JP2019012126A - 内視鏡トレーニング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡操作に必要な基本的な操作を効率良く繰り返し練習するのに適した内視鏡トレーニング装置を提供すること。【解決手段】内視鏡トレーニング装置1は、第1挿入路4a、挿入室3aおよび第2挿入路5aと、第1訓練部21、第2訓練部22および第3訓練部23とを備えている。第1訓練部21は、挿入室3aにおける第1挿入路側の挿入室壁面6aに設けた処置具先端部差込用の複数個の第1差込穴24を備えている。第2訓練部22は、第2挿入路5aを封鎖する封鎖端面19aに設けた処置具先端部差込用の複数個の第2差込穴31を備えている。第3訓練部23は、第1挿入路4aの途中位置の挿入路内周面14aに沿って形成したポケット35と、ポケット35内に配置した回転可能な複数個の回転コマ36とを備えている。【選択図】図3

Description

本発明は消化管の検査、治療に用いられる内視鏡の操作を習得するための内視鏡トレーニング装置に関し、特に、上部消化管内視鏡検査・組織採取・腫瘍切除・静脈瘤治療などの処置に必要とされる操作を習得するのに適した内視鏡トレーニング装置に関する。
例えば、上部消化管内視鏡検査においては、口または鼻から、先端にCCDなどの小型撮像素子が取り付けられている細長い内視鏡挿入部を挿入し、撮影画像を見ながら、内視鏡挿入部の後端に取り付けられている操作部のアングルノブを操作して、内視鏡挿入部の先端部を検査対象の部位までガイドしている。アングルノブを操作して内視鏡挿入部の先端部を湾曲させる制御、何らかの方法で内視鏡挿入部の軸回転制御などを行っている。また、操作部の挿入口から鉗子などの処置具を内視鏡挿入部に挿入し、挿入部先端部の鉗子口から突出させた処置具先端部を操作して、組織採取、腫瘍の切除や静脈瘤治療などの処置が行われる。
内視鏡の操作は、撮像画像を見ながら行う必要があり、患者に苦痛を与えることなく短時間で対象部位まで内視鏡挿入部を挿入する操作には熟練を要する。また、挿入部に通した処置具を操作して消化管内の対象部位に所定の処置を施す操作にも熟練を要する。このため、内視鏡の操作を習得するための内視鏡トレーニング装置として各種のものが提案されている。
従来の内視鏡トレーニング装置は、内視鏡検査・治療に必要な操作技術を、実際の臨床状態に近い状態で習得できるように、家畜生体から切除した臓器の一部、あるいは、実際の人体の解剖学的形状を模した内視鏡トレーニングモデルを用いている。例えば、特許文献1、2には、このようなトレーニングモデル、トレーニング装置が提案されている。
特開2006−81568号公報 特開2015−85017号公報
このように、従来の内視鏡トレーニングは、実際の臨床状態に近い状態で訓練を行えるように、消化管の解剖学的形状を模した内視鏡トレーニングモデルを用いることを前提としている。しかしながら、内視鏡の操作技術を効率良く習得するには、内視鏡の挿入部先端部の基本的な操作を繰り返し訓練して習得する方法が有効である。
基本的な操作は、例えば、次の三つの操作に大別できる。一つ目は、内視鏡挿入部を身体に挿入したり、引き抜いたりする操作。二つ目はアングルノブを操作して、挿入部先端を上下あるいは左右方向に湾曲させる操作。三つ目は内視鏡挿入部の軸を回転させる操作である。初心者が最初に求められる処置として内視鏡による組織採取があり、これは内視鏡挿入部先端を目的部位まで到達させたのちに、左手だけで主に上下方向のアングルノブ操作と内視鏡挿入部の軸回転を行い、右手で処置具を操作することが理想的である。食道静脈瘤の治療として処置具を用いて静脈瘤に針を刺す処置を行う場合には、前述の組織採取の動作に加えて、左右方向のアングルノブ操作も左手で行うことが理想的である。また、食道粘膜下層剥離術を行う場合には、左手による上下・左右のアングルノブ操作と内視鏡挿入部の軸の回転操作、そして右手による処置具の操作をすべて同時に円滑に行い、処置具先端部を任意の方向へ動かすことが理想的である。
