以下、本発明に係る遊技機の第一の実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、夫々、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
図1に示すように、パチンコ機1の上段側には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は略正方形(図示略)であり、透明なガラス板を保持した前面枠11によって前面を保護される。前面枠11の上部には、左右方向の略全長に亘って照明装置35が設けられる。遊技盤2の下段側には上皿5と下皿6が設けられる。上皿5は遊技盤2の下部に設けられ、発射装置37(図2参照)に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作されるボタン9が設けられる。下皿6は上皿5の直下に設けられ、上皿5から溢れたり排出されたりする賞品球を受ける。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。発射ハンドル7は、遊技者による回転操作を受け付ける。遊技者が発射ハンドル7を操作すると、発射装置37は、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で遊技球を発射する。また、前面枠11の上部で左右の角には、スピーカ48が夫々設けられる。
遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4の略中央には、画像表示装置8が配設される。画像表示装置8は、LCDから構成された表示画面28、各種ランプ、LED等を備える。画像表示装置8の左方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。画像表示装置8の下方には、始動入賞口15が設けられる。始動入賞口15の下方には普通電動役物13が設けられる。普通電動役物13には開閉部材14が設けられる。遊技球は、開閉部材14が開放された場合(普通電動役物13が開放された場合)にのみ、普通電動役物13に入賞できる。普通電動役物13の下方には大入賞口18が配設される。大入賞口18には開閉部材19が設けられる。遊技球は、開閉部材19が開放された場合(大入賞口18が開放された場合)にのみ、大入賞口18に入賞できる。開閉部材14及び開閉部材19は夫々、普通電動役物開閉ソレノイド69及び大入賞口開閉ソレノイド70(図2参照)によって、電気的に開閉される。
画像表示装置8は、中央に表示画面28を備える。表示画面28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示する。表示画面28は、例えば、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である3つのデモ図柄(後述のD1〜D3図柄)を表示する。パチンコ機1は、デモ図柄を変動表示した後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを停止表示(確定表示)する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。本実施形態では、大当たり判定の結果が大当たりであることを示すデモ図柄の組合せは、例えば「777」「222」等、同じ数字を示す図柄の組合せ(所謂、ゾロ目)である。また、大当たり判定の結果がはずれであることを示すデモ図柄の組合せは、「767」「143」等、同じ数字が3個揃わない図柄の組合せである。
表示画面28の下部左側には、第一特別図柄記憶数表示部285が設けられ、表示画面28の下部右側には、第二特別図柄記憶数表示部286が設けられる。第一特別図柄記憶数表示部285には第一保留球数が最大4つまで表示される。第一保留球数は、始動入賞口15に入賞し、且つ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示部286には第二保留球数が最大4つまで表示される。第二保留球数は、普通電動役物13に入賞し、且つ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
表示画面28の上部には、普通図柄表示部284と、普通図柄記憶数表示部287が設けられる。普通図柄表示部284には、普通当たり判定の結果を報知するための普通図柄が表示される。本実施形態では、普通図柄は、例えば丸印である。普通当たり判定の結果が普通当たりであることを示す普通図柄は、例えば赤色の丸印である。普通当たり判定の結果がはずれであることを示す普通図柄は、例えば青色の丸印である。普通図柄の変動表示中には、赤色と青色の丸印が交互に表示される。普通図柄記憶数表示部287には普通保留球数が最大4つまで表示される。普通保留球数は、普通図柄作動ゲート12を通過し、且つ普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
遊技領域4の右斜め下部には図柄表示部24が設けられる。図柄表示部24は、遊技情報表示器30、普通図柄表示器27、第一特別図柄表示器25、第二特別図柄表示器26、ラウンド数表示器29を備える。遊技情報表示器30、第一特別図柄表示器25、第二特別図柄表示器26、ラウンド数表示器29は、7セグメントLEDディスプレイである。7セグメントディスプレイは、LEDの点灯又は消灯の組み合わせによってアルファベット、数字、記号等を表現可能な7つのセグメントと、LEDの点灯又は消灯によって点を表現可能な1つのセグメントを含む。普通図柄表示器27は、4つのLEDを左右に並べた表示器である。
第一特別図柄表示器25、第二特別図柄表示器26は夫々、第一特別図柄、第二特別図柄を表示する。第一特別図柄、第二特別図柄は夫々、各セグメントを構成するLEDの点灯又は消灯の組み合わせによって、第一大当たり判定、第二大当たり判定の結果を表示する。以下、第一大当たり判定及び第二大当たり判定を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、大当たり判定という。第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、特別図柄という。普通図柄表示器27は、4つのLEDの点灯又は消灯の組み合わせによって、普通当たり判定の結果と開閉部材14の開放パターンを表示する。ラウンド数表示器29は、大当たり遊技中のラウンド数を数字又はアルファベットにより表示する。遊技情報表示器30は、各セグメントを構成するLEDの点灯又は消灯の組み合わせによって、第一保留球数、第二保留球数、普通保留球数、時短状態、確変状態等の遊技情報を表示する。
遊技領域4には、上記以外に、下アウト口36、各種の電飾ランプ、入賞口、風車、及び遊技釘等が設けられる。遊技領域4を流下する遊技球のうち、始動入賞口15、普通電動役物13、大入賞口18、及びその他の入賞口の何れにも入賞せずに、遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、下アウト口36を通過し、遊技領域4の外部へ排出される。また、遊技盤2の背面側には、遊技の主制御、各種演出等を制御する制御部40(図2参照)が設けられる。
図2を参照し、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板60、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47、電源基板42を備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主制御ユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム(メイン処理、図4参照)等を記憶したROM53が設けられる。主制御ユニット50には、割込信号発生回路57が接続される。割込信号発生回路57は4ms毎に割込信号を発生し、主制御ユニット50に出力する。主基板41は、割込信号の入力を契機にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介し、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動スイッチ72、第二始動スイッチ73に接続する。出力ポート55は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動スイッチ72は、始動入賞口15に入賞した遊技球を検出する。第二始動スイッチ73は、普通電動役物13に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板60は、CPU61、RAM62、ROM63を備える。CPU61は、主基板41から送信されるコマンドに従って、報知演出の総合的な制御を行う。RAM62は、CPU61による演算処理で得られたデータを一時的に記憶する。ROM63は、報知演出を行うためのプログラム(サブ制御基板処理、図10参照)、及びプログラムが使用する各種フラグやデータの初期値等を記憶する。
サブ制御基板60は、ランプドライバ基板46、ボタン9、スピーカ48、演出制御基板43、に接続する。ランプドライバ基板46は電飾基板31に接続する。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って電飾基板31の駆動を制御し、遊技状態に応じて各種電飾ランプ(図示略)の発光等を制御する。ボタン9は、遊技者の操作に応じて検出信号をサブ制御基板60に出力する。スピーカ48は、サブ制御基板60から送信されるデジタルの音信号をアナログの音に変換して出力する。
