JP2019019235A - ポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】得られる成形品の耐衝撃性、耐熱性が改善され、さらに成形品のウェルド外観、ウェルド強度が著しく改善されたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物およびその成形品を提供する。【解決手段】ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)を含む樹脂組成物であって、該共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位、及びマレイミド系単量体単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位を含む共重合体であり、共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有重量比が、共重合体(C−1)/共重合体(C−2)=10/90〜90/10であるポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。このポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形してなるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品。【選択図】なし

Description

本発明は、得られる成形品の耐熱性、耐衝撃性、ウェルド強度、及びウェルド外観に優れたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物に関するものである。本発明はまた、このポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品に関するものである。
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂やゴム強化ポリスチレン(HIPS)などのゴム強化スチレン系樹脂は、成形品外観、耐衝撃性、耐熱性、成形加工性に優れることから、電気・電子機器分野、自動車分野等において幅広く使用されている。これらの石油原料由来の樹脂に対して、近年、環境負荷を低減する目的から、ポリ乳酸樹脂のような植物原料のバイオマス樹脂を配合して石油原料由来の樹脂を低減させた樹脂組成物が求められている。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂は一般にABS樹脂に比較して耐衝撃性や耐熱性が低く、またABS樹脂とのアロイ化において相溶性に劣るので、配合量が多いとABS樹脂本来の優れた耐衝撃性、耐熱性、成形加工性などの性能を損なうという問題がある。また、両者は非相溶のため、得られる成形品の強度や外観、特にウェルド部の強度や外観が損なわれることが問題となっている。そこで、従来、ポリ乳酸系樹脂成形品の耐衝撃性、耐熱性、ウェルド強度・外観を改善する技術として次のような提案されている。
例えば、特許文献1には、耐熱性、耐衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂とポリ乳酸樹脂を組み合わせる提案がなされている。しかし、ポリカーボネート樹脂本来の特性で耐熱性、耐衝撃性は向上されるものの、ポリ乳酸樹脂とポリカーボネート樹脂は非相溶であることから、成形品全体の外観や強度、特にウェルド外観、ウェルド強度に劣るものとなる。
特許文献2には、ポリ乳酸樹脂にポリメタクリル酸メチルとアクリル系重合体を配合することで耐衝撃性と耐熱性を改善することが記載されている。ここでは、アクリル系重合体により耐衝撃性を向上させ、ポリメタクリル酸メチルにより耐熱性を向上させるとされているが、ポリメタクリル酸メチルによる耐熱性の向上効果は十分ではなく、また、ウェルド強度・外観の改善についての検討はなされていない。
特許文献3には、ポリ乳酸樹脂とポリプロピレン樹脂に変性ポリオレフィン樹脂を配合することで相溶性を高め、ウェルド強度を向上させることが提案されている。しかし、特許文献3の樹脂は、ウェルド強度の改善は見られるものの、十分な耐熱性や耐衝撃性を有するものではなかった。
特開2015−42735号公報 特開2015−63583号公報 特開2016−47874号公報
本発明は、得られる成形品の耐衝撃性、耐熱性が改善され、さらに成形品のウェルド外観、ウェルド強度が著しく改善されたポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物およびその成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来技術の検証・改良に鋭意努力した結果、ポリ乳酸樹脂(A)とグラフト共重合体(B)に、スチレン/アクリロニトリル/マレイミド系共重合体等の特定の共重合体(C−1)と、メタクリル酸メチル系共重合体(C−2)を配合することにより、耐熱性、耐衝撃性、ウェルド強度・外観において実用上十分な特性を有するポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)を含む樹脂組成物であって、該共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位、及びマレイミド系単量体単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有重量比が、共重合体(C−1)/共重合体(C−2)=10/90〜90/10であること特徴とするポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
[2] 前記共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位、マレイミド系単量体単位、及び芳香族ビニル系単量体単位を含む共重合体であることを特徴とする[1]に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
[3] 前記ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の合計100重量部に対して、ポリ乳酸樹脂(A)の含有量が5〜40重量部、グラフト共重合体(B)の含有量が5〜30重量部、共重合体(C−1)の含有量が5〜40重量部、共重合体(C−2)の含有量が5〜40重量部であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
[4] 前記グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体50〜90重量%にビニル系単量体混合物50〜10重量%をグラフト重合してなり(ただし、ゴム質重合体とビニル系単量体混合物との合計で100重量%)、該ゴム質重合体が、ゲル含有量40〜99重量%、平均粒子径0.1〜1μmのポリブタジエン系ゴム又はアクリル系ゴムであり、該ビニル系単量体混合物が、シアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体を含む混合物であるか、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体を含む混合物であり、該グラフト共重合体(B)のグラフト率が15〜120重量%、アセトン可溶分の重量平均分子量(Mw)が50,000〜600,000であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
