JP2019001101A - 複合材料の成形方法および成形装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】強化基材を構成している繊維の配向乱れを抑制しながら単位時間当たりの樹脂注入量をより増加させ得る複合材料の成形方法および成形装置を提供する。【解決手段】固定型110と、樹脂注入口124が配置されるキャビティ面122を有する可動型120と、キャビティ面122とプリフォーム10との間に配置され、樹脂注入口124より小さい複数の貫通孔を有するシート材140と、注入樹脂20を注入するための樹脂注入装置185と、可動型120の位置および樹脂注入装置185による樹脂注入を制御する制御装置195と、を有する成形装置100である。前記複数の貫通孔は、少なくとも樹脂注入口124を覆うように配置されており、制御装置195は、可動型120を移動させて型締めし、樹脂注入口124から注入樹脂20を注入させ、複数の貫通孔を通過させて、プリフォーム10に流入させるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、複合材料の成形方法および成形装置に関する。
近年、RTM(Resin Transfer Molding)によって製造された成形品である複合材料が、自動車部品に適用されている。RTM成形法においては、繊維を含有する強化基材が配置されている金型(固定型および可動型)に、樹脂を注入することによって、強化基材に樹脂を含浸させて複合材料が成形される(例えば、特許文献1参照。)。
一方、RTM成形の際のサイクルタイムを短縮するためには、単位時間当たりの樹脂注入量を増加させ、樹脂注入時間を短くすることが必要がある。
特開2010−221642号公報
しかし、樹脂注入量を増加させると、樹脂の注入圧が上昇する。そのため、特に、樹脂の注入口の近傍において、樹脂の流動によって強化基材を構成している繊維が動き、繊維の配向乱れが生じる虞がある。繊維の配向乱れは、成形品の強度や剛性の低下を引き起こし、外観品質が損なわれるため、好ましくない。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、強化基材を構成している繊維の配向乱れを抑制しながら単位時間当たりの樹脂注入量をより増加させ得る複合材料の成形方法および成形装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一様相は、繊維を含有する強化基材に樹脂を含浸させて複合材料を成形する成形方法であって、可動型のキャビティ面と前記強化基材との間には、前記キャビティ面に配置される前記樹脂の注入口より小さい複数の貫通孔を有しかつ前記複数の貫通孔は少なくとも前記注入口を覆うように配置されているシート材が、位置しており、前記注入口から注入された前記樹脂は、前記シート材の前記複数の貫通孔を通過して、前記強化基材に流入する。
上記目的を達成するための本発明の別の一様相は、繊維を含有する強化基材に樹脂を含浸させて複合材料を成形する成形装置であって、可動型のキャビティ面と前記強化基材との間に配置され、前記キャビティ面に配置される前記樹脂の注入口より小さい複数の貫通孔を有しかつ前記複数の貫通孔は少なくとも前記注入口を覆うように配置されているシート材と、前記注入口から前記樹脂を注入させ、前記複数の貫通孔を通過させて、前記強化基材に流入させるように構成されている制御装置と、を有している。
本発明の一様相および別の一様相によれば、樹脂は、貫通孔を通過する際に整流され、強化基材に対して略垂直の方向から流入する。そのため、樹脂注入量を増加させることにより樹脂の注入圧が上昇したとしても、注入された樹脂の流動によって強化基材を構成している繊維が動くことが妨げられ、繊維の配向乱れが抑制される。したがって、強化基材を構成している繊維の配向乱れを抑制しながら単位時間当たりの樹脂注入量をより増加させ得る複合材料の成形方法および成形装置を提供することが可能である。
本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示される好ましい実施の形態を参照することによって、明らかになるであろう。
本発明の実施の形態に係る成形装置を説明するための概略図である。 図1に示されるシート材を説明するための平面図である。 図2に示される貫通孔を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る成形方法を説明するためのフローチャートである。 図4に示される基材配置工程を説明するための概略図である。 図4に示される型締め工程を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例3を説明するための概略図である。 変形例3に係る成形品(複合材料)を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための斜視図である。 変形例3に係る注入樹脂の流動状態を説明するための概略図である。 実施例1〜5および比較例1〜6における基材繊維配向性および注入樹脂含浸性の評価結果を説明するためのテーブルである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施の形態に係る成形装置を説明するための概略図、図2は、図1に示されるシート材を説明するための平面図、図3は、図2に示される貫通孔を説明するための断面図である。
