JP2019011543A - 減粘剤組成物、及び黒液濃縮方法 - Google Patents

減粘剤組成物、及び黒液濃縮方法 Download PDF

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Abstract

【課題】濃縮された黒液の流動性を向上可能な減粘剤組成物及び黒液濃縮方法を提供する。【解決手段】化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の粘度を減少させるための減粘剤組成物であって、該減粘剤組成物はラジカル捕捉剤を含有する。また、化学パルプ製造工程における黒液をラジカル捕捉剤の存在下で濃縮する黒液の濃縮方法に関する。【選択図】図3

Description

本開示は、化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の粘度を減少させるための減粘剤組成物、及び黒液濃縮方法に関する。
クラフトパルプ等の化学パルプの製造フローの一例を図1に示す。図1に示すように、リグノセルロース材料のチップ11は、チップサイロ12に保管された後、チップスクリーン(図示せず)にて選定されてチップビン13に送られ、その後、スチーミングベッセル14においてチップ内部の気相が水蒸気に置換される。スチーミングベッセル14において浸透性が高められたチップは、浸透塔15においてアルカリ性蒸解液の導入により蒸解液のチップ内部への浸透が促進された後、蒸解釜16において水酸化ナトリウム等を含有する溶液とともに加圧蒸煮される。これにより、非繊維成分が溶解された黒液とパルプとが混在するパルプスラリーが排出される。蒸解釜16から排出されたパルプスラリーは、黒液洗浄塔17で洗浄された後、スクリーン18、デッカー19及び未晒し高濃度ストレージタワー20を経た後、酸素蒸解装置21に導入され、そこでさらなる脱リグニン化が行われた後、漂白工程(図示せず)に移送される。
一方、黒液洗浄塔17、スクリーン18及びデッカー19等では黒液が排出される。排出された黒液は、黒液濃縮工程に移送される。黒液濃縮工程において、希黒液タンク(ストックタンク)22に回収された黒液は、エバポレーター23で濃縮される。濃縮後、回収ボイラー24においてエネルギーの回収と薬品の回収とが行われる。回収されたエネルギーはタービン25に送られ、薬品は緑液タンク26に移送される。移送された薬品は、苛性化処理27等により白液に再生された後、白液タンク28を経て、浸透塔15等に白液として供給される。
濃縮した黒液の燃焼発熱量を向上させることにより回収エネルギーを向上させる点から、エバポレーター23で濃縮する際の固形分濃度を60〜75重量%程度にすることが試みられている。しかしながら、黒液は、固形分濃度の上昇に伴い、その粘度が上がり流動性が目覚ましく低下する。固形分濃度が70重量%を超えると流動性の低下が顕著となり、固形分濃度が75重量%を超えると濃縮が難しくなる場合がある。その結果、十分な処理効率やエネルギーの回収率が得られないという問題がある。
このため、濃縮に伴う黒液の粘度を低減するために、黒液の減粘剤(特許文献1)や黒液濃縮助剤(特許文献2)等が提案されている。
特開2014−19993号公報 特開2009−179917号公報
黒液の濃縮率(黒液濃縮液の固形分濃度)をさらに向上し、処理効率及びエネルギーの回収率をさらに向上させる点から、濃縮された黒液の流動性を向上可能な減粘剤や黒液濃縮方法が求められている。
本開示は、一又は複数の実施形態において、濃縮された黒液の流動性を向上可能な減粘剤組成物、及び黒液濃縮方法を提供する。
本開示は、一態様において、化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の粘度を減少させるための減粘剤組成物であって、ラジカル捕捉剤を含有する減粘剤組成物に関する。
本開示は、一態様において、化学パルプ製造工程における黒液を、ラジカル捕捉剤の存在下で濃縮することを含む黒液の濃縮方法に関する。
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮された黒液の流動性を向上可能な減粘剤組成物、及び黒液濃縮方法を提供できる。
図1は、化学パルプの製造系のフローの一例を示すフロー図である。 図2は、実施例で用いた黒液の距離の測定方法を説明するための模式図である。 図3は、実験例2で行った動粘度測定の結果の一例を示すグラフである。
本開示は、ラジカル捕捉剤の存在下で黒液を濃縮することにより、得られる黒液濃縮液の流動性の低下(又は粘性の増加)を抑制でき、さらには濃縮時の黒液の固形分濃度を高めることができ、好ましくは黒液の濃縮効率を向上できるという知見に基づく。
本開示において「化学パルプ」とは、化学的な反応で、木材チップを分解及び/又はリグニンなどを分離(蒸解)することでパルプ化されたパルプを示し、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、アルカリパルプ等がある。
本開示において「黒液」とは、化学パルプ製造工程で生じる黒又は褐色の液体をいう。例えば、クラフトパルプ製造工程で生じる黒液は、一又は複数の実施形態において、原料である木材チップを、水酸化ナトリウム及び硫化ナトリウム等の薬品(白液ともいう)で蒸解する際に、木材チップ中の繊維以外の成分(例えば、繊維同士を接着する役割を有するリグニンや樹脂成分等)が薬品に溶け出すことにより形成される。このため、黒液は、一又は複数の実施形態において、有機物と、苛性ナトリウム等の蒸解工程等に使用される薬品若しくはこれらの反応成分とを含む。有機物としては、一又は複数の実施形態において、リグニン、及びセルロース又はヘミセルロース由来の炭水化物等が挙げられる。
黒液は、一又は複数の実施形態において、蒸解後の洗浄工程(図1のフロー図における黒液洗浄塔17、スクリーン18及びデッカー19等)において排出される。黒液洗浄塔17で排出される黒液の固形分濃度は、一又は複数の実施形態において、15重量%〜25重量%である。