演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板60から受信するコマンドに従って画像表示装置8を制御する。CGROM432は、表示画面28における画像表示に必要な画像データ等を記憶する。図示しないが、CGROM432には、後述のシンボル画像101(図8、図9参照)を表示するための画像データ(シンボル画像データ)を記憶するシンボル画像記憶エリアと、後述の識別画像102(図8、図9参照)を表示するための画像データ(識別画像データ)を記憶する識別画像記憶エリアとが設けられている。シンボル画像データは、シンボル画像101の静止画を表示するための静止画データ、及びシンボル画像101の表示態様が経時的に変化する演出動作を表示するための動画データを含む。同様に、識別画像データは、識別画像102の静止画を表示するための静止画データ、及び識別画像102の表示態様が経時的に変化する演出動作を表示するための動画データを含む。
払出制御基板45は、CPU451等を備える。CPU451は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として払い出させる。
中継基板47は、普通電動役物開閉ソレノイド69、大入賞口開閉ソレノイド70、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75、図柄表示部24に接続する。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に普通電動役物13の開閉部材14を開閉する。大入賞口開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口18の開閉部材19を開閉する。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口18に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41と発射装置37に接続されており、各基板と発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。発射装置37は、一定間隔(例えば0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ向けて発射する。
図3を参照し、RAM52に確保される大当たり情報記憶エリア100について説明する。大当たり情報記憶エリア100には、第一大当たり情報記憶エリア110、第二大当たり情報記憶エリア120、判定エリア130が設けられる。判定エリア130には、大当たり判定時に、第一大当たり情報記憶エリア110又は第二大当たり情報記憶エリア120で判定対象の記憶エリアの乱数が記憶される。第二大当たり判定は第一大当たり判定よりも優先される。なお、第二大当たり情報記憶エリア120の構成は、第一大当たり情報記憶エリア110の構成と同様である。第一大当たり情報記憶エリア110と、第二大当たり情報記憶エリア120は、特別図柄処理(S6、図6参照)において使用される。
第一大当たり情報記憶エリア110には、記憶エリア番号欄111、第一大当たり乱数欄112、第一特別図柄決定乱数欄113、第一変動パターン決定乱数欄114、ポインタ欄115が設けられる。遊技球が始動入賞口15に入賞すると、第一大当たり判定に関係し、その時点で計数される乱数取得カウンタのカウント値が夫々取得される。各カウント値は、取得時に昇順に割り当てられる記憶エリア番号に対応する第一大当たり情報記憶エリア110の各欄に記憶される。第一大当たり乱数欄112には、第一大当たり判定に用いられる第一大当たり乱数が記憶される。第一特別図柄決定乱数欄113には、第一特別図柄の決定に用いられる第一特別図柄決定乱数が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄114には、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定に用いられる第一変動パターン決定乱数が記憶される。ポインタ欄115には、乱数が取得され、且つ未だ処理が行われていない記憶エリア番号を指し示すポインタが記憶される。ポインタは、乱数の取得順を示す保留1〜4の4つが設けられ、記憶エリア番号を、その値が小さい順に指し示す。
上記したように、第一保留球数の最大値は4である。遊技球が始動入賞口15に入賞した時、第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、記憶エリア番号欄111に記憶する記憶エリア番号の値が小さい順に、各欄に乱数が記憶される。CPU51は、保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数を判定エリア130に書き込み、ポインタを更新して、第一大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリア130に記憶される乱数に関する処理(具体的には、大当たり判定結果を報知する報知演出、大当たり判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、更新後の保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数が判定エリア130に書き込まれ、第一大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
第二大当たり情報記憶エリア120には、記憶エリア番号欄121、第二大当たり乱数欄122、第二特別図柄決定乱数欄123、第二変動パターン決定乱数欄124、ポインタ欄125が設けられる。遊技球が普通電動役物13に入賞すると、第二大当たり判定に関係し、その時点で計数される乱数取得カウンタのカウント値が夫々取得される。各カウント値は、取得時に昇順に割り当てられる記憶エリア番号に対応する第二大当たり情報記憶エリア120の各欄に記憶される。第二大当たり乱数欄122には、第二大当たり判定に用いられる第二大当たり乱数が記憶される。第二特別図柄決定乱数欄123には、第二特別図柄の決定に用いられる第二特別図柄決定乱数が記憶される。第二変動パターン決定乱数欄124には、第二特別図柄の変動時間を示す第二変動パターンの決定に用いられる第二変動パターン決定乱数が記憶される。ポインタ欄125には、乱数が取得され、且つ未だ処理が行われていない記憶エリア番号を指し示すポインタが記憶される。ポインタは、乱数の取得順を示す保留1〜4の4つが設けられ、記憶エリア番号を、その値が小さい順に指し示す。
上記したように、第二保留球数の最大値は4である。遊技球が普通電動役物13に入賞した時、第二保留球数が4未満(0〜3)であれば、記憶エリア番号欄121に記憶する記憶エリア番号が小さい順に、各欄に乱数が記憶される。CPU51は、保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数を判定エリア130に書き込み、ポインタを更新して、第二大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリア130に記憶される乱数に関する処理(具体的には、大当たり判定結果を報知する報知演出、大当たり判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、更新後の保留1のポインタが示す記憶エリア番号に対応する各欄の乱数が判定エリア130に書き込まれ、第二大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
以下の説明では、第一大当たり乱数及び第二大当たり乱数を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、大当たり乱数という。また、第一変動パターン決定乱数及び第二変動パターン決定乱数を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、変動パターン決定乱数という。また、第一大当たり情報記憶エリア110及び第二大当たり情報記憶エリア120を総称する場合、又は何れかを特定しない場合、大当たり情報記憶エリア100という。また、大当たり情報記憶エリア100に記憶された状態で大当たり判定が保留される大当たり乱数、及び大当たり判定が保留される大当たり乱数と共に取得されて大当たり情報記憶エリア100に記憶される各種乱数を総称して保留乱数という。保留乱数のうち第一大当たり情報記憶エリア110に記憶される第一保留乱数の数は、第一保留球数に対応する。保留乱数のうち第二大当たり情報記憶エリア120に記憶される第二保留乱数の数は、第二保留球数に対応する。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり情報記憶エリア(図示略)が設けられる。普通当たり情報記憶エリアも、大当たり情報記憶エリア100と同様に構成される。
次に、パチンコ機1における遊技の流れについて概略的に説明する。始動入賞口15へ遊技球が入賞すると、第一大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数が取得され、第一大当たり判定が行われる。第一大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数は、夫々の各乱数に対応してRAM52の乱数取得カウンタのカウント値が夫々読み出されることによって取得される。第一大当たり判定では、第一大当たり乱数が大当たりであるか、又ははずれであるか判定される。第一特別図柄表示器25には、第一大当たり判定の結果と第一特別図柄決定乱数に基づき、複数の第一特別図柄のうちの1つが表示される。その過程において、第一変動パターンに合わせた報知演出が実行される。報知演出では、表示画面28においてデモ図柄の変動表示と停止表示が行われる。
