JP2019015377A - 液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物 - Google Patents

液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019015377A
JP2019015377A JP2017134646A JP2017134646A JP2019015377A JP 2019015377 A JP2019015377 A JP 2019015377A JP 2017134646 A JP2017134646 A JP 2017134646A JP 2017134646 A JP2017134646 A JP 2017134646A JP 2019015377 A JP2019015377 A JP 2019015377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radius
liquefied gas
cylindrical
spherical shell
gas tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017134646A
Other languages
English (en)
Inventor
幸司 望月
Koji Mochizuki
幸司 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Shipbuilding Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd, Mitsui E&S Shipbuilding Co Ltd filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2017134646A priority Critical patent/JP2019015377A/ja
Publication of JP2019015377A publication Critical patent/JP2019015377A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
  • Pressure Vessels And Lids Thereof (AREA)

Abstract

【課題】液化ガスを貯蔵するMOSS型の液化ガスタンクにおいて、溶接個所の増加と、液化ガス貯蔵時の重心高さが高くなるのを抑制しつつ、タンク容積を増加することができて、船体の復原性能を確保しつつ、船体をコンパクト化できる液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物を提供する。【解決手段】上部球殻体21の半径R1と、上部球殻体21の下端円部21aの半径R2と、下部球殻体23の半径R3と、下部球殻体23の上端円部23bの半径R4と、円筒赤道部22の上端円部22aの半径R5と、円筒赤道部22の下端円部22bの半径R6と,円筒赤道部22の高さHeの関係において、R2とR5をSQRT(R1×R1—0.25×He×He)を超えかつR1未満、又は、R1と同じとし、R4とR6をSQRT(R3×R3—0.25×He×He)を超えかつR3未満、又は、R3と同じとする。【選択図】図4

Description

本発明は、液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物に関し、より詳細には、液化ガスを貯蔵するMOSS型の液化ガスタンクを備えて構成される、液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物に関する。
液化ガス運搬船のうちの液化天然ガス運搬船(LNG船)においては、球形のMOSS型タンクを搭載しているものが多い。図6〜図8に示すように、この従来技術のMOSS型の液化ガスタンク構造10Xにおいては、液化ガスタンク20Xは、上部球殻体21Xと円筒赤道部22Xと下部球殻体23Xとからなり、上部球殻体21Xの下端円部21Xaを円筒赤道部22Xの上端円部22Xaに接合し、下部球殻体23Xの上端円部23Xbを円筒赤道部22Xの下端円部22Xbで接合して形成されている。また、円筒赤道部22Xに接合する「スカート」と呼ばれる円筒形のタンク支持構造24Xで液化ガス運搬船の船体に支持されている。
この円筒赤道部22Xでは、内圧により発生する膜応力があらゆる方向に同一の値を持っている球形体(上部球殻体21X、下部球殻体23X)のシェル構造から、内圧により発生する膜応力が円周方向と円筒の軸方向で異なる値を持っている円筒体のシェル構造(円筒赤道部22X)に移行するため、球形体の板厚よりも大きな板厚が必要になり、図8に示すような形状を有している。
