JP2019010014A - ジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法 - Google Patents

ジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度のジアシルグリセロールを効率よく製造できる方法の提供。【解決手段】次の工程(A)及び(B):(A)固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させた後、当該固定化酵素に対して、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]が10:1〜100:0である脱離液を接触させる処理を行う工程、(B)工程(A)で処理した固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させる工程、を含む、ジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法に関する。
ジアシルグリセロールを高濃度に含む油脂は、食後の血中トリグリセリド(中性脂肪)の増加を抑制し、体内への蓄積性が少ない等の生理作用を有することが知られている(例えば、特許文献1)。
ジアシルグリセロールの製造は、グリセリンと油脂とのグリセロリシス反応による方法や、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応による方法が一般的である。これらの製造法は、アルカリ触媒等を用いた化学法と、リパーゼ等の酵素を用いた酵素法に大別されるが、酵素を用いて温和な条件で反応を行うのが風味等の点で好ましいとされている。
グリセリンと脂肪酸との酵素エステル化反応においては、高い反応率で高いジアシルグリセロール純度を得るために、グリセリンに対する脂肪酸の仕込み比を高くして、トリアシルグリセロールが生成する前に酵素と反応油を分離する、反応生成水を反応系外に除去しながら反応させる、グリセリン及び脂肪酸の酵素充填塔での滞留時間を制御する等が行われている(例えば、特許文献2、3)。
また、工業的にグリセリンと脂肪酸とを酵素エステル化反応させる場合、酵素を効率的に使用するため、無機又は有機の固定化担体に酵素を固定化した固定化酵素が用いられ、これは繰り返しエステル化反応に使用される。
特開平10−176181号公報 特開平4−330289号公報 特開2001−169795号公報
しかしながら、固定化酵素を再使用しながら間欠的にエステル化反応を行うと、殊に一反応後、従来より長い時間間隔を空けてからエステル化反応を行うと、固定化酵素の酵素活性は維持されているにもかかわらず、ジアシルグリセロール純度が低くなり、高い反応率で高いジアシルグリセロール純度を得ることは難しいことが判明した。
従って、本発明は、固定化酵素を再使用して間隔を空けてエステル化反応を行っても、高純度のジアシルグリセロールを効率よく製造できる方法を提供しようとするものである。
本発明者は、ジアシルグリセロール純度が低下する原因について種々検討したところ、エステル化反応後、エステル化反応油を回収しても、固定化酵素にエステル化反応油が付着して残っていることに原因があることを見出した。すなわち、固定化酵素に付着しているエステル化反応油においては、当該反応油に対して酵素濃度が高い状況にあるため、当該反応油中の1,3−ジアシルグリセロールにおける2位への脂肪酸の転移反応が進行し、更に1,2−ジアシルグリセロールからトリアシルグリセロールが生成し、これが以降の反応に持ち越されてジアシルグリセロール純度が低くなっていたのである。
そこで更に検討したところ、エステル化反応に使用した固定化酵素に対して所定の脱離液を接触させる処理を行えば、固定化酵素に付着して残っているエステル化反応油と当該脱離液とが置換し、固定化酵素からエステル化反応油が除かれるため、以降のエステル化反応においてジアシルグリセロールの純度を低下させることがなくなり、固定化酵素を再使用して、間隔を空けてエステル化反応を行っても、高純度のジアシルグリセロールを高い収率で得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の工程(A)及び(B):
(A)固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させた後、当該固定化酵素に対して、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]が10:1〜100:0である脱離液を接触させる処理を行う工程、
