JP2019004762A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの排気が機体内側の低い位置に籠ることなく大気中に良好に放散し易いものでありながら、運転部にエンジンの排気が降りかかるおそれを少なくすることが望まれていた。【解決手段】運転部の後側に位置する穀粒貯留部5と機体横幅方向に沿って並んで脱穀装置4が位置し、運転部の下方に位置するエンジン6からの排気が通流する排気管41が、排気が供給される入口44よりも排気を排出する出口43の方が高い位置になる状態で、脱穀装置4と穀粒貯留部5との間を通って機体後部まで延ばされ、第1排気管45と、それよりも大径で且つ第1排気管45の後端に接続された第2排気管46とを備え、第1排気管45と第2排気管46との接続部47が排気管41の前後中央位置CLよりも機体後側に位置している。【選択図】図5
Description
本発明は、エンジンからの排気を機体外部に排出する排気管が備えられているコンバインに関する。
コンバインは、機体前部に位置する運転部の下方にエンジンが備えられ、エンジンからの排気(燃焼排ガス)を外部に排出する排気管が、脱穀装置と穀粒貯留部との間において後方に向けて延設され、且つ、排気管は、エンジンからの排気が供給される入口を有する第1排気管と、第1排気管よりも大径で且つ第1排気管の後端に接続された第2排気管とを備え、第1排気管と第2排気管との接続部は、排気管の前後中央位置よりも機体前側に設けられたものがあった(例えば、特許文献1参照)。この構成では、機体後部の高い位置から排気を排出することで、高温の排気が機体内側の低い位置に籠ることなく、大気中に良好に放散させ易いものとなっている。
上記排気管は、第1排気管の後端に第1排気管よりも大径の第2排気管を接続して、第1排気管と第2排気管との隙間を通して外気を取り入れて排気の温度を低下させるようにしている。しかし、上記従来構成では、第1排気管と第2排気管との接続部が、機体前側に寄った位置に設けられており、例えば、排気管の後端の排気口から外気が逆向きに吹き込むような場合に、接続部からエンジンの排気が外方に吹き出してしまうことがある。そうすると、そのような接続部から吹き出した排気が運転部に降りかかり、運転者に不快感を与えるおそれがあった。
そこで、エンジンの排気が機体内側の低い位置に籠ることなく大気中に良好に放散し易いものでありながら、運転部にエンジンの排気が降りかかるおそれを少なくすることが望まれていた。
本発明に係るコンバインの特徴構成は、
機体前部に位置する運転部と、前記運転部の後側に位置する穀粒貯留部と、前記穀粒貯留部と機体横幅方向に沿って並んで位置する脱穀装置と、前記運転部の下方に位置するエンジンと、前記エンジンからの排気が通流する排気管とが備えられ、
前記排気管は、前記エンジンからの排気が供給される入口よりも排気を外部に排出する出口の方が高い位置になる状態で、前記脱穀装置と前記穀粒貯留部との間を通って機体後部まで延ばされ、
前記排気管は、前記入口を有する第1排気管と、前記第1排気管よりも大径で且つ前記第1排気管の後端に接続された第2排気管とを備えるとともに、前記第1排気管の後端部の外周と前記第2排気管の前端部の外周との間から外気を導入可能であり、
前記第1排気管と前記第2排気管との接続部が、前記排気管の前後中央位置よりも機体後側に位置している点にある。
機体前部に位置する運転部と、前記運転部の後側に位置する穀粒貯留部と、前記穀粒貯留部と機体横幅方向に沿って並んで位置する脱穀装置と、前記運転部の下方に位置するエンジンと、前記エンジンからの排気が通流する排気管とが備えられ、
前記排気管は、前記エンジンからの排気が供給される入口よりも排気を外部に排出する出口の方が高い位置になる状態で、前記脱穀装置と前記穀粒貯留部との間を通って機体後部まで延ばされ、
前記排気管は、前記入口を有する第1排気管と、前記第1排気管よりも大径で且つ前記第1排気管の後端に接続された第2排気管とを備えるとともに、前記第1排気管の後端部の外周と前記第2排気管の前端部の外周との間から外気を導入可能であり、
前記第1排気管と前記第2排気管との接続部が、前記排気管の前後中央位置よりも機体後側に位置している点にある。
