JP2019010001A - 幹細胞の培養用培地、増殖促進剤及び培養方法、並びに幹細胞を含む細胞組成物及びその製造方法 - Google Patents

幹細胞の培養用培地、増殖促進剤及び培養方法、並びに幹細胞を含む細胞組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】幹細胞に対して優れた増殖促進活性を発揮する物質の提供。
【解決手段】bFGF断片ペプチド、FGFレセプター結合ペプチド、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド、bFGF結合タンパク断片ペプチド、又は、コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト及びプロスタグランジンレセプターアゴニストから選ばれる低分子化合物、並びにこれらを含む幹細胞培養用の培地等を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、幹細胞の培養用培地、増殖促進剤及び培養方法、並びに幹細胞を含む細胞組成物及びその製造方法に関する。より詳しくは、幹細胞に対して優れた増殖促進活性を発揮する物質を含む、幹細胞培養用の培地等に関する。
再生医療分野における課題の一つとして、目的の細胞をより効率的に増殖させることが求められている。幹細胞に対する有効な増殖因子の一つとして塩基性線維芽細胞増殖因子(以下bFGFと記載するが、fibroblast growth factor 2とも称する)が広く用いられている(非特許文献1)。一方で、bFGFは非常に高価であるため、幹細胞を大量に培養する場合には、培地に添加するbFGFのコストが問題となっている。
特開2003−137899号公報 特開2005−154338号公報 特開2009−209064号公報 特開2015−128431号公報 国際公開第2007/032029号 特開昭62−259598号公報
Stem Cells,2005,23,8,p.1200−1211 Proc.Natl.Acad.Sci.,1988,85,7,p.2324−2328
上述のとおり、bFGFは非常に高価であるため、その代替物質の開発が行われているが(例えば、特許文献1〜4)、幹細胞に対して十分な増殖促進機能を有する物質は得られていない。
そこで、本発明は、幹細胞に対して優れた増殖促進活性を発揮する物質を提供することを主な目的とする。
[bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド]
上記課題解決のため、本発明は、以下の[1]〜[28]を提供する。
[1] bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む、幹細胞培養用の培地。
[2] 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[1]の培地。
(A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[3] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[1]又は[2]の培地。
[4] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[1]〜[3]のいずれかの培地。
[5] 前記培地が無血清培地である、[1]〜[4]のいずれかの培地。
[6] bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む、幹細胞の増殖促進剤。
[7] 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[6]の増殖促進剤。
(A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[8] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[6]又は[7]の増殖促進剤。
[9] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[6]〜[8]のいずれかの増殖促進剤。
[10] bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する手順を含む、幹細胞の培養方法。
[11] 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[10]の培養方法。
(A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[12] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[10]又は[11]の培養方法。
[13] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[10]〜[12]のいずれかの培養方法。
[14] 前記培地が無血清培地である、[10]〜[13]のいずれかの培養方法。
[15] bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[16] 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[15]の製造方法。
(A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[17] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[15]又は[16]の製造方法。
[18] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[15]〜[17]のいずれかの製造方法。
[19] 前記培地が無血清培地である、[15]〜[18]のいずれかの製造方法。
[20] bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程と、幹細胞の分化を誘導する工程、とを含む、分化細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[21] 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[20]の製造方法。
(A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[22] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[20]又は[21]の製造方法。
[23] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[20]〜[22]のいずれかの製造方法。
[24] 前記培地が無血清培地である、[20]〜[23]のいずれかの製造方法。
[25] bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドと、幹細胞及び/又は幹細胞から誘導された分化細胞と、を含む細胞組成物。
[26] 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[25]の細胞組成物。
(A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[27] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[25]又は[26]の細胞組成物。
[28] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[25]〜[27]のいずれかの細胞組成物。
[bFGF断片ペプチド]
また、本発明は、以下の[29]〜[56]を提供する。
[29] bFGF断片ペプチドを含む、幹細胞培養用の培地。
[30] 前記bFGF断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[29]の培地。
(A)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[31] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[29]又は[30]の培地。
[32] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[29]〜[31]のいずれかの培地。
[33] 前記培地が無血清培地である、[29]〜[32]のいずれかの培地。
[34] bFGF断片ペプチドを含む、幹細胞の増殖促進剤。
[35] 前記bFGF断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[34]の増殖促進剤。
(A)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[36] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[34]又は[35]の増殖促進剤。
[37] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[34]〜[36]のいずれかの増殖促進剤。
[38] bFGF断片ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する手順を含む、幹細胞の培養方法。
[39] 前記bFGF断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[38]の培養方法。
(A)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[40] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[38]又は[39]の培養方法。
[41] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[38]〜[40]のいずれかの培養方法。
[42] 前記培地が無血清培地である、[38]〜[41]のいずれかの培養方法。
[43] bFGF断片ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[44] 前記bFGF断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[43]の製造方法。
(A)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[45] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[43]又は[44]の製造方法。
[46] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[43]〜[45]のいずれかの製造方法。
[47] 前記培地が無血清培地である、[43]〜[46]のいずれかの製造方法。
