側の入口に送る。冷媒戻し入口管42には、冷媒戻し管41を流れる冷媒を減圧しながら冷媒冷却器45を流れる冷媒の流量を調整する冷媒戻し膨張弁44が設けられている。冷媒戻し膨張弁44は、電動膨張弁からなる。
冷媒戻し出口管43は、冷媒を冷媒冷却器45の冷媒戻し管41側の出口から吸入冷媒管31に送る。なお、冷媒戻し管41の冷媒戻し出口管43は、吸入冷媒管31のうちアキュムレータ29の出口側の部分に接続されている。
(3−7)冷媒冷却器45
冷媒冷却器45は、冷媒戻し管41を流れる冷媒によって室外液冷媒管34のうち液圧調整膨張弁26よりも室外熱交換器23側の部分を流れる冷媒を冷却する熱交換器である。冷媒冷却器45では、冷房運転時に、冷媒戻し管41を流れる冷媒と室外液冷媒管34を流れる冷媒とが対向流になる。
(3−8)各種センサ
室外ユニット2には、吐出圧力センサ36、吐出温度センサ37、吸入圧力センサ39、吸入温度センサ40、室外熱交液側センサ38、及び液管温度センサ49が設けられている。
吐出圧力センサ36は、圧縮機21から吐出された冷媒の圧力を検出する。吐出温度センサ37は、圧縮機21から吐出された冷媒の温度を検出する。吸入圧力センサ39は、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を検出する。吸入温度センサ40は、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する。室外熱交液側センサ38は、室外熱交換器23の液側端における冷媒の温度を検出する。液管温度センサ49は、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒の温度を検出する。
(4)室内ユニット3A、3B、3C、3D
室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、ビル等の室内に設置されている。室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、上記のように、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの構成について説明する。尚、室内ユニット3Aと室内ユニット3B、3C、3Dとは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット3Aの構成のみ説明し、室内ユニット3Bの構成については、それぞれ、室内ユニット3Aの各部を示す添字「A」の代わりに添字「B」、「C」又は「D」を付して、各部の説明を省略する。また、室内ユニット3Aの各配管を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」を付して、各部の説明を省略する。
室内ユニット3Aは、主として、室内膨張弁51Aと、室内熱交換器52Aと、を有している。また、室内ユニット3Aは、室内熱交換器52Aの液側端と液冷媒連絡管5とを接続する室内液冷媒管53aと、室内熱交換器52Aのガス側端とガス冷媒連絡管6とを接続する室内ガス冷媒管54aと、を有している。
(4−1)室内膨張弁51A、51B、51C、51D
室内膨張弁51Aは、冷媒を減圧しながら室内熱交換器52Aを流れる冷媒の流量を調整する電動膨張弁であり、室内液冷媒管53aに設けられている。
図2Aは、冷房運転時の室内膨張弁51Aの冷媒入口側の断面図である。図2Aにおいて、室内膨張弁51Aは、冷房時の使用状態において弁本体513の入口側に向けて下から上に冷媒を流す姿勢で取り付けられている。
室内膨張弁51Aは、弁本体513の入口側に、整流部材517を有している。整流部材517には、複数の孔515があけられている。これらの複数の孔515は、気相状態の冷媒が成長した気泡を砕くための孔である。
また、図2Aは、室内膨張弁51Aの中に整流部材517が設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、図2Bに示すように、室内膨張弁51Aの弁本体513の入口側に、整流部材517を有する配管を接続して、室内膨張弁51Aの外側から整流部材517を設置するようにしてもよい。なお、複数の孔515があけられている整流部材517には、金属製の網や樹脂製のメッシュ材が採用されてもよい。
気液二相状態の冷媒は、室内膨張弁51Aの弁本体513に到達する前に整流部材517の孔515を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、室内膨張弁51Aの弁本体513に到達しても流路を閉塞することはないので、冷媒の圧力変動を抑制する。
また、図2A及び図2Bに示すように、整流部材517を挟んで弁本体513と反対側には第1流路拡大部501が接続されている。第1流路拡大部501の内径は、弁本体513の入口側に接続される配管の径よりも大きいので、冷媒の流路断面積を拡大する。
そのため、第1流路拡大部501で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部501内部で気泡が均質化する。均質化した気泡は整流部材517を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制される。
また、室内膨張弁51Aの手前で冷媒の流路断面積が拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができるので、異音の発生が抑制される。なお、整流部材517と第1流路拡大部501との最短距離Lは200mm以下に設定されており、具体的には50mmが望ましい。
さらに、図2A及び図2Bに示すように、弁本体513の出口側には、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部502が接続されている。第2流路拡大部502の内径は、弁本体513の出口側に接続される配管の径よりも大きい。
(4−2)室内熱交換器52A、52B、52C、52D
室内熱交換器52Aは、冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却する、又は、冷媒の放熱器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。
(4−3)室内ファン55A、55B、55C、55D
室内ユニット3Aは、室内ファン55Aを有している。室内ファン55Aは、室内ユニット3A内に室内空気を吸入して、室内熱交換器52Aにおいて冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給する。室内ファン55Aは、室内ファン用モータ56Aによって駆動される。
(4−4)各種センサ
室内ユニット3Aには、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内ユニット3Aには、室内熱交換器52Aの液側端における冷媒の温度を検出する室内熱交液側センサ57Aと、室内熱交換器52Aのガス側端における冷媒の温度を検出する室内熱交ガス側センサ58Aと、室内ユニット3A内に吸入される室内空気の温度を検出する室内空気センサ59Aと、が設けられている。
(5)制御部19
制御部19は、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3Dに設けられた制御基板等(図示せず)が通信接続されることによって構成されている。なお、図1においては、便宜上、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3Dとは離れた位置に図示している。
制御部19は、上記のような各種センサの検出信号等に基づいて空調機1(ここでは、室外ユニット2及び室内ユニット3A、3B、3C、3D)の各種構成機器の制御、すなわち、空調機1全体の運転制御を行うようになっている。以下、一例として冷房運転の動作について説明する。
(6)空調機1の動作
空調機1では、冷房運転及び暖房運転が行われる。冷房運転においては、室外液冷媒管34に設けられた液圧調整膨張弁26によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送が行われる。
また、冷房運転においては、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒を冷却する動作及び圧縮機21に冷媒を送る動作が行われる。これらの動作は、空調機1の構成機器を制御する制御部19によって行われる。
冷房運転では、切換機構22が室外放熱状態(図1の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン24及び室内ファン55A、55B、55C、55Dが駆動される。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、切換機構22を通じて室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23において、冷媒は室外ファン24によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却され、凝縮する。この冷媒は、室外膨張弁25、冷媒冷却器45、液圧調整膨張弁26及び液側閉鎖弁27を通じて室外ユニット2から流出する。
室外ユニット2から流出した冷媒は、液冷媒連絡管5を通じて室内ユニット3A、3B、3C、3Dに分岐して送られる。その後、冷媒は室内膨張弁51A、51B、51C、51Dによって低圧まで減圧され、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
室内熱交換器52A、52Bにおいて、冷媒は室内ファン55A、55B、55C、55Dによって室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱され、蒸発する。この冷媒は、室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出する。そして、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出した冷媒は、ガス冷媒連絡管6を通じて室外ユニット2に合流して送られる。その後、冷媒はガス側閉鎖弁28、切換機構22及びアキュムレータ29を通じて圧縮機21に吸入される。
上記冷房運転では、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して、室内ユニット3A、3B、3C、3D側へ冷媒の二相搬送を行うようにしている。その際、冷媒の二相搬送を良好に行えるように、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって室外液冷媒管34を流れる冷媒を冷却しながら圧縮機の吐出温度の上昇を抑えている。
制御部19は、液冷媒連絡管5を流れる冷媒が気液二相状態になるように液圧調整膨張弁26による減圧を行わせるようにしている。そのため、液冷媒連絡管5を流れる冷媒が液状態である場合に比べて、液冷媒連絡管5が液状態の冷媒で満たされることがなくなり、その分だけ液冷媒連絡管5に存在する冷媒量を少なくできるようになっている。
一方、冷房運転時には気液ニ相状態の冷媒をさらに減圧するため、従来は、気液二相状態の冷媒が室内ユニット側に設けられた電動膨張弁を通過する際に、電動膨張弁の弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって異音が発生していた。
しかし、第1実施形態では、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513の入口側に、整流部材517を設けたことにより、気液二相状態の冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達する前に整流部材517の孔515を通過し、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動を抑制され、異音の発生が抑制される。
図3は、整流部材517があるときの騒音と整流部材517が無いときの騒音とを比較したグラフである。図3から明らかなように、整流部材517が有るときの騒音は、整流部材517が無いときの騒音に対して音圧レベルでほぼ半減しており、静音化が達成されている。
(7)第1実施形態の特徴
(7−1)
空調機1では、気液二相状態の冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達する前に整流部材517の孔515を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動を抑制し、異音の発生が抑制される。
(7−2)
空調機1では、第1流路拡大部501で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部501内部で気泡が均質化する傾向にある。均質化した気泡は整流部材517を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生も抑制される。
また、室内膨張弁の手前で冷媒の流路断面積を拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができる。それゆえ、異音の発生が抑制される。
(7−3)
空調機1では、整流部材517と第1流路拡大部501との最短距離Lが200mm以下に設定されるが、50mmが望ましい。
(7−4)
空調機1では、弁本体513の出口側に、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部502が接続されている。
<第2実施形態>
(1)空調機1の構成
図4は、本発明の第2実施形態に係る空調機1の概略構成図である。空調機1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、ビル等の室内の冷房や暖房を行う装置である。
空調機1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット3A、3B、3C、3Dと、中継ユニット4A、4B、4C、4Dと、冷媒連絡管5、6とが接続されることによって構成されている。
冷媒回路10には、R32等の冷媒が充填されている。そして、空調機1は中継ユニット4A、4B、4C、4Dによって、各室内ユニット3A、3B、3C、3Dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になる。
