JP2019009180A - 基板モジュール - Google Patents

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翔太 塩津
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真勝 小金澤
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Abstract

【課題】回路基板に実装された発熱素子の放熱と回路基板に対する絶縁とを回路基板と発熱素子との間の空間を利用して達成する。【解決手段】回路基板3の実装面31に抵抗素子1を実装した基板モジュールの、抵抗素子1の素子本体11と実装面31の凹部33との間の空間(隙間)を、放熱用シリコン5で埋めるだけでなく、回路基板3の貫通孔45にも放熱用シリコン5を充填して、さらに、回路基板3のベース面41の放熱部43の一部にも放熱用シリコン5を塗布した。そして、一般的には発熱源と放熱器との間の隙間を埋めて両者間の熱伝導性を高めるために用いられる放熱用シリコン5を、抵抗素子1の素子本体11から回路基板3の貫通孔45を経てベース面41の放熱部43に至る伝熱経路を構成する材料として使用した。【選択図】図2

Description

本発明は、通電により発熱する発熱素子が実装された基板を有する基板モジュールに関する。
例えば、大電力用のセメント抵抗器として、抵抗素子を熱拡散板に当接させて絶縁ケースに収容し、絶縁ケースと熱拡散板との間に充填したセメントで両者を絶縁させると共に、絶縁ケースの外に導出させた熱拡散板の一部を介して、抵抗素子の発する熱を絶縁ケース外に放熱する構造が、従来から知られている(例えば、特許文献1)。
特開2015−106598号公報
ところで、発熱素子の絶縁と放熱とを同時に達成する構成は、回路基板に実装された発熱素子に対しても求められることがある。
しかし、回路基板と発熱素子との間にはほとんど空間がなく、ここに、上述したセメント抵抗器の構成を適用するのはスペース的に無理がある。
そこで、回路基板に実装された発熱素子の放熱構造としてよく知られたヒートスプレッダやヒートシンクを用いる放熱構造に、発熱素子と回路基板との絶縁機能を追加することも考えられる。
しかし、ヒートスプレッダの放熱構造の場合は、セメント抵抗器の場合と同じく、回路基板と発熱素子との間に絶縁のための構成を追加する空間の余裕がない。また、ヒートシンクの放熱構造の場合は、発熱素子の回路基板側とは反対側の開放面にヒートシンクに加えて絶縁用の構成を追加する空間がさらに必要となり、構成の大型化が避けられない。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、回路基板に実装された発熱素子の放熱と回路基板に対する絶縁とを回路基板と発熱素子との間の空間を利用して達成することができる基板モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の1つの態様による基板モジュールは、
通電により発熱する発熱素子と、
前記発熱素子が実装された実装面の前記発熱素子に対向する部分に、内部を貫通して裏側に至る貫通孔の開口を臨ませた回路基板と、
前記貫通孔に充填されて前記発熱素子に密着し、前記発熱素子の熱を前記貫通孔を通して前記回路基板の裏側に放熱する、絶縁性を有する放熱材料と、
を備える。
本発明によれば、回路基板に実装された発熱素子の放熱と回路基板に対する絶縁とを回路基板と発熱素子との間の空間を利用して達成することができる。
本発明の一実施形態に係る基板モジュールの概略構成を示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図である。 (a)〜(c)は図1の基板モジュールを製造する際の各工程における基板モジュールの状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る基板モジュールについて、図1を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る基板モジュールの概略構成を示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図である。図1(a)に示す本実施形態の基板モジュールは、抵抗素子1と、抵抗素子1が実装される回路基板3と、抵抗素子1と回路基板3との間に充填される放熱用シリコン5とを有している。
抵抗素子1(請求項中の発熱素子に相当)は、図1(b)に示すように、通電することで発熱する平面視矩形の素子本体11と、素子本体11の長辺方向の両端から延設された複数本の端子13とを有している。素子本体11は複数の抵抗器を直列及び並列接続して構成されており、各直列回路単位で端子13がそれぞれ設けられている。
回路基板3は、セラミックやエポキシ樹脂等の絶縁部材で抵抗素子1よりも大きい平面視矩形状に形成されている。
回路基板3の表側の実装面31は、抵抗素子1の素子本体11よりも一回り大きい平面視矩形の凹部33を、回路基板3の長辺方向及び短辺方向における中央部に有している。回路基板3の長辺方向における凹部33の外側には、図1(a)に示すように、抵抗素子1の各端子13に対応するランド35が形成されている。
回路基板3の実装面31には、各ランド35に抵抗素子1の対応する各端子13をそれぞれ半田付けSにより接合することで、抵抗素子1が実装されている。実装面31に実装された抵抗素子1の素子本体11は、絶縁のために実装面31から浮かせた位置に配置されている。
回路基板3の実装面31に対向する抵抗素子1の素子本体11の背面15と、実装面31の凹部33の底面37との間には、凹部33の深さ方向に間隔Hを有する空間が形成されている。また、図1(a),(b)に示すように、実装面31に実装された抵抗素子1の素子本体11と凹部33の四方の側壁面39との間には、回路基板3の長辺方向及び短辺方向にそれぞれ間隔W,Dを有する平面視矩形枠状の空間が形成されている。
図1(a)に示すように、回路基板3の裏側のベース面41には、一面に亘って銅箔による放熱部43が形成されている。ベース面41と凹部33の底面37との間には、回路基板3を表裏方向に貫通する貫通孔45が形成されている。貫通孔45の開口は、図1(b)に示すように、回路基板3の長辺方向及び短辺方向における凹部33の中央部に配置されている。
放熱用シリコン5は、基材のシリコンに、熱伝導率の高い銅や銀、アルミ等の金属又は金属酸化物の粒子を混入して均一に分散させたものである。本実施形態の放熱用シリコン5では、基材のシリコンとして、放置しても原形を維持することができる程度の粘度を有するものが用いられている。
そして、放熱用シリコン5は、回路基板3の長辺方向及び短辺方向における、抵抗素子1の素子本体11と回路基板3の凹部33の側壁面39との間の間隔W,Dの空間や、凹部33の深さ方向における、素子本体11と凹部33の底面37との間隔Hの空間に、それらの空間を埋めるように充填されている。