(B)工程(A)で処理した固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させる工程、
を含む、ジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、ジアシルグリセロール純度の高い油脂を高い収率で得ることができる。
本発明のジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法は、(A)固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させた後、当該固定化酵素に対して、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]が10:1〜100:0である脱離液を接触させる処理を行う工程、及び(B)工程(A)で処理した固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させる工程、を有する。
ここで、脱離液は、脂肪酸の他にグリセリン、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール等を含んでいてもよい。
脱離液中の脂肪酸(FA)は、遊離脂肪酸のモル、モノアシルグリセロールのモル、ジアシルグリセロールのモル×2、及びトリアシルグリセロールのモル×3を合計したモルである。同様に、グリセリン(GLY)は、グリセリンのモル、モノアシルグリセロールのモル、ジアシルグリセロールのモル、及びトリアシルグリセロールのモルを合計したモルである。
本明細書において「油脂」は「油」と同義であり、油脂(油)を構成する物質にはトリアシルグリセロールのみならずモノアシルグリセロールやジアシルグリセロールも含まれる。すなわち、油脂(油)は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。
[工程(A)]
工程(A)は、固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させた後に、当該固定化酵素に対して、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]が10:1〜100:0である脱離液を接触させる処理を行う工程である。
〔固定化酵素〕
本発明で用いられる固定化酵素は、固定化リパーゼが好ましく、リパーゼは、特に制限されず、動物由来、植物由来、微生物由来のリパーゼを用いることができる。例えば、リゾプス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、リゾムコール(Rhizomucor)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ジオトリケム(Geotrichum)属、ペニシリウム(Penicillium)属、キャンディダ(Candida)属等の起源のリパーゼが挙げられる。
固定化リパーゼの種類は、特に制限されず、グリセロールのsn−1位とsn−3位に特異性を示す1,3位選択リパーゼ、位置特異性のない(ランダム型)のリパーゼ等を用いることができる。なかでも、反応性の点から、1,3位選択リパーゼが好ましい。市販の固定化1,3位選択リパーゼとしては、例えば、Lipozyme RM IM(ノボザイムジャパン製)が挙げられる。
固定化担体としては、セライト、ケイソウ土、カオリナイト、シリカゲル、モレキュラーシーブス、多孔質ガラス、活性炭、炭酸カルシウム、セラミックス等の無機担体、セラミックスパウダー、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、キトサン、イオン交換樹脂、疎水吸着樹脂、キレート樹脂、合成吸着樹脂等の有機高分子等が挙げられる。なかでも、保水力が高い点からイオン交換樹脂が好ましい。また、イオン交換樹脂の中でも、大きな表面積を有することにより酵素の吸着量を高くできるという点から、多孔質であることが好ましい。
固定化担体として用いる樹脂の粒子径は50〜2000μmが好ましく、更に100〜1000μmが好ましい。細孔径は10〜150nmが好ましく、更に10〜100nmが好ましい。材質としては、フェノールホルムアルデヒド系、ポリスチレン系、アクリルアミド系、ジビニルベンゼン系等が挙げられ、更にフェノールホルムアルデヒド系樹脂(例えば、ダウケミカル社製Duolite A−568)が酵素吸着性向上の点から好ましい。
