JP2019011694A - 車両用空調装置のための遠心送風機 - Google Patents

車両用空調装置のための遠心送風機 Download PDF

Info

Publication number
JP2019011694A
JP2019011694A JP2017127836A JP2017127836A JP2019011694A JP 2019011694 A JP2019011694 A JP 2019011694A JP 2017127836 A JP2017127836 A JP 2017127836A JP 2017127836 A JP2017127836 A JP 2017127836A JP 2019011694 A JP2019011694 A JP 2019011694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
impeller
air
winding angle
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017127836A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6794318B2 (ja
Inventor
崎 久 善 吉
Hisayoshi Yoshizaki
崎 久 善 吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valeo Japan Co Ltd
Original Assignee
Valeo Japan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Valeo Japan Co Ltd filed Critical Valeo Japan Co Ltd
Priority to JP2017127836A priority Critical patent/JP6794318B2/ja
Publication of JP2019011694A publication Critical patent/JP2019011694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6794318B2 publication Critical patent/JP6794318B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】フットモードにおいてフット吹出口から十分な風量を確保することができる遠心送風機を提供することを可能とする。【解決手段】遠心送風機(1)は、空気をベント吹出口に送り出すことが可能な第1スクロール(18)と、空気をフット吹出口に送り出すことが可能な第2スクロール(19)と、を有する。第1スクロール(18)及び第2スクロール(19)は、同じ巻き角における第1スクロール(18)及び第2スクロール(19)の子午断面同士を比較したときに、第2スクロール(19)内を通る第2空気流路の断面積が、第1スクロール(18)内を通る第1空気流路の断面積よりも大きい、という関係が、任意の巻き角に対して成立するように形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、二層流式の車両用空調装置に適用される遠心送風機に関する。
車両用空調装置は、一般に、デフロスト吹出口とベント吹出口とフット吹出口とを有する。空調装置は、動作モードの違いに応じて、温度調整された空気をこれらの吹出口から選択的に吹き出す。例えばフットモードでは、主にフット吹出口から空気を吹き出して乗員の足元に風を当てるとともに、乗員の温熱快適性確保のため、デフロスト吹出口からも補助的に温風を吹き出している。
また、車両用空調装置として、上下二層の送風路を有するいわゆる二層流式空調装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。この空調装置は、一方の送風路で車室内気を循環させつつ、他方の送風路を介して外気を取り入れることができる。したがって、暖房時に、既に暖められた車室内気を下層の送風路によって循環させて熱効率を向上させると同時に、上層の送風路を介して低湿度の外気を取り入れてフロントウインドウに当てて、内気に含まれる水蒸気によるフロントガラスの曇りを防止することができる。このような上下二層流式空調装置は、例えば特許文献1に示されるように、空気を吹き出す羽根車と、羽根車から吹き出された空気を各送風路へ向ける2つのスクロールと、を有する遠心送風機を用いて構成される。
さて、上述のような上下二層流式空調装置をフットモードで動作させる場合、上記特許文献1では、デフロスト吹出口から得られる風量を少なくするために、デフロスト吹出口の開口度を小さくすることが開示されている。
しかしながら、デフロスト吹出口の開口度を小さくすると、デフロスト吹出口とデフロスト吹出口に向けて送風するスクロールとの間の送風路の通気抵抗が上昇して、当該スクロールから吹き出される空気の量が低下してしまう。この結果、空調装置全体から得られる風量、すなわちデフロスト吹出口とフット吹出口とから得られる風量の総和、が低下して、空調装置の暖房機能の低下等の問題が生じる。このような問題を解決するために羽根車の回転数を上昇させてフット吹出口からの風量を増大させることも考えられるが、電力消費量の増大や騒音レベルの悪化につながる虞がある。
特開平10−109520号公報
本発明は、二層流式空調装置用の遠心送風機であって、デフロスト吹出口からの風量を抑えることが求められるフットモードにおいても、空調装置全体としては十分な風量を確保することができる遠心送風機を提供することを目的としている。
本発明の好適な一実施形態によれば、車両用の遠心送風機であって、モータと、周方向翼列を形成する複数の翼を有し、前記モータにより軸方向に延びる回転軸線周りに回転駆動されて、前記翼列の半径方向内側の空間の空気を遠心方向に向けて吹き出す第1羽根車と、前記軸方向に開口する第1吸込口と周方向に開口する第1吐出口とを有し、前記第1羽根車を収容する第1スクロールであって、前記第1羽根車の回転により、前記第1吸込口から吸い込んだ空気を前記第1吐出口からデフロスト吹出口及び/またはベント吹出口に送り出すことが可能な第1スクロールと、周方向翼列を形成する複数の翼を有し、前記モータにより前記回転軸線周りに回転駆動されて、前記翼列の半径方向内側の空間の空気を遠心方向に向けて吹き出す第2羽根車と、前記軸方向に開口する第2吸込口と周方向に開口する第2吐出口とを有し、前記第2羽根車を収容する第2スクロールであって、前記第2羽根車の回転により前記第2吸込口から吸い込んだ空気を前記第2吐出口からフット吹出口に送り出すことが可能な第2スクロールと、を備え、前記第1スクロール及び前記第2スクロールは、前記第1スクロール及び前記第2スクロールの少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における前記第1スクロール及び前記第2スクロールの子午断面同士を比較したときに、前記第2スクロールの内周面、上面及び下面並びに前記第2羽根車の外周面によって区画される第2空気流路の断面積が、前記第1スクロールの内周面、上面及び下面並びに前記第1羽根車の外周面によって区画される第1空気流路の断面積よりも大きい、という関係が、任意の巻き角に対して成立するように形成されている、遠心送風機が提供される。