また、放熱用シリコン5は、上述した各空間と連なる回路基板3の貫通孔45内の空間にも充填されている。さらに、放熱用シリコン5は、回路基板3のベース面41の放熱部43のうち、貫通孔45の周縁に位置する一部分にも、その部分の放熱部43を覆うように充填(塗布)されている。
このように、本実施形態では、回路基板3の実装面31に抵抗素子1を実装した基板モジュールの、抵抗素子1の素子本体11と実装面31の凹部33との間の空間(隙間)を、放熱用シリコン5で埋めるだけでなく、回路基板3の貫通孔45にも放熱用シリコン5を充填して、さらに、回路基板3のベース面41の放熱部43の一部にも放熱用シリコン5を塗布した。
そして、一般的には発熱源と放熱器との間の隙間を埋めて両者間の熱伝導性を高めるために用いられる放熱用シリコン5を、抵抗素子1の素子本体11から回路基板3の貫通孔45を経てベース面41の放熱部43に至る伝熱経路を構成する材料として使用した。
このため、回路基板3に実装した抵抗素子1の絶縁のために実装面31から浮かせた素子本体11と実装面31との間に、僅かな間隔の空間しか存在しなくても、その空間に放熱用シリコン5の流動性を活用して伝熱経路の一部を構成する材料として充填することができる。
そして、貫通孔45にも放熱用シリコン5を充填することで、回路基板3の実装面31との間の空間(隙間)に充填した放熱用シリコン5が抵抗素子1の素子本体11から受け取った熱を、貫通孔45の放熱用シリコン5により回路基板3のベース面41側(裏側)に伝達させて、ベース面41の放熱部43から放熱させることができる。
また、放熱用シリコン5が絶縁性のシリコンを基材とした絶縁体であることから、抵抗素子1の素子本体11と回路基板3との絶縁性を、放熱用シリコン5の上記した部分への充填によって、放熱と同時に容易に達成することができる。
このため、例えば、回路基板3との間の空間(隙間)に余裕がない素子本体11の背面15とは反対側の、素子本体11の開放面17(図1(a),(b)参照)にヒートシンクを取り付けて放熱を図るよりも、基板モジュールとしての構成を大型化することなく、抵抗素子1と回路基板3との間の空間(隙間)を利用して、抵抗素子1の放熱と回路基板3に対する絶縁とを達成することができる。
なお、このように構成された本実施形態の基板モジュールは、例えば、図2(a)〜(c)の断面図に示す手順によって製造することができる。
まず、図2(a)に示すように、回路基板3の実装面31のランド35に抵抗素子1の端子13を半田付けSにより接合して、実装面31に抵抗素子1を実装する。
このとき、抵抗素子1の素子本体11と回路基板3の凹部33の側壁面39との間の空間(隙間)の間隔W,Dが、素子本体11と凹部33の底面37との空間の間隔Hよりも狭くなるように、凹部33に対して素子本体11を位置決めした状態で、実装面31に抵抗素子1を実装する。
次に、抵抗素子1を実装した回路基板3を天地方向にひっくり返し、回路基板3のベース面41側から貫通孔45に放熱用シリコン5を充填する。すると、貫通孔45に充填された放熱用シリコン5が、素子本体11と凹部33の底面37との間の間隔Hの空間に流入する。
このとき、素子本体11と凹部33の底面37との間の空間(隙間)に存在していた気体は、その空間の間隔Hよりも間隔W,Dが狭い、抵抗素子1の素子本体11と回路基板3の凹部33の側壁面39との間の空間(隙間)から、基板モジュールの外に排出される。このため、素子本体11と凹部33の底面37との間の空間(隙間)内は、元々存在していた気体から、図2(b)に示すように、貫通孔45から充填された放熱用シリコン5に置換される。
また、素子本体11と凹部33の底面37との間の空間(隙間)の間隔Hよりも、その空間内に存在していた気体が排出される、抵抗素子1の素子本体11と回路基板3の凹部33の側壁面39との間の空間(隙間)の間隔W,Dの方が狭いので、貫通孔45から充填されて素子本体11と凹部33の底面37との間の空間(隙間)に流入した放熱用シリコン5が、抵抗素子1の素子本体11と回路基板3の凹部33の側壁面39との間の空間(隙間)から、基板モジュールの外に排出されることはない。
そして、貫通孔45に充填した放熱用シリコン5が、素子本体11と凹部33の底面37との間の空間(隙間)にも充填され、さらに、貫通孔45に充填されて貫通孔45から溢れた放熱用シリコン5が、回路基板3のベース面41の放熱部43のうち、貫通孔45の周縁に位置する部分を覆うようになったら、放熱用シリコン5の充填を終了する。
この状態では、素子本体11と凹部33の底面37との間の空間(隙間)に充填された放熱用シリコン5が、抵抗素子の素子本体11の背面15の全体に密着している。このため、素子本体11で発生した熱は、高い伝熱効率で放熱用シリコン5に伝わる。
なお、放熱用シリコン5の充填後に暫く放置した方が、放熱用シリコン5の粘度が高まる場合や、放熱用シリコン5が硬化する場合は、充填後の放熱用シリコン5を暫く放置する時間を設けても良い。
このようにして製造した基板モジュールは、図2(c)に示すように、再び天地方向にひっくり返して元の向きに戻して使用することができる。
そして、使用に伴い抵抗素子1の素子本体11から熱が発生すると、素子本体11の背面15から放熱用シリコン5に伝わった熱が、図2(c)中の太い矢印で示すように、回路基板3の貫通孔45内の放熱用シリコン5や、回路基板3のベース面41の放熱部43に接触した放熱用シリコン5を介して、放熱部43に伝達される。そして、放熱部43において基板モジュールの周辺雰囲気等に放熱される。
なお、上述した実施形態では、回路基板3の実装面31に凹部33を形成して、抵抗素子1の素子本体11と実装面31との間の空間(隙間)の間隔Hを、放熱用シリコン5の充填に十分な間隔に実質的に拡げる構成とした。しかし、必要な間隔が確保されるのであれば、実装面31の凹部33は省略してもよい。
また、凹部33を設ける場合でも、凹部33の四方の側壁面39と素子本体11との間にそれぞれ間隔W,Dを全て確保するのではなく、例えば、回路基板3の長辺方向と短辺方向のどちらかについてだけ、凹部33の側壁面39と素子本体11との間に間隔W,Dを設けるようにしてもよい。
さらに、本発明を適用して放熱を図る回路基板3への実装素子は、通電によって発熱する素子であれば、本実施形態で説明した抵抗素子1に限らず任意である。
そして、本発明は、通電により発熱する発熱素子が実装された基板を有する基板モジュールに広く適用可能である。
本発明は、通電により発熱する発熱素子が実装された基板を有する基板モジュールにおいて利用することができる。
1 抵抗素子(発熱素子)
3 回路基板
5 放熱用シリコン
11 素子本体
13 端子
15 素子本体背面
17 素子本体開放面
31 回路基板実装面
33 実装面凹部
35 ランド
37 凹部底面
39 凹部側壁面
41 回路基板ベース面
43 放熱部
45 貫通孔
H,W,D 間隔