(2)液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6
液冷媒連絡管5は、主として、室外ユニット2から延びる合流管部と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した第1分岐管部5a、5b、5c、5dと、中継ユニット4A、4B、4C、4Dと室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを接続する第2分岐管部5aa、5bb、5cc、5ddと、を有している。
また、ガス冷媒連絡管6は、主として、高低圧ガス冷媒連絡管7と、低圧ガス冷媒連絡管8と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dと室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを接続する分岐管部6a、6b、6c、6dと、を有している。
高低圧ガス冷媒連絡管7は、室外ユニット2から延びる合流管部と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部7a、7b、7c、7dと、を有している。
低圧ガス冷媒連絡管8は、室外ユニット2から延びる合流管部と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部8a、8b、8c、8dと、を有している。
(3)室外ユニット2
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置されている。室外ユニット2は、上記のように、液冷媒連絡管5、ガス冷媒連絡管6及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを介して室内ユニット3A、3B、3C、3Dに接続されている。
室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の室外熱交換器23a、23bとを有している。また、室外ユニット2は、切換機構22a、22bを有している。切換機構22は、放熱運転状態と蒸発運転状態とを切り換える。
放熱運転状態は、各室外熱交換器23a、23bを冷媒の放熱器として機能させる状態である。蒸発運転状態とは、各室外熱交換器23a、23bを冷媒の蒸発器として機能させる状態である。
切換機構22a、22bと圧縮機21の吸入側とは、吸入冷媒管31によって接続されている。吸入冷媒管31には、圧縮機21に吸入される冷媒を一時的に溜めるアキュムレータ29が設けられている。
圧縮機21の吐出側と切換機構22a、22bとは、吐出冷媒管32によって接続されている。切換機構22aと室外熱交換器23a、23bのガス側端とは、第1室外ガス冷媒管33a、33bによって接続されている。
室外熱交換器23a、23bの液側端と液冷媒連絡管5とは、室外液冷媒管34によって接続されている。室外液冷媒管34の液冷媒連絡管5との接続部には、液側閉鎖弁27が設けられている。
また、室外ユニット2は、第3切換機構22cを有している。第3切換機構22cは、冷媒導出状態と冷媒導入状態とを切り換える。冷媒導出状態は、圧縮機21から吐出された冷媒を高低圧ガス冷媒連絡管7に送る状態である。冷媒導入状態は、高低圧ガス冷媒連絡管7を流れる冷媒を吸入冷媒管31に送る状態である。
第3切換機構22cと高低圧ガス冷媒連絡管7とは、第2室外ガス冷媒管35によって接続されている。第3切換機構22cと圧縮機21の吸入側とは、吸入冷媒管31によって接続されている。
圧縮機21の吐出側と第3切換機構22cとは、吐出冷媒管32によって接続されている。第2室外ガス冷媒管35の高低圧ガス冷媒連絡管7との接続部には、高低圧ガス側閉鎖弁28aが設けられている。
吸入冷媒管31は、低圧ガス冷媒連絡管8に接続されている。吸入冷媒管31と低圧ガス冷媒連絡管8との接続部には、低圧ガス側閉鎖弁28bが設けられている。液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28a、28bは、手動で開閉される弁である。
(4)室内ユニット3A、3B、3C、3D
室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、ビル等の室内に設置されている。室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、上記のように、液冷媒連絡管5、ガス冷媒連絡管6(高低圧ガス冷媒連絡管7、低圧ガス冷媒連絡管8及び分岐管部6a、6b、6c、6d)及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
なお、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの構成は、第1実施形態の室内ユニット3A、3B、3C、3Dと同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
(5)中継ユニット4A、4B、4C、4D
中継ユニット4A、4B、4C、4Dは、ビル等の室内に室内ユニット3A、3B、3C、3Dとともに設置されている。中継ユニット4A、4B、4C、4Dは、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6とともに、室内ユニット3A、3B、3C、3Dと室外ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの構成について説明する。尚、中継ユニット4Aと中継ユニット4B、4C、4Dとは同様の構成であるため、ここでは、中継ユニット4Aの構成のみ説明し、中継ユニット4B、4C、4Dの構成については、それぞれ、中継ユニット4Aの各部を示す符号の添字「A」の代わりに、「B」、「C」又は「D」の添字を付して、各部の説明を省略する。また、中継ユニット4Aの各配管を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
中継ユニット4Aは、主として、液接続管61aと、ガス接続管62aと、を有している。
(5−1)液接続管61a
液接続管61aは、その一端が液冷媒連絡管5の第1分岐管部5aに接続され、他端が液冷媒連絡管5の第2分岐管部5aaに接続されている。
(5−2)ガス接続管62a
ガス接続管62aは、高圧ガス接続管63aと、低圧ガス接続管64aと、合流ガス接続管65aとを有している。高圧ガス接続管63aは、高低圧ガス冷媒連絡管7の分岐管部7aに接続されている。低圧ガス接続管64aは、低圧ガス冷媒連絡管8の分岐管部8aに接続されている。合流ガス接続管65aは、高圧ガス接続管63aと低圧ガス接続管64aとを合流させる。
合流ガス接続管65aは、ガス冷媒連絡管6の分岐管部6aに接続されている。高圧ガス接続管63aには、高圧ガス弁66Aが設けられており、低圧ガス接続管64aには、低圧ガス弁67Aが設けられている。高圧ガス弁66A及び低圧ガス弁67Aは、電動膨張弁からなる。
中継ユニット4Aは、室内ユニット3Aが冷房運転を行う際、低圧ガス弁67Aを開けた状態にし、第1分岐管部5aを通じて液接続管61aに流入する冷媒を、第2分岐管部5aaを通じて室内ユニット3Aに送る。
その後、中継ユニット4Aは、室内熱交換器52Aにおいて室内空気との熱交換によって蒸発した冷媒を、分岐管部6a、合流ガス接続管65a及び低圧ガス接続管64aを通じて、分岐管部8aに戻す。
また、中継ユニット4Aは、室内ユニット3Aが暖房運転を行う際、低圧ガス弁67Aを閉止し、かつ、高圧ガス弁66Aを開けた状態にして、分岐管部7aを通じて高圧ガス接続管63a及び合流ガス接続管65aに流入する冷媒を、分岐管部6aを通じて室内ユニット3Aに送る。
その後、中継ユニット4Aは、室内熱交換器52Aにおいて室内空気との熱交換によって放熱した冷媒を、第2分岐管部5aa及び液接続管61aを通じて、第1分岐管部5aに戻す。
このような機能は、中継ユニット4Aだけでなく、中継ユニット4B、4C、4Dも同様に有しているため、中継ユニット4A、4B、4C、4Dによって、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dは、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
(5−3)中継冷媒冷却器75A
また、中継ユニット4Aには、液圧調整膨張弁26において減圧された冷媒を冷却する中継冷媒冷却器75Aおよび中継冷媒戻し管73aが設けられている。中継冷媒戻し管73aは、中継冷媒冷却器75Aの上流側(すなわち、液冷媒連絡管5の第1分岐管部5a側の部分)を流れる冷媒の一部を分岐してガス冷媒連絡管6に送る。
中継冷媒冷却器75Aは、液接続管61aに設けられており、中継冷媒戻し管73aは、液接続管61aに接続されている。中継冷媒戻し管73aは、液接続管61aを流れる冷媒の一部を分岐して低圧ガス冷媒連絡管7に接続された低圧ガス接続管64aに送る。中継冷媒冷却器75Aは、中継冷媒戻し管73aを流れる冷媒によって液接続管61aを流れる冷媒を冷却する。
(5−4)中継冷媒戻し膨張弁74A
中継冷媒戻し膨張弁74Aは、中継冷媒戻し管73aを流れる冷媒を減圧しながら中継冷媒冷却器75Aを流れる冷媒の流量を調整する電動膨張弁であり、中継冷媒戻し管73aに設けられている。
図2A及び図2Bに示すように、中継冷媒戻し膨張弁74Aは、冷房時の使用状態において弁本体743の入口側に向けて下から上に冷媒を流す姿勢で取り付けられている。
中継冷媒戻し膨張弁74Aは、弁本体743の入口側に、整流部材747を有している。整流部材747には、複数の孔745があけられている。これらの複数の孔745は、気相状態の冷媒が成長した気泡を砕くための孔である。
なお、複数の孔745があけられている整流部材747には、金属製の網や樹脂製のメッシュ材が採用されてもよい。
気液二相状態の冷媒は、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはないので、冷媒の圧力変動を抑制する。
また、図2A及び図2Bに示すように、整流部材747を挟んで弁本体743と反対側には第1流路拡大部701が接続されている。第1流路拡大部701の内径は、弁本体743の入口側に接続される配管の径よりも大きいので、冷媒の流路断面積を拡大する。
そのため、第1流路拡大部701で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部701内部で気泡が均質化する。均質化した気泡は整流部材747を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制される。
また、中継冷媒戻し膨張弁74Aの手前で冷媒の流路断面積が拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができるので、異音の発生が抑制される。なお、整流部材747と第1流路拡大部701との最短距離Lは200mm以下に設定されており、具体的には50mmが望ましい。
さらに、図2A及び図2Bに示すように、弁本体743の出口側には、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部702が接続されている。第2流路拡大部702の内径は、弁本体743の出口側に接続される配管の径よりも大きい。
(5−5)各種センサ
中継ユニット4Aには、中継入口温度センサ76Aおよび中継出口温度センサ77Aが設けられている。中継入口温度センサ76Aは、中継冷媒冷却器75Aの入口側(すなわち、液接続管61aのうち中継冷媒冷却器75Aよりも液冷媒連絡管5の第1分岐管部5a側)における冷媒の温度を検出する。
また、中継出口温度センサ77Aは、中継冷媒冷却器75Aの出口側(すなわち、液接続管61aのうち中継冷媒冷却器75Aよりも液冷媒連絡管5の第2分岐管部5aa側)における冷媒の温度を検出する。
(6)制御部19
制御部19は、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3D、中継ユニット4A、4B、4C、4Dに設けられた制御基板等(図示せず)が通信接続されることによって構成されている。
図4においては、便宜上、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3D、中継ユニット4A、4B、4C、4Dとは離れた位置に図示している。制御部19は、第1実施形態と同様の各種センサの検出信号等に基づいて空調機1の各種構成機器の制御、すなわち、空調機1全体の運転制御を行う。
(6−1)全冷房運転及び冷房主体運転の制御
空調機1では、圧縮機21、室外熱交換器23a、23b、液冷媒連絡管5及び室内熱交換器52A、52B、52C、52Dのみに着目した場合に、全冷房運転及び冷房主体運転を行うようになっている。
全冷房運転とは、冷媒の蒸発器として機能している室内熱交換器のみが存在する運転状態を意味する。
冷房主体運転とは、冷媒の蒸発器として機能している室内熱交換器及び冷媒の放熱器として機能している室内熱交換器の両方が混在しているが、全体としては蒸発側の負荷が大きい状態を意味する。
(6−2)全暖房運転及び暖房主体運転の制御
空調機1では、圧縮機21、ガス冷媒連絡管6、室内熱交換器52A、52B、52C、52D、液冷媒連絡管5及び室外熱交換器23a、23bのみに着目した場合に、全暖房運転及び暖房主体運転を行うようになっている。
全暖房運転とは、冷媒の放熱器として機能している室内熱交換器のみが存在する運転状態を意味する。
暖房主体運転とは、冷媒の蒸発器として機能している室内熱交換器及び冷媒の放熱器として機能している室内熱交換器の両方が混在しているが、全体としては放熱側の負荷が大きい状態を意味する。
(6−3)運転切換制御
全冷房運転及び冷房主体運転時には、切換機構22a、22bの少なくとも一方が室外放熱状態に切り換えられる。このとき、室外熱交換器23a、23b全体としては冷媒の放熱器として機能し、液冷媒連絡管5を通じて室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に冷媒が流れる状態になる。