上記本発明の実施形態によれば、デフロスト吹出口からの風量を抑えることが求められるフットモードにおいても、空調装置全体としては十分な風量を確保することができる。
空調装置の空気取入部及び遠心送風機の構造を示し、かつ、遠心送風機の子午断面を含む縦断面図である。 図1における切断面と直交する切断面で切断した、空調装置の空気取入部及び遠心送風機の構造を示す縦断面図である。 図1に示す第1スクロールを遠心送風機の回転軸線に直交する切断面で切断した横断面図である。 図1に示す第2スクロールを遠心送風機の回転軸線に直交する切断面で切断した横断面図である。 空調装置の遠心送風機と各吹出口との間の構成を示す概略図である。
以下に添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1及び図2は、車両用の空調装置の空気取入部及び遠心送風機の構造を示す断面図である。また、図3及び図4は、それぞれ、第1スクロール及び第1羽根車、並びに、第2スクロール及び第2羽根車の構造を示す断面図である。
本実施形態の遠心送風機1は、二層流式空調装置用の遠心送風機であり、車両用の空調装置に用いられる。当該空調装置は、デフロスト吹出口(図示せず)とベント吹出口(図示せず)とフット吹出口(図示せず)とを有し、それぞれの吹出口から、車両のフロントウインドウ、乗員の上半身及び乗員の足元に向けて送風するようになっている。
図1及び図2に示すように、遠心送風機1は、モータ13と、モータ13の回転軸線Ax方向に並ぶ第1羽根車5及び第2羽根車6と、第1羽根車5を収容する第1スクロール18と、第2羽根車6を収容する第2スクロール19と、を有する。第1羽根車5及び第1スクロール18、並びに、第2羽根車6及び第2スクロール19は、それぞれ、軸方向の一側及び他側(図1に示す例では上側及び下側)に位置している。
なお、本明細書において、説明の便宜上、回転軸線Axの方向を軸方向または上下方向と呼び、図1及び図2の上側及び下側をそれぞれ「軸方向の一側」あるいは「軸方向上側」及び「軸方向の他側」あるいは「軸方向下側」と呼ぶ。しかしながら、このことによって、空調装置が実際に車両に組み込まれた場合に回転軸線Axの方向が鉛直方向に一致するものと限定されるわけではない。また、本明細書においては、特別な注記が無い限り、回転軸線Ax上の任意の点を中心として回転軸線Axと直交する平面上に描かれた円の半径の方向を半径方向と呼び、当該円の円周方向を周方向または円周方向と呼ぶ。
図3に示すように、第1羽根車5は、その外周部分に、周方向に並んだ翼列50Aを形成する複数の翼50を有している。第1羽根車5は、モータ13により、軸方向に延びる回転軸線Ax周りに回転駆動され、翼列50Aの半径方向内側の空間の空気を、遠心方向に向けて吹き出す。第1羽根車5は、第1スクロール18の概ね円柱形の内部空間に収容される。
図1及び図2に示すように、第1スクロール18は、軸方向に開口する第1吸込口22Aと、周方向に開口する第1吐出口180とを有している。図3に示すように、第1吐出口180は、第1スクロール18を軸方向から見た場合、第1スクロール18の外周面の概ね接線方向に延びている。図1及び図2に示すように、第1スクロール18の内周面18e、上面18f及び下面18gは、第1羽根車5の外周面5eと共に、第1空気流路181を区画している。第1スクロール18は、第1羽根車5の回転により、第1吸込口22Aから吸い込んだ空気を、第1空気流路181を通じて第1吐出口180へ送り、後述する上側送風路42Aを介して、デフロスト吹出口及び/またはベント吹出口に送り出すことが可能となっている。
図4に示すように、第2羽根車6は、その外周部分に、周方向に並んだ翼列60Aを形成する複数の翼60を有している。第2羽根車6は、モータ13により回転軸線Ax周りに回転駆動され、翼列60Aの半径方向内側の空間の空気を、遠心方向に向けて吹き出す。第2羽根車6は、第2スクロール19の概ね円柱形の内部空間に収容される。
図1及び図2に示すように、第2スクロール19は、軸方向に開口する第2吸込口22Bと、周方向に開口する第2吐出口190とを有している。図4に示すように、第2吐出口190は、第2スクロール19を軸方向から見た場合、第2スクロール19の外周面の概ね接線方向に延びている。図1及び図2に示すように、第2スクロール19の内周面19e、上面19f及び下面19gは、第2羽根車6の外周面6eと共に、第2空気流路191を区画している。第2スクロール19は、第2羽根車6の回転により第2吸込口22Bから吸い込んだ空気を、第2空気流路191を通じて第2吐出口190へ送り、後述する下側送風路42Bを介して、フット吹出口に送り出すことが可能となっている。
なお、図3及び図4に示すように、第1羽根車5及び第2羽根車6は、その回転方向Gが、第1スクロール18及び第2スクロール19の外周面が描く螺旋形状の回転方向と一致するように配置される。
図1に示す例においては、第1スクロール18及び第2スクロール19は、一体に成形されたスクロールハウジング17の内部空間を仕切壁20で分割することにより形成されている。より具体的には、仕切壁20は、スクロールハウジング17の外周壁17Aから半径方向内側に向けて延びており、スクロールハウジング17の内部空間のうちのスクロールハウジング17の内周面17eと羽根車5,6の外周面5e,6eとの間の領域を軸方向に(上下に)分割している。そして、仕切壁20の両側に(上下に)、第1スクロール18及び第2スクロール19を形成する。
また、図1に示す例において、遠心送風機1は、片吸込型の遠心送風機である。より具体的には、第1吸込口22Aは、第1スクロール18のうち軸方向の一側(軸方向上側)に開口している。また、第2吸込口22Bも、第2スクロール19のうち軸方向の一側(軸方向上側)に開口している。そして、第1スクロール18の内部空間と第2スクロール19の内部空間とは、第2吸込口22Bを介して連通している。すなわち、第2吸込口22Bは、第1スクロール18のうち軸方向の他側(軸方向下側)に開口している。
また、図1に示す例において、第1羽根車5及び第2羽根車6は、一体に形成されている。また、羽根車5,6には、内側偏向部材9が一体に成形されている。内側偏向部材9は、コーン部と呼ばれることもある。この内側偏向部材9は、幾何学的な意味における回転体であり、第2羽根車6の下端7に接続された側周部10と、円板形の中央部11とを有している。中央部11において、モータ13の回転軸12が羽根車5,6に連結される。この例では、側周部10は、この側周部10の外周面の子午断面における輪郭線が、中央部11に近づくに従って急勾配となるように湾曲している。図示しない他の例では、側周部10は、この側周部10の外周面の子午断面における輪郭線が、中央部11から翼列60Aに向けて湾曲しない(断面が直線状である)場合もある。
スクロールハウジング17内には、第1吸込口22Aを介して、分離筒14が挿入されている。図1と図2を比較対照することにより理解できるように、分離筒14の入口側端部(上部)24の断面は概ね矩形である。分離筒14の中央部15の断面は円形(又は、概ね円形)である。分離筒14の断面形状は、入口側端部24から中央部15に近づくに従って、矩形から円形(又は、概ね円形)に滑らかに推移する。分離筒14の出口側端部(下部)16は、下端に近づくに従って拡径するフレア形状を有しているとともに、下端は円形である。
分離筒14は、第1吸込口22Aの半径方向内側及び第1羽根車5の翼列50Aの半径方向内側を通って、軸方向に延びている。分離筒14の入口側端部24は、スクロールハウジング17の外側(第1吸込口22Aよりも軸方向上側)に位置している。分離筒14の出口側端部16は、軸方向において仕切壁20と略同じ位置となるように設けられている。