[5] 前記共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位及びマレイミド系単量体単位の合計100重量部に対して、シアン化ビニル系単量体単位を20〜40重量部、芳香族ビニル系単量体単位を25〜45重量部、マレイミド系単量体単位を25〜45重量部含む、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000の共重合体であり、前記共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位、マレイミド系単量体単位及び芳香族ビニル系単量体単位の合計100重量部に対して、メタクリル酸メチル単位を70〜90重量部、マレイミド系単量体単位を8〜25重量部、芳香族ビニル系単量体単位を2〜10重量部含む、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000の共重合体である[1]ないし[4]のいずれかに記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
[6] [1]ないし[5]のいずれかに記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形してなるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品。
本発明によれば、耐熱性、耐衝撃性が改善されると共に、更にウェルド外観、ウェルド強度も改善された成形品を得ることができるポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
本発明によれば、このように実用的なポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を提供することにより、植物由来樹脂であるポリ乳酸樹脂の用途を広げ、カーボンニュートラルの理念の実践を促進して、環境負荷の低減に貢献することができる。
本発明のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品は、その優れた、耐熱性、耐衝撃性、更にはウェルド外観、ウェルド強度から、多種多様な製品の意匠面に好適である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「成形体」とは、本発明のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形して得られるものである。
また、「単位」とは、重合前の単量体化合物(モノマー)に由来する構造部分をさし、例えば、「メタクリル酸メチル単位」とは「メタクリル酸メチルに由来する構造部分」をさす。重合体中の各単量体単位の含有割合は、当該重合体の製造に用いた単量体混合物中の該単量体の含有割合に該当する。
また、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の一方又は双方をさす。
また、本発明において、ポリ乳酸樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)や、グラフト共重合体(B)のアセトン可溶分の重量平均分子量(Mw)、共重合体(C)の重量平均分子量(Mw)は、いずれも、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にてテトラヒドロフラン(THF)に溶解して測定したものをポリスチレン(PS)換算で示したものである。
また、本発明において、「樹脂成分」とは、ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)、共重合体(C−2)及び必要に応じて更に含有されてもよいその他の樹脂の合計をさす。
〔ポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物〕
本発明のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」と称す場合がある。)は、ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)を含む樹脂組成物であって、該共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位、及びマレイミド系単量体単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位を含む共重合体であることを特徴とする。
[ポリ乳酸樹脂(A)]
本発明の樹脂組成物に適用されるポリ乳酸樹脂(A)は、乳酸を直接脱水縮重合する方法、或いはラクチドを開環重合する方法等といった、公知の手段で得ることができる。
ポリ乳酸樹脂にはL体、D体、DL体の3種の光学異性体が存在し、市販されているポリ乳酸樹脂としては、L体の純度が100%に近いものがあるが、本発明で用いるポリ乳酸樹脂(A)は、結晶化という観点から、L体もしくはD体の光学純度が98%以上のものであることが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリ乳酸樹脂(A)は他の共重合成分を含んだ共重合体でも構わない。
ポリ乳酸樹脂(A)に含まれる他の共重合成分としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物;シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸;グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;カプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類などを挙げることができる。このような共重合成分の含有量は、ポリ乳酸樹脂(A)中の全単量体成分中通常30モル%以下の含有量とするのが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
ポリ乳酸樹脂(A)の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されるものではないが、重量平均分子量(Mw)としては、通常1万以上、好ましくは5万以上、さらに10万以上であることが望ましい。ポリ乳酸樹脂(A)の重量平均分子量の上限については特に制限はないが、通常市場に存在するポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は40万以下である。
なお、ポリ乳酸樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、前述の如く、GPC(溶媒THF)にて測定することができるが、ポリ乳酸樹脂がペレット状の場合、THFに溶解し難い場合があり、その場合は、クロロホルムに溶解させた後、メタノールを用いてポリマー成分を析出させ、そのポリマー成分を乾燥させたものをTHFに溶解させて可溶分の重量平均分子量(Mw)を測定することができる。また、必要に応じて加温するなどして溶解させることもできる。
上記のポリ乳酸樹脂(A)は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