本発明の実施の形態1に係る成形装置100は、繊維を含有する強化基材に注入樹脂を含浸させて複合材料を成形するために使用され、図1に示されるように、固定型110、可動型120、駆動装置130、シート材140、周縁シール部材180、樹脂注入装置185、減圧装置190および制御装置195を有する。
固定型110は、プリフォーム10が配置されるキャビティ面112を有する。プリフォーム10は、シート状の繊維からなる(繊維を含有する)強化基材であり、バインダーを用いて事前にプリフォーミング(賦形)されている。必要に応じて、プリフォーム10は、複数の強化基材が接着剤を介して積層された構成を適用することも可能である。
可動型120は、固定型110に対して近接離間可能に構成され、キャビティ面122を有する。キャビティ面122は、樹脂注入口124および吸入口128を有する。可動型120のキャビティ面122と固定型110のキャビティ面112とは、一体として、製造される複合材料の形状を規定している。
駆動装置130は、例えば、電動シリンダーあるいは油圧シリンダーを有しており、可動型120を駆動し、固定型110に対する可動型120の位置を変更できるように構成されている。
シート材140は、可動型120のキャビティ面122とプリフォーム10との間に配置され、図2に示されるように、樹脂注入口124より小さい複数の貫通孔150を有する。貫通孔150は、少なくとも樹脂注入口124を覆うように配置されている(樹脂注入口124に相対するように位置決めされている)。
シート材140は、プリフォーム10におけるキャビティ面122に相対する表面全体を覆うように配置される形態に限定されず、例えば、樹脂注入口124に相対する部位およびその近傍のみを覆うように配置することも可能である。シート材140を矩形状あるいは円状とすることも可能である。シート材140の厚みは、特に限定されないが、成形品の厚み未満であることが好ましい。貫通孔150のサイズ、配置密度および配置構成は特に限定されず、適宜設定することが可能である。
周縁シール部材180は、可動型120のキャビティ面122の周りを取り囲むように配置されており、型締めの際に固定型110と可動型120との間を密閉するように構成される。周縁シール部材180は、例えば、ゴム等の弾性材料から形成される。
樹脂注入装置185は、注入樹脂20を保持しており、可動型120のキャビティ面122の樹脂注入口124に連通している。注入樹脂20は、成形品のマトリックス樹脂である。
減圧装置190は、例えば、真空ポンプを有しており、可動型120のキャビティ面122の吸入口128に連通されている。
制御装置195は、プログラムにしたがって各部の制御や各種の演算処理を実施するマイクロプロセッサー等から構成される制御回路197を有し、駆動装置130、樹脂注入装置185および減圧装置190に接続されている。成形装置100の各機能は、それに対応するプログラムを制御装置195が実行することにより発揮される。
例えば、制御装置195は、可動型120の位置および樹脂注入装置185による樹脂注入を、制御する。詳述すると、制御装置195は、可動型120を移動させて型締めした後で、図3に示されるように、樹脂注入口124から注入樹脂20を注入させ、シート材140の貫通孔150を通過させて、プリフォーム10に流入させるように構成されている。
次に、プリフォーム、注入樹脂およびシート材を説明する。
プリフォーム(強化基材)は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維であり、繊維を縦横に組み合わせた織物の構造を有する。なお、複数の強化基材を積層してプリフォーム10を構成する場合に適用される積層用の接着剤は、例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂である。熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂等である。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等である。