本開示において「黒液濃縮工程」とは、回収した黒液を濃縮することを含む。黒液濃縮工程は、一又は複数の実施形態において、得られた黒液濃縮液を燃焼させてエネルギーを回収すること、及び無機物の薬品を回収すること等をさらに含んでいてもよい。黒液濃縮工程は、特に限定されない一又は複数の実施形態において、図1のフロー図に示すように、エバポレーター23による濃縮を含む。
[減粘剤組成物]
本開示は、一態様において、化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の粘度を減少させるための減粘剤組成物(本開示の減粘剤組成物)に関する。本開示の減粘剤組成物は、ラジカル捕捉剤を含有する。
本開示の減粘剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮に伴う黒液の流動性の低下を抑制することができる。本開示の減粘剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮に伴う黒液の粘性の増加を抑制することができる。本開示の減粘剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮液の流動性を向上させることができる。本開示の減粘剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮液の粘性を低下させることができる。本開示の減粘剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮時の黒液の固形分濃度を高めることができ、さらには黒液の濃縮効率を好ましくは向上できる。本開示の減粘剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮に伴う処理能力を向上できる。本開示の減粘剤組成物によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮した黒液を燃焼してエネルギーを回収する時の燃焼効率を向上することができる。
本開示において「黒液濃縮工程における黒液の粘度の減少」とは、黒液濃縮工程に伴う黒液の粘度の上昇を低減又は抑制することをいう。黒液濃縮工程における黒液の粘度の減少としては、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程における黒液の流動性の低下を抑制することを含みうる。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、減粘成分の主成分としてラジカル捕捉剤を含有する。本開示において「減粘成分の主成分としてラジカル捕捉剤を含有する」こととしては、一又は複数の実施形態において、減粘剤組成物に含まれる減粘成分におけるラジカル捕捉剤の割合が、50重量%を超え、55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上又は略100重量%である。本開示において「減粘剤組成物に含まれる減粘成分」としては、一又は複数の実施形態において、濃縮に伴う黒液の流動性低下の抑制、濃縮に伴う黒液の粘性増加の抑制、黒液濃縮液の流動性の向上、及び黒液濃縮液の粘性の低下からなる群から選択される少なくとも一つの効果を奏しうる成分が挙げられる。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、含有する減粘成分が、実質的にラジカル捕捉剤のみであってもよい。
ラジカル捕捉剤は、一又は複数の実施形態において、重合防止剤又は重合禁止剤として使用されるラジカル捕捉剤が使用できる。
ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、窒素系ラジカル捕捉剤、芳香族系ラジカル捕捉剤、有機酸系ラジカル捕捉剤、又はカテキン系ラジカル捕捉剤等が挙げられる。ラジカル捕捉剤としては、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制できる点からは、窒素系ラジカル捕捉剤又は芳香族ラジカル捕捉剤が好ましく、窒素系ラジカル捕捉剤がより好ましい。
窒素系ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、窒素原子を少なくとも一つ以上含有するラジカル捕捉剤をいう。窒素系ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、アミン系ラジカル捕捉剤、テトラメチルピペリジンオキシル系ラジカル捕捉剤、芳香族ニトロ化合物、複素環式芳香族ニトロ化合物、脂肪族ニトロ化合物、ニトロソ化合物、窒素フリーラジカル型化合物、N−オキシド化合物、N−ヒドロキシル−イミン化合物、アシルアミノ置換芳香族化合物、又はN−アシル−エナミン化合物等が挙げられる。
アミン系ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、N,N'−ジ−sec−ブチル−1,4−フェニレンジアミン(PDA)、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−1,4−フェニレンジアミン、N−(1,4−ジメチルペンチル)−N'−フェニル−1,4−フェニレンジアミン、N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−1,4−フェレンジアミン、N−フェニル−N'−イソプロピル−1,4−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−フェニル−1,4−フェニレンジアミン又はN,N'−ジ−2−ナフチル−1,4−フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系ラジカル捕捉剤、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)又はN,N−ジメチルヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン系ラジカル捕捉剤、トリブチルアミン、ジフェニルアミン、フェノチアジン、又はフェニル−α−ナフチルアミン等が挙げられる。アミン系ラジカル捕捉剤としては、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制できる点から、DEHA又はN,N−ジメチルヒドロキシルアミンが好ましい。
