JP2019010351A - 負圧伝達具及びこれを用いた搾乳装置 - Google Patents

Abstract

【課題】吸引用カップ等の負圧伝達具が変形したときの形状を一定とし、その一部が他の部材に当接することがない負圧伝達具等を提供する。【解決手段】開口部８１及び非開口の状態の底部８３を有すると共に、開口部と底部とを連結する中間部８２を有し、少なくとも、中間部には、変形を阻害する剛性部８４ａが、所定間隔で複数形成され、複数の剛性部間に柔軟な材質より成る柔軟部が形成されている負圧伝達具８０。【選択図】図６

Description

本発明は、例えば、母親等が母乳を搾乳する際に使用される負圧伝達具及びこれを用いた搾乳装置に関するものである。

従来から母親等が乳児等のために母乳を搾乳し、哺乳瓶等の収容するときは、搾乳器を使用する。
この搾乳器の種類として、所謂「手動搾乳器」と「電動搾乳器」が存在する。
「手動搾乳器」は、操作者が操作することで揺動するレバーを有し、このレバーの揺動によって搾乳器本体内に負圧空間を生成する。
そして、この負圧空間を利用して、母親の乳房から母乳を引き込み、搾乳する構成となっている。

一方、「電動搾乳器」は、操作者が操作するレバーを有さず、モータ等の力でポンプを駆動させ、このポンプによって搾乳器本体に負圧空間を生成し、この負圧空間を利用して、母親の乳房から母乳を引き込み、搾乳する構成となっている。

「電動搾乳器」の場合、ポンプの吸引力で、負圧空間を生成し、この空間内に母乳を引き込む構造となっているため、誤って母乳が、ポンプ側に吸い込まれるおそれがあり、この場合、モータ等の電気部品等の故障等の原因となった。

そこで、かかる事態の発生を回避するため、搾乳器本体には負圧伝達具である例えば、「吸引用カップ」等を配置し、ポンプは吸引用カップ内の雰囲気を吸引し、ポンプが、乳房と連通している空間の雰囲気を直接、吸引しない構成が提案されている（例えば、特許文献１）。
具体的には、ポンプが吸引用カップ内の雰囲気を吸引すると、吸引用カップが潰れ、これにより搾乳器本体内に負圧を発生させる構成となっている。
そして、この吸引カップを用いることにより、乳房と連通している空間と、ポンプ等と連通している吸引用カップ内とが連通せず、母乳がポンプ側に誤って吸引されるという事態の発生を未然に防止することができる構成となっている。

米国特許公開２０１６／０２２８６２４号公報

しかし、ポンプによる吸引が終了し、萎んだ吸引用カップ（負圧伝達具）が元の形状に戻らず、次回、ポンプによる吸引の際に、搾乳器本体内に十分な負圧を発生することができないという問題が発生していた。
また、吸引用カップ（負圧伝達具）が萎んだときの形状によっては、その一部が頻繁に搾乳器本体側に当接し、これにより当接部分に穴等が発生し、この穴等を介して母乳がポンプ側に吸引されるという問題もあった。

そこで、本発明は、吸引用カップ等の負圧伝達具が変形、例えば、萎んだときの形状を一定とし、その一部が他の部材に当接することがない負圧伝達具及びこれを用いた搾乳装置を提供することを目的とする。

前記目的は、本発明によれば、開口部及び非開口の状態の底部を有すると共に、前記開口部と前記底部とを連結する中間部を有し、少なくとも、前記中間部には、変形を阻害する剛性部が、所定間隔で複数形成され、前記複数の剛性部間に柔軟な材質より成る柔軟部が形成されていることを特徴とする負圧伝達具により達成される。

