JP2019016850A - 映像伝送方法および映像伝送システムならびに送信装置および受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】特殊な条件の映像を低ビットレートで伝送し、受信機側でフレーム再構成することにより、高画質の再生を可能にする。【解決手段】送信装置100は、入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出し、抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化し、このフレーム内符号化されたフレーム(Iフレーム)を含むIオンリTSを生成し、RTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークを介して受信装置200へ送信する。受信装置200は、受信されたIPパケットに基づいてIオンリTSを再生し、このIオンリTSからIフレームを再成し、再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成する。【選択図】図1
Description
本発明は、送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIP(Internet Protocol)パケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像(を含むコンテンツ)を伝送する映像伝送方法、ならびにこの方法に使用する送信装置および受信装置に関する。
音声や動画をインターネット等の通信ネットワーク上で伝送するためのプロトコルとして、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP: Real-time Transport Protocol)が知られている。RTPは、シンプルな構成で制御が簡単なUDP(User Datagram Protocol)上で用いられる。再送制御のある信頼性の高いTCP(Transmission Control Protocol)に比べて、UDPはリアルタイムで忠実な再生を行うのに適している。RTPは、そのヘッダにシーケンス番号やタイムスタンプ等を格納して送信することにより、UDPにおけるパケットの順序を正すことができない等の問題を克服している。したがって、RTPは、リアルタイムに音声や動画をストリーム配信するような用途に適している。
特許文献1には、このようなリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を使用したIPパケットによるMPEG−2−TS(Transport Stream)を伝送するシステム(TS over IPシステム)において、前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)処理を用いてロスパケットを修復する通信システムが記載されている。このようなFEC処理の利用により、インターネットを含む比較的不安定な伝送路(通信ネットワーク)を利用する場合にも、データの再送を行うことなくリアルタイムに誤りを訂正することができる。
ところで、高画質の映像、例えばHD映像(1920×1080i)については、MPEG−2やH.264等の画像圧縮符号化技術を用いても、ビットレート(伝送ビットレート)が3Mbpsを下回ると画質の劣化が生じるため、そのような低ビットレートでの伝送は行えないのが現状である。映像(動画)におけるビットレートは、1秒間にどれだけの情報を詰め込んでいるかの指標であり、一般に、映像に割り当てるビットレートが高いほど画質は良好となる。
一方、伝送の対象となる映像によっては動きがほとんど無いものもある。例えば、特許文献2に記載されているようなオッズ情報を表す映像は画面が切り替わるとき以外、動きがほとんどないものである。
本発明は、このような特殊な条件の映像を低ビットレート(例えば500Kbps〜2Mbps)で伝送し、受信機側でフレーム再構成することにより、高画質の再生を可能にする映像伝送方法および映像伝送システムならびに送信装置および受信装置を提供しようとするものである。
本発明による映像伝送方法は、
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送方法であって、
送信側において、
入力映像信号から所定の周期で1フレームを抽出するステップと、
抽出された1フレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化するステップと、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するステップと、
前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するステップとを備え、
受信側において、
受信されたIオンリTSから前記Iフレームを再生するステップと、
前記再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するステップとを備えたものである。
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送方法であって、
送信側において、
入力映像信号から所定の周期で1フレームを抽出するステップと、
抽出された1フレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化するステップと、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するステップと、
前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するステップとを備え、
受信側において、
受信されたIオンリTSから前記Iフレームを再生するステップと、
前記再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するステップとを備えたものである。
本発明による映像伝送システムは、
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送システムであって、
前記送信装置は、
入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、
抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するIオンリTS生成部と、
リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記通信ネットワークから前記IPパケットを受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成するIフレーム再生部と、
