JP2019009629A - ノイズフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】モード変換によって生じるノーマルモードノイズを低減させることが可能なノイズフィルタを提供する。
【解決手段】ノイズフィルタ1は、IC2に接続される伝送線路3,4,5,6に配設されるノーマルモードノイズフィルタ部10と、伝送線路3,4,5,6に配設されるコモンモードノイズフィルタ部20とを備える。ノーマルモードノイズフィルタ部10は、ノーマルモードノイズフィルタ15,16,17,18(コイル11,12,13,14)からなり、IC2とコモンモードノイズフィルタ部20との間に配置され、ノーマルモードノイズフィルタ15,16,17,18に含まれる一のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスと他のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスとの偏差が第1の偏差以下である。
【選択図】 図1
【解決手段】ノイズフィルタ1は、IC2に接続される伝送線路3,4,5,6に配設されるノーマルモードノイズフィルタ部10と、伝送線路3,4,5,6に配設されるコモンモードノイズフィルタ部20とを備える。ノーマルモードノイズフィルタ部10は、ノーマルモードノイズフィルタ15,16,17,18(コイル11,12,13,14)からなり、IC2とコモンモードノイズフィルタ部20との間に配置され、ノーマルモードノイズフィルタ15,16,17,18に含まれる一のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスと他のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスとの偏差が第1の偏差以下である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズを低減するノイズフィルタに関する。
電子回路で問題となるノイズは、伝導の仕方(モード)によりノーマルモードノイズとコモンモードノイズとに分けられる。例えば、電源ラインを流れるノイズの場合、ノーマルモードノイズは、プリント基板の電源ラインを往路、グランドラインを復路とするノイズであり、電源ラインとグランドラインでノイズの電流の方向がそれぞれ逆向きになる。一方、コモンモードノイズは、プリント基板の電源ラインとグランドラインを共に往路とし、金属シャーシなどプリント基板外の基準グランドを復路とするノイズであり、電源ラインとグランドラインでノイズの電流の方向は同じ向きになる。
このノーマルモードノイズとコモンモードノイズの両方のノイズを低減するノイズフィルタが提供されている。例えば、特許文献1には、電源ラインにそれぞれ対応した3個の巻線が、コモンモード用コアとノーマルモード用コアの1つずつに共通してそれぞれ巻回されたノイズフィルタが開示されている。このノイズフィルタは、各交流電源ラインを流れるコモンモードノイズの電流によりコモンモード用コアに生じる磁束が足し合わされるように各巻線が巻回されることにより、3個の巻線が同一方向に巻回されている。
ところで、ICなどの半導体集積回路に電源ラインなどを介してノイズが伝導されると、半導体集積機回路ではそのノイズの影響を受けて誤動作するおそれがある。特に、半導体集積回路では、ノイズの電流の方向が各ライン間でそれぞれ逆向きになるノーマルモードノイズの影響を受け易い。特許文献1に開示されたノイズフィルタは、ノーマルモードチョークコイルとコモンモードチョークコイルが構成されているので、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズを低減することができる。
しかしながら、各チョークコイルでは、モード変換される場合があり、例えば、コモンモードノイズがノーマルモードノイズに変換される場合がある。そのため、半導体集積回路のノイズ低減用に特許文献1に開示のノイズフィルタを用いた場合、例えば、ノーマルモードチョークコイルでコモンモードノイズがノーマルモードノイズに変換されると、このノーマルモードノイズが半導体集積回路に伝導される。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、半導体集積回路に接続される伝送線路に入るノーマルモードノイズとコモンモードノイズを低減しつつ、モード変換によって生じるノーマルモードノイズを低減させることが可能なノイズフィルタを提供することを目的とする。
本発明に係るノイズフィルタは、半導体集積回路に接続される複数本の伝送線路に配設されるノーマルモードノイズフィルタ部と、複数本の伝送線路に配設されるコモンモードノイズフィルタ部と、を備え、ノーマルモードノイズフィルタ部は、複数個のノーマルモードノイズフィルタからなり、半導体集積回路とコモンモードノイズフィルタ部との間に配置され、ノーマルモードノイズフィルタは、伝送線路にそれぞれ挿入されるコイルを有し、複数個のノーマルモードノイズフィルタに含まれる一のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスと、複数個のノーマルモードノイズフィルタに含まれる他のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスとの偏差が第1の偏差以下であり、第1の偏差は、一のノーマルモードノイズフィルタを通過後の電圧と他のノーマルモードノイズフィルタを通過後の電圧との電圧差が、半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧以下になるように設定されることを特徴とする。