このとき、用いる酵素量は、担体質量に対して10〜300質量%、更に20〜250質量%、更に30〜200質量%が好ましい。固定化の際、酵素を溶液状態にするが、酵素の特性に合わせて、緩衝剤をpH5〜7に調整して用いることが好ましい。固定化時の温度は0〜60℃、更に5〜40℃が好ましい。
固定化酵素の活性を高めるために、酵素の固定化前に予め脂溶性脂肪酸又はその誘導体を担体に吸着させる処理を施しても良い。処理を施す方法としては、例えば、クロロホルム、ヘキサン、エタノール等の有機溶剤に脂溶性脂肪酸又はその誘導体を一旦分散、溶解させた後、水に分散させた担体に加える方法が挙げられる。
使用する脂溶性脂肪酸としては、炭素数8〜18の飽和又は不飽和の、直鎖又は分岐鎖の、水酸基が置換していても良い脂肪酸が挙げられる。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、リシノール酸等が挙げられる。またその誘導体としては、これらの脂肪酸と一価又は多価アルコールとのエステル、リン脂質、及びこれらのエステルにエチレンオキサイドを付加した誘導体が挙げられる。具体的には、上記脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、モノグリセリド、ジグリセリド、それらのエチレンオキサイド付加体、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル等が挙げられる。これらの脂溶性脂肪酸又はその誘導体は、2種以上を併用しても良い。
〔脂肪酸又はその低級アルキルエステル〕
本発明で用いられる脂肪酸又はその低級アルキルエステルは、直鎖又は分岐鎖の炭素数4〜22、好ましくは炭素数8〜18の飽和又は不飽和脂肪酸が好ましく、例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ゾーマリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ガドレン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等を用いることができる。また、上記脂肪酸とエステルを形成する低級アルコールとしては、炭素数1〜6のもの、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール又はt−ブタノール等が挙げられる。これらの脂肪酸又はその低級アルキルエステルは、2種以上を併用することもできる。
本発明では、原料油脂を加水分解して得られる脂肪酸を用いてもよい。
ここで、加水分解の対象となる原料油脂は、植物性油脂、動物性油脂のいずれでもよい。例えば、大豆油、菜種油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂、藻油等の植物性油脂;魚油、アザラシ油、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;あるいはそれらのエステル交換油、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
原料油脂は、油脂を構成する脂肪酸中の飽和脂肪酸が30質量%以下と少ない油脂が好ましい。
油脂を加水分解する方法としては、高温高圧分解法と酵素分解法が挙げられる。
高温高圧分解法とは、油脂に水を加えて、高温、高圧の条件で反応することにより、脂肪酸とグリセリンを得る方法である。また、酵素分解法とは、油脂に水を加えて、油脂加水分解酵素を触媒として用い、低温の条件で反応することにより、脂肪酸とグリセリンを得る方法である。
油脂加水分解酵素としては、リパーゼが好ましく、特に制限されず、前記の動物由来、植物由来、微生物由来のリパーゼを用いることができる。なかでも、加水分解効率の点から、位置・鎖長選択性のない、所謂非選択性リパーゼを用いるのが好ましく、更にキャンディダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)によって生産される非選択性リパーゼを用いるのが好ましい。例えば、リパーゼAY「アマノ」30SD−K(天野エンザイム(株)製)がある。
加水分解反応は、常法に従って行うことができる。
加水分解反応は、以下の式(1)で示される遊離脂肪酸濃度によって管理し、所定の分解率に到達した時点で終了すればよい。
遊離脂肪酸濃度(%)=加水分解油の酸価(AV)/原料油脂の脂肪酸平均分子量/56.1/10・・・・(1)