また、この円筒赤道部22Xは、上部球殻体21Xと下部球殻体23Xとの間の接合だけでなく、タンク支持構造24Xとも接合するために、非常に大きい応力が発生する上に、貯蔵する液化ガスの温度が著しく低く(LNGでマイナス162度程度、LPGでマイナス45度程度)なるため、大きな強度が必要になる。そのため、この集合部分での溶接構造の集中を回避して十分な強度を確保するために、一体物の板厚の大きな板部材を削り出しして円筒赤道部22Xを製造している。そのため、円筒赤道部22Xの内周側は高さ方向に曲げ加工することや円弧上に削り出しすることが困難になっており、その結果、図8に示すように、その内周面は球形では無く円筒形状に形成されている。
そして、この従来技術では、球体の一部を円筒赤道部22Xに置き替えるという技術的思想であるため、図6に示すように、液体ガスタンク20Xの高さHXtは、球体の半径Rcの2倍(HXt=2×Rc)となっている。また、図8に示すように、円筒赤道部22Xの内周面を垂直な円筒面としているため、円筒赤道部22Xの内側の半径RXeは、球体の半径Rcより小さくなっている。
つまり、図7に示すように、円筒赤道部22Xの高さHXeと、球体の中心Pcと円筒赤道部22Xの内側上端Paを結ぶ線分Laと球体の中心Pcと円筒赤道部22Xの内側下端Pbを結ぶ線分Lbとがなす角度を2θ(度:degree)とすると、「RXe=Rc×COS(θ)」、「HXe=2×Rc×SIN(θ)」となる。つまり、完全な球体に対して、中心Pcを通る垂直断面積では、完全な円(真円)の場合の面積「Sc=π×Rc×Rc」に対して、円筒赤道部22Xによる減少分(図8のクロスハッチング部分の2倍)の「ΔA=4×(θ/360)×Sc−HXe×RXe=π×Rc×Rc×(θ/90)−2×Rc×Rc×COS(θ)×SIN(θ)」だけ小さくなっている。
一方、このMOSS型の球形タンクは、運河や港湾の制限などにより、船幅が制限されている場合には、球形の液化ガスタンクの積載容量を増やそうとして、この液化ガスタンクの半径を大きくしようとしても、この半径を大きくすると船幅も大きくする必要が生じるため、限界がある。
そのため、図9〜図11に示すように、高さHYの円筒体25Yを上部球殻体21Xの下端円部21Xaと、円筒赤道部22Xの上端円部22Xaの間に挿入して、容積を増加する「ストレッチタンク」と呼ばれる液化ガスタンク20Yが採用される場合がある。この図9〜図11の「ストレッチタンク」の液化ガスタンク20Yでは、図6〜図8の従来技術の液化ガスタンク20Xの上部球殻体21X、円筒赤道部22X、下部球殻体23Xの形状を変更することなく、円筒赤道部22Xと上部球殻体21Xの間に、円筒体25Yを挿入するとの技術的思想であるため、円筒赤道部22Xの内径は半径RXeのままであり、これに対応して、円筒体25Yの内周面の内径も半径RXeとなっている。そのため、従来技術の液化ガスタンク20Xに対して、この「ストレッチタンク」で増加する中心Pcを通る垂直断面積ΔBは、円筒体25Yの高さHYを用いると「ΔB=2×RXe×HY」となる。
しかしながら、この「ストレッチタンク」の液化ガスタンク20Yの場合には、円筒体25Yは、球体に比べて、内圧(膜圧)に対する強度が弱いために板厚を厚くする必要があり、この板厚の厚い円筒体25Yを円筒赤道部22Xの上側に挿入するため、液化ガスを貯蔵したときの液化ガスタンク20Yの重心が高くなり、これに伴って、この液化ガスタンク20Yを搭載している船舶や浮体構造物で、重心が高くなって復原性能が悪くなり、また、円筒体25Yと円筒赤道部22Xとの間の溶接部分が増加する等のデメリットが生じる。
また、これに関連して、LNG運搬船に搭載されるLNG貯蔵タンクの連結部と上部タンク部及び下部タンク部のつなぎ目部を緩慢に形成し、応力集中を緩和しながら、LNG貯蔵タンクの貯蔵容量を増大させるために、連結タンク部を、複数の厚みが異なるプレート片と赤道部との結合により構成し、上部タンク部側から下部タンク部側にいくにつれプレート片を厚くなるように結合し、この複数の厚みが異なるプレート片のうち、下部タンク部に最も近く結合されるプレート片を下部タンク部より厚くする延長球形LNG貯蔵タンクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この延長球形LNG貯蔵タンクでは、連結タンク部の形状が複雑である上に複数の厚みが異なるプレート片の溶接組立による結合で形成されているため、応力集中は回避できるかもしれないが、溶接場所が増えてしまい、この溶接個所における強度の問題が生じる。
特開2013−7486号公報
