JP2019001982A - ストレージ蛍光体、ストレージ蛍光体の製造方法、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート - Google Patents

ストレージ蛍光体、ストレージ蛍光体の製造方法、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート Download PDF

Info

Publication number
JP2019001982A
JP2019001982A JP2017197639A JP2017197639A JP2019001982A JP 2019001982 A JP2019001982 A JP 2019001982A JP 2017197639 A JP2017197639 A JP 2017197639A JP 2017197639 A JP2017197639 A JP 2017197639A JP 2019001982 A JP2019001982 A JP 2019001982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage phosphor
lanthanoid
mass
parts
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017197639A
Other languages
English (en)
Inventor
康武 早川
Yasutake Hayakawa
康武 早川
大平 晃也
Akinari Ohira
晃也 大平
健之 柳田
Takeyuki Yanagida
健之 柳田
範明 河口
Noriaki Kawaguchi
範明 河口
豪 岡田
Go Okada
豪 岡田
智久 大矢
Tomohisa Oya
智久 大矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Nara Institute of Science and Technology NUC
Original Assignee
NTN Corp
Nara Institute of Science and Technology NUC
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, Nara Institute of Science and Technology NUC, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to PCT/JP2018/019619 priority Critical patent/WO2018235495A1/ja
Publication of JP2019001982A publication Critical patent/JP2019001982A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

【課題】良好な機械的特性を備えた、新規なストレージ蛍光体、当該ストレージ蛍光体の製造方法、当該ストレージ蛍光体を含む放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレートを提供すること。【解決手段】ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなる、ストレージ蛍光体、当該ストレージ蛍光体の製造方法、当該ストレージ蛍光体を含む放射線検出素子、当該ストレージ蛍光体を含む個人被曝線量計及び当該ストレージ蛍光体を含むイメージングプレートが提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、ストレージ蛍光体、当該ストレージ蛍光体の製造方法、当該ストレージ蛍光体を含む放射線検出素子、当該ストレージ蛍光体を含む個人被曝線量計及び当該ストレージ蛍光体を含むイメージングプレートに関する。
ストレージ蛍光体は、放射線検出素子に広く用いられている。本発明における放射線検出素子とは、放射線を検出する機能を持つ物体を表す。ストレージ蛍光体を用いた放射線検出素子には、医療、セキュリティ、放射線防護等の幅広い応用分野がある。放射線防護分野における個人被曝線量計、医療画像診断におけるイメージングプレート、放射線環境モニタリング等が代表的なストレージ蛍光体を用いた放射線検出素子の例である。既存のストレージ蛍光体としては、熱蛍光(TL)ドシメーターに搭載されるLiF:Mg、Ti、光刺激発光(OSL)ドシメーターに搭載されるAl:C、ラジオフォトルミネッセンス(RPL)ドシメーターに搭載されるAg添加リン酸塩ガラス及びイメージングプレートに搭載されるBaFBr:Eu等が知られている。
非特許文献1には、アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体であるBaBrCl:Eu2+が、ストレージ蛍光体としてメディカルイメージングにおいて好適に用い得ることが記載されている。非特許文献2には、無機蛍光体であるAl:Cが、ストレージ蛍光体として個人被曝線量計において好適に用い得ることが記載されている。しかしながら、これら既存のストレージ蛍光体は、機械的特性が十分でないものが多く、良好な機械的特性を備えたストレージ蛍光体の豊富化が望まれている。
Paul Leblans, Dirk Vandenbroucke and Peter Willems, "Storage Phosphors for Medical Imaging", Materials, 4 (6), 1034-1086 (2011) Bhuwan C. Bhatt, "THERMOLUMINESCENCE, OPTICALLY STIMULATED LUMINESCENCE AND RADIOPHOTOLUMINESCENCE DOSIMETRY: AN OVERALL PERSPECTIVE", Radiation Protection and Environment, 34 (1), 6-16 (2011)