油脂を加水分解して得られる脂肪酸の遊離脂肪酸濃度は、ジアシルグリセロールの転移反応抑制の点から、80質量%以上、更に84質量%以上、更に88質量%以上、更には92質量%以上が好ましい。 加水分解後、反応液から脂肪酸を得るには、油脂加水分解酵素と水相を静置分離や遠心分離等で油相と分離すればよい。
加水分解油には、脂肪酸の他に未反応の油脂や部分的に加水分解された油脂等が含まれるが、エステル化反応原料の脂肪酸としてこのまま使用しても良く、蒸留による精製、ウインタリング等により脂肪酸組成の調整等を行った後に使用してもよい。
〔グリセリン〕
本発明において使用するグリセリンは、エステル化の反応性の点から、純度95質量%以上のものが好ましい。
〔エステル化反応〕
本発明において、固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化する方法は、常法に従って行うことができる。
エステル反応に用いる固定化酵素の量は、酵素の活性を考慮して適宜決定することができるが、反応速度を向上する点から、原料(グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステル)の合計量100質量部に対して、1〜30質量%、更に2〜20質量%が好ましい。
エステル化反応を行う際のグリセリンのモルに対する脂肪酸のモルの比[FA/GLY]は、反応油の組成が最適になる点(反応油中の脂肪酸等及びグリセリンの残存量、並びにモノアシルグリセロール又はトリアシルグリセロールの生成量が抑制され、蒸留負荷が低減すると共にジアシルグリセロール高含有となり、生産効率が高くなる点)から、5.0以下、更に4.0以下、更に3.0以下、更に2.5以下とするのが好ましく、また、反応速度向上、蒸留残渣比率の向上の点から、0.5以上、更に1.0以上、更に1.2以上、更に1.5以上とするのが好ましい。
グリセリンのモルに対する脂肪酸のモルの比[FA/GLY]は、以下の式(2)で表される。
FA/GLY=(遊離脂肪酸のモル+モノアシルグリセロールのモル+ジアシルグリセロールのモル×2+トリアシルグリセロールのモル×3)/(グリセリンのモル+モノアシルグリセロールのモル+ジアシルグリセロールのモル+トリアシルグリセロールのモル)・・・・(2)
エステル化反応の反応温度は、反応性の点から、20〜80℃、更に30〜70℃が好ましい。また、反応時間は、トリアシルグリセロールへの転移反応抑制の点、工業的な生産性の点から、10時間以内が好ましく、更に0.1〜8時間、更に0.5〜5時間が好ましい。
エステル化反応は、反応油のジアシルグリセロール含有量を高くする点から、反応生成水を反応系外に除去しながら行われることが好ましい。例えば、減圧;ゼオライト、モレキュラーシーブス等の吸収剤の利用;反応槽中への乾燥した不活性ガスの通気等の方法により、系外に除去されるのが好ましい。
エステル化反応は、通常、減圧下で行われる。
減圧下での圧力は、1〜10000Pa、更に10〜5000Pa、更に100〜3000Paが好ましい。
固定化酵素と原料(グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステル)の接触手段としては、浸漬、攪拌、固定化酵素を充填したカラムにポンプ等で通液する方法等が挙げられる。攪拌する場合、生産効率の点、酵素の破砕抑制の点から、10〜1000r/minが好ましく、更に50〜700r/min、更に100〜600r/minが好ましい。
〔脱離液を接触させる処理〕
本発明では、エステル化反応後、エステル化反応に使用した固定化酵素に対して、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]が10:1〜100:0である脱離液を接触させる処理を行う。エステル化反応後、エステル化反応油を回収しても、固定化酵素にエステル化反応油が付着して残っているところ、固定化酵素に所定の脱離液を接触させることで、固定化酵素に付着して残っているエステル化反応油と当該脱離液とが置換し、固定化酵素からエステル化反応油が除かれる。そのため、以降のエステル化反応に、固定化酵素に付着して残ったエステル化反応油において生成したトリアシルグリセロールが持ち越されることがなくなるため、ジアシルグリセロール純度が低下することを防ぐことができる。
本発明で用いられる脱離液は、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]が10:1〜100:0であるが、固定化酵素を再使用する際のエステル化の反応性の点から、14:1〜100:0、更に18:1〜100:0が好ましい。固定化酵素に付着したエステル化反応油との置換容易性、酵素活性維持の点から、脱離液は、反応温度で液体の脂肪酸が好ましく、原料油脂を加水分解して得られる脂肪酸やウインタリング等により脂肪酸組成を調整した脂肪酸がより好ましい。