また、全暖房運転及び暖房主体運転時には、切換機構22a、22bの少なくとも一方が室外蒸発状態に切り換えられ、かつ、第3切換機構22cが冷媒導出状態に切り換えられる。このとき、室外熱交換器23a、23b全体としては冷媒の蒸発器として機能し、液冷媒連絡管5を通じて室内ユニット3A、3B、3C、3D側から室外ユニット2側に冷媒が流れる状態になる。
(7)空調機1の動作一例
空調機1では、上述の全冷房運転、冷房主体運転、全暖房運転及び暖房主体運転が行われる。そして、全冷房運転及び冷房主体運転においては、第1実施形態と同様に、室外液冷媒管34に設けられた液圧調整膨張弁26によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒を冷却する動作及び圧縮機21に冷媒を送る動作が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、吐出ガスバイパス管46によって、室外液冷媒管34を流れる冷媒の温度を調節する動作が行われる。
なお、以下に説明する空調機1の動作は、空調機1の構成機器を制御する制御部19によって行われる。また、以下の説明では、液圧調整膨張弁26等の制御を伴う運転を代表して、全冷房運転について説明を行う。
全冷房運転では、切換機構22a、22bが室外放熱状態(図4の切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン24及び室内ファン55A、55B、55C、55Dが駆動される。
また、第3切換機構22cが冷媒導入状態(図4の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられ、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの高圧ガス弁66A、66B、66C、66D及び低圧ガス弁67A、67B、67C、67Dは開状態にされる。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、切換機構22a、22bを通じて室外熱交換器23a、23bに送られる。室外熱交換器23a、23bに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23a、23bにおいて、室外ファン24によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮する。この冷媒は、室外膨張弁25a、25b、冷媒冷却器45、液圧調整膨張弁26及び液側閉鎖弁27を通じて室外ユニット2から流出する。
室外ユニット2から流出した冷媒は、液冷媒連絡管5(第1分岐管部5a、5b、5c、5d)を通じて中継ユニット4A、4B、4C、4Dに分岐して送られる。中継ユニット4A、4B、4C、4Dにおいて、冷媒は中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dによって冷却される。その後、冷媒は、中継ユニット4A、4B、4C、4Dから室内ユニット3A、3B、3C、3Dに分岐して送られる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送られた冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dによって低圧まで減圧された後に、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて、室内ファン55A、55B、55C、55Dによって室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出する。一方、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出した冷媒は、ガス冷媒連絡管6及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを通じて室外ユニット2に合流して送られる。
制御部19は、中継冷媒戻し管73a、73b、73c、73dを流れる冷媒によって、液接続管61a、61b、61c、61dを流れる冷媒を中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dにおいて冷却して、液単相状態になるようにしている。その際、制御部19が、液接続管61a、61b、61c、61dのうち中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dの出口側における冷媒の温度が液接続管61a、61b、61c、61dのうち中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dの入口側における冷媒の温度よりも所定値ΔT低くなるように、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの開度を制御する。
室外ユニット2に送られた冷媒は、ガス側閉鎖弁28及びアキュムレータ29を通じて圧縮機21に吸入される。
前述の通り、上記の全冷房運転の際には、第1実施形態の冷房運転の際と同様に、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送を行うようにしている。この冷媒の二相搬送を行うにあたり、第1実施形態の冷房運転の際と同様に、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって室外液冷媒管34を流れる冷媒を冷却しながら圧縮機21の吐出温度の上昇を抑え、吐出ガスバイパス管46によって液管温度を調節して、冷媒の二相搬送を良好に行えるようにしている。
一方、全冷房運転時には気液二相状態の冷媒を中継冷媒戻し膨張弁でさらに減圧するため、従来は、気液二相状態の冷媒が中継冷媒戻し膨張弁を通過する際に、弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって異音が発生していた。
しかし、第2実施形態では、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743の入口側に、整流部材747を設けたことにより、気液二相状態の冷媒は、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過し、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、その結果、異音の発生が抑制される。
(8)第2実施形態の特徴
(8−1)
空調機1では、気液二相状態の冷媒は、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔745を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動を抑制し、異音の発生が抑制される。
(8−2)
空調機1では、第1流路拡大部701で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部701内部で気泡が均質化する傾向にある。均質化した気泡は整流部材747を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生も抑制される。
また、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの手前で冷媒の流路断面積を拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができる。それゆえ、異音の発生が抑制される。
(8−3)
空調機1では、整流部材747と第1流路拡大部701との最短距離が200mm以下に設定されるが、50mmが望ましい。
(8−4)
空調機1では、弁本体743の出口側に、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部702が接続されている。
<第3実施形態>
(1)空調機1の構成
図5は、本発明の第3実施形態に係る空調機1の概略構成図である。図5において、空調機1は、第2実施形態(図4)に係る空調機から「中継冷媒戻し管73a、73b、73c、73d」、「中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74D」、「中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75D」、「中継入口温度センサ76A、76B、76C、76D」および「中継出口温度センサ77A、77B、77C、77D」を除去した上で、液接続管61a、61b、61c、61dに「中継膨張弁71A、71B、71C、71D」を配置した構成である。
したがって、「中継膨張弁71A、71B、71C、71D」以外の構成部品については、第2実施形態(図4)と同一の名称及び符号を付して、それらの説明は省略する。
(2)中継膨張弁71A、71B、71C、71D
中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、室内ユニット3A、3B、3C、3Dが冷房運転を行う際に、液圧調整膨張弁26において減圧された冷媒をさらに減圧する。中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、液接続管61a、61b、61c、61dに設けられた電動膨張弁である。
また、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、室内ユニット3A、3B、3C、3Dが暖房運転を行う全暖房運転時及び暖房主体運転時において、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて放熱した冷媒を減圧する。
制御部19は、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dのガス側端における冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの開度を制御している。
制御部19は、過熱度が目標過熱度よりも大きい場合に、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの開度を大きくする制御を行い、過熱度が目標過熱度よりも小さい場合に、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの開度を小さくする制御を行っている。
このとき、制御部19は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの開度を全開状態で固定する制御を行っている。この制御により、液圧調整膨張弁26において減圧された気液二相状態の冷媒を低圧まで減圧する動作を、中継ユニット4A、4B、4C、4Dに設けた中継膨張弁71A、71B、71C、71Dにおいて行うことができる。
図2A及び図2Bに示すように、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、冷房時の使用状態において弁本体743の入口側に向けて下から上に冷媒を流す姿勢で取り付けられている。
中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、弁本体743の入口側に、整流部材747を有している。整流部材747には、複数の孔745があけられている。これらの複数の孔745は、気相状態の冷媒が成長した気泡を砕くための孔である。
なお、複数の孔745があけられている整流部材747には、金属製の網や樹脂製のメッシュ材が採用されてもよい。
気液二相状態の冷媒は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはないので、冷媒の圧力変動を抑制する。
また、図2A及び図2Bに示すように、整流部材747を挟んで弁本体743と反対側には第1流路拡大部701が接続されている。第1流路拡大部701の内径は、弁本体743の入口側に接続される配管の径よりも大きいので、冷媒の流路断面積を拡大する。
そのため、第1流路拡大部701で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部701内部で気泡が均質化する。均質化した気泡は整流部材747を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制される。
また、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの手前で冷媒の流路断面積が拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができるので、異音の発生が抑制される。なお、整流部材747と第1流路拡大部701との最短距離Lは200mm以下に設定されており、具体的には50mmが望ましい。
さらに、図2A及び図2Bに示すように、弁本体743の出口側には、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部702が接続されている。第2流路拡大部702の内径は、弁本体743の出口側に接続される配管の径よりも大きい。
(3)空調機1の動作一例
空調機1では、第2実施形態と同様に、全冷房運転、冷房主体運転、全暖房運転及び暖房主体運転が行われる。そして、全冷房運転及び冷房主体運転においては、第1実施形態と同様に、室外液冷媒管34に設けられた液圧調整膨張弁26によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒を冷却する動作及び圧縮機21に冷媒を送る動作が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、吐出ガスバイパス管46によって、室外液冷媒管34を流れる冷媒の温度を調節する動作が行われる。
なお、以下に説明する空調機1の動作は、空調機1の構成機器を制御する制御部19によって行われる。また、以下の説明では、液圧調整膨張弁26等の制御を伴う運転を代表して、全冷房運転について説明を行う。
全冷房運転では、切換機構22a、22bが室外放熱状態(図5の切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン24及び室内ファン55A、55B、55C、55Dが駆動される。
