JP2019019016A - 次亜塩素酸ナトリウム水溶液、及びこれを得るための次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶、並びに次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法 - Google Patents

次亜塩素酸ナトリウム水溶液、及びこれを得るための次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶、並びに次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法 Download PDF

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英夫 嶋津
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Abstract

【課題】高濃度であっても保存安定性に優れた次亜塩素酸ナトリウム水溶液及びその製造方法を提供する。【解決手段】次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%、塩化ナトリウム濃度が0.20質量%未満、及び鉄濃度が0.20質量ppm以下であることを同時に満足する次亜塩素酸ナトリウム水溶液、及びその製造方法である。【選択図】なし

Description

この本発明は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、及びこれを得るための次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶、並びに次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法に関するものであり、より詳しくは、次亜塩素酸ナトリウム濃度が比較的高い場合であっても、保存安定性に優れる次亜塩素酸ナトリウム水溶液、及びその製造方法に関する。
次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は、優れた殺菌作用や漂白作用を有することが知られており、プール、上・下水道および家庭用等の殺菌用途や、製紙・繊維工業等における漂白用途や、更には化学反応の酸化剤の用途としても広く用いられている。このような次亜塩素酸ナトリウムとしては、一般的には次亜塩素酸ナトリウム濃度1〜13質量%の水溶液として市販されており、特に、反応副生物である塩化ナトリウム(NaCl)を約10質量%程度含有する次亜塩素酸ナトリウム濃度13質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が一般的である。
近年、水道水のより高度な安全性と味の追求や、化学反応の酸化剤として使用する場合の副反応抑制及び容積効率の向上や、更には輸送効率の向上や長期間の保管などの為に、次亜塩素酸ナトリウム濃度が高く、尚且つ保存安定性にも優れる固体の次亜塩素酸ナトリウム5水和物が開発されてきているものの、工業的に使用する観点では、反応槽への投入が容易な液体であることが望ましく、また、次亜塩素酸ナトリウム5水和物の溶解熱が吸熱であって工業規模で高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を作成する際に手間と時間が必要となり、この点からも投入の容易な液体であることが望ましい。
そのため、次亜塩素酸ナトリウム濃度がより高く(高濃度)、不純物も少なく(高純度)、尚且つ安定性にも優れる次亜塩素酸ナトリウム水溶液が求められているが、一般的に、次亜塩素酸ナトリウムは高濃度になるに従って不均化反応で分解が進み、高温、酸性条件又は光照射下、さらには、不純物(塩、金属など)との接触などによっても分解が進み易く、易分解性であることから、高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液が得られていなかった。特に、塩化ナトリウムは、水道水の味に影響を与えるだけでなく、保存安定性にも影響を及ぼすことが知られており(非特許文献1の386頁を参照。)、塩化ナトリウムを低減しながら、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液や5水和物結晶を得る方法が開発されてきた。
例えば、特許文献1は、低食塩次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造する方法を教えるものであり、水酸化ナトリウム濃度が48質量%以上の水酸化ナトリウム水溶液と塩素とを反応させて、この反応により析出した塩化ナトリウムを固液分離して、有効塩素濃度38質量%以上、塩化ナトリウム3質量%以下の高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得ることが記載されている。また、特許文献2は、低塩素酸の次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造する方法を教えるものであり、濃度34〜38重量%の水酸化ナトリウムと塩素ガスとを反応させて有効塩素濃度が26.5〜29重量%の高濃度次亜塩素酸ソーダ水溶液を得たのちに、析出した食塩を分離しながら、これを水で希釈して有効塩素濃度が12重量%以上で食塩濃度が4重量%以下、かつ塩素酸濃度が0.2mg/L以下の次亜塩素酸ソーダ水溶液を得ることが記載されている。これら特許文献1及び2の方法によれば、低食塩の次亜塩素酸ソーダ水溶液が得られるとはしているものの、次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%の高濃度の場合では、依然として、食塩が数質量%含まれており、十分に低下できているとは言えない。また、保存安定性についてはむしろ分解速度が上昇してしまっている(特許文献2の段落[0021]などを参照。)
一方で、次亜塩素酸ナトリウム5水和物を製造する工程を経て次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る方法も開示されている。例えば、特許文献3は、次亜塩素酸ソーダ5水和物及びそれを水で希釈して次亜塩素酸ソーダ水溶液を製造する方法を教えるものであり、その具体例として、45質量%の水酸化ナトリウム水溶液と塩素を反応させ、この反応により析出した塩化ナトリウムを固液分離して、有効塩素濃度30.8質量%、塩化ナトリウム5.4質量%の高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得たのちに、これを種結晶の存在下において晶析して次亜塩素酸ソーダ5水和物の結晶を得て、さらに、これを水で希釈して有効塩素濃度13重量%、塩化ナトリウム濃度0.2重量%の水溶液として得る方法が記載されている。しかしながら、この特許文献3の方法においても、塩化ナトリウムが0.6質量%程度残存した次亜塩素酸ナトリウム5水和物しか得られていない。これを高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液にする場合、塩化ナトリウム濃度が高い水溶液しか得ることができておらず、保存安定性が良いながらも高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る見込みは得られていなかった。