テトラメチルピペリジンオキシル系ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−Hydroxy−TEMPO、H−TEMPO)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ベンゾキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、又はビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)−セバケート等が挙げられる。テトラメチルピペリジンオキシル系ラジカル捕捉剤としては、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制できる点から、4−Hydroxy−TEMPO(H−TEMPO)又はTEMPOが好ましい。
芳香族ニトロ化合物としては、一又は複数の実施形態において、3,5−ジニトロ安息香酸等が挙げられる。複素環式芳香族ニトロ化合物としては、一又は複数の実施形態において、2−メチル−4−ニトロイミダゾール等が挙げられる。脂肪族ニトロ化合物としては、一又は複数の実施形態において、トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、一又は複数の実施形態において、1−ニトロソ−2−ナフトール等が挙げられる。N−オキシド化合物としては、一又は複数の実施形態において、イミダゾール−N−オキシド、1−(2−ヒドロキシメチル)ピペラジン−N−オキシド、又はメチルモルホリン−N−オキシド等が挙げられる。N−ヒドロキシル−イミン化合物としては、一又は複数の実施形態において、N−ヒドロキシフタルイミド等が挙げられる。アシルアミノ置換芳香族化合物としては、一又は複数の実施形態において、アセトアニリド又はN−アセチル−5−メトキシトリプタミン等が挙げられる。窒素フリーラジカル型化合物としては、一又は複数の実施形態において、上記のフェニレンジアミン系ラジカル捕捉剤等が挙げられる。N−アシル−エナミン化合物としては、一又は複数の実施形態において、尿酸等が挙げられる。
芳香族系ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、ヒドロキノン、ベンゾキノン、メトキノン、エチルハイドロキノン、プロピルハイドロキノン、ブチルハイドロキノン、ペンチルハイドロキノン、ヘキシルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ヒドロキシハイドロキノン、ナフトキノン、フェノール、2−メチルフェノール、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、カテコール、4−tert−ブチルカテコール、ピロガロール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、フロログルシノール、レゾルシノール、ホモカテコール、p−クレゾール、2−メトキシフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、n−オクタデシル−3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、ジステアリル−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−tert−ブチル)ベンジルマロネート、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシル、トコフェロール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、スチレン化フェノール、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルエステル)カルシウム、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール・ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2'−メチレンビス〔6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール〕、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコール・ビス〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、2,2'−オキザミドビス〔エチル・3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−2,4−ジオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、ビス〔2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、3,9−ビス〔2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン及び3,9−ビス〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制できる点からは、アミン系ラジカル捕捉剤、テトラメチルピペリジンオキシラジカル捕捉剤及びニトロソ化合物等の窒素系ラジカル捕捉剤、又は芳香族ラジカル捕捉剤が好ましく、より好ましくはアミン系ラジカル捕捉剤及びテトラメチルピペリジンオキシラジカル捕捉剤である。ラジカル捕捉剤としては、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制できる点から、4−Hydroxy−TEMPO、DEHA、1−ニトロソ−2−ナフトール及び4−tert−ブチルカテコールが好ましく、より好ましくは4−Hydroxy−TEMPO及びDEHAである。