[48] bFGF断片ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程と、幹細胞の分化を誘導する工程、とを含む、分化細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[49] 前記bFGF断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[48]の製造方法。
(A)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[50] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[48]又は[49]の製造方法。
[51] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[48]〜[50]のいずれかの製造方法。
[52] 前記培地が無血清培地である、[48]〜[51]のいずれかの製造方法。
[53] bFGF断片ペプチドと、幹細胞及び/又は幹細胞から誘導された分化細胞と、を含む細胞組成物。
[54] bFGF断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[53]の細胞組成物。
(A)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[55] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[53]又は[54]の細胞組成物。
[56] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[53]〜[55]のいずれかの細胞組成物。
[FGFレセプター結合ペプチド]
さらに、本発明は、以下の[57]〜[84]を提供する。
[57] FGFレセプター結合ペプチドを含む、幹細胞培養用の培地。
[58] 前記FGFレセプター結合ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[57]の培地。
(A)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[59] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[57]又は[58]の培地。
[60] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[57]〜[59]のいずれかの培地。
[61] 前記培地が無血清培地である、[57]〜[60]のいずれかの培地。
[62] FGFレセプター結合ペプチドを含む、幹細胞の増殖促進剤。
[63] 前記FGFレセプター結合ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[62]の増殖促進剤。
(A)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[64] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[62]又は[63]の増殖促進剤。
[65] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[62]〜[64]のいずれかの増殖促進剤。
[66] FGFレセプター結合ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する手順を含む、幹細胞の培養方法。
[67] 前記FGFレセプター結合ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[66]の培養方法。
(A)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[68] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[66]又は[67]の培養方法。
[69] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[66]〜[68]のいずれかの培養方法。
[70] 前記培地が無血清培地である、[66]〜[69]のいずれかの培養方法。
[71] FGFレセプター結合ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[72] 前記FGFレセプター結合ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[71]の製造方法。
(A)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[73] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[71]又は[72]の製造方法。
[74] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[71]〜[73]のいずれかの製造方法。
[75] 前記培地が無血清培地である、[71]〜[74]のいずれかの製造方法。
[76] bFGFレセプター結合ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程と、幹細胞の分化を誘導する工程、とを含む、分化細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[77] 前記FGFレセプター結合ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[76]の製造方法。
(A)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[78] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[76]又は[77]のいずれかの製造方法。
[79] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[76]〜[78]のいずれかの製造方法。
[80] 前記培地が無血清培地である、[76]〜[79]のいずれかの製造方法。
[81] FGFレセプター結合ペプチドと、幹細胞及び/又は幹細胞から誘導された分化細胞と、を含む細胞組成物。
[82] 前記FGFレセプター結合ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[81]の細胞組成物。
(A)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[83] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[81]又は[82]の細胞組成物。
[84] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[81]〜[83]のいずれかの細胞組成物。
[bFGF結合タンパク断片ペプチド]
本発明は、以下の[85]〜[112]をも提供する。
[85] bFGF結合タンパク断片ペプチドを含む、幹細胞培養用の培地。
[86] 前記bFGF結合タンパク断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[85]の培地。
(A)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[87] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[85]又は[86]の培地。
[88] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[85]〜[87]のいずれかの培地。
[89] 前記培地が無血清培地である、[85]〜[88]のいずれかの培地。
[90] bFGF結合タンパク断片ペプチドを含む、幹細胞の増殖促進剤。
[91] 前記bFGF結合タンパク断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[90]の増殖促進剤。
(A)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[92] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[90]又は[91]の増殖促進剤。
[93] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[90]〜[92]のいずれかの増殖促進剤。
[94] bFGF結合タンパク断片ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する手順を含む、幹細胞の培養方法。
[95] 前記bFGF結合タンパク断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[94]の培養方法。
(A)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[96] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[94]又は[95]の培養方法。
[97] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[94]〜[96]のいずれかの培養方法。
[98] 前記培地が無血清培地である、[94]〜[97]のいずれかの培養方法。
[99] bFGF結合タンパク断片ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[100] 前記bFGF結合タンパク断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[99]の製造方法。
(A)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[101] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[99]又は[100]の製造方法。
[102] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[99]〜[101]のいずれかの製造方法。
[103] 前記培地が無血清培地である、[99]〜[102]のいずれかの製造方法。
[104] bFGF結合タンパク断片ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程と、幹細胞の分化を誘導する工程、とを含む、分化細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[105] 前記bFGF結合タンパク断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[104]の製造方法。
(A)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[106] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[104]又は[105]の製造方法。