本発明によれば、機体後部の高い位置から排気を外部に排出する構成とすることで、高温の排気が機体内側の低い位置に籠ることなく、大気中に良好に放散させ易いものとなっている。そして、第1排気管と第2排気管との接続部が、排気管の前後中央位置よりも機体後側に位置しており、運転部から離れているので、例えば、排気管の後端の排気口から外気が逆向きに吹き込み、接続部からエンジンの排気が外方に吹き出すことがあっても、吹出した排気が運転部にまで飛散するおそれは少ない。
従って、エンジンの排気が機体内側の低い位置に籠ることなく大気中に良好に放散し易いものでありながら、運転部にエンジンの排気が降りかかり、運転者に不快感を与えるおそれを少なくすることが可能となった。
本発明においては、前記接続部は、機体側面視において、前記脱穀装置の機体後側部分に対応する位置に設けられていると好適である。
本構成によれば、脱穀装置は大型の装置であり、脱穀装置の機体後側部分に対応する位置は機体全体の後部に近い位置であって運転部からの離間距離は大きくなり、接続部から吹出した排気が運転部に至るおそれは一層少なくなる。
本発明においては、前記第1排気管の後端部及び前記第2排気管の前端部の夫々が、前記脱穀装置に支持されていると好適である。
本構成によれば、第1排気管の後端部と第2排気管の前端部とが夫々、大型の装置であって支持強度の大きい脱穀装置に支持されるので、第1排気管の後端部の外周と第2排気管の前端部の外周との間の隙間を良好に維持することができ、長期にわたり排気の流動に伴う外気の取入れを良好に行うことができる。
本発明においては、前記第1排気管の後端部における上側箇所が前記脱穀装置に支持されていると好適である。
本構成によれば、第1排気管は、エンジンからの排気が通流するので高温になるものであるが、第1排気管は、脱穀装置と穀粒貯留部との間の狭い領域を通って後方に延びるので、第1排気管が有する熱は上方側に向けて排出させた方がよい。そこで、第1排気管の後端部における上側箇所が脱穀装置に支持される構成とすることで、支持するための部材から伝わる熱が上方側に向けて排出し易い。
本発明においては、前記第2排気管の前端部における下側箇所が前記脱穀装置に支持されていると好適である。
本構成によれば、第2排気管は、脱穀装置によって下側から受止め支持されるので、例えば、長期の使用で、第1排気管と支持用部材との連結、及び、第2排気管と支持用部材との連結等に不具合が発生することがあっても、第1排気管と第2排気管とを下側から受止めることにより継続使用が可能となる。
本発明においては、前記第1排気管に、前記入口から機体後上方に向けて傾斜姿勢で延びる傾斜部と、前記傾斜部の後端部から略水平姿勢で機体後方に向けて延びる水平部とが備えられ、前記水平部の前側部分に対応する箇所、前記水平部の後側部分に対応する箇所、及び、前記傾斜部のうちのいずれかの箇所において支持されていると好適である。
本構成によれば、略水平姿勢で機体後方に向けて延びる水平部は、前側部分に対応する箇所と後側部分に対応する箇所にて支持されるので、水平姿勢を長期にわたって安定的に維持しながら支持することができる。又、傾斜部のうちのいずれかの箇所も合わせて支持することにより、傾斜部の姿勢を安定的に維持することができるとともに、第1排気管全体を安定的に支持することができる。
本発明においては、前記穀粒貯留部に、脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部を有する貯留用ホッパーと、前記貯留用ホッパーから排出される穀粒を回収する回収容器を支持可能な回収部と、前記貯留用ホッパーを支持するホッパー支持フレームとが備えられ、前記第1排気管の機体前側部分が前記ホッパー支持フレームに支持されていると好適である。
本構成によれば、貯留用ホッパーを支持するホッパー支持フレームを有効に利用して、専用の支持フレームを設けて構成を複雑にすることなく、第1排気管の機体前側部分を安定的に支持することができる。
