JP2019007141A - コンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法 - Google Patents

コンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易かつリアルタイムに充填を検知することのできるコンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法を提供する。【解決手段】型枠12の内部に打ち込まれるコンクリート14の充填を検知するシステム10であって、型枠12に設けられ、コンクリート14が漏出しない大きさの小孔16と、この小孔16に挿入されて型枠12の内部に突出して固定された温度センサ18と、型枠12の内部にコンクリート14を打ち込む前後において温度センサ18で一定の時間ごとに連続して測定された型枠12の内部の温度の変化量に基づいて、温度センサ18の周囲のコンクリート14の充填状況を検知する充填検知手段20とを備えるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法に関するものである。
鉄筋コンクリート構造物が高い耐久性を有するためには、鉄筋を保護するかぶりのコンクリートが確実に充填されている必要がある。図6に示すような豆板や未充填を生じさせることはあってならない。しかしながら、柱のように高さが高い状況での打ち込みの場合、バイブレータの挿入状況や締固め状況を視認しにくいという問題がある。また、型枠を叩くなどして充填を補助する場合も、どこまでコンクリートが打ち上がっているかを把握しづらいという問題がある。そのために、型枠に目視確認やバイブレータ挿入のための開口部を設けることがあるが、型枠隅角部などには型枠支保工の構成部材が密集しているため確認しづらいのが現状である。
一方、従来のコンクリートの充填検知システムとして、例えば特許文献1に示すようなシステムが知られている。このシステムでは、光ファイバ等の測定機器デバイスを鉄筋や型枠内側に固定することが必要であり、また、測定機器デバイスと有線で通信する方式であるため、測定機器デバイスや通信線がコンクリート内部や型枠内側に残置されることとなる。図7に示すように型枠内面に測定機器デバイスを固定した場合、コンクリート硬化後に取り外したとしてもコンクリートの仕上がり面に跡が残り、意匠上好ましくない。また、これらの測定機器デバイスの使用は、設置箇所数にもよるが高価となる場合がある。
他方、上記以外の従来のコンクリートの充填検知システムとして、例えば特許文献2〜4に示すような技術が知られている。特許文献2は、コンクリート充填部分と空隙部分の温度の差や熱容量の差を、高感度の温度計や熱感知装置によって検知するものである。特許文献3は、型枠等に設けた孔を、コンクリートに反応して変色する板状の変色部材で塞ぎ、この変色部材の変色によって検知するものである。特許文献4は、型枠の外面の温度をサーモカメラで測定するとともに、型枠の外面の振動を非接触式の振動測定器で測定し、これを画像化して充填状況を検知するものである。
しかしながら、これら特許文献2〜4に示すような技術は、高感度の熱感知装置、変色部材、サーモカメラ、非接触式の振動測定器などの特殊で高価な機器を要するとともに、画像処理等の複雑な処理を要する。このため、これらの技術では、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することは難しい。
特開2002−327535号公報 特開平11−183415号公報 特開2007−211543号公報 特開2015−127475号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易かつリアルタイムに充填を検知することのできるコンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリートの充填検知システムは、型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知するシステムであって、型枠に設けられ、コンクリートが漏出しない大きさの小孔と、この小孔に挿入されて型枠の内部に突出して固定された温度センサと、型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された型枠の内部の温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知する充填検知手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリートの充填検知システムは、上述した発明において、充填検知手段は、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知することを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリートの充填検知方法は、型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知する方法であって、型枠に、コンクリートが漏出しない大きさの小孔を設け、この小孔に温度センサを挿入して型枠の内部に突出させて固定するステップと、型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において、型枠の内部の温度を温度センサで一定の時間ごとに連続して測定するステップと、温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知するステップとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリートの充填検知方法は、上述した発明において、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知するステップをさらに備えることを特徴とする。
