JP2019010874A - 積層体 - Google Patents
積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019010874A JP2019010874A JP2018124133A JP2018124133A JP2019010874A JP 2019010874 A JP2019010874 A JP 2019010874A JP 2018124133 A JP2018124133 A JP 2018124133A JP 2018124133 A JP2018124133 A JP 2018124133A JP 2019010874 A JP2019010874 A JP 2019010874A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- laminate
- polyphenylene sulfide
- biaxially oriented
- sulfide film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体の密着性と破断伸度を両立し、加工性に優れた、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体を提供する。【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体であって、以下を満たすことを特徴とする積層体。(1)DSC(示差走査熱量測定)で測定した際に、吸熱ピーク温度(Ta)が100℃未満に観測されること。(2)180°の剥離試験によるフィルム間の剥離強度が3.8N/cm以上であること。(3)破断伸度が100%以上150%以下であること。(4)耐もみ性評価にて剥離までに要するもみ回数が、70回以上であること。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体に関する。
従来から、ポリフェニレンサルファイドフィルムは、電気絶縁性に優れるため、その性質を利用して、ポリフェニレンサルファイドフィルムをポリエステルフィルムの両面に設けられた積層体が電気絶縁材料に用いられている。電気絶縁材料に加工される際、例えば、冷媒圧縮機のモーター絶縁に用いられる場合、積層体を打ち抜き、折り曲げ、モーター周辺部へ挿入するという工程を有しており、その加工工程において、積層体の破損がないことが求められている。(例えば、特許文献1、特許文献2)
しかしながら、従来の積層体においては、積層体の靭性や、層間密着性が十分ではなく、絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性、挿入性といった加工を施す際に、その加工条件によっては、積層体に割れが生じたり、積層体の層間で剥離が生じる問題があり、電気絶縁性に欠陥が生じていた。
本発明は、上記課題を解決するために本発明は以下の構成を採用するものである。
[I]ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体であって、以下を満たすことを特徴とする積層体。
(1)DSC(示差走査熱量測定)で測定した際に、吸熱ピーク温度(Ta)が100℃未満に観測されること。
(2)180°の剥離試験によるフィルム間の剥離強度が3.8N/cm以上であること。
(3)破断伸度が100%以上150%以下であること。
(4)耐もみ性評価にて剥離までに要するもみ回数が、70回以上であること。
[II]前記ポリエステルフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムは接着剤を介してなることを特徴とする[I]に記載の積層体。
[III]前記接着剤を介してなるポリエステルフィルムの表面粗さ(RaL)とポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さ(RaT)が、以下を満たすことを特徴とする[I]または[II]に記載の積層体。
(4)20nm≦RaL≦110nm
(5)50nm≦RaT≦110nm
[I]ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体であって、以下を満たすことを特徴とする積層体。
(1)DSC(示差走査熱量測定)で測定した際に、吸熱ピーク温度(Ta)が100℃未満に観測されること。
(2)180°の剥離試験によるフィルム間の剥離強度が3.8N/cm以上であること。
(3)破断伸度が100%以上150%以下であること。
(4)耐もみ性評価にて剥離までに要するもみ回数が、70回以上であること。
[II]前記ポリエステルフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムは接着剤を介してなることを特徴とする[I]に記載の積層体。
[III]前記接着剤を介してなるポリエステルフィルムの表面粗さ(RaL)とポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さ(RaT)が、以下を満たすことを特徴とする[I]または[II]に記載の積層体。
(4)20nm≦RaL≦110nm
(5)50nm≦RaT≦110nm
本発明によれば、積層体構成の層間密着性の向上と、積層体の靭性の向上により、モーターの絶縁材料としての、耐剥離性、耐割れ性に優れ、打ち抜き性、折り曲げ性、といった加工において優れた積層体を得ることができる。
本発明で用いるポリエステルフィルムとは、エチレンテレフタレート構成からなるエステル結合を主鎖の主要な結合鎖とするポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分として成るフィルムのことである。前記ポリエステルフィルムを構成する樹脂はエチレンテレフタレート構成成分が80モル%以上含まれていることが品質、経済性などを総合的に判断すると好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲で、例えばエチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチレンーα,βービス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等の構成成分が20モル%以下の範囲で共重合されていてもよい。
ポリエステルフィルムの25℃における極限粘度は、0.65以上であることが好ましく、0.65未満であると、積層体とした場合の耐熱性を損なう場合がある。
さらに、本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム中に含有する環状三量体量が、0.01重量%以上、1.2重量%以下であることが好ましい。1.2重量%を越える場合は、オリゴマ成分の析出が顕著になり、部分剥離を起こし易くなり、層間密着性が低下する傾向にある。また、後述するポリエステルフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムを接着剤で貼り合わせた際も、その接着剤層に析出し、同様に部分剥離を起こしやすくなる傾向になる。また、環状三量体量は、好ましくは、0.01重量%以上、1.1重量%以下である。
さらに、本発明のポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム中に含有する環状三量体量が、0.01重量%以上、1.2重量%以下であることが好ましい。1.2重量%を越える場合は、オリゴマ成分の析出が顕著になり、部分剥離を起こし易くなり、層間密着性が低下する傾向にある。また、後述するポリエステルフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムを接着剤で貼り合わせた際も、その接着剤層に析出し、同様に部分剥離を起こしやすくなる傾向になる。また、環状三量体量は、好ましくは、0.01重量%以上、1.1重量%以下である。
本発明の積層体に用いられるポリフェニレンサルファイドフィルムは、例えば、パラフェニレンサルファイド単位を、90モル%以上含有する樹脂を主成分として成るフィルムのことであり、パラフェニレンサルファイド単位の含有量は好ましくは95モル%以上、更には97%以上であることが、耐熱性や耐冷媒・耐オイル性の観点で好ましい。パラフェニレンサルファイド以外の構成成分としては、フェニレンサルファイド成分を含有する構成が好ましく、例えば、メタフェニレンサルファイド単位、ビフェニレンサルファイド単位、ビフェニレンエーテルサルファイド単位、フェニレンスルホンサルファイド単位、フェニレンカルボニルサルファイド単位や分子中に分岐鎖を導入するために、例えば1,2,4−トリクロロベンゼンを用いることで、3官能化した成分を導入することなどが挙げられる。
