JP2019004919A - 液状化粧品 - Google Patents

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Abstract

【課題】被塗布部への液状化粧料の均一な塗布を安定して行い且つ化粧品に転移ムラを残さず美観を向上し且つ液状化粧料を使い切る。【解決手段】植毛部3を構成する繊維細片5を、繊維4を絡めた繊維クッション材1の表面の繊維4上に接着剤2を介して設け、これにより繊維4,4同士の間に接着剤2が付着していない隙間を形成し、塗布体を植毛部3を介して繊維クッション材1に上から押し付けることにより、クッション性を付与しながら繊維同士間の隙間を通して空気を外方へ逃がし、繊維クッション材1に含浸した液状化粧料を植毛部3へ染み出させる。そして、繊維細片同士間の隙間に毛細管現象を発現させて液状化粧料を繊維細片間に保持し、液状化粧料を植毛部3へ吸い上げ留める。これにより一定量の液状化粧料を均一に植毛部3に保持し、塗布体への液状化粧料の転移を安定させる。また、使用の度に液状化粧料を植毛部3へ吸い上げ液状化粧料を使い切る。【選択図】図1

Description

本発明は、液状化粧品に関する。
従来、化粧料組成物である液状化粧料を含浸するのに適した化粧品として、ポリエーテル系ウレタンフォームが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、特許文献1には具体的には記載されていないが、この液状化粧料を含浸したポリエーテル系ウレタンフォームは、例えばコンパクト内の凹状の収容部に収容され、使用者が、ポリエーテル系ウレタンフォームにパフを押し当て、当該パフに液状化粧料を転移させて付着させ、パフに付着した液状化粧料を例えば肌等の被塗布部に押し当て塗布に供するのが一般的である。
特許第5465357号公報
ここで、ポリエーテル系ウレタンフォームは発泡体のため、孔が繋がっていて液状化粧料の保持能力が低く、含浸させた液状化粧料が孔を通して収容部の底側へ沈み偏ってしまう傾向にあり、液状化粧料を均一に保持することができず、液状化粧料のパフへの転移ムラを生じてしまう。このようにパフへの転移ムラが生じると、パフによる液状化粧料の例えば肌等の被塗布部への塗布が不均一になるという問題がある。また、このようにパフへの転移ムラが生じると、ポリエーテル系ウレタンフォーム表面の孔の大きさは不均一のため、ポリエーテル系ウレタンフォーム表面に液状化粧料が転移ムラとして残ってしまい、化粧品として美観を損ねるという問題がある。また、液状化粧料が偏って収容部の底に溜まることから、液状化粧料が多く残ってしまうという問題がある。なお、ポリエーテル系ウレタンフォームの孔を小さくし液状化粧料の保持能力を高めようとした場合には、液状化粧料を含浸させるのが難く時間がかかってしまう。
そこで、本発明は、例えばパフ等を始めとした塗布体への液状化粧料の転移が安定し、肌等の被塗布部への均一な塗布を安定して行うことができると共に、塗布体への液状化粧料の安定した転移により化粧品の表面に転移ムラが残らず美観を向上でき、加えて、液状化粧料を使い切ることができる液状化粧品を提供することを目的とする。
本発明による液状化粧品は、繊維が絡められ液状化粧料を含浸した繊維クッション材と、繊維クッション材の表面の繊維上に接着剤を介して設けられた多数の繊維細片を有する植毛部と、を備えたことを特徴としている。
このような液状化粧品によれば、植毛部を構成する繊維細片は、繊維を絡めた繊維クッション材のその表面の繊維上に接着剤を介して設けられるため、繊維同士の間には接着剤が付着していない隙間があり、例えばパフ等の塗布体を植毛部を介して繊維クッション材に上から押し付けると、クッション性が付与されながら繊維同士間の隙間を通して空気が外方へ抜け、繊維クッション材に含浸された液状化粧料が植毛部へ染み出てくる。すると、所定長の繊維細片同士間の隙間に毛細管現象が発現し液状化粧料を繊維細片間に保持でき、液状化粧料を植毛部へ吸い上げ留めることができる。従って、繊維細片長、繊維細片径、繊維細片量等を設定することによって、一定量の液状化粧料を均一に植毛部に保持できる。その結果、塗布体への液状化粧料の転移が安定し、被塗布部への均一な塗布を安定して行うことができると共に、液状化粧品の表面に転移ムラが残らず美観を向上できる。また、使用の度に液状化粧料が植毛部へ吸い上げられることから、液状化粧料を使い切ることができる。