本発明に係るコンクリートの充填検知システムによれば、型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知するシステムであって、型枠に設けられ、コンクリートが漏出しない大きさの小孔と、この小孔に挿入されて型枠の内部に突出して固定された温度センサと、型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された型枠の内部の温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知する充填検知手段とを備えるので、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリートの充填検知システムによれば、充填検知手段は、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知するので、施工条件に応じて設定した第1閾値、第2閾値を利用して、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るコンクリートの充填検知方法によれば、型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知する方法であって、型枠に、コンクリートが漏出しない大きさの小孔を設け、この小孔に温度センサを挿入して型枠の内部に突出させて固定するステップと、型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において、型枠の内部の温度を温度センサで一定の時間ごとに連続して測定するステップと、温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知するステップとを備えるので、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリートの充填検知方法によれば、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知するステップをさらに備えるので、施工条件に応じて設定した第1閾値、第2閾値を利用して、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係るコンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法の実施の形態を示す図であり、(1)は型枠に小孔をあけた場合、(2)は小孔に温度センサを挿入した場合である。 図2は、本発明の実施の形態を示す写真図であり、(1)は温度センサおよびデータロガー設置状況、(2)はコンクリートが温度センサ付近に回り込む状況(豆板状況)である。 図3は、温度の時間変化を示すグラフ図であり、(1)は型枠内に温度センサを設置した直後、(2)はコンクリートが温度センサ周辺に回り込む場合、(3)はコンクリートが温度センサ周辺に充填される場合である。 図4は、温度の時間変化を示すグラフ図であり、(1)は型枠内の初期温度よりコンクリートの温度が高い場合、(2)は型枠内の初期温度よりコンクリートの温度が低い場合である。 図5は、温度の時間変化を示すグラフ図であり、(1)は実測例1、(2)は実測例2、(3)は実測例3である。 図6は、コンクリートの仕上がり状況を例示する写真図であり、(1)は未充填が存在する場合、(2)は豆板が存在する場合である。 図7は、従来のコンクリートの充填検知システムのセンサ設置状況を例示する写真図である。
以下に、本発明に係るコンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(コンクリートの充填検知システム)
まず、本発明に係るコンクリートの充填検知システムについて説明する。
図1(2)に示すように、本発明に係るコンクリートの充填検知システム10は、型枠12の内部に打ち込まれるコンクリート14の充填を検知するシステムであって、型枠12の側面にあけた小孔16と、この小孔16から型枠12の内部に挿入された温度センサ18と、型枠12の外部に設置された充填検知手段20と、防水型のデータロガー22と、ワイヤレス型のデータ収集機24とを備える。
小孔16は、図1(1)に示すように、温度センサ18先端を挿入するための極めて微小な孔である。例えば温度センサ18の直径が2mmの場合には、この直径を僅かに超える大きさの孔とすることが好ましい。この小孔16は、充填検知対象箇所の近傍の型枠12に設けることが好ましい。なお、小孔16と温度センサ18の間の隙間は粘土等でシールすることが望ましい。このようにすれば、コンクリート打ち込みの際に隙間からコンクリートが漏出することはない。
温度センサ18は、図1(2)に示すように、小径(例えば直径2mm程度)のセンサである。温度センサ18はワイヤー状、棒状、パイプ状のセンサや、熱電対などを用いて構成することができ、直径は5mm程度以下が好ましい。この温度センサ18の先端は小孔16に挿入されており、型枠12の内部に若干突出させた状態で固定されている。なお、コンクリートの圧力などで温度センサ18が小孔16から型枠12外部に押し出されないように、小孔16の隙間は粘土等で埋めてシールすることが望ましい。