本発明に係るノイズフィルタでは、伝送線路にノーマルモードノイズフィルタ部が設けられているので、伝送線路にノーマルモードノイズが入った場合でも、ノーマルモードノイズフィルタ部によって、そのノーマルモードノイズを低減することができる。また、本発明に係るノイズフィルタでは、伝送線路にコモンモードノイズフィルタ部が設けられているので、伝送線路にコモンモードノイズが入った場合でも、コモンモードノイズフィルタ部によって、そのコモンモードノイズを低減することができる。特に、本発明に係るノイズフィルタでは、コモンモードノイズフィルタ部の後段にノーマルモードノイズフィルタ部が配置されている。そのため、前段のコモンモードノイズフィルタ部でコモンモードノイズなどがノーマルモードノイズに変換された場合でも、後段のノーマルモードノイズフィルタ部によってその変換されたノーマルモードノイズを低減することができる。また、本発明に係るノイズフィルタでは、後段のノーマルモードノイズフィルタ部のノーマルモードノイズフィルタ間でコイルのインダクタンスの偏差が第1の偏差以下である。この第1の偏差は、ノーマルモードノイズフィルタ間においてこの各フィルタ通過後の電圧差が半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧以下になるように設定されている。そのため、ノーマルモードノイズフィルタ間においてコモンモードからモード変換されるノーマルモードノイズを半導体集積回路での誤動作を抑制できる程度に抑えることができる。その結果、後段のノーマルモードノイズフィルタ部でのコモンモードからノーマルモードへのモード変換を抑制することができる。これらにより、本発明に係るノイズフィルタによれば、半導体集積回路に接続される伝送線路に入るノーマルモードノイズとコモンモードノイズを低減しつつ、モード変換によって生じるノーマルモードノイズを低減させることが可能となる。
本発明に係るノイズフィルタでは、伝送線路は、3本以上であり、コモンモードノイズフィルタ部は、複数個のコモンモードノイズフィルタからなり、コモンモードノイズフィルタは、3本以上の伝送線路に含まれる一の伝送線路に挿入されるコイルと、3本以上の伝送線路に含まれる他の伝送線路に挿入されるコイルとを有し、複数個のコモンモードノイズフィルタに含まれる一のコモンモードノイズフィルタの2個のコイルの結合係数と、複数個のコモンモードノイズフィルタに含まれる他のコモンモードノイズフィルタの2個のコイルの結合係数との偏差が第2の偏差以下であり、第2の偏差は、一のコモンモードノイズフィルタを通過後の電圧と他のコモンモードノイズフィルタを通過後の電圧との電圧差が、半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧以下になるように設定されることが好ましい。このように構成することにより、コモンモードノイズフィルタ間においてコモンモードからモード変換されるノーマルモードノイズを半導体集積回路での誤動作を抑制できる程度に抑えることができる。その結果、前段のコモンモードノイズフィルタ部でもコモンモードからノーマルモードへのモード変換を抑制することができ、モード変換によるノーマルモードノイズを低減することができる。
本発明に係るノイズフィルタでは、コモンモードノイズフィルタ部に含まれる一のコイルのインダクタンスと、コモンモードノイズフィルタ部に含まれる他のコイルのインダクタンスとの偏差が第3の偏差以下であり、第3の偏差は、一のコイルを通過後の電圧と他のコイルを通過後の電圧との電圧差が、半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧以下になるように設定されることが好ましい。このように構成することで、コモンモードノイズフィルタ部での各コイル間においてコモンモードからモード変換されるノーマルモードノイズを半導体集積回路での誤動作を抑制できる程度に抑えることができる。その結果、コモンモードノイズフィルタ部での各コイル間でのコモンモードからノーマルモードへのモード変換を抑制することができる。
本発明に係るノイズフィルタでは、複数本の伝送線路に半導体集積回路に電源電圧を供給するための電源線路が含まれる場合、半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧は、電源電圧の±10%の電圧が設定されることが好ましい。このように構成することで、第1、第2、第3の各偏差として適切な値を設定することができ、ノーマルモードノイズフィルタ部やコモンモードノイズフィルタ部でのモード変換を抑制することができる。