このようなポリ乳酸樹脂の具体例としては、例えば、Nature Works社製「INGEO」、中国海生生物材料公司社製「レヴォダ」などが挙げられ、いずれも本発明に使用することができる。
本発明の樹脂組成物中のポリ乳酸樹脂(A)の含有割合は特に制限は無いが、ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の合計100重量部に対して、5〜40重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは7〜37重量部、さらに好ましくは10〜35重量部の範囲である。ポリ乳酸樹脂(A)の含有割合がこの範囲であると耐熱性や耐衝撃性といった物性面、カーボンニュートラル等の環境問題の点において優れることから好ましい。
[グラフト共重合体(B)]
本発明で使用するグラフト共重合体(B)は、好ましくは、ゴム質重合体に、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体等のビニル系単量体の少なくとも2種以上をグラフト重合してなる。
<ゴム質重合体>
グラフト共重合体(B)を形成するゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、スチレン/ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル/ブタジエン共重合体等のブタジエン系ゴムや、スチレン/イソプレン共重合体等の共役ジエン系ゴム;ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン/プロピレン共重合体等のオレフィン系ゴムが挙げられ、これらのうち、耐衝撃性の観点からポリブタジエン系ゴム、共役ジエン系ゴム、オレフィン系ゴム、アクリル系ゴムが好ましく、中でもポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムが好ましい。これらのゴム質重合体は1種を単独で、或いは2種以上を混合して使用することができる。
なお、これらゴム質重合体は、コア/シェル構造となっているものであってもよい。例えば、ポリブタジエンをコアにして、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルをシェルにしたゴム質重合体とすることもできる。
上記のゴム質重合体のゲル含有量は、好ましくは40〜99重量%、より好ましくは50〜95重量%で、特に好ましくは60〜85重量%である。ゲル含有量がこの範囲内であれば、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物の特性、特に、耐衝撃性を向上させることができる。
なお、ゴム質重合体のゲル含有量を測定するには、具体的には、秤量したゴム質重合体を、適当な溶剤に室温(23℃)で20時間かけて溶解させ、次いで、100メッシュ金網で分取して、金網上に残った不溶分を60℃で24時間乾燥した後秤量する。分取前のゴム質重合体に対する不溶分の割合(重量%)を求め、ゴム質重合体のゲル含有量とする。ゴム質重合体の溶解に用いる溶剤としては、例えば、ポリブタジエンではトルエンを、ポリアクリル酸ブチルではアセトンを用いると測定が行いやすい。
また、ゴム質重合体の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、0.1〜1μmが好ましく、0.2〜0.5μmであることがより好ましい。なお、ゴム質重合体の平均粒子径は、グラフト重合前であれば、光学的な方法で測定することができる。また、グラフト重合した後は、染色剤によりゴム質重合体を染色した後に透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて平均粒子径を算出することができる。
<グラフト成分>
グラフト共重合体(B)は、好ましくは上記のゴム質重合体50〜90重量%の存在下、グラフト重合可能なビニル系単量体混合物50〜10重量%をグラフト重合させて得ることができる(ただし、ゴム質重合体と単量体混合物との合計で100重量%とする。)。ここで、ゴム質重合体が上記下限値以上であると、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性が良好となり、また、上記上限値以下であると耐衝撃性の低下を防止することができる。
ゴム質重合体にグラフト重合可能なビニル系単量体成分としては、前述の通り、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体等が挙げられ、上記のビニル系単量体はそれぞれ、2種以上を選択して使用することができる。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。また、芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。メタクリル酸エステル系単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルおよびこれらの誘導体等が挙げられ、この中でも特にメタクリル酸メチルが好ましい。アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルおよびこれらの誘導体等が挙げられ、この中でも特にアクリル酸メチルが好ましい。マレイミド系単量体としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
また、これらの単量体成分には、場合により官能基により変性された単量体を含んでいてもよく、このような単量体としては例えば、不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。これらは、それぞれ1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。その使用割合は単量体成分の合計100重量%に対して30重量%以下、特に10重量%以下であることが好ましい。
グラフト共重合体(B)のゴム質重合体にグラフトするビニル系単量体成分としては、上記例示単量体のうち、特にシアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体の組み合わせと、メタクリル酸エステル系単量体およびアクリル酸エステル系単量体の組み合わせが好ましい。シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体の組み合わせとして、シアン化ビニル系単量体としてはアクリロニトリルが、芳香族ビニル系単量体としてはスチレンが、特に得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性をさらに向上させる点から好ましい。この場合、シアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体の重量組成比は、20/80〜35/65の範囲が好ましく、より好ましくは25/75〜30/70である。この範囲内であることにより、分散性が良好なものとなる。また、メタクリル酸エステル系単量体およびアクリル酸エステル系単量体の組み合わせとして、メタクリル酸エステル系単量体としてはメタクリル酸メチルが、アクリル酸エステル系単量体としてはアクリル酸メチルが、特に得られる樹脂組成物におけるポリ乳酸樹脂(A)との相溶性の観点から好ましい。この場合、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体の重量組成比は100/0〜50/50が好ましく、より好ましくは99/1〜80/20の範囲である。この範囲内であることにより、ポリ乳酸樹脂(A)との相溶性が良好なものとなる。