他方、上記特許文献1〜3と同じ技術分野において、塩素酸濃度が低く水酸化ナトリウム濃度を高めた保存安定性が良い次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を製造する技術(特許文献4)や、或いは、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶と次亜塩素酸ナトリウムで飽和した母液とを含む組成物(スラリー)を用いて貯蔵及び輸送する技術(特許文献5)が新たに検討されてきている。しかし、これら特許文献4及び5においては、いずれも塩化ナトリウム等の不純物の観点では未だ改善が成されているとは言えず、これら不純物が多い次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶やスラリーを教えているだけであって、これらの新しい技術を参酌しても、保存安定性が良いながらも高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る見込みは得られていなかった。
特開平6−345411号公報 特開2009−132583号公報 特開2000−290003号公報 特開2014−169215号公報 特開2015−533775号公報
ソーダ技術ハンドブック2009
前記したように、従来から高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液それ自体を得る提案はあったものの、不純物、特に、塩化ナトリウムをより一層低下させることによって、保存安定性の高い次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得るといった課題は認識されておらず、その検討もされていなかった。そこで、本願の発明者らは、高濃度であってしかも保存安定性が良い次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得るために鋭意検討した結果、次亜塩素酸ナトリウム5水和物を得る際の晶析条件をより精緻にすること、すなわち、晶析工程に供する高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の組成及び冷却温度(晶析温度)を精緻に制御することにより、塩化ナトリウム等の不純物の濃度を極めて顕著に低下させた次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を得ることに成功した。そして、これにより得られる高純度の次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を水に溶解させて得た次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%と高濃度とした場合でも、塩化ナトリウムや金属不純物などの濃度を極めて顕著に低下させることができると共に、それと同時に、高濃度であっても保存安定性が極めて高いことを知見して、本発明を完成させた。
従って、本発明の目的は、製造工程の抜本的な改良などを行うことなく、次亜塩素酸ナトリウム濃度が高いながらも保存安定性の高い次亜塩素酸ナトリウム水溶液及びそれを得るための次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶、並びに前記次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
〔1〕次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%、塩化ナトリウム濃度が0.20質量%未満、及び鉄濃度が0.20質量ppm以下であることを同時に満足することを特徴とする次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
〔2〕さらに、水酸化ナトリウムの濃度が0.10質量%以下であることを特徴とする〔1〕に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得るための次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶であって、下記(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とする次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶。
(1)塩化ナトリウムの含有量が0.40質量%以下であること。
(2)鉄の含有量が0.40質量ppm以下であること。
(3)水酸化ナトリウムの含有量が0.20質量%以下であること。
(4)次亜塩素酸ナトリウムの含有量が43質量%以上であること。
〔4〕長軸方向の長さ(a)が0.55〜1.00mm、短軸方向の長さ(b)が0.30〜0.45mmであり、これらの長さから求められるアスペクト比(a/b)が、1〜3であることを特徴とする〔3〕に記載の次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶。
〔5〕 〔1〕又は〔2〕に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を製造する方法であって、
(i)反応温度を10〜30℃に維持しながら、38〜65質量%の水酸化ナトリウム水溶液と塩素ガスとを反応させる第1の工程と、
(ii)前記第1の工程において析出した塩化ナトリウム結晶を分離除去しながら、次亜塩素酸ナトリウム濃度が30〜34質量%、塩化ナトリウム濃度が4〜6質量%及び水酸化ナトリウム濃度が1〜3質量%の高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を回収する第2の工程と、
(iii)前記回収した高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、次亜塩素酸ナトリウム5水和物の種結晶の存在下に冷却温度17〜19℃まで冷却して、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を析出させる第3の工程と、
(iv)固液分離して、前記析出した次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を回収する第4の工程と、
(V)回収した次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を水に溶解させて、次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る第5の工程とを備えることを特徴とする次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法。