本発明に係るノイズフィルタでは、複数本の伝送線路に半導体集積回路に信号を入力するための信号線路が含まれる場合、半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧は、信号のローレベル電圧とハイレベル電圧との中間電圧が設定されることが好ましい。このように構成することで、第1、第2、第3の各偏差として適切な値を設定することができ、ノーマルモードノイズフィルタ部やコモンモードノイズフィルタ部でのモード変換を抑制することができる。
本発明に係るノイズフィルタでは、半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧は、半導体集積回路の仕様に基づいて設定されることが好ましい。このように構成することで、モード変換されるノーマルモードノイズを半導体集積回路での誤動作を抑制できる程度に抑えることができる。
本発明に係るノイズフィルタでは、ノーマルモードノイズフィルタ部とコモンモードノイズフィルタ部は、一体化された部品として構成されることが好ましい。このように構成することより、この一体化された一つの部品を実装することで、半導体集積回路に伝導されるノーマルモードノイズとコモンモードノイズを低減することができる。
本発明によれば、半導体集積回路に接続される伝送線路に入るノーマルモードノイズとコモンモードノイズを低減しつつ、モード変換によって生じるノーマルモードノイズを低減させることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1を参照して、実施形態に係るノイズフィルタ1について説明する。図1は、実施形態に係るノイズフィルタ1の構成を示す図である。
ノイズフィルタ1は、伝送線路を介してIC2に伝導されるノーマルモードノイズとコモンモードノイズを低減する。本実施形態では、図1に示すように、伝送線路として、グランド線路3と、電源線路4と、信号線路5,6とからなる4本の伝送線路の例で説明する。この4本の伝送線路3,4,5,6には、IC2が接続される。伝送線路3,4,5,6は、例えば、プリント基板(図示省略)に銅箔などからなるプリント配線パターンとして形成される。このプリント基板には、IC2が実装される。
ノイズフィルタ1は、複数個のノーマルモードノイズフィルタからなるノーマルモードノイズフィルタ部10と、複数個のコモンモードノイズフィルタからなるコモンモードノイズフィルタ部20とを備える。このノーマルモードノイズフィルタ部10及びコモンモードノイズフィルタ部20は、IC2に接続される伝送線路3,4,5,6に配設される。特に、ノイズフィルタ1では、コモンモードノイズフィルタ部20とIC2との間にノーマルモードノイズフィルタ部10が配置される。したがって、IC2側から見て、ノーマルモードノイズフィルタ部10、コモンモードノイズフィルタ部20の順に配置される。
ノイズフィルタ1は、例えば、ノーマルモードノイズフィルタ部10とコモンモードノイズフィルタ部20とが一体に形成されたチップ部品として構成される。上述したプリント基板には、例えば、このチップ部品が実装される。
ノーマルモードノイズフィルタ部10は、4個のコイル(インダクタ)11,12,13,14を備えている。ノーマルモードノイズフィルタ部10は、例えば、4個のコイル11,12,13,14がアレイ状に配置されて一体化されている(インダクタアレイとなっている)。
コイル11は、グランド線路3に挿入される。コイル12は、電源線路4に挿入される。コイル13は、信号線路5に挿入される。コイル14は、信号線路6に挿入される。
ノーマルモードノイズフィルタ部10では、この各コイル11,12,13,14によりノーマルモードノイズフィルタが構成される。ノーマルモードノイズフィルタ15は、コイル11からなるフィルタである。ノーマルモードノイズフィルタ16は、コイル12からなるフィルタである。ノーマルモードノイズフィルタ17は、コイル13からなるフィルタである。ノーマルモードノイズフィルタ18は、コイル14からなるフィルタである。
ところで、このコイル11,12,13,14のうちの任意の2個のコイル間のインダクタンスの偏差が大きいと(任意の2本の伝送線路間のバランスが崩れると)、コモンモードからノーマルモードへのモード変換が生じる。例えば、信号線路5のコイル13のインダクタンスが信号線路6のコイル14のインダクタンスよりも小さい値であり、信号線路5と信号線路6に外来ノイズとして同じコモンモード電圧が入ったとする。この場合、信号線路6におけるコイル14を通過した後のコモンモード電圧は、信号線路5におけるコイル13を通過した後のコモンモード電圧よりも低減する。したがって、信号線路5におけるコイル13を通過した後のコモンモード電圧と信号線路6におけるコイル14を通過した後のコモンモード電圧とには、差が生じる。この信号線路5,6間の電圧差が、ノーマルモードノイズ(ノーマルモード電圧)となる。このノーマルモードノイズは、コイル間のインダクタンスの偏差が大きくなるほど大きくなる。
そこで、ノーマルモードノイズフィルタ部10では、コイル11,12,13,14に含まれる任意の2個のコイル間のインダクタンスが狭偏差(偏差が第1の偏差以下)になるように、コイル11,12,13,14のインダクタンスが設定されている。特に、狭偏差を規定する第1の偏差(閾値)は、上述したコイル間(伝送線路間)の電圧差(ノーマルモード電圧)がIC2で誤動作が発生する可能性のある電圧以下になるように設定される。このように、2個のコイル間のインダクタンスを狭偏差とすることにより、ノーマルモードノイズフィルタ部10におけるコモンモードからノーマルモードへのモード変換が抑制される。なお、コイル11,12,13,14の中の2個のコイルの全ての組み合わせについて、インダクタンスが狭偏差になっていることが好ましい。