<アセトン可溶分の重量平均分子量(Mw)>
グラフト共重合体(B)のアセトン可溶分の重量平均分子量(Mw)は、50,000〜600,000の範囲が好ましく、より好ましくは50,000〜550,000、さらに好ましくは50,000〜450,000の範囲である。グラフト共重合体(B)のアセトン可溶分の重量平均分子量(Mw)が上記下限値以上であることにより、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性が十分なものとなり、上記上限値以下であることにより、本発明の樹脂組成物の成形性が良好となる。なお、アセトン可溶分とは、ゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合した際に生じるゴム質重合体にグラフト重合していないビニル系単量体の重合体生成物に相当するものである。
<グラフト率>
グラフト共重合体(B)のグラフト率((アセトン不溶分重量/ゴム質重合体重量−1)×100)は、15〜120重量%であることが好ましく、20〜85重量%であることがより好ましい。グラフト共重合体(B)のグラフト率が上記下限値以上であることにより、グラフト共重合体(B)の分散性、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性が良好となる。また、グラフト率が上記上限値以下であることにより、耐衝撃性が良好となる。なお、ゴム質重合体にグラフトしている共重合体は、ゴム質重合体の外部のみならず内部にオクルードした構造であっても良い。
<製造方法>
グラフト共重合体(B)を製造する際のグラフト重合は、公知の乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合により行うことができ、これらの重合方法を組み合わせた方法でもよい。
<含有割合>
グラフト共重合体(B)としては、1種のみを用いてもよく、重合方法や成分組成の異なるグラフト共重合体(B)の2種以上を混合して用いても良い。
本発明の樹脂組成物中のグラフト共重合体(B)の含有割合は、ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の合計100重量部に対して、5〜30重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは8〜28重量部、さらに好ましくは10〜25重量部の範囲である。グラフト共重合体(B)の含有割合がこの範囲であると、耐衝撃性、耐熱性の点において優れることから好ましい。上記範囲よりもグラフト共重合体(B)の割合が少ないと、十分な耐衝撃性を発現し得ず、本発明の目的を達成し得ない場合がある。一方、上記範囲よりもグラフト共重合体(B)が多いと、耐熱性が劣り、特に相溶性が悪くなり、優れた外観のポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品を得ることができなくなる場合がある。
[共重合体(C−1)]
共重合体(C−1)を形成するビニル系単量体成分は、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、及びマレイミド系単量体であり、上記単量体はそれぞれ、2種以上を選択して使用することもできる。
共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位及びマレイミド系単量体単位を含むことで、耐熱性、相溶性、特にウェルド強度、ウェルド外観を改善することができる。
共重合体(C−1)を構成するシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等が挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。また、芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミド等が挙げられ、これらのうち、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドが好ましく、特にN−フェニルマレイミドが好ましい。
共重合体(C−1)におけるシアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、及びマレイミド系単量体の組み合わせとして、シアン化ビニル系単量体としてはアクリロニトリルが、芳香族ビニル系単量体としてはスチレン、α−メチルスチレンが、マレイミド系単量体としてはN−フェニルマレイミドが、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐熱性、相溶性をさらに向上させる点から好ましい。さらにシアン化ビニル系単量体としてはアクリロニトリルが、芳香族ビニル系単量体としてはスチレンが、マレイミド系単量体としてはN−フェニルマレイミドが、特に得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐熱性、特に相溶性に付随する引張り呼び歪をさらに向上させる点から好ましい。
共重合体(C−1)に含まれる各単量体単位の含有割合は、シアン化ビニル系単量体単位と芳香族ビニル系単量体単位とマレイミド系単量体単位の合計100重量部に対して、シアン化ビニル系単量体単位が20〜40重量部、芳香族ビニル単量体単位が25〜45重量部、マレイミド系単量体単位が25〜45重量部の範囲が好ましい。各単量体単位の含有割合が上記範囲内であることにより、耐熱性、特にウェルド強度、ウェルド外観が良好なものとなる。
共重合体(C−1)は、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位、及びマレイミド系単量体単位以外の他のビニル系単量体単位、例えば(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含んでいてもよいが、シアン化ビニル系単量体単位と芳香族ビニル系単量体単位とマレイミド系単量体単位とで構成される共重合体(C−1)の上記効果を有効に得る上で、共重合体(C−1)中の他のビニル系単量体単位の割合は、30重量%以下であることが好ましく、特に0〜25重量%、とりわけ0〜20重量%で、含まないことが好ましい。
共重合体(C−1)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30,000〜300,000の範囲であり、さらに好ましくは50,000〜250,000の範囲である。共重合体(C−1)の重量平均分子量がこの範囲よりも低い場合には、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性が不足し、また、この範囲を超えた場合には、成形加工性が低下するおそれがある。
共重合体(C−1)の製造方法に特に制限はなく、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、及び溶液重合法などにより得ることができる。