パチンコ機1において、特別図柄の変動時間は、大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板60は、主基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、変動パターン決定乱数に基づく変動パターンに従って、特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板60は、特別図柄の変動開始に同期して、デモ図柄の変動表示を開始する。主基板41は、特別図柄の変動時間が終了すると、特別図柄の変動を停止させ、所定の特別図柄停止表示時間(例えば0.8秒)の間、停止表示させる。サブ制御基板60は、特別図柄停止表示時間に同期して、デモ図柄を停止表示させる。また、サブ制御基板60は、デモ図柄による他、表示画面28、各種電飾ランプ、スピーカ48等によっても、変動パターンと同期した報知演出を実行する。
報知演出中に始動入賞口15へ入賞した遊技球の数は、第一保留球数として、最大4つまでRAM52の保留球数記憶エリアに記憶される。第一保留球数は、主基板41のCPU51(図2参照)の制御によって、遊技情報表示器30に表示される。また、CPU51から第一保留球数を示すコマンドを受信したサブ制御基板60のCPU61(図2参照)の制御によって、表示画面28の第一特別図柄記憶数表示部285にも第一保留球数が表示される。第一大当たり判定の結果、大当たりであると判定されると、大入賞口18の開閉部材19が開放される大当たり遊技が実行される。
パチンコ機1は、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率が約1/96である確率変動状態を、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。大当たり遊技終了後に、パチンコ機1は、「確率変動状態且つ時短状態」に移行する。確率変動状態且つ時短状態は、確変時短状態ともいう。第一特別図柄に基づく大当たり種別は、例えば、「2R確変」「5R確変」「10R確変」「15R確変」である。第二特別図柄に基づく大当たり種別は、例えば、「2R確変」「5R確変」「10R確変」「15R確変」の四種類である。パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に100%の割合で確率変動状態が生起され、非確率変動状態は生起されない。
大当たり種別の「R」は、1回の大当たり遊技中のラウンド数を示す。即ち、大当たり種別の種別名称に含まれる「2R」「5R」「10R」「15R」は、大当たり種別毎に予め定められているラウンド数を略記したものに対応する。例えば「10R確変」は、1回の大当たり遊技中に繰り返されるラウンド数が10ラウンドで、大当たり遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行する大当たりであることを示す。従って、遊技者が大当たり遊技において獲得できる賞品球数は、大当たり種別によって異なる。なお、「2R確変」では、大当たり遊技中に大入賞口18の開閉部材が2ラウンド分開閉されるが、他の大当たり遊技時と比べて開閉部材の開放時間が短いため、遊技球は入賞し難い。
パチンコ機1は、始動電動役物16の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、非時短状態よりも始動電動役物16の開閉部材が開放される割合が高くなる時短状態とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。大当たり遊技の終了後に確率変動状態に移行する場合、例えば100回の時短状態が生起される。よって大当たり遊技終了後に開始される確変時短状態が終了すると、パチンコ機1は「非確率変動状態且つ非時短状態」に移行する。非確率変動状態且つ非時短状態は、「通常状態」ともいう。非確率変動状態では、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率は、約1/299である。
普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われ、判定結果が普通図柄表示器27に表示される。普通当たり判定の結果は表示画面28の普通図柄表示部284にも表示される。普通図柄の変動表示中に普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球の数は、普通保留球数として、最大4つまでRAM52の保留球数記憶エリアに記憶される。普通保留球数は、主基板41のCPU51の制御によって、遊技情報表示器30に表示される。また、CPU51から普通保留球数を示すコマンドを受信したサブ制御基板60のCPU61の制御によって、表示画面28の普通図柄記憶数表示部287にも普通保留球数が表示される。普通当たり判定の結果、普通当たりであると判定されると、普通電動役物13の開閉部材14が開放される。
普通電動役物13へ遊技球が入賞すると、第二大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数が取得され、第二大当たり判定が行われる。第二大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数は、夫々の各乱数に対応してRAM52の乱数取得カウンタのカウント値が夫々読み出されることによって取得される。第二大当たり判定では、第二大当たり乱数が大当たりであるか、又ははずれであるか判定される。第二特別図柄表示器26には、第二大当たり判定の結果と第二特別図柄決定乱数に基づき、複数の第二特別図柄のうちの1つが表示される。
その過程において、第一大当たり判定の場合と同様に、第二変動パターンに合わせた報知演出が実行される。報知演出では、表示画面28においてデモ図柄の変動表示と停止表示が行われる。報知演出中に普通電動役物13へ入賞した遊技球の数は、第二保留球数として、最大4つまでRAM52の保留球数記憶エリアに記憶される。第二保留球数は、主基板41のCPU51の制御によって、遊技情報表示器30に表示される。また、CPU51から第二保留球数を示すコマンドを受信したサブ制御基板60のCPU61の制御によって、表示画面28の第二特別図柄記憶数表示部286にも第二保留球数が表示される。第二大当たり判定の結果、大当たりであると判定されると、上記同様に、大入賞口18の開閉部材19が開放される大当たり遊技が実行される。
図4〜図7を参照し、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶される制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図2参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51によって実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図4に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が実行される(S1)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板60、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてコマンド記憶エリアに記憶された制御コマンドである。
次に、スイッチ読込処理が実行される(S2)。スイッチ読込処理では、第一始動スイッチ72、第二始動スイッチ73、普通図柄作動スイッチ74、大入賞口スイッチ75、その他の入賞口に設けられたスイッチ(図示略)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次に、カウンタ更新処理が実行される(S3)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶される各乱数取得カウンタのカウント値が所定量加算される。特別図柄と普通図柄の変動時間を計数するカウンタのカウント値が1減算される。
次に、特別電動役物処理が実行される(S5)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口18の開閉部材19の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。大当たり遊技が開始される場合、大当たり遊技が開始されることを示す大当たり遊技開始コマンドが生成され、コマンド記憶エリアに記憶される。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S1)において、サブ制御基板60に送信される。一旦開放された大入賞口18は、最大開放時間が経過するか、所定個数の遊技球が入賞すると閉鎖される。
次に、特別図柄処理が実行される(S6)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、及び遊技状態の移行等の処理が行われる(図5〜図7参照)。
次に、普通電動役物処理が実行される(S7)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作(主に普通電動役物13の開閉部材14の開閉動作)を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、普通電動役物13の開閉部材14を開放させる。なお、CPU51は、時短フラグがONとされていれば、時短状態中であると判断する。