このような基本的な操作の組み合わせにより、内視鏡の挿入部先端部を意図する位置に到達させることができ、また、処置具先端部を操作して組織採取、食道静脈瘤治療、食道粘膜下層剥離術などのための操作を円滑に行うことが可能になる。したがって、内視鏡トレーニング装置を用いて、このような基本的な操作を繰り返し練習できることが望ましい。しかしながら、従来においては内視鏡の基本的な操作を効率良く習得することについては着目されておらず、基本的な操作を効率良く習得するのに適した内視鏡トレーニング装置は提案されていない。
本発明の目的は、内視鏡操作に必要な基本的な操作を効率良く繰り返し練習するのに適した内視鏡トレーニング装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の内視鏡トレーニング装置は、
内視鏡挿入部を挿入可能な挿入用先端口を備えた第1挿入路と、
内視鏡挿入部を、第1挿入路を経由して挿入可能な挿入室と、
内視鏡挿入部の先端部を、第1挿入路および挿入室を経由して挿入可能な第2挿入路と、
第1訓練部、第2訓練部および第3訓練部のうちの少なくとも一つの訓練部と
を有しており、
第1訓練部は、挿入室における第1連通路の後端口が開口している挿入室壁面に設けた処置具先端部差込用の複数個の第1差込穴を備えており、
第2訓練部は、第2挿入路を封鎖する封鎖端面に設けた処置具先端部差込用の複数個の第2差込穴を備えており、
第3訓練部は、第1挿入路または第2挿入路の途中の挿入路内周面に沿って形成したポケットと、ポケット内に配置した複数個のコマとを備え、ポケットは内視鏡挿入部の先端部を差込可能なポケット開口を備えていることを特徴としている。
第1訓練部による訓練では、内視鏡挿入部を、挿入用先端口から第1挿入路内に挿入して第1挿入路から挿入室内まで送り込む。この後に、内視鏡の操作部のアングルノブを操作して、挿入室内に挿入された内視鏡挿入部の先端部を湾曲させて反り返らせ、挿入室壁面の第1差込穴の一つに位置決めさせる。異なる位置に配置されている複数の第1差込穴に対して挿入部先端部を位置決めする操作を繰り返すことで、内視鏡操作の基本である上下アングルノブ操作と内視鏡挿入部の360度の軸回転操作を習得できる。
ここで、第1訓練部は、第1差込穴に挿入された処置具先端部によって当該第1差込穴から押し出し可能な状態で当該第1差込穴に装着されている差込確認用部材を備えていることが望ましい。例えば、位置決め対象の第1差込穴にスライド可能な状態でピンを装着しておく。
第1差込穴に位置決めした状態で、挿入部先端部から処置具先端部を押し出して、第1差込穴内に挿入して差込確認用部材を押し出す操作を行う。差込確認用操作部材が押し出されたことにより、訓練者は、操作が適切に行われたことを確認できる。
例えば、挿入室の挿入室壁面は、第1挿入路の後端口から挿入室に挿入される内視鏡挿入部の挿入方向に直交する直交面とされる。第1差込穴は、挿入室壁面から挿入方向とは逆方向に延びる穴であり、例えば、後端部を取り囲むように、複数の位置に形成される。
第2訓練部による訓練では、内視鏡挿入部を、挿入用先端口から第1挿入路、挿入室を順次に経由させて、第2挿入路に送り込む。第2挿入部に挿入した内視鏡挿入部の先端部を湾曲させて、封鎖端面に形成されている複数の第2差込穴の一つに位置決めする。位置決めした状態で、内視鏡挿入部の先端部の先端面から処置具先端部を押し出して、第2差込穴に差し込む。異なる位置に配置されている複数の第2差込穴に対して、内視鏡挿入部の先端部を位置決めし、処置具先端部を差し込む操作を繰り返すことで、目標とする索状物に極力平行に穿刺する操作を訓練することができ、上下・左右アングルノブ操作と内視鏡挿入部の360度の軸回転操作を習得できる。
例えば、封鎖端面は、第2挿入路に挿入される内視鏡挿入部の挿入方向に直交する面である。第2差込穴は、封鎖端面を貫通して第2挿入路の外側に開口する貫通穴であり、例えば複数の位置に形成される。
次に、第3訓練部による訓練、例えば、第1挿入路に第3訓練部が設けられている場合を説明する。この場合には、内視鏡挿入部を、挿入用先端口から第1挿入路に挿入し、内視鏡挿入部の先端部を、第1挿入路の途中に配置されているポケット開口を押し広げて、その中に差し込む。内視鏡挿入部の先端部をポケット内に配置されている一つのコマに対して位置決めする。位置決めした状態で、内視鏡挿入部の先端部の先端面から処置具先端部を押し出したのちに移動させ、コマを回転させる操作を行う。このような操作を各コマに対して繰り返し行うことで、挿入路内周面のどの位置においても食道粘膜下層剥離術などの処置が可能となる基本操作を習得できる。