図2を参照して、コイル間のインダクタンスの狭偏差の導出方法の一例を説明する。図2は、ノーマルモードノイズフィルタ部10におけるインダクタンスの狭偏差の導出方法の一例を説明するための図である。ここでは、伝送線路30に挿入されるコイル32のインダクタンスと伝送線路31に挿入されるコイル33のインダクタンスとの偏差を、以下に示すモデルで考える。
このモデルでは、伝送線路30,31に入る外来ノイズとしてコモンモードの交流電圧を印加する。このコモンモードの交流電圧VACとしては、電圧値を20Vとし、周波数fを50MHzとする。各伝送線路30,31における入力インピーダンスZINを、50Ωとする。各伝送線路30,31における出力インピーダンスZOUTを、50Ωとする。したがって、このモデルでは、伝送線路30,31に流れる各電流は、20V/(50Ω+50Ω)=200mAとなる。
図2において符号V1で示す電圧は、コイル32を通過した後の電圧である。図2において符号V2で示す電圧は、コイル33を通過した後の電圧である。この電圧V1と電圧V2との電圧差が、ノーマルモード電圧(例えば、IC2に入るノーマルモードノイズ)である。このノーマルモードノイズによるIC2での誤動作を抑制(防止)するために、この電圧V1と電圧V2との電圧差がIC2が誤動作する可能性のある電圧以下になるように、コイル32,33間のインダクタンスの狭偏差(第1の偏差)を求める。このIC2が誤動作する可能性のある電圧は、例えば、IC2に供給される電源電圧の10%に相当する電圧などが用いられ、この例では100mV(=0.1V)とする。
コイル32のインダクタンスをL1とした場合、電圧V1は(式1)により算出される。コイル33のインダクタンスをL2とした場合、電圧V2は(式2)により算出される。この電圧V1と電圧V2とが(式3)で示す条件を満たすように、コイル32のインダクタンスL1とコイル33のインダクタンスL2とを狭偏差とする。
例えば、一方のコイル32のインダクタンスL1を330nHとする。この場合、(式1)と(式2)を(式3)に代入して、L2を求めると、L2はL1(=330nH)に対して±7nH以内(323〜337nH)である必要がある。したがって、コイル32のインダクタンスL1とコイル33のインダクタンスL2との偏差は、2.1%以下である必要がある。
そこで、ノーマルモードノイズフィルタ部10におけるインダクタンスの狭偏差の条件としては、例えば、第1の偏差を2%とする。そして、コイル11,12,13,14に含まれる全ての組み合わせについて2個のコイル間のインダクタンスの偏差が2%以下となるように、各コイル11,12,13,14のインダクタンスを設定する。このように構成しておくことで、ノーマルモードノイズフィルタ部10においてモード変換されるノーマルモードノイズ(ノーマルモード電圧の大きさ)をIC2の動作に影響を与えない程度に抑えることができ、IC2での誤動作を抑制することができる。
なお、コイルのインダクタンスは、例えば、コイル長、巻数、コイルの断面積、コア(磁性体)の材料などを変えることで調整される。
コモンモードノイズフィルタ部20は、4個のコイル(インダクタ)21,22,23,24を備えている。コモンモードノイズフィルタ部20は、例えば、4個のコイル21,22,23,24がアレイ状に配置されて一体化されている(インダクタアレイとなっている)。
コイル21は、グランド線路3に挿入される。特に、コイル21は、グランド線路3におけるコイル11よりもIC2から離れている箇所に挿入される。コイル22は、電源線路4に挿入される。特に、コイル22は、電源線路4におけるコイル12よりもIC2から離れている箇所に挿入される。コイル23は、信号線路5に挿入される。特に、コイル23は、信号線路5におけるコイル13よりもIC2から離れている箇所に挿入される。コイル24は、信号線路6に挿入される。特に、コイル24は、信号線路6におけるコイル14よりもIC2から離れている箇所に挿入される。コイル21,22,23,24は、例えば、1個のコアに同じ方向に巻回される。
コモンモードノイズフィルタ部20では、このコイル21,22,23,24に含まれる任意の組み合わせの2個のコイル(コイルのペア)によりコモンモードノイズフィルタが構成される。例えば、コモンモードノイズフィルタ25は、コイル21とコイル22のペアからなるフィルタである。コモンモードノイズフィルタ26は、コイル23とコイル24のペアからなるフィルタである。
ところで、このコイル21,22,23,24のうちの任意の2組のコイルのペア間(コモンモードノイズフィルタ間)の結合係数の偏差が大きいと、コモンモードからノーマルモードへのモード変換が生じる。例えば、コイル21とコイル22との結合係数がコイル23とコイル24との結合係数よりも小さく、全ての伝送線路3,4,5,6に外来ノイズとして同じコモンモード電圧が入ったとする。この場合、結合係数の大きいコイル23,コイル24を通過した後のコモンモード電圧は、結合係数の小さいコイル21、コイル22を通過した後のコモンモード電圧よりも低減する。したがって、コイル21、コイル22を通過した後のコモンモード電圧とコイル23,コイル24を通過した後のコモンモード電圧とには、差が生じる。このコイル21,22側の伝送線路3,4とコイル23,24側の伝送線路5,6との間の電圧差が、ノーマルモードノイズ(ノーマルモード電圧)となる。このノーマルモードノイズは、コイルモードノイズフィルタ間の結合係数の偏差が大きくなるほど大きくなる。