次に、普通図柄処理が実行される(S8)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。普通当たり判定は、時短状態が生起されるか否かに応じて、夫々の確率(時短状態中99/100、非時短状態中4/100)で判定される。
次いで、払出処理(S10)、エラーチェック(S11)、情報出力処理(S12)が実行される。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28、スピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。CPU51は、情報出力処理が終わると、メイン処理を終了する。
図5〜図7を参照し、特別図柄処理(S6、図4参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ記憶エリアには、特別図柄処理で使用されるフラグとして、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ等が記憶される。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に1が記憶されてONとなり、大当たり遊技中でない場合には0が記憶されてOFFとなる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄と第二特別図柄の何れか一方が変動している場合(変動表示中)に1、何れか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に2、何れも変動表示中でも停止表示中でもない場合に0が記憶される。確変フラグは、確変状態中に1が記憶されてONとなる。時短フラグは、時短状態中に1が記憶されてONとなる。
図5に示すように、特別図柄処理が開始されると、始動入賞口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。始動入賞口15に設けられた第一始動スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S2、図4参照)において、第一始動スイッチ72に対応するフラグがONとなる。このフラグがONでない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S21:NO)、処理はS26へ移行する。始動入賞口15に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、フラグはOFFにされ、第一保留球数が4であるか否かが判断される(S22)。RAM52の保留球数記憶エリアに記憶されている第一保留球数が4であれば(S22:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS26へ移行する。
第一保留球数が4でない場合には(S22:NO)、第一保留球数に1が加算される(S23)。各種乱数が取得され、第一大当たり情報記憶エリア110における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S25)。具体的には、第一大当たり乱数欄112には第一大当たり判定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第一特別図柄決定乱数欄113には第一特別図柄決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第一変動パターン決定乱数欄114には第一変動パターン決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶される。
次に、普通電動役物13に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S26)。普通電動役物13に設けられた第二始動スイッチ73が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S2、図4参照)において、第二始動スイッチ73に対応するフラグがONとなる。このフラグがONでない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて(S26:NO)、処理はS36(図6参照)へ移行する。普通電動役物13に遊技球が入賞していれば(S26:YES)、フラグはOFFにされ、第二保留球数が4であるか否かが判断される(S27)。保留球数記憶エリアに記憶されている第二保留球数が4であれば(S27:YES)、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はS36へ移行する。
第二保留球数が4でない場合には(S27:NO)、第二保留球数に1が加算される(S28)。各種乱数が取得され、第二大当たり情報記憶エリア120における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S30)。具体的には、第二大当たり乱数欄122には第二大当たり判定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第二特別図柄決定乱数欄123には第二特別図柄決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶され、第二変動パターン決定乱数欄124には第二変動パターン決定乱数用の乱数取得カウンタのカウント値が記憶される。
次に、図6に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S36)。大当たり遊技状態フラグがONである場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S36:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグがOFFである場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S36:NO)、第一特別図柄又は第二特別図柄が変動表示中であるか否かが判断される(S37)。特別図柄表示状態フラグが1でない場合、第一特別図柄及び第二特別図柄が変動表示中でないと判断されて(S37:NO)、第一特別図柄又は第二特別図柄が停止状態中であるか否かが判断される(S53)。特別図柄表示状態フラグが2でない場合は、第一特別図柄及び第二特別図柄が停止表示中でないと判断されて(S53:NO)、処理はS61(図7参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図7に示すように、まず、第二保留球数が1以上であるか否かが判断される(S61)。第二保留球数が1以上である場合には(S61:YES)、第二大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が0である場合には(S61:NO)、第一保留球数が1以上であるか否かが判断される(S66)。第一保留球数が0であれば(S66:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が1以上である場合には(S66:YES)、第一大当たり情報記憶エリア110で保留1のポインタが指す記憶エリア番号に対応する各乱数が判定エリア130に書き込まれる(S67)。ポインタが更新され、第一保留球数が1減算される(S68)。
次いで、確変状態であるか否かに応じた第一大当たり判定が行われる(S70)。S70では、確変フラグの状態を参照して、現時点において確変状態が生起されているか否かが特定される。確変状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、確変時判定テーブル又は非確変時判定テーブルが選択される。
図示しないが、ROM53には、第一大当たり判定及び第二大当たり判定を行うためのテーブルとして、確変時判定テーブルと、非確変時判定テーブルとが設けられている。非確変時判定テーブルは、非確変状態中の第一大当たり判定及び第二大当たり判定に用いられるテーブルである。非確変時判定テーブルには、「大当たり」及び「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数及び第二大当たり乱数の乱数値が定義されている。確変時判定テーブルは、確変状態中の第一大当たり判定及び第二大当たり判定に用いられるテーブルである。確変時判定テーブルには、「大当たり」及び「はずれ」に各々対応する第一大当たり乱数及び第二大当たり乱数の乱数値が定義されている。大当たりに対応する乱数値は、非確変時判定テーブルよりも確変時判定テーブルにおいて多く定義されている。前述したように、非確変時判定テーブルにおいて大当たりと判定される乱数値の割合は1/299であり、確変時判定テーブルにおいて大当たりと判定される乱数値の割合は1/96である。