ラジカル捕捉剤としては、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制できる点から、より粘性の低い化合物が好ましく、より好ましくはより粘性の低い窒素系ラジカル捕捉剤又はより粘性の低い芳香族ラジカル捕捉剤である。より粘性の低い窒素系ラジカル捕捉剤としては、一又は複数の実施形態において、4−Hydroxy−TEMPO、DEHA等が挙げられる。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、1種類のラジカル捕捉剤を含んでいてもよいし、2種類以上のラジカル捕捉剤を組み合わせて含んでいてもよい。
本開示の減粘剤組成物におけるラジカル捕捉剤の含有量は、一又は複数の実施形態において、1重量%以上、5重量%以上、若しくは10重量%以上であり、又は90重量%以下、85重量%以下若しくは70重量%以下である。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤以外の減粘成分を含んでいてもよい。ラジカル捕捉剤以外の減粘成分としては、一又は複数の実施形態において、有機溶剤、界面活性剤、アマイド系ワックスや鉱物油のエマルション等の公知の黒液減粘剤等が挙げられる。界面活性剤としては、一又は複数の実施形態において、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びカチオン界面活性剤等が挙げられる。その他の減粘成分としては、減粘効果におけるラジカル捕捉剤との相乗効果が得られる点から、有機溶剤及び界面活性剤が好ましい。
本開示の減粘剤組成物は、黒液濃縮工程での黒液への添加に適した長期間保存安定性良好な一液製剤とすることができる点から、一又は複数の実施形態において、有機溶剤及び界面活性剤等を含んでいてもよい。よって、本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤と、有機溶剤及び界面活性剤の少なくとも一方とを含む一液製剤であってもよい。
有機溶剤としては、一又は複数の実施形態において、親水性有機溶剤が挙げられる。親水性有機溶剤としては、一又は複数の実施形態として、グリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤、アルコール系溶剤、アミン・アミド系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、一又は複数の実施形態において、1種で使用してもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
グリコールエーテル系溶剤としては、一又は複数の実施形態において、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。グリコールエーテル系溶剤としては、一又は複数の実施形態において、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジエチレングリコールモノブチルエーテル等が好ましい。
グリコール系溶剤としては、一又は複数の実施形態において、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、又はトリブチレングリコール等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、一又は複数の実施形態において、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ベンジルアルコール、又は2−エチル−1−ヘキサノール等が挙げられる。
アミン・アミド系溶剤としては、一又は複数の実施形態において、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジプロピルイミダゾリジノン、1,3−ジメチルイミダゾリジノンテトラメチルウレア、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルスルホニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジトリプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、又はトリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
有機溶剤としては、黒液中へのラジカル捕捉剤の分散性が向上され、減粘剤組成物中にラジカル捕捉剤を高濃度で含有させることができ、減粘剤組成物の長期間保存安定性が優れる点から、グリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤又はアミン・アミド系溶剤が好ましい。有機溶剤としては、同様の点から、より粘性の低いグリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤又はアミン・アミド系溶剤が好ましく、より好ましくはより粘性の低いグリコールエーテル系溶剤である。より粘性の低いグリコールエーテル系溶剤としては、一又は複数の実施形態において、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
本開示の減粘剤組成物における有機溶剤の含有量は、一又は複数の実施形態において、1重量%以上、5重量%以上、若しくは10重量%以上であり、又は60重量%以下、45重量%以下若しくは40重量%以下である。