本発明の目的は、ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなる、良好な機械的特性を備えた新規なストレージ蛍光体、及び当該ストレージ蛍光体の製造方法を提供し、ストレージ蛍光体の選択肢の豊富化に寄与することにある。
本発明の他の目的は、上記ストレージ蛍光体を含む放射線検出素子、その中でも特に上記ストレージ蛍光体を含む個人被曝線量計及び上記ストレージ蛍光体を含むイメージングプレートを提供することにある。
本発明は、以下に示すストレージ蛍光体、及びストレージ蛍光体を用いた放射線検出素子、その中でも特に個人被曝線量計及びイメージングプレートを提供する。
[1] ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなる、ストレージ蛍光体。
[2] 前記ランタノイド元素は、ジスプロシウム、イッテルビウム、セリウム、ユーロピウム、ツリウム、テルビウム、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ホルミウム及びエルビウムからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載のストレージ蛍光体。
[3] 前記ランタノイド元素を有するランタノイド化合物と、前記窒化珪素とを含む焼結体からなる、[1]又は[2]に記載のストレージ蛍光体。
[4] ランタノイド元素を有するランタノイド化合物と窒化珪素とを混合し、前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素とを含む混合物を得る工程と、前記混合物を成形し、前記混合物の成形体を得る工程と、前記成形体を焼結し、前記成形体の焼結体を得る工程と、を含み、前記ランタノイド元素は、ジスプロシウム、イッテルビウム、セリウム、ユーロピウム、ツリウム、テルビウム、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ホルミウム及びエルビウムからなる群より選択される少なくとも1種であり、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜15質量部である、ストレージ蛍光体の製造方法。
[5] 下記(1)〜(5):
(1)前記ランタノイド化合物がDyであり、
前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
(2)前記ランタノイド化合物がYbであり、
前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
(3)前記ランタノイド化合物がCeOであり、
前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
(4)前記ランタノイド化合物がEuであり、
前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
(5)前記ランタノイド化合物がTmであり、
前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
のいずれかを満たす、[4]に記載のストレージ蛍光体の製造方法。
[6] 前記焼結は、前記成形体の周囲をセラミックスで取り囲んだ状態で実施される、[4]又は[5]に記載のストレージ蛍光体の製造方法。
[7] 前記セラミックスが窒化ホウ素である、[6]に記載の製造方法。
[8] [1]〜[3]のいずれかに記載のストレージ蛍光体を含む、放射線検出素子。
[9] [1]〜[3]のいずれかに記載のストレージ蛍光体を含む、個人被曝線量計。
[10] [1]〜[3]のいずれかに記載のストレージ蛍光体を含む、イメージングプレート。
ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなる、良好な機械的特性を備えた新規なストレージ蛍光体、及び当該ストレージ蛍光体の製造方法を提供することができ、ストレージ蛍光体の選択肢の豊富化に寄与することができる。また、上記ストレージ蛍光体を含む放射線検出素子、その中でも特に上記ストレージ蛍光体を含む個人被曝線量計及び上記ストレージ蛍光体を含むイメージングプレートを提供することができる。
実験例82及び83における成形体の焼結方法を示す模式図である。
本明細書において、下記の用語の意味は下記のとおりである。
(1)「ストレージ蛍光体」とは、照射した放射線のエネルギーを蓄積し、その後、照射量に応じた強度で発光する材料をいう。
(2)「放射線」とは、X線、ガンマ線、アルファ線、ベータ線、中性子線等をいう。
(3)「ランタノイド元素」とは、通常、原子番号57から71、すなわちランタン(La)からルテチウム(Lu)までの15の元素の総称であるが、本明細書においては安定同位体のない原子番号61のプロメチウム(Pm)元素を除いた14の元素の総称を意味する。
(4)「良好な焼結性」とは、より低い焼結温度でも緻密な焼結体ができやすい性質、又は同じ焼結温度でもより緻密な焼結体ができやすい性質をいう。
(5)「A〜B」(A、Bは数値である。)とは、A以上B以下を意味する。
(6)「放射線検出素子」とは、放射線を検出する機能を有する物体である。ストレージ蛍光体を用いた放射線検出素子の例としては、例えば「個人被曝線量計」、「イメージングプレート」がある。ストレージ蛍光体は照射された放射線のエネルギーを蓄積する性質を有し、検出部は無電源で動作するため、これらの放射線検出素子に適している。
(7)「個人被曝線量計」とは、例えば原子力発電所等における放射線作業従事者が携帯使用する、携帯時に照射された放射線の量を測定する素子である。
(8)「イメージングプレート」とは、放射線画像検出器の一種であり、例えば、プラスチック等の支持板上にストレージ蛍光体が塗布された形態であり得る。
(9)「セラミックス」とは、無機化合物の焼結物、又は無機化合物の成形体の焼結物をいう。
<ストレージ蛍光体>