そこで、コモンモードノイズフィルタ部20では、コイル21,22,23,24に含まれる任意の2組のコイルのペア間の結合係数が狭偏差(偏差が第2の偏差以下)になるように、各コイルのペアの結合係数が設定されている。特に、狭偏差を規定する第2の偏差(閾値)は、上述したコイルのペア間(各伝送線路間)の電圧差(ノーマルモード電圧)がIC2で誤動作が発生する可能性のある電圧以下になるように設定される。このように、2組のコイルのペア間(コモンモードノイズフィルタ間)の結合係数を狭偏差とすることにより、コモンモードノイズフィルタ部20におけるコモンモードからノーマルモードへのモード変換が抑制される。なお、コイル21,22,23,24の中の2組のコイルのペアの全ての組み合わせについて、結合係数が狭偏差になっていることが好ましい。
なお、コモンモードノイズフィルタ部20でも、コイル21,22,23,24に含まれる任意の2個のコイル間のインダクタンスが狭偏差(偏差が第3の偏差以下)になるように、コイル21,22,23,24のインダクタンスが設定されている。2個のコイル間のインダクタンスを狭偏差とすることにより、コモンモードノイズフィルタ部20における各コイル間でのコモンモードからノーマルモードへのモード変換が抑制される。第3の偏差は、例えば、上述した第1の偏差の導出方法と同様の方法で導出される。
図3を参照して、コイルのペア間の結合係数の狭偏差の導出方法の一例を説明する。図3は、コモンモードノイズフィルタ部20における結合係数の狭偏差の導出方法の一例を説明するための図である。ここでは、伝送線路40に挿入されるコイル44と伝送線路41に挿入されるコイル45のペアの結合係数と、伝送線路42に挿入されるコイル46と伝送線路43に挿入されるコイル47のペアの結合係数との偏差を、以下に示すモデルで考える。
このモデルでは、伝送線路40,41,42,43に入る外来ノイズとしてコモンモードの交流電圧を印加する。このコモンモードの交流電圧VACとしては、電圧値を20Vとし、周波数fを50MHzとする。各伝送線路40,41,42,43における入力インピーダンスZINを、50Ωとする。各伝送線路40,41,42,43における出力インピーダンスZOUTを、50Ωとする。したがって、このモデルでは、伝送線路40,41,42,43に流れる各電流は、20V/(50Ω+50Ω)=200mAとなる。
図3において符号V3で示す電圧は、ペアであるコイル44、コイル45を通過した後の電圧である。図3において符号V4で示す電圧は、ペアであるコイル46、コイル47を通過した後の電圧である。この電圧V3と電圧V4との電圧差が、ノーマルモード電圧である。上述したインダクタンスの狭偏差の導出方法と同様に、電圧V3と電圧V4との電圧差がIC2が誤動作する可能性のある電圧(例えば、100mV)以下になるように、結合係数の狭偏差(第2の偏差)を求める。
コイル44とコイル45の結合係数をK1とし、コイル44のインダクタンスをL11とし、コイル45のインダクタンスをL12とした場合、このコモンモードノイズフィルタのインダクタンスL1nは(式4)により算出される。コイル46とコイル47の結合係数をK2とし、コイル46のインダクタンスをL21とし、コイル47のインダクタンスをL22とした場合、このコモンモードノイズフィルタのインダクタンスL2nは(式5)により算出される。
(式4)で算出されるインダクタンスL1nを用いて、電圧V3は(式6)により算出される。(式5)で算出されるインダクタンスL2nを用いて、電圧V4は(式7)により算出される。この電圧V3と電圧V4とが(式8)で示す条件を満たすように、コイル44、コイル45のペアの結合係数K1とコイル46、コイル47のペアの結合係数K2とを狭偏差とする。
例えば、全てのコイル44,45,46,47のインダクタンスL11,L12,L21,L22を160nHとし、コイル44、コイル45のペアの結合係数K1を0.95とする。この場合、(式4)を(式6)に代入し、(式5)を(式7)に代入し、更に、この(式6)と(式7)を(式8)に代入して、K2を求めると、K2はK1(=0.95)に対して−0.04以内(0.91以上)である必要がある。したがって、コイル44、コイル45のペアの結合係数K1とコイル46、コイル47のペアの結合係数K2との偏差は、4.2%以下である必要がある。
そこで、コモンモードノイズフィルタ部20における結合係数の狭偏差の条件としては、例えば、第2の偏差を4%とする。そして、コイル21,22,23,24に含まれる全ての組み合わせについて2組のコイルのペア間の結合係数の偏差が4%以下となるように、各コイルのペアの結合係数を設定する。このように構成しておくことで、コモンモードノイズフィルタ部20においてモード変換されるノーマルモードノイズ(ノーマルモード電圧の大きさ)をIC2の動作に影響を与えない程度に抑えることができ、IC2での誤動作を抑制することができる。