S70では、確変フラグがONの場合、確変状態が生起されていると判断され、確変時判定テーブルが選択される。確変フラグがOFFの場合、確変状態が生起されていないと判断され、非確変時判定テーブルが選択される。選択された確変時判定テーブル又は非確変時判定テーブルが参照されて、S67で判定エリア130に書き込まれた第一大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」の何れに対応するかが判定される。これにより、未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第一大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S71)。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合(S71:YES)、大当たりであることを示す第一特別図柄が決定される(S72)。具体的には、第一大当たり情報記憶エリア110が参照されて、S67で判定エリア130に書き込まれた第一大当たり乱数と同時に取得された第一特別図柄決定乱数の値に対応する第一特別図柄が決定される。また、決定された第一特別図柄に応じた大当たり種別が決定される(S73)。その後、処理はS81へ移行する。第一大当たり判定の結果がはずれの場合(S71:NO)、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定されて(S75)、処理はS81へ移行する。
また、第二保留球数が1以上である場合に行われる第二大当たり判定では(S61:YES)、第二大当たり情報記憶エリア120で保留1のポインタが指す記憶エリア番号に対応する各乱数が判定エリア130に書き込まれる(S62)。ポインタが更新され、第二保留球数が1減算される(S63)。次いで、確変状態であるか否かに応じた第二大当たり判定が行われる(S65)。S65では、確変フラグの状態を参照して、現時点において確変状態が生起されているか否かが特定される。確変状態が生起されているか否かが特定された結果に対応して、前述の確変時判定テーブル又は非確変時判定テーブルが選択される。選択された確変時判定テーブル又は非確変時判定テーブルが参照されて、S62で判定エリア130に書き込まれた第二大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」の何れに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S71)。第二大当たり判定の結果が大当たりの場合(S71:YES)、大当たりであることを示す第二特別図柄が決定される(S72)。具体的には、第二大当たり情報記憶エリア120が参照されて、S62で判定エリア130に書き込まれた第二大当たり乱数と同時に取得された第二特別図柄決定乱数の値に対応する第二特別図柄が決定される。また、決定された第二特別図柄に応じた大当たり種別が決定される(S73)。その後、処理はS81へ移行する。第二大当たり判定の結果がはずれの場合(S71:NO)、はずれであることを示す所定の第二特別図柄が決定されて(S75)、処理はS81へ移行する。
次いで、特別図柄変動パターン決定処理が行われる(S81)。特別図柄変動パターン決定処理は、第一変動パターン及び第二変動パターンを決定する処理である。特別図柄変動パターン決定処理では、ROM53に記憶されている図柄変動パターン決定テーブル(図示略)のうち、大当たり判定が第一大当たり判定又は第二大当たり判定であるか、大当たり判定時の遊技状態(通常状態又は確変状態且つ時短状態)及び大当たり判定の結果(大当たり又ははずれ)に応じたテーブルが参照されて、第一特別図柄又は第二特別図柄の変動パターン(第一変動パターン又は第二変動パターン)が決定される。
本実施形態では、大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、「リーチ演出」を伴う変動パターンが決定される割合が高い。「リーチ演出」とは、例えば3つのデモ図柄のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの期待度が高いことを示唆する演出である。一方、大当たり判定の判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出」を伴う変動パターンが決定される割合が低くなる。
第一特別図柄又は第二特別図柄の特別図柄変動パターンが決定されると、決定された特別図柄変動パターンを指定するための特別図柄変動パターン指定コマンドがコマンド記憶エリアに記憶される(S82)。特別図柄変動パターン指定コマンドには、大当たり図柄及び大当たり種別、又ははずれ図柄を指定するコマンドも含まれる。特別図柄変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S1、図4参照)において、中継基板47とサブ制御基板60に送信される。図柄表示部24の第一特別図柄表示器25又は第二特別図柄表示器26は、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動表示する。サブ制御基板60のCPU61は、特別図柄変動パターン指定コマンドに基づき、表示画面28においてデモ図柄を変動表示する。特別図柄変動パターンに応じて決められている第一特別図柄又は第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S83)。第一特別図柄又は第二特別図柄が変動表示中であることを示す1が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S85)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図6に示すS37の判断において、特別図柄表示状態フラグに1が記憶されている場合には、第一特別図柄又は第二特別図柄が変動表示中であると判断され(S37:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S38)。S83(図7参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタのカウント値が0でない場合、変動時間がまだ経過していないと判断され(S38:NO)、処理はメイン処理へ戻る。一方、特別図柄変動時間カウンタのカウント値が0となっている場合には、変動時間が経過したと判断され(S38:YES)、コマンド記憶エリアに特別図柄停止コマンドが記憶される(S50)。特別図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S1、図4参照)によって中継基板47とサブ制御基板60に送信される。図柄表示部24の第一特別図柄表示器25又は第二特別図柄表示器26は、第一特別図柄又は第二特別図柄を停止表示する。サブ制御基板60のCPU61は、特別図柄変動パターン指定コマンドに基づき、表示画面28においてデモ図柄を停止表示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S51)。第一特別図柄又は第二特別図柄が停止表示中であることを示す2が特別図柄表示状態フラグに記憶され(S52)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S53の判断において、特別図柄表示状態フラグに2が記憶されている場合、第一特別図柄及び第二特別図柄が停止表示中であると判断され(S53:YES)、S51においてセットされた特別図柄停止時間カウンタのカウント値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S55)。特別図柄停止時間カウンタのカウント値が0でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S55:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S55:YES)、第一特別図柄が変動表示中でも停止表示中でもなく、且つ第二特別図柄が変動表示中でも停止表示中でもないことを示す0が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S56)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S57)、処理はメイン処理へ戻る。
なお、詳細は省略するが、遊技状態移行処理では、大当たりと判定された場合に遊技を大当たり遊技へ移行させるためのフラグの制御と、所定の終了条件が成立した場合に時短状態及び確変状態を終了させるためのフラグの制御とが行われる。大当たり判定の結果が大当たりである場合、大当たり遊技状態フラグがONとなり、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。この場合、大当たり遊技を開始することを示す大当たり遊技開始コマンドがコマンド記憶エリアに記憶され、コマンド出力処理(S1、図4参照)によってサブ制御基板60に送信される。なお、大当たり遊技開始前に時短状態であった場合、大当たり遊技中は非時短状態となり、時短フラグがOFFになる。確変状態及び時短状態は、所定の終了条件が満たされていれば終了する。CPU51は、遊技状態を非確変状態且つ非時短状態(通常状態)へ移行する。
図8及び図9を参照して、表示画面28で実行される報知演出の一態様について説明する。図8及び図9は、特殊な演出(例えば、大当たり遊技演出、後述の特定演出、リーチ演出等)が行われていない標準的な表示状態(以下、基本態様)の表示画面28を例示する。詳細には、表示画面28で実行される報知演出として、後述の指定変動パターンに応じて複数パターンが設けられている。これら複数パターンの報知演出のうち、図8は標準パターンの報知演出を例示し、図9は標準パターンとは異なる特定パターンの報知演出を例示する。理解を容易にするために、図8、図9、図12〜図15に示す表示画面28では、図1に示す普通図柄表示部284、第一特別図柄記憶数表示部285、第二特別図柄記憶数表示部286、及び普通図柄記憶数表示部287を省略している。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1は、複数の演出図柄から構成される三つのデモ図柄(D1図柄、D2図柄、D3図柄)が変動表示された後に、停止表示されたD1〜D3図柄の組合せによって大当たり判定の結果を報知する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。例えばD1〜D3図柄は、互いに共通の8種類の演出図柄から成る。各演出図柄は、シンボル画像101及び識別画像102を含む。シンボル画像101は、対応する演出図柄に固有のキャラクタ、物体、モチーフ等を描いた画像であり、当該演出図柄を間接的且つ装飾的に象徴する。識別画像102は、対応する演出図柄を識別するための数字、記号、アルファベット等を描いた画像であり、当該演出図柄をシンボル画像101よりも直接的に示唆する。