〔6〕前記第2の工程における高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液として、次亜塩素酸ナトリウム濃度が32〜33質量%の高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を回収し、これを第3の工程で用いることを特徴とする〔5〕に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法。
本発明によれば、次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%の高濃度かつ塩化ナトリウム濃度が0.20質量%未満の高純度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得ることが可能となる。この次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、従来技術の方法で得た同等濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液と比べて、常温(20〜30℃)での安定性が向上したものとなる。これにより、高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、より安定に輸送及び保管することが可能となるため好ましい。
図1は、実施例1並びに比較例1及び2に係る15質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、それぞれ20℃で保存した安定性試験の結果を示したものである。 図2は、実施例1並びに比較例1及び2に係る15質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、それぞれ30℃で保存した安定性試験の結果を示したものである。 図3は、実施例2並びに比較例3及び4に係る20質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、それぞれ20℃で保存した安定性試験の結果を示したものである。 図4は、実施例2並びに比較例3及び4に係る20質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、それぞれ30℃で保存した安定性試験の結果を示したものである。 図5は、実施例3並びに比較例5及び7に係る30質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、それぞれ20℃で保存した安定性試験の結果を示したものである。 図6は、実施例3並びに比較例6及び7に係る30質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、それぞれ30℃で保存した安定性試験の結果を示したものである。 図7は、NaOCl-NaCl-H2Oの3成分系の相図を示すグラフである。 図8は、図7の一部分を拡大したグラフである。 図9は、図7の一部分を拡大したグラフである。
以下、本発明に係る次亜塩素酸ナトリウム水溶液及び次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶と、それらの製造方法について以下で詳細に説明する。
本発明の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法は、少なくとも以下の5つの工程からなる。すなわち、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液に塩素を導入して塩素化を行う塩素化工程(第1の工程)と、第1の工程で析出した塩化ナトリウムを分離除去しながら、次亜塩素酸ナトリウムを高濃度で含む所定の組成の水溶液を回収する工程(第2の工程)と、第2の工程で回収した次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、種晶の存在下において冷却して、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を析出させる晶析工程(第3の工程)と、第3の工程で析出した次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を固液分離して回収する工程(第4の工程)と、第4の工程で回収した次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を水に溶解して、次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%に調整された次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る工程(第5工程)とを含む。以下、各工程について詳しく説明する。
なお、本明細書において、「有効塩素濃度」とは次亜塩素酸ナトリウムを塩素原子に換算した量(単位:質量%)の事を指す。
<第1の工程(塩素化工程)>
当該第1の工程(塩素化工程)は常法に従って行う。この第1の工程では、以下の式(A)の通り、水酸化ナトリウム水溶液と塩素ガスとを反応させて、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る。
2NaOH+Cl→NaOCl+NaCl+HO ・・・(A)
この第1の工程については、バッチ処理でも連続処理で行っても構わないが、塩化ナトリウムの粒子を粗大化させ、かつ生産性を高めるためには連続的に水酸化ナトリウムに塩素を供給する連続処理とすることが望ましい。その反応槽は、単槽でも構わないが、水酸化ナトリウム水溶液と塩素との接触による局所的な発熱により、生成した次亜塩素酸ナトリウムが分解して塩化ナトリウム等が生成することを防ぐため、2槽、3槽等の複数槽を連結した連続槽型反応器を用いて、塩素をそれぞれの反応槽へ分割して供給して反応させることが望ましい。また、塩素ガスはそのまま反応に供給しても良く、また、窒素や空気で希釈して供給することにより、局所的な発熱を抑え、不均化反応に伴う塩化ナトリウム等の生成を抑制することができるため好ましい。
また、原料の水酸化ナトリウム水溶液は濃度38〜65質量%、好ましくは40〜48質量%のものを用い、反応温度は、10〜30℃、好ましくは、20〜30℃とする。この範囲であれば、不均化反応に伴う塩化ナトリウム等の生成を抑制することができ、後工程の不純物量の低減や収率向上に繋がるため好ましい。この第1の工程では、残存水酸化ナトリウム濃度が1.0〜2.0質量%に成るまで塩素化を進める。仕上がった液は過飽和分の塩化ナトリウムが析出したスラリー液であり、液は、次亜塩素酸ナトリウム濃度が23〜27質量%、塩化ナトリウム濃度が22〜27質量%の組成を有する。
<第2の工程(塩化ナトリウム分離工程)>
この第2の工程(塩化ナトリウム分離工程)では、第1の工程で塩素化が終了した液から、過飽和により析出した塩化ナトリウムを固液分離して、塩化ナトリウムが低減された高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を回収する。固液分離の方法は、特に限定されないが、例えば、バスケット型遠心濾過機や押出し型の遠心濾過機や、フィルタープレスなどの加圧型濾過機等によって行われることが好ましい。得られた濾液は固形の塩化ナトリウムを含まない、次亜塩素酸ナトリウム濃度を30〜34質量%、塩化ナトリウム濃度が4〜6質量%、及び水酸化ナトリウム濃度を1〜3質量%となるように調整される必要があり、これを、次の第3の工程(晶析工程)で用いる。このような水溶液組成にする理由については、後述する。