また、第3切換機構22cが冷媒導入状態(図5の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられ、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの高圧ガス弁66A、66B、66C、66D及び低圧ガス弁67A、67B、67C、67Dは開状態にされる。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、切換機構22a、22bを通じて室外熱交換器23a、23bに送られる。室外熱交換器23a、23bに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23a、23bにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却され、凝縮する。この冷媒は、室外膨張弁25a、25b、冷媒冷却器45、液圧調整膨張弁26及び液側閉鎖弁27を通じて室外ユニット2から流出する。
室外ユニット2から流出した冷媒は、液冷媒連絡管5(第1分岐管部5a、5b、5c、5d)を通じて中継ユニット4A、4B、4C、4Dに分岐して送られる。中継ユニット4A、4B、4C、4Dにおいて、冷媒は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dによって低圧まで減圧される。その後、冷媒は、中継ユニット4A、4B、4C、4Dから室内ユニット3A、3B、3C、3Dに分岐して送られる。
制御部19は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの開度を全開状態で固定する制御を行っているので、室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送られた冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dを通過して、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
冷媒は、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて、室内空気と熱交換を行って加熱され、蒸発する。この冷媒は、室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出する。一方、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出した冷媒は、ガス冷媒連絡管6及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを通じて室外ユニット2に合流して送られる。
室外ユニット2に送られた冷媒は、ガス側閉鎖弁28及びアキュムレータ29を通じて圧縮機21に吸入される。
前述の通り、上記の全冷房運転の際には、第1実施形態の冷房運転の際と同様に、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送を行うようにしている。
この冷媒の二相搬送を行うにあたり、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって室外液冷媒管34を流れる冷媒を冷却しながら圧縮機21の吐出温度の上昇を抑え、吐出ガスバイパス管46によって液管温度を調節して、冷媒の二相搬送を良好に行えるようにしている。
さらに、ここでは、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dによって液圧調整膨張弁26において減圧された気液二相状態の冷媒をさらに減圧して室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送るようにしている。
一方、全冷房運転時には気液二相状態の冷媒を中継膨張弁71A、71B、71C、71Dでさらに減圧するため、従来は、気液二相状態の冷媒が中継膨張弁71A、71B、71C、71Dを通過する際に、弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって異音が発生していた。
しかし、第3実施形態では、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743の入口側に、整流部材747を設けたことにより、気液二相状態の冷媒は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過し、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、その結果、異音の発生が抑制される。
(4)変形例
上記動作説明でも記載したように、制御部19は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの開度を全開状態で固定する制御を行っているので、室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送られた冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dを通過して、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
それゆえ、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dを除去することも可能である。かかる場合、コストダウンを図ることができる。
(5)その他の構成
第1実施形態および第2実施形態では、液圧調整膨張弁26は冷房運転時に液冷媒連絡管5を流れる冷媒が気液二相状態となるように冷媒を減圧する旨の説明をしているが、「気液二相状態となるように冷媒を減圧する」とは、必ずしも、それに限定されるものではない。
例えば、液冷媒連絡管5を流れる冷媒が圧力損失によって減圧されることに鑑みれば、液冷媒連絡管5も減圧機構として機能していることになる。
それゆえ、液圧調整膨張弁26と液冷媒連絡管5の圧力損失を利用して気液二相状態となるように冷媒を減圧してもよい。
或いは、冷房運転時に液冷媒連絡管5を流れる冷媒が室内ユニットに届いたところで気液二相状態となるように、液冷媒連絡管5を設計してもよい。
すなわち、減圧機構は、液圧調整膨張弁26および液冷媒連絡管5の少なくとも一つを含む。
本発明は、圧縮機及び室外熱交換器を有する室外ユニットと、室内熱交換器を有する複数の室内ユニットと、室外ユニットと複数の室内ユニットとを接続する液冷媒連絡管と、を有しており、室外熱交換器の液側端と液冷媒連絡管とを接続する室外液冷媒管に、液冷媒連絡管を流れる冷媒が気液二相状態になるように冷媒を減圧する液圧調整膨張弁を設けた空調機に対して、広く適用可能である。
1 空調機
2 室外ユニット
3A、3B、3C、3D 室内ユニット
4A、AB、AC、4D 中継ユニット(冷媒流路切換ユニット)
5 液冷媒連絡管
19 制御部
26 液圧調整膨張弁(減圧弁)
51A、51B、51C、51D 室内膨張弁(室内側電動膨張弁)
71A、71B、71C、71D 中継膨張弁(電動膨張弁)
74A、74B、74C、74D 中継冷媒戻し膨張弁(電動膨張弁)
501、701 第1流路拡大部
502、702 第2流路拡大部
513、743 弁本体
515、745 孔
517、747 整流部材
国際公開第2015/029160号
本発明は、空調機、特に、室外ユニットから送られてくる液冷媒を一回減圧し、気液二相の状態にして搬送する空調機に関する。
省冷媒タイプの空調機では、室外ユニットから送られてくる液冷媒を一回減圧し、気液二相の状態にして搬送すること(以後、2相搬送という。)によって配管内の冷媒を低減している。例えば、特許文献1(国際公開第2015/029160号)に開示されている空調機では、室外熱交換器と液冷媒連絡管とを接続する室外液冷媒管に、液冷媒連絡管を流れる冷媒が気液二相状態になるように冷媒を減圧する液圧調整膨張弁を設け、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器、液冷媒連絡管、室内熱交換器の順に流す運転を行う際に、液圧調整膨張弁における減圧によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管に流して室外ユニット側から室内ユニット側に送る冷媒の二相搬送を行うようにしている。
しかしながら、冷房時には気液二相状態の冷媒を室内ユニット側に設けられた電動膨張弁でさらに減圧するため、気液二相状態の冷媒がそこを通過する際に、異音が発生する。
これは、電動膨張弁の弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって発生していると考えられる。
本発明の課題は、気液二相状態の冷媒が電動膨張弁を通過する際の異音の発生を抑制することができる空調機を提供することにある。
本発明の第1観点に係る空調機は、室外ユニットと室内ユニットとが冷媒連絡配管で結ばれる空調機であって、減圧機構と、室内側膨張弁と、整流部材とを備えている。減圧機構は、冷房運転の定常運転時に室外ユニットから流出した冷媒が室内ユニットへ流入する際に気液二相状態となるように減圧する。室内側膨張弁は、室内ユニットに設けられ、気液二相状態で搬送されてきた冷媒を更に減圧する。整流部材は、室内側電動膨張弁の弁本体の入口側に配置され、複数の孔を有している。
この空調機では、気液二相状態の冷媒は、室内側電動膨張弁の弁本体に到達する前に整流部材の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、室内側電動膨張弁の弁本体に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生が抑制される。
なお、連絡配管を流れる冷媒が圧力損失によって減圧されることに鑑みれば、連絡配管も減圧機構として機能する。それゆえ、「減圧機構は、室外ユニットから流出した冷媒が室内ユニットへ流入する際に気液二相状態となるように減圧する」とは、減圧弁を用いて気液二相状態とすること以外に、減圧弁と連絡配管の圧力損失を利用して気液二相状態とすること、或いは、配管設計により室内ユニットへ届いたところで気液二相状態とすることを含むものである。すなわち、減圧機構は、「減圧器」および「連絡配管」の少なくとも一つを含む。
本発明の第2観点に係る空調機は、第1観点に係る空調機であって、整流部材を挟んで弁本体と反対側に、冷媒の流路断面積を拡大する第1流路拡大部が接続されている。
この空調機では、第1流路拡大部で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部内部で気泡が均質化する傾向にある。均質化した気泡は整流部材を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生も抑制される。
また、室内側電動膨張弁の手前で冷媒の流路断面積を拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができる。それゆえ、異音の発生が抑制される。
なお、第1流路拡大部の内径は、弁本体の入口側に接続される配管の径よりも大きく設定されることが好ましい。
本発明の第3観点に係る空調機は、第2観点に係る空調機であって、整流部材と第1流路拡大部との距離が50mm以上200mm以下である。特に、50mmが望ましい。
本発明の第4観点に係る空調機は、第2観点に係る空調機であって、弁本体の出口側に、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部が接続されている。
なお、第2流路拡大部の内径は、弁本体の出口側に接続される配管の径よりも大きく設定されることが好ましい。
本発明の第5観点に係る空調機は、第1観点に係る空調機であって、室内側電動膨張弁が、冷房時の使用状態において弁本体の入口側に向けて下から上に冷媒を流す。
本発明の第6観点に係る空調機は、室外ユニットと、室内ユニットとが、それらの間に配置されて冷媒の流れを切り換える冷媒流路切換ユニットを介して冷媒連絡配管で接続される空調機であって、減圧弁と、電動膨張弁とを備えている。減圧弁は、冷媒連絡配管を通過して冷媒流路切換ユニットに向う冷媒を減圧し気液二相状態にする。電動膨張弁は、冷媒流路切換ユニット内に設けられ、気液二相状態で搬送されてきた冷媒を更に減圧する。また、電動膨張弁は整流部材を有している。整流部材には、弁本体の入口側に、複数の孔があけられている。
本発明に係る空調機では、気液二相状態の冷媒が、室内側電動膨張弁の弁本体に到達する前に整流部材の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、粉砕された細かな気泡は室内側電動膨張弁の弁本体に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生が抑制される。
本発明の第1実施形態に係る空調機の概略構成図。 冷房運転時の室内膨張弁の冷媒入口側の断面図。 冷房運転時の他の室内膨張弁の冷媒入口側の断面図。 整流部材が有るときの騒音と整流部材が無いときの騒音とを比較したグラフ。 本発明の第2実施形態に係る空調機の概略構成図。 本発明の第3実施形態に係る空調機の概略構成図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<第1実施形態>
(1)空調機1の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調機1の概略構成図である。空調機1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、ビル等の室内の冷房や暖房を行う装置である。
空調機1は、主として、室外ユニット2と、互いが並列に接続される複数(ここでは、4つ)の室内ユニット3A、3B、3C、3Dと、室外ユニット2と室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを接続する液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6と、室外ユニット2及び室内ユニット3A、3B、3C、3Dの構成機器を制御する制御部19と、を有している。
そして、空調機1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と複数の室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して接続することによって構成されている。冷媒回路10には、R32等の冷媒が充填されている。
