以下、本発明の実施形態では、遊技機の代表例であるスロットマシンについて図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態例に係るスロットマシンSは、筐体1と、筐体1の前面上部に開閉自在に取り付けられた上扉2と、筐体1の前面下部に開閉自在に取り付けられた下扉3と、上扉2の下部中央に形成された透明材料からなる表示窓4と、表示窓4に対応した筐体1の内部に配設されたリール5〜7と、下扉3の右上部に設けられたメダル投入口8と、各リール5〜7の回転を開始させると共に、役の当否を決定するためのスタートレバー9と、各リール5〜7の回転をそれぞれ停止させるためのストップボタン10〜12と、ストップボタン10〜12の操作順序に係る情報を表示するメインモニタ13と、遊技の進行に応じて演出を実行するランプ14、一対のスピーカ15およびサブモニタ16と、下扉3の下部中央に設けられたメダル払出口17と、メダル払出口17から払い出されたメダルを収容する受皿18と、筐体1の内部に配設された電源ユニット20(図2参照)等、を主に備えて構成されている。
各リール5〜7は、1つのリールユニットとして構成されており、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転する。各リール5〜7の外周面に所定個数(例えば20個)の図柄が一定の間隔でそれぞれ配列されており(図示省略)、各リール5〜7が停止している状態では、各リール5〜7の外周面に配列されている連続する3つの図柄が表示窓4にそれぞれ表示されて、遊技者は3行3列に配置された合計9個の図柄を目視することができる。
表示窓4には、各リール5〜7の上段図柄、中段図柄および下段図柄がそれぞれ停止する上段停止位置、中段停止位置および下段停止位置が設けられており、各リール5〜7の停止位置をそれぞれ組み合わせた有効ラインが設定されている。本実施形態例では、有効ラインLは、各リール5〜7の中段停止位置で構成されている。
役は、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技役、所定枚数のメダルを遊技者に払い出し可能な小役、後述のRBB作動への移行契機となるRBB役に大別される。役については詳しく後述する。
電源ユニット20は、図示を省略するが、スロットマシンSの電源をON/OFFするための電源スイッチ、スロットマシンSの出玉率(メダルの投入総数に対する払出総数の割合)を示す設定値を変更するための設定キーおよび設定変更ボタンを有している。
第1実施形態例のスロットマシンSには6段階の出玉率が設けられており、これら6段階の出玉率が1〜6までの設定値にそれぞれ対応付けられている。遊技場の管理者は、設定キーや設定変更ボタン等を操作することにより設定値1〜6の間で設定値を変更することができる。設定値については後述する。
次に、図2を用いて、スロットマシンSを構成する各制御処理部について説明する。
主制御処理部100は、筐体1の内部に設けられており、メインCPU、メインROM、メインRAMを備えている。主制御処理部100には、メダル投入口8から投入されたメダルの通過を検知する投入メダルセンサ8a、リール5〜7、スタートレバー9、各ストップボタン10〜12、その他の装置(図示省略)が接続されている。
メインCPUは、主制御処理部100に接続された各装置からの信号や図示せぬタイマカウンタからの信号が主制御処理部100に入力されたことに基づいて、メインROMに格納されたプログラムを読み出して様々な処理を実行したり、当該処理の結果に応じて副制御処理部200にコマンドを送信したりする。なお、メインRAMは、メインCPUの処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御処理部100のメインROMには、規定数のメダルの投入によりスタートレバー9の操作を有効化させるスタートレバー有効化手段101、有効化されたスタートレバー9の操作に基づいて役の当否を内部抽選で決定する内部抽選手段102、内部抽選で決定された役の当選フラグを成立させる当選フラグ制御手段103、各リール5〜7の回転および停止を制御するリール制御手段104、内部抽選の結果およびリールの停止態様に応じてメダルを払い出すメダル払出手段105、内部抽選の結果およびリールの停止態様に応じて規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を開始可能とさせる再遊技を設定する再遊技設定手段106、遊技状態を制御する遊技状態制御手段107、メインモニタ13の表示を制御するメインモニタ制御手段108、出玉率に対応する設定値を管理する設定値管理手段109、演出モードを制御する演出モード制御手段110、遊技モードを制御する遊技モード制御手段120が構築されている。
副制御処理部200は、サブCPU、サブROM、サブRAMを備えており、主に遊技中に行われる各演出の実行を制御する。副制御処理部200は、主制御処理部100に対して主制御処理部100から副制御処理部200への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPUは、主制御処理部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うと共に、当該処理に基づいて、ランプ14、一対のスピーカ15、サブモニタ16の各演出装置を制御する。なお、サブRAMは、サブCPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
副制御処理部200のサブROMには、主制御処理部100の指示に基づいて演出モードを移行させる演出モード移行手段201、演出を決定する演出決定手段202、決定した演出をサブモニタ16等の演出装置で実行する演出実行手段203が構築されている。
遊技状態は、図5に示すように、小役の当選確率に応じて、通常状態、RBB内部、RBB作動に大別されている。小役の当選確率は、通常状態およびRBB内部で約1/7に設定され、RBB作動で約1/1.1に設定されている。
通常状態は、再遊技役の当選確率に応じて、非RT、RT1、RT2に分別されている。再遊技役の当選確率は、非RTおよびRT1で約1/7.3に設定され、RT2で約1/2に設定されている。
演出モードは、図6に示すように、通常の遊技が行われる非ATモード、通常の遊技よりも遊技者に有利なAT遊技が行われるATモードに大別されている。AT遊技とは、ストップボタンの操作順序(打順)をメインモニタ13およびサブモニタ16に表示してメダルの獲得を容易にさせる遊技のことをいう。なお、再遊技役の当選確率が高確率(約1/2)となるRT2で行われるAT遊技のことをART遊技ともいう。
遊技モードは、図7に示すように、非ATモードにおけるATモードへの移行に対する期待値やATモードにおけるAT遊技の加算(所謂上乗せ)に対する期待値(以下、特典付与の期待値と言う。)に基づいて、通常モード、高確モード、超高確モードの3種類の遊技モードに分別されている。これら遊技モードのうち、特典付与の期待値が最も低いものは通常モードであり、特典付与の期待値が最も高いものは超高確モードである。
第1実施形態例では、遊技モードの移行に関する処理(遊技に関する処理)を行うための乱数(以下、遊技モード乱数と言う。)を発生させる乱数発生手段が設けられ、この乱数発生手段により発生した乱数を所定契機に取得し、取得した乱数に基づいて、遊技モードの移行に関する抽選(以下、遊技モード移行抽選と言う。)を実行することにより、通常モード、高確モード、超高確モードの間で遊技モードを移行可能に構成されている(詳しくは後述)。
まず、主制御処理部100のメインROMに構築された各手段について説明する。
スタートレバー有効化手段101は、通常状態、RBB内部およびRBB作動の全ての遊技状態において、3枚(規定数)のメダルの投入によりスタートレバー9の操作を有効化させる。
内部抽選手段102は、有効化されたスタートレバー9の操作(以下、遊技開始操作と言う。)タイミングで内部抽選用の乱数を取得し、この取得された乱数と現在の遊技状態の種類とに基づいて、再遊技役の対応付けられた当選エリア「リプレイ」、小役の対応付けられた当選エリア「ベル」、RBB役の対応付けられた当選エリア「RBB」の中から1つの当選エリアを決定する。当選エリアについての詳細な説明については後述する。
当選フラグ制御手段103は、今回の遊技における内部抽選に基づいて成立させた(ONにセットした)当選フラグが小役または再遊技役の当選フラグである場合には、これらの当選フラグを次回の遊技に持ち越さないように、次回の遊技の開始前までにOFFにセットし、RBB役に係る当選フラグである場合には、RBB役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示されるまで当該当選フラグを持ち越す。