分離筒14の全体が樹脂射出成形により一体成形されていてもよい。これに代えて、分離筒14の入口側端部(上部)24と、分離筒14の中央部15及び下部出口側端部(下部)16を別々に成形した後に、両者を連結してもよい。
分離筒14は、スクロールハウジング17内に吸入される空気の流れを、分離筒14の外側の第1通路14Aを通る第1空気流と、分離筒14の内側の第2通路14Bを通る第2空気流とに分割する。第1空気流は、第1スクロール18の第1吸込口22Aのうちの分離筒14の外周面141より外側のリング状領域を通って第1羽根車5の翼列50Aの半径方向内側に流入する。第2空気流は、分離筒14の上端から分離筒14の内側に入り、第2スクロール19の第2吸込口22Bを通って第2羽根車6の翼列60Aの半径方向内側に流入する。従って、第1スクロール18の第1吸込口22Aのうちの分離筒14の外周面141より外側のリング状領域がスクロールハウジング17の第1吸入口、分離筒14の入口側端部24がスクロールハウジング17の第2吸入口、と見なすこともできる。分離筒14の出口側端部16は、流入した第1空気流を半径方向外向きに転向して第1スクロール18に案内するとともに、流入した第2空気流を半径方向外向きに転向して第2スクロール19に案内する。
空調装置の空気取入部は、ハウジング21を有している。このハウジング21は、スクロールハウジング17と区別するために、「空気取入ハウジング」と呼ぶこととする。スクロールハウジング17と空気取入ハウジング21とは、一体成形されていてもよいし、別々に作製された後にネジ止め、接着、嵌め込み等の手法により連結されてもよい。スクロールハウジング17及び空気取入ハウジング21は空調装置ケーシングの一部を成す。なお、好適な一実施形態においては、分離筒14は、スクロールハウジング17及び空気取入ハウジング21とは別体の部品であり、空気取入ハウジング21によって所定位置に支持される。
空気取入ハウジング21は、第1開口25、第2開口26、第3開口27及び第4開口28を有している。第1開口25及び第3開口27を介して、空気取入ハウジング21の内部空間23に、車室内空間29(詳細は図示せず)から、内気(車室内空気)を導入することができる。つまり、第1開口25及び第3開口27は、空気取入ハウジング21内に内気を取り込むための第1及び第2の内気導入口である。また、第2開口26及び第4開口28を介して、空気取入ハウジング21の内部空間23に、車両に備えられた外気導入路の出口30(詳細は図示せず)から、外気(車両外部から取り入れた空気)を導入することができる。つまり、第2開口26及び第4開口28は、空気取入ハウジング21内に外気を取り込むための第1及び第2の外気導入口である。
ドア31を回転軸31A周りに回転させることにより、第1開口25から空気取入ハウジング21内への空気(内気)の流入を許容または遮断することができる。ドア32を回転軸32A周りに回転させることにより、第2開口26から空気取入ハウジング21内への空気(外気)の流入を許容または遮断することができる。ドア33を回転軸33A周りに回転させて位置を切り替えることにより、第3開口27及び第4開口28のうちのいずれか一方を介して空気取入ハウジング21内へ空気(内気または外気)を流入させることができる。
第1開口25及び/又は第2開口26から空気取入ハウジング21内に導入された空気のほぼ全てが第1通路14Aを通るように、かつ、第3開口27及び/又は第4開口28から空気取入ハウジング21に導入された空気のほぼ全てが第2通路14Bを通るように、空気取入ハウジング21及び分離筒14が形成されている。
第1開口25、第2開口26、第3開口27及び第4開口28が配置される領域と分離筒14の入口側端部24との間において、空気取入ハウジング21内には、空気中のダスト、パーティクル等の汚染物質を除去するためのフィルタ35が設けられている。フィルタ35は、好ましくは単一のフィルタエレメントからなる。
次に、図5を参照して、本実施の形態の空調装置の各吹出口と遠心送風機1との間の構成について説明する。図5に示すように、遠心送風機1と各吹出口との間には、ケース40が設けられている。ケース40内には、上側送風路42A及び下側送風路42Bが設けられている。上側送風路42Aと下側送風路42Bとは上下に積層されており、これらの間に設けられた壁44により互いに分離されている。上側送風路42Aは第1スクロール18の吐出口180に接続されており、下側送風路42Bは第2スクロール19の吐出口190に接続されている。
送風機1の下流側において、ケース40内には、冷却用熱交換器(エバポレータ)46が設けられている。冷却用熱交換器46の上側部分46Aは上側送風路42A内に位置し、冷却用熱交換器46の下側部分46Bは下側送風路42B内に位置している。冷却用熱交換器46は、そこを通過する空気から熱を奪い、かつ、空気の湿度が高い場合には空気中の水分を凝縮させることにより空気の湿度を下げる。
冷却用熱交換器46の下流側において、ケース40内には、加熱用熱交換器(ヒータコア)48が設けられている。加熱用熱交換器48の上側部分48Aは上側送風路42A内に位置し、加熱用熱交換器48の下側部分48Bは下側送風路42B内に位置している。加熱用熱交換器48は、そこを通過する空気を加熱する。
加熱用熱交換器48の上側部分48Aは上側送風路42Aの全断面を占有してはいない。上側送風路42Aの加熱用熱交換器48が存在しない領域が、上側送風路42Aを流れる空気が加熱用熱交換器48の上側部分48Aを通過しないで(上側部分48Aを迂回して)加熱用熱交換器48の下流側に流れることを可能とするバイパス経路49Aとなっている。
同様に、加熱用熱交換器48の下側部分48Bは下側送風路42Bの全断面を占有してはいない。下側送風路42Bの加熱用熱交換器48が存在しない領域が、下側送風路42Bを流れる空気が加熱用熱交換器48の下側部分48Bを通過しないで(下側部分48Bを迂回して)加熱用熱交換器48の下流側に流れることを可能とするバイパス経路49Bとなっている。
冷却用熱交換器46と加熱用熱交換器48との間において、上側送風路42A及び下側送風路42Bには、上側温調ドア70A及び下側温調ドア70Bがそれぞれ設けられている。上側温調ドア70Aは水平方向(図5の紙面垂直方向)に延びる旋回軸線を中心として旋回することができ、これによって、上側送風路42Aにおいて加熱用熱交換器48を通過する空気の割合を調節することができる。同様に、下側温調ドア70Bは水平方向に延びる旋回軸線を中心として旋回することができ、これによって、下側送風路42Bにおいて加熱用熱交換器48を通過する空気の割合を調節することができる。
ケース40内の加熱用熱交換器48の下流側に形成された混合室71内で、上側送風路42Aを流れてきた空気と、下側送風路42Bを流れてきた空気とが混合される。