前記構成によれば、中間部には、変形を阻害する剛性部が、所定間隔で複数形成され、複数の剛性部間に柔軟な材質より成る柔軟部が形成されている。
このため、剛性部によって柔軟部は、予め決まった形状に変形、例えば、萎む。したがって、従来のように様々な形状に萎んで元に戻らないという事態の発生を未然に防ぎ、常に、元の形状に戻すことができ、負圧伝達具が装着される搾乳器等内で発生する負圧を適切に制御することができる。
また、常に同じ形状に萎むため、負圧伝達具の一部等が頻繁に搾乳器本体等の側に当接し、これにより当接部分に穴等が発生することも未然に防止することができる。したがって、この穴等を介して母乳が負圧伝達具内に入り、さらに、例えば、ポンプ等の側へ母乳が吸引等されることを未然に防止することができる。

好ましくは、前記剛性部及び前記柔軟部は、前記中間部から前記底部にかけて連続して形成されていることを特徴とする。

前記構成によれば、剛性部及び柔軟部は、中間部から底部にかけて連続して形成されているので、負圧伝達具全体としての変形である例えば、萎みの度合いを大きくすることができ、これにより、負圧伝達具が装着される搾乳器等内で発生する負圧を大きくすることができる。
また、萎み度合いが大きくなることで、負圧伝達具の一部等が頻繁に搾乳器本体等の側に当接する蓋然性を極めて小さくすることができる。

好ましくは、前記底部の中心部分には、変形を阻害する支持部を有し、前記剛性部は、前記中間部から前記底部にかけて直線状に形成されていると共に前記支持部に接続されていることを特徴とする。

前記構成によれば、剛性部は、中間部から底部にかけて直線状に形成されていると共に、底部の中心部分の支持部にも接続されているので、柔軟部は、直線状に配置されている剛性部に沿って変形である例えば、萎み、さらに、ポンプ等で内部の雰囲気を吸気されると、支持部を中心に螺旋状に捻られた形状となる。
このように、負圧伝達具を螺旋状に捻られた形状とすることで、全体の体積を小さくすることができ、より大きな負圧を発生させることもできる。
また、負圧伝達具の変形状態を常に「螺旋状に捻る」状態とすることで、変形を一定とすることができると共に、元の状態に戻し易い構成となっている。
さらに、負圧伝達具を「螺旋状に捻る」状態とすることで、負圧伝達具の一部等が頻繁に搾乳器本体等の側に当接する蓋然性を極めて小さくすることができる。

好ましくは、少なくとも前記中間部及び前記底部の表面には、角形状が形成されない構成となっていることを特徴とする。

前記構成によれば、中間部及び底部の表面には、角形状が形成されていないで、柔軟部や剛性部が、変形、例えば、萎む又は捻る際に、その変形を妨げない構成となっている。

好ましくは、前記開口部の形状が、前記開口部を装着する装着対象部に対応した形状となっており、前記底部の形状が前記開口部の形状と相違するときは、形状を徐変する構成となっていることを特徴とする。

前記構成によれば、開口部の形状が、前記開口部を装着する装着対象部（例えば、吸引用カップ用開口部）に対応した形状となっているため、シール性が向上し、搾乳器本体等で負圧空間を効果的に発生させることができる。
底部の形状と開口部の形状が異なっても形状を徐変する構成となっているので、底部の形状にかかわらず、開口部の形状を装着対象部に対応した形状とすることができる。
また、底部も開口部の形状にかかわらず、任意の形状とすることができる。

好ましくは、対象者の乳房及び乳首等の乳房部を配置する乳房配置部と、負圧発生空間を有する搾乳器本体部と、前記負圧伝達具と、を備えることを特徴とする。

本発明は、吸引用カップ等の負圧伝達具が変形、例えば、萎んだときの形状を一定とし、その一部が他の部材に当接することがない負圧伝達具及びこれを用いた搾乳装置を提供することができるという利点がある。

本発明の搾乳装置である例えば、搾乳器を有する電動搾乳器の主な構成を示す概略図である。 搾乳器本体の概略断面図である。 キャップの概略断面図である。 図１の搾乳管理装置の上面を示す概略図である。 図１の電動搾乳器のうち、乳房が配置されときの乳房配置部、搾乳器本体、吸引用カップ及びキャップの主な構成を示す概略断面図である。 吸引用カップを示す概略斜視図である。 図６のＡ―Ａ’線概略断面図である。 図６のＢ―Ｂ’線概略断面図である。 図６のＣ―Ｃ’線概略断面図である。 図９の底部の内側の構成を平面視で見た概略図である。 ポンプの吸引により、吸引用カップが変形、例えば、萎んだ状態を示す概略説明図である。 吸引用カップが螺旋状に捻られた状態を示す概略図である。