脱離液の使用量は、ジアシルグリセロール純度高くする点から、固定化酵素の乾燥質量に対して100質量%以上、更に200質量%以上、更に300質量%以上、更に500質量%以上が好ましい。
本発明では、固定化酵素に対して脱離液を接触させる処理を行う前に、予め固定化酵素に対して窒素等の不活性ガスを供給する不活性ガスブローを行い、できるだけ固定化酵素におけるエステル化反応油の付着量を減らすのが好ましい。
脱離液と接触させる固定化酵素の乾燥質量比率は、エステル化反応油の付着量をできるだけ減らす点から、10質量%以上、更に20質量%以上、更に30質量%以上、更に40質量%以上が好ましい。
固定化酵素と脱離液の接触手段としては、脱離液への固定化酵素の浸漬、攪拌して脱離液を分離、固定化酵素を充填したカラムにポンプ等で脱離液を通液する方法等が挙げられる。
固定化酵素と脱離液の接触温度は、酵素の失活が起こらず、酵素特性に合わせればよく、加温せずに常温から反応温度の範囲が好ましい。
固定化酵素に脱離液を接触させる処理は、固定化酵素を使用してエステル化反応を行う前に行えばよい。
本発明者の研究によれば、固定化酵素に付着して残っているエステル化反応油における1,2−ジアシルグリセロールへの転移反応及びトリアシルグリセロールの生成反応は、エステル化反応終了後、急速に進行する。そのため、ジアシルグリセロール純度の低下を抑制する点、工業的生産性の点から、エステル化反応終了から60分以内に、固定化酵素に対して脱離液を接触させる処理を行うことが好ましい。ここで、エステル化反応終了から60分以内とは、エステル化反応終了時点(減圧から常圧へ圧力変更した時点)から、固定化酵素に脱離液を接触させるまでの時間である。エステル化反応終了から固定化酵素に脱離液を接触させるまでの時間は、50分以内が好ましく、更に40分以内、更に30分以内が好ましい。このように、エステル化反応終了後、速やかに固定化酵素に脱離液を接触させれば、固定化酵素から除かれるエステル化反応油はジアシルグリセロール純度が高く、ジアシルグリセロール高含有油脂として、また、処理に用いた脱離液の残液は以降のエステル化反応原料として利用できることからも望ましい。
処理後の固定化酵素は、以降のエステル化反応に再使用する。
[工程(B)]
工程(B)は、工程(A)で処理した固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させる工程である。
工程(A)においてエステル化反応油と置換して固定化酵素に付着した脱離液は、工程(B)で使用する脂肪酸又はその低級アルキルエステルの一部として用いられる。
工程(B)におけるエステル化反応の条件は、特に制限されないが、工程(A)と同じであることが好ましい。
本発明では、固定化酵素を使用してエステル化反応を行う工程(B)を、工程(A)におけるエステル化反応終了から、間隔を空けて、例えば2時間以上後、更に6時間以上後、更に12時間以上後、更に20時間以上後、更に24時間以上後に開始する場合に、本発明の効果がより有効に発揮される。
本発明においては、酵素を効率的に使用する点から、工程(B)の後に、再度エステル化反応に使用した固定化酵素に対して、上記所定の脱離液を接触させる処理を繰り返す工程を行うことが好ましい。所定の脱離液を接触させる処理を行った固定化酵素を、以降のエステル化反応に再使用する回数は、酵素活性によって相違するものの、1回以上、更に2回以上、更に5回以上、更に10回以上であるのが好ましい。
かくして、ジアシルグリセロール純度の高い油脂が高い収率で得られる。
本発明のジアシルグリセロール高含有油脂において、ジアシルグリセロールの純度は92質量%以上であることが好ましく、更に92.5〜99.5%、更に93〜99%、更に94〜98%であることが、生理効果、工業的生産性の点から好ましい。ここで、ジアシルグリセロール純度は、[ジアシルグリセロール/(ジアシルグリセロール+トリアシルグリセロール)×100]である。
また、本発明のジアシルグリセロール高含有油脂において、ジアシルグリセロール+トリアシルグリセロール含有量は、60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60〜99質量%、更に65〜98質量%、更に70〜97質量%であることが、生理効果、工業的生産性の点から好ましい。
エステル化反応により得られたジアシルグリセロール高含有油脂は、必要に応じて精製工程を行って、一般の食用油脂と同様に使用することができる。