ここで、上記作用を好適に奏する構成としては、具体的には、繊維クッション材は、液状化粧料を常に含浸している構成が挙げられる。
また、繊維クッション材は、素材状態において、繊維が絡められたシートが厚み方向である上下方向に繰り返し折り曲げられた波形の状態にされると共に、波形が続く方向に繊維が絡められた状態にされたものであると、例えばパフ等の塗布体を、植毛部を介して繊維クッション材に上から押し付ける際のクッション性を一層高めることができる。
このように本発明によれば、例えばパフ等の塗布体への液状化粧料の転移が安定し、被塗布部への均一な塗布を安定して行うことができると共に、液状化粧品の表面に転移ムラが残らず美観を向上でき、加えて、液状化粧料を使い切ることが可能な液状化粧品を提供できる。
本発明の実施形態に係る液状化粧品の外観を模式的に示す斜視図である。 液状化粧品の外観を示す写真図である。 植毛部の繊維細片及び繊維クッション材の表面側の繊維を模式的に示す断面図である。 植毛部の繊維細片及び繊維クッション材の表面側の繊維を模式的に示す表面図である。 図3に対応する写真図である。 植毛部が植設される前の繊維クッション材の外観を示す写真図である。 図6の繊維クッション材の素材状態での表面側の断面を拡大して示す写真図である。
以下、本発明による液状化粧品の好適な実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る液状化粧品の外観を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の液状化粧品100は、所定厚の円板状を呈し、底側から上方へ向かって、繊維クッション材1、接着剤2、植毛部3を備えている。なお、図1では、繊維クッション材1を構成する繊維4及び植毛部3を構成する繊維細片5の一部が、誇張して模式的に描かれている。図2に、液状化粧品100の実際の外観を写真図で示す。
液状化粧品100は、例えば、気密性を有するコンパクト等の化粧料容器内の円形凹状の収容部に収容され、繊維クッション材1には、液状化粧料が含浸される。そして、繊維クッション材1は、液状化粧料を使い切るまで、常に液状化粧料を含浸した状態になっている。液状化粧料としては、ファンデーションを始めとして、例えば、チーク、アイライナー、アイカラー等、種々挙げられる。そして、使用者が、例えばパフ等の塗布体を、植毛部3を介して繊維クッション材1に上から押し付け、繊維クッション材1に含浸された液状化粧料を塗布体へ転移させることにより、塗布体に転移した液状化粧料を、例えば肌等の被塗布部に塗布できるようになっている。
液状化粧品100を構成する繊維クッション材1は、例えばポリエステル繊維や、ポリプロピレン繊維や、ナイロン繊維等の繊維を絡めたものであり、図6に、植毛部3が植設される前の繊維クッション材1の実際の外観を写真図で示す。
図7は、植毛部3が植設される前の繊維クッション材1の素材状態での表面側の断面を拡大して示す写真図である。図7に示すように、繊維クッション材は、素材状態では、繊維が絡められたシートが厚み方向である上下方向に繰り返し折り曲げられた波形の状態にされると共に、波形が続く方向(図示左右方向)に繊維が絡められた状態とされている。換言すれば、繊維が絡められた例えば蛇腹形状が、波形が続く方向に圧縮され繊維がさらに絡められ、表裏面側には、波形が続く方向に断面山状の凸部が並設された状態となっている。このため、厚み方向(上下方向)の押力に対するクッション性は優れたものとなっている。そして、この繊維クッション材の素材の表裏面を水平にカットすると共に所望の形状である円板状にカットし、植毛部3が植設される前の繊維クッション材1を得る(図6参照)。
図3は、植毛部3の繊維細片5及び繊維クッション材1の表面側の繊維4を模式的に示す断面図、図4は、植毛部3の繊維細片5及び繊維クッション材1の表面側の繊維4を模式的に示す表面図である。