注入樹脂(マトリックス樹脂)は、例えば、2液タイプのエポキシ樹脂であり、主剤と硬化剤とを混合して使用される。主剤は、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂(プレポリマー)、硬化剤はアミン系である。注入樹脂は、上記形態に限定されず、その他のエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を適用することが可能である。また、注入樹脂は、必要に応じて、熱可塑性樹脂を適用することも可能である。さらに、注入樹脂は、離型材を含有させることも可能である。
シート材の材料は、例えば、注入樹脂と同一の樹脂、注入樹脂に対して相溶性を有する樹脂、注入樹脂の一部となる樹脂、注入樹脂に対して良好な密着性を有する樹脂、注入樹脂に対して非相溶性かつ一体化しない材料である。
注入樹脂に対して相溶性を有する樹脂は、例えば、注入樹脂がエポキシ樹脂である場合、熱可塑エポキシ樹脂である。この場合、樹脂注入途中においてシート材140が溶融して注入樹脂20に混ざり合うことにより、プリフォーム10の繊維に対する注入樹脂20の含浸性が向上し、また、成形品からのシート材の剥離(層間剥離)を抑制することが可能である。
注入樹脂の一部となる樹脂は、例えば、注入樹脂がエポキシ樹脂である場合、変性エポキシ樹脂や、プリフォームを賦形するためのバインダーと同一の材料である。この場合、成形品からのシート材の剥離(層間剥離)を抑制することが可能である。
注入樹脂に対して良好な密着性を有する樹脂は、例えば、注入樹脂がエポキシ樹脂である場合、熱硬化エポキシ樹脂である。この場合、注入樹脂の一部となる樹脂と同様に、成形品からのシート材の剥離(層間剥離)を抑制することが可能である。
注入樹脂に対して非相溶性かつ一体化しない材料は、例えば、金属であり、この場合、シート材から構成される層が埋込まれた成形品を得ることが可能である。つまり、成形品は、プリフォーム層に移行しなかった(シート材を貫通しなかった)注入樹脂からなる表層、シート材から構成される中間層、および、注入樹脂が含浸されたプリフォーム層を有することとなる。
次に、成形装置100が適用される成形方法を説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る成形方法を説明するためのフローチャート、図5は、図4に示される基材配置工程を説明するための概略図、図6は、図4に示される型締め工程を説明するための概略図である。なお、図5および図6においては、駆動装置130、樹脂注入装置185、減圧装置190および制御装置195は、省略されている。
本成形方法は、圧縮(Compression)RTM(Resin Transfer Molding)を利用し、プリフォーム10に樹脂20を含浸させて複合材料30を成形するために使用され、図4に示されるように、基材配置工程、型締め工程、樹脂注入工程、圧縮工程および型開き工程を、概して有する。
基材配置工程においては、図5に示されるように、可動型120を固定型110から離間させた状態で、固定型110のキャビティ面112に、プリフォーム10およびシート材140が配置される。この際、シート材140は、プリフォーム10を覆いかつ可動型120のキャビティ面122に相対するように配置される。シート材140は、独立して配置する形態に限定されず、シート材140が予め積層されているプリフォーム10を利用することも可能である。プリフォーム10に対するシート材140の積層は、例えば、プリフォーム10を作製する際に実施することが可能である。
型締め工程においては、駆動装置が制御され、図6に示されるように、固定型110に対する可動型120の位置が変更される。可動型120は、固定型110に近接するように移動し、型締めされる。これにより、固定型110と可動型120との間に密閉空間が形成される。なお、固定型110と可動型120との間隔D(図6参照)は、大気中でのプリフォーム10の見かけの厚さとシート材140の厚さとの合計未満、かつ、予め設定された成形品(複合材料)の厚みより大きい所定の値に設定される。
樹脂注入工程においては、減圧装置および樹脂注入装置が制御される。つまり、固定型110と可動型120との間に形成される密閉空間から気体が吸引されて、所定の真空度に到達すると、注入樹脂20は、可動型120のキャビティ面122の樹脂注入口124から注入され、シート材140の貫通孔150を通過して、プリフォーム10に流入する(図3参照)。
この際、注入樹脂20は、貫通孔150を通過する際に整流され、プリフォーム10に対して略垂直の方向から流入する。そのため、樹脂注入量を増加させることにより注入樹脂20の注入圧が上昇したとしても、注入された注入樹脂20の流動によってプリフォーム10を構成している繊維が動くことが妨げられ、繊維の配向乱れが抑制される。なお、例えば、注入樹脂がエポキシ樹脂であり、シート材140が熱可塑エポキシ樹脂である場合、樹脂注入途中においてシート材140が溶融して注入樹脂20に混ざり合うことにより、プリフォーム10の繊維に対する注入樹脂20の含浸性が向上する。