ストレージ蛍光体は、ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなる。以下、ランタノイド元素及び窒化珪素、並びに任意で含み得る他の成分(不純物)について説明する。
(ランタノイド元素)
ランタノイド元素は、付活剤としての役割を担う。ストレージ蛍光体は、ランタノイド元素を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。ストレージ蛍光体がランタノイド元素を含むことにより、当該ストレージ蛍光体は、放射線照射によるランタノイド元素イオンの電子軌道遷移に伴う蛍光を発することができる。
ランタノイド元素は、上記14の元素の中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、本発明に係るストレージ蛍光体は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも1種であるランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなることが好ましく、Dy、Yb、Ce、Eu、Tm、Tb、Nd、Pr、Sm、Ho及びErからなる群より選択される少なくとも1種であるランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなることが更に好ましい。
ランタノイド元素は、例えば金属ランタノイドや、ランタノイド酸化物等のランタノイド化合物としてストレージ蛍光体に含有させることができる。良好な焼結性を有するストレージ蛍光体を得る観点から、ストレージ蛍光体は、ランタノイド元素を有するランタノイド化合物を含むことが好ましい。すなわち、本発明に係るストレージ蛍光体は、ランタノイド元素を有するランタノイド化合物と、窒化珪素とを含む焼結体からなる、ストレージ蛍光体であることが好ましい。
(窒化珪素)
窒化珪素(Si)は、ベアリング、タービンブレード、切削工具に広く応用されており、高い機械的特性、耐熱衝撃性を有する。窒化珪素は、通常焼結体(窒化珪素セラミックス)としてストレージ蛍光体に含まれる。したがって、ストレージ蛍光体が窒化珪素を含むことにより、機械的特性及び耐熱衝撃性に優れた、ストレージ蛍光体が得られる。加えて、窒化珪素は、希少な元素を含まないことから、資源的観点からも好適である。(任意で含みうる他の成分)
ストレージ蛍光体は、ランタノイド元素及び窒化珪素以外の他の成分(不純物)を更に含んでもよい。他の成分としては、生産プロセス上、意図せずに含有される不可避不純物や、意図的に添加される添加剤等が挙げられる。不可避不純物や添加剤は、酸素(O)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)等の不純物元素を含むものであってもよい。
上記添加剤としては、良好な焼結性を有するストレージ蛍光体を得るための焼結助剤が挙げられる。ストレージ蛍光体は、1種又は2種以上の焼結助剤を含むことができる。焼結助剤としては、Al、MgO、Y等の公知の焼結助剤が挙げられる。
<ストレージ蛍光体の製造方法>
本開示に係るストレージ蛍光体の製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を含む。以下、工程(1)〜(3)について説明する。
(1)ランタノイド元素を有するランタノイド化合物と窒化珪素とを混合し、ランタノイド化合物と窒化珪素とを含む混合物を得る工程(第1工程)、
(2)上記工程にて得られた混合物を成形して、混合物の成形体を得る工程(第2工程)、及び、
(3)上記工程にて得られた成形体を焼結し、成形体の焼結体(ストレージ蛍光体)を得る工程(第3工程)。
《第1工程》
本工程は、ランタノイド元素を有するランタノイド化合物と、窒化珪素とを混合することによって、ランタノイド化合物と窒化珪素とを含む混合物を得る工程である。ランタノイド化合物と窒化珪素とを含む混合物は、粉末状であってもよい(以下、ランタノイド化合物と窒化珪素とを含む粉末状の混合物を、「原料粉末」とも記載する)。
(ランタノイド元素)
ランタノイド元素は、Dy、Yb、Ce、Eu、Tm、Tb、Nd、Pr、Sm、Ho及びErからなる群より選択される少なくとも1種である。
(混合物中のランタノイド化合物の含有量)
上記混合物中に含まれるランタノイド化合物の含有量は、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜15質量部である。上記混合物中に含まれるランタノイド化合物の含有量が、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5質量部未満の場合、製造されたストレージ蛍光体が十分な強度の発光を得られない可能性がある。上記混合物中に含まれるランタノイド化合物の含有量が、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して15質量部より大きい場合、製造されたストレージ蛍光体の機械的強度が不足する傾向にある。ストレージ蛍光体の機械的強度が低下すると、希少性の高い原料をより多く用いることになり、製造コストの増加を招き得る。
ランタノイド化合物がランタノイド酸化物である場合、ストレージ蛍光体としての性能を低下させずに、より良好な焼結性を得る観点から、下記(1)〜(5)のいずれかを満たすことが好ましい。
(1)ランタノイド化合物がDyであり、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(Dy)の含有量が、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(Dy)と窒化珪素との合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部(より好ましくは1〜5質量部)である。