リール制御手段104は、遊技開始操作に基づいて各リール5〜7の回転を一斉に開始させ、各リール5〜7が定常回転(約80回転/分)となるまでリールの回転を加速させ、各リールが定常回転に到達すると回転速度を維持すると共に、全てのストップボタン10〜12の操作を有効化させる。
リール制御手段104は、当選フラグの成立状態に応じて、メダル払出枚数の最も多い役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようにリールを停止させる枚数優先制御、図柄組合せの個数が最も多くなる役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようリールを停止させる個数優先制御、RBB役よりも再遊技役および小役に対応する図柄組合せを優先的に有効ラインLに表示するようにリールを停止する役付け優先制御の何れかの制御により、最も引き込み優先順位の高い図柄を検索するロジック演算、および/または、予めメインROMに記憶された停止制御テーブル(図示省略)の参照に基づいて、成立している当選フラグに対応する役に係る図柄組合せのうち優先順位の最も高い図柄を有効ラインLに表示するように引き込み、かつ、成立している当選フラグ以外の当選フラグに係る役に対応付けられた図柄組合せを有効ラインLに表示しないよう蹴飛ばし、各ストップボタンに対応するリールを停止させる。
メダル払出手段105は、小役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された(以下、「小役が入賞した」と言う。)場合に、小役に予め対応付けられた所定枚数のメダルを払い出す。
再遊技設定手段106は、再遊技役に対応する図柄組合せが有効ラインLに表示された(以下、適宜、「再遊技役が入賞した」と言う。)場合に、規定数のメダルの投入によらずに次回の遊技を可能とさせる再遊技を設定する。
遊技状態制御手段107は、通常状態、RBB内部およびRBB作動の間で遊技状態の移行を制御する。以下に、当選エリア、遊技状態の遷移について図3〜5を用いて説明する。なお、図3中に示す打順とは、各ストップボタン10〜12の操作順序のことであり、打順1は左ストップボタン10→中ストップボタン11→右ストップボタン12の順序、これと同様に、打順2は左→右→中の順序、打順3は中→左→右の順序、打順4は中→右→左の順序、打順5は右→左→中の順序、打順6は右→中→左の順序を意味する。
RBB(23番)は、RBB作動への移行機能を有しており、通常状態で内部抽選の対象となっている(図示省略)。RBBには、RBB役が単独で対応付けられており、図4(1)に示すように、RBB役に「7図柄−7図柄−7図柄」の図柄組合せ(以下、RBB図柄組合せと言う。)が対応付けられている。RBBの当選に基づいて、有効ラインLにRBB図柄組合せが表示されると遊技状態をRBB作動に移行させる。
具体的には、通常状態におけるRBBの当選に基づいて遊技状態をRBB内部に移行させ(図5のA)、RBB図柄組合せが有効ラインLに表示されたことに基づいて遊技状態をRBB作動に移行させ(図5のB)、RBB作動でメダル払出総数が所定枚数(例えば、216枚)を超過したことに基づいて、遊技状態をRBB作動から非RTに移行させる(図5のC)。
リプレイは、図3に示すように、遊技モードの移行契機となる「通常リプ」および「レアリプ」(以下、特殊リプと言う。)、遊技状態の移行機能を有する「RT1リプ」および「RT2リプ」に分別される。
第1実施形態例では、通常リプおよびレアリプの何れかの当選に基づいて、遊技モードの移行の可否を決定する遊技モード移行抽選を実行する構成になっている。具体的には、通常リプおよびレアリプの何れかの当選に基づいて、遊技モード移行抽選用の遊技モード乱数を取得し、この取得した乱数に基づいて遊技モード移行抽選を実行する。そして、遊技モード移行抽選の結果に応じて遊技モードを移行させる。これについては詳しく後述する。
通常リプ(1番)は、全ての遊技状態で内部抽選の対象となっており(図示省略)、通常リプには、REP1が単独で対応付けられている。図4(2)に示すように、REP1に「リプレイ図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄組合せが対応付けられている。内部抽選で通常リプに当選した場合には、ストップボタンの操作態様(ストップボタンの操作順序および操作タイミング)に拘わらず、REP1を入賞させると共に、遊技モード移行抽選を実行する。なお、遊技状態は、REP1の入賞により現在の遊技状態で維持される。
RT1リプ(2番〜7番)は、RT1で内部抽選の対象となっており(図示省略)、RT1リプには、RT1リプ1〜6が含まれている。RT1リプ1〜6には、REP2、REP3、その他の再遊技役が重複して対応付けられている。図4(3),(4)に示すように、REP2に「ベル図柄−リプレイ図柄−リプレイ図柄」の図柄組合せが対応付けられ、REP3に「リプレイ図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが対応付けられている。RT1でRT1リプに当選した場合に、図3に示すRT2移行打順(例えばRT1リプ1で打順1)でストップボタンが操作されると、REP3を入賞させて遊技状態をRT2に移行させ(図5のE)、図3に示すRT1維持打順(例えばRT1リプ1で打順2〜6)でストップボタンが操作されると、REP2を入賞させて遊技状態をRT1で維持する。
RT2リプ(8番〜13番)は、RT2で内部抽選の対象となっており(図示省略)、RT2リプには、RT2リプ1〜6が含まれている。RT2リプ1〜6には、REP2、REP3、その他の再遊技役が重複して対応付けられている。RT2でRT2リプに当選した場合に、図3に示すRT2維持打順(例えばRT2リプ1で打順1)でストップボタンが操作されると、REP3を入賞させて遊技状態をRT2で維持し、図3に示すRT1移行打順(例えばRT2リプ1で打順2〜6)でストップボタンが操作されると、REP2を入賞させて遊技状態をRT1に移行させる(図5のF)。
レアリプ(14番)は、非RT、RT1〜2で内部抽選の対象となっており(図示省略)、レアリプには、REP4と他の再遊技役が対応付けられている。図4(5)に示すように、REP4に「BAR図柄−リプレイ図柄−BAR図柄」の図柄組合せが対応付けられている。レアリプに当選した場合に、ストップボタンが特定の操作態様で操作されたことに基づいてREP4を入賞させ、他の操作態様で操作されたことに基づいて他の再遊技役を入賞させる。
なお、第1実施形態例では、レアリプの当選に基づいて遊技モード移行抽選を実行する構成になっているが、この構成に限られず、レアリプに対応付けられたREP4が入賞したことに基づいて遊技モード移行抽選を実行する構成であっても良い。
ベルは、ストップボタンの操作態様に拘わらず7枚のメダルを払い出す「7枚ベル」、ストップボタンの操作態様に応じて9枚のメダルを払い出し可能な「打順ベル」、ATモードへの移行機能を有する「レアベル」に分別される。
7枚ベル(15番)は、全ての遊技状態で内部抽選の対象になっており(図示省略)、7枚ベルには、入賞により7枚のメダルを払い出すNML1(7枚役)が対応付けられている。7枚ベルに当選した場合には、ストップボタンの操作態様(ストップボタンの操作タイミングおよび打順)に拘わらず、NML1に対応付けられた図柄組合せ(図示省略)を有効ラインLに表示してNML1を入賞させ、NML1の入賞により7枚のメダルを払い出す。
打順ベル(16番〜21番)は、非RT、RT1〜2で内部抽選の対象になっており(図示省略)、打順ベルには、少なくとも、入賞により9枚のメダルを払い出すNML2(9枚役)と、入賞により1枚のメダルを払い出すNML3(1枚役)とが重複して対応付けられている。打順ベルの当選時に、図3に示す9枚入賞打順(例えば打順ベル1で打順1)でストップボタンが操作された場合に、NML3よりもNML2を優先させて、NML2に対応する図柄組合せ(図示省略)を有効ラインLに表示してNML2を入賞させ、NML2の入賞により9枚のメダルを払い出す。一方、打順ベルの当選時に、図3に示す1枚入賞打順(例えば打順ベル1で打順2)でストップボタンが操作された場合にNML2よりもNML3を優先させてNML3に対応する図柄組合せ(図示省略)を有効ラインLに表示してNML3を入賞させ、NML3の入賞により1枚のメダルを払い出す。これに対し、打順ベルの当選時に、図3に示す1枚入賞可能打順(例えば打順ベル1で打順3〜6)でストップボタンが操作された場合には、NML2(9枚役)の入賞を否定すると共に、ストップボタンの操作タイミングに応じて、NML3(1枚役)を入賞させ、または、何れの小役も入賞させないようにリールを停止させる。このとき、何れの小役も入賞しなかった場合には、RT1への移行機能を有する図示せぬ図柄組合せ(以下、ブランク図柄組合せと言う。)を有効ラインLに表示して、この表示により遊技状態を非RTからRT1(図5のD)またはRT2からRT1(図5のF)に移行させる。