(2)液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6
液冷媒連絡管5は、主として、室外ユニット2から延びる合流管部と、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部5a、5b、5c、5dと、を有している。
また、ガス冷媒連絡管6は、主として、室外ユニット2から延びる合流管部と、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部6a、6b、6c、6dと、を有している。
(3)室外ユニット2
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置されている。室外ユニット2は、上記のように、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して室内ユニット3A、3B、3C、3Dに接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、室外熱交換器23と、を有している。また、室外ユニット2は、切換機構22を有している。切換機構22は、室外熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる放熱運転状態と、室外熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる蒸発運転状態と、を切り換える。
切換機構22と圧縮機21の吸入側とは、吸入冷媒管31によって接続されている。吸入冷媒管31には、圧縮機21に吸入される冷媒を一時的に溜めるアキュムレータ29が設けられている。
圧縮機21の吐出側と切換機構22とは、吐出冷媒管32によって接続されている。切換機構22と室外熱交換器23のガス側端とは、第1室外ガス冷媒管33によって接続されている。室外熱交換器23の液側端と液冷媒連絡管5とは、室外液冷媒管34によって接続されている。
室外液冷媒管34の液冷媒連絡管5との接続部には、液側閉鎖弁27が設けられている。切換機構22とガス冷媒連絡管6とは、第2室外ガス冷媒管35によって接続されている。
第2室外ガス冷媒管35のガス冷媒連絡管6との接続部には、ガス側閉鎖弁28が設けられている。液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28は、手動で開閉される弁である。
(3−1)圧縮機21
圧縮機21は、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機用モータ21aによって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用される。
(3−2)切換機構22
切換機構22は、室外熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「室外放熱状態」とする)には圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続し(図1の切換機構22の実線を参照)、室外熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「室外蒸発状態」とする)には圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続するように(図1の切換機構22の破線を参照)、冷媒回路10内における冷媒の流れを切り換えることが可能な機器であり、例えば、四路切換弁からなる。
冷房運転時、切換機構22は室外放熱状態に切り換えられ、暖房運転時、切換機構22は室外蒸発状態に切り換えられる。
(3−3)室外熱交換器23
室外熱交換器23は、冷媒の放熱器として機能する、又は、冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。
(3−4)室外ファン24
室外ユニット2は、室外ファン24を有している。室外ファン24は、室外熱交換器23を流れる冷媒の冷却源又は加熱源としての室外空気を室外熱交換器23に供給する。室外ファン24は、室外ファン用モータ24aによって駆動される。
(3−5)室外膨張弁25及び液圧調整膨張弁26
室外膨張弁25及び液圧調整膨張弁26が、室外液冷媒管34に設けられている。室外膨張弁25は、暖房運転時に冷媒を減圧する電動膨張弁であり、室外液冷媒管34のうち室外熱交換器23の液側端寄りの部分に設けられている。
液圧調整膨張弁26は、冷房運転時に液冷媒連絡管5を流れる冷媒が気液二相状態になるように冷媒を減圧する電動膨張弁であり、室外液冷媒管34のうち液冷媒連絡管5寄りの部分に設けられている。すなわち、液圧調整膨張弁26は、室外液冷媒管34のうち室外膨張弁25よりも液冷媒連絡管5寄りの部分に設けられている。
そして、空調機1では、冷房運転時において、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送を行う。
(3−6)冷媒戻し管41
室外液冷媒管34には、冷媒戻し管41が接続されている。冷媒戻し管41は、主として、冷媒戻し入口管42と、冷媒戻し出口管43と、を有している。
冷媒戻し入口管42は、室外液冷媒管34を流れる冷媒の一部を室外熱交換器23の液側端と液圧調整膨張弁26との間の部分(ここでは、室外膨張弁25と冷媒冷却器45との間の部分)から分岐させて冷媒冷却器45の冷媒戻し管41側の入口に送る。冷媒戻し入口管42には、冷媒戻し管41を流れる冷媒を減圧しながら冷媒冷却器45を流れる冷媒の流量を調整する冷媒戻し膨張弁44が設けられている。冷媒戻し膨張弁44は、電動膨張弁からなる。
冷媒戻し出口管43は、冷媒を冷媒冷却器45の冷媒戻し管41側の出口から吸入冷媒管31に送る。なお、冷媒戻し管41の冷媒戻し出口管43は、吸入冷媒管31のうちアキュムレータ29の出口側の部分に接続されている。
(3−7)冷媒冷却器45
冷媒冷却器45は、冷媒戻し管41を流れる冷媒によって室外液冷媒管34のうち液圧調整膨張弁26よりも室外熱交換器23側の部分を流れる冷媒を冷却する熱交換器である。冷媒冷却器45では、冷房運転時に、冷媒戻し管41を流れる冷媒と室外液冷媒管34を流れる冷媒とが対向流になる。
(3−8)各種センサ
室外ユニット2には、吐出圧力センサ36、吐出温度センサ37、吸入圧力センサ39、吸入温度センサ40、室外熱交液側センサ38、及び液管温度センサ49が設けられている。
吐出圧力センサ36は、圧縮機21から吐出された冷媒の圧力を検出する。吐出温度センサ37は、圧縮機21から吐出された冷媒の温度を検出する。吸入圧力センサ39は、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を検出する。吸入温度センサ40は、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する。室外熱交液側センサ38は、室外熱交換器23の液側端における冷媒の温度を検出する。液管温度センサ49は、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒の温度を検出する。
(4)室内ユニット3A、3B、3C、3D
室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、ビル等の室内に設置されている。室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、上記のように、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの構成について説明する。尚、室内ユニット3Aと室内ユニット3B、3C、3Dとは同様の構成であるため、ここでは、室内ユニット3Aの構成のみ説明し、室内ユニット3Bの構成については、それぞれ、室内ユニット3Aの各部を示す添字「A」の代わりに添字「B」、「C」又は「D」を付して、各部の説明を省略する。また、室内ユニット3Aの各配管を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」を付して、各部の説明を省略する。
室内ユニット3Aは、主として、室内膨張弁51Aと、室内熱交換器52Aと、を有している。また、室内ユニット3Aは、室内熱交換器52Aの液側端と液冷媒連絡管5とを接続する室内液冷媒管53aと、室内熱交換器52Aのガス側端とガス冷媒連絡管6とを接続する室内ガス冷媒管54aと、を有している。
(4−1)室内膨張弁51A、51B、51C、51D
室内膨張弁51Aは、冷媒を減圧しながら室内熱交換器52Aを流れる冷媒の流量を調整する電動膨張弁であり、室内液冷媒管53aに設けられている。
図2Aは、冷房運転時の室内膨張弁51Aの冷媒入口側の断面図である。図2Aにおいて、室内膨張弁51Aは、冷房時の使用状態において弁本体513の入口側に向けて下から上に冷媒を流す姿勢で取り付けられている。
室内膨張弁51Aは、弁本体513の入口側に、整流部材517を有している。整流部材517には、複数の孔515があけられている。これらの複数の孔515は、気相状態の冷媒が成長した気泡を砕くための孔である。
また、図2Aは、室内膨張弁51Aの中に整流部材517が設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、図2Bに示すように、室内膨張弁51Aの弁本体513の入口側に、整流部材517を有する配管を接続して、室内膨張弁51Aの外側から整流部材517を設置するようにしてもよい。なお、複数の孔515があけられている整流部材517には、金属製の網や樹脂製のメッシュ材が採用されてもよい。
気液二相状態の冷媒は、室内膨張弁51Aの弁本体513に到達する前に整流部材517の孔515を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、室内膨張弁51Aの弁本体513に到達しても流路を閉塞することはないので、冷媒の圧力変動を抑制する。
また、図2A及び図2Bに示すように、整流部材517を挟んで弁本体513と反対側には第1流路拡大部501が接続されている。第1流路拡大部501の内径は、弁本体513の入口側に接続される配管の径よりも大きいので、冷媒の流路断面積を拡大する。
そのため、第1流路拡大部501で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部501内部で気泡が均質化する。均質化した気泡は整流部材517を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制される。
また、室内膨張弁51Aの手前で冷媒の流路断面積が拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができるので、異音の発生が抑制される。なお、整流部材517と第1流路拡大部501との最短距離Lは200mm以下に設定されており、具体的には50mmが望ましい。
さらに、図2A及び図2Bに示すように、弁本体513の出口側には、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部502が接続されている。第2流路拡大部502の内径は、弁本体513の出口側に接続される配管の径よりも大きい。
(4−2)室内熱交換器52A、52B、52C、52D
室内熱交換器52Aは、冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却する、又は、冷媒の放熱器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。
(4−3)室内ファン55A、55B、55C、55D
室内ユニット3Aは、室内ファン55Aを有している。室内ファン55Aは、室内ユニット3A内に室内空気を吸入して、室内熱交換器52Aにおいて冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給する。室内ファン55Aは、室内ファン用モータ56Aによって駆動される。
(4−4)各種センサ
室内ユニット3Aには、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内ユニット3Aには、室内熱交換器52Aの液側端における冷媒の温度を検出する室内熱交液側センサ57Aと、室内熱交換器52Aのガス側端における冷媒の温度を検出する室内熱交ガス側センサ58Aと、室内ユニット3A内に吸入される室内空気の温度を検出する室内空気センサ59Aと、が設けられている。
(5)制御部19
制御部19は、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3Dに設けられた制御基板等(図示せず)が通信接続されることによって構成されている。なお、図1においては、便宜上、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3Dとは離れた位置に図示している。
制御部19は、上記のような各種センサの検出信号等に基づいて空調機1(ここでは、室外ユニット2及び室内ユニット3A、3B、3C、3D)の各種構成機器の制御、すなわち、空調機1全体の運転制御を行うようになっている。以下、一例として冷房運転の動作について説明する。
(6)空調機1の動作
空調機1では、冷房運転及び暖房運転が行われる。冷房運転においては、室外液冷媒管34に設けられた液圧調整膨張弁26によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送が行われる。
また、冷房運転においては、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒を冷却する動作及び圧縮機21に冷媒を送る動作が行われる。これらの動作は、空調機1の構成機器を制御する制御部19によって行われる。
冷房運転では、切換機構22が室外放熱状態(図1の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン24及び室内ファン55A、55B、55C、55Dが駆動される。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、切換機構22を通じて室外熱交換器23に送られる。室外熱交換器23において、冷媒は室外ファン24によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却され、凝縮する。この冷媒は、室外膨張弁25、冷媒冷却器45、液圧調整膨張弁26及び液側閉鎖弁27を通じて室外ユニット2から流出する。