例えば、コマは、挿入路内周面に沿って複数の位置に配置され、当該挿入路内周面に回転可能な状態で取り付けられる。ポケットは、コマを覆い隠す状態で挿入路内周面に取り付けた可撓性のシートによって形成される。
次に、上記構成の本発明の内視鏡トレーニング装置は、例えば、直方体形状の箱と、箱における第1側板に取り付けた第1挿入管と、箱における第1側板に対峙する第2側板に取り付けられ、第1挿入管と同軸状態に配列された第2挿入管と、第1、第2および第3訓練部とを備えている。第1挿入管の内部に、第3訓練部を備えた第1挿入路が形成され、箱の内部に、第1訓練部を備えた挿入室が形成され、第2挿入管の内部に、第2訓練部を備えた第2挿入路が形成される。
例えば、第1挿入管では、第3訓練部を設けた管部分を着脱可能とし、箱においては、第1訓練部を設けた第1側板を着脱可能とし、第2挿入管では、第2訓練部を設けた管部分を着脱可能にできる。一般に、第1訓練部は基本となる初心者向けの訓練部であり、第2訓練部は中級者向けの訓練部であり、第3訓練部は最も難易度の高い上級者向けの訓練部である。第1〜第3訓練部を着脱可能にしておけば、例えば、訓練者の熟練度などに応じて、第1〜第3訓練部のうち、必要とされる訓練部のみを取り付けて訓練させることができる。また、第1〜第3訓練部として複数種類のものを用意しておけば、訓練者の熟練度(習熟度)に適した第1〜第3訓練部を備えたトレーニング装置を提供できる。
本発明を適用した上部内視鏡トレーニング装置の一例を示す外観斜視図である。 図1の上部内視鏡トレーニング装置の平面図、2B−2B線断面図、2C−2C線断面図、2D−2D線断面図である。 図1の上部内視鏡トレーニング装置の縦断面図、第1訓練部の部分断面図、第2訓練部の部分断面図および端面図、第3訓練部の部分断面図である。 図1の上部内視鏡トレーニング装置を用いた訓練の状態を示す説明図である。 図1の上部内視鏡トレーニング装置の改変例を示す説明図である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した内視鏡トレーニング装置の実施の形態を説明する。以下に述べる内視鏡トレーニング装置は、上部消化管の検査、治療などのために用いられる上部内視鏡操作のトレーニングに適した上部内視鏡トレーニング装置に関するものであるが、本発明は実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明を適用した上部内視鏡トレーニング装置を示す外観斜視図である。図2(A)は上部内視鏡トレーニング装置の平面図、図2(B)はその2B−2B線断面、図2(C)はその2C−2C線断面図、図2(D)はその2D−2D線断面図である。なお、図1には、内視鏡における内視鏡挿入部101、その後端に取り付けられているアングルノブ102(上下操作用のアングルノブ102a、左右操作用のアングルノブ102b)を備えた内視鏡操作部103を想像線で示してある。
これらの図に示すように、上部内視鏡トレーニング装置1(以下、単に「装置1」と呼ぶ場合もある。)は、長方形輪郭の基板2と、基板2の上面に組み立てた直方体形状の箱3と、箱3にそれぞれ取り付けた第1挿入管4および第2挿入管5とから構成されている。
箱3は、基板2の上面に取り外し可能に垂直に組付けた4枚の矩形輪郭の側板6〜9と、側板6〜9の上端に取り外し可能に水平に組付けた矩形輪郭の天板10とから構成されている。基板2、側板6〜9、天板10は例えばPOMなどのプラスチック板であるが、他の素材から形成してもよい。円筒状の第1挿入管4は、箱3の側板6の中央部分に取り付けた水平に延びる管であり、他方の円筒状の第2挿入管5は、箱3の反対側の側板8の中央部分に取り付けた水平に延びる管である。本例では、箱3を挟み、第1、第2挿入管4、5が同軸に配置されている。
