以下、本発明の実施の形態に係る景品取得ゲーム装置(例えば、クレーンゲーム機)について、図面を参照しながら説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図1を用いて、本発明を適用することができる景品取得ゲーム装置の一例としてのクレーンゲーム機100の全体構成について説明する。なお、図1は、本実施形態におけるクレーンゲーム機の外観を示す斜視図である。本実施形態の説明において、左右、前後、上下とは、クレーンゲーム機100の遊戯者が正面側から見た状態を基準とした左右、前後、上下を意味する。
クレーンゲーム機100は、縦長の直方体形状によって形成されており、底面にキャスタCが適宜数取り付けられている。したがって、ゲームセンター等の遊戯場のスタッフがクレーンゲーム機100を押動することにより容易に搬送することができるようになっている。
クレーンゲーム機100は、箱状の基台1と、基台1の上方に形成されたプレイフィールド2と、プレイフィールド2の上方を覆う天井部3とを備えて構成されている。
基台1には、例えば、クレーンゲーム機100の全体制御を行う制御部300(図4参照)を有する制御基板等が収容されており、基台1の前面の右側に設けられた開閉扉1aを開放することにより、内部にアクセスすることができるようになっている。さらに、基台1内には、サービスパネル部400も設けられており、開閉扉1aを開放することにより操作可能にアクセスすることができるようになっている。サービスパネル部400の詳細な構成については、後述する。また、基台1の前面中央下部には、後述するコインセレクタ84a,84bによって受け付けられた硬貨やコイン等の媒体を回収するための集金扉1bが開閉可能に設けられている。
プレイフィールド2は、多数の景品Pが載置される底部2aを有するとともに、前面板2b、左側面板2c、右側面板2d、背面板2e及び上述した天井部3により閉塞された内部空間により形成されている。そして、前面板2b、左側面板2c及び右側面板2dは、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、内部空間が視認できるようになっている。
プレイフィールド2の底部2aの左前隅部には、方形状に開口された景品排出口4が設けられており、景品Pを下方に排出することができるようになっている。景品排出口4から排出された景品Pは、基台1の左下部分に設けられた景品取出室6まで落下する。景品排出口4から排出された景品Pは、景品払出センサ41により検出される。景品払出センサ41は、例えば、赤外線センサにより構成されている。景品取出室6は前面側が方形状に開口した景品取出口を有しており、扉体7により景品取出口が閉塞されている。扉体7は、上端がヒンジにより揺動可能に支持されており、遊戯者が扉体7を押圧操作することで景品取出口が開放し、景品取出室6にある景品Pを取り出すことができるようになっている。ここで、扉体7は、透明のガラスあるいは樹脂により形成された板状部材により構成されており、扉体7を介して景品取出室6の内部を視認することができるようになっている。また、底部2aには、景品排出口4の右側端部及び後側端部を囲むように仕切板5が立設されており、底部2aに載置され、あるいは、積み上げられた景品Pが景品排出口4から落下するのを抑制している。
プレイフィールド2の上方には、景品取得装置の一例としての把持装置200が設けられ、吊下げワイヤ200aによって吊り下げられている。天井部3には、図示しないが、2本の縦行用レールがそれぞれ左右両端近傍に前後方向に延びて平行に設けられるとともに、1本の横行用レールが2本の縦行用レールに架設されている。横行用レールは、縦行用モータ301(図4参照)により縦行用レールの延在方向に沿って移動可能に構成されている。この横行用レールには、吊下げワイヤ200aを巻き取り及び繰り出し可能なワイヤ巻取装置303(図4参照)が横行用モータ302(図4参照)により横行用レールの延在方向に沿って左右方向に移動可能に設けられている。また、ワイヤ巻取装置303は、吊下げワイヤ200aの巻き取り及び繰り出しを行うことにより、吊下げワイヤ200aの先端部に取り付けられた把持装置200を上下方向に変位させることができる。なお、吊下げワイヤ200aに換えて伸縮パイプからなる吊下支持部を横行用レールから垂下するようにして設け、この吊下支持部の先端に把持装置200を取り付け、吊下支持部を伸縮させることにより把持装置200を上下方向に変位させる構成としてもよい。
把持装置200は、図2(A),(B)に示すように、吊下げワイヤ200aが取り付けられる本体ケース201と、本体ケース201の下部に配置されたアーム取付部202と、アーム取付部202に支持された1又は複数本のアーム203と、先端にアーム取付部202が一体に取り付けられるとともに本体ケース201の軸方向に沿って本体ケース201に対して進退自在に支持されたシリンダ204とを備えて構成されている。本体ケース201の内部にはシリンダ駆動モータ201b(図4参照)が配設されている。シリンダ駆動モータ201bは、シリンダ204に接続されてシリンダ204を上下動可能に構成されており、シリンダ204の上下動に追従してアーム取付部202が上下動する。アーム203は、アーム取付部202が下降すると、図2(A)に示すように、開状態となり、アーム取付部202が上昇すると、図2(B)に示すように、閉状態となる。把持装置200は、このアーム203の開閉動作(把持動作)により、プレイフィールド2内に載置された景品Pを把持することができる。シリンダ204内には、アーム203の把持力を調整する圧縮コイルバネが内装されており、シリンダ駆動モータ201bの駆動量により圧縮コイルバネの圧縮量を変化させ、これによりアームの把持力を調整することが可能となっている。