圧縮工程においては、注入樹脂20の注入完了後、駆動装置が制御され、可動型120が、固定型110にさらに近接するように移動させられる。これにより、固定型110と可動型120との間隔D(図6参照)は、予め設定された成形品(複合材料)の厚みまで狭められ、注入樹脂20が含浸されたプリフォーム10に対して高圧が付与される。
そして、プリフォーム10に含浸した注入樹脂20の硬化(複合材料30の成形)が完了するまで、この状態が維持される。なお、注入樹脂20が熱硬化性樹脂の場合、固定型110および/又は可動型120は、ヒーター等の加熱装置によって昇温される。
型開き工程においては、減圧装置の作動を停止させた後で、駆動装置が制御され、固定型110に対する可動型120の位置が変更される。これにより、可動型120は、固定型110から離間するように移動して型開きされる。
次に、変形例1を説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る変形例1を説明するためのフローチャートである。
本成形方法は、圧縮RTMを利用する形態に限定されず、例えば、図7に示されるように、圧縮工程を有しないRTMに適用することも可能である。
この場合、型締め工程において、固定型110と可動型120との間隔D(図6参照)は、予め設定された成形品の厚みと一致するように設定され、また、樹脂注入工程においては、注入樹脂20の注入完了後、プリフォーム10に含浸した注入樹脂20の硬化(複合材料30の成形)が完了するまで、この状態が維持され、その後、型開き工程が実施される。
次に、変形例2を説明する。
図8および図9は、本発明の実施の形態に係る変形例2を説明するための平面図および断面図である。
シート材140は、貫通孔150のみを有する形態に限定されず、図8および図9に示されるように、複数のバイパス流路152をさらに有することも可能である。
バイパス流路152は、溝状の断面を有し、樹脂注入口124から離間する方向に延長しており、シート材140は、コルゲート状となっている。また、バイパス流路152は、交差部154を有する。交差部154は、樹脂注入口124の中央部と相対している。つまり、バイパス流路152は、樹脂注入口124の中央部と相対する部位154から放射状に延長している。
注入樹脂20が溝状のバイパス流路152を流れる際の流動抵抗は小さいため、樹脂注入口124から離間した部位に注入樹脂20を容易に到達させる(シート材の延長方向に沿った展開を加速させる)ことが可能である。また、バイパス流路152は樹脂注入口124の中央部と相対する部位から放射状に延長しているため、樹脂注入口124から離間した部位に、注入樹脂20を効率的に到達させることが可能である。
バイパス流路152の設置数、幅および深さは、特に限定されず、適宜設定することが可能である。貫通孔150の配置は、必要に応じて、バイパス流路152と重ならないように設定することも可能である。
次に、変形例3を説明する。
図10は、本発明の実施の形態に係る変形例3を説明するための概略図、図11は、変形例3に係る成形品(複合材料)を説明するための斜視図である。なお、図10においては、駆動装置130、樹脂注入装置185、減圧装置190および制御装置195は、省略されている。
成形品(複合材料)の形状は、上述の形態に限定されず、例えば、図11に示されるハット状断面を有する成形品30を適用することが可能である。
この場合、例えば、図10示されるように、固定型110のキャビティ面112は、略凸状部113を有し、可動型120のキャビティ面122は、略凹状123部を有し、一体として、成形品30の外観形状と対応することとなる。
一方、成形品30は、離間している一対の側壁部32と、側壁部32の端部同士を連結する連結壁部34とを有するため、成形品30を構成することとなるプリフォーム10およびシート材140は、ハット状断面を有する。つまり、プリフォーム10は、離間している一対の側壁部12と、側壁部12の端部同士を連結する連結壁部14とを有し、また、シート材140は、離間している一対の側壁部142と、側壁部142の端部同士を連結する連結壁部144とを有することとなる。
次に、変形例4を説明する。
図12は、本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための断面図、図13は、本発明の実施の形態に係る変形例4を説明するための斜視図、図14は、変形例3に係る注入樹脂の流動状態を説明するための概略図である。なお、図12および図14においては、駆動装置130、樹脂注入装置185、減圧装置190および制御装置195は、省略されている。
例えば、成形品30がハット状断面を有する場合、注入樹脂の流動状態は、図14に示されるように、可動型120のキャビティ面122の樹脂注入口124の近傍が急であり、シート材140の連結壁部144の端部に向かって緩やかとなり、また、連結壁部144の端部に連結する側壁部142の端部において急となり、側壁部142の他方の端部(図中下方)に向かって緩やかとなる。