共重合体(C−1)は、1種のみを用いてもよく、ビニル系単量体組成や物性等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物中の共重合体(C−1)の含有割合は、ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の合計100重量部に対して、5〜40重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは7〜37重量部、さらに好ましくは10〜35重量部の範囲である。共重合体(C−1)の含有割合がこの範囲であると、耐衝撃性、耐熱性、特にウェルド強度、ウェルド外観の点において優れることから好ましい。上記範囲よりも、共重合体(C−1)の含有割合が少ないと、十分な耐熱性とウェルド強度、ウェルド外観を発現し得ず、本発明の目的を達成し得ない場合がある。一方、上記範囲よりも共重合体(C−1)の含有割合が多いと、耐衝撃性が劣り、特にウェルド強度、ウェルド外観に優れたポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品を得ることができない場合がある。
[共重合体(C−2)]
共重合体(C−2)を形成するビニル系単量体成分は、メタクリル酸メチルを少なくとも必須の成分とし、その他、芳香族ビニル系単量体、マレイミド系単量体、メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体が含まれていてもよい。上記単量体はそれぞれ、2種以上を選択して使用することができる。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。メタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルおよびこれらの誘導体等のメタクリル酸エステル系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルおよびこれらの誘導体等のアクリル酸エステル系単量体が挙げられる。また、マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミド等が挙げられ、これらのうち、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドが好ましく、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
これらのうち、共重合体(C−2)は、メタクリル酸メチル単位、マレイミド系単量体単位及び芳香族ビニル系単量体単位を含むことが、耐熱性、特にポリ乳酸樹脂(A)とグラフト共重合体(B)と共重合体(C−1)との相溶性を向上させ、それに付随するウェルド強度、ウェルド外観を改善する観点から好ましい。
共重合体(C−2)に含まれる各単量体単位の含有割合は、メタクリル酸メチル単位とマレイミド系単量体単位と芳香族ビニル系単量体単位の合計100重量部に対して、メタクリル酸メチル単位が70〜90重量部、芳香族ビニル単量体単位が2〜10重量部、マレイミド系単量体単位が8〜25重量部の範囲が好ましい。各単量体単位の含有割合が上記範囲内であることにより、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐熱性が向上し、特に共重合体(C−2)を配合することによって相溶性が高まり引張り呼び歪が向上することで、製品の破壊時、破断部の形状が脆性破壊によるシャープエッジを防止する効果を有効に得ることができる。
共重合体(C−2)は、メタクリル酸メチル単位、芳香族ビニル系単量体単位、及びマレイミド系単量体単位以外の他のビニル系単量体単位、例えばシアン化ビニル系単量体単位やメタクリル酸メチル以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位を含んでいてもよいが、メタクリル酸メチル単位と芳香族ビニル系単量体単位とマレイミド系単量体単位とで構成される共重合体(C−2)の上記効果を有効に得る上で、共重合体(C−2)中の他のビニル系単量体単位の割合は、20重量%以下であることが好ましく、特に0〜18重量%、とりわけ0〜15重量%で、含まないことが好ましい。
共重合体(C−2)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30,000〜300,000の範囲であり、さらに好ましくは50,000〜250,000の範囲である。共重合体(C−2)の重量平均分子量がこの範囲よりも低い場合には、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性が不足し、また、この範囲を超えた場合には、成形加工性が低下するおそれがある。
共重合体(C−2)の製造方法に特に制限はなく、公知の乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、及び溶液重合法などにより得ることができる。
共重合体(C−2)は、1種のみを用いてもよく、ビニル系単量体組成や物性等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物中の共重合体(C−2)の含有割合は、ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の合計100重量部に対して、5〜40重量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは7〜37重量部、さらに好ましくは10〜35重量部の範囲である。共重合体(C−2)の含有割合が上記範囲であると、得られるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性や耐熱性の向上、特にポリ乳酸(A)とグラフト共重合体(B)と共重合体(C−1)との相溶性を向上させ、それに付随するウェルド強度、ウェルド外観を向上させる観点から好ましい。上記範囲よりも共重合体(C−2)の含有配合が少ないと、耐衝撃性や、ポリ乳酸(A)とグラフト共重合体(B)と共重合体(C−1)との相溶性が悪くなり、それに付随するウェルド強度、ウェルド外観の向上効果が発現し得ず、本発明の目的を達成し得ない場合がある。逆に、上記範囲よりも共重合体(C−2)の含有配合が多いと、耐熱性、特に耐衝撃性の向上効果が発現し得ず、本発明の目的を達成し得ない場合がある。
[共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有量比]
本発明の樹脂組成物に含まれる共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有量比は、重量比で共重合体(C−1)/共重合体(C−2)=10/90〜90/10であり、特に15/85〜85/15、とりわけ20/80〜80/20であることが好ましい。共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有重量比が上記範囲内であると、特に、ポリ乳酸(A)とグラフト共重合体(B)と共重合体(C−1)との相溶性を向上させ、それに付随するウェルド強度、ウェルド外観を向上させ、且つ相溶性が高まり引張り呼び歪が向上することで、製品の破壊時、破断部の形状が脆性破壊によるシャープエッジを防止する効果を得ることができ、好ましい。共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有重量比が上記範囲を外れると、ポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の耐衝撃性が劣るものとなり、また、引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観の向上効果も得られない場合がある。