基台1の前面中央には、操作部8が設けられており、箱型形状をなしている。操作部8は、その上面に、操作レバー81、操作ボタン82及び表示部83が配置されている。操作レバー81及び操作ボタン82は、遊戯者により操作が可能となっている。表示部83には、例えば、遊戯可能残り回数(残りクレジット数)や遊戯残り時間等が表示される。遊戯者は、操作レバー81を操作することにより把持装置200をプレイフィールド2内の任意の位置に移動させ、操作ボタン82を操作することにより、把持装置200を下降させるとともに、把持動作を行わせることができる。把持装置200は、把持動作が終了すると上昇し、アーム203を閉状態に維持させながら景品排出口4の上方に移動し、アーム203を開状態に変化させる。このとき、景品Pが把持装置200により把持されていた場合には、景品排出口4に向けて景品Pが落下して景品取出室6に案内され、その結果、遊戯者は、景品取出室6から景品Pを取り出すことができる。なお、本実施形態では、操作レバー81及び操作ボタン82を操作することにより、把持装置200に動作を行わせるように構成されているが、操作ボタンのみで把持装置200に動作を行わせるように構成されたものであってもよい。例えば、横移動ボタンと縦移動ボタンとを備え、まず、横移動ボタンを操作して把持装置200を左右方向に移動させた後、縦移動ボタンを操作して把持装置200を前後方向に移動させ、その場所で把持装置200による把持動作が行われるように構成されてもよい。また、操作レバーのみ設け、操作ボタンを備えない構成であってもよい。また、表示部83を備えない構成であってもよい。
また、操作部8の前面には、2つのコインセレクタ84a,84b(以下、2つのコインセレクタ84a,84bをまとめて「コインセレクタ84」という場合がある。)が並設されており、それぞれ受付可能な硬貨やメダルの種類が異なっている。本実施形態では、例えば、コインセレクタ84aは、100円硬貨のみ受付可能に構成されており、コインセレクタ84bは、500円硬貨のみ受付可能に構成されているが、これに限定されない。コインセレクタ84a,84bは、硬貨を受け付けると投入信号を出力する。コインセレクタ84により受け付けられた硬貨やメダルは、例えば、基台1の下部の回収箱に集められ、遊戯場の管理者が開錠操作して集金扉1bを開放させることにより、回収することができるようになっている。また、操作部8の前面は開閉可能に構成されており、例えば、遊戯場の管理者が開錠操作して操作部8の前面を開放させることにより、操作部8のメンテナンス等を行うことができるようになっている。
コインセレクタ84は、ソレノイドの駆動により、投入された硬貨あるいはメダルを受け付ける状態と、投入された硬貨あるいはメダルを返却口に返却する状態とに変化可能に構成されている。
なお、本実施形態では、遊戯価値として硬貨やメダル等の媒体をコインセレクタ84に投入することで遊戯が可能に構成されているが、例えば、RFID(Radio Frequency IDentifier)タグを備えたICカードあるいは磁気カードといった記録媒体や、NFC(Near Field Communication)機能を備えた携帯端末に対してプリペイド情報あるいは決済情報を読み書き可能なリーダライタ装置を備え、リーダライタ装置によって読み取った読取情報から遊戯価値を受け付け、これに基づいて遊戯を可能に構成されてもよい。
次に、サービスパネル部400の外観構成について、図3を参照しながら説明する。
サービスパネル部400は、LCD(Liquid Crystal Display)によって構成されたサービスモニタ401と、各種設定を行うためのディップスイッチ402a,402b及びメンテナンス用ボタン403a〜403eと、設定値を変更するための選択ダイヤル404と、音量調整を行うための音量調整ボリューム405と、クレーンゲーム機100の電源のON/OFFを行うための電源スイッチ406とを備えている。
サービスモニタ401は、クレーンゲーム機100の稼働状況の表示や、各種設定を行う際の設定表示等を行うことができる。
ディップスイッチ402a,402bは、それぞれ複数(例えば、8つ)の切換スイッチを有しており、クレーンゲーム機100が起動する際に各スイッチの位置が読み取られ、その読み取られた結果に応じた設定がなされるように構成されている。ディップスイッチ402a,402bのスイッチ操作により設定可能なものとしては、例えば、遊戯が行われていない待機状態において実行されるデモ演出において音声を出力するか否かの設定、後述する消費税率を考慮した払い出しを行うか否かの設定、及び、抽選モードとするか天井モードとするかの設定等を行うことができる。なお、消費税率を考慮した払い出しを行うか否かの設定を行う機能を有しないようにして、消費税率を考慮した払い出しを必ず行うようにしてもよい。また、天井モードを実行する機能を持たず、抽選モードのみを実行可能に構成されてもよい。
本実施形態では、上述したように、ディップスイッチ402a,402bにより、抽選モードと天井モードとに切換可能とされている。ここで、本実施形態では、景品を取れそうで取れないゲーム難易度とするノーマルモードと、景品を取れそうなゲーム難易度とするアシストモードとによる把持装置200の動作制御が可能とされている。なお、ノーマルモード及びアシストモードの具体的制御内容については、後述する。抽選モードに設定された場合では、周期毎に設定される当選回数の範囲内で当選となるよう抽選が行われ、当選した場合にはアシストモードによる把持装置200の動作制御が実行され、非当選の場合にはノーマルモードによる把持装置200の動作制御が実行されるようになっている。一方、天井モードに設定された場合では、一定金額(天井額)が投入されるまではノーマルモードによる把持装置200の動作制御が実行され、一定金額以上投入されるとアシストモードによる把持装置200の動作制御が実行されるようになっている。
また、本実施形態では、上述したように、ディップスイッチ402a,402bにより、消費税率を考慮した払い出しを行うか否かを切換可能とされている。ここで、本実施形態におけるクレーンゲーム機100は、上述したように、100円硬貨あるいは500円硬貨の投入を受け付けることにより所定回数の遊戯を可能としている。投入された貨幣(100円硬貨あるいは500円硬貨)には、遊戯を行うための遊戯価値と消費税が含まれており、すなわち、内税方式が採用されている。本実施形態では、詳しくは後述するが、消費税率を考慮した払い出しを行う設定とされた場合には、設定された景品単価に対し、払出率に応じた係数及び消費税率に応じた係数を乗じて得た額をアシストモード発生金額(目標金額)として設定する。そして、抽選モードの場合には、設定された周期に応じた金額(P/O収束金額)をアシストモード発生金額で除して得た値に基づいて当選回数を設定し、設定された周期が到来するまでに、設定された当選回数のアシストモードによる把持装置200の動作が実行されるように制御される。また、天井モードの場合には、プレイ毎に一定金額が加算される積立金額がアシストモード発生金額以上になると、アシストモードによる把持装置200の動作が実行されるように制御される。一方、消費税率を考慮した払い出しを行う設定とされない場合には、設定された景品単価に対し、払出率に応じた係数を乗じて得た額をアシストモード発生金額として設定し、消費税率は考慮されない。
