JP2019002385A - 揺動板式可変容量圧縮機 - Google Patents

揺動板式可変容量圧縮機 Download PDF

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金敬 宮澤
Kanetaka Miyazawa
金敬 宮澤
拓史 榎本
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拓史 榎本
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Abstract

【課題】揺動板のスラスト軸受側への変形を抑制する。
【解決手段】駆動軸に対する斜板の傾斜角度を可変して揺動板40の揺動幅を変更することで冷媒吐出容量を可変とする揺動板式可変容量圧縮機において、揺動板40は、アルミニウム系材料で形成されている。また、揺動板40を駆動軸に対して回転が阻止された状態で揺動可能に連結する揺動板回転阻止機構の一部を構成する円板状の外輪84は、アルミニウム系材料の融点よりも高い融点を有する鉄系材料で形成されると共に揺動板40の開口部40B2内に配置された状態で揺動板40を支持しつつ揺動板40と共に揺動する。揺動板40と外輪84とは、外輪84の外周縁84Bにレーザーを照射するレーザー溶接によって一体化されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動軸と一体的に回転する斜板に追従して揺動する揺動板によりピストンを往復動させる揺動板式可変容量圧縮機に関する。
揺動板式可変容量圧縮機としては、特許文献1(特開2009−287539号公報)に記載されるように、駆動軸と共に回転し駆動軸に対して傾斜可能に配設された斜板と、斜板の回転によって揺動して一面に連結されたピストンをシリンダボア内で往復動させる揺動板と、を備えた揺動板式可変容量圧縮機が知られている。揺動板は、回転阻止機構によって駆動軸に対して回転が阻止された状態で揺動可能に連結されている。揺動板の中央部には、開口部が形成されている。この開口部内には、回転阻止機構の一部を構成する円板状の支持部材(外輪)が配置されている。
支持部材のピストン側の一面には、その外周縁に沿って配列される複数の凹部が設けられている。揺動板と支持部材とは、ピストン側から力を加え、揺動板のピストンが連結された一面のうち複数の凹部に対向する部位を凹部内に入り込むように塑性変形させる、いわゆる、かしめ固定によって連結されている。これにより、支持部材は、揺動板を支持しつつ揺動板と共に揺動するようになっている。また、揺動板の他面とこれに対向する斜板の一面との間には、スラスト軸受が配置されている。
特開2009−287539号公報
ここで、支持部材は、回転阻止機構の一部を構成する内輪からの回転阻止力に耐え得るように、比較的高い硬度を有する鉄系材料で形成されている。一方、揺動板は、その揺動運動をスムーズ化させるべく、鉄系材料と比較して軽量なアルミニウム系材料で形成されている。しかしながら、上述のかしめ固定では、鉄系材料と比較して変形しやすいアルミニウム系材料で形成された揺動板に力を加えるため、揺動板の塑性変形部周辺の部位には径方向内側から外側に向かう力が発生し、揺動板がスラスト軸受側に反るように変形してしまう。このため、スラスト軸受と揺動板との間に隙間が形成されてしまい、斜板の組み付け精度が悪化するおそれがあった。
そこで、本発明は、揺動板のスラスト軸受側への変形を抑制することのできる揺動板式可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
そのため、揺動板式可変容量圧縮機は、回転駆動される駆動軸と、駆動軸と共に回転し駆動軸に対して傾斜可能に配設された斜板と、中央部に開口部が形成されると共に斜板の回転に伴って揺動して一面に連結されたピストンをシリンダボア内で往復動させる金属製の揺動板と、斜板の一面と揺動板の他面との間に配置されたスラスト軸受と、揺動板の駆動軸に対する回転を阻止すると共に揺動板を駆動軸に対して揺動可能に連結する連結機構と、を備えている。また、連結機構は、揺動板を形成する金属の融点よりも高い融点を有する金属で形成されると共に揺動板の開口部内に配置された状態で前記揺動板を支持しつつ揺動板と共に揺動する支持部材を少なくとも含み、揺動板と支持部材とは、レーザー溶接部を介して一体化されている。そして、レーザー溶接部は、揺動板の内周面と支持部材の外周面との間においてピストン側に形成されるか、又は、揺動板の内周面と支持部材の外周面との間においてピストン側からスラスト軸受側にかけて形成されると共にピストン側の径方向の幅がスラスト軸受側の径方向の幅よりも大きく形成されている。