<第3の工程(晶析工程)>
この第3の工程(晶析工程)では、第2の工程で回収した次亜塩素酸ナトリウム水溶液を晶析装置に導入して晶析を行う。晶析操作に用いる装置は、特に限定されず公知の方法によるものを用いることができるが、工程時間を短縮する観点から、冷却器と晶析器とが一体化した晶析器を用いることが好ましい。そして、本発明においては、この晶析条件をより厳密に制御することにより、析出させる次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶に含まれる塩化ナトリウムを大幅に減少できることを、後述する[実験例1]から見出しており、その検証によれば、この第3の工程で用いる次亜塩素酸ナトリウム水溶液において、その次亜塩素酸ナトリウム濃度を30〜34質量%、好ましくは、31〜34質量%、より好ましくは32〜33質量%とし、また、その塩化ナトリウム濃度を4〜6質量%、好ましくは、4.5〜5.5質量%とし、さらに、水酸化ナトリウム濃度を1〜3質量%、好ましくは、1〜2質量%となるように厳密に調整すると共に、それを冷却温度17〜19℃、好ましくは17.5〜18.5℃の極めて狭い範囲の液組成及び温度領域として冷却することにより、得られる次亜塩素酸ナトリウム5水和物に共晶する塩化ナトリウムを顕著に減少させることができることを新たに見出したものである。なお、この第3工程に供する次亜塩素酸ナトリウム水溶液には、水が57〜65質量%程度、より詳細には、60〜64質量%含まれることが好ましい。
このような次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の晶析において、共晶する塩化ナトリウム分を低減しながら、純度の高い次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を得る原理については、従来技術でも検証されており、例えば、前記した特許文献3(特開2000−290003号公報)においては次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)と塩化ナトリウム(NaCl)と水(H2O)との3成分系に見立てた相図を用いた検証の下、晶析工程に用いる次亜塩素酸ナトリウム水溶液の次亜塩素酸ナトリウム濃度を30〜38質量%とするとともに、冷却温度を12〜18℃とすることが最適であると結論付けている。ところが、その実施例で確認されている通り、得られる次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶には0.5質量%程度の塩化ナトリウムが含まれると共に、それを水に溶解して13質量%濃度に調整した次亜塩素酸ナトリウム水溶液についても、0.2質量%程度の塩化ナトリウムが含まれることが分かる。
これに対して、本発明者らがこの晶析工程の原理に関してより精緻に検証した結果、以下の通りに推測できると考えた。まず、晶析法の原理は、図7によって説明される。図7は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を所定の温度まで冷却した際に析出する結晶を示した3成分の相図である。実際には残留水酸化ナトリウム等が数%存在するが、本発明によれば析出する次亜塩素酸ナトリウム5水和物に対してこれらが析出する量はほとんど無視できるため省略した。後述する図8、9についても同様である。図7中の曲線は、冷却温度における溶解度曲線であり、温度によって変化する。曲線<1>は塩化ナトリウムの溶解度曲線、曲線<2>は次亜塩素酸ナトリウム5水和物の溶解度曲線を示す。領域Aに存在する組成の次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶のみが析出する。領域Bの組成の次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶と塩化ナトリウム結晶が共晶する。領域Cの組成の次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、塩化ナトリウム結晶のみが析出する。領域Dの組成の次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、結晶析出は生じない。この事実から、例えば次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の晶析を行う場合、晶析前の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の組成が図7の領域Aに位置すれば、塩化ナトリウム結晶は析出せずに、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶のみが析出するといえる。
そして、前記の通りの析出した塩化ナトリウムを取り除いた、第2の工程で得られる所定の液組成を有する次亜塩素酸ナトリウム水溶液は領域Aにあるが、特に次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の存在下、この領域Aの状態の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を冷却すると、ある一定の温度までは次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶のみが析出し(図8,●部分)、ある温度から領域Bが拡大して次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶と塩化ナトリウムとの共晶の形態で析出すると推測さる(図9、●部分)。その晶析温度については、今回の第2工程で得られる第2の工程で得られる次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度の場合、結果として冷却温度17〜19℃において共晶する塩化ナトリウムを最小化できることを見出した。
なお、この第3の工程において用いる種晶について特に指定は無いが、アスペクト比が10以上の種晶を用いる場合、砕いてアスペクト比を5以下にした種晶を用いることが好ましい。
<第4の工程(次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶の固液分離工程)>