メンテナンス用ボタン403a〜403eは、5つのボタンからなり、それぞれ、第1ボタン403a、第2ボタン403b、第3ボタン403c、第4ボタン403d及び第5ボタン403eにより構成されている。ボタンの数は、これに限定されず、4つ以下であってもよいし、6つ以上であってもよい。
クレーンゲーム機100の待機状態において第1ボタン403aが1回操作されると、サービスモニタ401に稼働状況が表示され、さらに第1ボタン403aが1回操作されると非表示となる。すなわち、第1ボタン403aの操作毎に、稼働状況の表示と非表示とを切り換えることができる。また、クレーンゲーム機100の待機状態において第1ボタン403aが所定時間(例えば、2秒間)の長押し操作が行われると、払出設定を行うことができるようになっている。払出設定の具体的な設定方法については、後述する。
また、クレーンゲーム機100の待機状態において第2ボタン403bが長押し操作されると、クレジットの設定を行うことができる。クレジットの設定では、例えば、硬貨の投入を受け付けたときにプレイ可能なゲーム数(すなわち、1コインでプレイ可能なゲーム数)を設定することができる。
また、クレーンゲーム機100の待機状態において第3ボタン403cが長押し操作されると、把持装置200のアーム203の把持力の調整を行うことができる。
また、クレーンゲーム機100の待機状態において第4ボタン403dが長押し操作されると、テストモードに移行することができる。テストモードは、各種装置の動作状態を確認するためのモードであり、貨幣の投入を行うことなく把持装置200の動作を確認したり、操作部8における操作レバー81及び操作ボタン82が正常に作動するかについての確認等を行うことができる。
また、第5ボタン403eは、サービスボタンとして機能しており、クレーンゲーム機100の待機状態において第5ボタン403eが1回操作されると、クレジットをインクリメントし、貨幣を投入することなく遊戯を可能にすることができる。
選択ダイヤル404は、例えば、ロータリエンコーダによる回転スイッチであり、回転方向及び回転量に応じて指定されたパラメータの変更を行うことができる。
音量調整ボリューム405は、例えば、可変抵抗器により構成されており、回転位置を変更するにより音量の調整を行うことができる。
続いて、本実施形態に係るクレーンゲーム機100の機能的構成について、図4を参照しながら説明する。ここで、図4は、クレーンゲーム機100の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、例えば、クレーンゲーム機100の統括制御を行う制御部300を備えており、制御部300には、操作部8と、表示部83と、コインセレクタ84と、シリンダ駆動モータ201bと、景品払出センサ41と、縦行用モータ301と、横行用モータ302と、ワイヤ巻取装置303と、サービスパネル部400とが電気的に接続されて構成されている。
制御部300は、例えば、CPU(Central Processing Unit)300aと、ROM(Read Only Memory)300bと、RAM(Random Access Memory)300cとを備えて構成され、ROM300bに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAM300cに展開し、展開したプログラムに従って各部の動作を集中制御する。
ROM300bは、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、上述した各種プログラムの他、各種データ等を記憶する。RAM300cは、CPU300aにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
次に、本実施形態に係るクレーンゲーム機100において実行される払出設定処理について、図5を参照しながら説明する。ここで、図5は、払出設定処理について説明するフローチャートである。払出設定処理は、クレーンゲーム機100の待機状態において、サービスパネル部400の第1ボタン403aが長押し操作されたことにより起動する処理である。
制御部300のCPU300aは、最初に、景品単価設定処理を実行する(ステップS101)。景品単価設定処理が実行されると、図6(a)に示すように、サービスモニタ401に景品単価設定画面が表示される。景品単価設定画面では、設定の対象である景品の単価が表示され、図6(a)に示す例では、景品の単価の設定額として「¥0280」が表示されており、さらに、設定変更可能であることを認識容易とするために、「0280」の数字部分が点滅している。景品の単価の表示の下方には、選択ダイヤル404の操作により景品の単価の設定を変更することができる旨の説明が表示されており、選択ダイヤル404を時計方向に回転させることにより、景品の単価の設定額をインクリメントすることができる旨の「CW:INC」の文字情報と、選択ダイヤル404を反時計方向に回転させることにより、景品の単価の設定額をデクリメントすることができる旨の「CCW:DEC」の文字情報とが表示されている。遊戯場の運営者は、例えば、景品の仕入単価を入力することで、景品の払出率の管理を正確に行うことができるようになる。また、景品単価設定画面の表示中に第3ボタン403cが操作されると払出率設定画面に移行し、第1ボタン403aが操作されると払出設定処理を終了して待機状態に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「デモ中モード:ボタンNo.1」と「払出率設定:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。このように、CPU300aを有する制御部300は、景品の単価を設定可能な景品単価設定手段として機能している。
続いて、CPU300aは、払出率設定処理を実行する(ステップS103)。払出率設定処理が実行されると、図6(b)に示すように、サービスモニタ401に払出率設定画面が表示される。払出率設定画面では、設定の対象である設定払出率が表示され、図6(b)に示す例では、設定払出率として「015%」が表示されており、さらに、設定変更可能であることを認識容易とするために、「015」の数字部分が点滅している。設定払出率の表示の下方には、選択ダイヤル404の操作により払出率の設定を変更することができる旨の説明が表示されており、選択ダイヤル404を時計方向に回転させることにより、設定払出率をインクリメントすることができる旨の「CW:INC」の文字情報と、選択ダイヤル404を反時計方向に回転させることにより、設定払出率をデクリメントすることができる旨の「CCW:DEC」の文字情報とが表示されている。また、払出率設定画面の表示中に第3ボタン403cが操作されると消費税率設定画面に移行し、第1ボタン403aが操作されると景品単価設定画面に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「景品単価設定:ボタンNo.1」と「消費税率設定:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。このように、制御部300は、景品の目標払出率を設定可能な目標払出率設定手段として機能している。