以下の実施例において、「%」は「質量%」を意味する。
〔分析方法〕
(i)酸価(AV)の測定
日本油化学会編「基準油脂分析試験法2003年版」中の「酸価(2.3.1−1996)」に従って測定した。
(ii)遊離脂肪酸濃度の算出
以下の式(1)で、油脂を加水分解して得られる脂肪酸の遊離脂肪酸濃度を求めた。アマニ油の脂肪酸平均分子量は280とした。
遊離脂肪酸濃度(%)=加水分解油の酸価(AV)/アマニ油の脂肪酸平均分子量/56.1/10・・・・(1)
(iii)グリセリド組成の測定
「グリセリド組成」は、ガラス製サンプル瓶に、サンプル10mgとトリメチルシリル化剤(「シリル化剤TH」、関東化学製)0.5mLを加え、密栓した後、70℃で15分間加熱した。これに蒸留水1.0mL、ヘキサン2.0mLを加えて、混合後、ヘキサン層をガスクロマトグラフィー(GLC)に供して、グリセリド組成の分析を行った。
(iv)ジアシルグリセロール(DAG)収率及びジアシルグリセロール(DAG)純度の算出
反応中、経時的にサンプリングしてグリセリド組成を求めた。以下の式(3)、(4)で、DAG収率とDAG純度のグラフを作成し、DAG収率が70%のときのDAG純度を求めた。
ジアシルグリセロール(DAG)収率(%)
=ジアシルグリセロール+トリアシルグリセロール・・・・(3)
ジアシルグリセロール(DAG)純度(%)
=ジアシルグリセロール/ジアシルグリセロール収率×100・・・・(4)
(v)固定化酵素の乾燥質量比率の測定
油分及び水分の付着した固定化酵素a質量部に対し10質量倍のヘキサン及びアセトンで交互に各3回ずつ洗浄後、70℃で15時間放置することにより脱溶剤し、固定化酵素のみの質量を秤量した(b質量部)。以下の式(5)で、固定化酵素の乾燥質量比率を求めた。
固定化酵素の乾燥質量比率=b/a×100(%)・・・・(5)
(a:油分及び水分の付着した固定化酵素質量、b:固定化酵素質量)
〔脂肪酸の製造〕
40Lジャケット加温式攪拌槽に、脱色アマニ油20kg、蒸留水12kgを仕込み、温度40℃、100r/minで攪拌した。その後、リパーゼAY「アマノ」30SD(天野エンザイム製)を200g作用させて、加水分解反応を開始した。6時間後、攪拌を停止して静置分離を行い、水相を抜き出した。その後、100r/minで攪拌しながら、蒸留水12kgを仕込み、リパーゼAY「アマノ」30SD(天野エンザイム製)を200g作用させて、再度、加水分解反応を開始した。18時間後、全量を遠心分離して、油相を分離した。油相に対して蒸留水を60wt%加えて混合、遠心分離する操作を2回繰り返し、さらに70℃で減圧脱水して加水分解油を得た。これを脂肪酸として以下に用いた。脂肪酸の遊離脂肪酸濃度は94%、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]は38:1であった。
〔バッチ循環反応装置〕
特開2001−169795号公報記載のバッチ循環反応装置を用いた。バッチ循環反応装置は、直径42mm、高さ200mmの固定化酵素充填塔と3L脱水槽から構成される。脱水槽と固定化酵素充填塔の間にあるポンプ出口にサンプリングコックを取り付けた。固定化酵素充填塔に充填した固定化酵素は繰り返して反応に使用することができる。固定化酵素充填塔にLipozyme RM IM(ノボザイム製)を80g充填した。
〔反応1回目〕
原料の脂肪酸1355gとグリセリン217gを脱水槽に仕込み混合した。このときのグリセリンのモルに対する脂肪酸のモルの比[FA/GLY]は2であった。
脱水槽及び固定化酵素充填塔は温水によるジャケット加熱で原料を50℃に加温した。固定化酵素充填塔と脱水槽の循環ラインは50℃に保温を施した。その後、450mL/minの循環流量で固定化酵素充填塔と脱水槽の間を循環し、脱水槽内の真空度を400Paに調整してエステル化反応を開始した。30分ごとにサンプリングコックから抜き出した反応液を分析した。AV値が25以下になったところで反応を停止した。DAG収率70%到達までの時間は3.2時間、DAG収率70%時点のDAG純度は93.8%であった。
〔反応2回目〕
参考例
反応1回目が終了後、直ちに固定化酵素充填塔の上部から窒素ブローを行い、固定化酵素充填塔に残っている反応液を脱水槽に抜き出した。脱水槽に入っている反応液をサンプリングコックから全量抜き出した。
次いで、原料の脂肪酸1355gとグリセリン217gを脱水槽に仕込み混合し、脱水槽に入っている原料を50℃に加温した後、反応1回目と同じ循環流量、真空度でエステル化反応を開始した。エステル化反応終了から反応2回目開始までの時間は26分であった。