本発明によれば、揺動板のスラスト軸受側への変形を抑制することができる。
所定の運転状態における揺動板式可変容量圧縮機の一例を示す断面図である。 他の運転状態における揺動板式可変容量圧縮機の一例を示す断面図である。 揺動板回転阻止機構の一例を示す分解斜視図である。 揺動板回転阻止機構の外輪と揺動板との連結構造の一例を示す平面図である。 図4のA−A線断面図である。 図5の要部拡大図である。 かしめ固定による変形後の揺動板を示す概略図である。 レーザー溶接による変形後の揺動板を示す概略図である。 揺動板と外輪との連結工程の一例を示すフローチャートである。 揺動板と外輪との連結工程図である。 揺動板と外輪との連結工程図である。 揺動板と外輪との連結工程図である。 揺動板と外輪との連結工程図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明を実施するための実施形態について説明する。
図1は、最小吐出容量時の運転状態における揺動板式可変容量圧縮機の一例を示す断面図である。図2は、最大吐出容量時の運転状態における揺動板式可変容量圧縮機を示す断面図である。
揺動板式可変容量圧縮機1は、駆動軸10と、ロータ20と、斜板30と、揺動板40と、駆動軸10を回転自在に支持すると共にロータ20、斜板30及び揺動板40を内部に収納する略有底円筒状のハウジング50と、を備えている。
ハウジング50は、センターハウジング52と、その両側に配置されたフロントハウジング54及びリアハウジング56と、を含む。
センターハウジング52の内周縁部には、その周方向に配列された複数(例えば、6個)のシリンダボア52Aが設けられている。各シリンダボア52A内には、それぞれピストン42が往復動可能に挿入されている。ピストン42は、コネクティングロッド44を介して揺動板40に連結されている。
駆動軸10は、車両に搭載されたエンジン(図示省略)等の外部からの回転駆動力によって回転駆動され、フロントハウジング54からセンターハウジング52の中間位置まで貫通して設けられている。より詳細には、駆動軸10は、フロントハウジング54側及びセンターハウジング52側のそれぞれに設けられた略円環状の軸受(ラジアル軸受)60、62を介して、ハウジング50内に回転自在に支持されている。
ロータ20は、駆動軸10と一体化されている。ロータ20は、例えば、略円板状に形成され、その中央部には貫通孔が形成されている。この貫通孔には、駆動軸10が圧入固定されている。ロータ20とフロントハウジング54との間には略円環状の軸受(スラスト軸受)64が介装されている。
斜板30は、駆動軸10と共に回転し駆動軸10に対して傾斜可能に配設されている。斜板30は、例えば、略円板状に形成され、その中央部には駆動軸10を挿入可能な開口部が形成されている。斜板30は、例えば、ロータ20に対して所定のヒンジ機構66を介して連結されている。斜板30は、ロータ20及びヒンジ機構66を介して駆動軸10の回転力が伝達されることによって駆動軸10(及びロータ20)と共に回転し、ロータ20に対して傾斜可能となっている。
ヒンジ機構66は、例えば、ロータ20から斜板30に向かって延びる第1のアーム20Aと、斜板30からロータ20に向かって延びる第2のアーム30Aと、第2のアーム30Aに設けられる第1のピン部材30Bと、第1のアーム20Aに設けられ、第1のピン部材30Bが挿入される長穴20Bと、を含む。すなわち、ヒンジ機構66は、長穴20Bに第1のピン部材30Bを挿入することによって斜板30をロータ20に対して傾斜可能に連結している。
第1のアーム20A及び第2のアーム30Aのそれぞれは、駆動軸10の軸線を挟んで両側に配設された一対のアームである。また、第2のアーム30Aは、より詳細には、斜板30の一面の外周部からロータ20の中央部に向かって延びるように設けられている。