レアベル(22番)は、全ての遊技状態で内部抽選の対象となっており(図示省略)、レアベルには、NML4が対応付けられている。図4(6)に示すように、NML4に「チェリー図柄−ベル図柄−ベル図柄」の図柄組合せが対応付けられている。レアベルに当選した場合に、ストップボタンの操作態様に応じて、NML4を入賞させる。
なお、第1実施形態例では、レアベルの当選に基づいて、ATモードへの移行の可否を決定する抽選(以下、AT抽選と言う。)を行う構成になっているが、この構成に限られず、レアベルに対応付けられたNML4が入賞したことに基づいてAT抽選(所謂、指示機能抽選)を実行する構成であっても良い。
第1実施形態例では、演出モードがATモードに滞在している場合には、再遊技役の当選確率が約1/7.3に設定されているRT1に遊技状態を移行させないようなストップボタンの操作に係る打順演出をサブモニタ16等で実行する。例えば、ATモードでRT1に滞在している場合において、RT1リプに当選すると、RT2移行打順に係る打順演出をサブモニタ16等で実行し、この打順演出に従ってストップボタンを操作することにより、遊技状態を再遊技役の当選確率が約1/2に設定されているRT2に移行させる。また、例えば、ATモードでRT2に滞在している場合において、RT2リプに当選すると、RT2維持打順に係る打順演出をサブモニタ16等で実行し、この打順演出に従ってストップボタンを操作することにより、遊技状態をRT2で維持する。このため、一般的に、ATモードでは遊技状態がRT2に滞在する。一方、演出モードが非ATモードに滞在している場合には、遊技状態の移行に係る打順演出をサブモニタ16等で実行しないように制御するため、一般的に、非ATモードでは遊技状態がRT1に滞在しやすくなっている。
また、第1実施形態例では、通常状態(非RT〜RT2)でATモードに滞在している場合には、打順ベルの当選時に9枚役が入賞となる9枚入賞打順に係る打順演出をサブモニタ16等で実行し、非ATモードに滞在している場合には、打順ベルの当選時に小役が入賞となる打順に係る打順演出をサブモニタ16等で実行しないように制御している。これにより、ATモードではメダルの獲得を容易にさせ、非ATモードではメダルの獲得を困難にさせている。
図2に説明を戻し、メインモニタ制御手段108は、サブモニタ16等で打順演出が実行される場合に、打順演出に対応するストップボタンの打順に係る情報をメインモニタ13に表示するよう制御する。
設定値管理手段109は、遊技場の管理者による設定キーや設定変更ボタン等の外部操作により設定値が変更された場合に、変更後の設定値を主制御処理部100のメインRAMに構築された遊技情報記憶領域140に記憶する。
図8に示すように、出玉率を示す設定値が1〜6まで設けられており、設定値1に出玉率97%、設定値2に出玉率99%、設定値3に出玉率100%、設定値4に出玉率102%、設定値5に出玉率104%、設定値6に出玉率107%がそれぞれ対応付けられている。
第1実施形態例では、特典付与の期待値(ATモードへの期待値、AT遊技の上乗せの期待値)に応じた3つの遊技モードが設けられ、これら各遊技モードの滞在期間が現在の設定値(遊技情報記憶領域140に記憶されている設定値)に応じて異なるように、所定契機で取得した遊技モード乱数に基づいて、遊技モード移行抽選を実行するように構成されている(詳しくは後述)。
演出モード制御手段110は、非ATモードでレアベル(22番)に当選したことに基づいて、ATモードへの移行の可否をAT抽選で決定するAT抽選手段111と、演出モードの移行を制御する演出モード移行制御手段112と、ATモードでレアベルに当選したことに基づいて、ATモードで実行可能なAT遊技の回数を加算するか否かを抽選(以下、上乗せ抽選と言う。)で決定する上乗せ抽選手段113と、を備えている。
AT抽選手段111は、遊技モードの種別に応じてAT抽選を実行する。具体的には、図9に示すように、通常モードでは10%の当選確率、高確モードでは20%の当選確率、超高確モードでは40%の当選確率でAT抽選を実行する。
演出モード移行制御手段112は、AT抽選の当選に基づいて、ATモードへの移行を決定し、ATモードでAT遊技の実行可能回数が「0」となったことに基づいて非ATモードへの移行を決定する。
上乗せ抽選手段113は、遊技モードの種別に応じて上乗せ抽選を実行する。具体的には、図9に示すように、通常モードでは20%の当選確率、高確モードでは30%の当選確率、超高確モードでは50%の当選確率で上乗せ抽選を実行する。
遊技モード制御手段120は、遊技モード乱数を発生させる乱数発生手段121と、所定契機に遊技モード乱数を取得する乱数取得手段(取得手段)122と、取得した遊技モード乱数を記憶する乱数記憶手段123と、遊技モード移行抽選で参照される複数種類の遊技モード抽選テーブル124と、遊技モード移行抽選で行われる演算処理の回数(詳しく後述)を規定している演算処理回数テーブル125と、複数種類の遊技モード抽選テーブルの中から遊技モード移行抽選で参照するテーブルを1つ選択するテーブル選択手段126と、選択された遊技モード抽選テーブルを参照して遊技モード移行抽選を実行する遊技モード抽選手段(抽選手段)127と、遊技モードの移行を制御する遊技モード移行制御手段(遊技処理手段)128と、を備えている。
乱数発生手段121は、周期的に(例えば4ミリ秒毎)入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(0〜255までの範囲)で1ずつ更新させることにより、遊技モード乱数を発生させる。
乱数取得手段122は、内部抽選で特殊リプ(通常リプ、レアリプ)に当選した場合に、スタートレバー9の遊技開始操作タイミングで遊技モード乱数を取得する。なお、第1実施形態例において、内部抽選の結果に拘わらず、遊技開始操作が行われる毎に遊技モード乱数を取得し、遊技モード移行抽選が行われる場合に当該乱数を用いて遊技モード移行抽選を行い、遊技モード移行抽選が行われない場合に当該乱数を用いることなく破棄する構成であっても良い。
乱数記憶手段123は、乱数取得手段122の取得した遊技モード乱数を取得乱数値として主制御処理部100のメインRAMに構築された遊技情報記憶領域140(所謂レジスタ)に記憶する。
図10に示す遊技モード抽選テーブル124は、内部抽選の結果に基づいて遊技モードを移行させるために用いられるテーブルであって、設定値1に対応する遊技モード抽選テーブル124aと、設定値2に対応する遊技モード抽選テーブル124bと、設定値3に対応する遊技モード抽選テーブル124cと、設定値4に対応する遊技モード抽選テーブル124dと、設定値5に対応する遊技モード抽選テーブル124eと、設定値6に対応する遊技モード抽選テーブル124fと、を備えている。
なお、第1実施形態例における説明において、説明の便宜上、遊技モード抽選テーブル124aを「テーブル124a」、遊技モード抽選テーブル124bを「テーブル124b」、遊技モード抽選テーブル124cを「テーブル124c」、遊技モード抽選テーブル124dを「テーブル124d」、遊技モード抽選テーブル124eを「テーブル124e」、遊技モード抽選テーブル124fを「テーブル124f」と言うことにする。
各テーブル124a〜fは、主制御処理部100のメインROMに格納(記憶)され、互いに異なるアドレス(番地、位置)が対応付けられている。詳しくは後述するが、各テーブル124a〜fに対応付けられたアドレスは、設定値と、図10に示す演算処理回数テーブル125で定義された演算処理回数と、に基づいて予め設定(定義)されている。なお、テーブル124aが記憶されている記憶領域にアドレス0、テーブル124bが記憶されている記憶領域にアドレス3、テーブル124cが記憶されている記憶領域にアドレス6、テーブル124dが記憶されている記憶領域にアドレス9、テーブル124eが記憶されている記憶領域にアドレス12、テーブル124fが記憶されている記憶領域にアドレス15がそれぞれ対応付けられている。
テーブル選択手段126は、遊技情報記憶領域140に記憶されている設定値(現在の設定値)と、演算処理回数テーブル125で定義された演算処理回数とに基づいて、テーブル124a〜fに対応付けられたアドレスを特定(算定)し、この特定したアドレスに対応付けられた遊技モード抽選テーブルを遊技モード移行抽選で参照する(使用する)テーブルとして選択する。なお、テーブル選択手段126による遊技モード抽選テーブルの選択処理については詳しく後述する。