室外ユニット2から流出した冷媒は、液冷媒連絡管5を通じて室内ユニット3A、3B、3C、3Dに分岐して送られる。その後、冷媒は室内膨張弁51A、51B、51C、51Dによって低圧まで減圧され、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
室内熱交換器52A、52Bにおいて、冷媒は室内ファン55A、55B、55C、55Dによって室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱され、蒸発する。この冷媒は、室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出する。そして、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出した冷媒は、ガス冷媒連絡管6を通じて室外ユニット2に合流して送られる。その後、冷媒はガス側閉鎖弁28、切換機構22及びアキュムレータ29を通じて圧縮機21に吸入される。
上記冷房運転では、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して、室内ユニット3A、3B、3C、3D側へ冷媒の二相搬送を行うようにしている。その際、冷媒の二相搬送を良好に行えるように、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって室外液冷媒管34を流れる冷媒を冷却しながら圧縮機の吐出温度の上昇を抑えている。
制御部19は、液冷媒連絡管5を流れる冷媒が気液二相状態になるように液圧調整膨張弁26による減圧を行わせるようにしている。そのため、液冷媒連絡管5を流れる冷媒が液状態である場合に比べて、液冷媒連絡管5が液状態の冷媒で満たされることがなくなり、その分だけ液冷媒連絡管5に存在する冷媒量を少なくできるようになっている。
一方、冷房運転時には気液ニ相状態の冷媒をさらに減圧するため、従来は、気液二相状態の冷媒が室内ユニット側に設けられた電動膨張弁を通過する際に、電動膨張弁の弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって異音が発生していた。
しかし、第1実施形態では、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513の入口側に、整流部材517を設けたことにより、気液二相状態の冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達する前に整流部材517の孔515を通過し、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動を抑制され、異音の発生が抑制される。
図3は、整流部材517があるときの騒音と整流部材517が無いときの騒音とを比較したグラフである。図3から明らかなように、整流部材517が有るときの騒音は、整流部材517が無いときの騒音に対して音圧レベルでほぼ半減しており、静音化が達成されている。
(7)第1実施形態の特徴
(7−1)
空調機1では、気液二相状態の冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達する前に整流部材517の孔515を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの弁本体513に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動を抑制し、異音の発生が抑制される。
(7−2)
空調機1では、第1流路拡大部501で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部501内部で気泡が均質化する傾向にある。均質化した気泡は整流部材517を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生も抑制される。
また、室内膨張弁の手前で冷媒の流路断面積を拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができる。それゆえ、異音の発生が抑制される。
(7−3)
空調機1では、整流部材517と第1流路拡大部501との最短距離Lが200mm以下に設定されるが、50mmが望ましい。
(7−4)
空調機1では、弁本体513の出口側に、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部502が接続されている。
<第2実施形態>
(1)空調機1の構成
図4は、本発明の第2実施形態に係る空調機1の概略構成図である。空調機1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、ビル等の室内の冷房や暖房を行う装置である。
空調機1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット3A、3B、3C、3Dと、中継ユニット4A、4B、4C、4Dと、冷媒連絡管5、6とが接続されることによって構成されている。
冷媒回路10には、R32等の冷媒が充填されている。そして、空調機1は中継ユニット4A、4B、4C、4Dによって、各室内ユニット3A、3B、3C、3Dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になる。
(2)液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6
液冷媒連絡管5は、主として、室外ユニット2から延びる合流管部と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した第1分岐管部5a、5b、5c、5dと、中継ユニット4A、4B、4C、4Dと室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを接続する第2分岐管部5aa、5bb、5cc、5ddと、を有している。
また、ガス冷媒連絡管6は、主として、高低圧ガス冷媒連絡管7と、低圧ガス冷媒連絡管8と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dと室内ユニット3A、3B、3C、3Dとを接続する分岐管部6a、6b、6c、6dと、を有している。
高低圧ガス冷媒連絡管7は、室外ユニット2から延びる合流管部と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部7a、7b、7c、7dと、を有している。
低圧ガス冷媒連絡管8は、室外ユニット2から延びる合流管部と、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの手前で複数(ここでは、4つ)に分岐した分岐管部8a、8b、8c、8dと、を有している。
(3)室外ユニット2
室外ユニット2は、ビル等の室外に設置されている。室外ユニット2は、上記のように、液冷媒連絡管5、ガス冷媒連絡管6及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを介して室内ユニット3A、3B、3C、3Dに接続されている。
室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、複数(ここでは、2つ)の室外熱交換器23a、23bとを有している。また、室外ユニット2は、切換機構22a、22bを有している。切換機構22は、放熱運転状態と蒸発運転状態とを切り換える。
放熱運転状態は、各室外熱交換器23a、23bを冷媒の放熱器として機能させる状態である。蒸発運転状態とは、各室外熱交換器23a、23bを冷媒の蒸発器として機能させる状態である。
切換機構22a、22bと圧縮機21の吸入側とは、吸入冷媒管31によって接続されている。吸入冷媒管31には、圧縮機21に吸入される冷媒を一時的に溜めるアキュムレータ29が設けられている。
圧縮機21の吐出側と切換機構22a、22bとは、吐出冷媒管32によって接続されている。切換機構22aと室外熱交換器23a、23bのガス側端とは、第1室外ガス冷媒管33a、33bによって接続されている。
室外熱交換器23a、23bの液側端と液冷媒連絡管5とは、室外液冷媒管34によって接続されている。室外液冷媒管34の液冷媒連絡管5との接続部には、液側閉鎖弁27が設けられている。
また、室外ユニット2は、第3切換機構22cを有している。第3切換機構22cは、冷媒導出状態と冷媒導入状態とを切り換える。冷媒導出状態は、圧縮機21から吐出された冷媒を高低圧ガス冷媒連絡管7に送る状態である。冷媒導入状態は、高低圧ガス冷媒連絡管7を流れる冷媒を吸入冷媒管31に送る状態である。
第3切換機構22cと高低圧ガス冷媒連絡管7とは、第2室外ガス冷媒管35によって接続されている。第3切換機構22cと圧縮機21の吸入側とは、吸入冷媒管31によって接続されている。
圧縮機21の吐出側と第3切換機構22cとは、吐出冷媒管32によって接続されている。第2室外ガス冷媒管35の高低圧ガス冷媒連絡管7との接続部には、高低圧ガス側閉鎖弁28aが設けられている。
吸入冷媒管31は、低圧ガス冷媒連絡管8に接続されている。吸入冷媒管31と低圧ガス冷媒連絡管8との接続部には、低圧ガス側閉鎖弁28bが設けられている。液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28a、28bは、手動で開閉される弁である。
(4)室内ユニット3A、3B、3C、3D
室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、ビル等の室内に設置されている。室内ユニット3A、3B、3C、3Dは、上記のように、液冷媒連絡管5、ガス冷媒連絡管6(高低圧ガス冷媒連絡管7、低圧ガス冷媒連絡管8及び分岐管部6a、6b、6c、6d)及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを介して室外ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
なお、室内ユニット3A、3B、3C、3Dの構成は、第1実施形態の室内ユニット3A、3B、3C、3Dと同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。
(5)中継ユニット4A、4B、4C、4D
中継ユニット4A、4B、4C、4Dは、ビル等の室内に室内ユニット3A、3B、3C、3Dとともに設置されている。中継ユニット4A、4B、4C、4Dは、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6とともに、室内ユニット3A、3B、3C、3Dと室外ユニット2との間に介在しており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの構成について説明する。尚、中継ユニット4Aと中継ユニット4B、4C、4Dとは同様の構成であるため、ここでは、中継ユニット4Aの構成のみ説明し、中継ユニット4B、4C、4Dの構成については、それぞれ、中継ユニット4Aの各部を示す符号の添字「A」の代わりに、「B」、「C」又は「D」の添字を付して、各部の説明を省略する。また、中継ユニット4Aの各配管を示す符号の添字「a」の代わりに、「b」、「c」又は「d」の添字を付して、各部の説明を省略する。
中継ユニット4Aは、主として、液接続管61aと、ガス接続管62aと、を有している。
(5−1)液接続管61a
液接続管61aは、その一端が液冷媒連絡管5の第1分岐管部5aに接続され、他端が液冷媒連絡管5の第2分岐管部5aaに接続されている。
(5−2)ガス接続管62a
ガス接続管62aは、高圧ガス接続管63aと、低圧ガス接続管64aと、合流ガス接続管65aとを有している。高圧ガス接続管63aは、高低圧ガス冷媒連絡管7の分岐管部7aに接続されている。低圧ガス接続管64aは、低圧ガス冷媒連絡管8の分岐管部8aに接続されている。合流ガス接続管65aは、高圧ガス接続管63aと低圧ガス接続管64aとを合流させる。
合流ガス接続管65aは、ガス冷媒連絡管6の分岐管部6aに接続されている。高圧ガス接続管63aには、高圧ガス弁66Aが設けられており、低圧ガス接続管64aには、低圧ガス弁67Aが設けられている。高圧ガス弁66A及び低圧ガス弁67Aは、電動膨張弁からなる。
中継ユニット4Aは、室内ユニット3Aが冷房運転を行う際、低圧ガス弁67Aを開けた状態にし、第1分岐管部5aを通じて液接続管61aに流入する冷媒を、第2分岐管部5aaを通じて室内ユニット3Aに送る。
その後、中継ユニット4Aは、室内熱交換器52Aにおいて室内空気との熱交換によって蒸発した冷媒を、分岐管部6a、合流ガス接続管65a及び低圧ガス接続管64aを通じて、分岐管部8aに戻す。
また、中継ユニット4Aは、室内ユニット3Aが暖房運転を行う際、低圧ガス弁67Aを閉止し、かつ、高圧ガス弁66Aを開けた状態にして、分岐管部7aを通じて高圧ガス接続管63a及び合流ガス接続管65aに流入する冷媒を、分岐管部6aを通じて室内ユニット3Aに送る。
その後、中継ユニット4Aは、室内熱交換器52Aにおいて室内空気との熱交換によって放熱した冷媒を、第2分岐管部5aa及び液接続管61aを通じて、第1分岐管部5aに戻す。
このような機能は、中継ユニット4Aだけでなく、中継ユニット4B、4C、4Dも同様に有しているため、中継ユニット4A、4B、4C、4Dによって、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dは、個別に冷媒の蒸発器又は放熱器として機能させる切り換えが可能になっている。
(5−3)中継冷媒冷却器75A
また、中継ユニット4Aには、液圧調整膨張弁26において減圧された冷媒を冷却する中継冷媒冷却器75Aおよび中継冷媒戻し管73aが設けられている。中継冷媒戻し管73aは、中継冷媒冷却器75Aの上流側(すなわち、液冷媒連絡管5の第1分岐管部5a側の部分)を流れる冷媒の一部を分岐してガス冷媒連絡管6に送る。
中継冷媒冷却器75Aは、液接続管61aに設けられており、中継冷媒戻し管73aは、液接続管61aに接続されている。中継冷媒戻し管73aは、液接続管61aを流れる冷媒の一部を分岐して低圧ガス冷媒連絡管7に接続された低圧ガス接続管64aに送る。中継冷媒冷却器75Aは、中継冷媒戻し管73aを流れる冷媒によって液接続管61aを流れる冷媒を冷却する。