[107] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[104]〜[106]のいずれかの製造方法。
[108] 前記培地が無血清培地である、[104]〜[107]のいずれかの製造方法。
[109] bFGF結合タンパク断片ペプチドと、幹細胞及び/又は幹細胞から誘導された分化細胞と、を含む細胞組成物。
[110] 前記bFGF結合タンパク断片ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、[109]の細胞組成物。
(A)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むペプチド。
(B)配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
[111] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[109]又は[110]の細胞組成物。
[112] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[109]〜[111]のいずれかの細胞組成物。
[低分子化合物]
併せて、本発明は、以下の[113]〜[140]を提供する。
[113] コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、及びプロスタグランジンレセプターアゴニストからなる群より選ばれる1以上の低分子化合物を含む、幹細胞培養用の培地。
[114] 前記低分子化合物が、Epiboxidine hydrochlorideからなる、[113]の培地。
[115] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[113]又は[114]の培地。
[116] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[113]〜[115]のいずれかの培地。
[117] 前記培地が無血清培地である、[113]〜[116]のいずれかの培地。
[118] コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、及びプロスタグランジンレセプターアゴニストからなる群より選ばれる1以上の低分子化合物を含む、幹細胞の増殖促進剤。
[119] 前記低分子化合物が、Epiboxidine hydrochlorideからなる、[118]の増殖促進剤。
[120] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[118]又は[119]の増殖促進剤。
[121] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[118]〜[120]のいずれかの増殖促進剤。
[122] コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、及びプロスタグランジンレセプターアゴニストからなる群より選ばれる1以上の低分子化合物を含む培地で幹細胞を培養する手順を含む、幹細胞の培養方法。
[123] 前記低分子化合物が、Epiboxidine hydrochlorideからなる、[122]の培養方法。
[124] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[122]又は[123]の培養方法。
[125] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[122]〜[124]のいずれかの培養方法。
[126] 前記培地が無血清培地である、[122]〜[125]のいずれかの培養方法。
[127] コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、及びプロスタグランジンレセプターアゴニストからなる群より選ばれる1以上の低分子化合物を含む培地で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[128] 前記低分子化合物が、Epiboxidine hydrochlorideからなる、[127]の製造方法。
[129] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[127]又は[128]の製造方法。
[130] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[127]〜[129]のいずれかの製造方法。
[131] 前記培地が無血清培地である、[127]〜[130]のいずれかの製造方法。
[132] コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、及びプロスタグランジンレセプターアゴニストからなる群より選ばれる1以上の低分子化合物を含む培地で幹細胞を培養する工程と、幹細胞の分化を誘導する工程、とを含む、分化細胞を含む細胞組成物の製造方法。
[133] 前記低分子化合物が、Epiboxidine hydrochlorideからなる、[132]の製造方法。
[134] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[132]又は[133]の製造方法。
[135] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[132]〜[134]のいずれかの製造方法。
[136] 前記培地が無血清培地である、[132]〜[135]のいずれかの製造方法。
[137] コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、及びプロスタグランジンレセプターアゴニストからなる群より選ばれる1以上の低分子化合物と、幹細胞及び/又は幹細胞から誘導された分化細胞と、を含む細胞組成物。
[138] 前記低分子化合物が、Epiboxidine hydrochlorideからなる、[137]の細胞組成物。
[139] 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、[137]又は[138]の細胞組成物。
[140] 前記幹細胞が、ヒト由来である、[137]〜[139]のいずれかの細胞組成物。
本発明において、「bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド」は、bFGFのヘパリン結合領域を含有するヒトbFGF全長ペプチド(GenBankアクセッションナンバー:NP_001997)やマウスbFGF全長ペプチド(GenBankアクセッションナンバー:NP_032032)等のbFGFの部分ペプチドを意味する。
「bFGF断片ペプチド」は、bFGFのヘパリン結合領域を含まない、bFGFの部分ペプチドを意味する。
また、「FGFレセプター結合ペプチド」は、FGFレセプターへ結合するペプチドであって、bFGFに由来しないアミノ酸配列を有するペプチドを意味する。
「bFGF結合タンパク断片ペプチド」は、bFGFと結合してbFGF複合体タンパク質を形成し、bFGFのbFGFレセプターへの結合親和性を高める機能を有するタンパク質(bFGF結合タンパク質)の部分ペプチドを意味する。
本発明において、「幹細胞の増殖を促進する活性」とは、ある物質について、当該物質の存在下で培養される幹細胞の生存及び増殖が、当該物質の非存在下で培養される幹細胞の生存及び増殖に比して促進されることを意味する。具体的には、当該物質の存在下で一定期間培養した後の幹細胞数が、当該物質の非存在下で同期間培養した後の幹細胞数に比べて、5%以上、10%以上又は20%以上、好ましくは30%以上、40%以上、50%以上、より好ましくは60%以上、70%以上又は80%以上、さらに好ましくは90%以上、100%以上又はそれ以上増加することを意味する。
本発明により、幹細胞に対して優れた増殖促進活性を発揮する物質が提供される。
bFGF代替物の候補物質の細胞増殖促進活性を評価した結果を示す図である。縦軸は、陰性コントロール(図中「Control」)の平均値を1とした細胞数の相対値を示す。 bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドのiPS細胞増殖促進活性を評価した結果を示す図である(実施例1)。縦軸は、コントロールの平均値を1とした細胞数の相対値を示す(*:P<0.05,n=3)。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
1.bFGF代替物
本発明に係る幹細胞培養用の培地は、幹細胞の増殖を促進することを目的として、従来用いられているbFGFに替わる物質(以下「bFGF代替物」と称する)を含有することを特徴とする。ただし、「bFGF代替物」との用語は、bFGFに代替的に用いることが可能であることを意味するものであり、bFGF代替物がbFGFとともに用いられることを排除する趣旨ではない。すなわち、bFGF代替物は、bFGFとともに用いることも可能である。幹細胞に対して優れた増殖促進活性を発揮するbFGF代替物としては、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド、bFGF断片ペプチド、FGFレセプター結合ペプチド、bFGF結合タンパク断片ペプチド、又は特定の低分子化合物が挙げられる。これらのbFGF代替物は、幹細胞に対し、優れた増殖促進活性を発揮し、増殖促進剤として機能し得る。以下、これらのbFGF代替物について順に説明する。
(1)bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
「bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド」は、bFGFのヘパリン結合領域を含有する、bFGFの部分ペプチドを意味する。bFGFは、ヘパラン硫酸と強く結合するドメイン(ヘパリン結合領域)を有することが知られており、マウスbFGF(GenBankアクセッションナンバー:NP_032032)のN末端から166〜210番目のアミノ酸の部位及び235〜262番目のアミノ酸の部位が当該ドメインに相当する(非特許文献2)。
幹細胞自身から分泌されるbFGFや培地中に添加されたbFGFがヘパリン硫酸に吸着すると、bFGFの幹細胞に対する増殖促進機能が阻害されるおそれがある。bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドは、幹細胞自身から分泌されるbFGFや培地中に添加されたbFGFがヘパリン硫酸に吸着するのを競合的に阻害することよって、幹細胞の生存及び増殖を促進している可能性が考えられる。
bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドの由来種は、幹細胞増殖促進活性を有する限り特に限定されず、ヒトの他、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジー等の霊長類であってよい。
bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドの長さは、アミノ酸残基数で、好ましくは9〜19であるが、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、9以下又は19以上であってもよく、例えば4〜9又は19〜50程度であってよい。bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドは、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、アミノ酸残基の側鎖及び/又はアミノ末端及び/又はカルボキシ末端に従来公知の修飾基や保護基を有していてもよい。
bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドの具体例としては、例えば、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドが挙げられる。
(A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド、好ましくは配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチド。
(B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド、好ましくは配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
上記(A)及び(B)に関し、特に好ましいbFGFヘパリン結合領域含有ペプチドは、マウスbFGFのmature体のN末端から106〜115番目のアミノ酸配列「YRSRKYSSWY」(配列番号1)からなるペプチドが挙げられる。配列番号1に示されるアミノの酸配列からなるペプチドは、FGF拮抗物質(特許文献6)として報告されており、これを用いた皮膚のシワ低減方法(特許文献5)が提案されているが、当該ペプチドが幹細胞の増殖を促進することはこれまで知られていない。
上記(B)に関し、欠失、置換、挿入又は付加されるアミノ酸数は、10個以下、好ましくは7個以下、より好ましくは5個以下、最も好ましくは1又は2個である。
「1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」とは、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異ポリペプチド作製法により欠失、置換、挿入又は付加できる程度の数(好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下、最も好ましくは1又は2個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を意味する。
タンパク質のアミノ酸配列中のいくつかのアミノ酸が、当該タンパク質の構造又は機能に有意に影響することなく容易に改変され得ることは、当該分野において周知である。さらに、天然に存在するタンパク質において、当該タンパク質の構造又は機能を有意に変化させない多型(ポリモルフィズム)が存在することもまた周知である。従って、「1または数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」には、公知の変異ポリペプチド作製法により人為的に変異を導入して得られる改変配列に加えて、天然に存在する多型配列も含まれる。
(2)bFGF断片ペプチド
「bFGF断片ペプチド」は、bFGFのヘパリン結合領域を含まない、bFGFの部分ペプチドを意味する。
bFGF断片ペプチドの由来種は、幹細胞増殖促進活性を有する限り特に限定されず、ヒトの他、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジー等の霊長類であってよい。
bFGF断片ペプチドの長さは、アミノ酸残基数で、好ましくは15〜25であるが、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、15以下又は25以上であってもよく、例えば9〜15又は25〜50程度であってよい。bFGF断片ペプチドは、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、アミノ酸残基の側鎖及び/又はアミノ末端及び/又はカルボキシ末端に従来公知の修飾基や保護基を有していてもよい。
bFGF断片ペプチドの具体例としては、例えば、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドが挙げられる。
(A)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド、好ましくは配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチド。
(B)配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド、好ましくは配列番号2,5,16に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
上記(B)に関し、欠失、置換、挿入又は付加されるアミノ酸数は、10個以下、好ましくは5個以下、より好ましくは3個以下、最も好ましくは1又は2個である。
「1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」とは、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異ポリペプチド作製法により欠失、置換、挿入又は付加できる程度の数(好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下、最も好ましくは1又は2個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を意味する。
タンパク質のアミノ酸配列中のいくつかのアミノ酸が、当該タンパク質の構造又は機能に有意に影響することなく容易に改変され得ることは、当該分野において周知である。さらに、天然に存在するタンパク質において、当該タンパク質の構造又は機能を有意に変化させない多型(ポリモルフィズム)が存在することもまた周知である。従って、「1または数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」には、公知の変異ポリペプチド作製法により人為的に変異を導入して得られる改変配列に加えて、天然に存在する多型配列も含まれる。
(3)FGFレセプター結合ペプチド
「FGFレセプター結合ペプチド」は、FGFレセプターへ結合するペプチドであって、bFGFに由来しないアミノ酸配列を有するペプチドを意味する。
FGFレセプター結合ペプチドは、幹細胞増殖促進活性を有する限り特に限定されず、ヒトのFGFレセプターに結合するものの他、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジー等の霊長類などのFGFレセプターに結合するものであってよい。
bFGF断片ペプチドの長さは、アミノ酸残基数で、好ましくは14〜29であるが、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、14以下又は29以上であってもよく、例えば9〜14又は29〜105程度であってよい。bFGF断片ペプチドは、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、アミノ酸残基の側鎖及び/又はアミノ末端及び/又はカルボキシ末端に従来公知の修飾基や保護基を有していてもよい。
bFGF断片ペプチドの具体例としては、例えば、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドが挙げられる。
(A)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド、好ましくは配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチド。
(B)配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド、好ましくは配列番号11〜14に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
上記(B)に関し、欠失、置換、挿入又は付加されるアミノ酸数は、10個以下、好ましくは5個以下、より好ましくは3個以下、最も好ましくは1又は2個である。
「1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」とは、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異ポリペプチド作製法により欠失、置換、挿入又は付加できる程度の数(好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下、最も好ましくは1又は2個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を意味する。
タンパク質のアミノ酸配列中のいくつかのアミノ酸が、当該タンパク質の構造又は機能に有意に影響することなく容易に改変され得ることは、当該分野において周知である。さらに、天然に存在するタンパク質において、当該タンパク質の構造又は機能を有意に変化させない多型(ポリモルフィズム)が存在することもまた周知である。従って、「1または数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」には、公知の変異ポリペプチド作製法により人為的に変異を導入して得られる改変配列に加えて、天然に存在する多型配列も含まれる。
(4)bFGF結合タンパク断片ペプチド
「bFGF結合タンパク断片ペプチド」は、bFGFと結合してbFGF複合体タンパク質を形成し、bFGFのbFGFレセプターへの結合親和性を高める機能を有するタンパク質(bFGF結合タンパク質)の部分ペプチドを意味する。
bFGF結合タンパク断片ペプチドの由来種は、幹細胞増殖促進活性を有する限り特に限定されず、ヒトの他、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジー等の霊長類であってよい。
bFGF結合タンパク断片ペプチドの長さは、アミノ酸残基数で、好ましくは41〜43であるが、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、41以下又は43以上であってもよく、例えば34〜41又は43〜50程度であってよい。bFGF結合タンパク断片ペプチドは、幹細胞増殖促進活性が維持される限りにおいて、アミノ酸残基の側鎖及び/又はアミノ末端及び/又はカルボキシ末端に従来公知の修飾基や保護基を有していてもよい。
bFGF結合タンパク質の具体例としては、例えばFGF−BP1タンパク質が挙げられ、bFGF結合タンパク断片ペプチドの具体例としては、例えばヒトFGF−BP1タンパク質の部分ペプチドに由来する以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドが挙げられる。
(A)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むペプチド、好ましくは配列番号15に示されるアミノ酸配列からなるペプチド。