温度センサ18の小孔16からの突出長Lは、充填検知対象箇所の位置に応じて適宜設定可能であるが、本実施の形態では5mmの突出長としている。なお、型枠隅角部や鉄筋かぶり部分を充填検知対象箇所とする場合には最大で5mm〜10mm程度とすることが望ましい。温度センサ18の温度感知部分の長さが10mm程度の場合、その先端側の5mmを突出長Lとしてもよい。なお、突出長Lが10mmを超えてしまうと、豆板状のコンクリートが到達した場合にこれを温度変化として捉えるため充填完了の検知が困難となるおそれがある。
充填検知手段20は、型枠12の内部にコンクリートを打ち込む前後に、温度センサ18で一定の時間ごとに連続して測定された型枠12の内部の温度の変化量に基づいて、温度センサ18の周囲のコンクリートの充填状況を検知するものである。この充填検知手段20はデータロガー22と接続しており、温度センサ18で測定された温度データをデータロガー22を介してリアルタイムに受信する。
この充填検知手段20は、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上(例えば、1分以内に1.0℃以上)となる時間を検知すると、この検知した時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下(例えば1.0℃以下)となっている時間が所定の時間(例えば1分以上)継続した場合、検知対象箇所のコンクリートの充填が完了したものとして検知するようになっている。この検知結果は、リアルタイムにデータロガー22に送信される。
データロガー22は、通信ケーブル26を介して温度センサ18と接続したものであり、受信部28と、記録部30と、表示部32と、送信部34とを有する。受信部28は、温度センサ18からの温度データを受信するとともに、上記の充填検知手段20からの検知結果を受信する。記録部30は、受信した温度データ、検知結果を記録する。表示部32は、記録した温度データ、検知結果を表示するとともに、温度データに基づいて作成した温度の時間変化のグラフを表示する。送信部34は、記録した温度データを充填検知手段20に送信する一方で、記録した温度データ、検知結果をワイヤレス型のデータ収集機24に送信する。作業者は、このデータロガー22を通じて、温度データ、温度の時間変化のグラフ、検知結果をリアルタイムに確認可能である。
データ収集機24は、データロガー22に記録された温度データを無線通信回線でリアルタイムに収集するワイヤレス型のものであり、受信部36と、記録部38と、表示部40とを有する。受信部36は、データロガー22の送信部34から送信される温度データ、検知結果を受信する。記録部38は、受信した温度データ、検知結果を記録する。表示部40は、記録した温度データ、検知結果を表示するとともに、温度データに基づいて作成した温度の時間変化のグラフを表示する。
このデータ収集機24は、施工管理者が携行可能な携帯端末、または、コンクリート打ち込み地点から離れた施工管理室などに常設される管理端末として構成することができる。施工管理者は、このデータ収集機24を通じて、温度データ、温度の時間変化のグラフ、検知結果をリアルタイムに確認可能である。なお、このデータ収集機24には温度変化の時間についても記録される。このため、コンクリートのトレーサビリティーを確認する場合や、打設時間を管理する場合にも有効に利用することができる。
上記のように構成したコンクリートの充填検知システム10によれば、型枠隅角部や鉄筋かぶり部分であっても、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができる。また、温度センサ18とデータロガー22等の一般的な機器で構成可能であるため、簡易かつ安価な充填検知システムを提供することができる。さらに後述するように、測定の痕跡を残さずに充填検知を行うことができる。
(コンクリートの充填検知方法)
次に、本発明に係るコンクリートの充填検知方法について説明する。
本発明に係るコンクリートの充填検知方法は、上記のコンクリートの充填検知システム10を用いた充填検知方法である。以下に、この方法の具体的な手順を説明する。
まず、事前準備として、図1(1)に示すように、コンクリート打ち込み場所に組み立てた型枠12のせき板部分(コンパネなど)に、温度センサ先端を挿入するための極めて微小な小孔16をあけておく。小孔16の大きさは、例えば温度センサ18の直径が2mmの場合には、この直径を僅かに超える大きさの孔とすることが好ましい。また、この小孔は、充填検知対象箇所の近傍の型枠に設けることが好ましい。なお、本実施の形態では、充填検知対象箇所が型枠隅角部の鉄筋かぶりのコンクリートを想定している。
次に、図1(2)に示すように、この小孔16に温度センサ18の先端を挿入して、小孔16から型枠12の内部に若干突出させて位置を固定する。この例では、温度センサ18の小孔16からの突出長Lは5mmとしている。
なお、温度センサ18設置後、コンクリート14の圧力などで温度センサ18が小孔16から型枠12の外部に押し出されないように小孔16の隙間を粘土等で埋めてシールすることが望ましい。また、このようにすれば、コンクリート打ち込みの際に隙間からコンクリートが漏出することはない。
図2は、型枠12に対する温度センサ18およびデータロガー22の設置状況の一例を示したものである。鉄筋かぶり部分を充填検知対象箇所としている。まず、図2(1)に示すように、この温度センサ18でコンクリート打ち込み前の型枠内の温度(初期温度)を数分程度測定し、型枠内の温度変化が若干量(例えば温度変化幅が0.5℃以内)であることを確認する。