なお、本件の積層体に用いられるポリフェニレンサルファイドフィルムの破断伸度は、100%以上であることが好ましい。ポリフェニレンサルファイドフィルムの破断伸度が100%未満の場合、積層体とした後の加工の際に、割れ等の不良が発生する場合がある。
本発明のポリエステルフィルムやポリフェニレンサルファイドフィルムを構成する樹脂中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤、架橋剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムやポリフェニレンサルファイドフィルムは二軸配向フィルムであることが機械強度の向上、熱安定性の向上、耐薬品性の向上、電気特性の向上など、フィルムの機能として必要な主要特性が発現されるため好ましい。ここで言う「二軸配向」とは、広角X線回折で二軸配向パターンを示すものをいう。二軸配向ポリエステルフィルムは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートをシート長手方向および幅方向に各々2.5〜5.0倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了させることにより得ることができる。なお、長手方向と幅方向の延伸は、それぞれ個別に順次実施するいわゆる逐次二軸延伸法であっても、同時に実施する同時二軸延伸法であってもよい。
本発明の積層体は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体であり、例えば、ポリエステルフィルム/ポリフェニレンサルファイドフィルムの2層構成、ポリフェニレンサルファイドフィルム/ポリエステルフィルム/ポリフェニレンサルファイドフィルムの3層構成、ポリフェニレンサルファイドフィルムとポリエステルフィルムの間に、本発明の目的を阻害しない範囲でその他のフィルムを積層させる構成としてもよい。
本発明の積層体は、DSC(示差走査熱量測定)で測定した際に、吸熱ピーク温度(Ta)が100℃未満に観測されることが重要である。吸熱ピーク温度(Ta)が100℃未満だと、積層体を作製する際の受熱による積層体の耐熱性の低下や、平面性の悪化を抑制することができ、積層体がモーター絶縁材料として使用される際に、十分な耐熱性を発揮でき、かつ、平面性が安定することで、モーターのコアへ積層体を挿入する際に挿入性が良好となる。吸熱ピーク温度(Ta)が100℃以上の場合、積層体を作製する際の受熱により、積層体の耐熱性が低下したり、平面性が悪化することで、層間はく離が発生し、折り曲げ性が低下したり、積層体が波打ち、モーターのコアへ積層体を挿入する際に、引っ掛かりが生じる等、挿入性が悪化する場合がある。積層体の吸熱ピーク温度(Ta)を100℃未満とする達成手段としては、後述するポリエステルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルムを積層する際(乾燥温度)の加熱条件によって達成することができる。吸熱ピーク温度(Ta)の下限温度は限定されるものではないが、乾燥温度の生産性の観点から60℃以上とすることが好ましい。
本発明の積層体は、180°の剥離試験によるフィルムの剥離強度が3.8N/cm以上であることが必要である。フィルムの剥離強度が3.8N/cm以上であると、積層体の層間密着性が高く、絶縁部材として、折り曲げ性、挿入性といった加工を施す際に、積層体構成の界面で層間剥離が生じにくくなる。剥離強度が3.8N/cm未満であると、積層体の層間密着性が低く、絶縁部材として、折り曲げ性、挿入性といった加工を施す際に、打ち抜き時の加工刃によるせん断力や、折り曲げ部への負荷、挿入時の摩擦等により、積層体構成の界面で層間剥離が生じる場合がある。この剥離強度を満足するためには、フィルムの表面粗さと吸熱ピーク温度(Ta)を調整することによって達ししやすくなる。なお、フィルムの表面粗さは後述するが、接着剤との接着面積を広くなるため接着性が向上しやすくなる。
本発明の積層体は、破断伸度が100%以上、150%以下であることが必要である。破断伸度が100%以上であると、積層体の靭性が高いため、絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性、挿入性といった加工時の耐割れ性を向上することができる。また、破断伸度の上限が150%以下であることは、本発明の目的からは上限は定められるものではないが、150%以下とすることで、打ち抜き加工時の端面のバリの発生を抑制することができる。積層体の破断伸度が100%未満の場合、積層体の靭性が低く、モーターの絶縁部材として、打ち抜き性、折り曲げ性、挿入性といった加工を施される際に、その加工条件によっては、積層体の靭性が不足することにより、加工後の積層体に割れが生じる場合があり、積層体の破断伸度が150%を超える場合、モーターの絶縁部材として、打ち抜き加工を施す際に、その加工条件によっては、打ち抜き端面にバリが発生する等の不良が生じる場合がある。破断伸度を満足するためには、ポリフェニレンサルファイドフィルムの製造条件において縦延伸倍率を調整することがあげられる。
本発明の積層体は、耐もみ性評価にて剥離までに要するもみ回数が70回以上であることが必要である。耐もみ性評価にて剥離までに要するもみ回数が70回以上であると、積層体構成の界面で層間剥離の発生を抑制することができる。積層体の耐もみ性評価にて剥離までに要するもみ回数が70回未満の場合、モーターの絶縁部材として、打ち抜き性、折り曲げ性、挿入性といった加工を施される際に、その加工条件によっては、積層体構成の界面で層間剥離が生じる場合がある。耐もみ回数を70回以上とするためには、フィルムの層間密着性が高いこと、ポリフェニレンサルファイドフィルムの破断伸度を100%以上とすることが求められる。
本発明の積層体は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ポリフェニレンサルファイドフィルムを接着剤を介して積層体とすることが好ましい態様である。接着剤を介することで、容易に積層体とすることが可能となるからである。
本発明の積層体を構成する接着剤層の組成は特に限定されないが、無溶剤系、溶剤系とも用い得るが、接着剤の耐熱性や接着剤を積層する作業性から考えて、硬化型の溶剤系接着剤が好ましく、一例として、ポリウレタン系の接着剤について述べる。通常市販されているポリウレタン系の接着剤を用いてもよいが、耐熱性の点からあらかじめイソシアネート(好ましくは芳香族イソシアネート)とポリプロピレングリコールやポリエステルなどとを反応させたイソシアネートのプレポリマを作成し、該プレポリマとポリプロピレングリコール、ポリエステル、ポリオールなどとからなるポリウレタン系の接着剤が好ましい。該プレポリマとポリプロピレングリコール、ポリエステル、ポリオールなどは、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶媒中に均一混合され接着剤溶液となる。また該接着剤に難燃剤などの無機または有機添加剤を接着性を損なわない程度に添加することはさしつかえない。接着剤層の厚みは、加工特性の観点から、1〜30μmが好ましい。
該積層体を構成する各層の厚みは、ポリエステルフィルムの厚みをBμm、少なくとも片面に積層するポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みをAμm、もう一方の面のポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みをA′μmとした場合、−1.7≦log((A+A′)/B)≦0.56の関係を満たすことが好ましい。log((A+A′)/B)が、−1.7未満では、耐熱性が低下し、逆に0.56を越えると耐衝撃性が低下する傾向にある。また、積層体の全体の厚みは、50〜700μmの範囲が好ましく、ポリエステルフィルムの厚みBは、38〜500μmであることが好ましく、さらに好ましくは、50〜350μmであることが好ましい。ポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みAおよびA′は、9〜120μmであることが好ましく、さらに好ましくは15〜100μmである。