第1挿入管4は、一端が挿入用先端口12となっている前側管部13と、前側管部13に繋がっている直線状に延びる中間管部14と、中間管部14と側板6の間に位置する後側管部15とから構成されている。前側管部13は全体として直線状に延びる直管部分13aとなっているが、その挿入用先端口12の側の部分は、挿入管軸線4bに対して湾曲している湾曲管部分13bとなっており、挿入用先端口12が挿入管軸線4bとは異なる方向を向いている。前側管部13、後側管部15は例えばプラスチック製の管である。中間管部14は所定の弾性を備えた素材、例えばウレタンゴム製の管である。各部をこれら以外の素材から形成してもよい。
直管部分13aと湾曲管部分13bとの間は、図2(D)に示すように、可撓性素材からなるシート17によって仕切られている。シート17には、第1挿入管4の直径方向に延びる1本の切り込み17aが入っており、内視鏡挿入部101を通すことが可能である。シート17は例えばシリコンゴム製のシートであるが、これ以外の素材から形成してもよい。直管部分13aおよび湾曲管部分13bは、基板2の上面に取り付けた支持ブロック16によって支持されている。支持ブロック16は例えばPOMなどのプラスチック製の部品であるが、これ以外の素材から形成してもよい。
第2挿入管5は、側板8に取り付けられている直管部18と、この直管部18の先端に取り外し可能に被せた円筒状のキャップ19とを備えている。キャップ19の先端は封鎖端面19aとなっている。
第1挿入管4の内部は、内視鏡挿入部101を挿入可能な円形断面の第1挿入路4aとなっている。基板2、側板6〜9および天板10によって構成される箱3の直方体形状の内部空間は、内視鏡挿入部101を、挿入用先端口12から第1挿入路4aを経由して挿入可能な挿入室3aとなっている。第2挿入管5の内部は、内視鏡挿入部101を、第1挿入路4aおよび挿入室3aを経由して挿入可能な第2挿入路5aとなっている。例えば、第1挿入路4aは食道、挿入室3aは胃、第2挿入路5aは十二指腸を、それぞれ模した部分である。
ここで、第1挿入管4が取り付けられている側板6には、第1訓練部21を設けてある。第2挿入管5のキャップ19には、第2訓練部22を設けてある。また、第1挿入管4の中間管部14には第3訓練部23を設けてある。図においては、これらの第1〜第3訓練部21〜23が配置している部分を、一点鎖線の楕円で示してある。
図3(A)は装置1の断面図であり、図3(B)は第1訓練部21の一部を拡大して示す部分断面図であり、図3(C1)、(C2)は第2訓練部22の一部を拡大して示す部分断面図および端面図であり、図3(D1)、(D2)は第3訓練部23の一部を拡大して示す部分断面図および回転コマの平面図である。
装置1の第1訓練部21は、図3(B)に示すように、処理具先端部差込用の複数個の第1差込穴24と、第1差込穴24のそれぞれに挿入された差込確認用のスライドピン25とを備えている。第1差込穴24は、側板6に形成された貫通穴である。図3(A)に示すように、側板6の中心部分には、第1挿入管4の後側管部15の後端部が挿入室3a内に差し通された状態で固定されている。後側管部15の後端には挿入室3aに連通する後端口4cが開口している。第1差込穴24は、側板6において、図2(C)に示すように、複数の位置に配置されている。
スライドピン25は、第1差込穴24内にスライド可能に装着されている。スライドピン25は、第1差込穴24に挿入された処理具先端部(図示せず)によって、第1差込穴24から側板6の外側表面の側に設定量だけ押し出し可能である。
本例では、図3(B)に示すように、第1差込穴24には、側板6の外側表面6bの側から円筒形状の管26が同軸状に挿入されて接着固定されている。管26の内部に、スライドピン25がスライド可能かつ抜け出ないように装着されている。スライドピン25は、管26の内周面に沿ってスライドする大径部分25aと、大径部分25aの先端から同軸に突出している小径部分25bとを備えている。小径部分25bは、外側表面6bから突出している管26の外側端部に開けた円形開口から外側に突出可能であり、初期状態においては、管26内に位置している。スライドピン25を内側から押し出すと、その大径部分25aが外側端部に当たる位置まで、スライドピンの小径部分25bを外側に押し出し可能である。
なお、図においては、12時の方向に位置している第1差込穴24にスライドピン25、管26を装着した状態を示してあり、それ以外の第1差込穴24については、スライドピン25および管26を省略してある。