以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。

図１は、本発明の搾乳装置である例えば、「搾乳器１０」を有する「電動搾乳器１」の主な構成を示す概略図である。
図１に示すように、電動搾乳器１は、搾乳器１０と搾乳管理装置６０を有し、搾乳器１０と搾乳管理装置６０は、吸引用チューブ７０で接続されている。
また、搾乳器１０は、乳房配置部２０，搾乳器本体部である例えば、搾乳器本体４０、哺乳瓶５０及びキャップ３０を有している。

以下、各構成について、説明する。
（乳房配置部２０）
搾乳器１０は、図１に示すように、利用者である母親等の乳房を配置する乳房配置部２０を有している。
この乳房配置部２０は、全体がファネル（漏斗）状を成しており、母親等が自己の乳房を挿入するための挿入口２１を有している。
このため、挿入口２１の開口部分が最も大きな径となっており、その徐々に径が小さく（縮径）なるように構成されている。

（搾乳器本体４０）
図２は、搾乳器本体４０の概略断面図である。
図２に示すように、搾乳器本体４０には、図１に示す乳房配置部２０を装着するための乳房配置部用開口部４６が形成されている。
また、乳房配置部用開口部４６と連続した空間には、第１の負圧用空間４５及び図２の破線で示す、後述する「吸引用カップ８０」を配置するための吸引用カップ配置部４４が形成されている。
さらに，搾乳器本体４０には、後述する負圧伝達具である例えば、吸引用カップ８０を挿入するための装着対象部である例えば、吸引用カップ用開口部４７が形成されている。

また、図２に示すように、搾乳器本体４０には、逆止弁４２が配置され、搾乳器本体４０の下部には、図１の哺乳瓶５０と螺合するための搾乳器本体側ネジ部４３が形成されている。
そして、図２の逆止弁４２は、乳房配置部用開口部４６から搾乳器本体側ネジ部４３側への母乳の流入のみ通過させ、逆流を妨げる構成となっている。

（哺乳瓶５０）
図１に示すように、哺乳瓶５０は搾乳器本体４０と着脱可能に接続されており、この哺乳瓶５０は、図１の搾乳器１０により搾乳された母乳を収容する構成となっている。
また，哺乳瓶５０の上部の図示しない開口部には、哺乳瓶側ネジ部が形成され、この哺乳瓶側ネジ部が図２の搾乳器本体側ネジ部４３と螺合することで、哺乳瓶５０が哺乳器本体に４０に装着される構成となっている。

（キャップ３０）
図１及び図２に示すように、キャップ３０は、搾乳器本体４０の吸引用カップ用開口部４７を覆うように配置される構成となっている。
具体的には、キャップ３０は、図２の吸引用カップ配置部４４に、吸引用カップ８０を配置した際に、その上からキャップ３０を配置することで、吸引用カップ８０を搾乳器本体４０に密着状態で装着することができる構成となっている。

図３は、キャップ３０の概略断面図である。
図３に示すように、その上部に吸引用チューブ取付部３１が形成され、その上端には貫通孔が形成されている。
また、キャップ３０の下部には、キャップ下部開口部３２が形成されている。
そして、図３に示すように、キャップ３０内は空間となっており、このため、吸引用チューブ取付部３１の貫通孔とキャップ下部開口部３２とは連通可能な構成となっている。

（搾乳管理装置６０）
図１に示す搾乳管理装置６０は、内部に図示しないモータ、ポンプ等を有し、このモータ及びポンプを駆動させることで、接続されている吸引用チューブ７０内に雰囲気を吸引する構成となっている。
すなわち、図２の搾乳器本体４０の吸引用カップ配置部４４に吸引用カップ８０を配置し、図１に示すようにキャップ３０で覆ったとき、搾乳管理装置６０の吸引で吸引用カップ８０内の雰囲気が吸引される構成となっている。