以下、本発明に係る実施形態をコンバインの一例としての普通型コンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1及び図2に示すように、普通型コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部右側に運転部3が備えられ、刈り取られた作物を脱穀処理する脱穀装置4と、脱穀処理により得られた穀粒を貯留する穀粒貯留部5とが備えられている。穀粒貯留部5は運転部3の後側に位置する状態で備えられ、穀粒貯留部5が機体右側に位置し、脱穀装置4が機体左側に位置する状態で、穀粒貯留部5と脱穀装置4とが機体横幅方向に沿って並んで位置している。又、運転部3の下方にエンジン6が備えられ、エンジン6の動力が、コンバインの各部に伝達される。
図1及び図2に示すように、普通型コンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部右側に運転部3が備えられ、刈り取られた作物を脱穀処理する脱穀装置4と、脱穀処理により得られた穀粒を貯留する穀粒貯留部5とが備えられている。穀粒貯留部5は運転部3の後側に位置する状態で備えられ、穀粒貯留部5が機体右側に位置し、脱穀装置4が機体左側に位置する状態で、穀粒貯留部5と脱穀装置4とが機体横幅方向に沿って並んで位置している。又、運転部3の下方にエンジン6が備えられ、エンジン6の動力が、コンバインの各部に伝達される。
この実施形態では、機体の前後方向を定義するときは、作業状態における機体進行方向に沿って定義し、機体の左右方向を定義するときは、機体進行方向視で見た状態で左右を定義する。すなわち、図1及び図2に符号(F)で示す方向が機体前側、図1及び図2に符号(B)で示す方向が機体後側である。図2に符号(L)で示す方向が機体左側、図2に符号(R)で示す方向が機体右側である。
脱穀装置4の前部に横軸芯周りに上下揺動自在に刈取穀稈搬送用のフィーダ7が連結され、このフィーダ7の前端に略機体横幅に相当する刈幅を有する刈取部8が連結されている。刈取部8は、植立穀稈を後方に向けて掻き込む回転リール9、植立穀稈の株元を切断して刈り取るバリカン型の刈取装置10、刈取穀稈を機体横幅方向中間側へ横送り移送する横送りオーガ11等を備えており、刈取装置10により刈り取った穀稈を横送りオーガ11によって横送りしてフィーダ7に供給する。
運転部3には、運転座席12と、運転座席12の前方に位置して操向操作レバー13等の複数の操作具を備えるフロントパネル14と、運転座席12の左横側に位置して変速レバー15や脱穀クラッチレバー16等の種々の操作具を備えるサイドパネル17等が備えられている。運転座席12の右横側には、図示しないラジエータファンの作用によってエンジン6に対する冷却風を吸気するための防塵ダクト18が備えられている。運転部3には、運転部3に着座する運転者に対する日差しを防いだり、雨水を避ける等の機能を有する運転部キャノピー19が備えられている。
脱穀装置4は、左右両側が側壁4Aによって覆われ、上部が天板4Bによって覆われている。そして、図示はしないが、左右の側壁4Aと天板4Bにより囲われた内部空間の上部側に、扱胴と受網(図示せず)とを有し、フィーダ7より搬送されてくる刈取穀稈の扱き処理を行う扱室が形成されている。又、扱室の下部に、受網から漏下する扱き処理物を、穀粒、枝付き籾等の二番物、及び、排ワラ屑等に選別する選別処理部が備えられている。
選別処理部にて選別された穀粒は、図示しない一番物回収スクリューにより脱穀装置4の穀粒貯留部5側の横側外方に排出される。脱穀装置4における穀粒貯留部5側の側壁4Aの横外側方にスクリューコンベアからなる揚穀装置20が備えられている。脱穀装置4の穀粒貯留部5側の横側外方に排出された穀粒は、揚穀装置20により上方に搬送され、穀粒貯留部5内に貯留される。
図6,7に示すように、揚穀装置20の上部側箇所が、平面視で略L字形の板体からなる前後一対の連結用ステー21により脱穀装置4の側壁4Aに連結固定されている。一対の連結用ステー21は夫々、一端部が揚穀装置20の外周部に溶接にて連結され、他端部が、脱穀装置4の側壁4Aに固定されたブラケット22にボルト連結されている。
選別処理部にて得られた二番物は、二番物回収スクリュー(図示せず)により脱穀装置4の穀粒貯留部5側の横側外方に排出され、脱穀装置4における穀粒貯留部5側の横側に備えられた二番物還元装置23により脱穀装置4の前側部分に還元される。排ワラ屑等は、脱穀装置4の機体後部側に排出ケース4Cを通して外方に排出される。
〔穀粒貯留部〕
穀粒貯留部5について説明する。