なお、ペアとなるコイルとコイルとの結合係数は、例えば、コイル間の距離、コア(磁性体)の材料などを変えることで調整される。
ところで、IC2が誤動作する要因は、例えば、ノーマルモードノイズによるIC2に供給される電源電圧の変動や、IC2に入力される信号のハイ(High)レベルを示す電圧の変動、ロー(Low)レベルを示す電圧の変動がある。
そこで、IC2が誤動作する可能性のある電圧としては、例えば、伝送線路がIC2に電源電圧を供給する電源線路4の場合、その電源電圧の±10%に相当する電圧(誤動作する可能性のある電源電圧の変動の制限値)が設定される。例えば、電源電圧が3.3Vの場合、IC2が誤動作する可能性のある電圧を3.3×±0.1=±0.33Vとし、(式3)や(式8)における0.1Vに代えて0.33Vを用いて、第1の偏差や第2の偏差を求める。この例の場合、例えば、IC2に電源電圧として、3.63(=3.3+0.33)V以上あるいは2.97(=3.3−0.33)V以下の電圧が供給されると、IC2で誤動作が発生するおそれがある。
また、IC2が誤動作する可能性のある電圧としては、例えば、伝送線路がIC2に信号を入力する信号線路5,6の場合、その信号のローレベル電圧とハイレベル電圧との中間電圧(誤動作する可能性のある信号の変動の制限値)が設定される。例えば、信号のローレベル電圧が0V、ハイレベル電圧が3.3Vの場合、IC2が誤動作する可能性のある電圧を±(0+3.3)/2=±1.65Vとし、(式3)や(式8)における0.1Vに代えて1.65Vを用いて、第1の偏差や第2の偏差を求める。この例の場合、例えば、IC2に入力されるハイレベルの信号として1.65(=3.3−1.65)以下の電圧が入力されると、IC2で誤動作が発生するおそれがある。
特に、IC2が誤動作する可能性のある電圧は、IC2の要求仕様に基づいて設定されると好ましい。上述した電源電圧の±10%の電圧や、信号のローレベル電圧とハイレベル電圧との中間電圧の各条件についても、例えば、IC2の要求仕様に基づいて設定される。
次に、ノイズフィルタ1の作用について説明する。ノイズフィルタ1のノーマルモードノイズフィルタ部10では、伝送線路3,4,5,6にコイル11,12,13,14がそれぞれ挿入され、この各コイル11,12,13,14によりノーマルモードノイズフィルタ15,16,17,18が構成されている。そのため、例えば、任意の伝送線路3,4,5,6にノーマルモードノイズが入った場合には、ノーマルモードノイズフィルタ15,16,17,18により、そのノーマルモードノイズが低減される。これにより、伝送線路3,4,5,6を介してIC2に伝導されるノーマルモードノイズが低減される。
ノイズフィルタ1のコモンモードノイズフィルタ部20では、伝送線路3,4,5,6にコイル21,22,23,24がそれぞれ挿入され、コイル21,22,23,24のうちの任意のコイルのペアによりコモンモードノイズフィルタが構成されている。そのため、例えば、任意の伝送線路3,4,5,6にコモンモードノイズが入った場合には、コモンモードノイズフィルタにより、そのコモンモードノイズが低減される。これにより、伝送線路3,4,5,6を介してIC2に伝導されるコモンモードノイズが低減される。
特に、ノイズフィルタ1では、コモンモードノイズフィルタ部20(コイル21,22,23,24)の後段にノーマルモードノイズフィルタ部10(コイル11,12,13,14)が配置されている。そのため、例えば、前段のコモンモードノイズフィルタ部20においてコモンモードノイズがノーマルモードノイズに変換された場合でも、後段のノーマルモードノイズフィルタ部10により、その変換されたノーマルモードノイズが低減される。これにより、伝送線路3,4,5,6を介してIC2に伝導されるノーマルモードノイズが低減される。但し、ノイズフィルタ1では、コモンモードノイズフィルタ部20のコイル21,22,23,24に含まれる一のコイルのペアと他のコイルのペア間(コモンモードノイズフィルタ間)の結合係数の偏差が第2の偏差以下である。特に、この第2の偏差は、上述したようにIC2が誤動作する可能性のある電圧に基づいて設定されている。この構成により、コモンモードノイズフィルタ部20でのコイルのペア間(コモンモードノイズフィルタ間)においてコモンモードからモード変換されるノーマルモードノイズを、IC2で誤動作が発生しない程度に抑えることができる。これにより、前段のコモンモードノイズフィルタ部20におけるコモンモード(例えば、伝送線路3,4,5,6に入ったコモンモードノイズ)からノーマルモード(例えば、ノーマルモードノイズ)へのモード変換が抑制される。
ノイズフィルタ1では、後段のノーマルモードノイズフィルタ部10のコイル11,12,13,14に含まれる一のコイルと他のコイル間のインダクタンスの偏差が第1の偏差以下である。特に、この第1の偏差は、上述したようにIC2が誤動作する可能性のある電圧に基づいて設定されている。この構成により、ノーマルモードノイズフィルタ部10でのコイル間(ノーマルモードノイズフィルタ間)においてコモンモードからモード変換されるノーマルモードノイズを、IC2で誤動作が発生しない程度に抑えることができる。これにより、後段のノーマルモードノイズフィルタ部10におけるコモンモードからノーマルモードへのモード変換が抑制される。その結果、伝送線路3,4,5,6を介してIC2に伝導されるノーマルモードノイズが低減される。