次に、CPU300aは、消費税率設定処理を実行する(ステップS105)。消費税率設定処理が実行されると、図6(c)に示すように、サービスモニタ401に消費税率設定画面が表示される。消費税率設定画面では、設定の対象である消費税率が表示され、図6(c)に示す例では、消費税率として「008%」が表示されており、さらに、設定変更可能であることを認識容易とするために、「008」の数字部分が点滅している。消費税率の表示の下方には、選択ダイヤル404の操作により消費税率の設定を変更することができる旨の説明が表示されており、選択ダイヤル404を時計方向に回転させることにより、消費税率をインクリメントすることができる旨の「CW:INC」の文字情報と、選択ダイヤル404を反時計方向に回転させることにより、消費税率をデクリメントすることができる旨の「CCW:DEC」の文字情報とが表示されている。本実施形態では、例えば、0〜20%の範囲で設定可能とされているが、設定可能な範囲はこれに限定されず、適宜設定可能である。遊戯場の運営者は、例えば、消費税率が改定された場合には、これに合わせて消費税率の設定を変更することで、投入された貨幣に含まれる遊戯価値が変動することによる遊戯場の売上管理の負担軽減が可能となり、景品の払出率の設定を適切に行うことができるようになる。また、消費税率設定画面の表示中に第3ボタン403cが操作されるとアシストモード発生周期設定画面に移行し、第1ボタン403aが操作されると払出率設定画面に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「払出率設定:ボタンNo.1」と「Aモード発生周期設定:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。このように、制御部300は、消費税率を設定可能な消費税率設定手段として機能している。
次に、CPU300aは、アシストモード発生周期初期設定処理を実行する(ステップS107)。アシストモード発生周期初期設定処理が実行されると、図6(d)に示すように、サービスモニタ401にアシスト(A)モード発生周期設定画面が表示される。アシストモード発生周期設定画面では、設定の対象であるプレイ回数の周期が表示され、図6(d)に示す例では、プレイ回数の周期として「100PLAY」が表示されており、さらに、設定変更可能であることを認識容易とするために、「100」の数字部分が点滅している。図6(d)に示す例では、「100PLAY」と表示されることで、後述する当選回数の設定が行われるプレイ回数の周期が100回であることが示されている。プレイ回数の周期の表示の下方には、選択ダイヤル404の操作によりプレイ回数の周期の設定を変更することができる旨の説明が表示されており、選択ダイヤル404を時計方向に回転させることにより、プレイ回数を増加させることができる旨の「CW:INC」の文字情報と、選択ダイヤル404を反時計方向に回転させることにより、プレイ回数を減少させることができる旨の「CCW:DEC」の文字情報とが表示されている。本実施形態では、例えば、プレイ回数の周期として、「50」、「100」、「200」、「300」、「400」、「500」からいずれかに設定することができる。なお、設定可能なプレイ回数の周期は上述したものに限定されず、適宜設定可能である。また、アシストモード発生周期設定画面の表示中に第3ボタン403cが操作されると払出設定処理を終了して待機状態に移行し、第1ボタン403aが操作されると消費税率設定画面に移行するように構成されている。そのため、サービスモニタ401の下方には、「消費税率設定:ボタンNo.1」と「デモ中モード:ボタンNo.3」が表示されており、その旨を報知している。このように、制御部300は、遊戯(プレイ)回数の周期を設定可能な周期設定手段として機能している。
なお、景品単価設定画面で第1ボタン403aが操作されるか、アシストモード発生周期設定画面で第3ボタン403cが操作されて待機状態に移行すると、図6(e)に示すように、サービスモニタ401に稼働状況が表示される。稼働状況の表示画面では、景品単価設定処理で設定された景品単価と、払出率設定処理において設定された設定払出率と、消費税率設定処理において設定された消費税率とが一覧で表示される。なお、アシストモード発生周期初期設定処理で設定されたプレイ回数の周期を表示してもよい。また、その下方には、コインセレクタ84a,84bが受け付けた貨幣の総額を示すインカムが表示され、さらに、インカムから消費税額が控除された税抜き額及び消費税額も表示されている。遊戯場の運営者は、これを見ることで、クレーンゲーム機100における正確な売り上げを把握することができる。また、インカムの表示の下方には、景品払出センサ41により払い出しが検出された景品の数(払出景品数)と、後述するようにして算出された払出率と、現在のアシストモードの当選確率を示すアシストモード発生確率も表示されている。このように、サービスモニタ401は、インカムに含まれる消費税額を表示可能な消費税額表示手段として機能している。また、サービスモニタ401は、インカムから消費税額が控除された税抜き額を表示可能な税抜き額表示手段として機能している。なお、本実施形態では、消費税額と税抜き額の両方を表示したが、いずれか一方のみを表示するようにしてもよいし、両方とも表示しないようにしてもよい。
以上のようにして、景品の単価、払出率及び消費税率が設定されると、CPU300aは、アシストモード発生金額算出処理を実行する(ステップS109)。アシストモード発生金額算出処理では、景品の払い出しの目標となる金額(目標金額)を算出する。すなわち、この処理では、景品の単価、払出率及び消費税率に基づいて、1つの景品を払い出すのに必要な投入金額をアシストモード発生金額として算出する。具体的には、アシストモード発生金額(Ass)は、下記式(1)により算出される。ここで、(Pr)は景品の単価を示し、(PO)は払出率(%)を示し、(t)は消費税率設定処理において設定された消費税率(%)に100を加えた値を示す。なお、本実施形態では、算出されたアシストモード発生金額について、小数点以下を切り上げるようにしたが、切り捨ててもよいし、四捨五入してもよい。また、消費税率を考慮した払い出しを行う設定にされていない場合は、(t)には100がセットされる。