第1のピン部材30Bは、駆動軸10の軸線と直交する方向に延びている。第1のピン部材30Bは、例えば、第2のアーム30Aの先端部に設けられた貫通孔(図示省略)に固定されている。
長穴20B内では、第1のピン部材30Bが駆動軸10の軸線と交差する方向に移動可能となっている。そして、長穴20B内で第1のピン部材30Bの移動を規制することにより、斜板30の傾角を最小傾角(図1に示す運転状態)と最大傾角(図2に示す運転状態)との間で変更することができる。
尚、斜板30が駆動軸10の軸線に対して直交するときの斜板30の傾角を0°とした場合、略0°である斜板30の傾角を最小傾角と呼ぶ(図1を参照)。
揺動板40は、斜板30の回転によって揺動して一面に連結されたピストン42をシリンダボア52A内で往復動させるように構成されている。
また、揺動板式可変容量圧縮機1は、揺動板回転阻止機構80を更に備えている。揺動板回転阻止機構80は、揺動板40の駆動軸10に対する回転を阻止すると共に揺動板40を駆動軸10に対して揺動可能に連結するように構成されている。したがって、揺動板回転阻止機構80が、連結機構の一例として挙げられる。
以下、揺動板40及び揺動板回転阻止機構80について、図1〜3を参照して詳細に説明する。図3は、揺動板回転阻止機構80を含む要部の一例を示す分解斜視図である。
揺動板40は、例えば、略円筒状に形成された円筒部40Aと、略円板状に形成された円板部40Bと、を有している。円板部40Bは、円筒部40Aと一体化されると共に円筒部40Aの外径よりも拡径している。揺動板40(円板部40B)の一面には、コネクティングロッド44が連結される複数の連結部40B1が周方向に沿って設けられている。また、円板部40Bの中央部には、開口部40B2が形成されている。
斜板30と揺動板40との間には、略円環状のラジアル軸受68及びスラスト軸受70が介装されている。より詳細には、ラジアル軸受68は、斜板30の内周面と円筒部40Aの外周面との間に配置されている。また、スラスト軸受70は、斜板30の一面と揺動板40(円板部40B)の他面との間に配置されている。すなわち、揺動板40は、ラジアル軸受68及びスラスト軸受70を介して斜板30を回転可能に支持している。
揺動板回転阻止機構80は、内輪82、外輪84、複数のボール86及びスリーブ88を備えている。
内輪82は、例えば、略正三角形状の断面を有する周壁部82Aと、周壁部82Aの端部から揺動板40に向かうにつれて拡幅する拡幅部82Bと、を有している。周壁部82Aの中央部には開口部が設けられている。駆動軸10は、周壁部82Aの開口部に対して、すべり軸受72を介して相対回転可能に挿入されている。
ここで、センターハウジング52内には、例えば、略正三角形状の断面を有するガイド孔52Bが設けられている。内輪82の周壁部82Aは、内輪82が駆動軸10の軸線方向に移動可能となるようにガイド孔52Bに挿入されている。また、周壁部82Aは、駆動軸10の回転時にガイド孔52Bの内周壁に当接するようになっている。すなわち、駆動軸10の回転に伴って内輪82がセンターハウジング52に対して回転するとき、周壁部82Aの各辺がガイド孔52Bの内周壁に当接する。これにより、駆動軸10の回転に伴う内輪82の回転が阻止される。すなわち、内輪82は、駆動軸10に対する回転が阻止された状態で駆動軸10に配設されている。
外輪84は、例えば、略円板状に形成され、その中央部には駆動軸10を挿入可能な開口部が形成されている。外輪84の外周部には、揺動板40が固定されている。外輪84は、詳細を後述するように、揺動板40の開口部40B2内に配置された状態で揺動板40を支持しつつ揺動板40と共に揺動するようになっている。したがって、外輪84が支持部材の一例として挙げられる。
ここで、内輪82において、拡幅部82Bの先端側の内周面には、軸方向に延びる複数のガイド溝82B1が形成されている。また、外輪84の開口部の内周面には、軸方向に延びる複数のガイド溝84Aが形成されている。外輪84のガイド溝84Aは、内輪82の各ガイド溝82B1と対向する位置に設けられている。各ガイド溝82B1、84Aの間には、複数のボール86が保持されている。そして、斜板30の回転に伴って揺動板40が回転しようとするとき、ガイド孔52Bに当接する内輪82側からの回転阻止力がボール86を介して外輪84側に伝達される。これにより、外輪84及びこれに固定された揺動板40の回転が阻止される。