再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するフレーム挿入部とを備えたものである。
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送システムであって、
前記送信装置は、
入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、
抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するIオンリTS生成部と、
リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記通信ネットワークから前記IPパケットを受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成するIフレーム再生部と、
再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するフレーム挿入部とを備えたものである。
このような本発明の映像伝送方法およびシステムによれば、伝送対象の映像の一部のフレームを周期的に抽出してフレーム内符号化したIフレームのみを伝送し、受信側で受信したIフレームを、フレーム間符号化による所定のフレームの挿入により補完することにより、送信側で不完全な映像の圧縮符号化を受信側で完結させる(換言すれば、本来、送信側で行うべき特定のフレームの圧縮符号化を受信側で疑似的に行う)ことにより、動きのほとんど無いまたは遅い映像についてはこれでも支障がなく、伝送対象のデータ量が低減される。
上記映像伝送システムにおいて、前記受信装置は、SI情報を生成するSI情報生成部と、前記SI情報を前記フレーム挿入部の出力とともに多重化する多重化部と、多重化された前記フレーム挿入部の出力と前記SI情報とを受けてデジタルテレビジョンRF信号に変換する変調部とをさらに備えてもよい。
これにより、受信側で専用のデコーダが不要となり、結果的にコストダウンが可能になる。
前記変調部は、例えば、OFDM変調器と、RFアップコンバータとを有するものである。OFDM変調およびアップコンバートを行うことにより、受信信号を既存のデジタルテレビジョン受信機で表示することができる。
本発明による送信装置は、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を使用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を送信する送信装置であって、入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、前記フレーム内符号化されたフレームを含むTSをIオンリTSとして生成するIオンリTS生成部と、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部とを備えたものである。
この送信装置では、伝送対象の映像の一部のフレームを周期的に抽出してフレーム内符号化したIフレームのみを伝送するので、伝送対象のデータ量が大幅に軽減される。
本発明による受信装置は、送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で伝送される少なくとも映像を受信する受信装置であって、入力映像信号から所定の周期で抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化することにより得られたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを前記通信ネットワークから前記IPパケットとして受信するRTP受信部と、受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、再生された前記IオンリTSからIフレームを再成するIフレーム再生部と、再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するフレーム挿入部とを備えたものである。
この受信装置で受信したIフレームを所定のフレームの挿入により補完することにより、送信側で不完全な映像の圧縮符号化を受信側で完結させる(換言すれば、本来、送信側で行うべき特定のフレームの圧縮符号化を受信側で疑似的に行う)ことにより、動きのほとんど無いまたは遅い映像についてはこれでも支障がなく、伝送対象のデータ量が低減される。
本発明による第2の映像伝送方法は、
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送方法であって、
送信側において、
入力映像信号から所定の周期で1フレームを抽出するステップと、
抽出された1フレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化するステップと、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するステップと、
前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するステップとを備え、
受信側において、
受信されたIオンリTSから前記Iフレームを再生し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元するステップと、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成するステップと、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化するステップとを備えたものである。
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送方法であって、
送信側において、
入力映像信号から所定の周期で1フレームを抽出するステップと、
抽出された1フレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化するステップと、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するステップと、
前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するステップとを備え、
受信側において、
受信されたIオンリTSから前記Iフレームを再生し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元するステップと、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成するステップと、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化するステップとを備えたものである。
本発明による第2の映像伝送システムは、
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送システムであって、