実施形態に係るノイズフィルタ1によれば、ノーマルモードノイズとコモンモードノイズを共に低減することができる。特に、実施形態に係るノイズフィルタ1によれば、モード変換によって生じるノーマルモードノイズを低減させることができ、伝送線路3,4,5,6を介してIC2に伝導されるノーマルモードノイズの低減効果を向上させることができる。その結果、ノーマルモードノイズによるIC2の動作への影響を抑制することができ、特に、IC2での誤動作を抑制することができる。
実施形態に係るノイズフィルタ1によれば、ノーマルモードノイズフィルタ部10での2個のコイルを通過後の電圧差がIC2が誤動作する可能性のある電圧以下になるように第1の偏差を設定することで、第1の偏差として適切な値を設定することができる。ノーマルモードノイズフィルタ部10でのコイル間のインダクタンスの偏差がこの第1の偏差以下であるので、コイル間においてモード変換されるノーマルモードノイズを、IC2での誤動作を抑制できる程度に抑えることができる。その結果として、後段のノーマルモードノイズフィルタ部10でコモンモードからノーマルモードへのモード変換を抑制することができ、モード変換によるノーマルモードノイズを低減することができる。なお、コモンモードノイズフィルタ部20でも第3の偏差が同様に設定され、コイル間のインダクタンスの偏差が第3の偏差以下であるので、コモンモードノイズフィルタ部20でも同様の効果を有する。
実施形態に係るノイズフィルタ1によれば、コモンモードノイズフィルタ部20での2組のコイルのペアを通過後の電圧差がIC2が誤動作する可能性のある電圧以下になるように第2の偏差を設定することで、第2の偏差として適切な値を設定することができる。コモンモードノイズフィルタ部20でのコイルのペア間の結合係数の偏差がこの第2の偏差以下であるので、コイルのペア間においてモード変換されるノーマルモードノイズを、IC2での誤動作を抑制できる程度に抑えることができる。その結果として、前段のコモンモードノイズフィルタ部20でもコモンモードからノーマルモードへのモード変換を抑制することができ、モード変換によるノーマルモードノイズを低減することができる。
実施形態に係るノイズフィルタ1によれば、伝送線路に電源線路4が含まれる場合、IC2が誤動作する可能性のある電圧として電源電圧の±10%の電圧を設定することで、第1〜第3の各偏差として適切な値を設定することができる。実施形態に係るノイズフィルタ1によれば、伝送線路に信号線路5,6が含まれる場合、IC2が誤動作する可能性のある電圧として信号のローレベル電圧とハイレベル電圧との中間電圧を設定することで、第1〜第3の各偏差として適切な値を設定することができる。このように第1〜第3の各偏差を設定することで、各ノイズフィルタ部10,20でのモード変換を抑制することができる。
実施形態に係るノイズフィルタ1によれば、IC2が誤動作する可能性のある電圧をIC2の要求仕様に基づいて設定することで、各ノイズフィルタ部10,20でモード変換されるノーマルモードノイズをIC2の誤動作を抑制できる程度に抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態ではIC2(半導体集積回路)に4本の伝送線路(グランド線路3、電源線路4、信号線路5,6)が接続される場合を例として説明したが、半導体集積回路に3本又は5本以上の伝送線路が接続される場合にも適用することができる。
上記実施形態ではコモンモードノイズフィルタ部20のコモンモードノイズフィルタ(コイルのペア)間の結合係数の偏差が第2の偏差以下になるように構成したが、このような結合係数について条件を設けない構成としてもよい。このように構成した場合でも、コモンモードノイズフィルタ部20でのモード変換によってノーマルモードノイズが生じた場合でも、後段のノーマルモードノイズフィルタ部10においてノーマルモードノイズを低減することができる。特に、この構成の場合には、コモンモードノイズフィルタが1個でもよいので、半導体集積回路に2本の伝送線路が接続される場合にも適用することができる。
1 ノイズフィルタ
2 IC
3 グランド線路(伝送線路)
4 電源線路(伝送線路)
5,6 信号線路(伝送線路)
10 ノーマルモードノイズフィルタ部
11,12,13,14 コイル
15,16,17,18 ノーマルモードノイズフィルタ
20 コモンモードノイズフィルタ部
21,22,23,24 コイル
25,26 コモンモードノイズフィルタ
2 IC
3 グランド線路(伝送線路)
4 電源線路(伝送線路)
5,6 信号線路(伝送線路)
10 ノーマルモードノイズフィルタ部
11,12,13,14 コイル
15,16,17,18 ノーマルモードノイズフィルタ
20 コモンモードノイズフィルタ部
21,22,23,24 コイル
25,26 コモンモードノイズフィルタ
Claims (7)
- 半導体集積回路に接続される複数本の伝送線路に配設されるノーマルモードノイズフィルタ部と、
前記複数本の伝送線路に配設されるコモンモードノイズフィルタ部と、
を備え、
前記ノーマルモードノイズフィルタ部は、複数個のノーマルモードノイズフィルタからなり、前記半導体集積回路と前記コモンモードノイズフィルタ部との間に配置され、