混合空間71の上側(壁44よりも上方)には、デフロスト吹出通路72及びベント吹出通路74が面している。混合室71の下側(壁44よりも下方)には、フット吹出通路76が面している。3つの吹出通路72、74、76がこのように配置されているので、混合室71室内では上記の通り空気が混合されるとはいえ、上側送風路42Aから混合室71内に流出した空気はデフロスト吹出通路72及びベント吹出通路74に入ってゆきやすい傾向にあり、下側送風路42Bから混合室71内に流出した空気はフット吹出通路76に入ってゆきやすい傾向にある。したがって、第1スクロール18から吹き出された空気は、デフロスト吹出通路72及びベント吹出通路74に入ってゆきやすい傾向にあり、第2スクロール19から吹き出された空気はフット吹出通路76に入ってゆきやすい傾向にある。なお、図示しないが、混合室71のうち加熱用熱交換器48の下流側の空間に、壁44の上方と下方とを仕切ることを可能とする開閉ドアを設けてもよい。開閉ドアにより混合室71を壁44の上方と下方とに仕切った場合、第1スクロール18から吹き出された空気をデフロスト吹出通路72およびベント吹出通路74に入れ、フット吹出通路76には入れないことができる。あるいは、第2スクロール19から吹き出された空気をフット吹出通路76に入れ、デフロスト吹出通路72及びベント吹出通路74に入れないことができる。
デフロスト吹出通路72の下流端は、車室内のフロントガラスの内面に向けて空気を吹き出す図示しないデフロスト吹出口に接続されている。ベント吹出通路74の下流端は、運転席及び助手席(場合によっては後席も)に座っている乗員の上半身に向けて空気を吹き出す図示しないベント吹出口に接続されている。フット吹出通路76の下流端は、運転席及び助手席(場合によっては後席も)に座っている乗員の足元に向けて空気を吹き出す図示しないフット吹出口に接続されている。
デフロスト吹出通路72、ベント吹出通路74及びフット吹出通路76には(図示例ではこれらの吹出通路72,74,76の入口部分には)、これらの吹出通路72,74,76の開口面積を調整するためのデフロストドア72D、ベントドア74D及びフットドア76Dがそれぞれ設けられている。
上側温調ドア70A及び下側温調ドア70B、並びにデフロストドア72D、ベントドア74D及びフットドア76Dの各々は、車載マイクロコンピュータなどからなる制御部によって制御される図示しないアクチュエータにより駆動され、任意の旋回位置に停止させることができる。制御部は、車両用空調装置の一部として設けられる場合と、車両用空調装置が搭載される車両の一部(例えば、エンジンコントロールユニット)として設けられる場合とがあり、本発明においていずれの形態、またはその両方に設けられるものであっても構わない。
ところで、上述のフットモードでの運転を行う場合には、例えば図5に示すように、上側温調ドア70Aおよび下側温調ドア70Bは、上側送風路42Aにおいて加熱用熱交換器48を通過する空気の割合と下側送風路42Bにおいて加熱用熱交換器48を通過する空気の割合とが概ね等しくなるような旋回位置に位置付けられる。また、フットドア76Dが全開にされる一方、ベントドア74Dは全閉にされ、デフロストドア72Dは全閉にはされないものの、デフロスト吹出通路42の開口面積が所望の程度に小さくなるような旋回位置に位置付けられる。
このような各ドア70A,70B,72D,74D,76Dの配置により、上側送風路42Aの通気抵抗が上昇して、第1スクロール18から吹き出される空気の量が低下してしまう。この結果、空調装置全体から得られる風量が低下し、空調装置の暖房機能の低下等の問題が生じる。このような問題を解決するために羽根車5,6の回転数を上げると、消費電力が上昇し、また騒音の原因となる。
この点に関し本件発明者が鋭意研究を重ねた結果、次のような知見を得た。すなわち、通気抵抗が十分に低い送風路に送風するスクロールについては、当該スクロールの一部の寸法を大きくすることで当該スクロールから得られる風量を増大させることができる。そして、フットモードの場合、下側送風路42Bの通気抵抗は十分に低く、第2スクロール19の寸法を大きくすることで第2スクロール19からの風量を増大させることができる。
このような事情を考慮して、本実施形態においては、図1乃至図4に示すように、第1スクロール18及び第2スクロール19は、第2スクロール19の少なくとも一部の寸法が第1スクロール18の当該一部に対応する部分の寸法よりも大きくなるように、形成されている。より具体的には、第1スクロール18及び第2スクロール19は、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における第1スクロール18及び第2スクロール19の子午断面同士を比較したときに、第2空気流路191の断面積が第1空気流路181の断面積よりも大きい、という関係が、任意の巻き角に対して成立するように形成されている。以下、この点について、図1乃至図4を参照して、さらに詳細に説明する。
図3に示すように、回転軸線Axと第1スクロール18の舌部18Tの中心点18Tpとを結ぶ仮想線分を第1基準線分L01とする。また、図4に示すように、回転軸線Axと第2スクロール19の舌部19Tの中心点19Tpとを結ぶ仮想線分を第2基準線分L02とする。ここでスクロールの舌部の中心点とは、当該スクロールに収容される羽根車の回転軸線に直交する舌部の断面において、舌部の先端部がなす円弧の中心となる点である。
図3において、第1基準線分L01によって示される位置が、第1スクロール18の巻き角を測定する際に基準となる位置である。すなわち、第1基準線分L01によって示される位置が、第1スクロール18における巻き角0°の位置(いわゆる「巻き始めの位置」)である。そして、第1基準線分L01の位置から回転軸線Axの周りに第1羽根車5の回転方向Gに沿ってα°進んだ位置が、第1スクロール18における巻き角α°の位置である。図3においては、第1スクロール18における巻き角200°の位置が二点鎖線L11で示されており、第1スクロール18における巻き角300°の位置が一点鎖線L21で示されている。
同様に、図4において、第2基準線分L02によって示される位置が、第2スクロール19の巻き角を測定する際に基準となる位置である。すなわち、第2基準線分L02によって示される位置が、第2スクロール19における巻き角0°の位置(いわゆる「巻き始めの位置」)である。そして、第2基準線分L02の位置から回転軸線Axの周りに第2羽根車6の回転方向Gに沿ってβ°進んだ位置が、第2スクロール19における巻き角β°の位置である。図4においては、第2スクロール19における巻き角200°の位置が二点鎖線L12で示されており、第2スクロール19における巻き角300°の位置が一点鎖線L22で示されている。
舌部18Tの中心点18Tpと舌部19Tの中心点19Tpとは、軸方向に見て同じ位置であることが好ましい。かつ、舌部18Tの中心点18Tpから舌部18Tの先端部までの半径と舌部19Tの中心点19Tpから舌部19Tの先端部までの半径とは、同じ寸法であることが好ましい。第1スクロール18と第2スクロール19の舌部18T,19Tにおける段差が生じることが無く、騒音の増加を抑制することができる。
上述したように、第1スクロール18及び第2スクロール19は、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における第1スクロール18及び第2スクロール19の子午断面同士を比較したときに、第2空気流路191の断面積が第1空気流路181の断面積よりも大きい、という関係が、任意の巻き角に対して成立するように形成されている。とりわけ、図1乃至図4に示す例においては、第1スクロール18及び第2スクロール19は、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における第1スクロール18及び第2スクロール19の子午断面同士を比較したときに、第2スクロール19の内周面19eと第2羽根車6の外周面6eとの距離(第2空気流路191の幅)が、第1スクロール18の内周面18eと第1羽根車5の外周面5eとの距離(第1空気流路181の幅)よりも大きい、という関係が、任意の巻き角に対して成立するように形成されている。