Ass=Pr×100/PO×t/100・・・(1)
例えば、図6に示すように、景品の単価が280円に設定され、払出率が15%に設定され、消費税率が8%に設定された場合、アシストモード発生金額は2016円となる。このようにして算出されたアシストモード発生金額は、RAM300cに記憶される。このように、本実施形態では、制御部300は、目標金額設定手段として機能している。
CPU300aは、アシストモード発生金額算出処理が終了すると、払出設定処理を終了する。
次に、本実施形態に係るクレーンゲーム機100において実行されるプレイ処理について、図7及び図8を参照しながら説明する。ここで、図7は、プレイ処理について説明するフローチャートであり、図8は、図7に示すプレイ処理の続きを示すフローチャートである。
まず、CPU300aは、硬貨が投入されたか否かを判定する(ステップS201)。すなわち、CPU300aは、コインセレクタ84a,84bからの投入信号が入力されたか否かを判定する。CPU300aは、硬貨が投入されたと判定しなかった場合は(ステップS201:No)、硬貨が投入されたと判定されるまでステップS201の処理を実行する。
一方、CPU300aは、硬貨が投入されたと判定した場合は(ステップS201:Yes)、投入された硬貨の金種を判定する(ステップS203)。すなわち、CPU300aは、入力された投入信号が100円硬貨を受け付けるコインセレクタ84aからの投入信号を入力したか、500円硬貨を受け付けるコインセレクタ84bからの投入信号を入力したかによっていずれの金種であるかを判定する。
続いて、CPU300aは、投入された硬貨が100円硬貨であるか否かを判定する(ステップS205)。CPU300aは、投入された硬貨が100円硬貨であると判定した場合は(ステップS205:Yes)、投入された硬貨(貨幣)の総額を示すインカム(I)に100円を加算する(ステップS207)。なお、インカム(I)の情報は、RAM300cに記憶される。一方、CPU300aは、投入された硬貨が100円硬貨であると判定しなかった場合、すなわち、投入された硬貨が500円硬貨であると判定された場合は(ステップS205:No)、インカム(I)に500円を加算する(ステップS209)。本実施形態において、インカムは、遊戯に使用された価値の総額を示している。
その後、CPU300aは、RAM300cに記憶されたインカム(I)の値から、インカムに含まれる税抜き額及び消費税額を算出する(ステップS211)。具体的には、下記式(2)により、税抜き額(Cn)が算出され、下記式(3)により、消費税額(Tx)が算出される。ここで、(t)は、消費税率設定処理において設定された消費税率(%)に100を加えた値(例えば、消費税率が8%であれば、「t=108」となる。)を示す。
Cn=I×100/t・・・(2)
Tx=I−Cn・・・(3)
以上のようにして算出された税抜き額及び消費税額は、サービスモニタ401における稼働状況の表示画面上に表示される。このように、本実施形態では、制御部300は、消費税額特定手段として機能している。また、本実施形態では、制御部300は、税抜き額特定手段として機能している。
続いて、CPU300aは、起動時に読み取ったディップスイッチ402a,402bの情報から、抽選モードであるか否かを判定する(ステップS213)。CPU300aは、抽選モードであると判定した場合は(ステップS213;Yes)、周期カウンタが0であるか否かを判定する(ステップS215)。周期カウンタは、上述したアシストモード発生周期初期設定処理において設定されたプレイ回数の周期毎にセットされるカウンタであり、遊戯が行われるごとにデクリメントされ、プレイ回数の周期が到来すると周期カウンタが0となるように構成されている。
CPU300aは、周期カウンタが0であると判定した場合は(ステップS215;Yes)、アシスト(A)モード発生周期設定処理(ステップS217)を実行した後に、ステップS219の処理を実行する。一方、CPU300aは、周期カウンタが0であると判定しなかった場合は(ステップS215;No)、アシストモード発生周期設定処理を実行することなく、ステップS219の処理を実行する。
ここで、図9(A)を参照して、アシスト(A)モード発生周期設定処理について説明する。なお、図9(A)は、アシストモード発生周期設定処理について説明するフローチャートである。
CPU300aは、アシストモード発生周期設定処理が開始されると、周期カウンタに初期値(プレイ回数初期値)をセットする(ステップS301)。ここでセットされる初期値は、上述したアシストモード発生周期初期設定処理において設定されたプレイ回数の周期に応じた値となっており、例えば、設定されたプレイ回数の周期が「100」である場合には、初期値として「100」がセットされる。
続いて、CPU300aは、持越金額を算出する(ステップS303)。持越金額は、後述するようにして算出される前回の算定値から、アシストモード発生金額に払出済景品数カウンタの値(すなわち、前回の周期において払い出された景品の数)を乗じて得た額を控除することにより算出される。このように、本実施形態では、制御部300は、持越金額特定手段として機能している。
その後、CPU300aは、算出した持越金額をペイアウト(P/O)収束金額初期値に加算して算定値を得る(ステップS305)。具体的には、CPU300aは、ROM300bに記憶された図9(B)に示すアシストモード発生周期設定テーブルを参照し、ステップS301においてセットされたプレイ回数初期値に対応する金額を読み出してこれをP/O収束金額初期値とし、これにステップS303において算出された持越金額を加算することにより算定値を得る。本実施形態では、このようにして算定値を設定することで、より安定した払出率にすることができるようになる。なお、図9(B)に示すアシストモード発生周期設定テーブルにおけるP/O収束金額初期値は、1ゲームの遊戯を行うのに必要な金額が100円である場合に設定されるものであり、P/O収束金額初期値は、1ゲームの遊戯を行うのに必要な金額に応じて設定される。例えば、1ゲーム200円に設定されている場合、プレイ回数初期値「100」に対応するP/O収束金額初期値は、「¥20000」となる。