スリーブ88は、例えば、略円筒状に形成されている。スリーブ88の内周面と駆動軸10との間には、スリーブ88が駆動軸10に対してその軸線周りに相対回転可能となるように略円環状の軸受(ラジアル軸受)74が配置されている。スリーブ88の外周面は、スリーブ88が内輪82と共に駆動軸10の軸線方向に移動可能となるように内輪82の拡幅部82Bによって固定されている。また、外輪84は、ガイド溝82B1、84Aとボール86との球面接触を介して内輪82に対してスリーブ88を中心に揺動可能となっている。すなわち、複数のボール86は、外輪84を内輪82に対して揺動させるように内輪82と外輪84との間に保持されると共に内輪82からの回転阻止力を外輪84に伝達するように構成されている。これにより、揺動板40は、駆動軸10に対して回転が阻止された状態で揺動することができる。
揺動板式可変容量圧縮機1においては、揺動板40が斜板30の回転運動に伴って揺動することにより、コネクティングロッド44を介してピストン42が往復動する。このピストン42の往復動に伴って、リアハウジング56の内部周縁部に形成された吸入室56Aから被圧縮流体(例えば、冷媒ガス)が、バルブプレート56Bに形成された吸入孔56C及び図示省略の吸入弁を介してシリンダボア52Aに吸入される。吸入された被圧縮流体は、ピストン42により圧縮された後、吐出孔56D及び図示省略の吐出弁を介して吐出室56E内に吐出され、そこから外部回路に送られる。
すなわち、揺動板式可変容量圧縮機1は、駆動軸10に対する斜板30の傾斜角度を可変して揺動板40の揺動幅を変更することでピストン42を往復動させて(ピストン42のストローク量を変更して)シリンダボア52Aからの冷媒吐出容量を可変とするように構成されている。
以下、揺動板40と外輪84との連結構造について、図4〜6を参照して詳細に説明する。
図4は、リアハウジング56側から視た揺動板40と外輪84との連結構造を示す平面図である。図5は、図4のA−A線断面図である。図6は、図5の要部拡大図である。
揺動板40(円板部40B)の開口部40B2内には、外輪84が配置されている。外輪84の外径は、揺動板40の内径よりも小さく設定されている。また、揺動板40の円筒部40Aは、円板部40Bに向かうにつれて段状に拡径し、その内周部には、段差部40A1が形成されている。そして、外輪84は、この段差部40A1に載置された状態で開口部40B2に隙間嵌めされる(図5、6を参照)。
上述したように、外輪84は、ボール86を介して伝達される内輪82からの回転阻止力に耐え得るように、例えば、比較的高い硬度を有する鉄系材料(例えば、クロムモリブデン鋼)で形成されている。一方、揺動板40は、その揺動運動のスムーズ化や圧縮機全体の軽量化のため、鉄系材料と比較して軽量な材料で形成されることが好ましく、例えば、アルミニウム系材料で形成されている。
ここで、外輪84の段差部40A1に載置される面と反対側の面、すなわち、外輪84のピストン42側の一面には、その外周縁84Bに沿って配列される複数の凹部84B1が設けられている。そして、外輪84が揺動板40の開口部40B2に隙間嵌めされる。ここで、揺動板40の円板部40Bのピストン42が配置された側(ピストン42側)の一面と外輪84のピストン42側の一面とは、略面一となっている。その後、揺動板40(円板部40B)のピストン42側の一面における内周縁40B3のうち、凹部84B1に対応する部位を、かしめ工具を用いて塑性変形させる。これにより、揺動板40は、内周縁40B3の複数の部位が凹部84B1に入り込んだ状態で外輪84に連結される(すなわち、かしめ固定される)。
しかしながら、上述のかしめ固定では、鉄系材料と比較して変形しやすいアルミニウム系材料で形成された揺動板40の塑性変形部周辺の部位は、径方向内側から外側に押し出される。すなわち、揺動板40には径方向内側から外側に向かう方向への引張の残留応力が生じる。このため、揺動板40の円板部40Bは、径方向内側から外側に向かうにつれてスラスト軸受70側に数ミクロン程度反るように変形してしまう(図7Aを参照)。したがって、揺動板40と外輪84とのかしめ固定のみによる連結構造では、揺動板式可変容量圧縮機1の組立時にスラスト軸受70と揺動板40との間に隙間が形成され、斜板30と揺動板40との組み付け精度が悪化するおそれがあった。