上述の少なくとも一部の巻き角範囲は、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が200°〜300°の範囲であることが、好ましい。本実施形態では、当該範囲内において第2スクロール19の第2空気流路191の幅を大きくしたので、第2スクロール19から通気抵抗の低い下側送風路42Bに吹き出される空気の量を、効果的に増大させることができる。
さらに、上述の少なくとも一部の巻き角範囲は、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が0°〜300°の範囲であることが、より好ましい。本実施形態では、当該範囲内において第2スクロール19の第2空気流路191の幅を大きくしたので、第2スクロール19から通気抵抗の低い下側送風路42Bに吹き出される空気の量を、より効果的に増大させることができる。
もちろん、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における第1スクロール18及び第2スクロール19の子午断面同士を比較したときに、第2空気流路191の断面積が第1空気流路181の断面積よりも大きい、という関係が成り立っていれば、他の巻き角範囲内における第1空気流路181の断面積と第2空気流路191の断面積との関係は任意である。例えば、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が200°〜300°の範囲内において、同じ巻き角における第1スクロール18及び第2スクロール19の子午断面同士を比較したときに、第2空気流路191の断面積が第1空気流路181の断面積よりも大きい、という関係が成り立っている場合、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が0°〜200°の範囲内においては、同じ巻き角における第1スクロール18及び第2スクロール19の子午断面同士を比較したときに、第2空気流路191の断面積と第1空気流路181の断面積とは、互いに等しくてもよい。
また、通気抵抗が十分に高い送風路に送風するスクロールについては、当該スクロールの一部において、当該スクロールに収容される羽根車の回転方向における当該スクロールの内周面と当該羽根車の外周面との距離の単位巻き角当たりの増加量(以下、「スクロールの単位巻き角当たりの拡がり量」という)を小さくすることで、送風路の通気抵抗の高さに起因した当該スクロールから当該送風路への風量の低下を抑制することができる。これは、スクロールの単位巻き角当たりの拡がり量を小さくすると、当該スクロールの空気を押し出す能力が向上するためであると考えられる。そして、本件発明者は、フットモードの場合、上側送風路42Aの通気抵抗は十分に高いので、第1スクロール18の一部においてその単位巻き角当たりの拡がり量を小さくすることで、第1スクロール18から上側送風路42への風量の低下を抑制することができることを見出した。
このような事情を考慮して、本実施の形態では、図3及び図4に示すように、第1スクロール18及び第2スクロール19は、その少なくとも一部において、第1スクロール18の単位巻き角当たりの拡がり量が第2スクロール19の単位巻き角当たりの拡がり量よりも小さくなるように、形成されている。より具体的には、第1スクロール18及び第2スクロール19は、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、第1空気流路181の内周面18eと第1羽根車5の外周面5eとの距離(第1空気流路181の幅)の単位巻き角当たりの増加量が第2空気流路191の内周面19eと第2羽根車6の外周面6eとの距離(第2空気流路191の幅)の単位巻き角当たりの増加量よりも小さい、という関係が成立するように形成されている。
第1空気流路181の単位巻き角当たりの拡がり量が第2空気流路191の単位巻き角当たりの拡がり量よりも小さくされる上述の少なくとも一部の巻き角範囲は、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が200°〜300°の範囲であることが、好ましい。ここで、第1スクロール18において巻き角が200°〜300°の範囲は、第1スクロール18の空気を押し出す能力に大きく影響する範囲である。本実施形態では、当該範囲内における第1空気流路181の単位巻き角当たりの拡がり量を小さくしたので、フットモードにおける第1スクロール18から上側送風路42Aへの風量の低下を、効果的に抑制することができる。
より具体的には、図3及び図4に示すように、本実施の形態の第1スクロール18は、その巻き角が200°〜300°の範囲内において(すなわち図3の二点鎖線L11と一点鎖線L21との間において)、第1スクロール18の第1空気流路181の幅が第1の増加量だけ増加するように形成されている。また、第2スクロール19は、その巻き角が200°〜300°の範囲内において(すなわち図4の二点鎖線L12と一点鎖線L22との間において)、第2スクロール19の第2空気流路191の幅が第1の増加量よりも大きい第2の増加量だけ増加するように形成されている。
さらに、第1空気流路181の単位巻き角当たりの拡がり量が第2空気流路191の単位巻き角当たりの拡がり量よりも小さくされる上述の少なくとも一部の巻き角範囲は、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が0°〜300°の範囲であることが、より好ましい。本実施形態では、当該範囲内において第1空気流路181の単位巻き角当たりの拡がり量を小さくしたので、フットモードにおける第1スクロール18から上側送風路42Aへの風量の低下を、より効果的に抑制することができる。
より具体的には、図3及び図4に示すように、本実施の形態の第1スクロール18は、その巻き角が0°〜300°の範囲内において(すなわち図3の破線L01と一点鎖線L21との間において)、第1スクロール18の第1空気流路181の幅が第3の増加量だけ増加するように形成されている。また、第2スクロール19は、その巻き角が0°〜300°の範囲内において(すなわち図4の破線L02と一点鎖線L22との間において)、第2スクロール19の第2空気流路191の幅が第3の増加量よりも大きい第4の増加量だけ増加するように形成されている。
もちろん、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、第1スクロール18の単位巻き角当たりの拡がり量が第2スクロール19の単位巻き角当たりの拡がり量よりも小さい、という関係が成り立っていれば、他の巻き角範囲内における第1空気流路181の単位巻き角当たりの拡がり量と第2空気流路191の単位巻き角当たりの拡がり量との関係は任意である。例えば、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が200°〜300°の範囲内において、第1スクロール18の単位巻き角当たりの拡がり量が第2スクロール19の単位巻き角当たりの拡がり量よりも小さい、という関係が成り立っている場合、第1スクロール18及び第2スクロール19の巻き角が0°〜200°の範囲内においては、第1スクロール18の単位巻き角当たりの拡がり量と第2スクロール19の単位巻き角当たりの拡がり量とは、互いに等しくてもよい。