続いて、CPU300aは、ステップS305において算出された算定値をアシストモード発生金額で除することにより払出可能カウンタ加算値を算出する(ステップS307)。すなわち、CPU300aは、今回の周期においてアシストモードによる把持装置200の動作を実行する回数を求める。例えば、算定値として「¥10000」が設定され、アシストモード発生金額が「¥2016」である場合、算出される払出可能カウンタ加算値は「4」となる。CPU300aは、このようにして算出された払出可能カウンタ加算値を払出可能カウンタにセットする(ステップS309)。このように、本実施形態では、制御部300は、当選回数設定手段として機能している。
その後、CPU300aは、払出済景品数カウンタの値をクリアした後(ステップS311)、この処理を終了する。
図7に戻り、CPU300aは、ステップS219において、アシストモード発生確率を設定する(ステップS219)。アシストモード発生確率は、「払出可能カウンタ値/周期カウンタ値」により求められる。したがって、景品の払い出しがなくプレイ回数を重ねるほどアシストモードが発生しやすくなり、景品の払い出しがあるとアシストモードが発生し難くなる。
CPU300aは、設定されたアシストモード発生確率でアシストモードを発生させるか否かの抽選を行う抽選処理を実行する(ステップS221)。
CPU300aは、アシストモードを発生させることに当選したか否かを判定する(ステップS223)。CPU300aは、アシストモードを発生させることに当選した場合には(ステップS223;Yes)、アシストモードをセットし(ステップS225)、アシストモードを発生させることに当選しなかった場合には(ステップS223;No)、ノーマルモードをセットする(ステップS227)。このように、本実施形態では、ステップS223を実行する制御部300は、当否判定手段として機能しているということができる。ここで、周期カウンタ値は、遊戯が行われる毎にデクリメントされることから、遊戯に使用された価値に相当する額(使用額)を特定可能ということができる。したがって、本実施形態では、制御部300は、景品の単価、目標払出率及び消費税率と、使用額とに基づいて払出判定を行う払出判定手段として機能しているということができる。
アシストモードは、景品を取れそうなゲーム難易度で把持装置200の動作が制御されるモードであり、具体的には、図10(B)に示すように、把持装置200を下降させる段階では、アーム203を開状態(すなわち、強度0のアームパワー)にし(a)、その後、景品Pを把持して吊り上げた直後では、強度7のアームパワーでアーム203を閉状態にし、景品Pを把持する(b)。なお、アームパワーの強度は、最小値が0であり、最大値が10であり、本実施形態における景品Pの重量は、アーム強度が6程度以上で把持揚送可能としている。その後、景品Pを吊り上げる過程においても、アームパワーを一定に維持する(c)(d)(e)。そのため、アシストモードでは、アーム203の把持力により景品Pを支持した状態で比較的容易に揚送可能となるので、景品Pが取得し易くなる。このように、アシストモードは、景品取得容易制御が行われるモードであるということができる。
一方、ノーマルモードは、景品を取れそうで取れないゲーム難易度で把持装置200の動作が制御されるモードであり、具体的には、図10(A)に示すように、把持装置200を下降させる段階では、アーム203を開状態(すなわち、強度0のアームパワー)にし(a)。その後、景品Pを把持して吊り上げた直後では、強度8のアームパワーでアーム203を閉状態にし、景品Pを把持する(b)。その後、景品Pを吊り上げる過程において、徐々にアームパワーを弱くしていく(例えば、図10(A)の(c)では、強度6までアームパワーを低下させて景品Pを把持し、(d)では、アームパワーを強度4までさらに低下させて景品Pを把持している。)。図10(A)の(d)に示すように、強度4のアームパワーでは、景品Pを把持する力が不足するようになり、景品Pの重みにより、アーム取付部202が下方に移動しはじめ、したがってアーム203が開状態となる方向にわずかに移動するようになる。その後、把持装置200が上昇しきった段階で、アームパワーを強度3まで低下させると、景品Pを完全に支持することができなくなり、景品Pはプレイフィールド2内に落下する(e)。このように、ノーマルモードは、景品取得困難制御が行われるモードであるということができる。
CPU300aは、上述したようにして、アシストモード又はノーマルモードにモードのセットを行った後、遊戯処理を実行する(ステップS229)。遊戯処理では、操作部8の操作レバー81及び操作ボタン82の操作を受け付け、把持装置200の移動操作及び把持動作を予め定められた制限時間(例えば、30秒)以内に行わせる処理を実行する。このとき、把持装置200の把持動作については、設定されたモードに応じた動作が行われるように制御される。このように、本実施形態では、制御部300は、駆動制御手段として機能している。
その後、CPU300aは、景品の払い出しがあったか否かを判定する(ステップS231)。具体的には、CPU300aは、景品払出センサ41からの信号の有無に基づいて景品の払い出しの判定を行う。
CPU300aは、景品の払い出しがあったと判定した場合は(ステップS231;Yes)、景品払出カウンタのインクリメント、払出可能カウンタのデクリメント及び払出済景品数カウンタのインクリメントを行う(ステップS233)。景品払出カウンタの値は、払出率を算出するために用いられる。一方、CPU300aは、景品の払い出しがあったと判定しなかった場合は(ステップS231;No)、ステップS233の処理を行うことなく、ステップS235の処理を実行する。
その後、CPU300aは、周期カウンタをデクリメントした後(ステップS235)、払出率(P/O)を算出する(ステップS237)。払出率(P/O)は、設定された景品の単価に景品払出カウンタの値を乗じた額(払出額)をインカム(I)の税抜き額(Cn)で除することにより算出される。算出された払出率は、サービスモニタ401における稼働状況の表示画面に表示される。
その後、CPU300aは、クレジット残があるか否かを判定する(ステップS239)。CPU300aは、クレジット残があると判定した場合は(ステップS239;Yes)、ステップS215の処理を実行し、クレジット残があると判定しなかった場合は(ステップS239;No)、プレイ処理を終了する。
