JP2021147277A - シンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータ及び放射線検出装置 - Google Patents

シンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータ及び放射線検出装置 Download PDF

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文耶 中村
康武 早川
Yasutake Hayakawa
康武 早川
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Akinari Ohira
晃也 大平
健之 柳田
Takeyuki Yanagida
健之 柳田
範明 河口
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Yasuteru Ogawa
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Abstract

【課題】シンチレータ用材料としてX線やγ線の吸収効率に優れた特性を備え、しかも所要の機械的特性を備えた新規材料とし、シンチレータ及びこれを含む放射線検出装置を提供することである。【解決手段】ユウロピウムを含有する酸窒化物からなり、BaSi2O2N2:xEu(0.001<x<0.1)で表されるシンチレータ用セラミックス組成物とし、その焼結体または成形体の焼結物であるシンチレータ、またはこのシンチレータと光検出器とを備えた放射線検出装置とする。【選択図】なし

Description

本発明は、シンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータ及び当該シンチレータを備える放射線検出装置並びにシンチレータの製造方法に関するものである。
シンチレータは、放射線の照射によって励起されることにより蛍光(例えば可視光)を発する材料からなり、放射線検出装置の検出素子として用いられている。放射線検出素子としてのシンチレータは、検出感度を高めるうえで、粉末状の形態を有しているよりも、一定のサイズを有する成形体(バルク体)であることが望まれる。
バルク体のシンチレータとしては、CsI:Tl、CdWO、NaI:Tl、BiGe12等からなる単結晶シンチレータが公知である。
ただし、単結晶シンチレータは、単結晶の生成に時間を要するので製造効率が劣り、またシンチレータの形状自由度に劣る。
シンチレータ用セラミックスとしては、酸化物、酸硫化物、ハロゲン化物が知られている。また、GdS:Pr蛍光体の焼結体からなるセラミックスシンチレータも知られている(特許文献1)。
しかし、酸化物、酸硫化物は、還元雰囲気では酸素欠陥を生じやすく、ハロゲン化物は潮解性が高いものが多い等、それぞれ固有の問題を有している。
特許文献1に記載のセラミックスシンチレータは、陰イオンとして酸素及び硫黄、付活剤としてPr及びCeを含有するところ、これらの複数の元素を所定の濃度で再現性良く含有させることは容易でないという製造上の課題がある。
そして、これら既存のシンチレータは、機械的特性が十分でないものが多く、良好な機械的特性を備えたシンチレータの豊富化という課題の解決が望まれている。
また、良好な機械的特性を備えたシンチレータ材料としては、希土類添加Siが挙げられる(例えば、特許文献2)が、それらの実効原子番号は小さく、X線やγ線の吸収効率が悪いという欠点がある。
特許第4959877号公報 特開2018−178070号公報
本発明の目的は、上記した先行技術の欠点や問題を解決し、シンチレータ用材料としてX線やγ線の吸収効率に優れた特性を備え、しかも所要の機械的特性を備えた新規材料を提供することにある。
また本発明の他の目的は、上記シンチレータ用材料の優れた特性を備えたシンチレータ及びこれを含む放射線検出装置、さらに上記シンチレータ用材料を用いたシンチレータの製造方法を提供することにある。