装置1の第2訓練部22は、図3(A)、(C1)、(C2)に示すように、第2挿入路5aを封鎖するキャップ19の封鎖端面19aに設けた処置具先端部差込用の円形断面の複数個の第2差込穴31を備えている。第2挿入路5aを規定している第2挿入管5の直管部18は、例えば、側板8の中心部分に直交状態に差し通して固定された差込管部分と、差込管部分に同軸に差込固定した直線状の円筒管部分とを備えている。キャップ19の封鎖端面19aには、その外周縁に沿って、複数の位置に第2差込穴31が形成されている。第2差込穴31は、挿入管軸線方向に平行な方向に対して、外周側に僅かに傾斜した方向に、封鎖端面19aを貫通して延びる貫通穴である。第2差込穴31における外側開口端は、当該第2差込穴31に処理具先端部が挿入されたことを外側から目視により確認可能な差込確認用開口として機能する。
次に、装置1の第3訓練部23は、第1挿入管4の中間管部14の内周側に設けられている。第3訓練部23は、図3(A)、(D1)に示すように、中間管部14の円形の挿入路内周面14aに沿って形成したポケット35と、ポケット35内に配置した回転可能な複数個のリング状の回転コマ36とを備えている。図3(D2)に示すように、回転コマ36は外周側面が十字状の輪郭形状をしており、処置具先端部を外周側面に引掛けて回すことができる。ポケット35は、第1挿入路4aの挿入口の側に開口している。
本例の回転コマ36は、挿入路内周面14aに沿って、その円周方向において複数の位置に配置されている。各回転コマ36は、中間管部14に放射状に取り付けたねじ37によって、回転自在の状態で保持されている。ポケット35は、各回転コマ36を内側から覆い隠すように、挿入路内周面14aに取り付けた可撓性のシート38と、当該挿入路内周面14aとの間に形成されている。シート38における箱3の側の後側縁部分38bが挿入路内周面14aに固定されており、挿入用先端口12の側の前側縁部分38aは、挿入路内周面14aから離れている。この前側縁部分38aと挿入路内周面14aとの間が、処置具先端部を挿入口の側から差込可能なポケット開口35aとなっている。
シート38は可撓性のシートであり、例えばシリコンゴムシートであるが、他の可撓性の素材からシートを形成してもよい。また、中間管部14は、ウレタンゴム等の弾性素材から形成した管であり、その挿入路内周面14aは所定の弾性がある。これらによって規定されるポケット開口35aを、そこに差し込まれた挿入部先端部104(図1参照)によって押し広げることが可能である。
図4は、この構成の装置1を用いた訓練手順を示すための説明図である。図4(A)、(B)を参照して説明すると、第1訓練部21による訓練では、内視鏡挿入部101を、挿入用先端口12から、食道を模した第1挿入路4a内に挿入して第1挿入路4aから、胃を模した挿入室3aに送り込む。この後に、内視鏡操作部103のアングルノブ102を操作して、挿入室3aに挿入された内視鏡挿入部の先端部104を湾曲させて、例えば真上(12時方向)に反り返らせ、胃壁を想定している挿入室壁面6aに設けた12時の方向に位置する第1差込穴24に位置決めさせる。
位置決めした内視鏡挿入部の先端部104の先端面105から、内視鏡挿入部101に通した処置具先端部(図示せず)を押し出して、当該第1差込穴24に差し込む。処置具先端部が第1差込穴24に差し込まれると、当該処置具先端部によって第1差込穴24内のスライドピン25が押し出されて、箱3の側板から外側に突出する。スライドピン25が押し出されたことにより、操作が適切に行われたことを確認できる。
図4(C)を参照して説明すると、第2訓練部22による訓練では、内視鏡挿入部101を、挿入用先端口12から、第1挿入路4a、挿入室3aを順次に経由させて、第2挿入路5aに送り込む。第2挿入路5aに挿入した内視鏡挿入部の先端部104を湾曲させて、封鎖端面19aに形成されている複数の第2差込穴31の一つに位置決めする。位置決めした状態で、内視鏡挿入部の先端部104の先端面105から処置具先端部(図示せず)を押し出して、第2差込穴31に差し込む。処理具先端部が第2差込穴31から封鎖端面19aの外に突出することで、操作が適切に行われたことを確認できる。