本発明者は、タンク容積の増加に関して、円筒赤道部の上に同径の円筒部を挿入するのではなく、円筒赤道部の内径自体を拡大して、容積増加用の円筒部と兼用させることで、溶接個所の増加を抑制しつつ、タンク容積を増加できるとの知見を得た。また、この構成によれば、容積増加が円筒赤道部と、その上下にて発生するので、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンクの重心高さが高くなるのを抑制できるとの知見も得た。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、MOSS型の液化ガスタンクを備えた液化ガスタンク構造において、溶接個所の増加を抑制しつつ、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンクの重心高さが高くなるのを抑制して、この液化ガスタンク構造を備えた船舶や浮体構造物の復原性能を確保しつつ、タンク容積を増加することができて、船体をコンパクト化できる液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の液化ガスタンク構造は、上部球殻体と円筒赤道部と下部球殻体とからなり、前記上部球殻体の下端円部を前記円筒赤道部の上端円部に接合し、前記下部球殻体の上端円部を前記円筒赤道部の下端円部に接合して形成された液化ガスタンクを、前記円筒赤道部に接合する円筒形のタンク支持構造で支持する液化ガスタンク構造において、前記上部球殻体の内径の半径である第1半径R1と、前記上部球殻体の下端円部の内径の半径である第2半径R2と、前記下部球殻体の内径の半径である第3半径R3と、前記下部球殻体の上端円部の内径の半径である第4半径R4と、前記円筒赤道部の上端円部の内径の半径である第5半径R5と、前記円筒赤道部の下端円部の内径の半径である第6半径R6と、前記円筒赤道部の高さHeの関係を、第7半径R7をSQRT(R1×R1―0.25×He×He)として、第8半径R8をSQRT(R3×R3―0.25×He×He)とし、前記第2半径R2と前記第5半径R5を同じ大きさの上側接合半径Raとするとともに、この上側接合半径Raを前記第7半径R7を超えかつ前記第1半径R1未満、又は、前記第1半径R1と同じとし、前記第4半径R4と前記第6半径R6を同じ大きさの下側接合半径Rbとするとともに、この下側接合半径Rbを前記第8半径R8を超えかつ前記第3半径R3未満、又は、前記第3半径R3と同じとして構成されている。
この構成によれば、MOSS型の液化ガスタンクを備えた液化ガスタンク構造において、「ストレッチタンク」のように円筒部を従来技術の円筒赤道部の上に配設するのではなく、円筒赤道部の内径Re(Ra、Rb)を上部球殻体の内径R1と下部球殻体の内径R3に近づけるか又は同じとして、円筒赤道部の内径Re(Ra、Rb)を広げる。更に、上部球殻体と下部球殻体の少なくとも一方を完全な半球体とすることもできる。また、円筒赤道部が「ストレッチタンク」の円筒部を兼ねる構成となる。
この構造により、高さ方向における円筒部分が「ストレッチタンク」に比べて低い位置になり、また、円筒赤道部の近傍部分の重量が「ストレッチタンク」に比べて軽くなる。従って、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンクの重心高さが高くなるのを抑制して、この液化ガスタンク構造を備えた船舶や浮体構造物の復原性能を確保しつつ、タンク容積を増加することができて、船体をコンパクト化できる。
また、この構成によれば、例えば、上側接合半径Raを第1半径R1と同じ大きさRcとし、下側接合半径Rbを第3半径R3と同じ大きさRcとした場合では、従来技術の図6の液化ガスタンク20Xに比べて、円筒赤道部22Xによる減少分「ΔA=4×(θ/360)×Sc−HXe×RXe=π×Rc×Rc×(θ/90)−2×Rc×Rc×COS(θ)×SIN(θ)」が無くなり、更に、円筒赤道部22を設けている分「ΔC=2×He×Re」だけ大きくなる。
また、上記の液化ガスタンク構造において、前記上側接合半径Raと前記下側接合半径Rbとが同じ大きさであると、円筒赤道部の内側を垂直の円筒壁とすることができるので、工作性を向上でき、かつ、組み付け作業を容易化できる。
また、上記の液化ガスタンク構造において、前記上側接合半径Raと前記下側接合半径Rbとが異なる大きさであると、これらを同じ大きさにして円筒赤道部を製造する場合に比べて多少工作性は悪化するが、上部球殻体と下部球殻体を別の大きさや別の形状に形成することができるようになるので、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンクの重心高さ等を変化し易くなり、設計の自由度を増すことができる。
また、上記の液化ガスタンク構造において、前記上部球殻体の前記第1半径R1と前記下部球殻体の前記第3半径R3とが同じ大きさであると、上部球殻体と下部球殻体を同じ大きさの半球体として製造できるので、工作性が向上する。
