JP2019001736A - ピペリジン誘導体のラセミ化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】(R)−ピペリジン誘導体を効率よくラセミ体とする方法、および該ラセミ体から(S)−ピペリジン誘導体を製造する方法の提供。【解決手段】式(1)で示される(R)−ピペリジン誘導体と酸とを接触させることにより、ラセミ体のピペリジン誘導体を製造する方法。(R1はH、C2〜7のアシル基、C2〜15のアルコキシカルボニル基、C4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基又はC4〜20のヒドロキシカルボニルアルキル基;Xはハロゲン原子)【選択図】なし
Description
本発明は、(R)−ピペリジン誘導体からラセミ体のピペリジン誘導体を製造する新規な方法に関する。さらには、得られたラセミ体から、有用な(S)−ピペリジン誘導体を製造する新規な方法に関する。
例えば、下記式
で示される4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジノブタン酸ベンゼンスルホン酸塩(一般名称:ベポタスチンベンゼンスルホン酸塩、以下単にベポタスチンとする場合もある)は、抗ヒスタミン活性及び抗アレルギー活性を有する治療薬として有用である。
このような治療薬として有用なベポタスチンは、光学異性体を有するが、特に有用であるのは(S)体であると言われている(特許文献1)。このベポタスチンの(S)体((S)−4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジノブタン酸)を効率よく製造するためには、例えば、下記式
で示されるラセミ型4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンを光学分割し、得られた(S)−4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンを原料として使用していた。
一方、該光学分割した際に別途得られる(R)−4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンは、有効活用のため、再度、ラセミ型4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンに戻され、さらに、光学分割して、(S)−4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンを取得する方法が採用されている。(R)−4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンをラセミ型4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンにする方法は、以下の通りである。具体的には、水酸化ナトリウムのような塩基を使用し、n-ブタノール中、90〜120℃の温度で反応を実施している(特許文献2参照)。
特許文献2に記載に方法においては、R体をラセミ体へ変換した結果、光学純度が1.3%ee程度のラセミ体が得られる。本方法では、ラセミ化させるために、高温、長時間を要する。具体的には、120℃で2.5〜7時間程度の反応を行っている。本方法では、例えば、R体がエステル基を有する場合には、簡単に加水分解されるおそれがあった。さらには、得られたラセミ体を光学分割するためには、アルカリを使用しているため、ラセミ体を単離することが望ましかった。このような点で特許文献2に記載の方法では改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、(R)−ピペリジン誘導体からラセミ体を製造する方法において、得られたラセミ体において、簡便かつ経済的な操作で(S)−ピペリジン誘導体の割合が多くなる方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、アルカリとはまたく異なる酸を使用してラセミ化を検討したところ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、
(1) 下記式(1)
(1) 下記式(1)
(式中、
R1は、水素原子、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基、または炭素数4〜20のヒドロキシカルボニルアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子である。)
で示される(R)−ピペリジン誘導体(以下、単に(R)−ピペリジン誘導体とする場合もある。)と酸とを接触させることにより、
下記式(2)