次に、図4(D)を参照して説明すると、第3訓練部23による訓練では、内視鏡挿入部101を、挿入用先端口12から食道を想定している第1挿入路4aに挿入し、内視鏡挿入部の先端部104を湾曲させて、第1挿入路4aの途中に配置されているポケット開口35aを押し広げて、内視鏡挿入部の先端部104をポケット35内に差し込む。内視鏡挿入部の先端部104の先端面105を一つの回転コマ36に位置決めする。位置決めした状態で、内視鏡挿入部の先端部104の先端面105から処置具先端部(図示せず)を押し出して回転コマ36に引掛け、挿入路内周面に平行に処置具先端部を移動させることで回転コマ36を回転させる操作を行う。例えば、回転コマ36の外周面に、回転を確認できるように、確認用表示部を付しておく。これを画面上で確認することで、回転コマ36の回転操作が適切に行われたことを確認できる。
(その他の実施の形態)
図5は装置1の改変例を示す説明図である。図5(A)に示す装置1Aは、装置1から難易度の高い第3訓練部23を取り外した構成を備えている。第3訓練部23を設けた中間管部14を取り外して、円筒管14Aを取り付けてある。この装置1Aは、難易度の低い第1訓練部21と難易度が中程度の第2訓練部22を備えているので、初級者等の訓練に適している。
図5(B)に示す装置1Bは、装置1から難易度の低い第1訓練部21を取り外した構成を備えている。第1訓練部21を設けた側板6を取り外して、矩形の側板6Bを取り付けてある。この装置1Bは、難易度が中程度の第2訓練部22と難易度の高い第3訓練部23を備えているので、中級者あるいは上級者の訓練に適している。
図5(C)に示す装置1Cは、装置1における第2挿入管5の代わりに、第2訓練部22と第3訓練部23とが備わった第2挿入管5Cを取り付けてある。この場合は、上級者などの訓練に適している。
図5(D)に示す装置1Dは、装置1から難易度が中程度の第2訓練部22を取り外した構成を備えている。例えば、第2訓練部22を設けた第2挿入管5を取り外し、側板8の開口を栓8Dによって封鎖してある。この構成の装置1Dを用いて訓練を行うこともできる。また、第1訓練部21のみ、第2訓練部22のみ、あるいは、第3訓練部23のみを備えた装置構成を採用することも可能である。
次に、装置1を、異なる構成の装置1A、1B、1C、1Dに簡単に切り替え可能にするには、第1、第2、第3訓練部21、22、23を設けた部分を、着脱可能なユニットにしておけばよい。
例えば、第1訓練部21を着脱式のユニットにする場合には、当該第1訓練部21として、難易度の異なる複数種類の第1訓練部を備えたユニットを用意しておき、これらを交換して用いるようにしてもよい。第2、第3訓練部22、23についても、同様に構成できる。このようにすれば、習熟度に応じた適切な訓練用の装置を提供することが可能になる。
なお、上記の装置1、1A、1B、1C、1Dにおいては、第1挿入路4a、第2挿入路5aを円形断面の管で形成し、挿入室3aを直方体形状の箱で形成している。これらの部分の形状は一例であり、異なる形状にできる。例えば、従来のように、各部分を、人体消化管各部の解剖学的形状を模した形状にしてもよい。
1 装置(上部内視鏡トレーニング装置)
1A、1B、1C、1D 装置
2 基板
3 箱
3a 挿入室
4 第1挿入管
4a 第1挿入路
4b 挿入管軸線
4c 後端口
5、5C 第2挿入管
5a 第2挿入路
6、7、8、9 側板
6B 側板
6a 挿入室壁面
6b 外側表面
8D 栓
10 天板
12 挿入用先端口
13 前側管部
13a 直管部分
13b 湾曲管部分
14 中間管部
14A 円筒管
14a 挿入路内周面
15 後側管部
16 支持ブロック
17 シート
17a 切り込み
18 直管部
19 キャップ
19a 封鎖端面
21 第1訓練部
22 第2訓練部
23 第3訓練部
24 第1差込穴
25 スライドピン
25a 大径部分
25b 小径部分
26 管
31 第2差込穴
35 ポケット
35a ポケット開口
36 回転コマ
37 ねじ
38 シート
38a 前側縁部分
38b 後側縁部分
101 内視鏡挿入部
102、102a、102b アングルノブ
103 内視鏡操作部
104 先端部
105 先端面

Claims (9)

  1. 内視鏡挿入部を挿入可能な挿入用先端口を備えた第1挿入路と、
    前記内視鏡挿入部を、前記第1挿入路を経由して挿入可能な挿入室と、