図４は、図１の搾乳管理装置６０の上面を示す概略図である。
図４に示すように、搾乳管理装置６０の表面には、例えば、スイッチ等の操作用各種入力部６１が配置されている。
したがって、操作者がこれらのスイッチ等の操作用各種入力部６１を操作することでモータ等の動作を制御することができる構成となっている。

（搾乳器本体１０の閉塞空間Ｓの構成と搾乳動作等）
図５は、図１の電動搾乳器１のうち、乳房が配置されたときの乳房配置部２０、搾乳器本体４０、吸引用カップ８０及びキャップ３０の主な構成を示す概略断面図である。

図５に示すように、利用者が乳房を乳房配置部２０に配置することにより、乳房配置部２０のうち、乳房が配置されていない部分である第２の負圧用空間２２と第１の負圧用空間４５により閉塞空間Ｓが形成される。
したがって、図１の搾乳管理装置６０が動作し、吸引用チューブ７０とキャップ３０を介して、図５の吸引用カップ８０内の雰囲気を吸引し、吸引用カップ８０が萎むと図５の上記閉塞空間Ｓの容積が閉塞状態で拡大し、この閉塞空間Ｓ内は「負圧状態」となる。
このため、図５の乳房配置部２０に配置された乳首から母乳が搾乳される。
このように搾乳された母乳は、閉塞空間Ｓの負圧状態が開放されたときに、逆止弁４２を介して、図１の哺乳瓶５０へ収容される構成となっている。

このように、本実施の形態の電動搾乳器１は、電気部品等を有する搾乳管理装置６０と連通しているのは吸引用チューブ７０、キャップ３０及び吸引用カップ８０までであり、吸引用カップ８０内へは母乳が流入等しない構成となっている。
したがって、母乳の一部が電気部品等を有する搾乳管理装置６０側に吸引されて故障等の原因となることを有効に防止することができる構成となっている。

（吸引用カップ８０）
次に、本実施の形態の主な特徴である図５の「吸引用カップ８０」の構成について、詳細に説明する。
図６は、吸引用カップ８０を示す概略斜視図である。
図６に示すように、吸引用カップ８０は、全体として上部に開口を有し、底部が有底の縦長の袋状を成している。
そして、吸引用カップ８０は、全体が柔軟な材質である例えば、シリコーンゴムやイソプレンゴム、ＳＥＢＳ（スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン）等のエラストマー等により形成されている。

具体的には、図６に示すように、上部に開口部８１を有し、下部には、非開口の底部８３有している。そして、これら開口部８１と底部８３との間には、中間部８２が形成されている。

開口部８１は、図６に示すように、例えば、略円形の開口が形成されている。また、この開口の周縁には、外側に突出して形成されるリング状の縁部８１ａが形成されている。
この開口の形状は図２に搾乳器本体４０の吸引用カップ用開口部４７の形状と大きさに対応して形成されている。
すなわち、本実施の形態では、図２の吸引用カップ用開口部４７が略円形であるため対応して略円形となっており、大きさ（径）も同様となっている。

このような形状とすることにより、吸引用カップ８０を図２の吸引用カップ配置部４４に配置したとき、吸引用カップ８０の開口の形状と大きさ（径）が合致するため、吸引用カップ８０を吸引用カップ用開口部４７に隙間なく配置することができる。
また、図６の上縁部８１ａが図２の搾乳器本体上縁部４８の上に適切に配置され、この上縁部８１ａを挟み込むように、図５のキャップ３０が装着されるので、図２の閉塞空間Ｓの閉塞を維持するためのシール性を高くすることができる。