遊技モード抽選手段127は、内部抽選で特殊リプ(通常リプ、レアリプ)に当選した場合に、乱数記憶手段123により遊技情報記憶領域140に記憶されている遊技モード乱数(取得乱数、取得乱数値)と、テーブル選択手段126により選択されている遊技モード抽選テーブルとに基づいて、遊技モード移行抽選を実行する。
以下に、遊技モード移行抽選の内容について図11を用いて説明する。
遊技モード移行抽選は、通常モード、高確モード、超高確モード、現在の遊技モード、の合計4つの項目の中から一の項目を決定する遊技モードの移行に関する抽選である。図11に示すように、項目0番に「通常モード」、項目1番に「高確モード」、項目2番に「超高確モード」、項目3番に「現在の遊技モード」がそれぞれ対応付けられており、通常モード、高確モード、超高確モードに対応する各項目(以下、通常項目と言う。)には、遊技モード移行抽選における遊技モードの選択確率を規定する遊技モード乱数に対応する置数が予め対応付けられているが、現在の遊技モードに対応する項目(以下、特殊項目と言う。)には、置数が予め対応付けられていない構成になっている。なお、特殊項目である項目3番に対応付けられた「現在の遊技モード」とは、現在の遊技モードを維持して遊技モードを移行させない項目であり、遊技モード移行抽選における所謂ハズレに相当するものである。
このように、遊技モード移行抽選に係る抽選項目は、置数が予め対応付けられている通常項目(項目0番〜2番)と、置数が予め対応付けられていない一の特殊項目(項目3番)とで構成され、遊技モード抽選手段(抽選手段)127は、遊技モード移行抽選において、乱数取得手段(取得手段)122の取得した遊技モード乱数に対応する置数が通常項目(他の項目)に該当するか否かを判断し、通常項目に該当しないと判断した場合に、遊技モード移行抽選の結果を特殊項目に決定するように構成されている。
そして、第1実施形態例では、遊技モード移行抽選において、乱数取得手段122の取得した遊技モード乱数(以下、取得乱数と言う。)に対応する置数が通常項目に該当するか否かを判定するために、通常項目として設定した項目0番〜2番までの3つの各項目において、取得乱数に対応する置数が通常項目に該当するか否かの演算処理をそれぞれ実行し、これら3回の演算処理で取得乱数に対応する置数が通常項目に該当しないと判断した場合に、取得乱数に対応する置数が特殊項目に該当するものとして、遊技モード移行抽選の結果を特殊項目に決定するように構成されている。つまり、取得乱数に対応する置数が特殊項目に該当するか否かの判定は、設定値の種別に拘わらず、取得乱数に対応する置数が通常項目に該当するか否かの演算処理を3回実行することにより行われる。このため、図10に示すように、各テーブル124a〜fには、置数が予め対応付けられた(定義された)通常項目(項目0番〜2番)の情報(第1実施形態例では6つの情報)のみが設けられ、演算処理の実行回数である演算処理回数「3」を示す1つの情報が同図に示す演算処理回数テーブル125に設けられているのである。なお、第1実施形態例では、これら各情報を1バイトで表現しており、各テーブル124a〜fは、それぞれ6バイトの容量であり(すなわち、遊技モード抽選テーブル124a〜fのデータ容量は36バイト(6×6)であり)、演算処理回数テーブル125のデータ容量は1バイトである。
テーブル124aは、設定値1で参照されるテーブルである。図10,11(1)に示すように、項目0番の通常モードには、遊技モード乱数0〜39に相当する置数40が通常リプに対応付けられ、遊技モード乱数0に相当する置数1がレアリプに対応付けられている。同様に、項目1番の高確モードには、遊技モード乱数40〜41に相当する置数2が通常リプに、遊技モード乱数1〜30に相当する置数30がレアリプに、それぞれ対応付けられ、項目2番の超高確モードには、遊技モード乱数42に相当する置数1が通常リプに、遊技モード乱数31に相当する置数1がレアリプに、それぞれ対応付けられている。つまり、通常リプに対応するテーブル124aでは、通常項目(項目0番〜2番)に遊技モード乱数0〜42を取り得る置数が定義付けられているが、遊技モード乱数43〜255を取り得る置数が特殊項目(項目3番)に定義付けられていない構成となっており、レアリプに対応するテーブル124aでは、通常項目(項目0番〜2番)に遊技モード乱数0〜31を取り得る置数が定義付けられているが、遊技モード乱数32〜255を取り得る置数が特殊項目(項目3番)に定義付けられていない構成となっている。これにより、テーブル124aが参照されて遊技モード移行抽選が行われる場合には、通常リプの当選時に、通常モードへの移行確率が40/256、高確モードへの移行確率が2/256、超高確モードへの移行確率が1/256、現在の遊技モードが維持される確率が残り213/256となり、レアリプの当選時に、通常モードへの移行確率が1/256、高確モードへの移行確率が30/256、超高確モードへの移行確率が1/256、現在の遊技モードが維持される確率が残り224/256となる。
テーブル124bは、設定値2で参照されるテーブルである。図10,11(2)に示すように、項目0番の通常モードには、置数40(遊技モード乱数0〜39)が通常リプに、置数1(遊技モード乱数0)がレアリプに、それぞれ対応付けられ、項目1番の高確モードには、置数2(遊技モード乱数40〜41)が通常リプに、置数33(遊技モード乱数1〜33)がレアリプに、それぞれ対応付けられ、項目2番の超高確モードには、置数1(遊技モード乱数42)が通常リプに、置数2(遊技モード乱数34〜35)がレアリプに、それぞれ対応付けられている。これにより、テーブル124bが参照されて遊技モード移行抽選が行われる場合には、通常リプの当選時に、通常モードへの移行確率が40/256、高確モードへの移行確率が2/256、超高確モードへの移行確率が1/256、現在の遊技モードが維持される確率が213/256となり、レアリプの当選時に、通常モードへの移行確率が1/256、高確モードへの移行確率が33/256、超高確モードへの移行確率が2/256、現在の遊技モードが維持される確率が残り220/256となる。
テーブル124c〜fについての詳細な説明は省略するが、図10,11(3)〜(6)に示すように、設定値3に対応するテーブル124cは、通常リプの当選時に、通常モードへの移行確率40/256、高確モードへの移行確率3/256、超高確モードへの移行確率2/256、現在の遊技モードが維持される確率211/256、レアリプの当選時に、通常モードへの移行確率1/256、高確モードへの移行確率36/256、超高確モードへの移行確率6/256、現在の遊技モードが維持される確率213/256である。
同様に、設定値4に対応するテーブル124dは、通常リプの当選時に、通常モードへの移行確率40/256、高確モードへの移行確率3/256、超高確モードへの移行確率2/256、現在の遊技モードが維持される確率211/256、レアリプの当選時に、通常モードへの移行確率1/256、高確モードへの移行確率40/256、超高確モードへの移行確率8/256、現在の遊技モードが維持される確率207/256となる。
また、設定値5に対応するテーブル124eは、通常リプの当選時に、通常モードへの移行確率40/256、高確モードへの移行確率4/256、超高確モードへの移行確率2/256、現在の遊技モードが維持される確率210/256、レアリプの当選時に、通常モードへの移行確率1/256、高確モードへの移行確率45/256、超高確モードへの移行確率9/256、現在の遊技モードが維持される確率201/256となる。
また、設定値6に対応するテーブル124fは、通常リプの当選時に、通常モードへの移行確率40/256、高確モードへの移行確率4/256、超高確モードへの移行確率2/256、現在の遊技モードが維持される確率210/256、レアリプの当選時に、通常モードへの移行確率1/256、高確モードへの移行確率52/256、超高確モードへの移行確率11/256、現在の遊技モードが維持される確率192/256となる。
図10,11から明らかなように、テーブル124a〜fのうち、特典付与の期待値の高い高確モードおよび超高確モード(以下、有利遊技モードと言う。)への移行確率が最も低いテーブルは、設定値1で参照されるテーブル124aであり、有利遊技モードへの移行確率が最も高いテーブルは、設定値6で参照されるテーブル124fである。このため、設定値1は、比較的に有利遊技モードの滞在期間が短く、設定値6は、比較的に有利遊技モードの滞在期間が長くなる。