注入樹脂の流動状態が急である領域およびその近傍において、強化基材を構成している繊維の配向乱れが生じる虞がある。そのため、シート材140を、注入樹脂の流動状態が急である領域およびその近傍のみに配置することも可能である。つまり、シート材140は、図12に示されるように、互いに離間した中央シート材164および側方シート材162によって構成することも可能である。
中央シート材164は、プリフォーム10の連結壁部14に配置され、可動型120のキャビティ面122の樹脂注入口124に相対するように位置決めされる。そして、中央シート材164は、繊維の配向乱れを抑制するため、貫通孔150および溝状バイパス流路152を有する(図8参照)。
一方、側方シート材162は、プリフォーム10の側壁部12に配置される。側方シート材162は、繊維の配向乱れを抑制するため、図13に示されるように、コルゲート状であり、貫通孔166および溝状バイパス流路168を有する。
必要に応じて、中央シート材164および側方シート材162を一体化することも可能である。また、側方シート材162をプリフォーム10の端部まで延長させることも可能である。さらに、溝状バイパス流路168を省略することも可能である。
次に、実施例1〜5および比較例1〜6の性能比較結果を説明する。
図15は、実施例1〜5および比較例1〜6における基材繊維配向性および注入樹脂含浸性の評価結果を説明するためのテーブルである。
実施例1〜5は、成形法、樹脂注入量、シート材材料およびシート材構成に関して、異なっている。成形法は、RTMと圧縮RTMである。樹脂注入量は、50〜120[cc/s]の範囲である。シート材材料は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂である。シート材構成は、貫通孔のみと、貫通孔とバイパス流路との組み合わせである。
比較例1〜6は、成形法および樹脂注入量に関して異なっている。樹脂注入量は、80〜150[cc/s]の範囲である。なお、実施例1〜5および比較例1〜3に適用されたプリフォームおよび注入樹脂は、炭素繊維および熱可塑性樹脂である。
基材繊維配向性の性能評価は目視で行っており、成形品において、繊維の配向乱れがない(許容範囲に収まっている)場合をA、繊維の配向乱れが若干存在する場合をB、繊維の配向乱れが顕著に存在する場合をCで示している。また、注入樹脂含浸性の性能評価も同様に目視で行っており、成形品において、基材繊維と注入樹脂との割合が均一である(許容範囲に収まっている)場合をA、基材繊維と注入樹脂との割合が不均一である部位が若干存在する場合をB、ドライスポット等が存在し、基材繊維と注入樹脂との割合が不均一である部位が多数存在する場合をCで示している。
図15に示されるように、比較例1〜6は、成形方法および樹脂注入量を変化させても、基材繊維配向性および注入樹脂含浸性の性能評価がAであるものはなかった。
一方、実施例1〜5は、成形方法、樹脂注入量、シート材材料、シート材構成に関わらず、基材繊維配向性および注入樹脂含浸性の性能評価は、Aであり、比較例1〜6の場合と異なり、良好な結果を示した。
以上のように、本実施の形態においては、樹脂注入口の近傍に位置するプリフォーム(強化基材)に流入する注入樹脂は、貫通孔を通過する際に整流され、プリフォームに対して略垂直の方向から流入する。そのため、樹脂注入量を増加させることにより注入樹脂の注入圧が上昇したとしても、注入された注入樹脂の流動によってプリフォームを構成している繊維が動くことが妨げられ、繊維の配向乱れが抑制される。したがって、プリフォームを構成している繊維の配向乱れを抑制しながら単位時間当たりの樹脂注入量をより増加させ得る複合材料の成形方法および成形装置を提供することが可能である。
シート材が、樹脂注入口から離間する方向に延長する複数の溝状バイパス流路を、さらに有する場合、注入樹脂がバイパス流路を流れる際の流動抵抗は小さいため、樹脂注入口から離間した部位に注入樹脂を容易に到達させる(シート材に沿った方向の展開を加速させる)ことが可能である。
溝状バイパス流路が樹脂注入口の中央部と相対する部位から放射状に延長している場合、樹脂注入口から離間した部位に、注入樹脂を効率的に到達させることが可能である。
シート材が注入樹脂に対して相溶性を有する注入樹脂から構成されている場合、樹脂注入途中においてシート材が注入樹脂に徐々に溶融することにより、プリフォームの繊維に対する注入樹脂の含浸性が向上し、また、成形品からのシート材の剥離(層間剥離)を抑制することが可能である。
シート材が注入樹脂の一部となる樹脂から構成されている場合、成形品からのシート材の剥離(層間剥離)を抑制することが可能である。