そして、この第4の工程では、第3の工程(晶析工程)で得られた次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を含むスラリーを固液分離装置で分離する。固液分離の装置は、特に限定されないが、例えば、バスケット型遠心濾過機や押出し型の遠心濾過機や、フィルタープレスなどの加圧型濾過機等によって行われる。これによって、次亜塩素酸ナトリウム濃度が43質量%以上、好ましくは、44〜45質量%程度であって、尚且つ塩化ナトリウムが0.40質量%以下、好ましくは0.20質量%以下と極めて低減された次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を得ることができる。この際、原理は定かではないが、得られる5水和物結晶においては、金属不純物、特に、原料の水酸化ナトリウムに起因して混入することが多いとされている鉄(Fe)が0.40ppm以下、好ましくは、0.20ppm以下と極めて少なく、その他の金属(例えば、クロム、ニッケル等)も、0.40ppm以下、好ましくは0.20ppm以下と低減されていることが分かった。これらの金属は、その存在状態は必ずしも定かではないが、イオン、単体などであると推測される。また、得られる次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶における水酸化ナトリウム濃度も低減されており、詳しくは0.20質量%以下、より詳細には0.10質量%以下であることが分かった。なお、得られる次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶については、その機序は定かではないが、その長軸方向の長さ(a)が0.55〜1.00mm、短軸方向の長さ(b)が0.30〜0.45mmであって、それらの長さから求められるアスペクト比(a/b)が、1〜3、より詳細には、1.2〜2.5となることが分かり、従来から知られている針状結晶と比べてややアスペクト比が小さい結晶が得られることが分かり、このようなサイズであることにより、例えば、嵩密度向上による輸送効率の改善などの面で有利である。
<第5の工程(次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造工程)>
第4工程で得られた次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を、例えば、第4工程の固液分離装置に付帯した溶解設備にて、次亜塩素酸ナトリウム濃度15〜30質量%の高濃度になるように水に溶解することで、塩化ナトリウム及びFe、Crなどの金属を低減させた高純度かつ、高濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る。塩化ナトリウム濃度は、0.2質量%未満、好ましくは0.10質量%以下、より好ましくは、0.08質量%以下、さらに好ましくは、0.05質量%以下であり、また、鉄濃度が0.20ppm以下、好ましくは、0.10ppm以下であって、それ以外の金属(例えば、クロム、ニッケル等)についても同様である。そして、得られた次亜塩素酸ナトリウム水溶液については、次亜塩素酸ナトリウム濃度15〜30質量%の高濃度であるにも関わらず、後述の実施例においても確認するように、保存安定性に優れ、好ましくは、温度20〜30℃、遮光下、密閉の条件で保存した場合の分解率が、従来の同等濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液と比べて極めて低いものであることが分かる。なお、本発明で得られる次亜塩素酸ナトリウム水溶液については、このように保存安定性が高いものであるが、意外にも、水酸化ナトリウム含有量は0.10質量%以下、詳細には、0.07質量%以下、より詳細には0.05質量%以下であり、そのpH(温度:20℃)は10.6〜12.4の範囲となる。
なお、この第5の工程において溶解に用いる水は、純水、水道水などを用いることができるが、純水、または軟水であることが特に望ましい。水の添加量は、固液分離装置で分離した得られた固体/水(質量比)が0.4〜1.8となるようにすることで、次亜塩素酸ナトリウム濃度15質量%〜30質量%の高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液となる。使用する水の温度は、15〜25℃であることが好ましい。この温度よりも高い場合、次亜塩素酸ナトリウムが分解する事で正確な濃度に調整する事が困難となり、また、この温度以下であると結晶を溶かす際の溶解熱で水温が低くなり、溶解に必要とする時間が長くなるため、上記温度範囲とすることが好ましい。
以下、実験例、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明がこれにより限定されて解釈されるものでもない。なお、%は特に断らない限り質量基準である。
[実験例1](晶析条件の検討)
本発明の第3の工程(晶析工程)の事前実験として、以下の通りの手順で実験を行った。
すわなち、次亜塩素酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの濃度が以下の表1の通りである次亜塩素酸ナトリウム水溶液(本発明における第2の工程で回収される水溶液に相当)を原料(原液)として、この340gをろ紙(No.5C)により濾過後、500mLフラスコに入れて攪拌しながら室温付近より徐冷し、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶が析出するまで2℃低下毎に種晶0.3g程度(長さ0.8mm、幅0.3mm、アスペクト比2.7)を添加する。以下の表1の各晶析温度で約10分保持し、遠心濾過器で固液分離して、得られた5水和物結晶を分析し、次亜塩素酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムの含有量を以下の方法でそれぞれ求めた。
表1の結果から、各晶析温度で得られた次亜塩素酸ナトリウム結晶の含有する塩化ナトリウム量を計算したところ、晶析温度が低くなる程塩化ナトリウムが共晶することが分かったが、特に、冷却温度(晶析温度)が18〜19℃の狭い範囲において、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶に含まれる塩化ナトリウムの含有量が極めて顕著に低下することが判明した。なお、表1において、例えば、晶析温度「12−14」との記載は、14℃から12℃まで晶析していることを意味するものである。
Figure 2019019016
〔有効塩素濃度、及び次亜塩素酸ナトリウム濃度〕
有効塩素濃度は、下記方法に従ってヨウ素法によって算出した。まず、ビーカーに次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を約0.1g秤量し、それをイオン交換水約20mLで溶解した。これにヨウ化カリウム約2.0g及び10mLの50%酢酸水溶液を加えた。遊離したヨウ素を0.1Nのチオ硫酸ナトリウム水溶液(容量分析用)で滴定した。この際、滴定に要した0.1Nのチオ硫酸ナトリウム水溶液をA mLとし、下式(1)に代入することで有効塩素濃度(質量%)を求めた。
また、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、前記算出された有効塩素濃度から、以下の式(2)により算出した。
Figure 2019019016
[次亜塩素酸ナトリウム濃度(質量%)]
=[有効塩素濃度(質量%)]×74.44÷70.91 ・・・式(2)
〔水酸化ナトリウム濃度〕
ビーカーに次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を10g秤量し、過酸化水素水水溶液を徐々に加え、反応による酸素ガス生成停止時点で過酸化水素水水溶液の添加をやめた。よく振り混ぜた後、フェノールフタレイン液を1、2滴加え、0.1N塩酸で赤色が消えるまで滴定した。この際、滴定に要した0.1N塩酸の量をB mLとし、下式(3)に代入することで次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶中の水酸化ナトリウムの濃度を求めた。