穀粒貯留部5は、脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部として排出口24を有する貯留用ホッパー25と、貯留用ホッパー25から排出される穀粒を回収する回収部26と、貯留用ホッパー25を支持するホッパー支持フレーム27とが備えられている。
穀粒貯留部5について説明する。
穀粒貯留部5は、脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部として排出口24を有する貯留用ホッパー25と、貯留用ホッパー25から排出される穀粒を回収する回収部26と、貯留用ホッパー25を支持するホッパー支持フレーム27とが備えられている。
図3,4に示すように、貯留用ホッパー25は、上部側に、略直方体形状の空間を形成する略無底箱状の矩形箱状部25Aが備えられ、下部側に、3つの下狭まり状の漏斗部28を有する流下案内部25Bが備えられている。矩形箱状部25Aの下端開口部と流下案内部25Bの上端開口部とが接続されて、矩形箱状部25Aの内部と流下案内部25Bの内部とが連なる状態で空間が形成されている。すなわち、矩形箱状部25Aの内部空間と流下案内部25Bの内部空間の全体により穀粒を貯留する貯留空間が形成されている。3つの漏斗部28の下端部には、穀粒を下方に排出可能な排出口24が形成され、且つ、その排出口24を開閉自在な手動操作式のシャッター機構29が備えられている。
回収部26には、貯留用ホッパー25の排出口24から排出される穀粒を収容するための穀粒収容袋Fを縦姿勢で保持する袋保持部30が備えられている。袋保持部30は、穀粒収容袋Fの上部に係止して縦姿勢を保持するために、複数の左右向きの支持杆30aが片持ち状に延びる状態で備えられている。回収部26の下部には、穀粒が収容された穀粒収容袋Fを受止め支持するための載置台31が備えられている。
載置台31の右側には、穀粒回収作業を行う補助作業者が乗ることができる作業用ステップ部32が備えられている。この作業用ステップ部32は、機体内方側(左側)端部の前後揺動軸芯周りで揺動自在に機体フレーム33に支持され、機体横外方に張り出した作業姿勢と、機体内方側に引退する格納姿勢とに切り換え可能に構成されている。又、貯留用ホッパー25の上側には、作業領域で作業する補助作業者の上方側を覆い、日差しを防いだり、雨水を防止する等の機能を有する補助キャノピー34が備えられている。
ホッパー支持フレーム27は、貯留用ホッパー25の前後両側端部に対応する位置において、左右方向に間隔をあけて機体フレーム33から立設された複数の支柱35と、複数の支柱35の上端部同士にわたって連結された左右向きの横向きフレーム36とが備えられている。
説明を加えると、図4に示すように、機体前部側には、左右方向に間隔をあけて3本の支柱35が備えられ、機体後部側には、左右方向に間隔をあけて2本の支柱35が備えられている。全ての支柱35は下端部が機体フレーム33に連結されて固定されている。そして、前後両側部において、左右方向に並ぶ複数の支柱35の上端部同士にわたって左右向きの横向きフレーム36が連結されている。前後両側の横向きフレーム36は夫々、機体左側すなわち脱穀装置4側の端部が脱穀装置4の側壁4Aにボルト連結されている。
図3に示すように、貯留用ホッパー25は、流下案内部25Bの前後両側端部に備えられた支持部材37が、前後両側の横向きフレーム36に取り付けられた受止め部材38にて載置支持され、支持部材37と受止め部材38とがボルト連結されている。このようにして貯留用ホッパー25がホッパー支持フレーム27に支持されている。図3,4において、符号39は、袋付け作業を行う補助作業者を後方側から支える作業者保護部材である。符号40は、補助作業者が握り操作可能な手摺である。
〔排気管〕
次に、エンジン6からの排気が通流する排気管41について説明する。
図5,6,7に示すように、エンジン6から排出される排気(燃焼後の排ガス)は、エンジン6の左側上部に位置するマフラー42を通過したのち、排気管41を通して流動して機体後部の出口としての排気口43から外方に排出される。マフラー42の排気筒42aは、マフラー42の後部から後方側の斜め上向き姿勢で排気を排出するように設けられている。
次に、エンジン6からの排気が通流する排気管41について説明する。