図8に示すように、標準パターンの報知演出では、公知の遊技機と同様に、各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102は、夫々同一の変動ライン上で一体に表示制御される。具体的には、左右方向に並ぶ3つの変動ラインLN1〜LN3が、表示画面28に設けられる。各変動ラインLN1,LN2上の演出図柄では、識別画像102がシンボル画像101の前側に重ねて一体表示される。本実施形態では、変動ラインLN3上の演出図柄では、識別画像102のみが表示される。これに代えて、変動ラインLN1,LN2と同様に、各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102が変動ラインLN3上で一体に表示されてもよい。
標準パターンの報知演出では、D1図柄を構成する各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102は、変動ラインLN1上で上下方向に変動表示された後、所定の停止領域に停止表示される。D2図柄を構成する各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102は、変動ラインLN2上で上下方向に変動表示された後、所定の停止領域に停止表示される。D3図柄を構成する各演出図柄の識別画像102は、変動ラインLN3上で上下方向に変動表示された後、所定の停止領域に停止表示される。D1〜D3図柄の順に停止表示されて、確定表示されたD1〜D3図柄の組合せによって大当たり判定の結果が報知される。なお報知演出中にD1,D2図柄が同じ演出図柄で揃うリーチ状態が発生すると、公知のリーチ演出が実行される。
このように標準パターンの報知演出では、少なくとも2つの変動ラインLN1,LN2において、各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102が一体に表示される。従ってパチンコ機1の遊技者は、標準パターンの報知演出を目視する事で、各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102の対応関係を把握できる。なお、標準パターンの報知演出は公知と同様であるため、以下の説明では特定パターンの報知演出のみを説明する。
図9に示すように、特定パターンの報知演出では、各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102は、夫々異なる変動ライン上で表示制御される。具体的には、D1図柄を構成する各演出図柄の識別画像102は、識別変動ラインL1上で表示制御される。識別変動ラインL1で変動表示された複数の識別画像102の一つが、識別停止領域T1に停止表示される。基本態様の表示画面28(図9参照)では、表示画面28の右上部分において、識別画像102が識別変動ラインL1上で変動表示されたのち、識別停止領域T1に停止表示される。
D2図柄を構成する各演出図柄の識別画像102は、識別変動ラインL2上で表示制御される。識別変動ラインL2で変動表示された複数の識別画像102の一つが、識別停止領域T2に停止表示される。基本態様の表示画面28(図9参照)では、表示画面28の右側中央において、識別画像102が識別変動ラインL2上で変動表示されたのち、識別停止領域T2に停止表示される。
D3図柄を構成する各演出図柄の識別画像102は、識別変動ラインL3上で表示制御される。識別変動ラインL3で変動表示された複数の識別画像102の一つが、識別停止領域T3に停止表示される。基本態様の表示画面28(図9参照)では、表示画面28の右下部分において、識別画像102が識別変動ラインL3上で変動表示されたのち、識別停止領域T3に停止表示される。
D1〜D3図柄に共通する複数のシンボル画像101は、シンボル変動ラインLC上で表示制御される。シンボル変動ラインLCで変動表示された複数のシンボル画像101の一つが、シンボル停止領域TCに停止表示される。つまり本実施形態では、各D1〜D3図柄に固有のシンボル画像101の変動ラインを設けられておらず、D1〜D3図柄のシンボル画像101が共通のシンボル変動ラインLCのみで表示制御される。基本態様の表示画面28(図9参照)では、表示画面28の右側部分を除く略全体で、シンボル画像101がシンボル変動ラインLC上で変動表示されたのち、シンボル停止領域TCに停止表示される。
特定パターンの報知演出では、各シンボル画像101には、対応する識別画像102との対応関係を示す画像である対応マーク101Aが付されている。本実施形態の対応マーク101Aは、シンボル画像101と対応する識別画像102と同一の表記を縮小して描いた画像である。なお対応マーク101Aは、標準パターンの報知演出(図8参照)でも各シンボル画像101に表示されてもよい。
なお、基本態様の表示画面28(図9参照)では、識別変動ラインL1〜L3(及び識別停止領域T1〜T3)が表示画面28の右辺部に沿って上下方向に並ぶ。識別変動ラインL1〜L3(及び識別停止領域T1〜T3)に夫々表示される各識別画像102の表示サイズは互いに等しい。シンボル変動ラインLC(及びシンボル停止領域TC)に表示されるシンボル画像101の表示サイズは、上述の識別画像102の表示サイズよりも大きい。従って、識別変動ラインL1〜L3(及び識別停止領域T1〜T3)に表示される識別画像102よりも、シンボル変動ラインLC(及びシンボル停止領域TC)に表示されるシンボル画像101のほうが、遊技者の視覚に与えるインパクトが大きい。
また、本実施形態では、画像表示装置8の表示画面28が横長の矩形状である。そして、表示画面28の短辺である右辺に沿って、識別変動ラインL1〜L3(及び識別停止領域T1〜T3)が上下方向に並んで設けられる。これにより、表示画面28においてシンボル画像101を表示可能な領域(即ち、シンボル変動ラインLC及びシンボル停止領域TC)が大きく確保されるため、シンボル画像101をより大きなサイズで表示可能となり、シンボル画像101による演出効果が高められる。
次に、図10〜図15を参照し、サブ制御基板60で行われるサブ制御基板処理の詳細について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、画像表示装置8、各種電飾ランプ、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特にサブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM63に記憶されているプログラムに従って、CPU61によって実行される。
図10に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、サブ制御基板60のCPU61は、主基板41から特別図柄変動パターン指定コマンド、特別図柄停止コマンド、又は大当たり遊技開始コマンドの受信を待機する(S101:NO、S103:NO、S106:NO、S101)。特別図柄変動パターン指定コマンドを受信すると(S101:YES)、受信した特別図柄変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン(指定変動パターン)がRAM62に記憶されて、後述の報知演出制御処理が実行される(S102)。
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S103)。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S103:YES)、大当たり判定の判定結果を示すデモ図柄の組合せが停止表示され(S105)、報知演出が終了する。
次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S106)。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S106:YES)、主基板41で大当たり遊技が開始されるのに伴って、大当たり遊技に応じた演出の制御が行われる(S107)。大当たり遊技が終了すると、処理はS101の判断へ戻る。
図11を参照して、報知演出制御処理(S102)の詳細を説明する。報知演出では、RAM62に記憶された指定変動パターンに基づいて、先述したD1〜D3図柄の変動表示と共に、スピーカ48からの音声出力、各種電飾部材の発光制御、図示外の可動体による演出動作などを実行可能である。以下では説明を簡略化するために、指定変動パターンが特定パターンの報知演出に対応する場合における、表示画面28におけるD1〜D3図柄の変動表示等を中心に説明を行う。
なお、報知演出制御処理(S102)において、演出制御基板43のCPU431は、CGROM432のシンボル画像記憶エリアに記憶されているシンボル画像データに基づいて、画像表示装置8にシンボル画像101を表示させる。CPU431は、CGROM432の識別画像記憶エリアに記憶されている識別画像データに基づいて、画像表示装置8に識別画像102を表示させる。