(B)配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド、好ましくは配列番号15に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列からなり、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
(C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
上記(B)に関し、欠失、置換、挿入又は付加されるアミノ酸数は、10個以下、好ましくは5個以下、より好ましくは3個以下、最も好ましくは1又は2個である。
「1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」とは、部位特異的突然変異誘発法等の公知の変異ポリペプチド作製法により欠失、置換、挿入又は付加できる程度の数(好ましくは10個以下、より好ましくは7個以下、さらに好ましくは5個以下、最も好ましくは1又は2個)のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を意味する。
タンパク質のアミノ酸配列中のいくつかのアミノ酸が、当該タンパク質の構造又は機能に有意に影響することなく容易に改変され得ることは、当該分野において周知である。さらに、天然に存在するタンパク質において、当該タンパク質の構造又は機能を有意に変化させない多型(ポリモルフィズム)が存在することもまた周知である。従って、「1または数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列」には、公知の変異ポリペプチド作製法により人為的に変異を導入して得られる改変配列に加えて、天然に存在する多型配列も含まれる。
以上に説明した各ペプチドは、従来公知の化学的手法又は遺伝子工学的手法により調製することができる。
化学的合成方法としては、例えば、アジド法、酸クロライド法、酸無水物法、混合酸無水物法、ジクロロメタン法、活性エステル法、カルボイミダゾール法又は酸化還元法等が挙げられる。合成方法は、固相合成法および液相合成法のいずれをも適用することができ、自動ペプチド合成機が用いられてもよい。
ペプチドへの修飾基又は保護基の結合も従来公知の手法によって行えばよく、ペプチド合成後に化学修飾等する方法、化学修飾等されたアミノ酸を用いてペプチド合成する方法、ペプチド合成の最終脱保護の反応条件を適当に選ぶ方法等を適用できる。
遺伝子工学的手法としては、従来公知の手法により、ペプチドをコードするDNAを適当な発現ベクターのプロモーターの下流に挿入して組換えベクターを作製し、該組換えベクターを適当な宿主細胞に導入し発現させることにより製造できる。
ペプチドの精製も、従来公知の手法によって行うことができ、例えば、溶媒抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー又は再結晶等を必要に応じて組み合わせて行なうことができる。
(5)低分子化合物
低分子化合物としては、コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、及びプロスタグランジンレセプターアゴニストからなる群より選ばれる1以上の化合物が挙げられる。
コリンエステラーゼ阻害剤としては、例えばEthopropazine hydrochloride等が挙げられる。
フェノチアジン誘導体としては、例えばAcepromazine maleate、Benzoyl leuco methylene blue、Chlorpromazine hydrochloride、Mesoridazine benzenesulfonate、Perphenazine、Promazine hydrochroride、Promethazine hydrochloride等が挙げられる。
ステロイドとしては例えば、Dexamethasone等が挙げられる。
アセチルコリンレセプターアゴニストとしては、例えばEpiboxidine hydrochloride等が挙げられる。
プロスタグランジンレセプターアゴニストとしては、例えばFluprostenol等が挙げられる。
これらの低分子化合物のなかで、アセチルコリンレセプターアゴニストが好ましく、特にEpiboxidine hydrochlorideが好ましい。
(6)bFGF代替物のスクリーニング方法
マウス胎児線維芽細胞は、細胞膜表面にFGFR1を発現している。FGFR1はbFGFの結合により活性化されることが知られており、上記細胞はbFGF組換えタンパク質の活性を評価するためのアッセイ系に用いられている(Cancer Res., 1988, Aug 1,48(15),p.4266−71)。bFGF代替物のスクリーニング評価においても同アッセイ系を用いることができる。マウス胎児線維芽細胞としては、例えばBALB/3T3 clone A31などが公知である。
2.幹細胞培養用の培地
[基礎培地]
本発明に係る幹細胞培養用の培地の組成は、上記のbFGF代替物を含有する点を除いて、従来幹細胞培養に用いられている培地と同様であってよい。すなわち、本発明に係る培地は、動物組織に由来する細胞の培養に従来用いられている基礎培地にbFGF代替物を添加することにより調製できる。基礎培地として具体的には以下を挙げることができる。
RPMI-1640培地、EagleのMEM培地、ダルベッコ改変MEM培地、Glasgow’s MEM培地、α-MEM培地、199培地、IMDM培地、DMEM培地、Hybridoma Serum free培地、Chemically Defined Hybridoma Serum Free培地(インビトロジェン社)、Ham’s Medium F-12、Ham’s Medium F-10、 Ham’s Medium F12K、ATCC-CRCM30、DM-160、DM-201、BME、Fischer、McCoy’s 5A、Leibovitz’s L-15、RITC80-7、MCDB105、MCDB107、MCDB131、MCDB153、MCDB201、NCTC109、NCTC135、Waymouth’s MB752/1、CMRL-1066、Williams’ medium E、Brinster’s BMOC-3 Medium、Essential8 Medium(以上サーモフィッシャーサイエンティフィック社)、mTeSR1(ステムセルテクノロジーズ社)、TeSR−E8 medium(ステムセルテクノロジーズ社)、StemSure(和光純薬社)、mESF培地(和光純薬社)、StemFit(味の素社)、S−medium(DSファーマ社)、ReproXF(リプロセル社)、PSGro-free Human iPSC/ESC Growth Medium(StemRD社)、hPSC Growth Medium(タカラバイオ社)、ReproFF2(リプロセル社)、EX-CELL 302培地(SAFC社)、EX-CELL-CD-CHO(SAFC社)又はSTEMdiff APEL Medium(ステムセルテクノロジーズ社)など及びこれらの混合物。
[bFGF代替物の添加]
bFGF代替物は単独で培地に添加されてもよく、複数を組み合せて培地に添加されてもよい。また、bFGF代替物は、bFGFに加えて添加されてもよい。bFGF代替物の添加濃度は、幹細胞増殖促進活性を示す限り特に限定されないが、例えば1〜500μM、好ましくは5〜250μM、より好ましくは10〜200μMである。
bFGF代替物としてbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド、bFGF断片ペプチド、あるいはbFGF結合タンパク断片ペプチドを用いる場合、当該ペプチドの由来種は、培養する幹細胞の由来種に応じて適宜選択することができ、好ましくは培養する幹細胞と同じ種とされる。例えば、ヒト由来の細胞を培養する場合は、ヒト由来のbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド等を用いるのが好ましい。また、FGFレセプター結合ペプチドは、培養する幹細胞の由来種に応じて、その種のFGFレセプターに結合するペプチドを適宜選択すればよい。
[bFGF代替物以外の添加物]
培地には、細胞の生存又は増殖に必要な生理活性物質及び/又は栄養因子等を添加できる。これらの添加物は、培地に予め添加されていてもよく、細胞培養中に添加されてもよい。培養中に添加する方法は、1溶液または2種以上の混合溶液などいかなる形態によってもよく、連続的または断続的な添加であってもよい。
生理活性物質としては、インシュリン、IGF−1、トランスフェリン、アルブミンまたは補酵素Q10などが挙げられる。
栄養因子としては、糖、アミノ酸、ビタミン、加水分解物または脂質などが挙げられる。
糖としては、グルコース、マンノースまたはフルクトースなどの中性糖、シアル酸などの酸性糖、アミノ糖又は糖アルコールなどが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
アミノ酸としては、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、グリシン、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−バリンなどが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
ビタミンとしては、d−ビオチン、D−パントテン酸、コリン、葉酸、myo−イノシトール、ナイアシンアミド、ピロドキサール、リボフラビン、チアミン、シアノコバラミンまたはDL−α―トコフェロールなどが挙げられ、1種または2種以上を組み合わせて用いられる。
加水分解物としては、大豆、小麦、米、えんどう豆、とうもろこし、綿実、酵母抽出物などを加水分解したものが挙げられる。
脂質としては、コレステロール、リノール酸またはリノレイン酸などが挙げられる。
さらに、培地には、カナマイシン、ストレプトマイシン、ペニシリン又はハイグロマイシンなどの抗生物質を必要に応じて添加してもよい。シアル酸等の酸性物質を培地に添加する場合には、培地のpHを細胞の成育に適した中性域であるpH5〜9、好ましくはpH6〜8に調整することが望ましい。
[血清等の添加]
本発明に係る培地は、血清含培地であっても無血清培地であってもよい。異種動物由来成分の混入防止の観点からは血清を含有しないか、培養される幹細胞と同種動物由来の血清が用いられることが好ましい。
ここで、無血清培地とは、無調整又は未精製の血清を含まない培地を意味する。無血清培地は、精製された血液由来成分や増殖因子などの動物組織由来成分や遺伝子組換え技術により生産されたタンパク質、もしくは、合成されたペプチドを含有していてもよい。
本発明に係る培地は、血清と同様に、血清代替物を含んでいても含んでいなくともよい。血清代替物としては、例えば、アルブミン、脂質リッチアルブミン及び組換えアルブミン等のアルブミン代替物、植物デンプン、デキストラン、タンパク質加水分解物、トランスフェリン又は他の鉄輸送体、脂肪酸、インスリン、コラーゲン前駆体、微量元素、2-メルカプトエタノール、3’−チオグリセロールあるいはこれらの均等物などが挙げられる。