本発明の積層体は、前期接着剤を介してなるポリエステルフィルムの表面粗さ(RaL)とポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さ(RaT)が、20nm≦RaL≦110nm、50nm≦RaT≦110nmの関係を満たすことが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムの表面粗さ(RaL)が、20nm≦RaL≦110nmであると、ポリエステルフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムの接着性や、ポリエステルフィルムの製造工程における搬送性、巻取り性が良好となる。ポリエステルフィルムの表面粗さ(RaL)が20nm未満だと、フィルムの接着面積が低く、積層体として用いた際に、ポリエステルフィルムとの接着性が悪化し、剥がれ等が生じる場合がある。ポリエステルフィルムの表面粗さ(RaL)が110nmを超えると、フィルムの接着面積は高くなるが、表面が粗れるため、フィルムの製造工程における搬送、巻取り性悪化する場合がある。
本発明のポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さ(RaT)が、50nm≦RaT≦110nmであると、接着剤を介したポリエステルフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムの接着性、ポリフェニレンサルファイドフィルムの製造工程における搬送性、巻取り性が良好となる。ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さ(RaT)が、50nm未満だと、積層体として用いた際に、ポリエステルフィルムとの接着性が悪化し、剥がれ等が生じる場合がある。ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さ(RaT)が、110nmを超えると、フィルムの巻取り等において、搬送性が悪化する場合がある。
次に、本発明のポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエステルフィルムを製造する方法について、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルム、二軸配向ポリエステルフィルムの製造を例にとって説明するが、本発明は、下記の記載に限定されない。
[二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの製造方法]
180℃で3時間以上真空乾燥したポリフェニレンサルファイドのペレットを、溶融部を300〜350℃の温度、好ましくは320〜340℃に加熱された押出機に投入する。その後、押出機を経た溶融ポリマーをフィルター内に通過させ、その溶融ポリマをTダイの口金を用いてシート状に吐出する。このフィルター部分や口金の設定温度は、押出機の溶融部の温度より3〜20℃高い温度にすることが好ましく、より好ましくは5〜15℃高い温度にする。このシート状物を表面温度20〜70℃の冷却ドラム上に密着させて冷却固化し、実質的に無配向状態の未延伸フィルムを得る。
180℃で3時間以上真空乾燥したポリフェニレンサルファイドのペレットを、溶融部を300〜350℃の温度、好ましくは320〜340℃に加熱された押出機に投入する。その後、押出機を経た溶融ポリマーをフィルター内に通過させ、その溶融ポリマをTダイの口金を用いてシート状に吐出する。このフィルター部分や口金の設定温度は、押出機の溶融部の温度より3〜20℃高い温度にすることが好ましく、より好ましくは5〜15℃高い温度にする。このシート状物を表面温度20〜70℃の冷却ドラム上に密着させて冷却固化し、実質的に無配向状態の未延伸フィルムを得る。
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向させる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法(長手方向に延伸した後に幅方向に延伸を行う方法などの一方向ずつの延伸を組み合わせた延伸法)、同時二軸延伸法(長手方向と幅方向を同時に延伸する方法)、又はそれらを組み合わせた方法を用いることができる。
ここでは、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法を用いる。未延伸ポリフェニレンサルファイドフィルムを加熱ロール群で加熱し、延伸倍率は電気特性向上させる観点から長手方向(MD方向)に3〜4倍、好ましくは3.1〜3.4倍、さらに好ましくは、3.2〜3.3倍に1段もしくは2段以上の多段で延伸する(MD延伸)。縦延伸倍率が4倍を超えると、製膜性の悪化や、破断伸度が低下する場合があり、縦延伸倍率が3倍未満だと、フィルムの平面性が悪化するなど、好ましくない場合がある。延伸温度は、Tg(ポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度)〜(Tg+40)℃、好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。ポリフェニレンサルファイドの場合、延伸温度は、95℃〜135℃であり、より好ましくは、100℃〜125℃である。その後20〜50℃の冷却ロール群で冷却する。
MD延伸に続く幅方向(TD方向)の延伸方法としては、例えば、テンターを用いる方法が一般的である。このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、幅方向の延伸を行う(TD延伸)。延伸温度はTg(ポリアリーレンスルフィドのガラス転移温度)〜(Tg+40)℃が好ましく、より好ましくは(Tg+5)〜(Tg+30)℃の範囲である。ポリフェニレンサルファイドの場合、95℃〜135℃であり、より好ましくは、100℃〜125℃である。延伸倍率は破断伸度を向上させる観点から3〜4倍、好ましくは3.1〜3.6倍、さらに好ましくは3.2〜3.5倍の範囲である。また、面積倍率(MD方向の倍率とTD方向の倍率の積としては、9倍以上、13倍以下が好ましく、9.6倍以上、12倍以下がより好ましい。面積倍率が13倍を越えるような延伸の場合は、破断伸度が低下するなど好ましくない場合がある。また、面積延伸倍率が9倍未満の場合、平面性が悪化する場合がある。
次に、この延伸フィルムを緊張下で熱固定する。二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの破断伸度向上のために低倍率延伸を行うと、フィルムの平面性が悪化する場合があるため、好ましい熱処理は多段熱固定である。この多段熱固定を行うことで、破断伸度の向上と平面性を維持しやすくなる。平面性が低下すると、剥離強度、耐もみ回数が低下する傾向にある。この場合、1段目の熱固定温度は160〜220℃、好ましくは180〜220℃であり、二軸配向ポリフェニレンスルフィドの厚みが50μm未満の場合、処理時間は1〜15秒が好ましく、より好ましくは1〜8秒である。また、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みが50μm以上の場合においても、1段目の熱固定の処理時間は、1〜15秒が好ましく、より好ましくは1〜8秒である。続いて行う後段の熱固定の最高温度は250〜280℃、好ましくは、260〜280℃である。さらにこのフィルムを250〜280℃、より好ましく260〜280℃で幅方向に弛緩処理する。弛緩率は、0.1〜8%であることが好ましく、より好ましくは2〜5%の範囲である。250℃以上の後段の熱固定工程および弛緩処理工程の合計時間は、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みが50μm未満の場合、1〜15秒が好ましく、さらに好ましくは2〜10秒である。また、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みが50μm以上の場合、250℃以上の後段の熱固定工程および弛緩処理工程の合計時間は、1〜30秒が好ましく、より好ましくは5〜20秒である。
1段目熱固定における熱量が、上記条件よりも不足する場合、微結晶の結晶化が促進されず、フィルムの平面性悪化につながる場合があり、1段目熱固定における熱量が上記条件よりも過多になる場合も、結晶化が急激に促進され、フィルムの平面性悪化につながる場合がある。
さらに、フィルムを室温まで、必要ならば、長手および幅方向に弛緩処理を施しながら、フィルムを冷やして巻き取り、目的とする二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを得る。
[二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法]
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを製造する方法について、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造を例にとって説明するが、本発明は、下記の記載に限定されないことは勿論である。