(5−4)中継冷媒戻し膨張弁74A
中継冷媒戻し膨張弁74Aは、中継冷媒戻し管73aを流れる冷媒を減圧しながら中継冷媒冷却器75Aを流れる冷媒の流量を調整する電動膨張弁であり、中継冷媒戻し管73aに設けられている。
図2A及び図2Bに示すように、中継冷媒戻し膨張弁74Aは、冷房時の使用状態において弁本体743の入口側に向けて下から上に冷媒を流す姿勢で取り付けられている。
中継冷媒戻し膨張弁74Aは、弁本体743の入口側に、整流部材747を有している。整流部材747には、複数の孔745があけられている。これらの複数の孔745は、気相状態の冷媒が成長した気泡を砕くための孔である。
なお、複数の孔745があけられている整流部材747には、金属製の網や樹脂製のメッシュ材が採用されてもよい。
気液二相状態の冷媒は、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはないので、冷媒の圧力変動を抑制する。
また、図2A及び図2Bに示すように、整流部材747を挟んで弁本体743と反対側には第1流路拡大部701が接続されている。第1流路拡大部701の内径は、弁本体743の入口側に接続される配管の径よりも大きいので、冷媒の流路断面積を拡大する。
そのため、第1流路拡大部701で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部701内部で気泡が均質化する。均質化した気泡は整流部材747を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制される。
また、中継冷媒戻し膨張弁74Aの手前で冷媒の流路断面積が拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができるので、異音の発生が抑制される。なお、整流部材747と第1流路拡大部701との最短距離Lは200mm以下に設定されており、具体的には50mmが望ましい。
さらに、図2A及び図2Bに示すように、弁本体743の出口側には、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部702が接続されている。第2流路拡大部702の内径は、弁本体743の出口側に接続される配管の径よりも大きい。
(5−5)各種センサ
中継ユニット4Aには、中継入口温度センサ76Aおよび中継出口温度センサ77Aが設けられている。中継入口温度センサ76Aは、中継冷媒冷却器75Aの入口側(すなわち、液接続管61aのうち中継冷媒冷却器75Aよりも液冷媒連絡管5の第1分岐管部5a側)における冷媒の温度を検出する。
また、中継出口温度センサ77Aは、中継冷媒冷却器75Aの出口側(すなわち、液接続管61aのうち中継冷媒冷却器75Aよりも液冷媒連絡管5の第2分岐管部5aa側)における冷媒の温度を検出する。
(6)制御部19
制御部19は、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3D、中継ユニット4A、4B、4C、4Dに設けられた制御基板等(図示せず)が通信接続されることによって構成されている。
図4においては、便宜上、室外ユニット2や室内ユニット3A、3B、3C、3D、中継ユニット4A、4B、4C、4Dとは離れた位置に図示している。制御部19は、第1実施形態と同様の各種センサの検出信号等に基づいて空調機1の各種構成機器の制御、すなわち、空調機1全体の運転制御を行う。
(6−1)全冷房運転及び冷房主体運転の制御
空調機1では、圧縮機21、室外熱交換器23a、23b、液冷媒連絡管5及び室内熱交換器52A、52B、52C、52Dのみに着目した場合に、全冷房運転及び冷房主体運転を行うようになっている。
全冷房運転とは、冷媒の蒸発器として機能している室内熱交換器のみが存在する運転状態を意味する。
冷房主体運転とは、冷媒の蒸発器として機能している室内熱交換器及び冷媒の放熱器として機能している室内熱交換器の両方が混在しているが、全体としては蒸発側の負荷が大きい状態を意味する。
(6−2)全暖房運転及び暖房主体運転の制御
空調機1では、圧縮機21、ガス冷媒連絡管6、室内熱交換器52A、52B、52C、52D、液冷媒連絡管5及び室外熱交換器23a、23bのみに着目した場合に、全暖房運転及び暖房主体運転を行うようになっている。
全暖房運転とは、冷媒の放熱器として機能している室内熱交換器のみが存在する運転状態を意味する。
暖房主体運転とは、冷媒の蒸発器として機能している室内熱交換器及び冷媒の放熱器として機能している室内熱交換器の両方が混在しているが、全体としては放熱側の負荷が大きい状態を意味する。
(6−3)運転切換制御
全冷房運転及び冷房主体運転時には、切換機構22a、22bの少なくとも一方が室外放熱状態に切り換えられる。このとき、室外熱交換器23a、23b全体としては冷媒の放熱器として機能し、液冷媒連絡管5を通じて室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に冷媒が流れる状態になる。
また、全暖房運転及び暖房主体運転時には、切換機構22a、22bの少なくとも一方が室外蒸発状態に切り換えられ、かつ、第3切換機構22cが冷媒導出状態に切り換えられる。このとき、室外熱交換器23a、23b全体としては冷媒の蒸発器として機能し、液冷媒連絡管5を通じて室内ユニット3A、3B、3C、3D側から室外ユニット2側に冷媒が流れる状態になる。
(7)空調機1の動作一例
空調機1では、上述の全冷房運転、冷房主体運転、全暖房運転及び暖房主体運転が行われる。そして、全冷房運転及び冷房主体運転においては、第1実施形態と同様に、室外液冷媒管34に設けられた液圧調整膨張弁26によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒を冷却する動作及び圧縮機21に冷媒を送る動作が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、吐出ガスバイパス管46によって、室外液冷媒管34を流れる冷媒の温度を調節する動作が行われる。
なお、以下に説明する空調機1の動作は、空調機1の構成機器を制御する制御部19によって行われる。また、以下の説明では、液圧調整膨張弁26等の制御を伴う運転を代表して、全冷房運転について説明を行う。
全冷房運転では、切換機構22a、22bが室外放熱状態(図4の切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン24及び室内ファン55A、55B、55C、55Dが駆動される。
また、第3切換機構22cが冷媒導入状態(図4の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられ、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの高圧ガス弁66A、66B、66C、66D及び低圧ガス弁67A、67B、67C、67Dは開状態にされる。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、切換機構22a、22bを通じて室外熱交換器23a、23bに送られる。室外熱交換器23a、23bに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23a、23bにおいて、室外ファン24によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却されることによって凝縮する。この冷媒は、室外膨張弁25a、25b、冷媒冷却器45、液圧調整膨張弁26及び液側閉鎖弁27を通じて室外ユニット2から流出する。
室外ユニット2から流出した冷媒は、液冷媒連絡管5(第1分岐管部5a、5b、5c、5d)を通じて中継ユニット4A、4B、4C、4Dに分岐して送られる。中継ユニット4A、4B、4C、4Dにおいて、冷媒は中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dによって冷却される。その後、冷媒は、中継ユニット4A、4B、4C、4Dから室内ユニット3A、3B、3C、3Dに分岐して送られる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送られた冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dによって低圧まで減圧された後に、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて、室内ファン55A、55B、55C、55Dによって室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出する。一方、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出した冷媒は、ガス冷媒連絡管6及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを通じて室外ユニット2に合流して送られる。
制御部19は、中継冷媒戻し管73a、73b、73c、73dを流れる冷媒によって、液接続管61a、61b、61c、61dを流れる冷媒を中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dにおいて冷却して、液単相状態になるようにしている。その際、制御部19が、液接続管61a、61b、61c、61dのうち中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dの出口側における冷媒の温度が液接続管61a、61b、61c、61dのうち中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75Dの入口側における冷媒の温度よりも所定値ΔT低くなるように、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの開度を制御する。
室外ユニット2に送られた冷媒は、ガス側閉鎖弁28及びアキュムレータ29を通じて圧縮機21に吸入される。
前述の通り、上記の全冷房運転の際には、第1実施形態の冷房運転の際と同様に、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送を行うようにしている。この冷媒の二相搬送を行うにあたり、第1実施形態の冷房運転の際と同様に、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって室外液冷媒管34を流れる冷媒を冷却しながら圧縮機21の吐出温度の上昇を抑え、吐出ガスバイパス管46によって液管温度を調節して、冷媒の二相搬送を良好に行えるようにしている。
一方、全冷房運転時には気液二相状態の冷媒を中継冷媒戻し膨張弁でさらに減圧するため、従来は、気液二相状態の冷媒が中継冷媒戻し膨張弁を通過する際に、弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって異音が発生していた。
しかし、第2実施形態では、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743の入口側に、整流部材747を設けたことにより、気液二相状態の冷媒は、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過し、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、中継冷媒戻し膨張弁74Aの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、その結果、異音の発生が抑制される。
(8)第2実施形態の特徴
(8−1)
空調機1では、気液二相状態の冷媒は、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔745を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動を抑制し、異音の発生が抑制される。
(8−2)
空調機1では、第1流路拡大部701で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部701内部で気泡が均質化する傾向にある。均質化した気泡は整流部材747を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制され、異音の発生も抑制される。
また、中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74Dの手前で冷媒の流路断面積を拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができる。それゆえ、異音の発生が抑制される。
(8−3)
空調機1では、整流部材747と第1流路拡大部701との最短距離が200mm以下に設定されるが、50mmが望ましい。
(8−4)
空調機1では、弁本体743の出口側に、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部702が接続されている。
<第3実施形態>
(1)空調機1の構成
図5は、本発明の第3実施形態に係る空調機1の概略構成図である。図5において、空調機1は、第2実施形態(図4)に係る空調機から「中継冷媒戻し管73a、73b、73c、73d」、「中継冷媒戻し膨張弁74A、74B、74C、74D」、「中継冷媒冷却器75A、75B、75C、75D」、「中継入口温度センサ76A、76B、76C、76D」および「中継出口温度センサ77A、77B、77C、77D」を除去した上で、液接続管61a、61b、61c、61dに「中継膨張弁71A、71B、71C、71D」を配置した構成である。
したがって、「中継膨張弁71A、71B、71C、71D」以外の構成部品については、第2実施形態(図4)と同一の名称及び符号を付して、それらの説明は省略する。
(2)中継膨張弁71A、71B、71C、71D
中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、室内ユニット3A、3B、3C、3Dが冷房運転を行う際に、液圧調整膨張弁26において減圧された冷媒をさらに減圧する。中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、液接続管61a、61b、61c、61dに設けられた電動膨張弁である。