表示画面28では、シンボル画像101及び識別画像102が、各種の表示態様(例えば、移動、回転、動作等)で表示可能である。サブ制御基板60及び演出制御基板43は、シンボル画像データ及び識別画像データに基づいて、シンボル画像101及び識別画像102の表示態様を制御する。例えば、シンボル画像データに基づくシンボル画像101の表示制御と、識別画像データに基づく識別画像102の表示制御とを互いに独立して、画像表示装置8に実行させる。
図11に示すように、報知演出制御処理が開始されると、まず全図柄(D1〜D3図柄)が変動開始される(S111)。具体的には、図12(A)に示すように、基本態様の表示画面28(図9参照)において、D1〜D3図柄を構成する複数の識別画像102が、夫々、識別変動ラインL1〜L3上で左右方向に高速回転するように変動表示される。同時に、D1〜D3図柄に共通する複数のシンボル画像101が、表示画面28の奥側から手前側に向かって円弧状の軌跡で高速移動するように変動表示される。
次に、RAM62に記憶された指定変動パターンが特定演出を含むか否かが判断される(S112)。指定変動パターンが特定演出を含まない場合(S112:NO)、RAM62に記憶された指定変動パターンがリーチ演出を含むか否かが判断される(S114)。指定変動パターンがリーチ演出を含まない場合(S114:NO)、原則として指定変動パターンは「はずれ」に対応する変動パターンである。この場合、基本態様の表示画面28において、以下のようにD1〜D3図柄の停止表示が実行される。
まずD1図柄の停止表示が実行される(S115)。具体的には、図12(B)に示すように、識別変動ラインL1で変動表示中の識別画像102の一つが、識別停止領域T1に停止表示される。それと同期して、シンボル変動ラインLCで変動表示中のシンボル画像101のうちで、識別停止領域T1で停止表示される識別画像102に対応するシンボル画像101が、シンボル停止領域TCに停止表示される。これにより、D1図柄として一つの演出図柄が、識別停止領域T1及びシンボル停止領域TCに停止表示される。このとき、識別変動ラインL2,L3の変動表示は継続されたままである。
次いで、シンボル画像101がシンボル停止領域TCに所定時間(例えば、0.5秒)停止表示された後、シンボル変動ラインLCの変動表示が再開される(S116)。具体的には、図12(C)に示すように、シンボル停止領域TCに停止表示されたシンボル画像101が消去されて、D1図柄の識別画像102が停止表示された状態で、シンボル変動ラインLC上でシンボル画像101の変動表示が再開される。
次いで、D2図柄の停止表示が実行される(S117)。具体的には、図13(A)に示すように、識別変動ラインL2で変動表示中の識別画像102の一つが、識別停止領域T2に停止表示される。それと同期して、シンボル変動ラインLCで変動表示中のシンボル画像101のうちで、識別停止領域T2で停止表示される識別画像102に対応するシンボル画像101が、シンボル停止領域TCに停止表示される。これにより、D2図柄として一つの演出図柄が、識別停止領域T2及びシンボル停止領域TCに停止表示される。このとき、識別変動ラインL3の変動表示は継続されたままである。
次いで、シンボル画像101がシンボル停止領域TCに所定時間(例えば、0.5秒)停止表示された後、シンボル変動ラインLCの変動表示が再開される(S118)。具体的には、図13(B)に示すように、シンボル停止領域TCに停止表示されたシンボル画像101が消去されて、D1,D2図柄の各識別画像102が停止表示された状態で、シンボル変動ラインLC上でシンボル画像101の変動表示が再開される。
最後に、D3図柄の停止表示が実行される(S119)。具体的には、図13(C)に示すように、識別変動ラインL3で変動表示中の識別画像102の一つが、識別停止領域T3に停止表示される。それと同期して、シンボル変動ラインLCで変動表示中のシンボル画像101のうちで、識別停止領域T3で停止表示される識別画像102に対応するシンボル画像101が、シンボル停止領域TCに停止表示される。これにより、D3図柄として一つの演出図柄が、識別停止領域T3及びシンボル停止領域TCに停止表示される。S119の実行後、処理はサブ制御基板処理(図10参照)に戻る。
以上のように、報知演出制御処理(S102)において停止表示されたD1〜D3図柄は、特別図柄停止コマンドが受信されるまでは仮停止の状態にある。D1〜D3図柄が停止表示されたのち、サブ制御基板処理(図10参照)で特別図柄停止コマンドが受信されると(S103:YES)、D1〜D3図柄における停止図柄の組合せが確定する(S105)。確定表示されたD1〜D3図柄の図柄組合せによって、大当たり判定の結果が報知される。
図13(C)に示す例では、D1〜D3図柄がゾロ目の組合せではないため、大当たり判定の結果として「はずれ」が報知される。そして次回の報知演出が実行されるまで、上記のようにD1〜D3図柄が停止表示された状態が維持される。そのため、次回の報知演出が実行されるまで、D3図柄のシンボル画像101(即ち、D3図柄の識別画像102に対応するシンボル画像101)が、シンボル停止領域TCに停止表示される。
一方、指定変動パターンが特定演出を含む場合(S112:YES)、特定演出が実行される(S113)。特定演出は、通常よりも大当たり又はリーチ演出への期待度が高いことを示唆する演出であり、基本態様とは異なる演出内容を有する。具体的には、図14(A)に示すように、特定演出が実行されると、識別変動ラインL1〜L3の変動表示が継続されつつ、識別変動ラインL1〜L3の表示態様が変更され、且つシンボル変動ラインLCが非表示とされる。図14(A)に示す例では、識別変動ラインL1〜L3は、基本態様よりも縮小表示され、且つ表示画面28の上部中央で左右方向に並んで配置される。各識別変動ラインL1〜L3では、複数の識別画像102が上下方向に高速回転するように変動表示される。また、表示画面28の上側部分を除く略全体には、特定演出に固有の演出画像103が表示されることで、特定演出が実行されていることが報知される。
S113の実行後、先述のS114が実行される。このとき、指定変動パターンがリーチ演出を含まない場合(S114:NO)、基本態様の表示画面28に切り替えられて、先述のS115〜S119(図12及び図13参照)が実行される。一方、指定変動パターンがリーチ演出を含む場合(S114:YES)、以下の処理が実行される。
まず、基本態様の表示画面28に切り替えられたのち、D1,D2図柄の同時停止表示が実行される(S120)。具体的には、図14(B)に示すように、識別変動ラインL1,L2で変動表示中の識別画像102のうち、同一の識別画像102が識別停止領域T1,T2に同時に停止表示される。それと同期して、シンボル変動ラインLCで変動表示中のシンボル画像101のうちで、識別停止領域T1,T2で停止表示される識別画像102に対応するシンボル画像101が、シンボル停止領域TCに停止表示される。これにより、D1,D2図柄として共通の演出図柄が、識別停止領域T1,T2及びシンボル停止領域TCに停止表示される。
これにより、3つのD1〜D3図柄のうち、2つのD1,D2図柄が同じ演出図柄で停止するリーチ状態が発生したため、リーチ演出が開始される(S121)。具体的には、図14(C)に示すように、まず「リーチ」が発生したことを示すメッセージが、表示画面28に表示される。その後、以下のリーチ演出において、識別変動ラインL3の変動表示が継続されると共に、シンボル変動ラインLCの変動表示が再開される(S122)。リーチ演出は、大当たりへの期待度が高いことを示唆する演出であり、基本態様及び特定演出とは異なる演出内容を有する。具体的には、図15(A)に示すように、リーチ演出が実行されると、停止表示されたD1,D2図柄の各識別画像102の表示態様や、識別変動ラインL3及びシンボル変動ラインLCの表示態様等が変更される。
図15(A)に示す例では、停止表示されたD1,D2図柄の各識別画像102は、夫々、表示画面28の左下部及び右下部に表示される。識別変動ラインL3及びシンボル変動ラインLCは、表示画面28の中央部に配置される。識別変動ラインL3上に表示される識別画像102は、基本態様よりも拡大表示される。シンボル変動ラインLC上に表示されるシンボル画像101は、識別変動ラインL3上に表示された識別画像102の背後に表示される。更に識別変動ラインL3では、複数の識別画像102が所定の順序で、表示画面28の奥側から手前側に向かって低速移動するように変動表示される。それと同期して、シンボル変動ラインLCでは、識別変動ラインL3上に表示された識別画像102に対応するシンボル画像101が表示されるように、複数のシンボル画像101が切り替えて変動表示される。
最後に、リーチ演出においてD3図柄の停止表示が実行される(S123)。具体的には、図15(B)に示すように、識別変動ラインL3で変動表示中の識別画像102の一つが、識別停止領域T3に停止表示される。それと同期して、シンボル変動ラインLCで変動表示中のシンボル画像101のうちで、識別停止領域T3で停止表示される識別画像102に対応するシンボル画像101が、シンボル停止領域TCに停止表示される。これにより、D3図柄として一つの演出図柄が、識別停止領域T3及びシンボル停止領域TCに停止表示される。S123の実行後、処理はサブ制御基板処理(図10参照)に戻る。
その後、先述したように特別図柄停止コマンドが受信されると(S103:YES)、D1〜D3図柄における停止図柄の組合せが確定する(S105)。確定表示されたD1〜D3図柄の図柄組合せによって、大当たり判定の結果が報知される。図15(C)に示す例では、D1〜D3図柄の各識別画像102が全て同じ数字「8」で確定表示され、且つ全てのD1〜D3図柄に共通するシンボル画像101が表示されることで、大当たり判定の結果として「大当たり」が報知される。この場合、主基板41で大当たり遊技が開始されると共に、サブ制御基板処理(図10参照)で大当たり遊技開始コマンドが受信されて(S106:YES)、大当たり遊技に応じた演出が実行される(S107)。