前記送信装置は、
入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、
抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するIオンリTS生成部と、
リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記通信ネットワークから前記IPパケットを受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元する復号部と、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成する入力映像再構成部と、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化する圧縮符号化部と
を備えたものである。
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送システムであって、
前記送信装置は、
入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、
抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するIオンリTS生成部と、
リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記通信ネットワークから前記IPパケットを受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元する復号部と、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成する入力映像再構成部と、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化する圧縮符号化部と
を備えたものである。
上記(第1)の映像伝送方法および映像伝送システムは、受信側において受信した、フレーム内符号化後のIオンリTSを符号化されたままの状態でフレームの補完を行うものであったのに対して、この映像伝送方法は、フレーム内符号化後のIオンリTSを一旦復号して入力映像のレベルにまで戻して欠落フレームを複製・補完した後、再度圧縮符号化するものである。
第2の映像伝送システムの送信装置は第1の映像伝送システムの送信装置と同じである。第2の映像伝送システムの受信装置は、
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で伝送される少なくとも映像を受信する受信装置であって、
所定の周期で抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化することにより得られたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを前記通信ネットワークから前記IPパケットとして受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元する復号部と、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成する入力映像再構成部と、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化する圧縮符号化部と
を備えたものである。
送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で伝送される少なくとも映像を受信する受信装置であって、
所定の周期で抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化することにより得られたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを前記通信ネットワークから前記IPパケットとして受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元する復号部と、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成する入力映像再構成部と、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化する圧縮符号化部と
を備えたものである。
本発明によれば、特殊な条件の映像(動画)を実質的に低ビットレートで伝送し、受信機側でフレーム再構成することにより、高画質の再生を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(映像伝送システムの概略構成)
図1に、本発明の第1の実施形態による映像伝送システムの概略構成を表したブロック図を示す。
(映像伝送システムの概略構成)
図1に、本発明の第1の実施形態による映像伝送システムの概略構成を表したブロック図を示す。
この映像伝送システムは、送信装置100と、この送信装置100に通信ネットワーク150を介して接続される受信装置200とにより構成される。送信装置100と受信装置200の関係は1対1の関係の他、送信装置100が同時に複数の受信装置200と接続される1対多の関係であってもよい。
送信装置100は、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を使用してIPパケットにより通信ネットワーク150経由で少なくとも映像(動画)を伝送するための装置である。より具体的には、少なくとも映像のTS(Transport Stream)をRTP通信により通信ネットワーク150を介して受信装置200へ送信する。一般に、TSは放送や通信で使用することを目的として標準化された188バイト単位の固定長パケットを含むデータであり、映像、音声、データを含みうる。
RTPの送信方式は、ユニキャストまたはマルチキャスト、ブロードキャスト等、特に限定するものではない。ユニキャストとは、1台の送信装置100が特定の1台の受信装置200へ1対1で配信を行う方式である。マルチキャストとは、1台の送信装置100が複数の受信装置200へ、1対特定多数で配信を行う方式である。ブロードキャストとは、1台の送信装置100が不特定多数の受信装置200へ配信を行う方式である。
送信装置100は、より具体的には、フレーム蓄積部11、フレーム抽出部13、Iフレーム生成部15、IオンリTS生成部17、RTP送信部19を有する。
フレーム蓄積部11は、入力された映像信号10、ここでは輝度色差信号(Y+CbCr)を連続したフレームとしてフレームメモリ(図示せず)に記録する。映像信号が1080iの場合、フレームレートは1秒間に30フレームである。なお、映像信号の入力インターフェースとしては特に限定しないが、例えば、HDMI(登録商標)、SD−SDI、HD(1.5G)−SDI、3G−SDI、6G−SDI、12G−SDI等が挙げられる。また、映像フォーマットも特に限定するものではないが、例えば、1080/59.94i、1080/60p等が挙げられる。