そこで、揺動板式可変容量圧縮機1では、かしめ固定によって生じた変形と逆方向の変形を生じさせるべく、揺動板40は、ピストン42側からのレーザー溶接によって外輪84と一体化される。より詳細には、外輪84のピストン42側の一面における外周縁84Bをレーザーの被照射部として、この被照射部に向けてレーザーを照射する。これにより、揺動板40と外輪84とは、揺動板40の内周面40B4と外輪84の外周面84B2との間に形成されたレーザー溶接部を介して一体化される。より詳細には、レーザー溶接部は、少なくとも揺動板40のピストン42側の一面における内周縁40B3と外輪84のピストン42側の一面における外周縁84Bとの間に形成される。結果として、詳細を後述するように、揺動板40のスラスト軸受70側への変形を抑制することができる。
以下、揺動板40と外輪84との連結工程について、図8及び図9A〜9Dを参照して説明する。
図8は、揺動板40と外輪84との連結工程を示すフローチャートを示す図である。図9A〜9Dは、揺動板40と外輪84との連結工程図である。尚、図9A〜9Dにおいては、便宜上、連結部40B1は省略してある。
連結工程は、例えば、溶接対象となる部品が載置されると共に後述するレーザー照射時に回転可能なテーブル、かしめ工具、及びレーザー照射装置等を含む治具を用いて行われる。
ステップS1では、揺動板40を連結部40B1側の面が上方を向いた状態で治具のテーブル上に載置する。また、揺動板40は、所定の押さえ治具などを用いることによってテーブル上で位置決め固定される。ステップS2では、外輪84を段差部40A1に載置した状態で揺動板40の開口部40B2に隙間嵌めする(図9Aを参照)。ここで、揺動板40(円板部40B)のピストン42側の一面と外輪84のピストン42側の一面とは、略面一となっている。
ステップS3では、レーザー溶接前の仮固定として、揺動板40と外輪84とをかしめ固定する。より詳細には、かしめ工具を用いることによって、揺動板40の内周縁40B3のうち凹部84B1に対向する部位に図9Aに示す矢印Bの方向の力を加える。これにより、揺動板40の内周縁40B3が図9Bに示す矢印Cの方向に塑性変形する。したがって、揺動板40は、内周縁40B3のうち複数の凹部84B1に対向する部位が複数の凹部84B1に入り込むように外輪84に対してかしめ固定される。すなわち、揺動板40は、周方向に配列された複数の凹部84B1に対応する位置近傍に形成されたかしめ固定部90を介して外輪84に固定される(図9Bを参照)。
ステップS4では、レーザー照射装置を用いることによって、揺動板40の内周部と外輪84の外周部とをレーザー溶接する。レーザー溶接は、例えば、図9Cに示すように、テーブルを揺動板40の開口部40B2の中心軸Oを中心に回転させながら、溶融金属と空気又は空気中の水分(水素)との反応を抑制するシールドガスを吹き付けつつレーザーを連続的に照射することによって行われる。
ここで、アルミニウム系材料は、一般に、鉄系材料と比較して融点が低い。そのため、レーザーが揺動板40に直接照射されてしまうと、揺動板40が必要以上に溶融するため大きく変形してしまう。そこで、揺動板40の変形を抑制すべく、揺動板40を形成する金属の融点よりも高い融点を有する金属で形成される外輪84に向けてレーザーを照射する。より詳細には、レーザーは、外輪84の外周縁84B(図9Cに示す矢印Dの方向)に向けて照射される。すなわち、外輪84のピストン42側の一面における外周縁84Bに、レーザーの被照射部が設けられている。また、レーザー照射装置のレーザーヘッドは、照射精度向上のため、外輪84の外周縁84Bの上方で固定されていることが好ましい。
また、レーザー照射を開始してから終了させるまでの間、溶融した被照射部が冷えて固まる過程で溶接個所には熱収縮現象が生じてしまう。したがって、例えば、開口部40B2の中心を挟んでレーザー照射の開始部位とは反対側の外輪84の部位が、揺動板40から浮き上がるおそれがある。そこで、上述のレーザー溶接時における外輪84の浮き上がりを抑制すべく、レーザー溶接前の仮固定として、ステップS3のかしめ固定を行う。すなわち、揺動板40と外輪84とは、かしめ固定された状態でレーザー溶接される。