Figure 2019019016
〔塩化ナトリウム濃度〕
塩化ナトリウム濃度は全塩化物イオン濃度から次亜塩素酸ナトリウム濃度を差し引くことで得られる。ビーカーに次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を約0.1g秤量し、イオン交換水約20mLで溶解し、それに30%の過酸化水素水溶液を気泡が出なくなるまで添加した。その後、1〜2滴のフェノールフタレイン溶液を加え、色が桃色に変化した場合には2%の硝酸水溶液を無色透明になるまで加えた。この溶液に2mLのクロム酸カリウム水溶液(5%)を加え、0.1Nの硝酸銀水溶液(容量分析用)で滴定した。この際、滴定に要した0.1Nの硝酸銀水溶液の量をC mLとし、下式(4)に代入して得られる全塩化物イオン濃度から、下式(5)を用いて次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶中の塩化ナトリウム濃度を求めた。
Figure 2019019016
Figure 2019019016
[実施例1]
以下の手順により、本発明に係る次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶及び水溶液を製造した。
第1の工程(塩素化工程)では、撹拌器、スクラバーおよび外部循環型冷却器を備えた2段CSTR(continuous stirred tank reactor)反応槽(容量3.5m3×2槽)を用いた。これに、原料として45質量%の水酸化ナトリウム水溶液を860kg/hrで投入すると共に、残水酸化ナトリウム濃度が2質量%となるように、スクラバーに空気で1/2濃度に希釈した塩素ガスを、供給量を調整しながら導入し、反応温度が24〜30℃となるように外部プレート熱交換器で循環冷却しながら連続で塩素化を行った。この際、反応槽内での滞留時間は約720分であった。
次いで、第2の工程(塩化ナトリウム分離工程)では、塩素化工程の反応槽から1188kg/hrで抜き出した反応物スラリーを、遠心濾過機で固液分離した。これにより、析出した塩化ナトリウム254kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が33質量%、塩化ナトリウム濃度が5.4質量%、及び水酸化ナトリウム濃度が1.7質量%から成る次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濾液1)934kg/hrを得た。これらの濃度については、前記と同様の方法で分析して求めた。
そして、第2の工程で回収した水溶液を第3の工程(晶析工程)に供した。この工程では、撹拌器、ジャケット、コイル冷却器および外部循環ポンプを備えたチタン製晶析槽(容量7m3)へ、6.5m3張込んで、撹拌しながら濾液1の温度と冷媒温度の温度差ΔTが2〜3℃となるように冷却を開始し、18℃に成るまで2時間かけて冷却した。晶析槽内では19℃から結晶の生成が観察された。
第4の工程(固液分離工程)では、晶析槽の温度を18℃に保ちながら第3の工程(晶析工程)の晶析槽から抜き出したスラリーを遠心分離器にて固液分離した。これにより次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を360kg/hrで得た。得られた結晶を分析した結果、次亜塩素酸ナトリウムが44.5質量%、塩化ナトリウムが0.10質量%、Feが0.17質量ppm、Crが0.03質量ppm、水酸化ナトリウムが0.06質量%含まれていた。また、得られた結晶のサイズを、デジタル顕微鏡(株式会社テック社製、秀マイクロン3)を用いて測定したところ(n=200)、長軸長さが0.56〜0.96mm(平均値:0.71mm)、短軸長さが0.30〜0.42mm(平均値:0.37mm)であり、アスペクト比は1.56〜2.34(平均値:1.93)であった。
第5の工程(水溶液製造工程)では、攪拌機を備えた3m3タンクに軟水を1m3張込んでおき、ここに第4の工程で得られた次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を360kg/hrで1.5hr投入して、次亜塩素酸ナトリウム濃度15質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を1372L得た。得られた水溶液は、以下の表2に示す通り、塩化ナトリウムが0.05質量%、Feが0.05質量ppm、Crが0.02質量ppm、水酸化ナトリウムが0.02質量%含まれていた。pH(温度:20℃)は11.0であった。なお、鉄及びクロムの濃度は、5水和物結晶の場合も含めて、以下の方法で行った。
[鉄及びクロム濃度の分析]
試料5gをビーカーに採取して、塩酸(12N)を5mL、純水20mLを加えて時計皿を被せる。その後、ヒーターで約15分かけて軽く煮沸加熱して溶解する事で一定溶にした。それを、ICP発光分析装置(SPS-3000、SII社製)により測定した。
<保存安定性試験>
さらに、前記得られた実施例1に係る15質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を20℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図1のプロットの通りとなった。また、30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図2のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては分解率が3.3%程度であり、また、30℃においては、分解率が11.8%程度であり、後述する比較例1及び2と比べて、保存安定性に優れるものであることが分かった。なお、分解率については、次亜塩素酸ナトリウム濃度を前記の方法により求めることで、次亜塩素酸ナトリウム濃度の低下分から算出した。
[比較例1]
10m3のタンクに24%希釈水酸化ナトリウム水溶液を8m3張込んだ。その後、タンクより遠心ポンプで水酸化ナトリウムを50m3/hrの流量で熱交換器を経た後、吸収塔上部より流下させた。この吸収塔の水酸化ナトリウム循環流の中に、湿潤塩素を45Nm3/hrで24hr吹き込むことで次亜塩素酸ナトリウム濃度15質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得た。得られた水溶液には、塩化ナトリウムが13.4質量%、水酸化ナトリウムが0.72質量%含まれていた。またFeが0.50質量ppm、Crが0.10質量ppm含まれていた(表2)。なお、本発明の第3〜5の工程は行っていない。