R1は、水素原子、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基、または炭素数4〜20のヒドロキシカルボニルアルキル基であり、Xは、ハロゲン原子である。)
で示される(R)−ピペリジン誘導体(以下、単に(R)−ピペリジン誘導体とする場合もある。)と酸とを接触させることにより、
下記式(2)
(式中、
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)
で示されるラセミ体(以下、単にラセミ体とする場合もある。)のピペリジン誘導体を製造する方法である。
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)
で示されるラセミ体(以下、単にラセミ体とする場合もある。)のピペリジン誘導体を製造する方法である。
第一の本発明においては、以下の態様をとることが好ましい。
(2)前記酸が、ブレステッド酸、およびルイス酸から選ばれる少なくとも1種の酸であること。
(3)前記ブレンステッド酸が、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、塩酸、テトラフルオロホウ酸、およびリン酸から選ばれる少なくとも1種の酸であり、
前記ルイス酸が、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、およびBF3・OEt2から選ばれる少なくとも1種の酸であること。
前記ルイス酸が、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、およびBF3・OEt2から選ばれる少なくとも1種の酸であること。
(4)前記ブレンステッド酸が酢酸であり、前記ルイス酸が塩化鉄(III)であること。
(5)前記(R)−ピペリジン誘導体1モルに対して、前記酸を0.5〜10モル使用すること。
第二の本発明は、
(6)前記(1)〜(5)の何れかに記載の方法により、前記式(2)で示されるラセミ体のピペリジン誘導体を製造した後、該ラセミ体のピペリジン誘導体を光学分割して、
下記式(3)
(6)前記(1)〜(5)の何れかに記載の方法により、前記式(2)で示されるラセミ体のピペリジン誘導体を製造した後、該ラセミ体のピペリジン誘導体を光学分割して、
下記式(3)
(式中、
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)
で示される(S)−ピペリジン誘導体(以下、単にS体とする場合もある。)を製造する方法である。
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)
で示される(S)−ピペリジン誘導体(以下、単にS体とする場合もある。)を製造する方法である。
本発明によれば、(R)−ピペリジン誘導体から(S)−ピペリジン誘導体の含有量が多いラセミ体を簡便かつ経済的な操作で製造することができる。その結果、有用な(S)−ピペリジン誘導体をより多く製造することができるため、本発明の方法は、工業的利用価値が高い。
本発明の方法は、前記(R)−ピペリジン誘導体と酸とを接触させることにより、前記ラセミ体のピペリジン誘導体を製造する方法である。以下、順を追って説明する。
((R)−ピペリジン誘導体)
本発明おいては、下記式(1)
本発明おいては、下記式(1)
で示される(R)−ピペリジン誘導体を原料とする。
式中、R1は、水素原子、炭素数2〜7のアシル基、炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基、炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基、または炭素数4〜20のヒドロキシカルボニルアルキル基である。
炭素数2〜7のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基が挙げられ、好適な基は、ホルミル基、トリフルオロアセチル基である。
炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニルプロピオニル基、エトキシカルボニルプロピオニル基、ベンジルオキシカルボニル基が挙げられ、好適な基は、メトキシカルボニルプロピオニル基、エトキシカルボニルプロピオニル基である。
炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルプロピオニル基、ベンジルオキシカルボニルプロピオニ基が挙げられ、好適な基は、メトキシカルボニルプロピル基、エトキシカルボニルプロピオニル基である。
炭素数4〜20のヒドロキシカルボニルアルキル基としては、ヒドロキシカルボニルプロピオニル基、が挙げられる。
Xは、ハロゲン原子であり、具体的には、臭素原子、塩素原子、フッ素原子、ヨウ素原子であり、塩素原子であることが好ましい。
以上のような基の中でも、ベポタスチンベシル酸塩を合成するという理由から、Xが塩素原子であり、R1が水素原子、またはヒドロキシカルボニルプロピオニル基であることが好ましい。