[その他の成分]
本発明の樹脂組成物には、上記ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の他、更に各種の添加剤やその他の樹脂を配合することができる。この場合、各種添加剤としては、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、安定剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤(顔料、染料など)、難燃剤(ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン化合物など)、ドリップ防止剤、抗菌剤、防カビ剤、カップリング剤、耐加水分解防止剤などの1種または2種以上が挙げられる。
また、その他の樹脂としては、HIPS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらを2種類以上ブレンドしたものでも良く、さらに、相溶化剤や官能基などにより変性された上記樹脂を配合してもよい。
ただし、本発明の樹脂組成物が上述のその他の樹脂を含む場合、上述のその他の樹脂は、樹脂成分100重量部に対して50重量部以下、特に30重量部以下であることが、ポリ乳酸樹脂(A)の有効利用、グラフト共重合体(B)及び共重合体(C−1)、(C−2)による特性改善の面で好ましい。
[ポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物の製造及び成形]
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)、及び共重合体(C−2)と、必要に応じて配合されるその他の添加剤等を、公知の装置を使用した公知の方法で混合することにより製造することができる。
本発明の樹脂組成物をペレット化する方法としては、特に制限はなく、例えば、二軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロール等を用いることができるが、中でも二軸押出機による溶融混練が好ましく、必要に応じて、サイドフィードなどにより樹脂やその他の添加剤を配合することもできる。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、シート成形、真空成形などの通常の成形方法によって、各種成形品に成形することができるが、その成形法としては特に射出成形が好適である。
なお、本発明の樹脂組成物の各成分を調製する際、或いはこれらの成分を混合、混練、成形する際などに発生する樹脂屑等は、そのままの状態もしくは、場合によって破砕して溶融再生処理に供することができる。この場合、成形中に回収することも可能であるが、別途回収しておいて、上述のペレットの製造工程において、原料として混合使用することも可能である。
〔成形品〕
本発明の樹脂組成物を成形してなる本発明のポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品の用途としては特に制限はないが、その優れた耐熱性、耐衝撃性、ウェルド強度、及びウェルド外観から、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電のハウジング部材やOA機器内部部品、自動車関連では、スイッチ部分や振動する機器、車両カーオディオの嵌合部分などに好適に用いることができる。
以下に、合成例、実施例、参考例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら制限されるものではない。
なお、以下において、「部」は「重量部」を意味するものとする。
重量平均分子量は、東ソー(株)製:GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー、溶媒;THF)を用いた標準PS(ポリスチレン)換算法にて測定した。
ゴム質重合体の平均粒子径は、日機装(株)製:Microtrac Model:9230UPAを用いて動的光散乱法により求めた。
単量体の重量組成比率は、(株)堀場製作所製:FT−IRを使用して求めた。
[ポリ乳酸樹脂(A)]
ポリ乳酸樹脂(A):ポリ乳酸樹脂(L体/D体=98/2(重量比)、
重量平均分子量(Mw)=140,000、融点=171℃)
[グラフト共重合体(B)]
<合成例1:グラフト共重合体(B−1)の製造>
以下の配合にて、乳化重合法によりゴム含有グラフト共重合体を合成した。
〔配合〕
スチレン(ST) 25部
アクリロニトリル(AN) 10部
ポリブタジエンラテックス 65部(固形分として)
不均化ロジン酸カリウム 1部
水酸化カリウム 0.03部
ターシャリードデシルメルカプタン(t−DM) 0.04部
クメンハイドロパーオキサイド 0.3部
硫酸第一鉄 0.007部
ピロリン酸ナトリウム 0.1部
結晶ブドウ糖 0.3部
蒸留水 190部
オートクレーブに蒸留水、不均化ロジン酸カリウム、水酸化カリウムおよびポリブタジエンラテックス(ゲル含有量80重量%、平均粒子径0.3μm)を仕込み、60℃に加熱後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム、結晶ブドウ糖を添加し、60℃に保持したままST、AN、t−DMおよびクメンハイドロパーオキサイドを2時間かけて連続添加し、その後70℃に昇温して1時間保って反応を完結した。かかる反応によって得たABSラテックスに酸化防止剤を添加し、その後硫酸により凝固させ、十分水洗後、乾燥してABSグラフト共重合体(B−1)を得た。
<合成例2:グラフト共重合体(B−2)の製造>
合成例1の原料配合において、ゴム質重合体としてポリアクリル酸ブチル(ゲル含有量65重量%、平均粒子径0.34μm)60部(固形分として)を用い、単量体としてメタクリル酸メチル(MMA)36部、アクリル酸メチル(MA)4部を反応させたこと以外は、合成例1と同様にグラフト重合を行いグラフト共重合体(B−2)を得た。
合成例1,2で製造したゴム含有グラフト共重合体(B−1)、(B−2)のゴム含有量、単量体の重量組成比率、グラフト率、およびアセトン可溶分の重量平均分子量を測定したところ、以下の通りであった。
グラフト共重合体(B−1):ゴム含有量=66.2重量%
AN/ST=28/72
グラフト率=40重量%
重量平均分子量(Mw)=154,000
グラフト共重合体(B−2):ゴム含有量=62.3重量%
MMA/MA=90/10
グラフト率=35重量%
重量平均分子量(Mw)=70,000
[共重合体(C−1)]
<合成例3:共重合体(C−1−1)の製造>
以下のように、懸濁重合法により共重合体を合成した。
窒素置換した反応器に水120部、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール0.5部、アゾイソブチルニトリル0.3部、t−DM0.5部と、アクリロニトリル28部、スチレン26部、α−メチルスチレン10部、N−フェニルマレイミド36部からなる単量体混合物を使用し、スチレンの一部を逐次添加しながら開始温度60℃から5時間昇温加熱後、120℃に到達させた。更に、120℃で4時間反応させた後、重合物を取り出し、共重合体(C−1−1)を得た。