前記ノーマルモードノイズフィルタは、前記伝送線路にそれぞれ挿入されるコイルを有し、
前記複数個のノーマルモードノイズフィルタに含まれる一のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスと、前記複数個のノーマルモードノイズフィルタに含まれる他のノーマルモードノイズフィルタのコイルのインダクタンスとの偏差が第1の偏差以下であり、
前記第1の偏差は、前記一のノーマルモードノイズフィルタを通過後の電圧と前記他のノーマルモードノイズフィルタを通過後の電圧との電圧差が、前記半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧以下になるように設定されることを特徴とするノイズフィルタ。 - 前記伝送線路は、3本以上であり、
前記コモンモードノイズフィルタ部は、複数個のコモンモードノイズフィルタからなり、
前記コモンモードノイズフィルタは、前記3本以上の伝送線路に含まれる一の伝送線路に挿入されるコイルと、前記3本以上の伝送線路に含まれる他の伝送線路に挿入されるコイルとを有し、
前記複数個のコモンモードノイズフィルタに含まれる一のコモンモードノイズフィルタの2個のコイルの結合係数と、前記複数個のコモンモードノイズフィルタに含まれる他のコモンモードノイズフィルタの2個のコイルの結合係数との偏差が第2の偏差以下であり、
前記第2の偏差は、前記一のコモンモードノイズフィルタを通過後の電圧と前記他のコモンモードノイズフィルタを通過後の電圧との電圧差が、前記半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧以下になるように設定されることを特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。 - 前記コモンモードノイズフィルタ部に含まれる一のコイルのインダクタンスと、前記コモンモードノイズフィルタ部に含まれる他のコイルのインダクタンスとの偏差が第3の偏差以下であり、
前記第3の偏差は、前記一のコイルを通過後の電圧と前記他のコイルを通過後の電圧との電圧差が、前記半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧以下になるように設定されることを特徴とする請求項2に記載のノイズフィルタ。 - 前記複数本の伝送線路に前記半導体集積回路に電源電圧を供給するための電源線路が含まれる場合、前記半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧は、前記電源電圧の±10%の電圧が設定されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
- 前記複数本の伝送線路に前記半導体集積回路に信号を入力するための信号線路が含まれる場合、前記半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧は、前記信号のローレベル電圧とハイレベル電圧との中間電圧が設定されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
- 前記半導体集積回路が誤動作する可能性のある電圧は、前記半導体集積回路の仕様に基づいて設定されることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
- 前記ノーマルモードノイズフィルタ部と前記コモンモードノイズフィルタ部は、一体化された部品として構成されることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017123959A JP2019009629A (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | ノイズフィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017123959A JP2019009629A (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | ノイズフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019009629A true JP2019009629A (ja) | 2019-01-17 |
Family
ID=65029871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017123959A Pending JP2019009629A (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | ノイズフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019009629A (ja) |
-
2017
- 2017-06-26 JP JP2017123959A patent/JP2019009629A/ja active Pending
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