続いて、図2(2)に示すように、コンクリート打ち込みを開始すると同時に、温度センサ18による温度測定を開始する。この温度測定によって、一定の時間ごとに連続して型枠内温度が測定される。測定された温度データは型枠外部のデータロガー22に記録されるとともに、図示しない充填検知手段20による検知の対象となる。温度データ、温度の時間変化のグラフ、検知結果は、随時データロガー22に表示される。
図3(1)に示すように、温度センサ18にコンクリートが付着するまで、測定される温度は型枠12内の初期温度(図の例では17℃)で一定のままである。その後、コンクリートが温度センサ18の周辺に到達すると、図3(2)に示すように、温度は緩やかに遅く変化していく。型枠内の温度が何にも接触することなく変化することはないので、上記の充填検知手段20でこの温度変化を検知することで温度センサ18がコンクリートに接触したことを検知する。打ち込み中の温度変化は、データロガー22、データ収集機24にリアルタイムに表示される。作業者は、データロガー22でこの温度変化を見ながらバイブレータ振動や型枠叩き等の締固め作業を継続する。
その後、コンクリートが温度センサ18周辺に十分に充填されると、図3(3)に示すように、温度が短時間で急激に変化する(例えば1分以内に温度変化幅1.0℃以上)。図の例では1分以内に17℃から20℃に急上昇している。上記の充填検知手段20がこれを検知した後、さらに温度変化幅が小さい収束温度(例えば温度変化幅が1.0℃以内)の継続時間が所定時間以上(例えば1分以上)となった場合に、温度センサ18部分にコンクリートが充填されたこと(充填完了)を検知する。この検知結果は、充填完了としてデータロガー22、データ収集機24にリアルタイムに表示される。作業者は、データロガー22でこの表示を確認したら、バイブレータ振動や型枠叩き等の締固め作業を完了してもよい。このようにすれば、作業を効率的に進めることができる。
なお、測定される温度の時間変化のグラフは、データロガー22にリアルタイムに表示されるので、型枠12を外側より叩く作業者は図3(3)に示すような短時間での急激な温度変化をデータロガー22で確認したらすぐに叩きを開始してもよい。一方、施工管理者は、データ収集機24にリアルタイムに表示される温度やその時間変化のグラフを目視確認することができる。データ収集機24に表示される温度が一定温度に収束した場合に充填完了と判断してもよい。
本実施の形態の温度センサ18の先端は、型枠12内部に5mm程度突出しているだけなので、特に型枠隅角部などで豆板状などのコンクリートが生じる場合には、図3(3)に示すような温度変化を示さない。したがって、この短時間での温度変化を検知することで、温度センサ18周囲の充填状況を検知することができる。
なお、本発明は、測定される温度が一定の温度に収束したか否かの判定が重要である。この判定は、温度変化の過程と温度の収束状況に基づいて行う。温度変化の過程は、外気温(型枠内の初期温度)とコンクリートの水和熱の大小関係によって異なる。例えば、型枠内の初期温度よりコンクリートの温度が高い場合には、測定される温度変化は、図4(1)のような右肩上がり(温度上昇)となり、型枠内の初期温度よりコンクリートの温度が低い場合には、図4(2)のような右肩下がり(温度下降)となる。また、単位時間当たりの温度の変化率は施工条件に応じて異なるため一義的に決めることは難しい。そこで、例えば、事前の施工実験等により変化特性を把握しておき、これを上記の充填検知手段20で使用する第1閾値、第2閾値、継続時間などの判定パラメータに反映させることが望ましい。
本実施の形態によれば、原理的にはコンクリートの温度と型枠内の外気温(初期温度)が1℃でも異なれば測定可能である。しかし、もしも両者が全く同一温度であれば測定不能となることに留意する。ただし現実問題として、このような事態が生じる可能性は非常に低い。
上記の方法によりコンクリートの充填を確認後、温度センサ18を引き抜いて小孔を粘土などで埋め戻し、周辺の型枠12を十分に叩けば、コンクリートが流動して温度センサ18の引き抜き跡は充填される。したがって、測定の痕跡がコンクリート表面に残るおそれはない。また、本実施の形態の充填検知方法で使用した温度センサ18やデータロガー22等の機器は何度でも再利用することができ、廃棄するものはない。
上記の実施の形態において、充填検知対象箇所が型枠隅角部の鉄筋かぶりのコンクリートの場合である例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、温度センサ18の先端位置を延長して型枠12のより内部に配置することにより、より内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知することもできる。また、温度センサ18をデータロガー22の通信ケーブル26から着脱自在な方式とすれば、コンクリート打ち込み後に温度センサ18を通信ケーブル26より取り外してコンクリート内部に埋設する態様とすることもできる。
<実測例>
次に、本実施の形態による温度の実測例について説明する。図5(1)〜(3)は、温度の実測例1〜3を示したものである。
図5(1)は、コンクリート打ち込み前の型枠内の温度変化の例である。この図に示すように、型枠内は14℃程度に保たれている。
図5(2)は、コンクリート打ち込み開始後、充填完了と判定されるまでの温度変化の一例である。この図に示すように、コンクリートが温度センサに接触して温度上昇するが、完全に充填されずに豆板状である。コンクリートは締め固まるほど温度上昇していく。その後、温度変化幅が0.5℃程度以内の状態が所定時間継続した場合に充填完了(締固め完了)と判定することができる。