また、上記の液化ガスタンク構造において、前記上部球殻体の前記第1半径R1と前記下部球殻体の前記第3半径R3とが異なる大きさであると、上部球殻体と下部球殻体を同じ大きさの半球体として製造する場合に比べて多少工作性は悪化するが、上部球殻体と下部球殻体を別の大きさに形成することができるようになるので、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンクの重心高さ等を変化し易くなり、設計の自由度を増すことができる。
そして、上記の目的を達成するための本発明の船舶は、上記の液化ガスタンク構造を備えて構成される。この船舶としては、LNG運搬船やLPG運搬船等の液化ガス運搬船、及び、液化ガス燃料タンクを備えた船舶等が考えられる。
また、上記の目的を達成するための本発明の浮体構造物は、上記の液化ガスタンク構造を備えて構成される。この浮体構造物としては、液化ガス燃料タンクを備えた浮体構造物、液化ガス貯蔵設備を有する浮体構造物等が考えられる。
本発明の液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物によれば、MOSS型の液化ガスタンクを備えた液化ガスタンク構造において、「ストレッチタンク」のように円筒部を従来技術の円筒赤道部の上に配設するのではなく、円筒赤道部の内径を上部球殻体の内径と下部球殻体の内径に近づけるか又は同じとして、円筒赤道部の内径を広げ、更に、上部球殻体と下部球殻体の少なくとも一方を完全な半球体とすることで、溶接個所の増加を抑制しつつ、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンクの重心高さが高くなるのを抑制して、この液化ガスタンク構造を備えた船舶や浮体構造物の復原性能を確保しつつ、タンク容積を増加することができて、船体をコンパクト化できる。
本発明に係る実施の形態の液化ガス運搬船の構成を模式的に示す側面図である。 図1の液化ガス運搬船の構成を模式的に示す平面図である。 本発明に係る実施の形態の液化ガスタンク構造の構成を模式的に示す側断面図である。 図3の液化ガスタンク構造の構成を分解して模式的に示す側断面図である。 図3の円筒赤道部の周囲を模式的に示す側断面図である。 従来技術のMOSS型の液化ガスタンク構造の構成を模式的に示す側断面図である。 図6の液化ガスタンク構造の構成を分解して模式的に示す側断面図である。 図6の円筒赤道部の周囲を模式的に示す側断面図である。 「ストレッチタンク」のMOSS型の液化ガスタンク構造の構成を模式的に示す側断面図である。 図9の液化ガスタンク構造の構成を分解して模式的に示す側断面図である。 図9の円筒赤道部の周囲を模式的に示す側断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物について、図面を参照しながら説明する。この液化ガス貯蔵設備を備えた浮体構造物としては、液化ガス運搬船、液化ガス燃料タンクを備えた船舶、液化ガス燃料タンクを備えた浮体構造物、又は、液化ガス貯蔵設備を有する浮体構造物等があるが、ここでは、液化ガスタンク構造を備えた船舶として、MOSS型の球形ガスタンクを備えた液化ガス運搬船を例にして説明する。
しかし、本発明は、この液化ガス運搬船に限定されず、それ以外の液化ガス運搬船、液化ガス燃料タンクを備えた船舶、液化ガス燃料タンクを備えた浮体構造物、又は、液化ガス貯蔵設備を有する浮体構造物等の液化ガス貯蔵設備を備えた浮体構造物等にも適用可能である。
図1及び図2に示すように、本発明の係る実施の形態の船舶は、液化ガス運搬船1であり、船底2と船側3と上甲板4によって、船体の周囲を形成され、液化ガスタンク構造10を有する貨物区画R1が設けられている。
また、貨物区画R1には、液化ガスを貯蔵するために、MOSS型タンクと呼ばれる球形の液化ガスタンク20を備えた液化ガスタンク構造10が設けられている。この液化ガスタンク20の一部が上甲板4より上に突出して、船体の前後方向に一列に数個(ここでは4個)並んで設けられている。
そして、このMOSS型の液化ガスタンク構造10においては、図3〜図5に示すような液化ガスタンク20を備えて構成されるが、この液化ガスタンク20の本体は、アルミニウム合金製であり、上部球殻体21と円筒赤道部(赤道リング)22と下部球殻体23とからなり、上部球殻体21の下端円部21aを円筒赤道部22の上端円部22aに接合し、下部球殻体23の上端円部23bを円筒赤道部22の下端円部22bで接合して形成されている。また、この液化ガスタンク20は、円筒赤道部22に接合する「スカート」と呼ばれる円筒形のタンク支持構造24で液化ガス運搬船1の船体に支持されている。