血清代替物の具体例としては、例えば、国際公開第98/30679号記載の方法により調製されるものや、市販のknockout Serum Replacement(KSR社)、Chemically-defined Lipid concentrated(Life Technologies社)及びGlutamax(Life Technologies社)などが挙げられる。
3.幹細胞の培養方法等
[幹細胞]
本発明が対象とする「幹細胞」は、自己複成能及び分化増殖能を有する未熟な細胞をいい、分化能力に応じて、多能性幹細胞(pluripotent stem cell)、複能性幹細胞(multipotent stem cell)、単能性幹細胞(unipotent stem cell)等が含まれる。「幹細胞」は、一般に、未分化状態を保持したまま増殖できる「自己再生能」と、三胚葉系列すべてに分化できる「分化多能性」とを有する未分化細胞と定義されている。
多能性幹細胞とは、生体を構成する全ての組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。
複能性幹細胞とは、全ての種類ではないが、複数種の組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。
単能性幹細胞とは、特定の組織や細胞へ分化し得る能力を有する細胞を意味する。
幹細胞の由来種も特に限定されず、例えば、ラット、マウス、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、ヒト、サル、アカゲザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジー等の霊長類などの細胞であってもよい。
幹細胞の具体例としては、筋芽細胞、血管内皮細胞、骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、心筋細胞、軟骨細胞等へ分化する間葉系幹細胞、ニューロンやグリア細胞へ分化する神経幹細胞、白血球、赤血球、血小板、肥満細胞、樹状細胞等へ分化する造血幹細胞又は骨髄幹細胞、スフェロイド状態から胚様体(EB体)と呼ばれる擬似的な胚の形成を経て様々な組織への分化・誘導のステップに進むことが知られている胚性幹細胞(Embryonic stem cell:ES細胞)や誘導性多能性幹細胞(induced pluripotent cell:iPS細胞)、始原生殖細胞に由来する胚性生殖(EG)細胞、精巣組織からのGS細胞の樹立培養過程で単離されるmultipotent germline stem(mGS)細胞、骨髄から単離されるmultipotent adult progenitor cell(MAPC)等の多能性幹細胞などが挙げられる。
多能性幹細胞としては、特に、上述のES細胞またはiPS細胞を挙げることができる。体細胞の核を核移植することによって作製された初期胚を培養することによって樹立した幹細胞も、多能性幹細胞としてまた好ましい(Nature,1997,385,p.810、Science,1998,280,p.1256、Nature Biotechnology,1999,17,p.456、Nature,1998,394,p.369、Nature Genetics,1999,22,p.127、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1999,96,p.14984、Nature Genetics,2000,24,p.109)。
ヒトES細胞株は、例えばWA01(H1)およびWA09(H9)は、WiCell Reserch Instituteから、KhES−1、KhES−2及びKhES−3は、京都大学再生医科学研究所(京都、日本)から入手可能である。
iPS細胞としては、例えば、皮膚細胞等の体細胞に複数の遺伝子(初期化因子)を導入して得られる、ES細胞同様の多分化能を獲得した細胞が挙げられる。例えばOct3/4遺伝子、Klf4遺伝子、C-Myc遺伝子及びSox2遺伝子を導入することによって得られるiPS細胞、Oct3/4遺伝子、Klf4遺伝子及びSox2遺伝子を導入することによって得られるiPS細胞(Nature Biotechnology,2008,26,p.101-106)等が挙げられる。初期化因子に含まれる遺伝子として、例えば、Oct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c-Myc、N-Myc、L-Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15-2、Tcl1、beta-catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3またはGlis1等が例示され、これらの初期化因子は、単独で用いても良く、組み合わせて用いても良い。初期化因子の組み合わせとしては、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO 2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO 2010/111409、WO 2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Nat. Biotechnol., 2008,26,p.795−797、Cell Stem Cell, 2008,2,p.525−528、Stem Cells. 2008,26,p.2467−2474、Nat Biotechnol. 2008,26,p.1269−1275、Cell Stem Cell, 2008,3, p.568−574、Cell Stem Cell, 2008,3,p.475−479、Cell Stem Cell, 2008,3, p.132−135、Nat Cell Biol.,2009,11,p.197−203、Nat. Biotech., 2009,27,p.459−461、Proc Natl Acad Sci U S A.,2009,106,p.8912−8917、Nature,2009,461,p.643−649、Cell Stem Cell,2009, 5,p.491−503、Cell Stem Cell,2010,6,p.167−74、Nature,2010,463,p.1096−100、Stem Cells,2010,28,p.713−720、Nature,2011,474,p.225−9に記載の組み合わせが例示される。iPS細胞は、所定の機関(理研バイオリソースセンター、京都大学など)より入手可能である。
複能性幹細胞としては、特に、間葉系幹細胞、造血系幹細胞、神経系幹細胞、骨髄幹細胞及び生殖幹細胞等の体性幹細胞等が挙げられる。複能性幹細胞は、好ましくは間葉系幹細胞である。なお、間葉系幹細胞とは、骨芽細胞、軟骨芽細胞及び脂肪芽細胞等の間葉系の細胞全て又はいくつかへの分化が可能な幹細胞又はその前駆細胞の集団を広義に意味する。間葉系幹細胞としてより具体例には、ヒト骨髄由来間葉系幹細胞(hMSC−BM,Takara)、ヒト臍帯マトリックス由来間葉系幹細胞(hMSC−UC,Takara)、ヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞(hMSC−AT,Takara) などを挙げることができる。
本発明に係る培地は、いずれの幹細胞の増殖にも好適に使用することができるが、好ましくは、間葉系幹細胞、ES細胞又はiPS細胞の培養に、より好ましくはiPS細胞の培養に、特に好ましくはヒトiPS細胞の培養に使用することができる。ヒトiPS細胞としてより具体的には253G1株(理研セルバンクNo. HPS0002)、201B7株(理研セルバンクNo. HPS0063)、409B2株(理研セルバンクNo. HPS0076)、454E2株(理研セルバンクNo. HPS0077)、HiPS-RIKEN-1A株(理研セルバンクNo. HPS0003)、HiPS-RIKEN-2A株(理研セルバンク No. HPS0009)、HiPS-RIKEN-12A株(理研セルバンク No. HPS0029)、Nips-B2株(理研セルバンクNo. HPS0223)などを挙げることができる。
[培養方法]
本発明に係る幹細胞の培養方法は、bFGF代替物を含む培地で幹細胞を培養する手順を含むことを特徴とする。具体的には、本発明に係る培養方法では、上述のbFGF断片ペプチド、FGFレセプター結合ペプチド、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド、bFGF結合タンパク断片ペプチド及び低分子化合物のいずれか一以上の存在下で、幹細胞をバッチ培養(Bach Culture)、流加培養(Fed−Bach Culture)、連続培養(Continuous Culture)又は灌流培養(Perfusion Culture)等により培養する。
バッチ培養は、培養中の培養槽にbFGF代替物を含む培地を補給せずに培養する方法である。
流加培養は、培養中の培養槽にbFGF代替物を含む培地を補給しながら培養する方法である。
連続培養は、培養中の培養槽からbFGF代替物を含む培地の一部を引き抜き、引き抜き量相当分の培地を補給しながら培養する方法である。
灌流培養は、培養中の培養槽から液分のみを引き抜き、引き抜き量相当分のbFGF代替物を含む培地を補給しながら培養する方法である。
これらいずれの培養方法においても、bFGF代替物の作用によって、幹細胞の生存と増殖を促進することができる。すなわち、本発明において、bFGF断片ペプチド、FGFレセプター結合ペプチド、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド、bFGF結合タンパク断片ペプチド、並びに、コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト及びプロスタグランジンレセプターアゴニストから選ばれる低分子化合物は、幹細胞の増殖促進剤として機能し得るものである。
本発明に係る培養方法に用いられる培養器は、特に限定されないが、フラスコ、ディッシュ、シャーレ、マイクロウエルプレート、マイクロスライド、チャンバースライド、チューブ、トレイ、培養バック又はタンクなどの培養槽などが挙げられる。これらの培養器の基材も、特に限定されず、ガラスや、ポリプロピレン及びポリスチレンなどの各種プラスチック、ステンレスなどの金属又はそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明に係る幹細胞の培養方法としては、培養器の基材表面への足場依存性細胞の接着を誘導するため、基材表面にコラーゲン、ゼラチン、ポリ-L-リジン、ポリ-D-リジン、ラミニン、ラミニンの一部構造体、フィブロネクチン及びこれら混合物(例えばマトリゲル)並びに溶解細胞膜調製物(Lancet,2005,365,p1636-1641)などの足場をコーティングする接着培養や、メチルセルロースなどの高分子ポリマー(Stem Cell Reports,2014,2,5,734−745)、MFG−E8(Milk fat globule−EGF factor 8)又は該タンパク質の断片を用いた上記足場が不要な浮遊培養が挙げられる。
培養される幹細胞は、分散細胞又は非分散細胞であり得る。分散細胞とは、細胞分散を促進するために処理された細胞をいう。分散細胞としては、例えば、2〜50個、2〜20個、又は2〜10個の細胞からなる小さな細胞塊を形成している細胞が挙げられる。分散細胞は、浮遊(懸濁)細胞又は接着細胞であり得る。