外輪84の外周縁84Bにレーザーが照射されると、外周縁84Bの温度が上昇する。外周縁84Bの温度が鉄系材料の融点まで上昇するまでの間、揺動板40の内周縁40B3のうち温度上昇した外周縁84Bに対向する部位に熱が伝わる。その後、揺動板40の内周縁40B3の温度がアルミニウム系材料の融点とほぼ同じ温度まで上昇する。その間、レーザーが直接照射された外輪84の外周縁84Bの温度が鉄系材料の融点に達する。これにより、外輪84の外周縁84Bが溶融すると共に揺動板40の内周縁40B3が溶融し、溶融した鉄系材料及びアルミニウム系材料が混ざり合う。ここで、揺動板40の内周部と外輪84の外周部との間において、これら溶融した金属同士が混ざり合った部分をレーザー溶接部92と定義する。
ステップS5では、レーザー溶接された揺動板40及び外輪84をテーブルからワーク(溶接対象物)置き場としての他の治具に移動させる。この治具は、例えば、熱伝導率の高い銅製のテーブルを有し、そのテーブル内には冷却水が流れている。これにより、レーザー溶接で生じた熱が放熱されて揺動板40と外輪84との間のレーザー溶接部92が冷えて固まる。すなわち、揺動板40と外輪84とがレーザー溶接部92を介して一体化されることにより、連結工程が終了する(図9Dを参照)。
以上のようにして外輪84に固定された揺動板40には、ピストン42側からレーザーを照射するレーザー溶接によって、上述のかしめ固定により生じた残留応力と逆方向の残留応力が働く。すなわち、揺動板40の円板部40Bには径方向外側から内側に向かう方向への圧縮の残留応力が生じる。これにより、揺動板40のレーザー溶接部92周辺の部位は、径方向外側から内側に押し出され、円板部40Bが径方向内側から外側に向かうにつれてピストン42側に反るように変形する(図7Bを参照)。また、レーザー溶接では、かしめ固定による変形と比較して大きく変形する。これにより、かしめ固定により揺動板40の円板部40Bに生じた変形が相殺されることになる。結果として、揺動板40のスラスト軸受70側への変形が抑制される。したがって、揺動板40とスラスト軸受70との間に隙間が形成されることを抑制することが可能となり、斜板30と揺動板40との組み付け精度を向上させることができる。
また、揺動板40と外輪84とは、レーザーの照射によって溶融した鉄系材料とアルミニウム系材料との混合物が外輪84の凹部84B1に入り込んだ状態で固定される。ここで、揺動板40と外輪84とは、外輪84が揺動板40の開口部40B2に隙間嵌めされた状態でレーザー溶接される。そのため、レーザー溶接後、揺動板40の内周面40B4と外輪84の外周面84B2との間の隙間には、レーザー溶接によって溶融した鉄系材料とアルミニウム系材料との混合物が駆動軸10の軸線方向に沿って流れ出る。その結果、揺動板40の内周面40B4と外輪84の外周面84B2との間は、溶融した鉄系材料とアルミニウム系材料との混合物によって埋められることになる。特に、凹部84B1においては、かしめ固定によって凹部84B1に入り込んだ揺動板40のアルミニウム系材料が瞬時に溶融することにより、レーザーがより深くまで照射されるため、揺動板40の内周面40B4と外輪84の外周面84B2とが略全面接合される(図9Dを参照)。
より詳細には、図9Dに示すように、レーザー溶接部92は、揺動板40(円板部40B)の内周面40B4と外輪84の外周面84B2との間においてピストン42側からスラスト軸受70側にかけて形成されると共にスラスト軸受70側の径方向の幅がピストン42側の径方向の幅よりも小さく形成されている。これは、レーザーの被照射部である外輪84の外周縁84B近傍においてレーザー照射による溶融の影響が大きく、ピストン42側からスラスト軸受70側に向かうにつれてレーザー照射による溶融の影響が少なくなるためである。また、図9Dには、かしめ固定部90周辺のレーザー溶接部92のみが示されているが、かしめ固定部90が形成されていない領域においてもレーザー溶接部92は、内周面40B4と外周面84B2との間においてピストン42側からスラスト軸受70側にかけてスラスト軸受70側の径方向の幅がピストン42側の径方向の幅よりも小さくなるように形成される。尚、図9Dでは、レーザー溶接部92のスラスト軸受70側の径方向の幅は、略一定となっているが、これに限るものではない。例えば、レーザー溶接部92の径方向の幅は、ピストン42側からスラスト軸受70側に向かうにつれて小さくなるように形成されてもよい。