(2)ランタノイド化合物がYbであり、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(Yb)の含有量が、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(Yb)と窒化珪素との合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部(より好ましくは1〜5質量部)である。
(3)ランタノイド化合物がCeOであり、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(CeO)の含有量が、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(CeO)と窒化珪素との合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部(より好ましくは1〜5質量部)である。
(4)ランタノイド化合物がEuであり、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(Eu)の含有量が、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(Eu)と窒化珪素との合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部(より好ましくは1〜5質量部)である。
(5)ランタノイド化合物がTmであり、上記混合物中に含まれるにおけるランタノイド化合物(Tm)の含有量が、上記混合物中に含まれるランタノイド化合物(Tm)と窒化珪素との合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部(より好ましくは1〜5質量部)である。
すなわち、本発明に係るストレージ蛍光体の製造方法において、ランタノイド化合物がDy、Yb、CeO、Eu、及びTmのいずれかである場合、ランタノイド化合物と、窒化珪素とを混合し、混合物を得る工程(第1工程)において得られた混合物におけるランタノイド化合物の含有量が、当該混合物中に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。
(任意で含みうる他の成分の添加量)
原料粉末は、ランタノイド化合物及び窒化珪素以外の他の成分(不純物)を更に含んでもよい。他の成分としては、生産プロセス上、意図せずに含有される不可避不純物や、意図的に添加される添加剤等が挙げられる。不可避不純物や添加剤は、酸素(O)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)等の不純物元素を含むものであってもよい。良好な焼結性を有するストレージ蛍光体を得る観点から、不純物元素の含有量は、原料粉末に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。ただし、上記不純物元素を過剰に含有させると、ストレージ蛍光体の発光強度が低下する可能性がある。したがって、不純物元素の含有量は、原料粉末に含まれるランタノイド化合物及び窒化珪素の合計量100質量部に対して、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。
上記添加剤としては、良好な焼結性を有するストレージ蛍光体を得るための焼結助剤が挙げられる。ストレージ蛍光体は、1種又は2種以上の焼結助剤を含むことができる。焼結助剤としては、Al、MgO、Y等の公知の焼結助剤が挙げられる。焼結助剤の添加量は特に制限されないが、放射線励起時の発光強度を著しく低下させない程度の添加量とすることが好ましい。原料粉末への焼結助剤の添加量は、原料粉末に含まれるランタノイド化合物及び窒化珪素の合計量100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。これにより、ストレージ蛍光体としての性能を低下させずに、良好な焼結性を有するストレージ蛍光体を得ることができる。
良好な焼結性を有するストレージ蛍光体を得るために、原料粉末の粒径や粒子形状を調整してもよい。調整方法としては、粉砕や造粒等が挙げられる。
例えば、粉砕によって、原料粉末の一次粒子の粒径をマイクロメーターオーダー以下にすることができる。また、造粒によって、原料粉末の二次粒子の形状を角の多い形状から丸みを帯びた形状としたり、二次粒子の粒径を50〜150μm程度の大きさにすることができる。なお、微細構造観察によって識別可能な明確な境界が観察できる微粒子を一次粒子、一次粒子の凝集体を二次粒子と呼ぶ。
粉砕方法や造粒方法は任意の方法であってよい。粉砕方法としては、例えば、乳鉢粉砕、ボールミル、スタンプミル、ジェットミル等を用いる方法が挙げられる。また、高度な粒径、粒子形状の制御を実現するため、複数の粉砕手法、造粒手法を併用して多段階で粉砕、造粒してもよい。原料粉末ごとに粉砕、造粒してもよいが、製造コストを低減するためには複数の原料粉末を混合した混合粉末の状態で粉砕、造粒した方が好ましい。以上の方法により、ランタノイド化合物と窒化珪素との混合物を得ることができる。
《第2工程》
本工程は、第1工程にて得られた混合物を成形して、成形体を得る工程である。ランタノイド化合物と窒化珪素との混合物を成形することにより、後述する第3工程において焼結性を向上させることができる。
成形体は、例えば、機械プレス、水圧プレス、油圧プレス、冷間等方圧プレス(CIP)等により、第1工程にて粉砕された原料をプレス成形(加圧成形)することによって得ることができる。必要に応じて、例えば、機械プレス後に水圧プレスを行う等、2種以上のプレス手法を併用してもよい。成形方法はプレス成形に限定されるものではなく、射出成型やテープ成形等の一般的な成形法を用いてもよい。
プレス成形におけるプレス条件は特に限定されないが、金型を用いた機械プレス成形の場合、例えば、約150〜200kgf/cmの条件で行うことができる。CIPの場合、例えば、1000〜2000kgf/cmの条件で行うことができる。以上の方法により、成形体を得ることができる。