次に、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを製造する方法について、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造を例にとって説明するが、本発明は、下記の記載に限定されないことは勿論である。
本発明に用いる二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする樹脂組成物を押出機にて溶融し、口金から定量的に金属ドラムの上にキャスティングし、急速冷却することによって未延伸状態のフィルムを得る。
この未延伸状フィルムをロール加熱、必要に応じて赤外線加熱等でポリマーのガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、長手方向(以降、縦方向と呼ぶ)に延伸して縦延伸フィルムを得る。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うことが一般的である。縦延伸の倍率は好ましくは2〜6倍、より好ましくは3〜4倍である。2倍未満とすると強度が低くなる場合があり、6倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる場合がある。縦延伸後のフィルムは、続いて、縦方向と直交する方向(以後、幅方向)に延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸配向フィルムとするが、これら処理はフィルムを走行させながら行う。このとき、幅方向の延伸(横延伸)のための予熱および延伸温度はポリマーのガラス転移温度(Tg)以上で行うのが好ましい。横延伸の倍率は好ましくは2.5〜6倍、より好ましくは3〜4倍である。2.5倍未満であると強度が低くなる場合がある。6倍を超えると製膜中に破断が発生し易くなる場合がある。得られた二軸延伸積層フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて180〜230℃の温度で1〜60秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、ロールに巻き取る。
[積層体の製造方法]
次に、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向ポリエステルフィルムとを、接着剤を介して積層する。積層に先立って、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの片面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライヤーコート処理などの単独または組み合わせた表面処理を行うことが好ましい。従来ではプラズマ処理を施したのちに加熱によりラミネートする方法が知られているが、高温、例えば、100℃を超える温度でラミネートをしなければならず、この方法では、本発明の積層体の吸熱ピーク温度(Ta)を満たすことができない。さらには、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの片面処理に加え、二軸配向ポリエステルフィルムの両面にも、それぞれコロナ放電処理、プラズマ処理、プライヤーコート処理などの単独または組み合わせた表面処理を行うのがより好ましい。
次に、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向ポリエステルフィルムとを、接着剤を介して積層する。積層に先立って、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの片面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、プライヤーコート処理などの単独または組み合わせた表面処理を行うことが好ましい。従来ではプラズマ処理を施したのちに加熱によりラミネートする方法が知られているが、高温、例えば、100℃を超える温度でラミネートをしなければならず、この方法では、本発明の積層体の吸熱ピーク温度(Ta)を満たすことができない。さらには、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの片面処理に加え、二軸配向ポリエステルフィルムの両面にも、それぞれコロナ放電処理、プラズマ処理、プライヤーコート処理などの単独または組み合わせた表面処理を行うのがより好ましい。
積層する方法としては、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの片面に接着剤を塗布し、乾燥した後加熱ロールまたは加熱プレスで二軸配向ポリエステルフィルム(または二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルム)を貼り合わせる。次に、二軸配向ポリエステルフィルムのもう一方の面に二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを貼り合わせる場合は、上記と同様に、もう一方の層として用いられる二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムに接着剤を塗布し、乾燥した後、加熱ロールまたは加熱プレスで、上記の二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムと二軸配向ポリエステルフィルムの積層体を、二軸配向ポリエステルフィルムが芯になるようにして貼り合わせる方法が最も一般的である。また塗布の方法としては、グラビアロール法、リバースロールコータ法等を使用できる。塗布後の溶剤の乾燥条件は、用いる溶剤の種類により異なり、通常は溶剤の種類によって異なり、通常は溶剤の沸点付近の温度で残存溶剤が完全になくなり、かつ、接着剤の硬化が促進しない条件が選ばれるが、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの配向緩和、結晶化といった、物性変化を抑制するために、乾燥温度は60℃以上90℃以下で乾燥される接着剤を選定することが望ましい。この温度を超えると接着剤が劣化しやすくなり、剥離強度や耐もみ回数を満たしにくくなる。なお、積層体の示差走査熱量(DSC)測定を行うと、乾燥温度近傍に微小な吸熱ピーク温度(Ta)が観測される。また、貼り合わせの条件は、温度50〜150℃、線圧1〜50kg/cmの範囲で行うのがよい。
また、積層体にモーターのスロットライナーやウェッジとして、打ち抜き性、折り曲げ性、挿入性といった加工を施す場合、積層体の伸度は100%以上、150%以下であることが望ましく、積層体の伸度が100%未満だと、加工の際に割れ等の不良が発生する可能性があり、積層体の伸度が150%を超えると打ち抜き、断裁等の加工の際に、不良が生じる可能性がある。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
[測定方法]
(1)三次元表面粗さ(単位:nm)
積層体の外層に用いたポリフェニレンサルファイドフィルムを剥離させ、ポリフェニレンサルファイドフィルムとポリエステルフィルムを分離し、残存した接着剤は溶剤を用いて除去することで、測定用試料を調整した。
三次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、ポリフェニレンサルファイドフィルムの算術平均粗さを(RaT)、ポリエステルフィルムの算術平均粗さを(RaL)とし、算術平均粗さは、粗さ曲面と粗さ曲面の中心面との高さ方向の差をとりその絶対値の平均値を表したものである。
針径 2(μmR)
針圧 10(mg)
測定長 500(μm)
縦倍率 20000(倍)
CUT OFF 250(μm)
測定速度 100(μm/s)
測定間隔 5 (μm)
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±6.25(nm)
基準面積 0.1(mm2)。
[測定方法]
(1)三次元表面粗さ(単位:nm)
積層体の外層に用いたポリフェニレンサルファイドフィルムを剥離させ、ポリフェニレンサルファイドフィルムとポリエステルフィルムを分離し、残存した接着剤は溶剤を用いて除去することで、測定用試料を調整した。
三次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET4000AK)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。なお、ポリフェニレンサルファイドフィルムの算術平均粗さを(RaT)、ポリエステルフィルムの算術平均粗さを(RaL)とし、算術平均粗さは、粗さ曲面と粗さ曲面の中心面との高さ方向の差をとりその絶対値の平均値を表したものである。