Claims (7)

  1. 通電により発熱する発熱素子(1)と、
    前記発熱素子(1)が実装された実装面(31)の前記発熱素子(1)に対向する部分に、内部を貫通して裏側に至る貫通孔(45)の開口を臨ませた回路基板(3)と、
    前記貫通孔(45)に充填されて前記発熱素子(1)に密着し、前記発熱素子(1)の熱を前記貫通孔(45)を通して前記回路基板(3)の裏側に放熱する、絶縁性を有する放熱材料(5)と、
    を備える基板モジュール。
  2. 前記回路基板(3)の裏側に配置されて前記放熱材料(5)と接触した放熱部(43)をさらに備える請求項1記載の基板モジュール。
  3. 前記開口は、前記発熱素子(1)側から見た前記回路基板(3)の前記実装面(31)における前記発熱素子(1)の背後に位置する部分に形成されている請求項1又は2記載の基板モジュール。
  4. 前記発熱素子(1)と前記実装面(31)との間の空間に前記放熱材料(5)がさらに充填されている請求項1、2又は3記載の基板モジュール。
  5. 前記実装面(31)は前記発熱素子(1)側に開放された凹部(33)を有しており、前記空間は、前記凹部(33)の深さ方向における該凹部(33)の底面(37)と前記発熱素子(1)との間の隙間を含んでいる請求項4記載の基板モジュール。
  6. 前記空間は、前記底面(37)と前記発熱素子(1)との間の前記深さ方向における隙間よりも狭い間隔の、前記底面(37)の延在方向における前記凹部(33)の側壁面(39)と前記発熱素子(1)との間の隙間を含んでいる請求項5記載の基板モジュール。
  7. 前記放熱材料(5)は放熱用シリコンである請求項1、2、3、4、5又は6記載の基板モジュール。
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