界面活性剤としては、一又は複数の実施形態において、ノニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面活性剤としては、一又は複数の実施形態として、炭素数6〜22の炭化水素基を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールにアルキレンオキサイドが付加された化合物、炭素数6〜22の炭化水素基を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアミンにアルキレンオキサイドが付加された化合物、炭素数6〜22の脂肪酸にアルキレンオキサイドが付加された化合物、炭素数2〜10の不飽和の多価アルコールにアルキレンオキサイドが付加された化合物、炭素数2〜10のポリアミンにアルキレンオキサイドが付加された化合物、炭素数2〜10の多価脂肪酸にアルキレンオキサイドが付加された化合物、アルキルフェノールにアルキレンオキサイドが付加された化合物、スチレン化フェノールにアルキレンオキサイドが付加された化合物、ベンジル化フェノールにアルキレンオキサイドが付加された化合物、並びにナフトールにアルキレンオキサイドが付加された化合物が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
界面活性剤としては、減粘剤組成物中にラジカル捕捉剤を高濃度で含有させることができ、また黒液中へのラジカル捕捉剤の分散性が向上され、減粘剤組成物の長期間保存安定性が優れる点から、炭素数6〜22の炭化水素基を有する直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアミンにアルキレンオキサイドが付加された化合物が好ましく、より好ましくはより粘性が低い化合物である。
本開示の減粘剤組成物における界面活性剤の含有量は、一又は複数の実施形態において、1重量%以上、5重量%以上、若しくは10重量%以上であり、又は50重量%以下、45重量%以下若しくは40重量%以下である。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、水を含んでいてもよい。水としては、一又は複数の実施形態において、イオン交換水、RO水、蒸留水、純水、及び超純水等が挙げられる。本開示の減粘剤組成物における水の含有量は、一又は複数の実施形態において、5重量%以上、10重量%以上、若しくは15重量%以上であり、又は95重量%以下、90重量%以下若しくは85重量%以下である。
本開示の減粘剤組成物は、ラジカル捕捉剤と有機溶剤及び/又は界面活性剤とを含む一液製剤である場合、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤を1重量部〜85重量部含み、ラジカル捕捉剤1重量部に対して有機溶剤及び/又界面活性剤を0.1重量部以上含み、残部は水であってもよいし、該有機溶剤であってもよい。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、クラフトパルプ等の化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の粘度を減少させるために使用するのであれば、その添加箇所は特に制限されない。本開示の減粘剤組成物の添加箇所としては、特に限定されない一又は複数の実施形態において、黒液濃縮後の流動性向上効果を十分に得ることができる点から、黒液の固形分濃度が70重量%以下である箇所が挙げられ、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制できる点からは、一又は複数の実施形態において、黒液の固形分濃度が50重量%以下である箇所が好ましく、より好ましくは30重量%以下である箇所であり、さらにより好ましくは20重量%以下である箇所である。具体的な添加箇所としては、一又は複数の実施形態において、濃縮処理よりも上流側の黒液のストックタンク(希黒液ストックタンク)(例えば、図1のフロー図のストックタンク22)、又はエバポレーター(例えば、図1のフロー図のエバポレーター23)の流入口若しくは中間タンク等が挙げられる。また、本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程の上流側の化学パルプ製造工程で、排出された黒液が洗浄される黒液洗浄塔(例えば、図1のフロー図の黒液洗浄塔17)、洗浄塔で洗浄された黒液のスクリーン処理を行うスクリーン(例えば、図1のフロー図のスクリーン18)、及びスクリーン処理された黒液の洗浄濃縮を行うデッカー(例えば、図1のフロー図のデッカー19)の少なくとも一箇所において添加してもよい。
また、本開示の減粘剤組成物の添加箇所は、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程の上流側の工程(例えば、蒸解工程)の前又は後であってもよい。黒液濃縮工程の上流側の工程としては、一又は複数の実施形態において、化学パルプ製造工程、白液タンク又は白液調製工程等が挙げられる。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、クラフトパルプ等の化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の流動性を向上させるための流動性向上剤としても利用できる。したがって、本開示は、その他の態様において、クラフトパルプ等の化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の流動性を向上させるための流動性向上剤であって、ラジカル捕捉剤を含有する流動性向上剤に関する。
本開示の減粘剤組成物は、一又は複数の実施形態において、クラフトパルプ等の化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程に使用するための黒液濃縮助剤としても利用できる。したがって、本開示は、その他の態様において、クラフトパルプ等の化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程に使用するための黒液濃縮助剤であって、ラジカル捕捉剤を含有する黒液濃縮助剤に関する。
[黒液濃縮方法]