本発明は、以下に示す(1)〜(5)のシンチレータ用セラミックス組成物、シンチレータ及び放射線検出装置、並びにシンチレータの製造方法を提供する。
(1)BaSi22:xEu(0.001<x<0.1)で表される、シンチレータ用セラミックス組成物。
(2) 上記シンチレータ用セラミックス組成物の焼結体であるシンチレータ。
(3) 上記シンチレータ用セラミックス組成物を含む成形体の焼結物であるシンチレータ。
(4) 上記シンチレータと、上記シンチレータから出射される光を検出するための光検出器と、を備えた放射線検出装置。
(5) (1)に記載のシンチレータ用セラミックス組成物を調製する工程と、前記シンチレータ用セラミックス組成物を成形して成形体を得る工程と、前記成形体を焼結する工程と、を必須工程とするシンチレータの製造方法。
上記したシンチレータ用セラミックス組成物は、Euを所定量含有するバリウム系酸窒化物であることにより、希土類添加Siと比較して実効原子番号が大きくなり、X線やγ線をより効率良く吸収できる。
そのため、上記したシンチレータ用セラミックス組成物を材料として製造されるシンチレータまたはこのシンチレータを備えた放射線検出装置は、X線やγ線を効率良く吸収して、より高い発光強度で蛍光を発して検出機能が高性能なものになり、十分な機械的強度も備えたものになる。
本発明のシンチレータ用セラミックス組成物は、X線やγ線を効率良く吸収し、しかもバルク体は所要の機械的特性を十分に備えたものになり、シンチレータ用材料として好適に用いられる新規材料を提供できる。
また、本発明のシンチレータまたはこれを備えた放射線検出装置は、上記シンチレータ用セラミックス組成物を用いたシンチレータ用材料から形成されるので、高い機械的特性を有しながら、より高い発光強度で蛍光を発することのできる高性能のシンチレータまたはこれを備えた放射線検出装置になる。また本発明の製造方法は、上記した高性能のシンチレータの製造方法を提供できる。
実験例4のシンチレータにX線を照射したときの発光スペクトルを示す図である。
本明細書において、下記の用語の意味は下記のとおりである。
「セラミックス」とは、無機化合物の焼結物、または無機化合物の成形体の焼結物をいう。
「シンチレータ用材料」とは、シンチレータの形成に用いられる材料をいう。
「シンチレータ」とは、放射線の照射によって励起されることにより蛍光(例えば可視光)を発する物質(材料)で構成される部材、部品又は素子等のバルク体をいう。
「放射線」とは、X線、ガンマ線、アルファ線、ベータ線、中性子線等をいう。
「焼結性」とは、より低い焼結温度でも緻密な焼結体ができやすい性質、又は同じ焼結温度でもより緻密な焼結体ができやすい性質をいう。
「シンチレータ性能」とは、シンチレータとしての性能を意味し、例えば、シンチレータに放射線を照射したときに、より高い発光強度で蛍光を発することができる性質をいう。
<シンチレータ用セラミックス組成物>
本発明に係るシンチレータ用セラミックス組成物は、シンチレータ用材料であり、一般式を用いてBaSi2:xEu(式中、xは0.001<x<0.1を満足する数値である。)で表される。
Euは、付活剤としての役割を担う。この組成物から形成されるシンチレータは、放射線照射によるEu2+イオンの5d−4f電子軌道遷移に伴う蛍光を発することができる。
Ba、Si及びEu元素はそれぞれ、酸化物、窒化物、及び/又は金属として、シンチレータ用セラミックス組成物に含有させることができる。
シンチレータ用セラミックス組成物は、Ba、Si及びEu以外の他の成分を含むことができる。他の成分としては、生産プロセス上、意図せずに含有されてしまう不可避不純物や、意図的に添加する添加剤等が挙げられる。不可避不純物や添加剤は、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)等の不純物元素を含むものであってもよい。
シンチレータ性能の観点から、シンチレータ用セラミックス組成物における不純物元素の含有量は、BaSi2:xEuの合計量100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましい。