フレーム抽出部13は、フレームメモリに記録された映像信号から、所定の周期毎に有効な1フレーム(画面)を抽出する。この1フレームを抽出する周期(変換周期または抽出周期)は、入力映像によって自動可変または固定可変の設定が選択でき、例えば、1秒間に1フレームなどである。このような変換周期設定は送信装置100内の制御部(図示せず)にて行うことができる。この変換周期に関して、典型的には、受信側は送信側から変換周期の情報を得て対応する。このような変換周期情報を送信装置100から受信装置200へ送信する手段やタイミングは特に問わないが、例えば所定のタイミングで既知のパラメータパケットまたは専用パケットで送信することができる。既知の固定値の変換周期を採用する場合には送信装置100から受信装置200へ通知する必要はない。
Iフレーム生成部15は、入力映像から変換周期毎に抽出された1フレームを所定の映像(動画)圧縮符号化方式(例えばMPEG−2やH.264等)に従って圧縮符号化(フレーム内符号化)する。このような入力映像から抽出された1フレームがフレーム内符号化(イントラ符号化)方式によりフレーム内符号化されたフレームはIフレームと呼ばれる。Iフレームは、他のフレームを参照することなく単独で復号可能なフレームである。映像圧縮符号化により得られるフレームにはIフレームの他にPフレーム、Bフレームが含まれ、これらの所定数のフレームの1組の集合はGOP(Group Of Pictures)と呼ばれる。
Pフレームとは、フレーム間順方向予測符号化によって得られるフレームであり、典型的には、直前(過去)のIフレームとの差分で表されるフレームである。
Bフレームとは、フレーム間双方向予測符号化によって得られるフレームであり、典型的には過去のIまたはPフレームを予測用の参照画面として用いるとともに、未来のIまたはPフレームを予測用の参照画面として用いるフレームである。
一般に、あるIフレームから次のIフレームの前のフレームまでが1つのGOPの範囲となる。各GOPにはGOPヘッダが付加される。GOPヘッダには、スタートコード、タイムコード(時間符号)、オープン/クローズの識別フラグが含まれる。GOPヘッダはスタートコードで始まる。タイムコードはGOPの最初に提示する画面の時刻(時分秒)を表す。オープン/クローズの識別フラグはGOPの中だけで予測が独立しているか否かを示すフラグである。
IオンリTS生成部17は、I,P,Bフレームのうち、Iフレームのみを含むTS(すなわちIオンリTS)を生成する。
RTP送信部19は、このIオンリTSを、既知の前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)処理付きで、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してRTPパケット(IPパケット)として通信ネットワーク150へ送信する
FEC処理により、インターネットを含む比較的不安定な伝送路(通信ネットワーク)を利用する場合にも、データの再送を行うことなくリアルタイムに誤りを訂正することで、通信ネットワークでのパケットロスの補完が可能となる。
受信装置200は、送信装置100が送信するRTPパケットを受信する機器である。より具体的には、受信装置200は、リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を使用したIPパケットによるMPEG−2−TSの伝送を受ける受信装置であり、RTP送信されたIオンリTSを送信装置100から受信する。受信装置200にはその出力信号を再生する表示装置(図示せず)が接続される。表示装置は、本実施の形態ではデジタルテレビ(TV)受信機である。
受信装置200は、より具体的には、RTP受信部21、TS再生部23、Iフレーム再生部25、PB挿入部26、SI情報生成部27、TS多重化部(TS MUX)28、ISDB−T変調部29を有する。
RTP受信部21は、送信装置100のRTP送信部19から送信された送信されたRTPパケットをFEC修復機能付きで受信する。
TS再生部23は、この受信したRTPパケットからTS(この例ではIオンリTS)を再生する。
Iフレーム再生部25は、再生されたIオンリTSからIフレームを再生し、受信装置200内のバッファ(図示せず)に記録する。
PB挿入部26は、送信側から通知された(または予め定められた)変換周期情報を参照し、記録されたIフレームに基づいて、適宜、P/Bフレームの挿入を行い、一連のGOPを構成するフレームからなる圧縮符号化データ(圧縮符号化されたフレーム群)を擬似的に再構成する。この処理は、送信装置100において採用されている映像圧縮符号化方式に対応するものである。ここで挿入されるPフレームおよびBフレームはIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むフレームとして予め用意されたものである。このような映像の動きのないフレームを便宜上「空のフレーム」と呼ぶ。空のフレームの具体的なデータ構造は圧縮符号化方式によっても異なるが、動き量を表すフレーム間の差分情報や動きベクトル情報等のパラメータが「動き」のないことを示すものである。
本発明では、送信側での映像の圧縮符号化処理において入力映像のフレームを間引いてIオンリーTSを生成・送信するので、圧縮符号化の出力には本来のGOPが完全な形で含まれていないことになる。これに対して、受信側で受信したIフレームに対してP/Bフレームを挿入する(および必要に応じてIフレームを複製する)ことによりGOPを再構成する。その各GOPの再構成の際に、必要に応じて新たに生成されたGOPヘッダに含まれるタイムコード(時間符号)を直前のIフレームのタイムコードの参照により付加する。そのタイムコードは、挿入するGOPヘッダの先頭フレームの、直前のIフレームからの距離分(フレーム数)のフレーム間時間を加算したものである。
SI情報生成部27は、地上デジタルテレビ放送に必要なPAT,PMT,SDT,BIT、TOT,NITなどのSI情報(付帯情報)を生成する手段である。このようなSI情報は制御装置から設定することができる。SI情報は、SI情報生成部27からARIB(Association of Radio Industries and Business)に準拠したタイミングでTSパケットとして送出される。
TS多重化部28は、PB挿入部26で再生されたTSと、それに対応する地上デジタルテレビ放送SI情報とを多重化する。
ISDB−T変調部29は、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調機能、RFアップコンバータ機能を内蔵し、TS多重化部28の出力TSをISDB−T方式で地上デジタルテレビ放送信号として変調して、RFアップコンバータにより周波数変換し、地上デジタルテレビ放送RF信号30として出力する。RF出力された信号は表示装置で受信され、表示装置上に当該映像として表示される。