図2に説明を戻し、遊技モード抽選手段127は、特殊リプ(通常リプ、レアリプ)に当選した場合には、この特殊リプの当選に基づいて取得された取得乱数値(遊技モード乱数)を遊技情報記憶領域140から抽出する。そして、抽出した取得乱数値から項目0番に対応付けられた置数を減算し、減算後の乱数値(以下、残乱数値と言う。)が「0」未満となっているか否かを判断するという一連の処理である1回目の演算処理を実行し、この1回目の演算処理で残乱数値が「0」未満となっていない場合には、この残乱数値から項目1番に対応付けられた置数を減算して残乱数値を求め、この残乱数値が「0」未満となっているか否かを判断する2回目の演算処理を実行し、この2回目の演算処理で残乱数値が「0」未満となっていない場合には、この残乱数値から項目2番に対応付けられた置数を減算して残乱数値を求め、この残乱数値が「0」未満となっているか否かを判断する3回目の演算処理を実行し、この3回目の演算処理で残乱数値が「0」未満となっていない場合には、遊技モード移行抽選の結果を特殊項目に決定する。一方、各演算処理で得られた残乱数値が「0」未満となっている場合には、残乱数値が「0」未満となったときに行った演算処理に対応する項目を遊技モード移行抽選の結果に決定する。つまり、遊技モード抽選手段127は、特殊リプの当選に基づいて取得された取得乱数値から通常項目に対応付けられた置数を減算して得られた残乱数値が「0」未満となっているか否かを判断する演算処理を1回〜3回実行することにより、遊技モード移行抽選を実行するように構成されているのである。
このように、遊技モード移行抽選では、通常モード(項目0番)、高確モード(項目1番)、超高確モード(項目2番)、現在の遊技モード(項目3番)の4つの項目が設定されているにも拘わらず、最大で3回の演算処理を実行することにより、遊技モード移行抽選の結果を導き出すことが可能である。そこで、第1実施形態例では、データ容量が36バイトの遊技モード抽選テーブル124で特殊項目に置数を定義しない(対応付けない)替わりに、データ容量が1バイトの演算処理回数テーブル125で演算処理回数「3」を示す情報を定義し、この定義した演算処理回数「3」に基づいて、最大で3回の演算処理を遊技モード移行抽選で実行し、この3回の演算処理を実行してもなお、残乱数値が「0」未満となっていない場合に、取得乱数に対応する置数が特殊項目に該当するものとして、遊技モード移行抽選を実行しているのである。
そして、第1実施形態例では、各設定値に互いに異なる遊技モード抽選テーブル(124a〜f)が対応付けられており、特殊リプの当選時に現在の設定値に対応する遊技モード抽選テーブルを選択して遊技モード移行抽選を実行する。ここで、現在の設定値が設定値1〜6の何れであるかに拘わらず、遊技モード移行抽選では、上記した演算処理が最大で3回の固定回数を行う構成になっている。そこで、第1実施形態例では、各設定値に対応する遊技モード抽選テーブル(遊技データ)が記憶されているアドレスを、演算処理回数「3」と各設定値に対応する識別値とに基づいて予め設定している。
具体的には、図10に示すように、設定値1の場合に参照されるテーブル124aが記憶されているアドレスを、演算処理回数「3」に設定値1の識別値「0」を掛けて(3×0=0)求められる「0」に設定し、設定値2の場合に参照されるテーブル124bが記憶されているアドレスを、演算処理回数「3」に設定値2の識別値「1」を掛けて(3×1)求められる「3」に設定している。同様に、設定値3に対応するテーブル124cが記憶されているアドレスを「6」(演算処理回数「3」×設定値3の識別値「2」=6)に、設定値4に対応するテーブル124dが記憶されているアドレスを「9」(演算処理回数「3」×設定値4の識別値「3」=9)に、設定値5に対応するテーブル124eが記憶されているアドレスを「12」(演算処理回数「3」×設定値5の識別値「4」=6)に、設定値6に対応するテーブル124fが記憶されているアドレスを「15」(演算処理回数「3」×設定値6の識別値「5」=18)に、それぞれ設定すると共に、演算処理回数テーブル125が記憶されているアドレスを「18」に設定し、テーブル選択手段126は、現在の設定値と演算処理回数とに基づいて、遊技モード抽選テーブルを直接的に選択する。つまり、テーブル選択手段126は、現在の設定値に対応付けられた識別値に演算処理回数「3」(固定回数)を掛けて得られた数値で定義されているアドレスに対応する遊技モード抽選テーブルに含まれている遊技データを遊技モード抽選(所定抽選)で用いる遊技データに決定するものである。よって、テーブル選択手段126を遊技データ決定手段とも言い換えることができる。
次に、本実施形態例のスロットマシンSに係る遊技の処理手順について図12のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS1〜S5)
規定数のメダルがスロットマシンSに投入されると(S1)、スタートレバー9が有効化され(S2)、かかる後に、スタートレバー9が操作されると(S3)、内部抽選が行われる(S4)。そして、内部抽選で決定された役に対応する当選フラグがONにセットされる(S5)。
本実施形態例では、ステップS5において、ONにセットされている当選フラグの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し、副制御処理部200が当該演出コマンドを受信すると、演出モードの種類に応じて内部抽選で決定された役に対応する様々な演出をサブモニタ16等で実行する。
(ステップS100)
次に、演出モードの種別に応じて第1演出モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS200に処理を移す。
第1演出モード制御処理(S200)の詳細な説明および図示を省略するが、非ATモードにおける内部抽選でレアベルに当選した場合には、遊技モード毎に規定されたAT抽選テーブル(図9)を参照してAT抽選を実行し、AT抽選に当選した場合には、ATモードへの移行を決定する。また、ATモードにおける内部抽選でレアベルに当選した場合には、遊技モード毎に規定された上乗せ抽選テーブル(図9)を参照して上乗せ抽選を実行し、上乗せ抽選に当選した場合には、所定回数(例えば10回や50回等)のAT遊技を付与する。そして、非ATモードでAT遊技の回数が「0」となったことに基づいて、非ATモードへの移行を決定する。
(ステップS200)
次に、遊技モードの種別に応じて第1遊技モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS6に処理を移す。なお、第1遊技モード制御処理については後述する。
(ステップS6〜S8)
次に、前回の遊技における各リール5〜7の回転開始時点から所定時間(例えば4.1秒)の経過を条件に各リール5〜7の回転を一斉に開始し(S6)、全てのリールが定常回転に達した後に全てのストップボタンの操作を有効化する(S7)。そして、有効化された各ストップボタン10〜12の操作に基づいて対応するリールを停止させる(S8)。
(ステップS9〜S13)
次に、ステップS4の内部抽選で決定された当選エリアに対応付けられた役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されているか否かの遊技結果判定処理を行い(S9)、この遊技結果判定処理に応じて、小役の入賞によるメダル払出処理(S10)、再遊技役の入賞による再遊技設定処理(S11)、遊技状態を通常状態内で移行させる役として機能する再遊技役や小役およびRBB役に係る図柄組合せが有効ラインLに表示されたことによる遊技状態の移行処理(S12)、遊技結果判定処理の結果に応じて当選フラグのON・OFFを制御する当選フラグ制御処理(S13)を行う。
(ステップS300)
次に、演出モードの種別に応じて第2演出モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了するとステップS400に処理を移す。
第2演出モード制御処理(S300)の詳細な説明および図示を省略するが、非ATモードでATモードへの移行が決定されている場合には、ATモードの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信し、ATモードで非ATモードへの移行が決定されている場合には、非ATモードの情報を含む演出コマンドを副制御処理部200に送信する。副制御処理部200の演出モード移行手段201は、受信した演出コマンドに含まれている演出モードの情報に基づいて演出モードを移行させる。
(ステップS400)
次に、遊技モードの種別に応じて第2遊技モード制御処理を実行し、この処理の実行が終了すると遊技を終了させる。なお、第2遊技モード制御処理については後述する。
このように、第1実施形態例では、規定数のメダルの投入下におけるスタートレバー9の遊技開始操作に基づいて複数種類の当選エリアの当否を決定する内部抽選を行うと共に、各リール5〜7の回転を開始させ、有効化されたストップボタン10〜12の操作および内部抽選の結果に基づいて各リール5〜7の回転を停止させて1回の遊技を行う。そして、この1回の遊技が行われる間に、演出コマンドなどに代表される複数種類のコマンドを所定のタイミングで副制御処理部200に送信する構成になっている。