シンチレータ用セラミックス組成物に上記不純物元素が含有されることによって、焼結性等の性能が向上することがあるからである。ただし、上記不純物元素を過剰に含有させると、シンチレータ性能が低下しやすい。
従って、不純物元素の含有量は、BaSi2:xEuの合計量100質量部に対して、より好ましくは10質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以下である。
上記添加剤としては、焼結性を向上させるための焼結助剤が挙げられる。シンチレータ用セラミックス組成物は、1種又は2種以上の焼結助剤を含むことができる。焼結助剤としては、Al、MgO等の公知の焼結助剤が挙げられる。
<シンチレータ>
本発明に係るシンチレータは、上記シンチレータ用セラミックス組成物の焼結体であり、好ましくは上記シンチレータ用セラミックス組成物を含む成形体の焼結物(焼結バルク体)である。
本発明に係るシンチレータは、上記シンチレータ用セラミックス組成物から形成されているので、良好なシンチレータ性能を示すことができる。
例えばBaSi2:xEuセラミックスである場合、シンチレータにおけるxの量は、通常0.001<x<0.1であり、シンチレータ性能を高める観点から、好ましくは0.01<x<0.1である。
<シンチレータの製造方法>
シンチレータは、例えば、次の工程を含む方法によって製造することができる。
シンチレータ用セラミックス組成物を調製する工程(第1工程)、
シンチレータ用セラミックス組成物を成形して成形体を得る工程(第2工程)、及び
成形体を焼結する工程(第3工程)。
(1)第1工程
シンチレータ用セラミックス組成物は、BaSi2:xEu(0.001<x<0.1)であり、Ba、Si及びEu元素の供給源として、それぞれの酸化物、窒化物、及び/又は金属とを混合することによって調製することができる。Ba、Si及びEu元素の供給源は、それぞれ粉末体であってよい。
シンチレータ用セラミックス組成物の焼結性を高めるために、原料粉末(Ba、Si、Eu及び/又は焼結助剤等の添加剤)の粒径や粒子形状を調整してもよい。調整方法としては、粉砕や造粒等が挙げられる。
例えば、粉砕によって、原料粉末の一次粒子の粒径をマイクロメーターオーダー以下にすることができる。また、造粒によって、原料粉末の二次粒子の形状を角の多い形状から丸みを帯びた形状とし、また二次粒子の粒径を50〜150μm程度の大きさにすることができる。なお、微細構造観察によって識別可能な明確な境界が観察できる微粒子を一次粒子と呼び、一次粒子の凝集体を二次粒子と呼ぶ。
粉砕方法や造粒方法は任意の方法であってよい。
粉砕方法としては、例えば、乳鉢粉砕、ボールミル、スタンプミル、ジェットミル等を用いる方法が挙げられる。
造粒方法としては、例えば、スプレードライ、エバポレータによる原料粉末スラリーの真空乾燥、分級(篩分け)等の方法が挙げられる。
粉砕方法は上記方法の2以上の組み合わせであってもよく、造粒方法は上記方法の2以上の組み合わせであってもよい。また粉砕と造粒とを組み合わせてもよい。
さらにまた、使用する原料粉末ごとに粉砕及び/又は造粒を行なってよいが、製造効率を簡略化する観点から、複数種類の原料粉末を混合した混合粉末に対して粉砕及び/又は造粒を行なってもよい。
(2)第2工程
この工程は、必要に応じて行われる任意の工程であるが、シンチレータ用セラミックス組成物は成形されることにより高密度化し、その焼結性は向上するから、シンチレータ用セラミックス組成物の成形体を得る当該工程を設けることが好ましい。
成形体は、例えば、機械プレス、水圧プレス、油圧プレス、冷間等方圧プレス(CIP)等によりシンチレータ用セラミックス組成物をプレス成形(加圧成形)することによって得ることができる。必要に応じて、例えば、機械プレス後に水圧プレスを行うなど、2種以上のプレス手法を併用してもよい。成形方法はプレス成形に限定されるものではなく、射出成形やテープ成形等の一般的なセラミックスの成形法を用いてもよい。