この液化ガスタンク20の内部には、液化ガスを荷役するためのパイプ、計装機器を収めたパイプタワーがあり、パイプファウンデーションで支持されている。また、船舶の上甲板4より上の液化ガスタンク部分の表面は、図示しないが、防熱カバーで覆われている。
また、円筒赤道部22はアルミニウム合金製であり、この円筒赤道部22では、内圧により発生する膜応力があらゆる方向に同一の値を持っている球形体(上部球殻体21、下部球殻体23)のシェル構造から、内圧により発生する膜応力が円周方向と円筒の軸方向で異なる値を持っている円筒体のシェル構造(円筒赤道部22)に移行するため、球形体の板厚よりも大きな板厚が必要になっている。
それと共に、溶接個所を分散させるために、図5に示すように、円筒赤道部22の上部が上部球殻体21に溶接接合し、円筒赤道部22の下部が下部球殻体23とタンク支持構造24の両者に接合するため、円筒赤道部22の下部側が2股に分岐した形状をしている。なお、図3〜図11では、この2股の下端の高さが同じ高さで図示されているが、必ずしも同じ高さではなく、外側からの円周方向の溶接のし易さを考えて、下部球殻体23と円筒赤道部22との接合面が、タンク支持構造24と円筒赤道部22との接合面より低く構成されることが好ましい。
この上部球殻体21、下部球殻体23、タンク支持構造24のそれぞれと、円筒赤道部22との接合部では、熱変化による膨張と収縮が起きるため、船体への固定方法に工夫が求められており、この円筒赤道部22は特殊な形状となっている上に、一体物で形成されている。
つまり、この円筒赤道部22は、上部球殻体21と下部球殻体23との間の接合だけでなく、タンク支持構造24とも接合するために、非常に大きい応力が発生する上に、貯蔵する液化ガスの温度が著しく低くなっており(LNGでマイナス162度程度、LPGでマイナス45度程度)、これらに対応できるように、この赤道の近傍部分では十分な強度が求められている。
そのため、この3部材の集合部分での溶接構造を分散して十分な強度を確保するために、一体物の板厚の大きな板部材を削り出しして円筒赤道部22を製造している。また、円筒赤道部22の内側(内周側)は、その厚みのために高さ方向に曲げ加工することは困難であり、また、その大きさから円弧上に削り出しすることも工数がかかり過ぎて困難となっている。その結果、その内周面は球形では無く円筒形状に形成されている。
なお、この液化ガスタンク20の寸法を例示しておくと、例えば、船幅40m〜50m程度の船体に対して、液化ガスタンク20の内径の半径が約17m〜23m程度である。また、パイプタワーは直径3m程度で上端側は4m程度であり、液化ガスタンク20の底部から頂部に達し、液化ガスタンク20の頂部から突き出ている。また、液化ガスタンク20の球形体の板厚が25mm〜60m程度であるのに対して、円筒赤道部22の板厚は150mm〜200mm程度で、その高さHeは1m〜2m程度である。また、円筒形のタンク支持構造24の板厚は30mm〜80mm程度である。
そして、以下の説明のために、図3及び図4に示すように、この液化ガスタンク構造10において、上部球殻体21の内径の半径を第1半径R1と、上部球殻体21の下端円部21aの内径の半径を第2半径R2と、下部球殻体23の内径の半径を第3半径R3と、下部球殻体23の上端円部23bの内径の半径を第4半径R4と、円筒赤道部22の上端円部22aの内径の半径を第5半径R5と、円筒赤道部22の下端円部22bの内径の半径を第6半径R6と、円筒赤道部22の高さを高さHeと、それぞれ定義する。そして、さらに、第7半径R7を「R7=SQRT(R1×R1―0.25×He×He)」とし、第8半径R8を「R8=SQRT(R3×R3―0.25×He×He)」とする。
本発明では、これらの関係において、第2半径R2と第5半径R5を同じ大きさの上側接合半径Raとするとともに、この上側接合半径Raを第7半径R7を超えかつ第1半径R1未満、又は、第1半径R1と同じとする。また、第4半径R4と第6半径R6を同じ大きさの下側接合半径Rbとするとともに、この下側接合半径Rbを第8半径R8を超えかつ第3半径R3未満、又は、第3半径R3と同じとする。
つまり、「Ra=R2=R5」、かつ、「(R7<Ra<R1)又は(Ra=R1)」、かつ、「Rb=R4=R6」、かつ、「(R8<Rb<R3)又は(Rb=R3)」とする。
なお、より好ましくは、上側接合半径Raを、第7半径R7を超えかつ第1半径R1未満とするよりは、この上側接合半径Raを「0.5×(R7+R1)」以上で、第1半径R1未満とし、また、下側接合半径Rbを、第8半径R8を超えかつ第3半径R3未満とするよりは、この下側接合半径Rbを「0.5×(R8+R3)」以上で、第3半径R3未満とする。つまり、「0.5×(R7+R1)<Ra<R1)又は(Ra=R1)」、かつ、「0.5×(R8+R3)<Rb<R3)又は(Rb=R3)」とする。これにより、液化ガスタンク20の容積をより大きくできる。