成形体の成形性を高めるために、原料粉末に有機バインダを添加してもよい。有機バインダを添加する場合には、残留有機物による性能悪化を抑制するため、焼結を行う第3工程の前に仮焼結工程を行うことが好ましい。仮焼結工程は、有機バインダを焼失させながら成形体を緻密化させる工程であり、例えば400〜600℃の温度下での熱処理工程であってもよい。
《第3工程》
本工程は、第2工程にて得られた成形体を焼結する工程である。焼結方法は、常圧焼結、ガス圧焼結、ホットプレス焼結、熱間静水圧加圧焼結、パルス通電加圧焼結等の任意の焼結方法であってよい。焼結雰囲気は、窒化珪素に含まれる珪素の酸化を防ぐ観点から、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。焼結の条件は、成形体の組成及び使用する焼結装置に応じて適切に設定されることが好ましい。焼結温度は、成形体の融点の7割程度の温度を目安に設定することが好ましい。
緻密な焼結体を得る観点からは、焼結方法は、窒素等の不活性ガス雰囲気下でのガス圧焼結が好ましい。ガス圧焼結の条件は、成形体の組成及び使用する焼結装置に応じて適切に設定されることが好ましい。ガス圧焼結の条件は、例えば、50〜300MPaの窒素雰囲気中、焼結温度1700〜1800℃、焼結時間0.5〜2時間である。
製造コストの観点からは、焼結方法は、常圧焼結が好ましい。常圧焼結の条件は、成形体の組成及び使用する焼結装置に応じて適切に設定されることが好ましい。常圧焼結の条件は、例えば、0.2〜5MPa(例えば0.8MPa)の窒素雰囲気中、焼結温度1700〜1800℃、焼結時間1〜10時間(例えば約6時間)である。
雰囲気制御の観点から、焼結時に成形体の周囲をセラミックスで取り囲んでもよい。これにより、得られるシンチレータのシンチレータ性能をさらに向上させ得る。上記セラミックスとしては、窒化物セラミックスが挙げられる。窒化物セラミックスとしては、例えば、窒化ケイ素セラミックス(Si)、窒化アルミニウムセラミックス(AlN)、窒化ホウ素セラミックス(BN)、窒化チタンセラミックス(TiN)等が挙げられる。中でも、シンチレータ性能を向上させる観点から、窒化ホウ素セラミックス(BN)が好ましく用いられる。成形体の周囲をセラミックスで取り囲むことにより、焼結時に成形体に含まれるランタノイド元素の揮発が抑制されると期待される。なお、「成形体の周囲をセラミックスで取り囲んだ状態」とは、成形体の周囲を取り囲むセラミックス部材が、成形体とセラミックス部材との間に空間が形成されるように配置されてもよいし、成形体の外表面全体に接触するように配置されている状態であってもよいし、成形体の一部の外表面にのみ接触するように配置されている状態であってもよい。
焼結によって得られた焼結体(すなわち、ストレージ蛍光体)に対して加工処理を施してもよい。加工処理としては、切断処理や、研磨処理等の形状調整処理が挙げられる。以上の方法により、ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなる、ストレージ蛍光体を製造することができる。
<ストレージ蛍光体の用途>
ストレージ蛍光体は、照射された放射線量に応じて蛍光量が変化するため、蛍光量を測定することにより、照射された放射線量を検出することができる。蛍光の原理としては、例えばTL、OSL、RPLがある。本発明に係るストレージ蛍光体は、例えば以下に示す放射線検出素子、その中でも特に個人被曝線量計及びイメージングプレートに好適に用い得る。
<放射線検出素子>
本発明に係るストレージ蛍光体は、放射線検出素子に含まれてもよい。本発明に係るストレージ蛍光体は、放射線検出能を有し、任意の従来公知技術を用いた放射線検出素子において、好適に用いることができる。放射線検出素子の中でも個人被曝線量計及びイメージングプレートには特に好適に用い得る。
<個人被曝線量計>
本発明に係るストレージ蛍光体は、個人被曝線量計に含まれてもよい。ストレージ蛍光体を含んだ個人被曝線量計に関連する公知技術としては、例えばフィルター技術が挙げられる。フィルター技術は、ストレージ蛍光体を含んだ個人被曝線量計において、フィルターを用いないオープンウィンドウ、単数又は複数のプラスチックフィルター付きウィンドウ、単数又は複数の金属薄板フィルター付きウィンドウを備える個人被曝線量計を用いるものであり、ストレージ蛍光体に照射される放射線のエネルギーを変化させ、それぞれの測定結果の比較から、照射された放射線のエネルギー情報を得る手法である。本発明に係るストレージ蛍光体は、例えばこのような公知技術を用いた個人被曝線量計において、好適に用いることができる。
<イメージングプレート>
本発明に係るストレージ蛍光体は、イメージングプレートに含まれてもよい。イメージングプレートの構成は、例えば平坦なプラスチック基板上に形成されたストレージ蛍光体層と、当該ストレージ蛍光体表面に汚れや傷を防止する透明保護層とを備える、従来公知の構成であってもよい。このような構成のイメージングプレートとは、プラスチック基板の柔軟性によって物理的衝撃を緩和し、透明保護層により発光を取り出しながら汚れ、傷を防止することができる。本発明に係るストレージ蛍光体は、例えばこのような従来公知の公知技術を用いたイメージングプレートにおいて、好適に用いることができる。
以下、実験例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実験例1〜77、82、83>
(1)ストレージ蛍光体(焼結体)の製造