図７は、図６のＡ―Ａ’線概略断面図であり、図８は、図６のＢ―Ｂ’線概略断面図である。図９は、図６のＣ―Ｃ’線概略断面図である。
図７乃至図９に示すように、図６の中間部８２から底部８３にかけて図の縦方向（吸引用カップ８０の長手方向）に沿って、直線状に３本の変形を阻害する作用を発揮する剛性部である例えば、リブ８４ａ、８４ｂ、８４ｃが内側に形成されている。

また、図９に示すように、底部８３の内側の中央部分にも、変形を阻害する作用を発揮する円形状の剛性部である支持部８５が形成されている。
そして、これら３本のリブ８４ａ、８４ｂ、８４ｃは、図９に示すように、支持部８５と接続されている。

図１０は、図９の底部８３の内側の構成を平面視で見た概略図である。
図１０で示すように、底部８３では、全体形状は、開口部の略円形と異なる形状、例えば、三角形に近似した形状となっている、
すなわち、剛性部である３本のリブ８４ａ、８４ｂ、８４ｃの間の部分は、変形し易い柔軟部８６ａ、８６ｂ、８６ｃとなっており、この柔軟部８６ａ等は、吸引用カップ８０の内側向けて、変形、例えば、萎み易い構成となっている。
このため、全体が三角形に近似した形状となる。

このように、本実施の形態では、図６の開口部８１は略円形で、図１０の底部８３が三角形に近似した形状となり、開口部８１と底部８３の形状が全く異なる構成となっている。
すなわち、本実施の形態では、形状を、開口部８１から底部８３にかけて「徐変」する構成となっている。
したがって、開口部８１はシール性から略円形が好ましく、底部８３は、変形、例えば、萎み易さから非円形が好ましい場合でも、かかる要求に合致した形状とすることができる。

また、本実施の形態の吸引用カップ８０の表面には、角部を含まない滑らかな形状となっている。
このため、図１０の柔軟部８６ａ、８６ｂ、８６ｃが内側に変形等して全体的に萎む場合、その変形を妨げない構成となっている。

本実施の形態では、底部８３が三角形に近似する形状としているが、本発明はこれに限らず、四角形以上の多角形であっても構わない。

（電動搾乳器１の動作例）
本実施の形態にかかる電動搾乳器１を用いて、母親が乳児のために母乳を搾乳する例を用いて以下、説明する。
先ず、母乳の搾乳を実行しようとする母親は図１の搾乳器１０の乳房配置部２０の挿入口２１から自己の乳房を挿入し、配置する。
次いで、図４の操作用各種入力部６１のスイッチを操作し、自己の希望する動作を選択する。
通常、電動搾乳器１では、乳房の吸引と開放を交互に繰り返す動作を実行する。本実施の形態では、例えば、この繰り返しの間隔を「脈動」の間隔に合わせたものを選択する。

すると、脈動のリズムに従って、図１の搾乳管理装置６０のモータとポンプが駆動する。
最初は、ポンプが駆動し、吸引工程となる。
具体的には、図１の吸引用チューブ７０を介して、図５の吸引用カップ８０内の雰囲気を吸引する。

すると、図１０の柔軟部８６ａ、８６ｂ、８６ｃの部分が吸引用カップ８０の内側に向かって変形し、例えば、図１０破線部分まで萎む。
図１１は、ポンプの吸引により、吸引用カップ８０が変形、例えば、萎んだ状態を示す概略説明図である。
本実施の形態では、リブ８４ａ等があるため、その部分は萎むことなく、リブ８４ａ等の間に形成された柔軟部８６ａ、８６ｂ、８６ｃのみが図１０の破線で示すように、内側に萎む。

この図１１に示す最初の変形状態は、常に同じ変形となり、吸引時毎で変化することがない。

そして、図１１の変形状態から更に、搾乳管理装置６０が動作し、吸引を行うと、図１１の柔軟部８６ａ、８６ｂ等の内側への萎みが極限まで進み、直線状に配置されているリブ８４ａ等に柔軟部８６ａ等が張り付くような状態となる。
そして、さらに、吸引が実行されると、次の段階に進み、図１０の支持部８５を中心に、萎んだ柔軟部８６ａ等が螺旋状に捻られる。