前記(R)−ピペリジン誘導体は、公知の方法で製造できる。その中でも、(S)−ピペリジン誘導体を製造するためにラセミ体を光学分割する際に、別途、得られる(R)−ピペリジン誘導体であることが好ましい。
該(R)−ピペリジン誘導体は、光学純度が100%eeの(R)−ピペリジン誘導体であっても、(S)−ピペリジン誘導体が一部含まれるものであってもよい。例えば、70%ee以上100%eeの光学純度である(R)−ピペリジン誘導体を使用することが好ましい。中でも、より効率的であるのは、光学純度が80%ee以上100%ee以下の(R)−ピペリジン誘導体を使用することが好ましく、さらには、光学純度が90%ee以上100%ee以下の(R)−ピペリジン誘導体を使用することが好ましい。
<酸>
本発明の方法は、前記(R)−ピペリジン誘導体と酸とを接触させて、ラセミ体のピペリジン誘導体とする。
本発明の方法は、前記(R)−ピペリジン誘導体と酸とを接触させて、ラセミ体のピペリジン誘導体とする。
本発明において、使用する酸は、公知の酸を使用することができる。具体的には、ブレステッド酸、およびルイス酸から選ばれる少なくとも1種の酸であることが好ましい。これら酸は、単独種であっても、複数種であってもよい。
前記ブレンステッド酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、塩酸、テトラフルオロホウ酸(HBF4)、およびリン酸から選ばれる少なくとも1種の酸でることが好ましい。中でも、後工程等を考慮すると、酢酸を使用することが好ましい。
前記ルイス酸としては、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、およびBF3・OEt2から選ばれる少なくとも1種の酸であることが好ましい。中でも、(S)−ピペリジン誘導体の割合をより増加させるためには、塩化鉄(III)を使用することが好ましい。
前記酸の使用量は、特に制限されるものではないが、ラセミ体の収率、後工程の容易さ等を考慮すると、前記(R)−ピペリジン誘導体1モルに対して、前記酸を0.5〜10モル使用することが好ましく、1〜8モル使用することがより好ましい。なお、酸として複数種のものを使用する場合には、酸の合計量が前記使用量を満足ればよい。
<接触(反応)方法>
本発明においては、前記(R)−ピペリジン誘導体と前記酸とを接触させればよい。使用する酸が液体であり、前記(R)−ピペリジン誘導体を十分に分散・溶解させることができる場合には、溶媒を使用する必要はない。ただし、反応溶媒として、有機溶媒を使用することもできる。
本発明においては、前記(R)−ピペリジン誘導体と前記酸とを接触させればよい。使用する酸が液体であり、前記(R)−ピペリジン誘導体を十分に分散・溶解させることができる場合には、溶媒を使用する必要はない。ただし、反応溶媒として、有機溶媒を使用することもできる。
有機溶媒を使用する場合、前記(R)−ピペリジン誘導体、および前記酸が十分に分散・溶解できるものであれば、特に制限されるものではない。具体的には、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等の窒素原子含有溶媒等を使用することができる。また、有機溶媒を使用する場合、特に制限されるものではないが、前記(R)−ピペリジン誘導体1g当たり、0.5〜20mlの有機溶媒を使用することが好ましく、さらに、1〜10mlの有機溶媒を使用することがより好ましい。
本発明においては、反応系内で前記(R)−ピペリジン誘導体と前記酸とを接触させればよいが、撹拌混合して接触させることが好ましい。反応系内に前記(R)−ピペリジン誘導体と前記酸とを導入する方法は、特に制限されるものではなく、必要に応じて有機溶媒で希釈した前記(R)−ピペリジン誘導体、および前記酸を同時に反応系内に導入することもできるし、必要に応じて有機溶媒で希釈した一方を先に反応系内に導入しておき、必要に応じて有機溶媒で希釈した他方を該反応系内に導入することもできる。
反応温度は、特に制限されるものではないが、10℃以上、使用した酸あるいは有機溶媒の還流温度とすることが好ましい。中でも、使用する酸に応じて、最適な反応温度が異なる場合がある。それについて説明する。
本発明において、前記酸として前記ブレンステッド酸を使用した場合には、以下のようにすることが好ましい。具体的には、有機溶媒を使用せず、酸そのものと前記(R)−ピペリジン誘導体とを直接接触させることが好ましい。このとき反応温度は、50℃以上該酸の還流温度以下とすることが好ましく、60℃以上該酸の還流温度以下とすることが好ましい。