ランタノイド化合物(ランタノイド元素供給源)として、株式会社高純度化学研究所製の各種ランタノイド酸化物(Dy、Yb、CeO、Eu、Tm、Tb、Nd、Pr、Sm、Ho、Er、いずれも純度99.9質量%、粉末状)を用意し、窒化珪素として、デンカ株式会社製のSi(商品名:SN−9FWS、粉末状)を用意した。各ランタノイド化合物と、Siとを混合し、粉末状の混合物(原料粉末)を得た。当該原料粉末に含まれるランタノイド化合物の含有量は、当該原料粉末に含まれるランタノイド化合物とSiとの合計量100質量部に対して0.01質量部、0.5質量部、1質量部、5質量部、10質量部、15質量部、あるいは20質量部とした。各原料粉末に対して、粒径10mmの窒化珪素ボールを原料粉末と同じ体積になるように加え、更にエタノールを全体で原料粉末の約1.5倍の体積となるように加え、ボールミルにより60時間混合した。得られた各スラリーをエバポレーターで乾燥後、乳鉢と乳棒を用いて粉砕した。その後、目開き425μmのふるいを通して分級することによって、粉砕された各原料を得た。ついで、当該粉砕された各原料を、200kgf/cmの条件でプレス成形して、円柱形状(直径10mm×高さ4mm)の成形体を得た。得られた成形体を、窒素雰囲気中、0.9MPa、1725℃、4時間の条件で常圧焼結して、実験例1〜77に係るストレージ蛍光体(焼結体)を得た。また、実験例11、26と同組成の成形体に対して、図1に示すように成形体の周囲を窒化ホウ素(BN)で取り囲んだ状態で焼結を実施し、実験例82、83に係るストレージ蛍光体(焼結体)を得た。
各実験例の相違点は、原料粉末中に含まれるランタノイド化合物の種類と、原料粉末中に含まれるランタノイド化合物の含有量である。各実験例における、原料粉末中に含まれるランタノイド化合物の種類、及び原料粉末に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対する、原料粉末に含まれるランタノイド化合物の含有量(質量部)は、表1に示されるとおりである。
<実験例78〜81>
焼結助剤であるAlの含有量が、原料粉末に含まれるランタノイド化合物及び窒化珪素の合計量100質量部に対して、5質量部(実験例78)、10質量部(実験例79)、20質量部(実験例80)及び25質量部(実験例81)となるように、原料粉末にAlを更に添加したことを除いては、実験例2と同様の条件でストレージ蛍光体を作製し、実験例78〜81に係るストレージ蛍光体を得た。
(2)ストレージ蛍光体の発光性能の評価
各実験例に係るストレージ蛍光体について、放射線照射後、熱刺激により十分に高い強度で発光するかどうか(以下、「発光性能」とも記載する)を調べることで、ストレージ蛍光体として機能するかどうかを評価した。具体的な評価方法は以下のとおりである。
放射線源としてX線発生器(Spellman社製、Monoblock XRB80P & N200X4550)を用い、管電圧を40kV、管電流を5.2mAとし、空気吸収線量で1Gy(グレイ)に相当する量のX線をストレージ蛍光体に照射した。
放射線を照射したサンプル(ストレージ蛍光体)について、熱ルミネセンス測定装置(nanoGray社製、TL−2000)を用いて温度を上昇させながら熱蛍光(TL)強度を測定した。TL強度を測定した際の印加温度範囲は50℃から490℃とし、昇温速度は1℃/秒として、印加温度と発光強度によるグラフ(グローカーブ)を測定した。このようにして得られるグローカーブの測定結果は、横軸が印加温度(℃)、縦軸が電荷(nC)を表す。縦軸の単位であるnCはナノクーロンを表し、10のマイナス9乗クーロンの意味である。1クーロンは、1秒間に1アンペアの電流によって運ばれる電荷(電気量)であり、本測定装置の受光器である光電子増倍管で測定される電流値に依存する。この電流値はストレージ蛍光体の熱蛍光(TL)強度に加えて、バックグラウンドノイズの量に応じても上昇するため、得られた測定結果から、試料のない状態で測定した結果をバックグラウンドノイズの量として差し引くことで、バックグラウンドノイズの影響を取り除き、横軸が印加温度(℃)、縦軸がTL強度(nC)のグローカーブのグラフとした。更に、このようにして得られたグローカーブの縦軸の値を印加温度50℃から490℃の範囲で合計することでTL強度の積算値とした。得られたTL強度の積算値は、実験例1〜77、82、83については表1に示され、実験例78〜81については表2に示されている。積算値の値が高いほど、発光性能が優れていることを示す。
Figure 2019001982
Figure 2019001982
(3)ストレージ蛍光体の機械強度の評価
各実験例に係るストレージ蛍光体について、ストレージ蛍光体として十分な機械的強度を有するかどうかを評価した。具体的な評価方法としては、各実験例に係るストレージ蛍光体を紙にこすりつけ、ストレージ蛍光体が崩れるかどうかを観察した。各実験例に係るストレージ蛍光体は、紙にこすりつけられても崩れなかったか、或いは崩れたとしても極めて微細な崩れであった。これにより、本願に係るストレージ蛍光体が良好な機械的特性を有することが示された。
<考察>
表1の各実験例の結果から、ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなるストレージ蛍光体は、ストレージ蛍光体として十分な発光性能を有することが理解できる。また、上述の通り各実験例ストレージ蛍光体は、十分な機械的強度を有していた。すなわち、本願に係るストレージ蛍光体は良好な機械的特性を備えた新規なストレージ蛍光体であり、ストレージ蛍光体の豊富化が達成された。
表1において、原料粉末に含まれるランタノイド化合物の含有量が、原料粉末に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜15質量部である実験例2〜6、9〜13、16〜20、23〜27、30〜34、37〜41、44〜48、51〜55、58〜62、65〜69、72〜76、82、83に係るストレージ蛍光体は、優れた発光性能を有することが示されており、原料粉末に含まれるランタノイド化合物の含有量が、原料粉末に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して1〜5質量部である実験例3、4、10、11、17、18、24、25、31、32、38、39、45、46、52、53、59、60、66、67、73、74及び82に係るストレージ蛍光体は、特に優れた発光性能を有することが示されている。なお、このように原料粉末に含まれるランタノイド化合物の含有量に応じてTL強度の積算値が変化する原因は明らかではないが、ランタノイド元素の添加によって生じる窒化珪素の焼結性の変化が影響している可能性がある。