図5,6,7に示すように、エンジン6から排出される排気(燃焼後の排ガス)は、エンジン6の左側上部に位置するマフラー42を通過したのち、排気管41を通して流動して機体後部の出口としての排気口43から外方に排出される。マフラー42の排気筒42aは、マフラー42の後部から後方側の斜め上向き姿勢で排気を排出するように設けられている。
排気管41は、エンジン6からの排気が供給される入口としての排気流入口44よりも排気を外部に排出する出口としての排気口43の方が高い位置になる状態で、脱穀装置4と穀粒貯留部5との間を通って機体後部まで延ばされている。図5,6示すように、排気管41は、排気流入口44を有する第1排気管45と、第1排気管45よりも大径で且つ第1排気管45の後端に接続された第2排気管46とを備えている。第1排気管45と第2排気管46との接続部47が、排気管41全体の前後中央位置CLよりも機体後側に位置している。接続部47は、機体側面視において、脱穀装置4の機体後側部分に対応する位置に設けられている。
図6に示すように、第1排気管45に、排気流入口44から機体後上方に向けて傾斜姿勢で延びる傾斜部45Aと、傾斜部45Aの後端部から略水平姿勢で機体後方に向けて延びる水平部45Bとが備えられている。第1排気管45における傾斜部45Aの下端部であって機体前部側に位置する排気流入口44は、マフラー42の排気筒42aの外周部を囲う状態で且つ排気筒42aとの間に径方向に間隔をあけた状態で形成されている。マフラー42の排気筒42aと排気流入口44の内面との間には、外気取り入れ部として機能する隙間が形成されている。排気の流動に伴うエジェクター作用によってこの隙間を通して外気が吸引されて、排気と外気とが混合して排気の温度を下げることができる。
傾斜部45Aは、マフラー42の排気筒42aに対応する排気流入口44から、脱穀装置4の右側の側壁4Aの上端部近くの位置であって且つ揚穀装置20の横側に対応する位置にわたって、機体後上方に向けて傾斜姿勢で延びている。水平部45Bは、傾斜部45Aの後端部から脱穀装置4の機体後側部分に対応する位置まで略水平姿勢で機体後方に向けて延びている。
水平部45Bの後端部に第2排気管46の前端部が接続されている。第1排気管45と第2排気管46との接続部47において、第1排気管45の後端部の外周と第2排気管46の前端部の外周との間から外気を導入可能に構成されている。すなわち、第2排気管46は第1排気管45よりも大径であり、接続部47において、第2排気管46の前端部の開口は、第1排気管45の後端部との間に径方向に間隔をあける状態で形成されている。第1排気管45の後端部の外周と第2排気管46の前端部の外周との間に全周にわたって、外気取り入れ部として機能する隙間が形成されている。排気管41内部の排気の通流に伴うエジェクター作用によってその隙間から外気が吸引されて、排気と外気とが混合して排気の温度をさらに下げることができる。
第2排気管46の後端部には、排気口43から後方に向けて排出される排気を斜め後上方に向けて案内する傾斜案内体48が備えられている。この傾斜案内体48により排気が機体後方上方の開放された空間に向けて排出されて、排気が放散され易くなる。
排気管41の支持構造について説明する。
第1排気管45は、水平部45Bの前側部分に対応する箇所、水平部45Bの後側部分に対応する箇所、及び、傾斜部45Aのうちのいずれかの箇所において支持されている。先ず、傾斜部45Aの支持構造について説明する。図8に示すように、傾斜部45Aにおける下側の排気流入口44に近い箇所がホッパー支持フレーム27に支持されている。具体的には、ホッパー支持フレーム27における機体前部側に位置する3本の支柱35のうちの最も左側の支柱35aの上部に支持されている。角パイプにて構成される最左側の支柱35aの上部側箇所に取付板49が溶接にて一体的に連結されている。第1排気管45の傾斜部45Aのうち取付板49に対応する箇所の外周部に第1連結ブラケット50が溶接にて一体的に連結されている。取付板49は、板面が前後方向に向く状態で設けられ、第1連結ブラケット50は板面が左右方向に向く状態で設けられている。