以上のようにレーザー溶接部92が揺動板40の内周面40B4と外輪84の外周面84B2との間においてピストン42側からスラスト軸受70側にかけて形成されることにより、かしめ固定のみによる連結構造と比較して揺動板40と外輪84との接合部が増大する。このため、揺動板40と外輪84とを相対回転方向及び軸線方向における互いの動きが規制された状態で固定することが可能となる。したがって、外輪84によって揺動板40をより強固に固定支持することが可能となるので、圧縮機の運転時における信頼性を向上させることができる。
ここで、レーザー溶接によって溶融したアルミニウム系材料及び鉄系材料は、揺動板40とその開口部40B2に隙間嵌めされた外輪84との間の隙間の大きさや、揺動板40の円板部40B及び外輪84の駆動軸10の軸線方向の厚さによっては、駆動軸10の軸線方向に沿って流れ出ない場合がある。すなわち、レーザー溶接部92は、スラスト軸受70側には形成されず、揺動板40のピストン42側の一面における内周縁40B3と外輪84のピストン42側の一面における外周縁84Bとの間及びその近傍に形成される。この場合であっても、揺動板40はピストン42側に反るように変形する結果としてスラスト軸受70側への変形が抑制される。また、かしめ固定のみによる連結構造と比較して外輪84によって揺動板40を強固に固定支持することが可能となる。したがって、揺動板40と外輪84とは、揺動板40の内周面40B4と外輪84の外周面84B2との間においてピストン42側に形成されたレーザー溶接部92を介して一体化されていればよい。
尚、以上では、かしめ固定後(仮固定後)にレーザー溶接を行ったが、かしめ固定を行わなくてもよい。この場合、上述したレーザー照射時の外輪84の浮き上がりを抑制すべく、例えば、押さえ板を用いることによって外輪84を上方から押さえ付けた状態でレーザー照射を行うようにしてもよい。レーザー溶接のみを行った場合でも、外輪84の凹部84B1には、レーザーの照射によって溶融した鉄系材料とアルミニウム系材料との混合物が入り込むため、仮固定としてかしめ固定を行った場合と同様に揺動板40と外輪84とを一体化することが可能となる。また、かしめ固定を行わなかったことにより、レーザー溶接後の揺動板40の円板部40Bの外周縁は、残留応力の発生によりピストン42側に反るように変形する。しかし、円板部40Bはスラスト軸受70側に反るように変形せず、特に、円板部40Bのスラスト軸受70側の面は、径方向外側から内側に向かうにつれて変形が抑えられている。したがって、スラスト軸受70は円板部40Bの径方向内側の変形が抑えられた面に対して配置されることにより、レーザー溶接のみによる連結構造であっても、かしめ固定のみによる連結構造と比較して圧縮機の組み付け精度を向上させることができる。
また、ステップS4の工程は、レーザーを連続的に照射することに限るものではない。例えば、レーザー照射装置を用いたスポット溶接により、外輪84の外周縁84Bの全周のうち複数のかしめ固定部90を除く部位にレーザーを照射することにより、揺動板40と外輪84とをかしめ固定部90間にてレーザー溶接してもよい。これにより、かしめ固定部90による揺動板40と外輪84との相対回転方向における互いの動きを規制する効果を残しつつ揺動板40と外輪84とを強固に固定することができる。
また、以上では、揺動板40の材料として、アルミニウム系材料を用いたが、これに限るものではなく、例えば、鉄系材料と比較して軽量且つ融点の低いマグネシウム系材料を用いてもよい。この場合においても、揺動板40をアルミニウム系材料で形成した場合と同様の作用効果を発揮することができる。