幹細胞の培養密度は、細胞の生存及び増殖を促進する効果を達成し得るような密度である限り特に限定されない。培養密度は、例えば1.0×101〜1.0×107細胞/ml、好ましくは1.0×102〜1.0×107細胞/ml、より好ましくは1.0×103〜1.0×107細胞/ml、さらに好ましくは3.0×104〜1.0×107細胞/mlである。
温度、溶存CO2濃度、溶存酸素濃度及びpHなどの培養条件は、動物組織に由来する細胞の培養に従来用いられている技術に基づいて適宜設定できる。例えば、培養温度は、特に限定されるものではないが33〜39℃、好ましくは36〜37℃であり得る。溶存CO2濃度は、1〜10%、好ましくは2〜5%であり得る。酸素分圧は、10〜22%であり得る。
幹細胞の接着培養を行う場合、フィーダー細胞の存在下で培養してもよい。フィーダー細胞には、胎児線維芽細胞等のストローマ細胞を用いることができる(例えば、Manipulating the Mouse Embryo A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1994、Gene Targeting, A Practical Approach, IRL Press at Oxford University Press, 1993、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1981,78,12,p.7634−7638、Nature,1981,292,5819,p.154−156、J. Virol.,1969,4,5,p.549−553、Science,1996,272,5262,p.722−724、J. Cell. Physiol.,1982,112,1,p.89−95、国際公開第01/088100号、同第2005/080554号参照)。
幹細胞の浮遊培養とは、培地中において、培養器又はフィーダー細胞を用いる場合に対して非接着性の条件下で幹細胞を培養することをいう。幹細胞の浮遊培養としては、幹細胞の分散培養及び幹細胞の凝集浮遊培養が挙げられる。
幹細胞の分散培養とは、懸濁された幹細胞を培養することをいい、例えば、2〜20個の幹細胞からなる小さな細胞塊の分散培養が挙げられる。分散培養を継続した場合、培養された分散細胞がより大きな幹細胞塊を形成し、その後凝集浮遊培養が実行され得る。
凝集浮遊培養としては、胚様体培養法(Curr. Opin. Cell Biol.,1995,7,6,p.862-869参照)、SFEB法(Nature Neuroscience,2005,8,3,p.288-296、国際公開第2005/123902号)、メッシュフィルターを用いて機械的処理により細胞株を継代させるスフェア培養法(Stem Cell Reports,2014,2,5,p.734−745)が挙げられる。
本発明に係る培養方法では、bFGF代替物の存在下で幹細胞を培養する手順によって幹細胞の生存と増殖を促進することができるので、幹細胞、特に分散及び分散後の浮遊培養等のストレスに弱いことが知られているiPS細胞、を効率的に培養するために利用できる。本発明に係る培養方法により得られるbFGF断片ペプチド、FGFレセプター結合ペプチド、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド、bFGF結合タンパク断片ペプチド、又は、コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト及びプロスタグランジンレセプターアゴニストから選ばれる低分子化合物と、幹細胞と、を含む細胞組成物は、さらなる幹細胞の培養のためあるいは再生医療用の細胞ソースのために利用され得る。
[幹細胞又は分化細胞を含む細胞組成物の製造方法]
本発明に係る培養方法は、幹細胞を含む細胞組成物の製造方法あるいは幹細胞から誘導される分化細胞を含む細胞組成物の製造方法に応用できる。
本発明に係る幹細胞を含む細胞組成物の製造方法は、上述したbFGF代替物の存在下で幹細胞を培養する工程を含み、必要に応じて幹細胞を継代する工程を含む。また、本発明に係る分化細胞を含む細胞組成物の製造方法は、bFGF代替物の存在下で幹細胞を培養する工程と幹細胞の分化を誘導する工程を含み、必要に応じて細胞を継代する工程を含む。bFGF代替物の存在下で幹細胞を培養する工程は、上述の幹細胞の培養方法と同様に実施できる。
幹細胞の継代や分化誘導は、従来公知の手法によって行えばよい。分化誘導剤には、BMP阻害剤、Wnt阻害剤、Nodal阻害剤、レチノイン酸などを用いることができる。分化誘導は、例えば、軟骨細胞の分化誘導プロセスでは、分化誘導培地(90%αMEM培地、10%牛胎児血清(FBS)、2mM L-グルタミン、0.1μMのデキサメタゾン)中で、間葉系幹細胞を培養することによって行うことができる。
幹細胞の心筋細胞への分化誘導プロセスでは、例えば、心筋細胞をSTEMdiff APEL Medium(STEMCELL社)に0.5ng/ml BMP-4を添加した培地で1日培養後、STEMdiff APEL Mediumに10ng/ml BMP-4、10ng/ml Activin A、5ng/ml bFGF代替物をそれぞれ添加した培地に交換して更に4日間培養を継続する。その後、STEMdiff APEL Mediumに10ng/ml VEGF、150ng/ml Dkk1をそれぞれ添加した培地に交換して8日間培養後、STEMdiff APEL Mediumに10ng/ml VEGF、150ng/ml Dkk1、10ng/ml bFGF代替物をそれぞれ添加した培地に交換することで自律的な拍動を伴う心筋細胞を確認できる。
幹細胞の血小板への分化誘導プロセスの過程で必要となる巨核球の形成には、血清含有培地(20%FCS)にトロンボポエチン(TPO)、インターロイキン3(IL3)、インターロイキン6(IL6)及び幹細胞因子(SCF)等の因子が添加され得る。
また、レチノイン酸などの分化誘導剤を培地に添加することにより、幹細胞を神経系細胞などに分化させることが可能となる。
本発明に係る幹細胞又は分化細胞を含む細胞組成物の製造方法では、bFGF代替物の存在下で幹細胞を培養する工程によって幹細胞の生存と増殖を促進することができるので、幹細胞及びこれから誘導される分化細胞を含む細胞組成物を効率的に製造できる。本発明に係る幹細胞又は分化細胞を含む細胞組成物の製造方法により得られる、bFGF断片ペプチド、FGFレセプター結合ペプチド、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド、bFGF結合タンパク断片ペプチド、又は、コリンエステラーゼ阻害剤、フェノチアジン誘導体、ステロイド、アセチルコリンレセプターアゴニスト、あるいはプロスタグランジンレセプターアゴニストから選ばれる低分子化合物と、幹細胞及び/又は分化細胞とを含む細胞組成物は、さらなる幹細胞の培養のためあるいは再生医療用の細胞ソースのために利用され得る。
本発明に係る細胞組成物は、小さな細胞塊のような分散した幹細胞を含む組成物であり得る。本発明に係る細胞組成物は、例えば、凍結保存による幹細胞の保存、輸送、及び継代に用いられ得る。凍結保存等の保存に用いられる場合、本発明に係る細胞組成物は、血清あるいはその代替物、又はDMSO等の有機溶剤をさらに含んでいてもよい。本発明に係る細胞組成物は、フィーダー細胞を含むものであってもよい。
[参考例1:マウス胎児線維芽細胞を用いたbFGF代替物のスクリーニング]
マウス胎児線維芽細胞(BALB/3T3 clone A31)を用いて、細胞増殖促進活性を有し、bFGF代替物となり得る物質のスクリーニングを行った。
マウス胎児線維芽細胞(BALB/3T3 clone A31)は、理化学研究所より入手した。該細胞に添付のマニュアル(Resource No.RBRC−RCB00005)に従い、プラスチック培養皿の上でBALB/3T3細胞を培養した。具体的には、DMEM(Sigma D5796)に最終濃度10%のFBS(Sigma)を添加した培養液を用いて、37℃、5% CO2下で培養を行った。植え継ぎは3日毎に行い、解離液(0.25%トリプシン、Life Technologies)を用いて細胞を解離させ、新たなプラスチック培養皿の上に蒔いた。
候補物質として、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド(配列番号1)、bFGF断片ペプチド(配列番号2)、FGFレセプター結合ペプチド(配列番号11,13,14)、低分子化合物(Fluprostenol(SANTACRUZ),Epiboxidine hydrochloride(SIGMA),Dexamethasone(和光純薬工業),Perphenazine(東京化成工業),Promazine hydrochroride(SIGMA),Promethazine hydrochloride(和光純薬工業),Mesoridazine benzenesulforate(SIGMA),Ethopropazine hydrochloride(SIGMA),Benzoyl leuco methylene blue(東京化成工業),Acepromazine maleate(和光純薬工業),Chlorpromazine hydrochloride(和光純薬工業)を用いた。
培養したBALB/3T3細胞を解離後、細胞カウントを行い、24ウェル培養プレートを用いて、中程度の密度(1×104個/0.8cm2、培地容量1.0mL中)で播種した。候補物質(10μM)を加えた培養液中で3日間培養後に細胞数を計測した。陽性コントロールには、ヒトbFGF(リプロセル社)を5ng/ml又は50ng/mlで添加した培養液を用いた。候補物質及びヒトbFGFのいずれをも加えていない群を、陰性コントロール(図1中「control」)とした。
その結果、配列番号1のbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド添加では、ヒトbFGF添加(50ng/ml)と同程度の細胞増殖促進活性を有することが確認された。また、配列番号2のbFGF断片ペプチド、配列番号11のヒトFGFレセプター結合ペプチド、及びEpiboxidine hydrochlorideの添加についても細胞増殖促進活性が確認された(図1)。
[実施例1:bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドのiPS細胞増殖促進活性の評価]
bFGF代替物としてのbFGFヘパリン結合領域含有ペプチドのiPS細胞増殖促進活性を評価した。bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドには、マウスbFGFに由来する配列番号1に示すアミノ酸配列を有するペプチドを、C末端をアミド化して用いた。
iPS細胞は、京都大学iPS細胞研究所 山中伸弥教授が樹立したヒト人工多能性幹細胞(201B7)を、理化学研究所セルバンク(No.HPS0063)より入手した。
iPS細胞は、Nat. Biotechnol.,2007,25,p.681−686に記載の方法に従って、フィーダー層としてマウス胎児線維芽細胞(マイトマイシン処理で不活化、MEF)を蒔いたプラスチック培養皿で培養した。