図5(3)は、コンクリート打ち込み開始後、充填完了と判定されるまでの温度変化の他の一例である。この図に示すように、コンクリートが温度センサに接触して短時間内(例えば1分以内程度)に温度が急上昇している。この急上昇後、温度変化幅0.5℃程度以内が数分間継続しているので、充填完了(締固め完了)と判定することができる。
以上説明したように、本発明に係るコンクリートの充填検知システムによれば、型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知するシステムであって、型枠に設けられ、コンクリートが漏出しない大きさの小孔と、この小孔に挿入されて型枠の内部に突出して固定された温度センサと、型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された型枠の内部の温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知する充填検知手段とを備えるので、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができる。
また、本発明に係る他のコンクリートの充填検知システムによれば、充填検知手段は、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知するので、施工条件に応じて設定した第1閾値、第2閾値を利用して、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができる。
また、本発明に係るコンクリートの充填検知方法によれば、型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知する方法であって、型枠に、コンクリートが漏出しない大きさの小孔を設け、この小孔に温度センサを挿入して型枠の内部に突出させて固定するステップと、型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において、型枠の内部の温度を温度センサで一定の時間ごとに連続して測定するステップと、温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知するステップとを備えるので、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができる。
また、本発明に係る他のコンクリートの充填検知方法によれば、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知するステップをさらに備えるので、施工条件に応じて設定した第1閾値、第2閾値を利用して、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知することができる。
以上のように、本発明に係るコンクリートの充填検知システムおよび充填検知方法は、型枠に打ち込まれるコンクリートの充填状況を検知するのに有用であり、特に、型枠隅角部や鉄筋かぶり部分であっても、コンクリートの充填状況を簡易かつリアルタイムに検知するのに適している。
10 コンクリートの充填検知システム
12 型枠
14 コンクリート
16 小孔
18 温度センサ
20 充填検知手段
22 データロガー
24 データ収集機
26 通信ケーブル
28,36 受信部
30,38 記録部
32,40 表示部
34 送信部
L 突出長

Claims (4)

  1. 型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知するシステムであって、
    型枠に設けられ、コンクリートが漏出しない大きさの小孔と、この小孔に挿入されて型枠の内部に突出して固定された温度センサと、型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された型枠の内部の温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知する充填検知手段とを備えることを特徴とするコンクリートの充填検知システム。
  2. 充填検知手段は、コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知することを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの充填検知システム。
  3. 型枠の内部に打ち込まれるコンクリートの充填を検知する方法であって、
    型枠に、コンクリートが漏出しない大きさの小孔を設け、この小孔に温度センサを挿入して型枠の内部に突出させて固定するステップと、
    型枠の内部にコンクリートを打ち込む前後において、型枠の内部の温度を温度センサで一定の時間ごとに連続して測定するステップと、
    温度センサで一定の時間ごとに連続して測定された温度の変化量に基づいて、温度センサの周囲のコンクリートの充填状況を検知するステップとを備えることを特徴とするコンクリートの充填検知方法。
  4. コンクリート打ち込み中に測定される温度の変化量が所定の時間内に第1閾値以上となる時間を検知して、その時間以降に測定される温度の変化量が第2閾値以下である時間が所定の時間継続した場合に充填完了を検知するステップをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のコンクリートの充填検知方法。
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