さらに、本件発明者の得た知見によれば、スクロールに収容された羽根車の翼の幅を小さくすることで、当該スクロールから吹き出される空気の量を増大させることができる。これは、翼の幅を小さくすると、翼それ自体により生じる通気抵抗が小さくなるためであると考えられる。このような事情を考慮して、本実施の形態における遠心送風機1においては、図1乃至図4から分かるように、第2羽根車6の複数の翼60の幅W2が、第1羽根車5の複数の翼50の幅W1よりも相対的に小さい。これにより、第2スクロール19からフット吹出口へ向けて吹き出される空気の量を増大させることができる。
また、本件発明者の得た知見によれば、スクロールに収容された羽根車の翼の枚数を少なくすることで、当該スクロールから吹き出される空気の量を増大させることができる。これは、翼の枚数を少なくすると、翼それ自体により生じる通気抵抗が小さくなるためであると考えられる。このような事情を考慮して、本実施の形態における遠心送風機1においては、図3及び図4から分かるように、第2羽根車6の複数の翼60の数が、第1羽根車5の複数の翼50の数よりも少ない。これにより、第2スクロール19からフット吹出口へ向けて吹き出される空気の量を増大させることができる。
次に、図1〜図4に示す車両用空調装置の動作について説明する。
車両用空調装置の第1の動作モードでは、第2開口26及び第4開口28が開かれ、第1開口25及び第3開口27が閉じられる。この状態は図示されていない。この場合、第2開口26から導入された外気は、分離筒14の外側の第1通路14Aを通り、第1羽根車5の翼列50Aに流入する第1空気流を形成する。また、第4開口28から導入された外気は、分離筒14の内側の第2通路14Bを通り、第2羽根車6の翼列60Aに流入する第2空気流を形成する。第1の動作モードは、外気モードと呼ばれることもある。
第2の動作モードでは、第2開口26及び第3開口27が開かれ、第1開口25及び第4開口28が閉じられる。この状態は図1及び図2に示されている。この場合、第2開口26から導入された外気FEは、分離筒14の外側の第1通路14Aを通り、第1羽根車5の翼列50Aに流入する第1空気流を形成する。また、第3開口27から導入された内気FRは、分離筒14の内側の第2通路14Bを通り、第2羽根車6の翼列60Aに流入する第2空気流を形成する。第2の動作モードは、内外気二層流モードと呼ばれることもある。
第3の動作モードでは、第1開口25及び第3開口27が開かれ、第2開口26及び第4開口28が閉じられる。この状態は図示されていない。この場合、第1開口25から導入された内気は、分離筒14の外側の第1通路14Aを通り、第1羽根車5の翼列50Aに流入する第1空気流を形成する。また、第3開口27から導入された内気は、分離筒14の内側の第2通路14Bを通り、第2羽根車6の翼列60Aに流入する第2空気流を形成する。第3の動作モードは、内気モードと呼ばれることもある。
第2の動作モード(内外気二層流モード)は、例えば、フットモードでの運転を行うときに用いられる。フットモードでは、主にフット吹出口(図示せず)から空気を吹き出して乗員の足元に風を当てるとともに、乗員の温熱快適性確保のため、デフロスト吹出口(図示せず)からも補助的に温風を吹き出している。この場合、第2羽根車6の翼列60Aに流入する内気FRが、第2空気流路191及び下側送風路42Bを介して主にフット吹出口に供給される。また、第1羽根車5の翼列50Aに流入する外気FEが、第1空気流路181及び上側送風路42Aを介してデフロスト吹出口及びフット吹出口に供給される。
フットモードでは、図5に示すように、上側温調ドア70Aおよび下側温調ドア70Bは、上側送風路42Aにおいて加熱用熱交換器48を通過する空気の割合と下側送風路42Bにおいて加熱用熱交換器48を通過する空気の割合とが概ね等しくなるような旋回位置に位置付けられる。また、フットドア76Dが全開にされる一方、ベントドア74Dは全閉にされ、デフロストドア72Dは全閉にされないものの、デフロスト吹出通路42の開口面積が所望の程度に小さくなるような旋回位置に位置付けられる。
このように各ドア70A,70B,72D,74D,76Dが配置されることにより、上側送風路42Aの通気抵抗が高くなる。上側送風路42Aの通気抵抗が高くなると、第1スクロール18から吹き出される空気の量が減って、空調装置全体から得られる風量(すなわちデフロスト吹出口およびフット吹出口から得られる風量の総和)が少なくなることが懸念される。
しかしながら、本実施形態においては、第1スクロール18及び第2スクロール19が、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における第1スクロール18及び第2スクロール19の子午断面同士を比較したときに、第2空気流路191の断面積が第1空気流路181の断面積よりも大きい、という関係が任意の巻き角に対して成立するように形成されている。これにより、フットモードにおける第2スクロール19から第2空気流路191への風量を増大させることができる。この結果、フットモードにおいて空調装置全体から得られる風量(デフロスト吹出口及びフット吹出口から得られる風量の総和)が所望の風量よりも少なくなってしまう、ということが抑制され得る。
また、本実施の形態においては、第1スクロール18及び第2スクロール19は、第1スクロール18及び第2スクロール19の少なくとも一部の巻き角範囲内において、第1スクロール18の単位巻き角当たりの拡がり量が第2スクロール19の単位巻き角当たりの拡がり量よりも小さい、という関係が成立するように形成されている。これにより、フットモードにおける第1スクロール18から上側送風路42Aへの風量の低下を抑制することができる。このことによっても、フットモードにおいて空調装置全体から得られる風量が所望の風量よりも少なくなってしまう、ということが抑制され得る。
さらに、本実施の形態においては、第2羽根車6の複数の翼60の幅W2が、第1羽根車5の複数の翼50の幅W1よりも相対的に小さい。これにより、第2スクロール19からフット吹出口へ吹き出される空気の量を増大させることができる。このことによっても、フットモードにおいて空調装置全体から得られる風量が所望の風量よりも少なくなってしまう、ということが抑制され得る。
また、本実施の形態においては、第2羽根車6の複数の翼60の数が、第1羽根車5の複数の翼50の数よりも少ない。これにより、第2スクロール19からフット吹出口へ吹き出される空気の量を増大させることができる。このことによっても、フットモードにおいて空調装置全体から得られる風量が所望の風量よりも少なくなってしまう、ということが抑制され得る。
ここまで、第2の動作モードを、フットモードでの運転を行うとして説明してきたが、別な実施形態としてデフフットモードでの運転に適用することもできる。デフフットモードにおいても、第2スクロール19から第2空気流路191への風量を増大させることができるので、空調装置全体から得られる風量(デフロスト吹出口及びフット吹出口から得られる風量の総和)が所望の風量よりも少なくなってしまう、ということが抑制され得る。
1 遠心送風機
5 第1羽根車
50 第1羽根車の翼
6 第2羽根車
60 第2羽根車の翼
13 モータ
14 分離筒
16 出口側端部
17 スクロールハウジング
18 第1スクロール
180 第1吐出口
181 第1空気流路
19 第2スクロール
190 第2吐出口
191 第2空気流路
20 仕切壁
21 空気取入ハウジング
42A 上側送風路
42B 下側送風路
Ax 回転軸線