そして、この液化ガスタンク構造10において、図4に示す上側接合半径Raと下側接合半径Rbとが同じ大きさ(Ra=Rb)である場合には、円筒赤道部22の内側の半径である赤道部半径Reは、上側接合半径Ra及び下側接合半径Rbと同じ大きさ(Re=Ra=Rb)となり、円筒赤道部22の内側を垂直の円筒壁とすることができるので、工作性を向上でき、かつ、組み付け作業を容易化できる。
また、この液化ガスタンク構造10において、さらに、図4に示す上部球殻体21の第1半径R1と下部球殻体23の第3半径R3とが同じ大きさ(R1=R3)であると、上部球殻体21と下部球殻体23を同じ大きさの完全な半球体として製造できるので、工作性が向上する。
一方、この液化ガスタンク構造10において、特に図示はしていないが、上側接合半径Raと下側接合半径Rbとが異なる大きさ(Ra≠Rb)であると、これらを同じ大きさにして円筒赤道部22を製造する場合に比べて多少工作性は悪化するが、上部球殻体21と下部球殻体23を別の大きさや別の形状に形成することができるようになるので、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンク20の重心高さ等を変化し易くなり、設計の自由度を増すことができる。
また、この液化ガスタンク構造10において、特に図示はしていないが、上部球殻体21の第1半径R1と下部球殻体23の第3半径R3とが異なる大きさ(R1≠R3)とすると、上部球殻体21と下部球殻体23を同じ大きさの半球体として製造する場合に比べて多少工作性は悪化するが、上部球殻体21と下部球殻体23を別の大きさに形成することができるようになるので、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンク20の重心高さ等を変化し易くなり、設計の自由度を増すことができる。
そして、本発明に係る実施の形態の船舶である液化ガス運搬船1は、図1及び図2に示しているように上記の液化ガスタンク構造10を備えて構成される。また、本発明に係る実施の形態の浮体構造物は、特に図示していないが、上記の液化ガスタンク構造10を備えて構成される。この浮体構造物としては、液化ガス燃料タンクを備えた浮体構造物、液化ガス貯蔵設備を有する浮体構造物等が考えられる。なお、船舶の場合には、通常時は航海しているが、浮体構造物の場合は、洋上設置場所まで行く時のみ自力航行によって航海するか、曳船等により曳航されて洋上設置場所まで行くことになる。
上記の実施の形態の液化ガスタンク構造10、船舶1、及び、浮体構造物によれば、図9〜図11に示す「ストレッチタンク」の液化ガスタンク20Yのように円筒部25Yを、図6〜図8に示す従来技術の円筒赤道部22Xの上に配設するのではなく、本発明では、円筒赤道部22の内径Reを上部球殻体21の内径R1と下部球殻体23の内径R3に近づけるか又は同じとして、円筒赤道部22の内径Reを広げている。
従って、円筒赤道部22Xと円筒部25Yとの間の溶接個所を設けなくて済み、円筒赤道部22の近傍部分の強度を維持し易くすることができる。また、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンクの重心高さが高くなるのを抑制して、この液化ガスタンク構造を備えた船舶や浮体構造物の復原性能を確保しつつ、タンク容積を増加することができて、船体をコンパクト化できる。
これの効果に関しては、上部球殻体21と下部球殻体23の少なくとも一方を完全な半球体で形成すると(図4において、R2=R1、又は、R4=R3)、より効果が大きく、上部球殻体21と下部球殻体23の両方を完全な半球体とすると(図4において、R2=R1、かつ、R4=R3)、さらに効果が大きくなる。
また、液化ガスタンク20において、上側接合半径Raを第1半径R1と同じとし、下側接合半径Rbを第3半径R3と同じとした場合では、図6〜図8に示す従来技術の液化ガスタンク構造10Xの液化ガスタンク20Xに比べて、円筒赤道部22Xによる減少分(図8のクロスハッチング部分の2倍)「ΔA=4×(θ/360)×Sc−HXe×RXe=π×Rc×Rc×(θ/90)−2×Rc×Rc×COS(θ)×SIN(θ)」が無くなり、更に、円筒赤道部22を設けている分「ΔC=2×He×Re」だけ大きくなる。
従って、これらの液化ガスタンク構造10、船舶1、及び、浮体構造物によれば、MOSS型の液化ガスタンク20を備えた液化ガスタンク構造10において、溶接個所の増加を抑制しつつ、液化ガス貯蔵時の液化ガスタンク20の重心高さが高くなるのを抑制して、この液化ガスタンク構造10を備えた船舶や浮体構造物の復原性能を確保しつつ、タンク容積を増加することができて、船体をコンパクト化できる。
1 液化ガス運搬船
10、10X、10Y 液化ガスタンク構造
20 液化ガスタンク(本発明)