針径 2(μmR)
針圧 10(mg)
測定長 500(μm)
縦倍率 20000(倍)
CUT OFF 250(μm)
測定速度 100(μm/s)
測定間隔 5 (μm)
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±6.25(nm)
基準面積 0.1(mm2)。
(2)吸熱ピーク温度(Ta)(単位:℃)
示差走査熱量計(TA Instruments社製DSC Q100)を用いて、20℃/分の昇温速度にて、30℃〜300℃の範囲で測定を実施した。この測定により得られた示差走査熱量測定チャートにおいて最も低温側に現れる結晶融解ピーク温度をTa(℃)とした。なお、Taは積層体に対する熱処理温度の履歴として出現する。
示差走査熱量計(TA Instruments社製DSC Q100)を用いて、20℃/分の昇温速度にて、30℃〜300℃の範囲で測定を実施した。この測定により得られた示差走査熱量測定チャートにおいて最も低温側に現れる結晶融解ピーク温度をTa(℃)とした。なお、Taは積層体に対する熱処理温度の履歴として出現する。
(3)破断伸度(単位:%)
JIS−C2151に基づいて、サンプルをMDおよびTDに沿って1cm×20cmの大きさにそれぞれ切り出し、チャック間10cm、引っ張り速度200mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。測定は、各方向それぞれ5サンプルずつの平均値よりMD方向、TD方向のそれぞれの破断伸度を測定し、各方向の破断伸度の平均値を積層体の破断伸度とした。
JIS−C2151に基づいて、サンプルをMDおよびTDに沿って1cm×20cmの大きさにそれぞれ切り出し、チャック間10cm、引っ張り速度200mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。測定は、各方向それぞれ5サンプルずつの平均値よりMD方向、TD方向のそれぞれの破断伸度を測定し、各方向の破断伸度の平均値を積層体の破断伸度とした。
(4)剥離強度(単位:N/cm)
長さ100mm、幅10mmの積層体の試料の一端より、外層のポリフェニレンサルファイドフィルムを適切な長さだけ剥がし、剥がされたポリフェニレンサルファイドフィルム端部と積層体端部をそれぞれ引張試験機のつかみ具に装着させ、長さ方向の端部から引張速度200mm/分の条件にて180°方向に連続的にポリフェニレンサルファイドフィルムを剥がし、剥離強度を測定し、下記基準で判定した。
○:剥離強度が、3.8N/cmを超えたもの
△:剥離強度が、3.6N/cm以上、3.8N/cm以下
×:剥離強度が、3.6N/cm未満。
長さ100mm、幅10mmの積層体の試料の一端より、外層のポリフェニレンサルファイドフィルムを適切な長さだけ剥がし、剥がされたポリフェニレンサルファイドフィルム端部と積層体端部をそれぞれ引張試験機のつかみ具に装着させ、長さ方向の端部から引張速度200mm/分の条件にて180°方向に連続的にポリフェニレンサルファイドフィルムを剥がし、剥離強度を測定し、下記基準で判定した。
○:剥離強度が、3.8N/cmを超えたもの
△:剥離強度が、3.6N/cm以上、3.8N/cm以下
×:剥離強度が、3.6N/cm未満。
(5)平面性
二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの平面性は、幅50cm、長さ1mのフィルムを、地上から高さ1m、間隔1mに配置された2本の平行棒に取り付けた。サンプルの固定は、市販の粘着テープでフィルム幅方向に貼り付けることにより行った。設置されたフィルムを、どちらか一方の平行棒の中央に立ち、フィルム直上、中央で、平行棒に平行に設置された蛍光灯で500ルクスに照らし、フィルム長手および幅方向にそれぞれ観察し、短軸が5cm以上の楕円または円形のたるみ、あるいはしわ(局所的に平面性が乱れた箇所)の有無をサンプル長手方向に50m観察し、下記基準で判定した。
○:たるみ、しわの発生個数が 0〜10個未満
△:たるみ、しわの発生個数が 10〜20個未満
×:たるみ、しわの発生個数が 20個以上。
二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの平面性は、幅50cm、長さ1mのフィルムを、地上から高さ1m、間隔1mに配置された2本の平行棒に取り付けた。サンプルの固定は、市販の粘着テープでフィルム幅方向に貼り付けることにより行った。設置されたフィルムを、どちらか一方の平行棒の中央に立ち、フィルム直上、中央で、平行棒に平行に設置された蛍光灯で500ルクスに照らし、フィルム長手および幅方向にそれぞれ観察し、短軸が5cm以上の楕円または円形のたるみ、あるいはしわ(局所的に平面性が乱れた箇所)の有無をサンプル長手方向に50m観察し、下記基準で判定した。
○:たるみ、しわの発生個数が 0〜10個未満
△:たるみ、しわの発生個数が 10〜20個未満
×:たるみ、しわの発生個数が 20個以上。
(6)もみ試験による耐もみ回数(単位:回数)
積層体から幅10mm、長さ200mmの測定用試料を積層体の長手方向が長さ方向になるように採取した。切り出した試料をスコット耐揉磨耗試験機(東洋精機製)を用いて、原長(チャック間距離)30mm、ストローク50mm、荷重2.5kgの条件にて耐もみ回数(ポリエステルフィルム内部でのへき開もしくは、ポリエステルフィルム層とポリフェニレンサルファイドフィルム層の層間での剥離が発生するまでの回数)を測定した。なお、耐もみ回数についてはそれぞれN=5で測定した平均値とした。
積層体から幅10mm、長さ200mmの測定用試料を積層体の長手方向が長さ方向になるように採取した。切り出した試料をスコット耐揉磨耗試験機(東洋精機製)を用いて、原長(チャック間距離)30mm、ストローク50mm、荷重2.5kgの条件にて耐もみ回数(ポリエステルフィルム内部でのへき開もしくは、ポリエステルフィルム層とポリフェニレンサルファイドフィルム層の層間での剥離が発生するまでの回数)を測定した。なお、耐もみ回数についてはそれぞれN=5で測定した平均値とした。
(7)打ち抜き性の評価
幅20mm、長さ90mmの打ち抜き治具を用いて、積層体の厚み方向に、ハンドプレス機を用いて打ち抜き、打ち抜いた断面を観察し、下記基準で判断した。
○:バリの発生個数が 0〜1個未満
△:バリの発生個数が 2〜3個未満
×:バリの発生個数が 3個以上。
幅20mm、長さ90mmの打ち抜き治具を用いて、積層体の厚み方向に、ハンドプレス機を用いて打ち抜き、打ち抜いた断面を観察し、下記基準で判断した。
○:バリの発生個数が 0〜1個未満
△:バリの発生個数が 2〜3個未満
×:バリの発生個数が 3個以上。
(8)折り曲げ性の評価
幅10mm、高さ30mmのコの字型の溝の上に、幅20mm、長さ90mmの試験片を設置し、試験片上部より幅9mmの圧子を10mm/minの速度で下降させ、試験片の折り曲げ性を観察し、下記基準で判断した。
○:折り曲げ部に白化、剥がれ、割れなし
△:折り曲げ部が白化
×:折り曲げ部に、剥がれ、割れが発生。
幅10mm、高さ30mmのコの字型の溝の上に、幅20mm、長さ90mmの試験片を設置し、試験片上部より幅9mmの圧子を10mm/minの速度で下降させ、試験片の折り曲げ性を観察し、下記基準で判断した。
○:折り曲げ部に白化、剥がれ、割れなし
△:折り曲げ部が白化
×:折り曲げ部に、剥がれ、割れが発生。
(実施例1)
(1)本発明に用いる二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの調製
ポリフェニレンサルファイド樹脂100重量部、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム粉末0.3重量部を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後、溶融部が320℃に加熱された押出機に供給し、Tダイの口金から溶融押出して表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。