なお、本発明においてISDB−T変調部29は必須の要素ではないが、これを備えることにより、既存のデジタルテレビ受信機を表示装置として使用することができる利点がある。
図2は、図1の映像伝送システムの送信側から受信側までの入力映像のフレームがどのように処理されるかの概略を模式的に示したものである。
図2の左端において「入力フレーム」は、送信装置100における入力映像の周期的なフレーム群を表したものである。この入力フレームから所定の周期で抽出されたフレームをフレーム内符号化したものがIフレームであり、このIフレームからIオンリTSが生成される。このIオンリTSはRTPパケットとして通信ネットワーク150を介して受信装置200に受信される。
受信装置200では、受信したIオンリTSから得られた第1のIフレーム61と第2のIフレーム62の間に、第1のIフレーム61を複製することにより得られた第3のIフレーム63を配置する。さらに、第1のIフレーム61と第3のIフレーム63の間に、所定のP/Bフレーム64を挿入する。同様に、第3のIフレーム63と第2のIフレーム62の間に、所定のP/Bフレームを挿入する。
なお、第1のIフレーム61と第2のIフレーム62の間に複製したIフレームを挿入するか否か、挿入する場合のIフレームの個数は、変換周期およびGOPのフレーム数等の状況によって異なりうる。また、P/Bフレーム64として図2に示したPフレームとBフレームの個数や配置は仮に例示したものであり、本発明はこの例に限定されるものではない。「P/Bフレーム64」として、必ずしもPフレームとBフレームの両方を含む必要があるか否かは、受信側の映像デコーダの如何による。通常のデジタルテレビ受信機を表示装置として用いる場合にはP/Bの両フレームを含める。
このようにして、本実施形態においては、本来、送信側の圧縮符号化処理の対象となる相当数のフレームを間引いて一部のフレームのみ所定の周期で抽出してフレーム内符号化したIフレームのみを送信し、受信側では受信したIフレームをデジタルテレビ受信機のデコーダが理解できるTSの形式に補完するものである。より具体的には、受信側で欠落しているフレームを補うために、送信側で得られる筈であったフレームを受信側で擬似的に生成して挿入する。すなわち、受信側のフレーム挿入は圧縮符号化処理そのものを実行しているのではなく、同圧縮符号化処理の出力フレームと結果的にほぼ等価なフレーム出力が得られるように、挿入すべきフレームを生成するものである。受信側での、送出Iフレーム間隔の間の再生映像は静止画映像になるが、もともとの入力映像がほぼ動きのない映像であれば問題はない。
図3に、図1の映像伝送システムにおけるPB挿入部26の具体的な処理例について説明する。
この例では、30フレーム毎秒の映像について1秒毎に1フレームの変換周期でフレームを抽出する場合(1フレーム毎秒)を想定する。この場合、GOPは15フレームからなるとすると、受信側で再構成されるフレームは図3に示すように、「I→B(7フレーム)→P→B(6フレーム)→I(コピー)→B(7フレーム)→P→B(6フレーム)→I …」となる。
また、受信側でのフレームの再構成の処理順は次のようになる。図3において各フレームの下に示したカッコ付き数字で処理順を示している。
(1)I: IオンリーTSから得られたIフレーム(送信側でフレーム内符号化されたもの)を再生する
(2)I(コピー): (1)のフレームIを複製したIフレームを生成する
(3)P: (1)のIフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むPフレームを生成する
(4)B(7フレーム): (1)と(3)のI/Pフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを7フレーム分複製する
(5)B(6フレーム): (3)と(2)のP/Iフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを6フレーム分複製する
(6)I: IオンリーTSから得られた(1)のIフレームの次のIフレーム(送信側でフレーム内符号化されたもの)を再生する
(7)P: (2)のIフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むPフレームを生成する
(8)B(7フレーム): (2)と(7)のI/Pフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを7フレーム分複製する
(9)B(6フレーム): (7)と(6)のP/Iフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを6フレーム分複製する。
(1)I: IオンリーTSから得られたIフレーム(送信側でフレーム内符号化されたもの)を再生する
(2)I(コピー): (1)のフレームIを複製したIフレームを生成する
(3)P: (1)のIフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むPフレームを生成する
(4)B(7フレーム): (1)と(3)のI/Pフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを7フレーム分複製する
(5)B(6フレーム): (3)と(2)のP/Iフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを6フレーム分複製する
(6)I: IオンリーTSから得られた(1)のIフレームの次のIフレーム(送信側でフレーム内符号化されたもの)を再生する
(7)P: (2)のIフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むPフレームを生成する
(8)B(7フレーム): (2)と(7)のI/Pフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを7フレーム分複製する
(9)B(6フレーム): (7)と(6)のP/Iフレームに対してフレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含むBフレームを6フレーム分複製する。
なお、図3に示したGOPのフレーム数やフレーム種類の並び順はあくまで例示であり、採用する映像の圧縮符号化方式の条件に合致する範囲内で任意である。
送信側でIオンリTSに付随して当該GOPヘッダを送信する場合、図3の前半のGOPについては送信側からGOPヘッダが提供される。しかし、図3の後半のGOPについては、その全体が補完されたものであり、GOPヘッダも含めて再構成が必要となる。送信側からのIオンリTSに付随したGOPヘッダの送信の有無に関わらず、すべてのGOPヘッダを受信側で生成するようにすることも可能である。