本開示は、一態様において、クラフトパルプ等の化学パルプ製造工程における黒液を濃縮する方法(本開示の黒液濃縮方法)に関する。本開示の黒液濃縮方法は、化学パルプ製造工程における黒液を、ラジカル捕捉剤の存在下で濃縮することを含む。ラジカル捕捉剤としては、上述の通りであり、本開示の減粘剤組成物を使用してもよい。
本開示の黒液濃縮方法によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮に伴う黒液の流動性の低下を抑制することができる。本開示の黒液濃縮方法によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮に伴う黒液の粘性の増加を抑制することができる。本開示の黒液濃縮方法によれば、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮液の流動性を向上させることができる。本開示の黒液濃縮方法によれば、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮液の粘性を低下させることができる。本開示の黒液濃縮方法によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮時の黒液の固形分濃度を高めることができ、さらには黒液の濃縮効率を好ましくは向上できる。本開示の黒液濃縮方法によれば、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮に伴う処理能力を向上できる。本開示の黒液濃縮方法によれば、一又は複数の実施形態において、濃縮した黒液の燃焼効率を向上することができる。
本開示の黒液濃縮方法は、一又は複数の実施形態において、化学パルプ製造工程で生じた黒液に、ラジカル捕捉剤を添加することを含む。本開示の黒液濃縮方法は、一又は複数の実施形態において、化学パルプ製造工程で生じた黒液に、本開示の減粘剤組成物を添加することを含む。
ラジカル捕捉剤の添加量は、一又は複数の実施形態において、黒液の固形分濃度に応じて適宜調整できる。ラジカル捕捉剤の添加濃度は、一又は複数の実施形態において、黒液の固形分に対して、0.0005重量%〜3重量%である。黒液の濃縮率をさらに向上させる点から、0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.02重量%以上、0.03重量%以上、0.04重量%以上、又は0.05重量%以上であり、同様の観点から、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下又は0.1重量%以下である。
ラジカル捕捉剤は、特に限定されない一又は複数の実施形態において、黒液濃縮後の流動性向上効果を十分に得ることができる点から、黒液の固形分濃度が70重量%以下である箇所に添加することができ、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制する点からは、一又は複数の実施形態において、黒液の固形分濃度が50重量%以下である箇所に添加することが好ましく、より好ましくは30重量%以下である箇所、さらにより好ましくは20%以下である箇所に添加する。具体的な添加箇所としては、一又は複数の実施形態において、濃縮処理よりも上流側の黒液のストックタンク(例えば、図1のフロー図のストックタンク22)、又はエバポレーター(図1のフロー図のエバポレーター23)の流入口若しくは中間タンク等が挙げられる。また、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程の上流側の化学パルプ製造工程で添加してもよい。また、ラジカル捕捉剤は、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程の上流側のクラフトパルプ製造工程で、排出された黒液が洗浄される黒液洗浄塔(例えば、図1のフロー図の黒液洗浄塔黒液洗浄塔17)、洗浄塔で洗浄された黒液のスクリーン処理を行うスクリーン(例えば、図1のフロー図のスクリーン18)、及びスクリーン処理された黒液の洗浄濃縮を行うデッカー(例えば、図1のフロー図のデッカー19)の少なくとも一箇所において添加してもよい。また、ラジカル捕捉剤は、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程の上流側の工程である蒸解工程の前又は後に添加してもよいし添加してなくてもよい。黒液濃縮工程の上流側の工程としては、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程の上流側の化学パルプ製造工程、白液タンク又は白液調製工程等が挙げられる。
本開示の黒液濃縮方法は、黒液濃縮液の流動性の低下をさらに抑制する点から、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤に加えて、アルカリ剤を黒液に添加することを含んでいてもよい。
アルカリ剤としては、一又は複数の実施形態として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は炭酸ナトリウム等が挙げられる。アルカリ剤として、一又は複数の実施形態において、白液を使用してもよい。
本開示の黒液濃縮方法は、一又は複数の実施形態において、本開示の効果を阻害しない範囲内であれば上記の薬剤に加えて、有機溶剤、界面活性剤、アマイド系ワックスや鉱物油のエマルション等の公知の黒液減粘剤、シリコーン等の消泡剤、ピッチコントロール剤、多価カルボン酸系キレート剤等のスケールコントロール剤等を添加することを含んでいてもよい。有機溶剤及び界面活性剤は、上述の通りである。