20X 液化ガスタンク(従来技術の球形タンク)
20Y 液化ガスタンク(ストレッチタンク)
21、21X 上部球殻体
21a、21Xa 上部球殻体の下端円部
22、22X 円筒赤道部
22a、22Xa 円筒赤道部の上端円部
22b、22Xb 円筒赤道部の下端円部
23、23X 下部球殻体
23b、23Xb 下部球殻体の上端円部
24、24X タンク支持構造
25Y 円筒体
Ht 液体ガスタンクの高さ
He、HXe 円筒赤道部の高さ
HXt 従来技術の液体ガスタンクの高さ
HYt 液化ガスタンク(ストレッチタンク)の高さ
Ra 上側接合半径
Rb 下側接合半径
Rc 球体の半径
Re 円筒赤道部の内側の半径
RXe 円筒赤道部の内側の半径(従来技術の液化ガスタンク)
Pa 円筒赤道部の内側上端
Pb 円筒赤道部の内側下端
Pc 球体の中心
La 球体の中心と円筒赤道部の内側上端を結ぶ線分
Lb 球体の中心と円筒赤道部の内側下端を結ぶ線分
θ 線分Laと線分Lbとがなす角度の半分の角度

Claims (7)

  1. 上部球殻体と円筒赤道部と下部球殻体とからなり、前記上部球殻体の下端円部を前記円筒赤道部の上端円部に接合し、前記下部球殻体の上端円部を前記円筒赤道部の下端円部に接合して形成された液化ガスタンクを、前記円筒赤道部に接合する円筒形のタンク支持構造で支持する液化ガスタンク構造において、
    前記上部球殻体の内径の半径である第1半径R1と、前記上部球殻体の下端円部の内径の半径である第2半径R2と、前記下部球殻体の内径の半径である第3半径R3と、前記下部球殻体の上端円部の内径の半径である第4半径R4と、前記円筒赤道部の上端円部の内径の半径である第5半径R5と、前記円筒赤道部の下端円部の内径の半径である第6半径R6と、前記円筒赤道部の高さHeの関係を、
    第7半径R7をSQRT(R1×R1―0.25×He×He)として、第8半径R8をSQRT(R3×R3―0.25×He×He)とし、
    前記第2半径R2と前記第5半径R5を同じ大きさの上側接合半径Raとするとともに、この上側接合半径Raを、前記第7半径R7を超えかつ前記第1半径R1未満、又は、前記第1半径R1と同じとし、
    前記第4半径R4と前記第6半径R6を同じ大きさの下側接合半径Rbとするとともに、この下側接合半径Rbを、前記第8半径R8を超えかつ前記第3半径R3未満、又は、前記第3半径R3と同じとしていることを特徴とする液化ガスタンク構造。
  2. 前記上側接合半径Raと前記下側接合半径Rbとが同じ大きさであることを特徴とする請求項1に記載の液化ガスタンク構造。
  3. 前記上側接合半径Raと前記下側接合半径Rbとが異なる大きさであることを特徴とする請求項1に記載の液化ガスタンク構造。
  4. 前記上部球殻体の前記第1半径R1と前記下部球殻体の前記第3半径R3とが同じ大きさであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液化ガスタンク構造。
  5. 前記上部球殻体の前記第1半径R1と前記下部球殻体の前記第3半径R3とが異なる大きさであることを特徴とする請求項1又は3に記載の液化ガスタンク構造。
  6. 請求項1〜5に記載の液化ガスタンク構造を備えていることを特徴とする船舶。
  7. 請求項1〜5に記載の液化ガスタンク構造を備えていることを特徴とする浮体構造物。
JP2017134646A 2017-07-10 2017-07-10 液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物 Pending JP2019015377A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017134646A JP2019015377A (ja) 2017-07-10 2017-07-10 液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017134646A JP2019015377A (ja) 2017-07-10 2017-07-10 液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019015377A true JP2019015377A (ja) 2019-01-31

Family

ID=65358402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017134646A Pending JP2019015377A (ja) 2017-07-10 2017-07-10 液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019015377A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7364440B2 (ja) 2019-11-26 2023-10-18 三井E&S造船株式会社 液化ガスタンク、船舶、及び浮体構造物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49132609A (ja) * 1972-04-13 1974-12-19