次に、第1遊技モード制御処理(S200)について図13を用いて以下に説明する。
(ステップS201)
まず、ステップS4の内部抽選で特殊リプ(通常リプ、レアリプ)に当選したか否かを判断する(S201)。このとき、特殊リプに当選していない場合(S201でNo)には、第1遊技モード制御処理を終了させ、特殊リプに当選している場合(S201でYes)には、ステップS202に処理を移す。
(ステップS202〜S203)
次に、ステップS3の遊技開始操作を契機(所定契機)に遊技モード乱数を取得し(S202)、取得した遊技モード乱数を取得乱数(取得乱数値)として遊技情報記憶領域140に記憶する(S203)。
(ステップS210)
次に、遊技モード移行抽選で用いる遊技モード抽選テーブルを選択する遊技モード抽選テーブル選択処理を実行し、ステップS250に処理を移す。なお、遊技モード抽選テーブル選択処理については後述する。
(ステップS250)
次に、ステップS210で選択された遊技モード抽選テーブルを参照して遊技モード移行抽選処理を実行し、第1遊技モード制御処理を終了させる。
次に、遊技モード抽選テーブル選択処理(S210)について図14を用いて以下に説明する。
(ステップS211〜S213)
まず、予め定義された演算処理回数「3」をセットし(S211)、遊技情報記憶領域140に記憶されている設定値、すなわち、現在の設定値を確認する(S212)。そして、演算処理回数「3」に設定値を示す識別値を乗算することにより、遊技モード移行抽選で用いる遊技モード抽選テーブルが記憶されている記憶領域を示すアドレスを算定する(S213)。そして、ステップS213で算定したアドレスにある遊技モード抽選テーブルを遊技モード移行抽選で用いるテーブルに決定し(S214)、遊技モード抽選テーブル選択処理を終了させる。
例えば、現在の設定値が「1」の場合に、演算処理回数「3」に設定値1の識別値「0」を掛けてアドレス0を算定して、アドレス0にあるテーブル124a(図10)を遊技モード移行抽選で用いるテーブルに決定する。また、例えば、現在の設定値が設定値6の場合に、演算処理回数「3」に設定値6の識別値「5」を掛けてアドレス15を算定して、アドレス15にあるテーブル124f(図10)を遊技モード移行抽選で用いるテーブルに決定する。
次に、遊技モード移行抽選処理(S250)について図15を用いて以下に説明する。
(ステップS251〜S252)
まず、遊技情報記憶領域140に記憶されている取得乱数値を抽出し(S251)、予め定義されている演算処理回数「3」をセットする(S252)。なお、ステップS252でセットされた演算処理回数は、取得乱数値に対応する置数が通常項目に該当するか否かの演算処理を1回実行する毎に「1」減算される。
(ステップS253)
次に、ステップS252でセットされた演算処理回数が「0」であるか否かを判断する(S253)。このとき、演算処理回数が「0」でない場合(S253でNo)には、ステップS254に処理を移し、演算処理回数が「0」の場合(S253でYes)には、ステップS260に処理を移す。
(ステップS254)
ステップS253でNo、すなわち、演算処理回数が「0」でない場合には、残乱数値をセットする。なお、残乱数値とは、取得乱数値から演算処理回数に対応する項目の置数を減算して得られた数値のことを言い、未だ演算処理が一度も行われていない場合には、残乱数値は、ステップS251で抽出された取得乱数値となる。
例えば、ステップS251で抽出された取得乱数値が「51」である場合に、初めての演算処理(1回目の演算処理)が行われる場合には、まず、残乱数値として「51」がセットされる。
(ステップS255)
次に、演算処理回数に対応する項目番号の置数をセットする。具体的には、現在の演算処理回数が「3」である場合、すなわち、遊技情報記憶領域140から取得乱数値を抽出して初めて演算処理(1回目の演算処理)を行う場合には、項目0番の通常モードに対応付けられた置数をセットし、現在の演算処理回数が「2」(2回目の演算処理)の場合には、項目1番の高確モードに対応付けられた置数をセットし、現在の演算処理回数が「1」(3回目の演算処理)の場合には、項目2番の高確モードに対応付けられた置数をセットする。つまり、演算処理は、項目0番、1番、2番の順番で行われる。
(ステップS256〜S257)
次に、ステップS254でセットした残乱数値からステップS255でセットした置数を減算し(S256)、演算処理回数から「1」を減算する(S257)。なお、減算処理の具体例については後述する。
(ステップS258〜S259)
次に、ステップS256における減算処理で得られた残乱数値が「0」未満であるか否かを判断する(S257)。このとき、残乱数値が「0」未満である場合(S258でYes)には、ステップS255でセットした置数に対応する項目番号、すなわち、現在の演算処理回数に対応する項目番号を遊技モード移行抽選の結果に決定して(S259)、遊技モード移行抽選処理を終了させる。一方、残乱数値が「0」未満でない場合(S258でNo)には、ステップS253の手前に処理を戻し、再びステップS253以降の処理を行う。
(ステップS260)
ステップS253でYes、すなわち、残乱数値が「0」未満となる前(S258でYesとなる前)に演算処理回数が「0」となった場合には、ステップS260に処理を移し、演算処理回数「0」に対応する項目3番(特殊項目)を遊技モード移行抽選の結果に決定して、遊技モード移行抽選処理を終了させる。
次に、演算処理の具体例1について図16(a)を用いて説明する。具体例1は、設定値3の状態で通常リプに当選したことにより(S4)、遊技モード乱数「151」を取得し(S202)、設定値3の識別値「2」に演算処理回数「3」を掛けて得られた(3×2=6)アドレス6にあるテーブル124c(図10)を遊技モード移行抽選で使用する抽選テーブル(遊技データ)として選択した場合の例である(S213,S214)。
図16(a)に示すように、1回目の演算処理において、取得乱数値「151」を残乱数値としてセットし(S254)、テーブル124cにおける項目0番の通常リプに対応する置数「40」をセットする(S255)。そして、残乱数値「151」から置数「40」を減算(151−40=111)する処理を行うと共に(S256)、演算処理回数「3」から「1」を減算して(S257)残りの演算処理回数が「2」となった。このとき、残乱数値が「111」となり「0未満」ではないため(S258でNo)、項目0番に対する1回目の演算処理に続いて、項目1番に対する2回目の演算処理が行われることになる。
図16(a)に示すように、1回目の演算処理で残乱数値が「111」となっているため、2回目の演算処理において、残乱数値「111」をセットし(S254)、項目1番の通常リプに対応する置数「3」をセットする(S255)。そして、残乱数値「111」から置数「3」を減算(111−3=108)する処理を行うと共に(S256)、演算処理回数「2」から「1」を減算して(S257)残りの演算処理回数が「1」となった。このとき、残乱数値が「108」となり0未満ではないため(S258でNo)、項目1番に対する2回目の演算処理に続いて、項目2番に対する3回目の演算処理が行われることになる。
図16(a)に示すように、2回目の演算処理で残乱数値が「108」となっているため、3回目(最後)の演算処理において、残乱数値「108」をセットし(S254)、項目2番の通常リプに対応する置数「2」をセットする(S255)。そして、残乱数値「108」から置数「2」を減算(108−2=106)する処理を行うと共に(S256)、演算処理回数「1」から「1」を減算して(S257)残りの演算処理回数が「0」となった。このとき、残乱数値が「106」となり0未満ではないが(S258でNo)、演算処理回数が「0」となっているため(S253でYes)、項目3番(特殊項目)を遊技モード移行抽選の結果に決定して遊技モード移行抽選処理を終える。このとき、遊技モード移行抽選の結果が項目3番の「現在の遊技モード」であるため、現在の遊技モードが維持されることになる。
次に、演算処理の具体例2について図16(b)を用いて説明する。具体例2は、設定値6の状態でレアリプに当選したことにより(S4)、遊技モード乱数「20」を取得し(S202)、演算処理回数「3」に設定値6の識別値「5」を掛けて得られた(3×5=15)アドレス15にあるテーブル124f(図10)を遊技モード移行抽選で使用する抽選テーブル(遊技データ)として選択した場合の例である(S213,S214)。