図4に、RTP送信部19により生成されるIPパケットとしてのRTPパケット50の概略構成を示す。RTP送信部19は所定の個数の時系列のTSパケット(IオンリTSパケットを含む)をカプセル化して1つのRTPパケット50を構成する。各RTPパケット50には一連のシーケンス番号(n,n+1,…)が付与される。シーケンス番号はRTPパケットの送出ごとに増分(+1)される。
RTPパケット50は、IPヘッダ51と、UDPヘッダ52と、RTPヘッダ53と、データ54の各部により構成される。
IPヘッダ51は、IPパケットのヘッダ部であり、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス等が格納される。
UDPヘッダ52は、UDPパケットのヘッダ部であり、UDPに関連した送信元ポートおよび宛先ポートが格納される。
RTPヘッダ53は、RTPパケットのヘッダ部であり、上述したRTPパケットのシーケンス番号、およびタイムスタンプ等が格納される。タイムスタンプには各TSパケットに関連したシステムクロック信号が格納される。
データ54には、上述した一連のTSパケット(IオンリTSパケットを含む)等のデータが包含される。
図5は、既知の圧縮符号化方式の1つであるMPEG−2のビデオ部のストリーム構成を示している。このストリーム構成は、階層構造として、シーケンス層、GOP層、ピクチャ層、スライス層、マクロブロック層およびブロック層を含む。
シーケンス層は、シーケンスヘッダ(SH)61とGOP62の組を複数組含み、最後にシーケンスエンドコード(SEC)63を有する。シーケンスヘッダ61はシーケンススタートコードで始まり、画像サイズ、アスペクト比、フレームレート、ビットレートなどの当該映像の各種パラメータを含む。
GOP62は、GOP層において、GOPヘッダ71、および複数のフレーム72,73,74,…を含む。GOPヘッダ71は、上述したとおり、スタートコード、タイムコード(時間符号)、オープン/クローズの識別フラグを含む。各フレームは、ピクチャ層において、フレームヘッダ(ピクチャヘッダ)81および複数のスライスからなるスライス群82を含む。
通常、GOPは上述のようにI,P,Bの複数種のフレームを含むが、本実施形態における送信側で生成するIオンリTSは、Iフレームのみからなる。
スライスとは、複数のフレームで構成されるGOPの中の1枚のフレームをいくつかの帯状のエリアに断片化したもの(16ライン幅のマクロブロックの帯)である。マクロブロックは16画素×16ラインの正方形の画素ブロックを含む。
ピクチャ層のフレームヘッダ81は、スタートコード、時間参照(Temporal Reference)、ピクチャタイプ、VBV(Video Buffer Verify)遅延、動きベクトル情報、ピクチャ情報を含む。
スライス層は、スライスヘッダ91と、複数のマクロブロック92を含む。スライスヘッダ91は、スタートコード、量子化スケール(量子化ステップサイズ)、イントラスライス情報を含む。
マクロブロック層は、マクロブロックヘッダ101と、複数のブロックからなる1組のブロック102(輝度4ブロックおよび色差信号2ブロック)を含む。1組のブロック102は、ブロック層において、各ブロック111を含む。
マクロブロックヘッダ101は、マクロブロックエスケープ(所定のマクロブロックをスキップすることを示すデータ)、マクロブロックアドレス増加(マクロブロックのスキップ数)、マクロブロックタイプ(予測モードおよび量子化モード)、フレーム動きタイプ、フィールド動きタイプ、DCTタイプ(フィールドDCTかフレームDCTか)、量子化スケール、マクロブロックフィールド選択、水平マクロブロック情報、垂直マクロブロック情報、コードブロックパターンを含む。
各ブロック111の内容はイントラDCTブロックかインターDCTブロックかで異なる。イントラDCTブロックであれば、DCサイズとDC残差、およびACコンポーネントを含む。インターDCTブロックであれば、2次元VLC(Variable Length Coding)コードを含む。
受信側において挿入されるP/Bフレームについて、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータとしては、例えば上記のMPEG−2の構成では、P/Bフレームにおける参照フレームの同位置の対応画素との差分を0とし、また、動き補償に関するパラメータについては参照フレームに対して動きがないことを示す予め定めたデータとすることができる。差分データのみで足りれば動き補償に関するパラメータは使用しなくてもよいが、両者を併用してもよい。
本実施形態によれば、送信側の高画質の入力映像の画質劣化を伴うことなく、高画質の入力映像のデータ量を大幅に低減して伝送することが可能になり、実質的に低ビットレートでの伝送が実現される。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、受信側において受信した、圧縮符号化(フレーム内符号化)後のIオンリTSを符号化されたままの状態でP/Bフレームによる補完を行うものであった。これに対して、第2の実施形態はフレーム内符号化後のIオンリTSを一旦復号して入力映像のレベルにまで戻して欠落フレームを複製・補完した後、再度圧縮符号化するものである。
上記第1の実施形態では、受信側において受信した、圧縮符号化(フレーム内符号化)後のIオンリTSを符号化されたままの状態でP/Bフレームによる補完を行うものであった。これに対して、第2の実施形態はフレーム内符号化後のIオンリTSを一旦復号して入力映像のレベルにまで戻して欠落フレームを複製・補完した後、再度圧縮符号化するものである。
より具体的には、第2の実施形態では、送信側でたとえば複数フレームにつき1フレームを抽出してフレーム内符号化して得たIオンリTSを受信側で受信したとき、受信側では、そのIオンリTSから得たIフレームを一旦復号し、この復号されたIフレームを欠落フレーム数分だけ複製・挿入することにより擬似的な入力映像を再生し、この擬似的な入力映像を受信側で再度、圧縮符号化(フレーム内符号化およびフレーム間符号化)してTS化する。
この第2の実施形態によっても、送信側でのIオンリTSの生成・送信は変わらないので、上述した本発明の効果が得られる。
(映像伝送システムの概略構成)
図6に第2の実施形態による映像伝送システムの概略構成を表したブロック図を示す。図1に示した要素と同様の要素には同じ参照番号を付して、重複した説明は省略する。
図6に第2の実施形態による映像伝送システムの概略構成を表したブロック図を示す。図1に示した要素と同様の要素には同じ参照番号を付して、重複した説明は省略する。
この映像伝送システムにおける送信装置100は図1と同じである。図1の受信装置200はその内部構成が変更され、受信装置200aとなっている。
受信装置200aは、受信装置200内のIフレーム再生部25およびPB挿入部26に代えて、Iフレーム復号部31、入力映像再構成部33、および圧縮符号化部35を備えている。