<合成例4:共重合体(C−1−2)の製造>
以下のように、懸濁重合法により共重合体を合成した。
窒素置換した反応器に水120部、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール0.5部、アゾイソブチルニトリル0.3部、t−DM0.5部と、アクリロニトリル14部、スチレン55部、N−フェニルマレイミド31部からなる単量体混合物を使用し、スチレンの一部を逐次添加しながら開始温度60℃から5時間昇温加熱後、120℃に到達させた。更に、120℃で4時間反応させた後、重合物を取り出し、共重合体(C−1−2)を得た。
合成例3,4で製造した共重合体(C−1−1),(C−1−2)の単量体の重量組成比率、および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、以下の通りであった。
共重合体(C−1−1):AN/ST/α−メチルスチレン/N−フェニルマレイミド
=28/26/10/36
重量平均分子量(Mw)=120,000
共重合体(C−1−2):AN/ST/N−フェニルマレイミド=14/55/31
重量平均分子量(Mw)=170,000
[共重合体(C−2)]
<合成例5:共重合体(C−2−1)の製造>
撹拌機付きステンレス重合槽にイオン交換水150部、メタクリル酸メチル75部、N−フェニルマレイミド18部、α−メチルスチレン7部、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.2部、n−オクチルメルカプタン0.25部、ポリビニルアルコール0.7部を仕込んだ。重合槽の内温を75℃にして3時間反応させ、90℃まで昇温し1時間反応させた。内容物を抜き出し、遠心脱水機で洗浄し、乾燥させて粉状の共重合体(C−2−1)を得た。
この共重合体(C−2−1)の単量体の重量組成比率、および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、以下の通りであった。
共重合体(C−2−1):メタクリル酸メチル/N−フェニルマレイミド
/α−メチルスチレン=75/18/7
重量平均分子量(Mw)=130,000
その他、下記原料を使用した。
共重合体(C−2−2):(株)日本触媒製「ポリイミレックスPML203」
メタクリル酸メチル/スチレン/N−フェニルマレイミド共重合体
重量平均分子量(Mw)=200,000
共重合体(X):三菱ケミカル(株)製「アクリペットVH」
メタクリル系樹脂
重量平均分子量(Mw)=150,000
[ポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物ペレットの製造および評価]
上記の各成分を表1〜3に示す配合割合で混合し、200〜240℃で2軸押出機(日本製鋼所製「TEX−30α」)にて溶融混合し、ペレット化することにより、ポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物のペレットを作製した。
これらの樹脂ペレットを用いて2オンス射出成形機(東芝(株)製)で200〜250℃にて各種試験片を成形し、耐衝撃性、耐熱性、引張り呼び歪を下記方法で測定した。
耐衝撃性:シャルピー衝撃値(KJ/m):ISO 179−1(ノッチ有り、23℃)に準拠して行い、合格:10KJ/m以上、不合格:10KJ/m未満とした。
耐熱性:荷重たわみ温度(℃):ISO 75(測定荷重0.45MPa)に準拠して行い、合格:90℃以上、不合格:90℃未満とした。
相溶性:引張り呼び歪(%):ISO 527に準拠して行った。引張り呼び歪が大きいことは組成物同士の界面が高く、相溶性に優れることを示し、合格:10%以上、不合格10%未満とした。
本発明では、上記耐衝撃性、耐熱性、引張り呼び歪の測定のすべてにおいて合格することを必須とする。
また、以下の方法でウェルド強度保持率とウェルド外観を評価した。
ウェルド強度保持率(%):島津製作所製オートグラフ引張り試験機を用いて、ウェルド無し試験片に対しするウェルド有り試験片の引張り降伏強度保持率(%)を算出した。尚、試験はASTMD638に準拠して行い、合格:保持率90%以上、不合格:保持率90%未満とした。
ウェルド外観:成形品のウェルド部を目視観察し、以下の評価基準で判定した。
<評価基準>
○:成形品のウェルド部が目立たたず、商品とした場合に実用性があると判断できる
×:成形品のウェルド部がくっきり目立ち、商品価値が劣る
[実施例および比較例]
表1〜3に、実施例1〜18および比較例1〜7の結果を示した。
Figure 2019019235
Figure 2019019235
Figure 2019019235
[考察]
表1〜2から次のことが分かる。
本発明の請求項の要件を満たす実施例1〜18のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物により、耐衝撃性、耐熱性、更には相溶性向上による、引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観に優れる成形品を得ることができる。
表3から次のことが分かる。
ポリ乳酸樹脂(A)を含まず共重合体(X)を使用した一般的なABS樹脂である比較例1は、耐熱性が低く、ウェルド強度、ウェルド外観において劣る。ポリ乳酸樹脂(A)のみの比較例2は耐衝撃性、耐熱性が著しく低く、引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観において劣る。比較例3は共重合体(C−1)を含まないことから耐衝撃性、耐熱性が低く、引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観が劣る。比較例4,5、は、共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の一方のみを含み、他方を含まないため、耐衝撃性や、引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観が劣る。比較例6,7は、共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の比率が10/90〜90/10の範囲外であるため、やはり耐衝撃性や相溶性に起因する引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観が低い。
本発明のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物は、植物由来成分を配合しなおかつ耐衝撃性、耐熱性に優れ、また相溶性を高めたことにより引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観にも優れるため、得られる成形品の表面外観も優れたものとすることができる。本発明のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品は、例えば、ABS樹脂やPS樹脂等で屋内に使用される製品全般に幅広く使用することができ、市場のニーズに合わせて多彩な用途に使用することができ、その工業的有用性は非常に高い上、環境負荷の低減にも有効である。