また、CPU300aは、ステップS213において、抽選モードであると判定しなかった場合、すなわち、天井モードであると判定した場合は(ステップS213;No)、図8のステップS241の処理を実行し、使用額としての積立金額に「100円」を加算する(ステップS241)。なお、加算される積立金額は、1ゲームの遊戯を行うにあたって必要な金額が設定され、例えば、1ゲーム200円に設定されている場合、加算される積立金額は「200円」に設定される。
CPU300aは、積立金額がアシストモード発生金額以上であるか否かを判定する(ステップS245)。すなわち、CPU300aは、積立金額が天井額に到達したか否かを判定する。
CPU300aは、積立金額がアシストモード発生金額以上であると判定した場合は(ステップS245;Yes)、アシストモードをセットし(ステップS247)、積立金額がアシストモード発生金額以上であると判定しなかった場合、すなわち、積立金額がアシストモード発生金額に満たないと判定した場合は(ステップS245;No)、ノーマルモードをセットする(ステップS249)。このように、本実施形態では、ステップS245を実行するCPU300aを有する制御部300は、払出判定手段として機能している。
CPU300aは、上述したようにして、アシストモード又はノーマルモードにモードのセットを行うと、その後、遊戯処理を実行する(ステップS251)。このとき、把持装置200の把持動作については、設定されたモードに応じた動作が行われるように制御される。
その後、CPU300aは、景品の払い出しがあったか否かを判定する(ステップS253)。
CPU300aは、景品の払い出しがあったと判定した場合は(ステップS253;Yes)、景品払出カウンタのインクリメントを行った後(ステップS255)、積立金額からアシストモード発生金額を控除した額を積立金額にセットし(ステップS257)、ステップS259の処理を実行する。一方、CPU300aは、景品の払い出しがあったと判定しなかった場合は(ステップS253;No)、ステップS255及びステップS257の処理を実行することなく、ステップS259の処理を実行する。
その後、CPU300aは、払出率(P/O)を算出した後(ステップS259)、クレジット残があるか否かを判定する(ステップS261)。CPU300aは、クレジット残があると判定した場合は(ステップS261;Yes)、ステップS241の処理を実行し、クレジット残があると判定しなかった場合は(ステップS261;No)、プレイ処理を終了する。
次に、プレイ処理の別の実施形態について図11を参照しながら説明する。図11は、図7に示すプレイ処理の続きを示すフローチャートである。
この実施形態では、図7におけるステップS213において、抽選モードであると判定しなかった場合には(ステップS213;No)、図11のステップS271の処理を実行し、払出額の算出を行う(ステップS271)。払出額は、景品単価設定処理で設定された景品の単価に景品払出カウンタの値を乗じることにより算出される。
その後、CPU300aは、インカムの税抜き額(Cn)と払出額とに基づいて払出率(P/O)を算出し(ステップS273)、算出された払出率(P/O)が払出率設定処理で設定された設定払出率よりも小さいか否かを判定する(ステップS275)。
CPU300aは、払出率が設定払出率よりも小さいと判定した場合は(ステップS275;Yes)、アシストモードをセットし(ステップS277)、払出率が設定払出率よりも小さいと判定しなかった場合は(ステップS275;No)、ノーマルモードをセットする(ステップS279)。このように、本実施形態では、ステップS275を実行するCPU300aを有する制御部300は、払出判定手段として機能しているということができる。
CPU300aは、上述したようにして、アシストモード又はノーマルモードにモードのセットを行うと、その後、遊戯処理を実行する(ステップS281)。このとき、把持装置200の把持動作については、設定されたモードに応じた動作が行われるように制御される。
その後、CPU300aは、景品の払い出しがあったか否かを判定する(ステップS283)。
CPU300aは、景品の払い出しがあったと判定した場合は(ステップS283;Yes)、景品払出カウンタのインクリメントを行った後(ステップS285)、ステップS287の処理を実行する。一方、CPU300aは、景品の払い出しがあったと判定しなかった場合は(ステップS283;No)、ステップS285の処理を実行することなく、ステップS287の処理を実行する。
その後、CPU300aは、払出率(P/O)を算出した後(ステップS287)、クレジット残があるか否かを判定する(ステップS289)。CPU300aは、クレジット残があると判定した場合は(ステップS289;Yes)、ステップS271の処理を実行し、クレジット残があると判定しなかった場合は(ステップS289;No)、プレイ処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、クレーンゲーム機100は、内部に景品Pが載置されるプレイフィールド2と、プレイフィールド2内に配置された景品Pを取得するための把持装置200と、把持装置200を駆動制御する制御部300とを備えている。制御部300は、予め設定された景品の単価、設定払出率及び消費税率と、遊戯に使用された価値に相当する額としての使用額とに基づいて払出判定を行う。制御部300は、払出判定の結果に基づいて、景品Pの取得が容易に把持装置200を駆動制御するアシストモードによる制御と、景品の取得が困難に把持装置200を駆動制御するノーマルモードによる制御とに切り替える。その結果、遊戯に使用された価値に相当する使用額に含まれる消費税を考慮した払出率に基づいて景品取得装置を景品取得容易制御と景品取得困難制御とに切り替えることができるので、遊戯場において消費税を考慮した調整の手間を省略することができ、遊戯場の運営コストの低減に寄与することができるようになる。
なお、遊戯に使用された価値に相当する額としての使用額が、遊戯に使用された価値の総額としてのインカムであってもよいし、インカムとは別に管理されるものであってもよい。