さらに、以上では、揺動板40が円筒部40A及び円板部40Bを有する部材として形成され、外輪84を略円板状の部材として形成したが、これに限るものではない。例えば、揺動板40が円板部40Bのみを有する部材として形成され、外輪84が円板部及びこれと一体化された円筒部を有する部材として形成されてもよい。この場合、ラジアル軸受68は、斜板30の内周面と外輪84の円筒部の外周面との間に配置される。
以上、本発明の好ましい実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記各実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。
1 揺動板式可変容量圧縮機
10 駆動軸
30 斜板
40 揺動板
40B2 開口部
40B3 内周縁
40B4 内周面
42 ピストン
52A シリンダボア
70 スラスト軸受
80 揺動板回転阻止機構(連結機構)
82 内輪
84 外輪(支持部材)
84B 外周縁
84B1 凹部
84B2 外周面
86 ボール
92 レーザー溶接部

Claims (7)

  1. 回転駆動される駆動軸と、
    前記駆動軸と共に回転し前記駆動軸に対して傾斜可能に配設された斜板と、
    中央部に開口部が形成されると共に前記斜板の回転に伴って揺動して一面に連結されたピストンをシリンダボア内で往復動させる金属製の揺動板と、
    前記斜板の一面と前記揺動板の他面との間に配置されたスラスト軸受と、
    前記揺動板の前記駆動軸に対する回転を阻止すると共に前記揺動板を前記駆動軸に対して揺動可能に連結する連結機構と、
    を備えた揺動板式可変容量圧縮機であって、
    前記連結機構は、前記揺動板を形成する金属の融点よりも高い融点を有する金属で形成されると共に前記揺動板の開口部内に配置された状態で前記揺動板を支持しつつ前記揺動板と共に揺動する支持部材を少なくとも含み、
    前記揺動板と前記支持部材とは、レーザー溶接部を介して一体化され、
    前記レーザー溶接部は、前記揺動板の内周面と前記支持部材の外周面との間において前記ピストン側に形成されるか、又は、前記揺動板の内周面と前記支持部材の外周面との間において前記ピストン側から前記スラスト軸受側にかけて形成されると共に前記ピストン側の径方向の幅が前記スラスト軸受側の径方向の幅よりも大きく形成された、
    揺動板式可変容量圧縮機。
  2. 前記支持部材の前記ピストン側の一面における外周縁に、レーザーの被照射部が設けられた、
    請求項1に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  3. 前記揺動板と前記支持部材とは、前記支持部材が前記揺動板の開口部に隙間嵌めされた状態でレーザー溶接された、請求項1又は請求項2に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  4. 前記支持部材の前記ピストン側の一面には、その外周縁に沿って配列される複数の凹部が設けられた、
    請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  5. 前記揺動板と前記支持部材とは、前記揺動板の内周縁のうち前記複数の凹部に対向する部位が当該複数の凹部に入り込むようにかしめ固定された状態でレーザー溶接された、
    請求項4に記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  6. 前記支持部材は、鉄系材料で形成され、
    前記揺動板は、アルミニウム系材料で形成された、
    請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の揺動板式可変容量圧縮機。
  7. 前記連結機構は、前記駆動軸に対する回転が阻止された状態で前記駆動軸に配設された内輪と、前記支持部材としての外輪と、前記外輪を前記内輪に対して揺動させるように前記内輪と前記外輪との間に保持されると共に前記内輪からの回転阻止力を前記外輪に伝達する複数のボールと、を含む、
    請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の揺動板式可変容量圧縮機。
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