Claims (8)

  1. 車両用の遠心送風機(1)であって、
    モータ(13)と、
    周方向翼列(50A)を形成する複数の翼(50)を有し、前記モータ(13)により軸方向に延びる回転軸線(Ax)周りに回転駆動されて、前記翼列(50A)の半径方向内側の空間の空気を遠心方向に向けて吹き出す第1羽根車(5)と、
    前記軸方向に開口する第1吸込口(22A)と周方向に開口する第1吐出口(180)とを有し、前記第1羽根車(5)を収容する第1スクロール(18)であって、前記第1羽根車(5)の回転により、前記第1吸込口(22A)から吸い込んだ空気を前記第1吐出口(180)からデフロスト吹出口及び/またはベント吹出口に送り出すことが可能な第1スクロール(18)と、
    周方向翼列(60A)を形成する複数の翼(60)を有し、前記モータ(13)により前記回転軸線(Ax)周りに回転駆動されて、前記翼列(60A)の半径方向内側の空間の空気を遠心方向に向けて吹き出す第2羽根車(6)と、
    前記軸方向に開口する第2吸込口(22B)と周方向に開口する第2吐出口(190)とを有し、前記第2羽根車(6)を収容する第2スクロール(19)であって、前記第2羽根車(6)の回転により前記第2吸込口(22B)から吸い込んだ空気を前記第2吐出口(190)からフット吹出口に送り出すことが可能な第2スクロール(19)と、
    を備え、
    前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)は、前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)の少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)の子午断面同士を比較したときに、前記第2スクロール(19)の内周面、上面及び下面並びに前記第2羽根車(6)の外周面によって区画される第2空気流路の断面積が、前記第1スクロール(18)の内周面、上面及び下面並びに前記第1羽根車(5)の外周面によって区画される第1空気流路の断面積よりも大きい、という関係が、任意の巻き角に対して成立するように形成されている、遠心送風機(1)。
  2. 前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)は、前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)の前記少なくとも一部の巻き角範囲内において、同じ巻き角における前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)の子午断面同士を比較したときに、前記第2スクロール(19)の内周面と前記第2羽根車(6)の外周面との距離が、前記第1スクロール(18)の内周面と前記第1羽根車(5)の外周面との距離よりも大きい、という関係が、任意の巻き角に対して成立するように形成されている、請求項1に記載の遠心送風機(1)。
  3. 前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)は、前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)の前記少なくとも一部の巻き角範囲内において、前記第1羽根車(5)の回転方向における前記第1スクロール(18)の内周面と前記第1羽根車(5)の外周面との距離の単位巻き角当たりの増加量が、前記第2羽根車(6)の回転方向における前記第2スクロール(19)の内周面と前記第2羽根車(6)の外周面との距離の単位巻き角当たりの増加量よりも小さい、という関係が成立するように形成されている、請求項1または2に記載の遠心送風機(1)。
  4. 前記少なくとも一部の巻き角範囲は、第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)の巻き角が200°〜300°の範囲である、請求項1乃至3のいずれかに記載の遠心送風機(1)。
  5. 前記少なくとも一部の巻き角範囲は、第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)の巻き角が0°〜300°の範囲である、請求項4に記載の遠心送風機(1)。
  6. 前記第1羽根車(5)及び前記第2羽根車(6)は、一体に形成されており、
    前記第1スクロール(18)及び前記第2スクロール(19)は、一体に成形されたスクロールハウジング(17)の内部空間を仕切壁(20)で前記軸方向に分割することにより、前記軸方向において当該仕切壁(20)の両側に形成されており、
    前記第1スクロール(18)は、前記軸方向の一側に位置し、
    前記第1吸込口(22A)は、前記第1スクロール(18)のうち前記軸方向の一側に開口しており、
    前記第2スクロール(19)は、前記軸方向の他側に位置し、
    前記第2吸込口(22B)は、前記第2スクロール(19)のうち前記軸方向の一側に開口しており、
    前記第1スクロール(18)の内部空間と前記第2スクロール(19)の内部空間とは、前記第2吸込口(22B)を介して連通しており、
    前記遠心送風機(1)は、更に、
    前記第1吸込口(22A)の半径方向内側及び前記第1羽根車(5)の前記翼列(50A)の半径方向内側を通って前記軸方向に延びる分離筒(14)であって、前記第1吸込口(22A)から前記スクロールハウジング(17)内に吸入される空気の流れを、前記分離筒(14)の外側を通る第1空気流と、前記分離筒(14)の内側を通る第2空気流とに分割するように設けられ、かつ、前記第1空気流を半径方向外向きに転向して前記第1スクロール(18)に案内するとともに、前記第2空気流を半径方向外向きに転向して前記第2スクロール(19)に案内する出口側端部(16)を有している、分離筒(14)を備えている、請求項1乃至5のいずれかに記載の遠心送風機(1)。
  7. 前記第2羽根車(6)の前記複数の翼(60)の幅(W2)が、前記第1羽根車(5)の前記複数の翼(50)の幅(W1)よりも小さい、請求項1乃至6のいずれかに記載の遠心送風機(1)。
  8. 前記第2羽根車(6)の前記複数の翼(60)の数が、前記第1羽根車(5)の前記複数の翼(50)の数よりも少ない、請求項1乃至7のいずれかに記載の遠心送風機(1)。
JP2017127836A 2017-06-29 2017-06-29 車両用空調装置のための遠心送風機 Active JP6794318B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017127836A JP6794318B2 (ja) 2017-06-29 2017-06-29 車両用空調装置のための遠心送風機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017127836A JP6794318B2 (ja) 2017-06-29 2017-06-29 車両用空調装置のための遠心送風機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019011694A true JP2019011694A (ja) 2019-01-24
JP6794318B2 JP6794318B2 (ja) 2020-12-02