また、表1より、ランタノイド化合物ごとに、TL強度の積算値が最大となる最適な含有量が異なることが示された。具体的には、ランタノイド化合物がDy、Yb、Tb、Nd、Ho、及びErの場合には、原料粉末に含まれるランタノイド化合物の含有量が、原料粉末に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して5質量部である際にTL強度の積算値が最大となった。対して、ランタノイド化合物がCeO、Eu、Tm、Pr、及びSmの場合には原料粉末に含まれるランタノイド化合物の含有量が、原料粉末に含まれるランタノイド化合物と窒化珪素との合計量100質量部に対して1質量部である際にTL強度の積算値が最大となった。
更に、表1の実施例11と実施例82との比較、及び、実施例26と実施例83との比較より、成形体の周囲をセラミックス(BN)で取り囲んだ状態で焼結を実施することで、発光強度が向上することが確認された。なお、光のピーク波長には変化はなかった。実施例11及び実施例26においては、焼結時にランタノイド元素の一部が揮発したものと考えられる。実施例82及び実施例83においては、成形体の周囲をセラミックス(BN)で取り囲むことで焼結時におけるランタノイド元素の揮発が抑制され、実施例11及び実施例26と比較して発光強度が向上したものと考えられる。
表2に示すように、実験例78〜81のTL強度の積算値はそれぞれ1267、721、440及び47(nC)であった。実験例81においてはTL強度の積算値が大幅に低下したが、実験例78〜80においてはTL強度の積算値は大幅には低下しなかった。このことより、本発明におけるストレージ蛍光体の製造方法において、原料粉末に含まれるランタノイド化合物及び窒化珪素の合計量100質量部に対して、従来公知の焼結助剤は20質量部以下含有されていてもよいし、10質量部以下含有されていてもよいし、5質量部以下含有されていてもよいことが示された。
本発明に係るストレージ蛍光体は、アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体であるBaBrCl:Eu2+や、無機蛍光体であるAl:Cに代わる、良好な機械的特性を有し得る新たなストレージ蛍光体として期待される。
11 成形体、 12 セラミックス(BN)。

Claims (10)

  1. ランタノイド元素と、窒化珪素とを含む焼結体からなる、ストレージ蛍光体。
  2. 前記ランタノイド元素は、ジスプロシウム、イッテルビウム、セリウム、ユーロピウム、ツリウム、テルビウム、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ホルミウム及びエルビウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のストレージ蛍光体。
  3. 前記ランタノイド元素を有するランタノイド化合物と、前記窒化珪素とを含む焼結体からなる、請求項1又は2に記載のストレージ蛍光体。
  4. ランタノイド元素を有するランタノイド化合物と窒化珪素とを混合し、前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素とを含む混合物を得る工程と、
    前記混合物を成形し、前記混合物の成形体を得る工程と、
    前記成形体を焼結し、前記成形体の焼結体を得る工程と、を含み、
    前記ランタノイド元素は、ジスプロシウム、イッテルビウム、セリウム、ユーロピウム、ツリウム、テルビウム、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ホルミウム及びエルビウムからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜15質量部である、
    ストレージ蛍光体の製造方法。
  5. 下記(1)〜(5):
    (1)前記ランタノイド化合物がDyであり、
    前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
    (2)前記ランタノイド化合物がYbであり、
    前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
    (3)前記ランタノイド化合物がCeOであり、
    前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
    (4)前記ランタノイド化合物がEuであり、
    前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
    (5)前記ランタノイド化合物がTmであり、
    前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物の含有量が、前記混合物中に含まれる前記ランタノイド化合物と前記窒化珪素との合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である、
    のいずれかを満たす、請求項4に記載のストレージ蛍光体の製造方法。
  6. 前記焼結は、前記成形体の周囲をセラミックスで取り囲んだ状態で実施される、請求項4又は5に記載のストレージ蛍光体の製造方法。
  7. 前記セラミックスが窒化ホウ素である、請求項6に記載のストレージ蛍光体の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のストレージ蛍光体を含む、放射線検出素子。
  9. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のストレージ蛍光体を含む、個人被曝線量計。
  10. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のストレージ蛍光体を含む、イメージングプレート。