プレス成形におけるプレス条件は特に限定されないが、金型を用いた機械プレス成形の場合、例えば、約14.7〜19.6MPa(約150〜200kgf/cm)の条件で行うことができる。冷間等方圧プレス(CIP)の場合、例えば、98.1〜196.1MPa(1000〜2000kgf/cm)の条件で行うことができる。
シンチレータ用セラミックス組成物の成形性を高めるために、シンチレータ用セラミックス組成物に有機バインダを添加してもよい。
有機バインダを添加する場合には、残留有機物による性能悪化を抑制するため、焼結を行う第3工程の前に仮焼結工程を行うことが好ましい。仮焼結工程は、有機バインダを焼失させながら成形体を緻密化させる工程であり、例えば400〜600℃の温度下での熱処理工程であることができる。
(3)第3工程
この工程は、シンチレータ用セラミックス組成物の成形体を焼結する工程である。焼結方法は、常圧焼結、ガス圧焼結、ホットプレス焼結、熱間静水圧加圧焼結、パルス通電加圧焼結等の任意のセラミックス焼結方法であってよい。
焼結雰囲気は、酸化を抑制する観点から、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
焼結温度は、成形体の融点の7割程度の温度を目安に設定することが好ましい。
緻密な焼結体を得る観点からは、焼結方法は、窒素等の不活性ガス雰囲気下でのガス圧焼結が好ましい。
ガス圧焼結の条件は、成形体の組成及び使用する焼結装置に応じて適切に設定されることが好ましい。ガス圧焼結の条件は、例えば、50〜300MPaの窒素雰囲気中、焼結温度1000〜1500℃、焼結時間0.5〜2時間である。
製造コストの観点からは、焼結方法は、常圧焼結が好ましい。
常圧焼結の条件は、成形体の組成及び使用する焼結装置に応じて適切に設定されることが好ましい。常圧焼結の条件は、例えば、0.2〜5MPa(例えば0.8MPa)の窒素雰囲気中、焼結温度1000〜1500℃、焼結時間1〜10時間(例えば約6時間)である。
坩堝としては、窒化物セラミックスが挙げられる。窒化物セラミックスとしては、例えば、窒化ケイ素セラミックス(Si)、窒化アルミニウムセラミックス(AlN)、窒化ホウ素セラミックス(BN)、窒化チタンセラミックス(TiN)等が挙げられる。中でも、シンチレータ性能を向上させる観点から、窒化ホウ素セラミックス(BN)が好ましく用いられる。
焼結工程によって得られた焼結体(バルク体のシンチレータ)に対して加工処理を施してもよい。加工処理としては、切断処理や、研磨処理等の形状調整処理が挙げられる。
以上の方法によれば、バルク体であるシンチレータを単結晶シンチレータに比して製造効率が良く、また自由度の高い形状で製造することができる。
<放射線検出装置>
本発明に係るシンチレータは、放射線検出装置に好適に適用することができる。
放射線検出装置は、本発明に係るシンチレータと、このシンチレータから出射される光を検出するための光検出器とを含むものであることができる。
光検出器としては、光電子増倍管、半導体受光素子等が挙げられる。中でも、製造コストの観点から、光検出器は、シリコン受光素子であることが好ましい。
シンチレータを備える放射線検出装置の用途は多岐にわたる。該用途の例は、空港での手荷物検査や医療用画像診断等である。光検出器として位置敏感型の受光素子を用いれば、放射線透過像の撮像装置としても使用することができる。
以下、実験例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実験例1〜5>
(1)シンチレータ(焼結体)の作製
原料粉末として、デンカ株式会社製のSi(商品名:SN−9FWS)、株式会社高純度化学社製のSiO(純度99.9質量%)、株式会社高純度化学研究所製の各種BaO(純度99.9質量%)、及び株式会社高純度化学研究所製のEu(純度99.9質量%)を用意した。
BaO、SiO、Si及びEu粉末を、最終的な組成がBaSi2:xEu、xの値は実験例1、2、3、4、5でそれぞれ0.001、0.005、0.01、0.05、0.1になるように、乳鉢と乳棒を用いて混合することによって、シンチレータ用セラミックス組成物を得た。