図16(b)に示すように、1回目の演算処理において、取得乱数値「20」を残乱数値としてセットし(S254)、テーブル124fにおける項目0番のレアリプに対応する置数「1」をセットする(S255)。そして、残乱数値「20」から置数「1」を減算(20−1=19)する処理を行うと共に(S256)、演算処理回数「3」から「1」を減算して(S257)残りの演算処理回数が「2」となった。このとき、残乱数値が「19」となり「0未満」ではないため(S258でNo)、項目0番に対する1回目の演算処理に続いて、項目1番に対する2回目の演算処理が行われることになる。
図16(b)に示すように、1回目の演算処理で残乱数値が「19」となっているため、2回目の演算処理において、残乱数値「19」をセットし(S254)、項目1番のレアリプに対応する置数「52」をセットする(S255)。そして、残乱数値「19」から置数「52」を減算(19−52=−33)する処理を行うと共に(S256)、演算処理回数「2」から「1」を減算して(S257)残りの演算処理回数が「1」となった。このとき、残乱数値が「14」となり0未満となったため(S258でYes)、2回目の演算処理に対応する項目1番(通常項目)を遊技モード移行抽選の結果に決定して遊技モード移行抽選処理を終える。このとき、遊技モード移行抽選の結果が項目1番の「高確モード」であるため、遊技モードが高確モードに移行することになる。
以上のように、第1実施形態例では、遊技モード移行抽選で用いられるテーブル124a〜fは、設定値(状態)の種別により変動することのない3個(固定数)の通常項目と遊技モード乱数に対応する置数とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。つまり、遊技モード移行抽選の項目3番(特殊項目)に置数を対応付けないようにして、遊技モード抽選テーブル124を通常項目(項目0番〜2番)に対応する置数の情報のみで構成し、項目3番に遊技モード乱数に対応する置数を対応付けない替わりに、遊技モード移行抽選で項目毎に行われる演算処理の最大実行回数(3回)を演算処理回数テーブル125に定義して、データ容量が36バイトの遊技モード抽選テーブル124と、データ容量が1バイトの演算処理回数テーブル125とを用いて、遊技モード移行抽選を実行可能としている。これにより、遊技モード移行抽選に要するデータ容量を削減することができる。
仮に、遊技モード移行抽選の項目3番に遊技モード乱数に対応する置数を対応付けて、遊技モード抽選テーブル124を項目0番〜3番に対応する置数の情報で構成したとすると、図17に示すように、遊技モード抽選テーブルのデータ容量が48バイト(8×6)となり、第1実施形態例の遊技モード抽選テーブル124と比較して、データ容量が12バイト(48−36=12)増加してしまうことになる。
また、従来の遊技機は、図17に示すように、遊技モード移行抽選で参照する遊技モード抽選テーブルを選択するために、すなわち、遊技モード抽選テーブルのアドレス(番地、位置)を特定するために、各遊技モード抽選テーブルのアドレスを特定するオフセットの情報(データ)で構成されたオフセットテーブル(図17のアドレス24に示す記憶領域に記憶されているテーブル)を備えている。この従来の遊技機では、遊技モード移行抽選を実行する場合に、まず、現在の設定値を確認し、次に、現在の設定値に対応する遊技モード抽選テーブルが記憶されている記憶領域を示すアドレスをオフセットテーブルで参照して特定し、この特定したアドレスにある遊技モード抽選テーブルを遊技モード移行抽選で参照するテーブルとして選択するように構成されている。このため、従来では、設定値に応じた遊技モード移行抽選を行うために、設定値の数(6個)に相当する6バイトのオフセットデータが必要であった。つまり、従来の遊技機では、48バイトの遊技モード抽選テーブルと、6バイトのオフセットテーブルと、を用いて遊技モード移行抽選を行うため、遊技モード移行抽選に54バイト(48+6=54)の容量を必要としている。
これに対し、第1実施形態例では、演算処理回数テーブル125で定義された演算処理回数「3」に設定値に対応する識別値(例えば設定値6の場合に識別値「5」)を乗じて得られた数値を遊技モード抽選テーブルが記憶されている記憶領域を示すアドレスに設定し、遊技モード移行抽選を実行する場合には、演算処理回数「3」に現在の設定値に対応する識別値を掛けて乗算し、これにより得られた数値で遊技モード抽選テーブルのアドレスを特定し、この特定したアドレスにある遊技モード抽選テーブルを遊技モード移行抽選で参照するテーブルとして選択するように構成されている。つまり、第1実施形態例では、36バイトの遊技モード抽選テーブル124と、1バイトの演算処理回数テーブル125と、を用いて遊技モード移行抽選を行うため、遊技モード移行抽選に必要な容量が37バイト(36+1=37)のみであり、従来の遊技機よりも17バイト(54−37=17)のデータ容量を削減することができる。
なお、第1実施形態例では、遊技モードの移行処理(遊技に関する処理)を行うための遊技モード乱数を特殊リプ(通常リプ、レアリプ)の当選時(所定契機)に取得し、取得した遊技モード乱数(取得乱数値)に基づいて、通常モード(項目0番)、高確モード(項目1番)、超高確モード(項目2番)、現在の遊技モード(項目3番)を含む複数種類の項目の中から一の項目を遊技モード移行抽選(所定抽選)で決定するように構成されているが、この構成に限られず、一の所定の当選エリアの当選のみに基づいて遊技モード移行抽選を実行する構成であっても良いし、内部抽選の結果以外の遊技結果、例えば、AT抽選の当選結果やAT抽選の非当選結果に基づいて遊技モード移行抽選を実行する構成や、遊技状態の移行契機(例えばRBBへの移行契機や非RTへの移行契機など)に遊技モード移行抽選を実行する構成であっても良い。
また、第1実施形態例では、遊技モード移行抽選の項目は、遊技モード乱数に対応する置数が予め対応付けられていない一の特殊項目(項目3番)と、置数が予め対応付けられている複数の通常項目(他の項目,項目0番〜2番)とで構成されているが、この構成に限られず、特殊項目を1つとすることを前提として、通常項目も1つとして、遊技モード移行抽選の項目を合計で2つとし、遊技モード抽選テーブルには、置数が予め対応付けられた1つの通常項目の情報のみが含まれる構成としても良い。このように構成したとしても、データ容量を削減することができる。
また、第1実施形態例では、遊技モード抽選手段(抽選手段)127は、乱数取得手段(取得手段)122の取得した遊技モード乱数(取得乱数、取得乱数値)が通常項目に該当するか否かの演算処理を、通常モードに対応する項目0番、高確モードに対応する項目1番、超高確モードに対応する項目2番の順番で実行することにより遊技モード移行抽選を行うように構成され、各演算処理で残乱数値が「0」未満にならなかった場合に、現在の遊技モードに対応する項目3番を遊技モード移行抽選の結果として決定する構成になっているが、この構成に限られず、通常モードを特殊項目に設定するなど、現在の遊技モード以外の項目を特殊項目に設定する構成であっても良い。
なお、第1実施形態例では、図10に示すように、アドレス0,3,6,9,12,15を示す各記憶領域に設定値1〜6のそれぞれに対応する6バイトの遊技モード抽選テーブルが記憶されている構成になっているが、例えば、アドレス0を示す記憶領域にテーブル124aの項目0番に対応付けられた2バイトの置数(遊技データ)が記憶され、アドレス1を示す記憶領域にテーブル124aの項目1番に対応付けられた2バイトの置数(遊技データ)が記憶され、アドレス2を示す記憶領域にテーブル124aの項目2番に対応付けられた2バイトの置数(遊技データ)が記憶されている構成、すなわち、アドレス0,1,2を示す記憶領域に設定値1用のテーブル124aが記憶されている構成であっても良い。例えば、特殊リプ当選時の設定値が「1」である場合には、設定値1に対応付けられた識別値「0」に演算処理回数「3」を掛ける乗算で得られた数値「0」で定義されているアドレス0を起点として、まず、1回目の演算処理をアドレス0で示された記憶領域に記憶された項目0番の置数(遊技データ)を用いて実行し、この1回目の演算処理で残乱数値が0未満とならなかった場合に、2回目の演算処理をアドレス0の次のアドレス1で示された記憶領域に記憶された項目1番の置数(遊技データ)を用いて実行し、この2回目の演算処理で残乱数値が0未満とならなかった場合に、3回目の演算処理をアドレス1の次のアドレス2で示された記憶領域に記憶された項目2番の置数(遊技データ)を用いて実行することにより、遊技モード移行抽選を行うようにする。