Family

ID=65226720

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017127836A Active JP6794318B2 (ja) 2017-06-29 2017-06-29 車両用空調装置のための遠心送風機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6794318B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020230563A1 (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 株式会社デンソー 遠心送風機

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58101297A (ja) * 1981-12-10 1983-06-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 両吸込み形多翼送風機
JP2017505397A (ja) * 2013-12-04 2017-02-16 ヴァレオ システム テルミク 自動車の暖房装置、換気装置及び/又は空調装置のための吸込送風機
JP2017538886A (ja) * 2014-10-30 2017-12-28 ヴァレオ システム テルミク 流れセパレータを有する遠心送風機

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58101297A (ja) * 1981-12-10 1983-06-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 両吸込み形多翼送風機
JP2017505397A (ja) * 2013-12-04 2017-02-16 ヴァレオ システム テルミク 自動車の暖房装置、換気装置及び/又は空調装置のための吸込送風機
JP2017538886A (ja) * 2014-10-30 2017-12-28 ヴァレオ システム テルミク 流れセパレータを有する遠心送風機

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020230563A1 (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 株式会社デンソー 遠心送風機
JP2020186692A (ja) * 2019-05-15 2020-11-19 株式会社デンソー 遠心送風機
CN113677897A (zh) * 2019-05-15 2021-11-19 株式会社电装 离心送风机
JP7200824B2 (ja) 2019-05-15 2023-01-10 株式会社デンソー 遠心送風機

Also Published As

Publication number Publication date
JP6794318B2 (ja) 2020-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018074339A1 (ja) 遠心送風機
JP7171846B2 (ja) 車両用空調装置のための遠心送風機
WO2018043640A1 (ja) 車両用空調装置のための遠心送風機
JP6583378B2 (ja) 車両用空調ユニット
JP6447067B2 (ja) 車両用空調ユニット
JP7200824B2 (ja) 遠心送風機
JP2004218446A (ja) 遠心式送風装置
JP2018091274A (ja) 遠心送風機
JP2019044739A (ja) 車両用空調装置のための遠心送風機
JP2018155151A (ja) 車両用空調装置のための遠心送風機
JP6269432B2 (ja) 車両用空調装置
KR20140054655A (ko) 차량용 공조장치의 송풍기
JP6794318B2 (ja) 車両用空調装置のための遠心送風機
WO2018083940A1 (ja) 車両用空調ユニット
JPH1193893A (ja) 遠心多翼ファン
JP4411724B2 (ja) 遠心式送風機
JP6685249B2 (ja) 遠心送風機
WO2021085086A1 (ja) 送風機
KR20220140907A (ko) 차량용 공조장치의 블로워 장치
WO2019188754A1 (ja) 補助内気導入口を有する二層流式の車両用空調装置
JP6174339B2 (ja) 遠心送風機及びそれを備えた車両用空調装置
JP6098504B2 (ja) 車両用空調装置
JPH1162895A (ja) 遠心送風機
CN113260524A (zh) 车辆用空调单元
KR101566310B1 (ko) 차량용 송풍장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201016

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6794318

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250