ついで、シンチレータ用セラミックス組成物を、19.6MPa(200kgf/cm2)の条件でプレス成形して、円柱形状(直径10mm×高さ4mm)の成形体を得た。
得られた成形体を、窒素雰囲気中、0.9MPa、1400℃、4時間の条件で常圧焼結して、円柱形状のシンチレータ(焼結体)を得た。
得られた焼結体は、シンチレータ性能を評価するのに十分な機械的強度を有していた。
(2)シンチレータの評価
上記で得られたシンチレータについて、シンチレータ性能を評価した。シンチレータ性能は、シンチレータへのX線照射によって生じる蛍光の発光強度を測定することによって評価した。具体的には次のとおりである。
放射線源としてX線発生器(Spellman社製;Monoblock XRB80P & N200X4550)を用い、管電圧を80kV、管電流を1.2mAとし、X線をシンチレータに60秒間照射した。
シンチレータからの発光を、X線を照射した面とは反対側の面から、光ファイバー(三菱電線社製;材質STU)により伝搬させ、分光器(ANDOR社製;SR163i−UV)、シリコン受光素子からなるCCD(ANDOR社製;DU920P−BU2NC型)を用いて波長分解して受光することによって、測定波長範囲を200〜700nm、波長ステップを0.5nmとする発光スペクトルを測定した。
得られた発光スペクトルから、測定時間1秒あたりのカウント値(単位:counts per second、cps)を200〜700nmの範囲で積算し、これを発光強度とした。実験例1〜5のシンチレータの発光強度を表1に示す。
上記と同じ測定条件で、シンチレータを設置せずにスペクトルを測定し、約200〜700nmの波長範囲で波長ごとのカウント値を積算した。この測定を合計10回行い、10個の積算値の平均値を計算したところ、約10cpsであった。そのため、10cpsをバックグラウンドレベルとし、このバックグラウンドレベルに対して十分に高い発光強度が得られているかどうかによって、シンチレータ性能を評価した。
図1は、実験例4のシンチレータにX線を照射したときの発光スペクトルを示す図表である。図1より、実験例4のシンチレータは、X線照射により、ピーク波長約500nmで発光していることがわかる。
Figure 2021147277
Figure 2021147277
表1より、実験例1〜5のシンチレータはいずれも、バックグラウンドレベル(10cps)よりも有意に高い発光強度を示すことがわかる。
<実験例6〜9>
BaSi2:xEuの100質量部に対して、5質量部(実験例6)、10質量部(実験例7)、15質量部(実験例8)又は20質量部(実験例9)のAl(焼結助剤)をさらに添加したこと以外は実験例4と同様にしてシンチレータ用セラミックス組成物を調製し、これを用いること以外は実験例4と同様にして、円柱形状のシンチレータ(焼結体)を得た。
実験例6〜9のシンチレータについて、上記と同様にして、X線を照射したときの発光強度を測定したところ、表2より、発光強度の値はそれぞれ、1323605、1193610、1170257、1023869cpsであり、大幅なシンチレーション強度の減少は見られなかった。
本発明に係るシンチレータは、単結晶シンチレータ等の従来のシンチレータに代わる、良好なシンチレータ性能及び良好な生産性を有し得る新たなシンチレータとして期待される。本発明に係るシンチレータは、放射線検出装置に搭載するシンチレータとして好適である。

Claims (4)

  1. ユウロピウムを含有する酸窒化物からなり、BaSi2:xEu(0.001<x<0.1)で表される、シンチレータ用セラミックス組成物。
  2. 請求項1に記載のシンチレータ用セラミックス組成物の焼結体であるシンチレータ。
  3. 請求項1に記載のシンチレータ用セラミックス組成物を含む成形体の焼結物であるシンチレータ。
  4. 請求項2または3に記載のシンチレータと、このシンチレータから出射される光を検出するための光検出器と、を備えた放射線検出装置。
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