この未延伸フィルムを、加熱された複数のロール群からなる縦延伸機を用い、予熱後、ロールの周速差を利用して、101℃のフィルム温度でフィルムの縦方向に3.15倍の倍率で延伸した。その後、このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、延伸温度101℃、延伸倍率3.50倍でフィルムの幅方向に延伸を行い、引き続いて温度200℃で4秒間熱処理(1段目熱処理)を行い、続いて260℃4秒間熱処理(2段目熱処理)を行った。引き続き、260℃の弛緩処理ゾーンで4秒間横方向に5%弛緩処理を行った後、室温まで冷却した後、フィルムエッジを除去し、厚み16μmの二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを作製した。
(1)本発明に用いる二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの調製
ポリフェニレンサルファイド樹脂100重量部、平均粒径1.2μmの炭酸カルシウム粉末0.3重量部を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後、溶融部が320℃に加熱された押出機に供給し、Tダイの口金から溶融押出して表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製した。
この未延伸フィルムを、加熱された複数のロール群からなる縦延伸機を用い、予熱後、ロールの周速差を利用して、101℃のフィルム温度でフィルムの縦方向に3.15倍の倍率で延伸した。その後、このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導き、延伸温度101℃、延伸倍率3.50倍でフィルムの幅方向に延伸を行い、引き続いて温度200℃で4秒間熱処理(1段目熱処理)を行い、続いて260℃4秒間熱処理(2段目熱処理)を行った。引き続き、260℃の弛緩処理ゾーンで4秒間横方向に5%弛緩処理を行った後、室温まで冷却した後、フィルムエッジを除去し、厚み16μmの二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを作製した。
(2)本発明に用いる二軸配向ポリエステルフィルムの調製
ジエチレンテレフタレート100重量部、エチレングリコール64重量部を混合し、さらに触媒として酢酸亜鉛を0.1重量部、および三酸化アンチモン0.03重量%を添加し、エチレングリコールの還流温度でエステル交換を行った。これに、トリメチルホスフェート0.08重量部を添加し、徐々に昇温、減圧し、273℃で6時間重合を行った。
かくして得られたポリエステルを180℃で2時間、減圧下で乾燥した後、溶融部が320℃に加熱された押出機に供給し、Tダイの口金から溶融押出して、表面温度を25℃に保った金属ドラム上にキャストし、未延伸フィルムを得た。該フィルムをロール群からなる縦延伸装置によって90℃の温度で縦方向に3.20倍延伸し、続いてフィルムをテンタに供給し、延伸温度95℃で幅方向に3.40倍延伸し、さらに同一テンタ内の後続する熱処理室で230℃、10秒間の熱処理をして、厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
ジエチレンテレフタレート100重量部、エチレングリコール64重量部を混合し、さらに触媒として酢酸亜鉛を0.1重量部、および三酸化アンチモン0.03重量%を添加し、エチレングリコールの還流温度でエステル交換を行った。これに、トリメチルホスフェート0.08重量部を添加し、徐々に昇温、減圧し、273℃で6時間重合を行った。
かくして得られたポリエステルを180℃で2時間、減圧下で乾燥した後、溶融部が320℃に加熱された押出機に供給し、Tダイの口金から溶融押出して、表面温度を25℃に保った金属ドラム上にキャストし、未延伸フィルムを得た。該フィルムをロール群からなる縦延伸装置によって90℃の温度で縦方向に3.20倍延伸し、続いてフィルムをテンタに供給し、延伸温度95℃で幅方向に3.40倍延伸し、さらに同一テンタ内の後続する熱処理室で230℃、10秒間の熱処理をして、厚み188μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
(3)接着剤の調製
市販されている下記の耐熱性ポリウレタン接着剤を用いた。東洋モートン社製“アドコート”76P1の主剤と硬化剤の混合比を主剤/硬化剤=100/8とし、酢酸エチルを溶剤として固形分濃度が32重量%になるように調製した。
市販されている下記の耐熱性ポリウレタン接着剤を用いた。東洋モートン社製“アドコート”76P1の主剤と硬化剤の混合比を主剤/硬化剤=100/8とし、酢酸エチルを溶剤として固形分濃度が32重量%になるように調製した。
(4)積層体の調製
ポリフェニレンサルファイドフィルムのコロナ処理面にグラビアロール法で先に調製した接着剤をコーティングした。溶剤の乾燥条件は80℃で3分間であり、接着剤の厚みは硬化後で7μmになるように調整した。続いて後続するロールラミネータで、線圧3kg/cmの圧力でポリエステルフィルム1と貼り合わせた。次に、もう一層のポリフェニレンサルファイドフィルムのコロナ処理面に上記の条件でコーティングし、先に得られたポリフェニレンサルファイドフィルムとポリエステルフィルムの2層体のポリエステルフィルム側に上記の条件で貼り合わせた。得られた積層体は、60℃で50時間にて硬化し、さらに150℃で10時間硬化させた。
ポリフェニレンサルファイドフィルムのコロナ処理面にグラビアロール法で先に調製した接着剤をコーティングした。溶剤の乾燥条件は80℃で3分間であり、接着剤の厚みは硬化後で7μmになるように調整した。続いて後続するロールラミネータで、線圧3kg/cmの圧力でポリエステルフィルム1と貼り合わせた。次に、もう一層のポリフェニレンサルファイドフィルムのコロナ処理面に上記の条件でコーティングし、先に得られたポリフェニレンサルファイドフィルムとポリエステルフィルムの2層体のポリエステルフィルム側に上記の条件で貼り合わせた。得られた積層体は、60℃で50時間にて硬化し、さらに150℃で10時間硬化させた。
この積層体の評価結果を表1に示す。得られた積層体の剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は良好であり、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
(実施例2〜14、比較例1〜9)
二軸配向フィルムの製膜において、押し出し量や、延伸倍率を調整し表1に記載の事項以外は実施例1と同様にして積層体を得た。この積層体の評価結果について、表1に示す。
二軸配向フィルムの製膜において、押し出し量や、延伸倍率を調整し表1に記載の事項以外は実施例1と同様にして積層体を得た。この積層体の評価結果について、表1に示す。
(評価結果のまとめ)
実施例2は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高くしたため、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さが小さくなり、破断伸度は低下したので、積層体の破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例2は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高くしたため、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さが小さくなり、破断伸度は低下したので、積層体の破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例3は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの一段目熱処理温度を高くしたため、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さが大きくなり、破断伸度は増大したので、積層体の耐もみ回数は、実施例1と比較して、やや低下しが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例4は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高くし、一段目熱処理温度を高くしたので、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さが大きくなり、積層体の破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例4は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高くし、一段目熱処理温度を高くしたので、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さが大きくなり、積層体の破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例5は、実施例2で用いた二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを用いた。