反応1回目と同じ頻度でサンプリング及び分析を行い、AV値が25以下になったところで反応を停止した。DAG収率70%到達までの時間は2.9時間、DAG収率70%時点のDAG純度は94.6%であった。
〔反応3回目〕
比較例1
反応2回目が終了後、直ちに固定化酵素充填塔の上部から窒素ブローを行い、固定化酵素充填塔に残っている反応液を脱水槽に抜き出した。脱水槽に入っている反応液をサンプリングコックから全量抜き出した。
エステル化反応終了から20時間後に、原料の脂肪酸1355gとグリセリン217gを脱水槽に仕込み混合し、脱水槽に入っている原料を50℃に加温した後、反応1回目と同じ循環流量、真空度でエステル化反応を開始した。
反応1回目と同じ頻度でサンプリング及び分析を行い、AV値が25以下になったところで反応を停止した。DAG収率70%到達までの時間は2.9時間、DAG収率70%時点のDAG純度は91.8%であった。
〔反応4回目〕
実施例1
反応3回目が終了後、直ちに固定化酵素充填塔の上部から窒素ブローを行い、固定化酵素充填塔に残っている反応液を脱水槽に抜き出した。脱水槽に入っている反応液をサンプリングコックから全量抜き出した。直ちに、脱離液として脂肪酸1355g(固定化酵素の乾燥質量に対して1693質量%)を、固定化酵素充填塔を経由して脱水槽に仕込み、固定化酵素に付着しているエステル化反応油を脂肪酸で置換する操作を行った。エステル化反応終了から脂肪酸仕込み終了までの時間は20分であった。
エステル化反応終了から20時間後に、グリセリン217gを脱水槽に仕込み、脂肪酸と混合し、脱水槽に入っている原料を50℃に加温した後、反応1回目と同じ循環流量、真空度でエステル化反応を開始した。
反応1回目と同じ頻度でサンプリング及び分析を行い、AV値が25以下になったところで反応を停止した。DAG収率70%到達までの時間は3.0時間、DAG収率70%時点のDAG純度は94.8%であった。
結果を表1に示す。
〔固定化酵素の乾燥質量比率及び固定化酵素に付着して残っている反応油量の測定〕
反応4回目が終了後、固定化酵素充填塔の上部から窒素ブローを行い、固定化酵素充填塔に残っている反応液を脱水槽に抜き出した。1日後、固定化酵素を洗浄して、固定化酵素の乾燥質量比率を求めたところ45質量%であった。すなわち、窒素ブロー後の固定化酵素には反応油が98g付着していることがわかった。固定化酵素に付着していた反応油のDAG純度は31.6%であった。
Figure 2019010014
これより明らかなように、固定化酵素を再使用する酵素エステル化反応において、固定化酵素に付着している反応油を所定の脱離液で置換することで、次の反応まで間隔が空いても、ジアシルグリセロール純度の高い反応油が収率よく得られることが確認された。

Claims (5)

  1. 次の工程(A)及び(B):
    (A)固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させた後、当該固定化酵素に対して、脂肪酸とグリセリンのモル比[FA:GLY]が10:1〜100:0である脱離液を接触させる処理を行う工程、
    (B)工程(A)で処理した固定化酵素を用いて、グリセリンと脂肪酸又はその低級アルキルエステルとをエステル化反応させる工程、を含む、ジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法。
  2. 脱離液を接触させる前に、固定化酵素に対して不活性ガスブローを行う工程を更に含む請求項1記載のジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法。
  3. 工程(A)において、固定化酵素の乾燥質量に対して100質量%以上の脱離液を接触させる請求項1又は2記載のジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法。
  4. 工程(A)において、エステル化反応終了から60分以内に固定化酵素に対して脱離液を接触させる請求項1〜3のいずれか1項記載のジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法。
  5. 固定化酵素が固定化1,3位選択リパーゼである請求項1〜4のいずれか1項記載のジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法。
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