培養液は、D−MEMF12(SIGMA、D6421)に最終濃度20%のKSR(Life Technologies)、最終濃度1%のNON−ESSENTIALAMINOACID(SIGMA)、2mM L−グルタミン酸及び80μM 2−メルカプトエタノールを添加したものを用いた。
37℃、5%CO2下で培養し、3〜4日毎に継代を行った。解離液(リン酸バッファー緩衝生理学的食塩水に0.25%トリプシン、1mg/mlコラゲナーゼIV液、1mM CaCl2を添加したもの、全てLife Technologies)を用いて、iPS細胞をフィーダー層から解離し、ピペッティングで小細胞塊(約50−100個)に分散した後、前日にMEFを播種し形成させたフィーダー層の上に蒔いた。
上記のように培養したiPS細胞を、フィーダー細胞から小細胞塊として解離し、さらに混入するフィーダー細胞を除去するために細胞接着性の培養プレート(0.1% ゼラチンコート)の底に吸着させ、培養液で37℃、1時間培養した。その後、Growth Factor Reduced BD Matrigel(BD)上にiPS細胞塊を播種し、フィーダーレス培養を数継代行い、混入するMEFを完全に取り除いた。
iPS細胞に対するbFGFヘパリン結合領域含有ペプチドの細胞増殖促進活性は、下記のように検討した。アッセイ前日に培養液をアッセイ培地(Essential6、Life Technologies、血清不含)に替え、24時間後培養を行った。iPS細胞を解離後、96ウェル培養プレートを用いて、iMatrix−511(ニッピ)上に、5×104個/0.32cm2/培地液量0.2mlで播種した。10μM bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド(配列番号1)又は5ng/ml リコンビナントヒトbFGF(リプロセル社)を添加したアッセイ培地中で4日間培養を行った。培地交換を行って、さらに10μM bFGFヘパリン結合領域含有ペプチド又は5ng/ml リコンビナントヒトbFGFを添加したアッセイ培地中で4日間培養し、形成されたアルカリフォスファターゼ染色陽性(ALP+)のコロニー面積を生存細胞量として計測した。コントロールには、アッセイ培地のみで培養した細胞を用いた。
結果を図2に示す。bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを添加した場合(図中「Peptide」)、コントロール(「Control」)に比べてアルカリフォスファターゼ染色陽性細胞数が有意に増加し、bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドがヒトiPS細胞の増殖を促進する活性を有することが明らかとなった。
配列番号1:マウスbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号2:ヒトbFGF断片ペプチド
配列番号3:ヒトbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号4:ヒトbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号5:ヒトbFGF断片ペプチド
配列番号6:ヒトbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号7:ヒトbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号8:ヒトbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号9:ヒトbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号10:ヒトbFGFヘパリン結合領域含有ペプチド
配列番号11:ヒトFGFレセプター結合ペプチド
配列番号12:ヒトFGFレセプター結合ペプチド
配列番号13:ヒトFGFレセプター結合ペプチド
配列番号14:ヒトFGFレセプター結合ペプチド
配列番号15:ヒトbFGF結合タンパク断片ペプチド
配列番号16:ヒトbFGF断片ペプチド

Claims (28)

  1. 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)ヘパリン結合領域含有ペプチドを含む、幹細胞培養用の培地。
  2. 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、請求項1記載の培地。
    (A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
    (B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
    (C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
  3. 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、請求項1又は2に記載の培地。
  4. 前記幹細胞が、ヒト由来である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の培地。
  5. 前記培地が無血清培地である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の培地。
  6. bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む、幹細胞の増殖促進剤。
  7. 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、請求項6記載の増殖促進剤。
    (A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
    (B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
    (C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
  8. 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、請求項6又は7に記載の増殖促進剤。
  9. 前記幹細胞が、ヒト由来である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の増殖促進剤。
  10. bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する手順を含む、幹細胞の培養方法。
  11. 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、請求項10記載の培養方法。
    (A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
    (B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
    (C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
  12. 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、請求項10又は11記載の培養方法。
  13. 前記幹細胞が、ヒト由来である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の培養方法。
  14. 前記培地が無血清培地である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の培養方法。
  15. bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞を含む細胞組成物の製造方法。
  16. 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、請求項15記載の製造方法。
    (A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
    (B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
    (C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
  17. 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、請求項15又は16に記載の製造方法。
  18. 前記幹細胞が、ヒト由来である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
  19. 前記培地が無血清培地である、請求項15〜18のいずれか一項に記載の製造方法。
  20. bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドを含む培地で幹細胞を培養する工程と、幹細胞の分化を誘導する工程、とを含む、分化細胞を含む細胞組成物の製造方法。
  21. 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、請求項20記載の製造方法。
    (A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
    (B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
    (C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
  22. 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、請求項20又は21に記載の製造方法。
  23. 前記幹細胞が、ヒト由来である、請求項20〜22のいずれか一項に記載の製造方法。
  24. 前記培地が無血清培地である、請求項20〜23のいずれか一項に記載の製造方法。
  25. bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドと、幹細胞及び/又は幹細胞から誘導された分化細胞と、を含む細胞組成物。
  26. 前記bFGFヘパリン結合領域含有ペプチドが、以下の(A)、(B)又は(C)のペプチドである、請求項25記載の細胞組成物。
    (A)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列を含むペプチド。
    (B)配列番号1,3,4,6〜10に示されるいずれか一つのアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入又は付加されたアミノ酸配列を含み、幹細胞の増殖を促進する活性を有するペプチド。
    (C)(A)又は(B)に記載のペプチドが二量体化されたペプチド。
  27. 前記幹細胞が、誘導性多能性幹細胞又は間葉系幹細胞である、請求項25又は26に記載の細胞組成物。
  28. 前記幹細胞が、ヒト由来である、請求項25〜27のいずれか一項に記載の細胞組成物。
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