JPS5281887A (en) * 1975-12-27 1977-07-08 Hitachi Zosen Corp Low-temperature liquified gas carrying vessel
JPS5935194U (ja) * 1983-06-23 1984-03-05 川崎重工業株式会社 円形タンクの設置部構造
JP2016120814A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 三井造船株式会社 液化ガス貯蔵設備を備えた浮体構造物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49132609A (ja) * 1972-04-13 1974-12-19
JPS5281887A (en) * 1975-12-27 1977-07-08 Hitachi Zosen Corp Low-temperature liquified gas carrying vessel
JPS5935194U (ja) * 1983-06-23 1984-03-05 川崎重工業株式会社 円形タンクの設置部構造
JP2016120814A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 三井造船株式会社 液化ガス貯蔵設備を備えた浮体構造物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7364440B2 (ja) 2019-11-26 2023-10-18 三井E&S造船株式会社 液化ガスタンク、船舶、及び浮体構造物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5785118B2 (ja) 船舶、洋上浮体式設備、及び液化天然ガス貯蔵方法
JP6461686B2 (ja) 舶用液化ガスタンク及びそれを備える液化ガス運搬船
JP2020532685A (ja) 貯蔵タンク収納システム
WO2021132277A1 (ja) カーゴタンクユニット及び船舶
JP2019015377A (ja) 液化ガスタンク構造、船舶、及び、浮体構造物
JP2008215481A (ja) 圧力容器、圧力容器を備えた浮体構造物及び圧力容器の設計方法
JP7446928B2 (ja) 液化ガス運搬船
JP6139957B2 (ja) 液化ガス運搬船の球形タンク支持構造
CN101473162B (zh) 扩充的球形液化天然气储存罐及其制造方法
JP6358624B2 (ja) タンクの支持構造及び船舶
JP6170636B2 (ja) 船舶用タンクの支持構造
KR100657544B1 (ko) 압력용기
KR100751895B1 (ko) 압력 용기
JP7364440B2 (ja) 液化ガスタンク、船舶、及び浮体構造物
WO2024029564A1 (ja) 船舶
US7252269B1 (en) Asymmetrical low-profile bulkhead
WO2017060933A1 (ja) 舶用液化ガスタンク及びそれを備える液化ガス運搬船
JP6654605B2 (ja) 船舶
JP2021514327A (ja) 船舶上の低温流体を貯蔵及び輸送するためのシステム
WO2024062621A1 (ja) 多重殻タンク及び船舶
WO2021241588A1 (ja) ベントマスト
KR20180048529A (ko) 압력 탱크의 제조 방법
US20240151353A1 (en) Four-lobe cargo tank for transporting and / or storage of liquified gases
EP3455543A1 (en) Tank arrangement
WO2016071557A1 (en) Stable tank for liquefied gas or liquid

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20180606

A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20200303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210824