    前記内視鏡挿入部の先端部を、前記第1挿入路および前記挿入室を経由して挿入可能な第2挿入路と、
    第1訓練部、第2訓練部および第3訓練部のうちの少なくとも一つの訓練部と
    を有しており、
    前記第1訓練部は、前記挿入室における前記第1挿入路の後端口が開口している挿入室壁面に設けた処置具先端部差込用の複数個の第1差込穴を備えており、
    前記第2訓練部は、前記第2挿入路を封鎖する封鎖端面に設けた処置具先端部差込用の複数個の第2差込穴を備えており、
    前記第3訓練部は、前記第1挿入路または前記第2挿入路の途中の挿入路内周面に沿って形成したポケットと、前記ポケット内に配置した複数個のコマとを備え、前記ポケットは前記内視鏡挿入部の先端部を差込可能なポケット開口を備えている
    内視鏡トレーニング装置。
  2. 内視鏡挿入部を挿入可能な挿入用先端口を備えた第1挿入路と、
    前記内視鏡挿入部を、前記第1挿入路を経由して挿入可能な挿入室と、
    第1訓練部および第3訓練部のうちの少なくとも一方の訓練部と
    を有しており、
    前記第1訓練部は、前記挿入室における前記第1挿入路の後端口が開口している挿入室壁面に設けた処置具先端部差込用の複数個の第1差込穴を備えており、
    前記第3訓練部は、前記第1挿入路の途中位置の挿入路内周面に沿って形成したポケットと、前記ポケット内に配置した複数個のコマとを備え、前記ポケットは、前記第1挿入路の前記挿入用先端口の側から、前記内視鏡挿入部の先端部を差込可能なポケット開口を備えている
    内視鏡トレーニング装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1訓練部を有しており、
    前記第1訓練部は、前記第1差込穴に挿入された処置具先端部によって当該第1差込穴から押し出し可能な状態で、前記第1差込穴に装着されている差込確認用部材を備えている内視鏡トレーニング装置。
  4. 請求項3において、
    前記第1差込穴は、前記後端口を取り囲む位置に形成されている内視鏡トレーニング装置。
  5. 請求項1において、
    前記第2訓練部を有しており、
    前記第2差込穴は、前記封鎖端面を貫通して前記第2挿入路の外側に開口する貫通穴である内視鏡トレーニング装置。
  6. 請求項1または2において、
    前記第3訓練部を有しており、
    前記コマは、前記挿入路内周面に沿って等角度間隔の位置に配置され、前記挿入路内周面に回転可能な状態で取り付けられている回転コマであり、
    前記ポケットは、前記回転コマを覆い隠す状態で前記挿入路内周面に取り付けた可撓性のシートによって形成されている内視鏡トレーニング装置。
  7. 請求項1において、
    前記第1挿入路は、前記挿入用先端口に繋がる湾曲路部分と、前記湾曲路部分に連続して前記挿入室まで延びる直線路部分とを備えており、
    前記第2挿入路は、前記挿入室を挟み、前記第1挿入路の前記直線路部分に対して同軸に配列された直線路である内視鏡トレーニング装置。
  8. 請求項7において、
    直方体形状の箱と、
    前記箱における第1側板に取り付けた第1挿入管と、
    前記箱における前記第1側板に対峙する第2側板に取り付けられ、前記第1挿入管と同軸状態に配列された第2挿入管と、
    前記第1訓練部、前記第2訓練部および前記第3訓練部と
    を有しており、
    前記第1挿入管の内部に、前記第3訓練部を備えた前記第1挿入路が形成されており、
    前記箱の内部に、前記第1訓練部を備えた前記挿入室が形成されており、
    前記第2挿入管の内部に、前記第2訓練部を備えた前記第2挿入路が形成されている
    内視鏡トレーニング装置。
  9. 請求項8において、
    前記第1挿入管は、前記第3訓練部を設けた管部分が着脱可能となっており、
    前記箱は、前記第1訓練部を設けた前記第1側板が着脱可能となっており、
    前記第2挿入管は、前記第2訓練部を設けた管部分が着脱可能となっている
    内視鏡トレーニング装置。
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