植毛部3は、上下方向に延びる多数の繊維細片(短繊維)5を備えている(図1参照)。繊維細片5は、繊維細片長が約1.5〜3mm、繊維細片径が約10〜20μmであり、繊維クッション材1の表面を覆うように設けられている。具体的には、繊維細片5は、繊維クッション材1の表面の繊維4上に、太線で示される接着剤2を介して立設されている。細線で示される繊維4は、繊維クッション材1の表面より下側に位置し、接着剤2が塗布されていない(付着していない)繊維である。
繊維細片5は、ここでは、静電植毛により設けられている。具体的には、繊維クッション材1の表面に接着剤2を塗布し、高電圧の静電気力を加えることにより、多数の繊維細片5を、繊維クッション材1の表面の接着剤2が塗布された繊維4上に、立つように植え付けている。図5は、図3に対応する写真図であり、倍率100倍の写真図である。図5には、絡み合った多数の繊維が示されており、多数の繊維のうち図示上側の表面側で接着剤が塗布された繊維上に、多数の繊維細片が上を向くように立設されているのが分かる。そして、上記静電植毛により、図1及び図2に示す液状化粧品100が得られる。
このような液状化粧品100によれば、植毛部3を構成する繊維細片5は、図3及び図4に示すように、繊維4を絡めた繊維クッション材1のその表面の繊維4上に接着剤2を介して設けられるため、繊維4,4同士の間には接着剤2が付着していない隙間S1があり、例えばパフ等の塗布体を植毛部3を介して繊維クッション材1に上から押し付けると、クッション性が付与されながら繊維4,4同士間の隙間S1を通して空気が外方へ抜け、繊維クッション材1に含浸された液状化粧料が植毛部3へ染み出てくる。すると、所定長の繊維細片5,5同士間の隙間S2(特に図3参照)に毛細管現象が発現し液状化粧料を繊維細片5,5間に保持でき、液状化粧料を植毛部3へ吸い上げ留めることができる。従って、繊維細片長、繊維細片径、繊維細片量等を設定することによって、一定量の液状化粧料を均一に植毛部3に保持できる。その結果、塗布体への液状化粧料の転移が安定し、例えば肌等の被塗布部への均一な塗布を安定して行うことができると共に、液状化粧品100の表面に転移ムラが残らず美観を向上できる。また、使用の度に液状化粧料が植毛部3へ吸い上げられることから、液状化粧料を使い切ることができる。
また、繊維クッション材1は、素材状態において、繊維4が絡められたシートが厚み方向である上下方向に繰り返し折り曲げられた波形の状態にされると共に、波形が続く方向に繊維4が絡められた状態にされたものであるため、塗布体を、植毛部3を介して繊維クッション材1に上から押し付ける際のクッション性を一層高めることができる。
なお、植毛部3及び接着剤2がない図6に示す繊維クッション材1を液状化粧品としてそのまま用いた場合には、繊維クッション材1の絡めた繊維4が使用に連れて解れ、解れた繊維4が塗布体に付着し、塗布体から繊維4が被塗布部に異物として付着しまうことがあるが、本実施形態にあっては、繊維クッション材1の表面の接着剤2により、繊維4の解れが防止されており、好適な塗布が可能となっている。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、上下方向(厚み方向)のクッション性が特に高められるとして、繊維クッション材1の素材を、繊維4が絡められたシートが厚み方向である上下方向に繰り返し折り曲げられた波形の状態にされると共に、波形が続く方向に繊維4が絡められた状態のものとしているが、例えば固綿敷き布団のように、繊維が絡められたシートが厚み方向である上下方向に積層され絡められた素材とすることもできる。
1…繊維クッション材、2…接着剤、3…植毛部、4…繊維、5…繊維細片、100…液状化粧品、S1,S2…隙間。

Claims (3)

  1. 繊維が絡められ液状化粧料を含浸した繊維クッション材と、
    前記繊維クッション材の表面の繊維上に接着剤を介して設けられた多数の繊維細片を有する植毛部と、を備えたことを特徴とする液状化粧品。
  2. 前記繊維クッション材は、前記液状化粧料を常に含浸していることを特徴とする請求項1記載の液状化粧品。
  3. 前記繊維クッション材は、素材状態において、前記繊維が絡められたシートが厚み方向である上下方向に繰り返し折り曲げられた波形の状態にされると共に、波形が続く方向に繊維が絡められた状態にされたものであることを特徴とする請求項1又2記載の液状化粧品。
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