図１２は、吸引用カップ８０が螺旋状に捻られた状態を示す概略図である。
このように、本実施の形態では、ポンプの吸引により、吸引用カップ８０の予め変形する部分である柔軟部８６ａ等が萎み、その後、リブ８４ａ等と柔軟部８６ａ等が共に螺旋状に捻られる。そして、この螺旋形状は、常に同様となる。

次いで、ポンプの吸引が止まり、開放されると、図１２に示す螺旋状に捻れた吸引用カップ８０は、逆の工程を経て、図６の形状に戻る。

次いで、ポンプの吸引が始まると、吸引用カップ８０は、上述と同様の工程を経て図１２に示す螺旋状に捻れた状態となる。

このように、本実施の形態では、従来と異なり、元の状態に戻り易い変形状態に変形するため、ポンプによる吸引が開放されると、必ず、元の形状に戻る構成となっている。

また、本実施の形態では、直線状のリブ８４ａ等に沿って柔軟部８６ａ等が萎み、さらに、螺旋状に捻れるので、最も、容積（体積）の小さな状態とすることができる。
したがって、図５における搾乳器本体４０の閉塞空間Ｓを大きくすることができ、より大きな負圧を発生させることができる。

また、図１１及び図１２に示すように、吸引用カップ８０の変形は、吸引用カップ８０の外側にある搾乳器本体４０の壁面から離間する方向に萎み、同じく離間状態で螺旋状に捻れる。このため、吸引用カップ８０の一部等が搾乳器本体４０の壁面等に頻繁に当接して、穴が発生することを未然に防止することができる。

本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。

１・・・電動搾乳器、２０・・・乳房配置部、２１・・・挿入口、２２・・・第２の負圧用空間、３０・・・キャップ、３１・・・吸引用チューブ取付部、３２・・・キャップ下部開口部、４０・・・搾乳器本体、５０・・・哺乳瓶、４０・・・搾乳器本体、４２・・・逆止弁、４３・・・搾乳器本体側ネジ部、４４・・・吸引用カップ配置部、４５・・・第１の負圧用空間、４６・・・乳房配置部用開口部、４７・・・吸引用カップ用開口部、４８・・・搾乳器本体上縁部、６０・・・搾乳管理装置、６１・・・操作用各種入力部、７０・・・吸引用チューブ、８０・・・吸引用カップ、８１・・・開口部、８１ａ・・・縁部、８２・・・中間部、８３・・・底部、８４ａ、８４ｂ、８４ｃ・・・リブ、８５・・・支持部、８６ａ、８６ｂ、８６ｃ・・・柔軟部、Ｓ・・・閉塞空間

Claims (6)

1. 開口部及び非開口の状態の底部を有すると共に、前記開口部と前記底部とを連結する中間部を有し、
   少なくとも、前記中間部には、変形を阻害する剛性部が、所定間隔で複数形成され、前記複数の剛性部間に柔軟な材質より成る柔軟部が形成されていることを特徴とする負圧伝達具。
2. 前記剛性部及び前記柔軟部は、前記中間部から前記底部にかけて連続して形成されていることを特徴とする請求項１に記載の負圧伝達具。
3. 前記底部の中心部分には、変形を阻害する支持部を有し、
   前記剛性部は、前記中間部から前記底部にかけて直線状に形成されていると共に前記支持部に接続されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の負圧伝達具。
4. 少なくとも前記中間部及び前記底部の表面には、角形状が形成されない構成となっていることを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の負圧伝達具。
5. 前記開口部の形状が、前記開口部を装着する装着対象部に対応した形状となっており、前記底部の形状が前記開口部の形状と相違するときは、形状を徐変する構成となっていることを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載の負圧伝達具。
6. 対象者の乳房及び乳首等の乳房部を配置する乳房配置部と、
   負圧発生空間を有する搾乳器本体部と、
   前記負圧伝達具と、を備え、
   前記負圧伝達具は、請求項１乃至請求項５のいずれか１項に記載の負圧伝達具であることを特徴とする搾乳装置。

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