一方、本発明において、前記酸として前記ルイス酸を使用した場合には、前記有機溶媒、例えば、前記ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、エーテル系溶媒、窒素原子含有溶媒等を反応溶媒として使用し、該反応溶媒中で両者を接触させることが好ましい。なお、該反応溶媒の好ましい具体的な有機溶媒も、前記と同じものである。このとき反応温度は、使用する有機溶媒にもよるが、50〜200℃とすることが好ましく、さらに80〜140℃とすることが好ましい。
また、反応時間は、ラセミ体の収率、原料である(R)−ピペリジン誘導体の反応割合で適宜決定すればよい。その他、大気圧下、減圧下、加圧下のいずれの条件で接触(反応)をさせることもできる。さらには、接触させる雰囲気は不活性ガス雰囲気下、空気中、乾燥ガス雰囲気下の何れであってもよい。
以上のような方法に従うことにより、前記(R)−ピペリジン誘導体をラセミ体とすることができる。
ラセミ体、およびラセミ体の取り出し方法
上記方法で得られたラセミ体は、
上記方法で得られたラセミ体は、
(式中、
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示される。
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示される。
反応系内から前記ラセミ体を取り出す方法は、使用した酸を中和するため、塩基を加え、有機溶媒等で抽出してやればよい(ラセミ体を単離することもできる。)。また、得られたラセミ体は、公知の方法、例えば、再結晶等により精製することもできる。
本発明の方法により得られるラセミ体は、前記(S)−ピペリジン誘導体の割合が多い方が好ましく、(S)−ピペリジン誘導体と(R)−ピペリジン誘導体との比((S)−ピペリジン誘導体:(R)−ピペリジン誘導体)とが50モル%:50モル%となる完全ラセミ体となることが好ましい。ただし、使用する(R)−ピペリジン誘導体の光学純度によるが、工業的な生産を考慮すると、(S)−ピペリジン誘導体:(R)−ピペリジン誘導体=20〜50モル%:80〜50モル%とすることができれば、十分に価値がある。
<ラセミ体の光学分割方法>
本発明においては、前記方法で得られたラセミ体を光学分割して、有用な(S)−ピペリジン誘導体を取り出すことができる。具体的には、
前記式(2)で示されるラセミ体のピペリジン誘導体を製造した後、該ラセミ体のピペリジン誘導体を光学分割して、
下記式(3)
本発明においては、前記方法で得られたラセミ体を光学分割して、有用な(S)−ピペリジン誘導体を取り出すことができる。具体的には、
前記式(2)で示されるラセミ体のピペリジン誘導体を製造した後、該ラセミ体のピペリジン誘導体を光学分割して、
下記式(3)
(式中、
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示される(S)−ピペリジン誘導体を製造する方法である。また、一方の(R)−ピペリジン誘導体は、再度、本発明の方法でラセミ体とすることができる。
R1、およびXは、前記式(1)におけるものと同義である。)で示される(S)−ピペリジン誘導体を製造する方法である。また、一方の(R)−ピペリジン誘導体は、再度、本発明の方法でラセミ体とすることができる。
ラセミ体を光学分割する方法としては、例えば、酢酸メチル中、(+)−ジベンゾイル−D−酒石酸一水和物とジアステレオマー塩を形成し、(R)型異性体をろ別し、ろ液をエタノールに溶媒交換した後、L−(+)−酒石酸を作用し、得られた白色結晶を数回エタノールで繰り返し、(S)−4−〔(4−クロロフェニル)(2−ピリジル)メトキシ〕ピペリジンのL−酒石酸塩として分割する方法(特開10−182635号公報)が知られている。また、エタノールと水の混合溶媒中、(2R,3R)−2−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)−3−(2−ニトロ−5−クロロフェニルチオ)プロピオン酸のような光学活性プロピオン酸とジアステレオマー塩を形成させて、該塩を分割する方法(特許3157117号公報)が知られている。さらに、種々の溶媒中、N−アセチル−L−フェニルアラニンのようなN−アシル−光学活性アミノ酸とジアステレオマー塩を形成させて、該塩を分割する方法(特許3157118号公報)が挙げられる。その他、光学活性ジカルボン酸を使用し、アルコール類と、アミド類およびエステル類から選ばれる溶媒との混合溶媒中で晶析させる方法(特許5641802号公報)を採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)から求めたモル比(R体/S体)>99)を酢酸(0.95mL;16.5mmol;酸)中、3時間、加熱環流(118℃)した。
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)から求めたモル比(R体/S体)>99)を酢酸(0.95mL;16.5mmol;酸)中、3時間、加熱環流(118℃)した。