また、第1実施形態例に係る発明を、遊技モード移行抽選以外の抽選に適用させても良い。例えば、遊技状態の種別に応じて役の当否を決定する内部抽選、演出モードの種別や遊技状態の種別に応じて、サブモニタ16等の演出装置で行われる演出の種別や、リールの動作態様を用いた回胴演出(所謂フリーズ)の種別を決定する演出種別決定抽選に本発明を適用することができる。同様に、ATモードへの移行やAT遊技の加算(上乗せ)に特化した特化モードへの移行等に関する遊技ポイントを所定契機に付与し、付与した遊技ポイントの累計値が所定値(例えば10000)に到達することによりATモードや特化モードに移行させる遊技機において、遊技の進行状況(演出モードの種別、遊技状態の種別、ATモードで実行可能なAT遊技回数等)に応じて遊技ポイントを付与するか否かを決定する遊技ポイント付与抽選に適用することもできる。例えば、内部抽選で使用する内部抽選テーブルに本発明を適用した場合の第2実施形態例について図18を用いて説明し、演出の種別を決定する演出種別決定抽選に本発明を適用した場合の第3実施形態例について図19を用いて説明する。
第2実施形態例では、図18に示すように、遊技状態の種別毎(状態毎)に内部抽選で使用する内部抽選テーブルを設け、例えば図3に示す当選エリア「不当選」(0番)を、内部抽選用の乱数(以下、内部抽選乱数と言う。)に対応する置数が予め対応付けられていな特殊項目に設定し、他の当選エリアである通常リプ等に内部抽選乱数に対応する置数を予め対応付けて通常項目に設定する。なお、非RT、RT1、RT2、RBB内部およびRBB作動の全てにおいて、特殊項目に対応する当選エリア「不当選」を内部抽選の対象としており、非RTでは、図3に示す0番、1番、14〜21番、22番、23番の当選エリア(12個)を内部抽選の対象とし、RT1では、図3に示す0番、1番、2〜7番、14〜21番、22番、23番の当選エリア(18個)を内部抽選の対象とし、RT2では、図3に示す0番、1番、8〜13番、14〜21番、22番、23番の当選エリア(18個)を内部抽選の対象とし、RBB内部およびRBB作動では、図3に示す0番、1番、15番、22番の当選エリア(4個)を内部抽選の対象としている。つまり、RT1およびRT2で参照される内部抽選テーブルは、RT1およびRT2の種別により変動することのない「18」の通常項目と内部抽選用の乱数に対応する置数とが予め対応付けられたテーブル構成を成しており、RBB内部およびRBB作動で参照される内部抽選テーブルは、RBB内部およびRBB作動の種別により変動することのない「3」の通常項目と内部抽選用の乱数に対応する置数とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。
また、第1実施形態例と同様に、非RT用の内部抽選テーブルAを参照する場合における演算処理回数「12」を演算処理回数テーブルAで定義し、RT1用の内部抽選テーブルBおよびRT2用の内部抽選テーブルCの何れかを参照する場合における演算処理回数「18」(すなわち通常項目の数「18」)を演算処理回数テーブルBで定義し、RBB内部用の内部抽選テーブルDおよびRBB作動用の内部抽選テーブルEの何れかを参照する場合における演算処理回数「3」(すなわち通常項目の数「3」)を演算処理回数テーブルCで定義する。
そして、内部抽選の処理(遊技に関する処理)を行うための内部抽選乱数を遊技開始操作のタイミング(所定契機)で取得し、この取得した内部抽選乱数と、図18に示す内部抽選テーブルおよび演算処理回数テーブルに基づいて内部抽選を実行する。このとき、内部抽選手段(抽選手段)102は、第1実施形態例と同様に、取得した内部抽選乱数が通常項目に該当するか否かの演算処理を最大で演算処理回数テーブルで定義された回数分だけ実行し(非RTでは最大で12回実行、RT1およびRT2では最大で18回実行、RBB内部およびRBB作動では最大で3回実行)、取得した内部抽選乱数が通常項目に該当しない場合には、特殊項目(当選エリア「不当選」)を内部抽選(所定抽選)の結果に決定する。このようにすると、遊技状態の種別に対応する各内部抽選テーブルにおいて、当選エリア「不当選」(特殊項目)の置数に係る情報(データ)を設定する必要がないため、内部抽選用のデータ容量を圧縮することができ、遊技に関する他のデータを主制御処理部100のROMに記憶させることができる。
第3実施形態例では、図示を省略するが、演出モードとして、非ATモードからATモードへの移行を示唆する前兆モードを設け、前兆モードの種別として、ATモードへの移行を前提とする本前兆モードと、ATモードへの移行を煽り非ATモードへの移行を前提とするフェイク前兆モードとを設ける。本前兆モードの終了後に演出モードをATモードへ移行させ、フェイク前兆モードの終了後に演出モードを非ATモードへ移行させるようにする。これら前兆モードで実行可能な特殊演出を設け、前兆モードの種別に応じて特殊演出を実行するか否かを、演出抽選テーブルを参照して演出抽選で決定するように構成する。
第3実施形態例では、図19(1)に示すように、演出抽選テーブルは、演出モード(状態)の種別により変動することのない固定数「1」の通常項目(項目0番の当り)と演出抽選用の乱数に対応する置数とが予め対応付けられたテーブル構成を成している。具体的には、本前兆モードで参照される演出抽選テーブルAでは、通常項目「0番」に置数「50」が対応付けられ、フェイク前兆モードで参照される演出抽選テーブルBでは、通常項目「0番」に置数「10」が対応付けられている。つまり、演出抽選は、当りおよびハズレの合計2つの項目の中から一の項目を決定する抽選であるが、当りに対応する通常項目には、特殊演出の実行の確率(選択確率)を規定する演出抽選用の乱数に対応する置数が予め対応付けられているが、ハズレに対応する特殊項目には、置数が予め対応付けられていない構成になっている。
なお、第3実施形態例では、通常項目は項目0番の「当り」のみであり、通常項目の数は「1個」(固定数が「1」)であるため、取得した演出抽選用の乱数から項目0番に対応付けられた置数を減算し、減算後の乱数値(残乱数値)が「0」未満となっているか否かを判断するという一連の処理である演算処理を通常項目の数と同数の1回実行することにより、演出抽選は行われることになる。
そして、第3実施形態例では、本前兆モードに識別値「0」、フェイク前兆モードに識別値「1」がそれぞれ対応付けられており、図19(1)に示すように、演出抽選テーブルAが記憶されている記憶領域を示すアドレスは、本前兆モードに対応する識別値「0」と固定数「1」とを乗算して得られた数値「0」で予め定義され、演出抽選テーブルBが記憶されている記憶領域を示すアドレスは、フェイク前兆モードに対応する識別値「1」と固定数「1」とを乗算して得られた数値「1」で予め定義されている。つまり、第3実施形態例では、アドレス0を示す記憶領域に演出抽選テーブルAの項目0番に対応付けられた1バイトの置数(遊技データ)が記憶され、アドレス1を示す記憶領域に演出抽選テーブルBの項目0番に対応付けられた1バイトの置数(遊技データ)が記憶されている。
上述のように構成された第3実施形態例に係るスロットマシンでは、演出抽選(所定抽選)で参照する演出抽選テーブル(遊技データ)を決定する決定手段は、所定条件が成立(例えば特定役に当選)したときの前兆モードの種別を判定し、判定した前兆モードの種別が本前兆モードである場合には、識別値「0」に固定数「1」を掛ける乗算を行い、この乗算により得られた数値「0」で定義されているアドレス0に対応する演出抽選テーブルAを演出抽選で用いられる抽選テーブルに決定し(アドレス0に対応付けられた置数(遊技データ)を演出抽選で用いられる遊技データに決定し)、同様に、前兆モードの種別がフェイク前兆モードである場合には、識別値「1」に固定数「1」を掛ける乗算を行い、この乗算により得られた数値「1」で定義されているアドレス1に対応する演出抽選テーブルBを演出抽選で用いられる抽選テーブルに決定する(アドレス1に対応付けられた置数(遊技データ)を演出抽選で用いられる遊技データに決定する)。このようにすると、ハズレ(特殊項目)の置数に係る情報(遊技データ)を設定する必要がないため、演出抽選テーブルに要するデータ容量と、演出抽選テーブルのアドレスを特定するためのオフセットテーブルに要するデータ容量とを削減することができる。
なお、第3実施形態例のように、演出抽選に本発明を適用する場合には、演出抽選テーブルを副制御処理部200のROMに記憶させる場合があり、この場合には、副制御処理部200のROMのデータ容量を圧縮することが可能である。これにより、遊技に関する他のデータを副制御処理部200のROMに記憶させることが可能になる。
また、第1〜第3実施形態例では、メダル(遊技メダル)を用いて遊技を行うスロットマシンに本発明を適用したが、これに限られず、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシン(所謂パロット)にも適用可能であることは言うまでもない。