[1] ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)を含む樹脂組成物であって、該共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位、及びマレイミド系単量体単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有重量比が、共重合体(C−1)/共重合体(C−2)=10/90〜90/10であるポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物であって、前記共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位及びマレイミド系単量体単位の合計100重量部に対して、シアン化ビニル系単量体単位を20〜40重量部、芳香族ビニル系単量体単位を25〜45重量部、マレイミド系単量体単位を25〜45重量部含む、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000の共重合体であり、前記共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位、マレイミド系単量体単位及び芳香族ビニル系単量体単位の合計100重量部に対して、メタクリル酸メチル単位を70〜90重量部、マレイミド系単量体単位を8〜25重量部、芳香族ビニル系単量体単位を2〜10重量部含む、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000の共重合体であること特徴とするポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
] 前記ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の合計100重量部に対して、ポリ乳酸樹脂(A)の含有量が5〜40重量部、グラフト共重合体(B)の含有量が5〜30重量部、共重合体(C−1)の含有量が5〜40重量部、共重合体(C−2)の含有量が5〜40重量部であることを特徴とする[1]に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
] 前記グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体50〜90重量%にビニル系単量体混合物50〜10重量%をグラフト重合してなり(ただし、ゴム質重合体とビニル系単量体混合物との合計で100重量%)、該ゴム質重合体が、ゲル含有量40〜99重量%、平均粒子径0.1〜1μmのポリブタジエン系ゴム又はアクリル系ゴムであり、該ビニル系単量体混合物が、シアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体を含む混合物であるか、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体を含む混合物であり、該グラフト共重合体(B)のグラフト率が15〜120重量%、アセトン可溶分の重量平均分子量(Mw)が50,000〜600,000であることを特徴とする[1]又は2]に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
] [1]ないし[]のいずれかに記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形してなるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品。
[実施例、参考例および比較例]
表1〜3に、実施例1〜3,5〜18、参考例4および比較例1〜7の結果を示した。
Figure 2019019235
[考察]
表1〜2から次のことが分かる。
本発明の請求項の要件を満たす実施例1〜3,5〜18のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物により、耐衝撃性、耐熱性、更には相溶性向上による、引張り呼び歪、ウェルド強度、ウェルド外観に優れる成形品を得ることができる。

Claims (6)

  1. ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)を含む樹脂組成物であって、該共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位、及びマレイミド系単量体単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位を含む共重合体であり、該共重合体(C−1)と共重合体(C−2)の含有重量比が、共重合体(C−1)/共重合体(C−2)=10/90〜90/10であること特徴とするポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位、マレイミド系単量体単位、及び芳香族ビニル系単量体単位を含む共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記ポリ乳酸樹脂(A)、グラフト共重合体(B)、共重合体(C−1)及び共重合体(C−2)の合計100重量部に対して、ポリ乳酸樹脂(A)の含有量が5〜40重量部、グラフト共重合体(B)の含有量が5〜30重量部、共重合体(C−1)の含有量が5〜40重量部、共重合体(C−2)の含有量が5〜40重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記グラフト共重合体(B)が、ゴム質重合体50〜90重量%にビニル系単量体混合物50〜10重量%をグラフト重合してなり(ただし、ゴム質重合体とビニル系単量体混合物との合計で100重量%)、該ゴム質重合体が、ゲル含有量40〜99重量%、平均粒子径0.1〜1μmのポリブタジエン系ゴム又はアクリル系ゴムであり、該ビニル系単量体混合物が、シアン化ビニル系単量体と芳香族ビニル系単量体を含む混合物であるか、メタクリル酸エステル系単量体とアクリル酸エステル系単量体を含む混合物であり、該グラフト共重合体(B)のグラフト率が15〜120重量%、アセトン可溶分の重量平均分子量(Mw)が50,000〜600,000であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記共重合体(C−1)が、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位及びマレイミド系単量体単位の合計100重量部に対して、シアン化ビニル系単量体単位を20〜40重量部、芳香族ビニル系単量体単位を25〜45重量部、マレイミド系単量体単位を25〜45重量部含む、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000の共重合体であり、前記共重合体(C−2)が、メタクリル酸メチル単位、マレイミド系単量体単位及び芳香族ビニル系単量体単位の合計100重量部に対して、メタクリル酸メチル単位を70〜90重量部、マレイミド系単量体単位を8〜25重量部、芳香族ビニル系単量体単位を2〜10重量部含む、重量平均分子量(Mw)が30,000〜300,000の共重合体である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のポリ乳酸系熱可塑性樹脂組成物を成形してなるポリ乳酸系熱可塑性樹脂成形品。
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