第1排気管45は、水平部45Bの前側部分に対応する箇所、水平部45Bの後側部分に対応する箇所、及び、傾斜部45Aのうちのいずれかの箇所において支持されている。先ず、傾斜部45Aの支持構造について説明する。図8に示すように、傾斜部45Aにおける下側の排気流入口44に近い箇所がホッパー支持フレーム27に支持されている。具体的には、ホッパー支持フレーム27における機体前部側に位置する3本の支柱35のうちの最も左側の支柱35aの上部に支持されている。角パイプにて構成される最左側の支柱35aの上部側箇所に取付板49が溶接にて一体的に連結されている。第1排気管45の傾斜部45Aのうち取付板49に対応する箇所の外周部に第1連結ブラケット50が溶接にて一体的に連結されている。取付板49は、板面が前後方向に向く状態で設けられ、第1連結ブラケット50は板面が左右方向に向く状態で設けられている。
平面視で略L字形の板体からなる中継部材51が、取付板49の板面と第1連結ブラケット50の板面に対して夫々、板面同士を当て付けた状態でボルト連結されている。このように取付板49と第1連結ブラケット50とが中継部材51によって連結され、第1排気管45が最左側の支柱35aに支持されている。
最左側の支柱35aには、サイドパネル17を支持するための支持部材52が連結されている。支持部材52は、機体前部側に向けて延設され、サイドパネル17の後端部を下側から受止めて支持している。
次に、第1排気管45における水平部45Bの支持構造について説明する。
図6に示すように、揚穀装置20の上部側箇所を支持する前後一対の連結用ステー21のうちの機体後部側に位置する連結用ステー21と、第1排気管45における水平部45Bの前側部分の外周部に溶接にて一体連結された第2連結ブラケット53とがボルト連結されている。第2連結ブラケット53は平板状に形成され、2本のボルトBoで連結用ステー21と連結されている。
図6に示すように、揚穀装置20の上部側箇所を支持する前後一対の連結用ステー21のうちの機体後部側に位置する連結用ステー21と、第1排気管45における水平部45Bの前側部分の外周部に溶接にて一体連結された第2連結ブラケット53とがボルト連結されている。第2連結ブラケット53は平板状に形成され、2本のボルトBoで連結用ステー21と連結されている。
図9に示すように、第1排気管45における水平部45Bの後側部分が第3連結ブラケット54を介して脱穀装置4に支持されている。図10に示すように、第3連結ブラケット54は、上下両側に水平姿勢の連結部55,56を有し、上下両側の連結部55,56が縦面部57にて連結された正面視で略Z字形の板体にて構成されている。下側の連結部55が第1排気管45の上側箇所に溶接にて一体的に連結され、上側の連結部56が脱穀装置4に設けられた取付部58にボルト連結されている。このように、第1排気管45の水平部45Bの後側部分が脱穀装置4に支持されている。
第2排気管46は、第1排気管45の水平部45Bに連なるように略水平姿勢で後方に延びている。図9に示すように、第2排気管46の前端部が第4連結ブラケット59を介して脱穀装置4に支持されている。図11に示すように、第4連結ブラケット59は、前後方向視でL字形の板体にて構成され、上側の水平姿勢の連結部60が第2排気管46の前端部の下側箇所に溶接にて一体的に連結され、下側の縦面部61が脱穀装置4の側壁4Aにボルト連結されている。このように、第2排気管46の前端部における下側箇所が脱穀装置4に支持されている。
図9に示すように、第2排気管46の後側部分は第5連結ブラケット62を介して脱穀装置4に支持されている。図12に示すように、第5連結ブラケット62は、前後方向視でL字形の板体にて構成され、下側の縦面部64が第2排気管46の脱穀装置4側の側部箇所に溶接にて一体的に連結され、上側の水平姿勢の連結部63が脱穀装置4に設けられた取付部65にボルト連結されている。
上述したように、第1排気管45と第2排気管46との接続部47が、排気管41全体の前後中央位置CL(図6参照)よりも機体後側に位置しており、接続部47は、機体側面視において、脱穀装置4の機体後側部分に対応する位置に設けられているから、排気口43への外気の吹き込み等によって接続部47から排気が吹き出されることがあっても、運転部3にエンジン6の排気が降りかかり、運転者に不快感を与えるおそれは少ないものになる。