JP2017197639A 2017-06-19 2017-10-11 ストレージ蛍光体、ストレージ蛍光体の製造方法、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート Pending JP2019001982A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/019619 WO2018235495A1 (ja) 2017-06-19 2018-05-22 ストレージ蛍光体、ストレージ蛍光体の製造方法、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017119591 2017-06-19
JP2017119591 2017-06-19

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019001982A true JP2019001982A (ja) 2019-01-10

Family

ID=65006756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017197639A Pending JP2019001982A (ja) 2017-06-19 2017-10-11 ストレージ蛍光体、ストレージ蛍光体の製造方法、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019001982A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021172794A (ja) * 2020-04-30 2021-11-01 国立大学法人群馬大学 Rpl材料、発光素子、rpl材料の製造方法およびrpl材料の発光強度を高める方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021172794A (ja) * 2020-04-30 2021-11-01 国立大学法人群馬大学 Rpl材料、発光素子、rpl材料の製造方法およびrpl材料の発光強度を高める方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101107206B (zh) 荧光陶瓷及其制备方法
JP7269994B2 (ja) 陽電子放出断層撮影のための透明セラミックガーネットシンチレーター検出器
US6585913B2 (en) Scintillator compositions of alkali and rare-earth tungstates
CN101253128B (zh) 稀土氧硫化物闪烁体及其生产方法
US8377335B2 (en) Solid scintillator, radiation detector, and tomograph
EP2634233A1 (en) Polycrystalline scintillator for detecting soft x-rays
US8083968B2 (en) Solid scintillator, radiation detector, and X-ray tomographic imaging apparatus
JP6103042B2 (ja) 蛍光材料、シンチレータ、並びに放射線変換パネル
US6967330B1 (en) High-density polycrystalline lutetium silicate materials activated with Ce
KR20200020668A (ko) 단가 이온으로 코도핑된 가넷 신틸레이터
JP6037025B2 (ja) シンチレータ材料、放射線検出器及び放射線検査装置
JP2019001982A (ja) ストレージ蛍光体、ストレージ蛍光体の製造方法、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート
WO2018235495A1 (ja) ストレージ蛍光体、ストレージ蛍光体の製造方法、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート
JP2016145310A (ja) シンチレータ材料、放射線検出器及び放射線検査装置
JP2021024924A (ja) ストレージ蛍光体、放射線検出素子、個人被曝線量計及びイメージングプレート
JP2016160297A (ja) シンチレータ材料、放射線検出器及び放射線検査装置
US20190002762A1 (en) Dosimeter Using Magnesium Oxide and Radiation Dose Measuring Method
JP2020012038A (ja) シンチレータ及び放射線検出装置
WO2018193838A1 (ja) シンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータ及び放射線検出装置、並びにシンチレータの製造方法
JP2021147277A (ja) シンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータ及び放射線検出装置
JP2018178070A (ja) シンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータ及び放射線検出装置、並びにシンチレータの製造方法
JP2021098820A (ja) シンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータおよび放射線検出装置
Kato et al. New Materials for Radiation Detectors: Transparent Ceramics
Trofimov Microstructure, luminescence, and performance of garnet polycrystalline ceramic scintillators
JP5962619B2 (ja) シンチレータ材料、放射線検出器及び放射線検査装置