有機溶剤の添加量は、一又は複数の実施形態において、黒液の固形分濃度及びラジカル捕捉剤の濃度等に応じて適宜調整できる。有機溶剤の添加濃度は、一又は複数の実施形態において、黒液の固形分に対して、0.0005重量%〜3重量%である。黒液の濃縮率をさらに向上させる点から、0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.02重量%以上、0.03重量%以上、0.04重量%以上、又は0.05重量%以上であり、同様の観点から、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下、0.2重量%以下又は0.1重量%以下である。ラジカル捕捉剤に対する有機溶剤の配合比率(ラジカル捕捉剤:有機溶剤)は、一又は複数の実施形態において、100:1〜1:5であり、好ましくは4:1〜1:2である。
本開示の黒液濃縮方法は、一又は複数の実施形態において、濃縮後の黒液の固形分濃度が70重量%以上、75重量%以上、76重量%以上、77重量%以上、78重量%以上、79重量%以上又は80重量%以上になるまで黒液を濃縮することができる。黒液の固形分濃度は、一又は複数の実施形態において、赤外線水分計により含水量を測定することによって求めることができる。
本開示の黒液濃縮方法は、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤の減粘効果と相まって、黒液濃縮工程に伴う黒液の粘度の上昇の低減又は抑制効果をさらに向上できる点から、有機溶剤及び界面活性剤の少なくとも一方をさらに添加することを含んでいてもよい。有機溶剤及び界面活性剤は、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤と混合して添加してもよいし、ラジカル捕捉剤とは別に添加してもよく、ラジカル捕捉剤の減粘効果との相乗効果が得られる点から、ラジカル捕捉剤と混合して添加することが好ましい。
[減粘剤組成物の製造方法]
本開示は、一態様において、ラジカル捕捉剤と、有機溶剤及び界面活性剤の少なくとも一方とを含む減粘剤組成物の製造方法(本開示の製造方法)であって、ラジカル捕捉剤と、有機溶剤及び界面活性剤の少なくとも一方を混合することを含む。本開示の製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、高い濃度でラジカル捕捉剤を含有する減粘剤組成物を製造することができる。本開示の製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、黒液濃縮工程での黒液への添加に適し、かつ長期間保存安定性に優れる一液製剤の減粘剤組成物を製造することができる。本開示の製造方法によれば、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤の減粘効果と相まって、黒液濃縮工程に伴う黒液の粘度の上昇の低減又は抑制効果がさらに向上され、ラジカル捕捉剤の減粘効果との相乗効果が得られる減粘剤組成物を製造することができる。
本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、水に対する溶解性の低いラジカル捕捉剤及び油溶性のラジカル捕捉剤を含む減粘剤組成物の製造に好適に用いることができる。特に限定されない一又は複数の実施形態において、水に対する溶解性の低いラジカル捕捉剤の場合、有機溶剤及び界面活性剤と混合することにより、より高濃度のラジカル捕捉剤を含有する一液型水性製剤とすることができる。油溶性のラジカル捕捉剤の場合、有機溶剤及び界面活性剤と混合することにより、黒液中への分散性が良好な一液製剤とすることができる。
本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、ラジカル捕捉剤1重量部に対して有機溶剤及び界面活性剤の少なくとも0.1重量部以上配合することを含む。本開示の製造方法は、一又は複数の実施形態において、必要に応じて、残部として水を添加し、ラジカル捕捉剤と、有機溶剤及び界面活性剤の少なくとも一方と、水とを混合することを含んでいてもよい。
本開示は、以下の、一又は複数の実施形態に関しうる;
〔1〕 化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の粘度を減少させるための減粘剤であって、ラジカル捕捉剤を含有する、減粘剤組成物。
〔2〕 前記ラジカル捕捉剤は、窒素系ラジカル捕捉剤及び芳香族ラジカル捕捉剤の少なくとも一方である、〔1〕記載の減粘剤組成物。
〔3〕 化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程に使用するための黒液濃縮助剤であって、ラジカル捕捉剤を含有する、黒液濃縮助剤。
〔4〕 化学パルプ製造工程における黒液をラジカル捕捉剤の存在下で濃縮する黒液の濃縮方法。
〔5〕 化学パルプ製造工程で生じた黒液に、ラジカル捕捉剤を添加することを含む、〔4〕記載の黒液の濃縮方法。
以下、実施例及び比較例を用いて本開示をさらに説明する。ただし、本開示は以下の実施例に限定して解釈されない。
[実験例1]
希黒液を含水量25%にまで濃縮した黒液濃縮液の粘性を評価した。
下記表1に示す薬剤とクラフトパルプ製造工場の針葉樹クラフトパルプの黒液洗浄塔から排出された希黒液(固形分濃度18.6重量%、無機物量43.3重量%、有機物量56.8重量%)とを、15ml遠沈管に加えて混合させ、ついで105℃で水分を蒸発させて含水量を25%に調整して試料を得た。なお、各薬剤の添加濃度は、希黒液の固形分に対して0.01重量%とした。
[固形分濃度の測定]
試料の固形分濃度(含水量)は、上記試料を加熱して水分をすべて蒸発させた後の固形分の重量を測定することによって求めた。
[減粘性の評価]
減粘性の評価は、試料(濃縮後の黒液)の移動距離により評価した。移動距離は、得られた試料を、水分が蒸発しない状態(含水量が変化しない状態)で105℃に加熱した後、試料を含む遠沈管を90度に傾け、流動した黒液の距離を測定することにより求めた。黒液の移動距離は、遠沈管を垂直に立てた状態での液面を始点(図2の矢印X)とし、始点Xから、遠沈管を90度傾けたときに流動した黒液の最先端(図2の矢印Y)までの距離(図2のZ)を測定することにより得た。その結果を下記表1に示す。
表1において、移動距離を、無添加(比較例1)の移動距離を100とする相対値として表す。表1に示すように、ラジカル捕捉剤を使用した実施例1〜4は、比較例1及び2よりも移動距離が長く、黒液を濃縮することに伴う黒液濃縮液の流動性の低下(粘度の上昇)を抑制できた。