図2,9,10,11に示すように、排気管41の上部側には、例えば、脱穀装置4の扱室のメンテナンス作業するときに、作業者が載置可能な作業台66が設けられている。作業台66は、脱穀装置4の側壁4Aの上部に支持されて複数箇所にてボルト連結されている。作業台66の後部側における穀粒貯留部5側の箇所が、下方側に連結された支持ステー67を介して脱穀装置4の側壁4Aに支持されている。尚、第3連結ブラケット54と作業台66とは、分離されており、排気管41の熱が作業台66に直接伝わらないようにしていう。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第1排気管45の後端部における上側箇所が脱穀装置4に支持され、第2排気管46の前端部における下側箇所が脱穀装置4に支持される構成としたが、この構成に代えて、第1排気管45の後端部における下側箇所が脱穀装置4に支持され、第2排気管46の前端部における上側箇所が脱穀装置4に支持される構成、第1排気管45及び第2排気管46夫々の上側箇所が脱穀装置4に支持される構成、第1排気管45及び第2排気管46夫々の下側箇所が脱穀装置4に支持される構成等、種々変更することができる。
(1)上記実施形態では、第1排気管45の後端部における上側箇所が脱穀装置4に支持され、第2排気管46の前端部における下側箇所が脱穀装置4に支持される構成としたが、この構成に代えて、第1排気管45の後端部における下側箇所が脱穀装置4に支持され、第2排気管46の前端部における上側箇所が脱穀装置4に支持される構成、第1排気管45及び第2排気管46夫々の上側箇所が脱穀装置4に支持される構成、第1排気管45及び第2排気管46夫々の下側箇所が脱穀装置4に支持される構成等、種々変更することができる。
(2)上記実施形態では、第1排気管45について、水平部45Bの前側部分に対応する箇所、水平部45Bの後側部分に対応する箇所、及び、傾斜部45Aのうちのいずれかの箇所において支持される構成としたが、この構成に代えて、上記した3つの箇所のうちのいずれか2箇所でのみ支持する構成としてもよく、上記3箇所以外にも異なる箇所で支持する構成としてもよい。
(3)上記実施形態では、第1排気管45の機体前側部分がホッパー支持フレーム27に支持される構成としたが、この構成に代えて、第1排気管45の機体前側部分を専用の支持部材によって機体に支持する構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、エンジン6からの排気がマフラー42を通過したのち排気管41に供給されるものを例示したが、この構成に代えて、エンジン6からの排気が、エンジン6の排ガスに含まれる粒子状物質を低減する排ガス浄化装置、例えば、排ガスに含まれるディーゼル微粒子を捕集するディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)(Deasel Particulate Filter)を備える排ガス浄化装置を通過したのちに、排気管41に供給されるものでもよい。その他にも、SCR(Selective Cataltic Reduction)(選択的触媒還元)を用いて排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を減少させる他の排ガス浄化装置を通過したのちに、排気管41に供給されるものでもよい。さらには、SCRを用いた排ガス浄化装置と、DPFを備えた排ガス浄化装置とを夫々、通過したのちに、排気管41に供給されるものでもよい。
(5)上記実施形態では、穀粒貯留部5として貯留用ホッパー25を備えるものを示したが、穀粒貯留部5としてグレンタンクを備え、タンク内の穀粒をスクリューコンベアにて外部に排出させるような構成のものでもよい。
(6)上記実施形態では、普通型コンバインに適用したものを例示したが、自脱型コンバインに適用することもできる。
本発明は、エンジンからの排気を機体外部に排出する排気管が備えられているコンバインに適用できる。
3 運転部
4 脱穀装置
5 穀粒貯留部
6 エンジン
24 排出部
25 貯留用ホッパー
26 回収部
27 ホッパー支持フレーム
41 排気管
43 出口
44 入口
45 第1排気管
45A 傾斜部
45B 水平部
46 第2排気管