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを薄く、表面粗さを小さくしたので、積層体の破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例6は、実施例2で用いた二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを用いた。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを薄く、表面粗さを大きくしたので、積層体の耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したものの、実施例5と比較すると増大し、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例7は、実施例1で用いた二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを用いた。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを厚く、表面粗さを大きくしたので、積層体の破断伸度は、実施例1と比較して、やや向上し、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例8は、実施例1で用いた二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを用いた。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを厚く、表面粗さを大きくしたので、積層体の破断伸度は、実施例1と比較して、やや向上し、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例9は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みを薄くしたが、積層体の剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は、積層体1と比較して、同等であり、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例10は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みを厚く、縦延伸倍率を高くしたので、積層体の剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は、積層体1と比較して、同等であり、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例11は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの厚みを薄く、縦延伸倍率を高くしたので、積層体の剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は、積層体1と比較して、同等であり、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例12は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さを小さくした。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを厚く、表面粗さを大きくしたので、積層体の耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したものの、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例13は、実施例3で用いた二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを用いた。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、表面粗さを小さくしたので、積層体の耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したものの、
モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例14は、積層時の乾燥温度を低くしたが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例12は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さを小さくした。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを厚く、表面粗さを大きくしたので、積層体の耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したものの、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例13は、実施例3で用いた二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムを用いた。また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、表面粗さを小さくしたので、積層体の耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下したものの、
モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
実施例14は、積層時の乾燥温度を低くしたが、モーター絶縁材料として、打ち抜き性、折り曲げ性といった加工特性に問題なかった。
比較例1は、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高くし、表面粗さを小さくしたので、実施例1と比較して、剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は低い結果となった。モーター絶縁材料として、打ち抜き性、挿入性に問題はなかったが、剥離強度、破断伸度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、折り曲げ部の割れや、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例2は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの一段目熱処理温度を高くしたため、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの平面性が悪化し、積層体の剥離強度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性、挿入性に問題はなかったが、剥離強度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例3は、実施例1と比較して、接着剤を用いずに熱ラミネートを実施したので、積層体の、剥離強度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、剥離強度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例4は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高く、一段目熱処理温度を高くし、接着剤を用いずに熱ラミネートを実施したので、積層体の剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、剥離強度、破断伸度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、折り曲げ部の割れや、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例5は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高くしたため、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さが小さくなり、破断伸度は低下したので、積層体の剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