実施例1の場合と同様に、この得られた15質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を20℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図1のプロットの通りとなった。また30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図2のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては分解率が16.0%程度であり、また、30℃においては、分解率が44.2%程度であり、保存安定性に乏しいものであった。
[比較例2]
市販の次亜塩素酸ナトリウム5水和物(ナカライテスク株式会社、rot No. V6K8869)を水に希釈して作製した15質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、20℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図1のプロットの通りとなった。また30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図2のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては分解率が48.6%程度であり、また、30℃においては、分解率が55.4%程度であり、保存安定性に乏しいものであった。なお、上記市販の5水和物を分析した結果、塩化ナトリウムが1.8質量%、Feが0.15質量ppm、Crが0.03質量ppm、水酸化ナトリウムが0.5質量%含まれていた。結晶のサイズを、デジタル顕微鏡を用いて測定したところアスペクト比は2.13〜7.16(平均値:4.29)であった。
また、それを水に希釈して作製した上記水溶液の分析結果は以下の表2の通りであり、塩化ナトリウムが0.8質量%、Feが0.05質量ppm、Crが0.01質量ppm、水酸化ナトリウムが0.12質量%含まれていた。
[実施例2]
第1の工程から第4の工程は、前記の実施例1と同じである。
第5の工程(水溶液製造工程)では、攪拌機を備えた3m3タンクに軟水を1m3張込んでおき、ここに第4の工程で得られた次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を360kg/hrで2.5hr投入して、次亜塩素酸ナトリウム濃度20質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を1616L得た。得られた水溶液は塩化ナトリウムが0.08質量%、Feが0.09質量ppm、Crが0.02質量ppm、水酸化ナトリウムが0.03質量%含まれていた(表2)。pHは11.6であった。
また、実施例1の場合と同様に、この得られた20質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を20℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図3のプロットの通りとなった。また、30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図4のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては分解率が9.0%程度であり、また、30℃においては、分解率が28.4%程度であり、後述する比較例3及び4と比べて、保存安定性に優れるものであることが分かった。
[比較例3]
10m3のタンクに36%希釈水酸化ナトリウム水溶液を8m3張込んだ。その後、タンクより遠心ポンプで水酸化ナトリウムを50m3/hrの流量で熱交換器を経た後、吸収塔上部より流下させた。この吸収塔の水酸化ナトリウム循環流の中に熱交換器で温度を24〜30℃に保ちながら、湿潤塩素を45Nm3/hrで24hr吹き込むことで有効塩素濃度20質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得た。得られた水溶液には、塩化ナトリウムが17.1質量%、水酸化ナトリウムが0.97質量%含まれていた。またFeが0.64質量ppm、Crが0.18質量ppm含まれていた(表2)。なお、本発明の第3〜5の工程は行っていない。
実施例2の場合と同様に、この得られた20質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を20℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図3のプロットの通りとなった。また30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図4のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては分解率が33.8%程度であり、また、30℃においては、分解率が54.2%程度であり、保存安定性に乏しいものであった。
[比較例4]
比較例2と同じ市販の次亜塩素酸ナトリウム5水和物を水に希釈して作製した20質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、20℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図3のプロットの通りとなった。また30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図4のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては分解率が35.7%程度であり、また、30℃においては、分解率が79.1%程度であり、保存安定性に乏しいものであった。なお、この水溶液の分析結果は以下の表2に示す通りであり、塩化ナトリウムが1.1質量%、Feが0.07質量ppm、Crが0.01質量ppm、水酸化ナトリウムが0.26質量%含まれていた。
[実施例3]
第1の工程から第4の工程は、前記の実施例1と同じである。
第5の工程(水溶液製造工程)では、攪拌機を備えた3m3タンクに軟水を0.5m3張込んでおき、ここに第4の工程で得られた次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を360kg/hrで3.5hr投入して、次亜塩素酸ナトリウム濃度30質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を1368L得た。
得られた水溶液は塩化ナトリウムが0.08質量%、Feが0.13質量ppm、Crが0.02質量ppm、水酸化ナトリウムが0.05質量%含まれていた(表2)。pHは12.1であった。
また、実施例1の場合と同様に、この得られた20質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液を20℃一定、遮光下、密閉下で14日間保存安定性を調査したところ、図5のプロットの通りとなった。また、30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を10日間まで調査したところ、図6のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては14日間の分解率が24.0%程度であり、また、30℃においては、7日間の分解率が32.1%程度であり、後述する比較例5〜7と比べて、保存安定性に優れるものであることが分かった。