また、本実施形態によれば、制御部300は、景品の単価、設定払出率及び消費税率に基づいてアシストモード発生金額を設定する。制御部300は、積立金額とアシストモード発生金額との比較に基づいて払出判定を行う。その結果、景品の払い出しを、消費税が考慮された払出率に沿って安定して行うことができるので、遊戯場における景品の払い出しの管理を容易に行うことができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、払い出された景品の価値の総額を払出額として特定する。制御部300は、インカムにおける税抜き額と払出額とに基づいて払出率(P/O)を算出する。制御部300は、払出率と設定払出率との比較に基づいて払出判定を行う。その結果、景品の払い出しを、消費税が考慮された払出率に沿って安定して行うことができるので、遊戯場における景品の払い出しの管理を容易に行うことができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、景品の単価を設定可能である。制御部300は、設定された景品の単価に払い出された景品の数を乗じることにより払出額を特定する。その結果、単価の異なる景品が用いられても、消費税が考慮された払出率に沿った安定した景品の払い出しを実現できるようになるので、多種多様な景品を用いることができる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、消費税率を設定可能であるので、消費税率が改定された場合にも容易に対応することができる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、インカムに含まれる消費税額を特定する。サービスモニタ401は、特定された消費税額を表示する。その結果、遊戯場の経営者は、納めるべき消費税額を容易に把握することができる。また、インカムから消費税額を控除することで、消費税額が控除された売上高を容易に把握することもできる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、インカムに含まれる税抜き額を特定する。サービスモニタ401は、特定された税抜き額を表示する。その結果、遊戯場の経営者は、消費税額が控除された売上高を容易に把握することができる。
また、本実施形態によれば、クレーンゲーム機100は、内部に景品Pが載置されるプレイフィールド2と、プレイフィールド2内に配置された景品Pを取得するための把持装置200と、把持装置200を駆動制御する制御部300とを備えている。制御部300は、当選とするか否かの当否判定を行う。制御部300は、当否判定の結果に基づいて、景品Pの取得が容易に把持装置200を駆動制御するアシストモードによる制御と、景品の取得が困難に把持装置200を駆動制御するノーマルモードによる制御とに切り替える。その結果、景品を取得しやすいタイミングにランダム性を持たせることで、景品を取得しやすいタイミングを特定することが困難となり、全ての遊戯者に対して景品を獲得する機会を与えることができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、予め設定された景品の単価及び設定払出率に基づいてアシストモード発生金額を設定する。制御部300は、プレイ回数の周期に対応するP/O収束金額と、アシストモード発生金額とに基づいて、予め設定されたプレイ回数の周期が到来するまでに当選と判定される当選回数を設定する。その結果、当選するタイミングにランダム性を持たせつつ、安定した払出率で景品の払い出しを行うことができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、設定払出率に応じた係数を景品の単価に乗じて得た結果をアシストモード発生金額として設定する。制御部300は、設定されたプレイ回数の周期が到来するまでに払い出された景品の数をアシストモード発生金額に乗じて得た払出金額とP/O収束金額との差額を持越金額として特定する。制御部300は、P/O収束金額に持越金額を加算して算定値を特定し、特定された算定値と、アシストモード発生金額とに基づいて当選回数を設定する。その結果、景品の取得が容易な制御が行われたにもかかわらず景品が取得されなかった場合でも、その結果を反映させて当選回数を設定することができるので、より安定した払出率で景品の払い出しを行うことができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、設定払出率に応じた係数を景品の単価に乗じ、さらに予め設定された消費税率に応じた係数を乗じて得た結果をアシストモード発生金額として設定するので、消費税を考慮した払出率に基づいて景品取得装置を景品取得容易制御と景品取得困難制御とに切り替えることができ、遊戯場において消費税を考慮した調整の手間を省略することができ、遊戯場の運営コストの低減に寄与することができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、プレイ回数の周期を設定可能であるので、プレイ回数の周期を変更することで当選する機会の波を変えることができるようになる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、設定払出率を設定可能であるので、遊戯場の運営方針に応じた払出率に適宜調整することができる。
また、本実施形態によれば、制御部300は、当選と判定したが景品の払い出しがなかった場合には、当選しなかったものとし、当選と判定しなかったが景品の払い出しがあった場合には、当選と判定したものとするので、意図しない景品の払い出しがあった場合でも払出率に対する影響を小さくすることができる。
なお、本実施形態では、景品取得ゲーム装置の一例としてクレーンゲーム機を挙げて説明したが、これに限らず、プレイフィールド内の景品を、景品を取得するための装置(景品取得装置)によって景品排出口から排出させて景品取出口から取出し可能に構成されたものであれば、他の種類の景品取得ゲーム装置についても本発明を適用可能である。
また、本実施形態では、周期毎にアシストモードの当選回数が設定され、周期が到来するまでに設定された回数のアシストモードが発生するようにしてプレイ毎に抽選を行うようにしたが、他の抽選方法によりアシストモードが発生し得るように構成されてもよい。例えば、当選確率の異なる複数の抽選テーブルを用意し、設定された払出率(目標払出率)と実際の払出率との関係に基づいて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて抽選を行うことによりアシストモードの抽選を行うようにしてもよい。あるいは、積立金額とアシストモード発生金額との関係に基づいて抽選テーブルを選択するように構成してもよい。
また、本実施形態では、アシストモードとノーマルモードの2種類のゲーム難易度からいずれかのモードによる遊戯を実行するようにしたが、3種類以上のゲーム難易度を用意してもよい。
また、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。