[実験例2]
実施例5として、DEHAを添加した濃縮黒液(固形分濃度80重量%)における動粘度の測定を行った。
100mlビーカーに、DEHAと、クラフトパルプ製造工場の針葉樹クラフトパルプの黒液洗浄搭から排出された希黒液(固形分濃度17.9重量%、無機物量34.3重量%、有機物量65.7重量%)とを加えて混合させた後、電熱線ヒータにより加熱し水分を蒸発させることにより、試料を調製した。ある程度水分が蒸発したら(含水量約18〜20%程度)、各サンプルの含水量を赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製 FD−230)を用いて105℃で重量変動率が0.10%で2.5分一定となったときの水分量を%で測定し、必要に応じて加水等を行うことにより含水量20%に調整し測定試料とした。なお、DEHAは、対固形分濃度0.01重量%となるように添加した。
[動粘度の測定]
粘度は、レオメーターを用いて下記の測定条件で実施した。測定試料を1g量りとり、90℃下にて0.1〜100rpmの動粘度測定をおこなった。その結果を図3に示す。
<測定条件>
レオメーター装置:Rheosol−G5000NTWD(株式会社ユービーエム製)
治具:コーンプレート型(コーン角度:2度、プレート径:φ40mm)
測定温度:90℃
比較例3として、DEHAに替えてジエタノールアミンを使用した以外は、同様に行った。また、含水量25%及び20%(固形分濃度75重量%及び80重量%)の無添加サンプル(ブランク)においても同様に行った。これらの結果を図3に示す。
図3に示すように、DEHAを添加した濃縮黒液(黒液固形分濃度80重量%、実施例5)のせん断速度0.1rpmでの粘度は、100Pa・s程度であり、ジエタノールアミンを添加した比較例3及びブランク(黒液固形分濃度80重量%)の粘度の1/3程度にまで低減できた。また、その粘度は、固形分濃度が75重量%のブランクの粘度と同程度であった。
[実験例3]
希黒液を含水量20%にまで濃縮した黒液濃縮液の粘性を評価した。
100mlビーカーに、下記表2に示す濃度の4−Hydroxy−TEMPO又はDEHAと、実験例2で用いたクラフトパルプ製造工場の広葉樹クラフトパルプの黒液洗浄塔から排出された希黒液とを混合させ、ついで電熱線ヒータを用いて撹拌しながら試料を沸騰させて水分を蒸発させた。その後、各サンプルの含水量を、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製 FD−230)を用いて測定した。必要に応じて加水等を行うことにより含水量を20%に統一させた各試料を、15ml遠沈管に2gずつ量りとり、水分が蒸発しない状態(含水量が変化しない状態)で105℃に加熱した後、遠沈管を90度に傾け流動した黒液の距離を測定した。
表2において、移動距離を、無添加(比較例3)の移動距離を100とする相対値として表す。表2に示すように、4−Hydroxy−TEMPO又はDEHAを添加した実施例6は、いずれの濃度においても、無添加(比較例3)の移動距離よりも長く、黒液固形分濃度を80重量%にまで濃縮させた場合であっても、黒液を濃縮することに伴う濃縮黒液の流動性の低下(粘度の上昇)を抑制できた。また、薬剤の添加濃度が0.001重量%と低濃度であっても、無添加の比較例3と比べて移動距離が長く、流動性の低下を抑制できた。さらには、添加濃度を0.01重量%以上とすることで、無添加の比較例と比べて、流動性の低下を大幅に抑制することができた。
[実験例4]
ラジカル捕捉剤と有機溶剤との合計の含有量が30重量%となるように水と混合して減粘剤組成物を調製した。この減粘剤組成物を薬剤とし、ラジカル捕捉剤と有機溶剤との添加濃度が、それぞれ黒液の対固形分濃度が0.01重量%(対固形分濃度)となるように黒液に添加した以外は、実験例3と同様に黒液濃縮液の粘性を評価した(実施例7)。なお、ラジカル捕捉剤として、4−Hydroxy−TEMPO又はDEHAを使用した。有機溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル又はジエチレングリコールモノブチルエーテルを使用した。
コントロールとして、4−Hydroxy−TEMPO単独、DEHA単独又は有機溶剤単独を用いて同様の評価を行った。
その結果、ラジカル捕捉剤と有機溶剤とを併用することにより、濃縮黒液の流動性の低下(粘度の上昇)の抑制効果が確認された。ラジカル捕捉剤と有機溶剤との併用した実施例7では、ラジカル捕捉剤単独のコントロールと比較して、黒液へのラジカル捕捉剤の添加濃度が少なかったにも関わらず、ラジカル捕捉剤単独のコントロールと同等の抑制効果を示した。
有機溶剤単独使用の場合も、ある程度の濃縮黒液の流動性の低下(粘度の上昇)の抑制効果は確認されたものの、ラジカル捕捉剤と有機溶剤とを併用することにより得られる濃縮黒液の流動性の低下(粘度の上昇)の抑制効果は、ラジカル捕捉剤及び有機溶剤をそれぞれ単独で使用した場合に得られる抑制効果を相加したものを超える効果であって、明らかな相乗効果であるといえる。

Claims (5)

  1. 化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程における黒液の粘度を減少させるための減粘剤組成物であって、ラジカル捕捉剤を含有する、減粘剤組成物。
  2. 前記ラジカル捕捉剤は、窒素系ラジカル捕捉剤及び芳香族ラジカル捕捉剤の少なくとも一方である、請求項1記載の減粘剤組成物。
  3. 化学パルプ製造工程の黒液濃縮工程に使用するための黒液濃縮助剤であって、ラジカル捕捉剤を含有する、黒液濃縮助剤。
  4. 化学パルプ製造工程における黒液をラジカル捕捉剤の存在下で濃縮する黒液の濃縮方法。
  5. 前記化学パルプ製造工程で生じた黒液に、ラジカル捕捉剤を添加することを含む、請求項4記載の黒液の濃縮方法。
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