[比較例5]
撹拌器、スクラバーおよび外部循環型冷却器を備えた2段CSTR(continuous stirred tank reactor)反応槽(容量3.5m3×2槽)を用い、第1の工程(塩素化反応)を実施した。原料として44質量%の水酸化ナトリウム水溶液を1段目及び2段目共に3m投入し、2段出口の残水酸化ナトリウム濃度が2質量%となるように、スクラバーに空気で1/2濃度に希釈した塩素ガスを、供給量を調整しながら導入し、反応温度が24〜30℃となるように冷却しながら連続で塩素化を行った。仕上がった塩素化反応液を1188kg/hrで抜き出して、遠心濾過機で固液分離した。これにより、析出した塩化ナトリウム254kg/hrと、次亜塩素酸ナトリウム濃度が29.1質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液は、塩化ナトリウム濃度が4.0質量%、Fe濃度が0.97質量ppm、Cr濃度が0.25質量ppm、水酸化ナトリウムが1.1質量%であった(表2)。なお、本発明の第3〜5の工程は行っていない。
実施例1の場合と同様に、この得られた水溶液を20℃一定、遮光下、密閉下で14日間保存安定性を調査したところ、図5のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては14日間の分解率が30.3%程度であり、保存安定性に乏しいものであった。
[比較例6]
原料の水酸化ナトリウム濃度を46.5%として比較例5と同じ条件で固液分離を行った。得られた水溶液は次亜塩素酸ナトリウム濃度が31.5質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得た。この水溶液は、塩化ナトリウム濃度が5.1質量%、Fe濃度が1.05質量ppm、Cr濃度が0.27質量ppm、水酸化ナトリウムが1.1質量%であった(表2)。
実施例3の場合と同様に、この得られた水溶液を30℃一定、遮光下、密閉下で7日間保存安定性を調査したところ、図6のプロットの通りとなった。これらの結果から、30℃においては、分解率が46.8%程度であり、保存安定性に乏しいものであった。
[比較例7]
比較例2と同じ市販の次亜塩素酸ナトリウム5水和物を水に希釈して作製した30質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を20℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を14日間調査したところ、図5のプロットの通りとなった。また30℃一定、遮光下、密閉下で保存安定性を10日間まで調査したところ、図6のプロットの通りとなった。これらの結果から、20℃においては14日間の分解率が85.1%程度であり、また、30℃においては7日間の分解率が80.6%程度であり、保存安定性に乏しいものであった。なお、この水溶液の分析結果は以下の表2に示す通りであり、塩化ナトリウムが1.8質量%、Feが0.1質量ppm、Crが0.01質量ppm、水酸化ナトリウムが0.38質量%含まれていた。
Figure 2019019016

Claims (6)

  1. 次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%、塩化ナトリウム濃度が0.20質量%未満、及び鉄濃度が0.20質量ppm以下であることを同時に満足することを特徴とする次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
  2. さらに、水酸化ナトリウムの濃度が0.10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液。
  3. 請求項1又は2に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得るための次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶であって、下記(1)〜(4)を同時に満足することを特徴とする次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶。
    (1)塩化ナトリウムの含有量が0.40質量%以下であること。
    (2)鉄の含有量が0.40質量ppm以下であること。
    (3)水酸化ナトリウムの含有量が0.20質量%以下であること。
    (4)次亜塩素酸ナトリウムの含有量が43質量%以上であること。
  4. 長軸方向の長さ(a)が0.55〜1.00mm、短軸方向の長さ(b)が0.30〜0.45mmであり、これらの長さから求められるアスペクト比(a/b)が、1〜3であることを特徴とする請求項3に記載の次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶。
  5. 請求項1又は2に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を製造する方法であって、
    (i)反応温度を10〜30℃に維持しながら、38〜65質量%の水酸化ナトリウム水溶液と塩素ガスとを反応させる第1の工程と、
    (ii)前記第1の工程において析出した塩化ナトリウム結晶を分離除去しながら、次亜塩素酸ナトリウム濃度が30〜34質量%、塩化ナトリウム濃度が4〜6質量%及び水酸化ナトリウム濃度が1〜3質量%の高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を回収する第2の工程と、
    (iii)前記回収した高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、次亜塩素酸ナトリウム5水和物の種結晶の存在下に冷却温度17〜19℃まで冷却して、次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を析出させる第3の工程と、
    (iv)固液分離して、前記析出した次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を回収する第4の工程と、
    (V)回収した次亜塩素酸ナトリウム5水和物結晶を水に溶解させて、次亜塩素酸ナトリウム濃度が15〜30質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を得る第5の工程とを備えることを特徴とする次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法。
  6. 前記第2の工程における高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液として、次亜塩素酸ナトリウム濃度が32〜33質量%の高濃度次亜塩素酸ナトリウム水溶液を回収し、これを第3の工程で用いることを特徴とする請求項5に記載の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の製造方法。
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