、剥離強度、破断伸度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、折り曲げ部の割れや、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例6は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高くし、接着剤を用いずに熱ラミネートを実施したので、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さが小さくなり、破断伸度は低下したので、積層体の剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、剥離強度、破断伸度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、折り曲げ部の割れや、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例7は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を低くしたため、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの破断伸度は増大したが、平面性が悪化し、積層体の剥離強度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、剥離強度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例8は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を高く、一段目熱処理温度を高くし、接着剤を用いずに熱ラミネートを実施したので、積層体の、剥離強度、破断伸度、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、剥離強度、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例9は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を低く、一段目熱処理温度を高くし、また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを厚く、表面粗さを大きくしたので、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、積層体構成界面での剥離がみられた。
比較例9は、実施例1と比較して、二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムの縦延伸倍率を低く、一段目熱処理温度を高くし、また、二軸配向ポリエステルフィルムについて、実施例1と比較し、厚みを厚く、表面粗さを大きくしたので、耐もみ回数は、実施例1と比較して、低下した。モーター絶縁材料として、打ち抜き性に問題はなかったが、耐もみ回数が低いため、折り曲げ加工時に、積層体構成界面での剥離がみられた。
本発明は冷媒圧縮機のモーター絶縁などに用いられることができる。
Claims (3)
- ポリエステルフィルムの少なくとも片面にポリフェニレンサルファイドフィルムを有する積層体であって、以下を満たすことを特徴とする積層体。
(1)DSC(示差走査熱量測定)で測定した際に、吸熱ピーク温度(Ta)が100℃未満に観測されること。
(2)180°の剥離試験によるフィルム間の剥離強度が3.8N/cm以上であること。
(3)破断伸度が100%以上150%以下であること。
(4)耐もみ性評価にて剥離までに要するもみ回数が、70回以上であること。 - 前記ポリエステルフィルムとポリフェニレンサルファイドフィルムは接着剤を介してなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記接着剤を介してなるポリエステルフィルムの表面粗さRaLとポリフェニレンサルファイドフィルムの表面粗さRaTが、以下を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
(4)20nm≦RaL≦110nm
(5)50nm≦RaT≦110nm
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017127057 | 2017-06-29 | ||
JP2017127057 | 2017-06-29 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019010874A true JP2019010874A (ja) | 2019-01-24 |
Family
ID=65227170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018124133A Pending JP2019010874A (ja) | 2017-06-29 | 2018-06-29 | 積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019010874A (ja) |
-
2018
- 2018-06-29 JP JP2018124133A patent/JP2019010874A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7173202B2 (ja) | ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ並びにそれらの製造方法 | |
TWI619600B (zh) | Biaxially oriented polyester film for demolding | |
TWI354003B (ja) | ||
JP5920538B2 (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム | |
CN111051400B (zh) | 聚丙烯膜、金属膜叠层膜及膜电容器 | |
JP6790398B2 (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ | |
WO2017170244A1 (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム | |
JP2018141122A (ja) | 二軸配向ポリプロピレンフィルム | |
WO2002092671A1 (fr) | Film en polypropylene a orientation biaxiale | |
JP7434751B2 (ja) | ポリプロピレンフィルムならびにこれを用いた金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ | |
KR20160140720A (ko) | 2축 배향 폴리프로필렌 필름 | |
JP4591992B2 (ja) | 二軸延伸ポリプロピレンフィルム | |
EP3438165B1 (en) | Film, electrical insulation sheet using same, adhesive tape, and rotating machine | |
JP6885484B2 (ja) | ポリプロピレンフィルムおよびこれを用いた金属膜積層フィルム、フィルムコンデンサ | |
TW200934660A (en) | Mould release film | |
JP4706680B2 (ja) | 複合フィルム | |
AU2019369562B2 (en) | Film for Coating Metal Sheet and Resin Coated Metal Sheet | |
JP7318187B2 (ja) | ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ | |
JP2019010874A (ja) | 積層体 | |
JP2016163948A (ja) | 積層体およびその製造方法 | |
JP6878956B2 (ja) | フィルム | |
JPH09300518A (ja) | 積層フィルムおよびその製造方法 | |
JP4944726B2 (ja) | 音響振動板用二軸配向多層積層フィルム及びその製造方法 | |
KR102115026B1 (ko) | 폴리에스테르 필름의 제조방법 및 폴리에스테르 성형품의 제조방법 | |
TWI769243B (zh) | 薄膜、及薄膜之製造方法 |