生成物の光学異性体比率は、HPLC分析の結果、S体とR体とのモル比は、S体:R体=45:55であった。得られた反応液を減圧濃縮し、濃縮残渣に10質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とした。その後、塩化メチレンを加え、生成物を塩化メチレンで抽出した後、該塩化メチレンを硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、濃縮することによりラセミ体の目的物を得た(収量1g)。
実施例2
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)をトリフルオロ酢酸(0.7mL;9.14mmol;酸)中、3時間、加熱環流(73℃)した。
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)をトリフルオロ酢酸(0.7mL;9.14mmol;酸)中、3時間、加熱環流(73℃)した。
生成物の光学異性体比率は、HPLC分析の結果、S体とR体とのモル比は、S体:R体=R/S=32:68であった。
実施例3
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)を酢酸ブチル(5mL)に溶かし、酸として塩化鉄(III)2.1g(16.5mmol)を加えて、120℃で20時間撹拌した。
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)を酢酸ブチル(5mL)に溶かし、酸として塩化鉄(III)2.1g(16.5mmol)を加えて、120℃で20時間撹拌した。
得られた反応液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とした。その後、実施例1と同様に塩化メチレンで生成物を抽出した。生成物の光学異性体比率は、HPLC分析の結果、S体とR体とのモル比は、S体:R体=28:72であった。
実施例4
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)を塩化メチレン(5mL)に溶かし、酸としてトリフルオロボランエーテル錯体0.93g(6.6mmol)を加えて、60℃で16時間撹拌した。
[(R)−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン1g(3.3mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)を塩化メチレン(5mL)に溶かし、酸としてトリフルオロボランエーテル錯体0.93g(6.6mmol)を加えて、60℃で16時間撹拌した。
得られた反応液に10質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とした。その後、実施例1と同様に塩化メチレンで生成物を抽出した。生成物の光学異性体比率は、HPLC分析の結果、S体とR体とのモル比は、S体:R体=34:66であった。
実施例5
[(R)−4−{[N−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン−1−イル}プタン酸1g(2.57mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)を酢酸(0.95mL;16.6mmol;酸)中、4時間、加熱環流(118℃)した。生成物の光学異性体比率は、HPLC分析の結果、S体とR体とのモル比は、S体:R体=48:52であった。
[(R)−4−{[N−4−(4−クロロフェニル)(ピリジン−2−イル)メトキシ]ピペリジン−1−イル}プタン酸1g(2.57mmol、HPLCから求めたモル比(R体/S体)>99)を酢酸(0.95mL;16.6mmol;酸)中、4時間、加熱環流(118℃)した。生成物の光学異性体比率は、HPLC分析の結果、S体とR体とのモル比は、S体:R体=48:52であった。
Claims (6)
- 前記酸が、ブレステッド酸、およびルイス酸から選ばれる少なくとも1種の酸である請求項1に記載の方法。
- 前記ブレンステッド酸が、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硫酸、塩酸、テトラフルオロホウ酸、およびリン酸から選ばれる少なくとも1種の酸であり、
前記ルイス酸が、塩化鉄(III)、塩化鉄(II)、およびBF3・OEt2から選ばれる少なくとも1種の酸である請求項2に記載の方法。 - 前記ブレンステッド酸が酢酸であり、前記ルイス酸が塩化鉄(III)である請求項2に記載の方法。
- 前記(R)−ピペリジン誘導体1モルに対して、前記酸を0.5〜10モル使用する請求項1に記載の方法。
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