Iフレーム復号部31は、TS再生部23から得られたIオンリTSを復号することにより、送信側の入力映像から抽出された入力フレームを復号する。
入力映像再構成部33は、得られた入力フレームを、欠落しているフレーム数だけ複製・挿入して、入力映像を再構成する。この再構成された入力映像は送信側の映像10と擬似的に等価な映像である。
圧縮符号化部35は、入力映像再構成部33から出力された入力映像を正規の圧縮符号化により正規のTSに変換する。この正規のTSはTS多重化部28に入力される。
他の構成は図1に示した映像伝送システムと同様である。
図7は、図6の映像伝送システムの送信側から受信側までの入力映像のフレームがどのように処理されるかの概略を模式的に示したものである。
図7の左端において「入力フレーム」は、送信装置100における入力映像の周期的なフレーム群(圧縮符号化前すなわちフレーム内符号化前のフレームa,b,c,…x,…)を表したものである。この入力フレームから所定の周期で抽出されたフレームをフレーム内符号化したものがIフレームであり、このIフレームに基づいてIオンリTSが生成される。このIオンリTSはRTPパケットとして通信ネットワーク150を介して送信され、受信装置200に受信される。ここまでの送信側の処理は第1の実施形態と同様である。
受信装置200aでは、受信したIオンリTSから得られた第1のIフレーム(フレームa)を、Iフレーム復号部31により復号して、圧縮符号化(フレーム内符号化)前のフレームaへ復元する。この復元されたフレームaを、入力映像再構成部33により、第2のフレームに対応するフレームxまでに欠落したフレーム数分だけ複製する。フレームxについても同様に複製を行う。
そこで、このようにして生成された疑似的入力フレームに対して圧縮符号化部35により圧縮符号処理を行い、正規のGOPを構成するTSフレームを出力する。ここに示したTSフレーム出力におけるI/P/Bフレームの個数や並び順は図2に示した例と同じものを示したが、異なるものであってもよい。
(実施形態の適用例)
上述した各実施形態の映像伝送システムはオッズ画面表示に適用して好適である。オッズ画面は、競馬、競輪、競艇、オートレースなどのオッズ情報を表示する画面であり、通常、オッズ情報を表す映像は画面が切り替わるとき以外、映像に動きがほとんどないものである。このようなオッズ画面の映像は、レース場内の他、通信ネットワークを介して接続された場外の端末装置(受信装置)などにも伝送され、表示される。
上述した各実施形態の映像伝送システムはオッズ画面表示に適用して好適である。オッズ画面は、競馬、競輪、競艇、オートレースなどのオッズ情報を表示する画面であり、通常、オッズ情報を表す映像は画面が切り替わるとき以外、映像に動きがほとんどないものである。このようなオッズ画面の映像は、レース場内の他、通信ネットワークを介して接続された場外の端末装置(受信装置)などにも伝送され、表示される。
通常、同時に配信されるオッズ画面は複数種類存在する(単勝・複勝オッズ、枠連・馬連オッズ、馬単・三連単オッズ、等)。その場合、オッズ画面毎の別々の入力画像が別々のIオンリーTSに変換し、これらを多重化して送信することができる。受信側では、複数のIオンリTSから複数のオッズ画面のTSを再構成して別チャンネルでRF化する。これにより、表示装置でのチャンネル切り替えで複数のオッズ画面を切り替え表示することができる。
また、各入力映像は、1つのオッズ画面を継続して映すものであってもよいし、複数種類のオッズ画面を周期的に切り替えて映すものであってもよい。
この適用例のシステム構成としては、特に図示しないが、図1における送信装置100のRTP送信部の前段の複数ブロックが複数並列に設けられ、それらの複数のIオンリTS出力が多重化されてRTP送信されるようにする。あるいは、RTP送信部まで全ブロックが複数並列に用意されてRTP送信後に多重されるようにすることもできる。
表示装置によっては、既知の複数チャンネル分割表示機能を利用して、複数のチャンネルのオッズ画面を画面分割で同時表示することも可能である。
また、送信側では動きがほとんど無い映像に加えて、通常の動きのある映像のTS(IオンリTSでなく通常のTS)も併せて多重化して送信することもできる。
なお、この本発明の応用はオッズ画面に限られるものではなく、伝送対象の映像が比較的動きの少ないものであれば任意の映像に適用することが可能である。
(変形例)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
例えば、上記の実施形態では、圧縮符号化方式としてMPEG−2を例としたが、H.264等の他の圧縮符号化方式を利用することも可能である。
入力画像のフレーム走査方式としては、インターレース走査方式、プログレッシブ走査方式の別は問わない。GOPは、オープンGOP、クローズドGOPの別を問わない。
10:映像信号、11:フレーム蓄積部、13:フレーム抽出部、15:フレーム生成部、17:IオンリTS生成部、19:RTP送信部、21:RTP受信部、23:TS再生部、25:Iフレーム再生部、26:PB挿入部、27:SI情報生成部、28:TS多重化部、29:ISDB−T変調部、30:地上デジタルテレビ放送RF信号、31:フレーム復号部、33:入力映像再構成部、35:圧縮符号化部、40:TSパケット、50:RTPパケット、51:IPヘッダ、52:UDPヘッダ、53:RTPヘッダ、54:データ、61:第1のIフレーム、62:第2のIフレーム、63:第3のIフレーム、64:P/Bフレーム、71:GOPヘッダ、72〜74:フレーム、81:フレームヘッダ、82:スライス群、91:スライスヘッダ、92:マクロブロック、100:送信装置、101:マクロブロックヘッダ、102:1組のブロック、111:ブロック、150:通信ネットワーク、200:受信装置、200a:受信装置
Claims (11)
- 送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送方法であって、
送信側において、
入力映像信号から所定の周期で1フレームを抽出するステップと、
抽出された1フレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化するステップと、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するステップと、
前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するステップとを備え、
受信側において、
受信されたIオンリTSから前記Iフレームを再生するステップと、
前記再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するステップとを備えた
映像伝送方法。 - 送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送システムであって、
前記送信装置は、
入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、
抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するIオンリTS生成部と、
リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記通信ネットワークから前記IPパケットを受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成するIフレーム再生部と、
再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するフレーム挿入部とを備えた
映像伝送システム。 - 前記受信装置は、
SI情報を生成するSI情報生成部と、
前記SI情報を前記フレーム挿入部の出力とともに多重化する多重化部と、
多重化された前記フレーム挿入部の出力と前記SI情報とを受けてデジタルテレビジョンRF信号に変換する変調部と
をさらに備えた請求項2に記載の映像伝送システム。 - 前記変調部は、OFDM変調器と、RFアップコンバータとを有する請求項3に記載の映像伝送システム。
- リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を使用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で少なくとも映像を受信装置へ送信する送信装置であって、
入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、
抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、
前記フレーム内符号化されたフレームを含むTSをIオンリTSとして生成するIオンリTS生成部と、
リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部と
を備えた送信装置。 - 送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で伝送される少なくとも映像を受信する受信装置であって、
入力映像信号から所定の周期で抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化することにより得られたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを前記通信ネットワークから前記IPパケットとして受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成するIフレーム再生部と、
再生されたIフレームに対して、フレーム間符号化により映像の動きがないことを示すデータを含む複数のフレームを挿入することにより、圧縮符号化されたフレーム群を擬似的に再構成するフレーム挿入部と
を備えた受信装置。 - SI情報を生成するSI情報生成部と、
前記SI情報を前記フレーム挿入部の出力とともに多重化する多重化部と、
多重化された前記フレーム挿入部の出力と前記SI情報とを受けてデジタルテレビジョンRF信号に変換する変調部と
をさらに備えた請求項6に記載の受信装置。 - 前記変調部は、OFDM変調器と、RFアップコンバータとを有する請求項7に記載の受信装置。
- 送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送方法であって、
送信側において、
入力映像信号から所定の周期で1フレームを抽出するステップと、
抽出された1フレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化するステップと、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するステップと、
前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するステップとを備え、
受信側において、
受信されたIオンリTSから前記Iフレームを再生し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元するステップと、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成するステップと、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化するステップとを備えた
映像伝送方法。 - 送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で受信装置へ少なくとも映像を伝送する映像伝送システムであって、
前記送信装置は、
入力映像信号から所定の周期でフレームを抽出するフレーム抽出部と、
抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化する圧縮符号化部と、
前記フレーム内符号化されたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを生成するIオンリTS生成部と、
リアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用して前記生成されたIオンリTSをRTPに則ってIPパケットにより通信ネットワークへ送信するRTP送信部とを備え、
前記受信装置は、
前記通信ネットワークから前記IPパケットを受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元する復号部と、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成する入力映像再構成部と、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化する圧縮符号化部と
を備えた
映像伝送システム。 - 送信装置からリアルタイムトランスポートプロトコル(RTP)を利用してIPパケットにより通信ネットワーク経由で伝送される少なくとも映像を受信する受信装置であって、
入力映像信号から所定の周期で抽出されたフレームを所定の映像圧縮符号化方式にしたがってフレーム内符号化することにより得られたフレーム(以下、Iフレームという)を含むIオンリTSを前記通信ネットワークから前記IPパケットとして受信するRTP受信部と、
受信された前記IPパケットに基づいて前記IオンリTSを再生するTS再生部と、
再生された前記IオンリTSからIフレームを再成し、再生されたIフレームを復号してフレーム内符号化前のフレームを復元する復号部と、
前記復元されたフレームを複製して欠落したフレームを補完することにより、擬似的な入力フレームを生成する入力映像再構成部と、
前記擬似的な入力フレームを圧縮符号化する圧縮符号化部と
を備えた受信装置。
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