シート材が注入樹脂に対して非相溶性かつ一体化しない材料から構成されている場合、シート材から構成される層が埋込まれた成形品を得ることが可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、変形例1〜4を適宜組み合わせることが可能である。また、成形される成形品(複合材料)の形状は、上記形態に限定されない。
10 プリフォーム(強化基材)、
10A 注入樹脂が含浸したプリフォーム、
12 側壁部、
14 連結壁部、
20 注入樹脂、
30 成形品(複合材料)、
32 側壁部、
34 連結壁部、
100 成形装置、
110 固定型、
112 キャビティ面、
113 略凸状部、
120 可動型、
122 キャビティ面、
123 略凹状部、
124 樹脂注入口、
128 吸入口、
130 駆動装置、
140 シート材、
142 側壁部、
144 連結壁部、
150 貫通孔、
152 溝状バイパス流路、
154 交差部(注入口の中央部と相対する部位)、
162 側方シート材、
164 中央シート材、
166 貫通孔、
168 溝状バイパス流路、
180 周縁シール部材、
185 樹脂注入装置、
190 減圧装置、
195 制御装置、
197 制御回路、
D 固定型と可動型との間隔。

Claims (12)

  1. 繊維を含有する強化基材に樹脂を含浸させて複合材料を成形する成形方法であって、
    固定型と可動型との間に前記強化基材が配置された後に型締めされ、前記可動型のキャビティ面に配置される前記樹脂の注入口から、前記樹脂が注入されており、
    前記キャビティ面と前記強化基材との間には、前記注入口より小さい複数の貫通孔を有しかつ前記複数の貫通孔は少なくとも前記注入口を覆うように配置されているシート材が位置しており、
    注入された前記樹脂は、前記シート材の前記複数の貫通孔を通過して、前記強化基材に流入する、成形方法。
  2. 前記注入口から注入される前記樹脂の一部は、前記シート材における前記注入口から離間する方向に延長する複数の溝状バイパス流路を流れる、請求項1に記載の成形方法。
  3. 前記複数の溝状バイパス流路は、前記注入口の中央部と相対する部位から放射状に延長しており、
    前記注入口から注入される前記樹脂の一部は、前記注入口の中央部と相対する部位から放射状に流れる、請求項1に記載の成形方法。
  4. 前記シート材は、注入される前記樹脂に対して相溶性を有する樹脂から構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形方法。
  5. 前記シート材は、注入される前記樹脂と一体化する樹脂から構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形方法。
  6. 前記シート材は、注入される前記樹脂に対して非相溶性かつ一体化しない材料から構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形方法。
  7. 繊維を含有する強化基材に樹脂を含浸させて複合材料を成形する成形装置であって、
    前記強化基材が配置される固定型と、
    前記樹脂の注入口が配置されるキャビティ面を有し、前記固定型に対して近接離間可能に構成される可動型と、
    前記キャビティ面と前記強化基材との間に配置され、前記注入口より小さい複数の貫通孔を有するシート材と、
    前記注入口を経由して前記樹脂を注入するための樹脂注入装置と、
    前記可動型の位置および前記樹脂注入装置による樹脂注入を制御する制御装置と、を有し、
    前記複数の貫通孔は、少なくとも前記注入口を覆うように配置されており、
    前記制御装置は、前記可動型を移動させて型締めし、前記注入口から前記樹脂を注入させ、前記複数の貫通孔を通過させて、前記強化基材に流入させるように構成されている成形装置。
  8. 前記シート材は、前記注入口から離間する方向に延長する複数の溝状バイパス流路を、さらに有する、請求項7に記載の成形装置。
  9. 前記複数の溝状バイパス流路は、前記注入口の中央部と相対する部位から放射状に延長している、請求項8に記載の成形装置。
  10. 前記シート材は、注入される前記樹脂に対して相溶性を有する樹脂から構成されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の成形装置。
  11. 前記シート材は、注入される前記樹脂と一体化する樹脂から構成されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の成形装置。
  12. 前記シート材は、注入される前記樹脂に対して非相溶性かつ一体化しない材料から構成されている、請求項7〜9のいずれか1項に記載の成形装置。
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