なお、S123においてD3図柄がD1,D2図柄とは異なる演出図柄(シンボル画像101及び識別画像102)で停止表示されると(即ち、当たり判定の結果がはずれであることが報知されると)、先述の図13(C)と同様の基本態様に切り替えられる。この場合、S119の実行後と同様に、次回の報知演出が実行されるまで、上記のようにD1〜D3図柄が停止表示された状態が維持される。
ところで、先述したようにパチンコ機1の遊技者は、標準パターンの報知演出(図8参照)によって、各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102の対応関係を予め把握できる。従って、上述した特定パターンの報知演出においてシンボル画像101と識別画像102とが分離して表示制御されても、パチンコ機1の遊技者はシンボル画像101及び識別画像102との対応関係を認識できる。
これに加えて、特定パターンの報知演出では、先述したように対応マーク101Aが各シンボル画像101に付されている(図9等参照)。対応マーク101Aは、遊技者がシンボル画像101及び識別画像102との対応関係をより明確に把握することを補助する画像である。従って遊技者は、報知演出の実行時におけるシンボル画像101及び識別画像102との対応関係を、対応マーク101Aに基づいてより正確に把握できる。例えば上述したD1〜D3図柄の停止表示時に、シンボル停止領域TCに停止表示されたシンボル画像101がどの演出図柄に対応するかを、識別停止領域T1〜T3に停止表示された識別画像102を目視しなくても特定できる。
また、基本態様の表示画面28において、D1〜D3図柄の識別画像102が、D1〜D3図柄のシンボル画像101よりも右側に表示される。対応マーク101Aは、シンボル画像101のうちで識別画像102に近い位置(即ち、シンボル画像101の右側部分)に設けられる。即ち、対応マーク101Aは識別画像102に対してより近い位置に表示されるため、遊技者は対応マーク101Aに基づいてシンボル画像101及び識別画像102との対応関係をより正確に把握できる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1によれば、予め定められた複数の演出図柄を表示可能な画像表示装置8と、画像表示装置8において複数の演出図柄を表示制御するサブ制御基板60(詳細には、CPU61)とを備える。複数の演出図柄の各々は、演出図柄に固有のシンボルを示す画像であるシンボル画像101と、演出図柄を識別するための画像である識別画像102とを含む。画像表示装置8は、複数の演出図柄に含まれる複数のシンボル画像101が、共通に変動表示されるシンボル変動ラインLCと、複数の演出図柄に含まれる複数の識別画像102が、夫々変動表示される複数の識別変動ラインL1〜L3とを含む。
サブ制御基板60は、遊技の結果に応じて、複数の識別変動ラインL1〜L3の各々で複数の識別画像102を変動表示させた後に、複数の識別変動ラインL1〜L3の各々に識別画像102を停止表示させる報知演出を実行する。サブ制御基板60は、報知演出において、シンボル変動ラインLCで複数のシンボル画像101を変動表示させると共に、複数の識別変動ラインL1〜L3の何れかで識別画像102が停止表示されるのと同期して、当該識別画像102に対応するシンボル画像101をシンボル変動ラインLCで停止表示させる(S102)。
これによれば、演出報知時において、各演出図柄のシンボル画像101及び識別画像102が互いに独立して変動表示される。そのため変動中の演出図柄において、シンボル画像101及び識別画像102を夫々独立に表示制御(例えば、画像の拡大・縮小、変更、動作等)を実行できる。従って、変動中の演出図柄の表示態様をより自由に変更可能できる。
例えば演出報知時において、演出図柄を拡大表示する場合に、シンボル画像101及び識別画像102を一体として拡大表示させる必要なく、シンボル画像101のみを拡大表示できる。また、所定の演出動作を行う演出図柄の表示態様を動的に変更する場合に、シンボル画像101及び識別画像102を一体として動的に変更させる必要なく、シンボル画像101のみを動的に変更できる。このように、演出図柄の一部(例えばシンボル画像101)のみを独立して表示制御できるため、演出図柄の全体を表示制御する場合と比べて、演出図柄の表示態様を変更するための処理負荷が抑制され、且つ演出図柄の表示態様をより迅速に変更できる。
ところで、従来の遊技機では、シンボル画像を含む演出図柄が複数の変動ラインで表示制御される。シンボル画像は、遊技者が視認しやすい演出用の画像であるため、識別画像よりも大きなサイズで表示される。従来の遊技機では、シンボル画像を複数の変動ラインに夫々表示するために、画面サイズの関係で各シンボル画像の大きさが制約されてしまい、シンボル画像による演出効果が弱くなる恐れがあった。これに対し、本実施形態によれば、複数のシンボル画像101が一つのシンボル変動ラインLCのみで表示制御されるため、シンボル画像101の大きさに対する制約が小さい。従って、シンボル画像101をより大きなサイズで表示でき、シンボル画像101による演出効果を向上できる。
また、従来の遊技機では、演出図柄がシンボル画像及び識別画像を一体に含むため、シンボル画像及び識別画像が同一の変動ラインで表示制御される。これに対し、本実施形態によれば、シンボル画像101及び識別画像102が夫々異なる変動ラインで表示制御される。このような従来にない新規の演出報知によって演出効果を高められるため、遊技の興趣を向上できる。
更に、従来の遊技機では、遊技者は報知演出時にシンボル画像を目視するために、演出図柄が変動表示される複数の変動ラインを全て目視しなければならかった。これに対し、本実施形態によれば、遊技者は報知演出時にシンボル画像101を目視するために、一つのシンボル変動ラインLCのみを目視すればよい。従って、遊技者はシンボル画像101の変動及び停止を視覚的に把握しやすいため、遊技の興趣を向上できる。
また、サブ制御基板60は、シンボル画像101をシンボル変動ラインLCで停止表示した時点で、複数の識別変動ラインL1〜L3の何れかで複数の識別画像102の変動表示が継続されている場合、シンボル変動ラインLCで停止表示したシンボル画像101を消去して、シンボル変動ラインLCで複数のシンボル画像101の変動表示を継続する(S116、S118、S122)。
これによれば、各識別変動ラインL1〜L3で識別画像102が順次停止表示されるのに同期して、シンボル変動ラインLCでシンボル画像101が順次停止表示される。更に、D1〜D3図柄の何れかが変動中である場合は、停止表示されたシンボル画像101が消去されて、シンボル変動ラインLCで再度変動表示が実行される。従って、シンボル変動ラインLCは、D1〜D3図柄に対応する三つのシンボル画像101を停止表示するための領域を別々に設ける必要なく、これらのシンボル画像101を一箇所に順次停止表示できる。遊技者はシンボル変動ラインLCのみを目視するだけで、順次停止表示されるシンボル画像101の組合せに基づいて遊技の結果を把握できる。
複数のシンボル画像101の各々は、対応する識別画像102との対応関係を示す画像である対応マーク101Aを含む。これによれば、先述したように、遊技者は報知演出時におけるシンボル画像101及び識別画像102との対応関係を、対応マーク101Aに基づいて正確に把握できる。
上記実施形態において、パチンコ機1が本発明の「遊技機」に相当する。画像表示装置8が、本発明の「画像表示手段」に相当する。サブ制御基板60(詳細には、CPU61)が、本発明の「表示制御手段」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、各種変形が可能である。例えば本発明は、パチンコ機のみならず、スロット機、パチコン機、アレンジボール機などにも適用できる。特別図柄の数量も限定されず、例えば特別図柄は一つでもよい。
上記実施形態では、三つのデモ図柄(D1〜D3図柄)で報知演出が行われる場合を例示したが、報知演出で使用されるデモ図柄の数量はこれに限定されない。即ち複数の識別変動ラインは、3つ(識別変動ラインL1〜L3)に限定されず、2つ又は4つ以上でもよい。D1〜D3図柄を夫々構成する複数の演出図柄は、8種類に限定されず、2種類以上であればよい。複数の識別変動ラインL1〜L3の配置、各シンボル画像101の変動及び停止の表示態様、シンボル変動ラインLCの配置、各識別画像102の変動及び停止の表示態様なども、パチンコ機1の遊技仕様等に応じて設計されればよい。
例えば、上記実施形態では表示画面28が横長の矩形状である場合を例示したが(図8、図9等参照)、表示画面28は他の形状でもよい。図16に示す例では、表示画面28は縦長の矩形状である。そして、表示画面28の長辺である右辺に沿って、識別変動ラインL1〜L3(及び識別停止領域T1〜T3)が上下方向に並んで設けられる。この場合、表示画面28においてD1〜D3図柄の各識別画像102を表示可能な領域(即ち、識別変動ラインL1〜L3及び識別停止領域T1〜T3)を、図9に示す横長の画面例よりも大きく確保しやすい。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、表示手段、可動手段、対応画像等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「表示手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。