47 接続部
CL 前後中央位置
4 脱穀装置
5 穀粒貯留部
6 エンジン
24 排出部
25 貯留用ホッパー
26 回収部
27 ホッパー支持フレーム
41 排気管
43 出口
44 入口
45 第1排気管
45A 傾斜部
45B 水平部
46 第2排気管
47 接続部
CL 前後中央位置
Claims (7)
- 機体前部に位置する運転部と、前記運転部の後側に位置する穀粒貯留部と、前記穀粒貯留部と機体横幅方向に沿って並んで位置する脱穀装置と、前記運転部の下方に位置するエンジンと、前記エンジンからの排気が通流する排気管とが備えられ、
前記排気管は、前記エンジンからの排気が供給される入口よりも排気を外部に排出する出口の方が高い位置になる状態で、前記脱穀装置と前記穀粒貯留部との間を通って機体後部まで延ばされ、
前記排気管は、前記入口を有する第1排気管と、前記第1排気管よりも大径で且つ前記第1排気管の後端に接続された第2排気管とを備えるとともに、前記第1排気管の後端部の外周と前記第2排気管の前端部の外周との間から外気を導入可能であり、
前記第1排気管と前記第2排気管との接続部が、前記排気管の前後中央位置よりも機体後側に位置しているコンバイン。 - 前記接続部は、機体側面視において、前記脱穀装置の機体後側部分に対応する位置に設けられている請求項1に記載のコンバイン。
- 前記第1排気管の後端部及び前記第2排気管の前端部の夫々が、前記脱穀装置に支持されている請求項1又は2に記載のコンバイン。
- 前記第1排気管の後端部における上側箇所が前記脱穀装置に支持されている請求項3に記載のコンバイン。
- 前記第2排気管の前端部における下側箇所が前記脱穀装置に支持されている請求項3又は4に記載のコンバイン。
- 前記第1排気管に、前記入口から機体後上方に向けて傾斜姿勢で延びる傾斜部と、前記傾斜部の後端部から略水平姿勢で機体後方に向けて延びる水平部とが備えられ、
前記水平部の前側部分に対応する箇所、前記水平部の後側部分に対応する箇所、及び、前記傾斜部のうちのいずれかの箇所において支持されている請求項1又は2に記載のコンバイン。 - 前記穀粒貯留部に、脱穀処理された穀粒を貯留する貯留空間を有するとともにその貯留空間の下方に穀粒を排出可能な排出部を有する貯留用ホッパーと、前記貯留用ホッパーから排出される穀粒を回収する回収容器を支持可能な回収部と、前記貯留用ホッパーを支持するホッパー支持フレームとが備えられ、
前記第1排気管の機体前側部分が前記ホッパー支持フレームに支持されている請求項1から6のいずれか1項に記載のコンバイン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017123419A JP2019004762A (ja) | 2017-06-23 | 2017-06-23 | コンバイン |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017123419A JP2019004762A (ja) | 2017-06-23 | 2017-06-23 | コンバイン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019004762A true JP2019004762A (ja) | 2019-01-17 |
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ID=65025430
Family Applications (1)
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JP2017123419A Pending JP2019004762A (ja) | 2017-06-23 | 2017-06-23 | コンバイン |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019004762A (ja) |
-
2017
- 2017-06-23 JP JP2017123419A patent/JP2019004762A/ja active Pending
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