また、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、室内ユニット3A、3B、3C、3Dが暖房運転を行う全暖房運転時及び暖房主体運転時において、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて放熱した冷媒を減圧する。
制御部19は、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dのガス側端における冷媒の過熱度が目標過熱度になるように、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの開度を制御している。
制御部19は、過熱度が目標過熱度よりも大きい場合に、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの開度を大きくする制御を行い、過熱度が目標過熱度よりも小さい場合に、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの開度を小さくする制御を行っている。
このとき、制御部19は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの開度を全開状態で固定する制御を行っている。この制御により、液圧調整膨張弁26において減圧された気液二相状態の冷媒を低圧まで減圧する動作を、中継ユニット4A、4B、4C、4Dに設けた中継膨張弁71A、71B、71C、71Dにおいて行うことができる。
図2A及び図2Bに示すように、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、冷房時の使用状態において弁本体743の入口側に向けて下から上に冷媒を流す姿勢で取り付けられている。
中継膨張弁71A、71B、71C、71Dは、弁本体743の入口側に、整流部材747を有している。整流部材747には、複数の孔745があけられている。これらの複数の孔745は、気相状態の冷媒が成長した気泡を砕くための孔である。
なお、複数の孔745があけられている整流部材747には、金属製の網や樹脂製のメッシュ材が採用されてもよい。
気液二相状態の冷媒は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過するが、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となる。粉砕された細かな気泡は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはないので、冷媒の圧力変動を抑制する。
また、図2A及び図2Bに示すように、整流部材747を挟んで弁本体743と反対側には第1流路拡大部701が接続されている。第1流路拡大部701の内径は、弁本体743の入口側に接続される配管の径よりも大きいので、冷媒の流路断面積を拡大する。
そのため、第1流路拡大部701で冷媒流速が落ちるため、第1流路拡大部701内部で気泡が均質化する。均質化した気泡は整流部材747を通過する際に粉砕されるが、均質化した気泡は均質化していない気泡に比べて細かく粉砕されるので、その分、冷媒の圧力変動が抑制される。
また、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの手前で冷媒の流路断面積が拡大することによって、圧力変動幅を縮小することができるので、異音の発生が抑制される。なお、整流部材747と第1流路拡大部701との最短距離Lは200mm以下に設定されており、具体的には50mmが望ましい。
さらに、図2A及び図2Bに示すように、弁本体743の出口側には、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部702が接続されている。第2流路拡大部702の内径は、弁本体743の出口側に接続される配管の径よりも大きい。
(3)空調機1の動作一例
空調機1では、第2実施形態と同様に、全冷房運転、冷房主体運転、全暖房運転及び暖房主体運転が行われる。そして、全冷房運転及び冷房主体運転においては、第1実施形態と同様に、室外液冷媒管34に設けられた液圧調整膨張弁26によって、気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって、室外液冷媒管34のうち冷媒冷却器45と液圧調整膨張弁26との間の部分における冷媒を冷却する動作及び圧縮機21に冷媒を送る動作が行われる。
さらに、全冷房運転及び冷房主体運転においては、吐出ガスバイパス管46によって、室外液冷媒管34を流れる冷媒の温度を調節する動作が行われる。
なお、以下に説明する空調機1の動作は、空調機1の構成機器を制御する制御部19によって行われる。また、以下の説明では、液圧調整膨張弁26等の制御を伴う運転を代表して、全冷房運転について説明を行う。
全冷房運転では、切換機構22a、22bが室外放熱状態(図5の切換機構22a、22bの実線で示された状態)に切り換えられて、圧縮機21、室外ファン24及び室内ファン55A、55B、55C、55Dが駆動される。
また、第3切換機構22cが冷媒導入状態(図5の切換機構22cの実線で示された状態)に切り換えられ、中継ユニット4A、4B、4C、4Dの高圧ガス弁66A、66B、66C、66D及び低圧ガス弁67A、67B、67C、67Dは開状態にされる。
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、切換機構22a、22bを通じて室外熱交換器23a、23bに送られる。室外熱交換器23a、23bに送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する室外熱交換器23a、23bにおいて、室外空気と熱交換を行って冷却され、凝縮する。この冷媒は、室外膨張弁25a、25b、冷媒冷却器45、液圧調整膨張弁26及び液側閉鎖弁27を通じて室外ユニット2から流出する。
室外ユニット2から流出した冷媒は、液冷媒連絡管5(第1分岐管部5a、5b、5c、5d)を通じて中継ユニット4A、4B、4C、4Dに分岐して送られる。中継ユニット4A、4B、4C、4Dにおいて、冷媒は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dによって低圧まで減圧される。その後、冷媒は、中継ユニット4A、4B、4C、4Dから室内ユニット3A、3B、3C、3Dに分岐して送られる。
制御部19は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの開度を全開状態で固定する制御を行っているので、室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送られた冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dを通過して、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
冷媒は、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて、室内空気と熱交換を行って加熱され、蒸発する。この冷媒は、室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出する。一方、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
室内ユニット3A、3B、3C、3Dから流出した冷媒は、ガス冷媒連絡管6及び中継ユニット4A、4B、4C、4Dを通じて室外ユニット2に合流して送られる。
室外ユニット2に送られた冷媒は、ガス側閉鎖弁28及びアキュムレータ29を通じて圧縮機21に吸入される。
前述の通り、上記の全冷房運転の際には、第1実施形態の冷房運転の際と同様に、液圧調整膨張弁26によって気液二相状態の冷媒を液冷媒連絡管5に流して室外ユニット2側から室内ユニット3A、3B、3C、3D側に送る冷媒の二相搬送を行うようにしている。
この冷媒の二相搬送を行うにあたり、冷媒戻し管41及び冷媒冷却器45によって室外液冷媒管34を流れる冷媒を冷却しながら圧縮機21の吐出温度の上昇を抑え、吐出ガスバイパス管46によって液管温度を調節して、冷媒の二相搬送を良好に行えるようにしている。
さらに、ここでは、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dによって液圧調整膨張弁26において減圧された気液二相状態の冷媒をさらに減圧して室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送るようにしている。
一方、全冷房運転時には気液二相状態の冷媒を中継膨張弁71A、71B、71C、71Dでさらに減圧するため、従来は、気液二相状態の冷媒が中継膨張弁71A、71B、71C、71Dを通過する際に、弁部を冷媒中の気泡が閉塞する状態とその閉塞が解消される状態とが繰り返され、圧力変動が生じることによって異音が発生していた。
しかし、第3実施形態では、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743の入口側に、整流部材747を設けたことにより、気液二相状態の冷媒は、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達する前に整流部材747の孔を通過し、その際に流速が増加することによって気泡が粉砕され細かな気泡となるので、中継膨張弁71A、71B、71C、71Dの弁本体743に到達しても流路を閉塞することはなく、冷媒の圧力変動が抑制され、その結果、異音の発生が抑制される。
(4)変形例
上記動作説明でも記載したように、制御部19は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dの開度を全開状態で固定する制御を行っているので、室内ユニット3A、3B、3C、3Dに送られた冷媒は、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dを通過して、室内熱交換器52A、52B、52C、52Dに送られる。
それゆえ、室内膨張弁51A、51B、51C、51Dを除去することも可能である。かかる場合、コストダウンを図ることができる。
(5)その他の構成
第1実施形態および第2実施形態では、液圧調整膨張弁26は冷房運転時に液冷媒連絡管5を流れる冷媒が気液二相状態となるように冷媒を減圧する旨の説明をしているが、「気液二相状態となるように冷媒を減圧する」とは、必ずしも、それに限定されるものではない。
例えば、液冷媒連絡管5を流れる冷媒が圧力損失によって減圧されることに鑑みれば、液冷媒連絡管5も減圧機構として機能していることになる。
それゆえ、液圧調整膨張弁26と液冷媒連絡管5の圧力損失を利用して気液二相状態となるように冷媒を減圧してもよい。
或いは、冷房運転時に液冷媒連絡管5を流れる冷媒が室内ユニットに届いたところで気液二相状態となるように、液冷媒連絡管5を設計してもよい。
すなわち、減圧機構は、液圧調整膨張弁26および液冷媒連絡管5の少なくとも一つを含む。
本発明は、圧縮機及び室外熱交換器を有する室外ユニットと、室内熱交換器を有する複数の室内ユニットと、室外ユニットと複数の室内ユニットとを接続する液冷媒連絡管と、を有しており、室外熱交換器の液側端と液冷媒連絡管とを接続する室外液冷媒管に、液冷媒連絡管を流れる冷媒が気液二相状態になるように冷媒を減圧する液圧調整膨張弁を設けた空調機に対して、広く適用可能である。
1 空調機
2 室外ユニット
3A、3B、3C、3D 室内ユニット
4A、AB、AC、4D 中継ユニット(冷媒流路切換ユニット)
5 液冷媒連絡管
19 制御部
26 液圧調整膨張弁(減圧弁)
51A、51B、51C、51D 室内膨張弁(室内側電動膨張弁)
71A、71B、71C、71D 中継膨張弁(電動膨張弁)
74A、74B、74C、74D 中継冷媒戻し膨張弁(電動膨張弁)
501、701 第1流路拡大部
502、702 第2流路拡大部
513、743 弁本体
515、745 孔
517、747 整流部材
国際公開第2015/029160号

Claims (6)

  1. 室外ユニット(2)と室内ユニット(3A,3B,3C,3D)とが冷媒連絡配管で結ばれる空調機であって、
    前記室外ユニットから流出した冷媒が前記室内ユニットへ流入する際に気液二相状態となるように減圧する減圧機構と、
    気液二相状態で搬送されてきた冷媒を減圧する室内側電動膨張弁(51A,51B,51C,51D)と、
    前記室内側電動膨張弁の弁本体(513)の入口側に配置され、複数の孔(515)を有する整流部材(517)と、
    を備える、
    空調機(1)。
  2. 前記整流部材(517)を挟んで前記弁本体(513)と反対側に、冷媒の流路断面積
    を拡大する第1流路拡大部(501)が接続されている、
    請求項1に記載の空調機(1)。
  3. 前記整流部材(517)と前記第1流路拡大部(501)との最短距離(L)は200mm以下である、
    請求項2に記載の空調機(1)。
  4. 前記弁本体(513)の出口側に、冷媒の流路断面積を拡大する第2流路拡大部(502)が接続されている、
    請求項2に記載の空調機(1)。
  5. 前記室内側電動膨張弁(51A,51B,51C,51D)は、冷房時の使用状態において前記弁本体(513)の入口側に向けて下から上に冷媒を流す、
    請求項1に記載の空調機(1)。
  6. 室外ユニット(2)と、室内ユニット(3A,3B,3C,3D)とが、それらの間に配置されて冷媒の流れを切り換える冷媒流路切換ユニット(4A,4B,4C,4D)を介して冷媒連絡配管で接続される空調機であって、
    前記冷媒連絡配管を通過して前記冷媒流路切換ユニットに向う冷媒を減圧し気液二相状態にする減圧弁(26)と、
    前記冷媒流路切換ユニット内に設けられ、気液二相状態で搬送されてきた冷媒を更に減圧する電動膨張弁(74A,74B,74C,74D)と、
    を備え、
    前記電動膨張弁は、弁本体(743)の入口側に、複数の孔(745)があけられた整流部材(747)を有する、
    空調機(1)。
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